説明

固形製剤検査装置

【課題】固形製剤が包装された後に、近赤外線を用いて、固形製剤を検査することができる装置を提供すること。
【解決手段】固形製剤検査装置101は、樹脂フィルム15に形成された凹状のポケット4に固形製剤5が収容され、かつ、アルミ物6が樹脂フィルム15に圧着された後に、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接するように、固形製剤5を搬送する搬送部8と、搬送部8によって固形製剤5が搬送されている状態で、樹脂フィルム15の一部に固形製剤5が接している側から、近赤外線を照射する近赤外線照射部9a,9bと、近赤外線照射部に9a,9bよって照射された近赤外線の反射光を解析して、固形製剤5を検査する検査部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤やカプセル剤、丸剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤など固形製剤を検査するための装置に関し、より特定的には、当該固形製剤を包装した後に検査するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤やカプセル剤、丸剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤、健康食品など固形製剤(以下、単に、固形製剤という)は、PTP(Press Through Package)と呼ばれる包装形態によって、包装される。PTPは、ポリプロピレン(PP)やポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂フィルムに固形製剤を収容するための凹状のポケットを有する。ポケットに固形製剤が収容され、当該樹脂フィルムにアルミ箔が圧着されて、固形製剤が包装される。固形製剤の包装後、一定の単位で、樹脂フィルムがカットされる。カットされたPTPは、PTPシートと呼ばれる。PTPシートが、通常、患者に提供される。
【0003】
近年、近赤外線を固形製剤に照射し、その反射光に対して主成分分析を行い、当該固形製剤を検査する方法が注目されている。特許文献1には、樹脂フィルムにアルミ箔が圧着される前の状態で、固形製剤に、直接、近赤外線を照射して、主成分分析を行い、異種品の混入を検査する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/38443号パンフレット(図14)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の検査方法をそのまま用いたのでは、樹脂フィルムにアルミ箔が圧着されて固形製剤が包装された後では、検査を行うことができなかった。
【0006】
それゆえ、本発明は、固形製剤が包装された後に、近赤外線を用いて、固形製剤を検査することができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、固形製剤を包装後に検査するための固形製剤検査装置であって、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤が収容され、かつ、箔状物が樹脂フィルムに圧着された後に、固形製剤が重力に従って樹脂フィルムの一部に接する位置に、固形製剤を移動させる移動手段と、樹脂フィルムの一部に固形製剤が接している側から、樹脂フィルムを介して、固形製剤に近赤外線を照射する近赤外線照射部と、近赤外線照射部によって照射された近赤外線の反射光を解析して、固形製剤を検査する検査部とを備える。
【0008】
好ましくは、近赤外線照射部は、鉛直方向に対して下向きの状態にポケットが配置されているときに、近赤外線を照射すると良い。
【0009】
好ましくは、近赤外線照射部は、鉛直方向に対して略垂直な向きの状態にポケットが配置されているときに、近赤外線を照射すると良い。
【0010】
好ましくは、近赤外線照射部は、鉛直方向に対して斜め向きの状態にポケットが配置されているときに、近赤外線を照射すると良い。
【0011】
好ましくは、近赤外線照射部は、近赤外線を線状に照射すると良い。
【0012】
好ましくは、検査部は、近赤外線の反射光に関して、波長毎の強度を測定し、主成分分析手法を用いて、固形製剤を検査すると良い。
【0013】
好ましくは、樹脂フィルムは、透明樹脂フィルム、半透明樹脂フィルム、又は着色樹脂フィルムであると良い。
【0014】
好ましくは、移動手段は、樹脂フィルムが一定の大きさにカットされる前か、または、樹脂フィルムが一定の大きさにカットされた後に、固形製剤を移動させると良い。
【0015】
本発明の他の局面は、固形製剤を包装するための固形製剤包装装置であって、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤を投入するための投入部と、固形製剤が収容された樹脂フィルムに箔状物を圧着するための圧着部と、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤が収容され、かつ、箔状物が樹脂フィルムに圧着された後に、固形製剤が重力に従って樹脂フィルムの一部に接する位置に、固形製剤を移動させる移動手段と、樹脂フィルムの一部に固形製剤が接している側から、樹脂フィルムを介して、固形製剤に近赤外線を照射する近赤外線照射部と、近赤外線照射部によって照射された近赤外線の反射光を解析して、固形製剤を検査する検査部とを備える。
【0016】
本発明の他の局面は、固形製剤を包装後に検査するための方法であって、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤が収容され、かつ、箔状物が樹脂フィルムに圧着された後に、固形製剤が重力に従って樹脂フィルムの一部に接する位置に、固形製剤を移動させ、樹脂フィルムの一部に固形製剤が接している側から、樹脂フィルムを介して、固形製剤に近赤外線を照射し、照射された近赤外線の反射光を解析して、固形製剤を検査する。
【0017】
本発明の他の局面は、固形製剤を包装するための方法であって、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤を投入し、固形製剤が収容された樹脂フィルムに箔状物を圧着し、樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに固形製剤が収容され、かつ、箔状物が樹脂フィルムに圧着された後に、固形製剤が重力に従って樹脂フィルムの一部に接する位置に、固形製剤を移動させ、樹脂フィルムの一部に固形製剤が接している側から、樹脂フィルムを介して、固形製剤に近赤外線を照射し、照射された近赤外線の反射光を解析して、固形製剤を検査する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、樹脂フィルムと固形製剤との間に設けられた空隙ができる限り少なくなるので、近赤外線が予期せぬ方向に屈折し反射することを防止することができる。したがって、近赤外線の反射光を安定的に解析することができる。よって、固形製剤の検査を安定的に精度高く行うことが可能となる。これにより、固形製剤が包装された後に、近赤外線を用いて、固形製剤を検査することができる好適な装置が提供されることとなる。
【0019】
ポケットが鉛直方向に対して下向きの状態に配置されている場合、より確実に、固形製剤は樹脂フィルムと接することとなる。よって、より安定的な検査を行うことが可能となる。また、ポケットが略垂直な向きであっても、斜め向きであっても、固形製剤が樹脂フィルムと接することとなるので、安定的な検査が可能となる。
【0020】
近赤外線を線状に照射すれば、反射光によって得られるスペクトルが多くなり、より安定的な検査が可能となる。また、一度に、複数の固形製剤を検査することが可能となるので、検査スピードが向上する。
【0021】
検査部が主成分分析手法を用いて固形製剤を検査すれば、より信頼性の高い検査が可能となる。
【0022】
近赤外線による検査を用いた場合、樹脂フィルムの種類に限定されることなく検査が可能となる。
【0023】
本発明の固形製剤検査装置は、固形製剤包装装置に含ませることができるので、限られたスペースを有効に活用することができる。
【0024】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る固形製剤包装装置100の概略構成を示す模式図
【図2】搬送部8周辺の詳細な構成を示す概略斜視図
【図3】図2における近赤外線カメラ12側から見たときの概略図
【図4】図1における固形製剤検査装置101の機能的構成を示すブロック図
【図5】図4におけるA方向から見たときのポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図
【図6】固形製剤5と上面4aとの間に空隙が存在する場合の概略断面図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る固形製剤包装装置100aの概略構成を示す模式図
【図8】図7におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る固形製剤包装装置100bの概略構成を示す模式図
【図10】図9におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図
【図11】本発明の第4の実施形態に係る固形製剤包装装置100cの概略構成を示す模式図
【図12】図11におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図
【図13】断面凸状に膨らみを有する固形製剤51及び上面に膨らみを有するポケット41を用いたときの搬送状態を示す図
【図14】カプセル剤である固形製剤52及びカプセル剤で用いられるポケット42を用いたときの搬送状態を示す図
【図15】第1〜第4の実施形態と同様に略円筒状でかつ断面略長方形状の固形製剤5を用いているが、上面に膨らみを有するポケット43を用いたときの搬送状態を示す図
【図16】ポケット4上に近赤外線が点状に照射される近赤外線照射部91a,91b,91c,91d,91eを用いたときの搬送部8周辺の概念斜視図及び撮像画像を示す図
【図17】PTPシート18にカットされた後に検査が行われる場合の構成の一例を示す図
【図18】PTPシート18にカットされた後に検査が行われる場合の構成の他の例を示す図
【図19】固形製剤5が樹脂フィルムに接する状態で、波長毎の光の強度を732回測定した場合の波長と光の強度とを示すグラフ
【図20】比較例として、固形製剤5が樹脂フィルムに接しない状態で、波長毎の光の強度を351回測定した場合の波長と光の強度とを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固形製剤包装装置100の概略構成を示す模式図である。図1において、固形製剤包装装置100は、加熱部1と、ポケット成形部2と、固形製剤投入部3と、圧着部7と、固形製剤検査装置101とを備える。固形製剤検査装置101は、搬送部8と、近赤外線照射部9a,9bと、光学レンズ10と、分光器11と、近赤外線カメラ12と、検査部13と、光源14とを含む。
【0027】
樹脂フィルム15は、ポリプロピレン(PP)やポリ塩化ビニル(PVC)などの熱可塑性樹脂材料からなるフィルムである。固形製剤包装装置100は、樹脂フィルム15を間欠的に搬送する。加熱部1は、樹脂フィルム15を加熱する。ポケット成形部2は、ポケット4を形成するための型を有する。ポケット成形部2は、加熱部1によって加熱されて軟化している樹脂フィルム15に対して、当該型を用いて、ポケット4を形成する。なお、図1上、ポケット4は、説明に必要な要所にのみ記載されている。固形製剤投入部3は、ポケット4に、固形製剤5を投入する。固形製剤包装装置100は、固形製剤5が投入された状態で、樹脂フィルム15を搬送する。アルミ箔6には、たとえば、加熱圧着剤が塗布されている。圧着部7は、樹脂フィルム15とアルミ箔6とを圧着する。これにより、固形製剤5は、ポケット4に収容された状態で包装されることになる。なお、ポケット4への圧着部材として、アルミ箔6以外の箔状物が用いられても良い。
【0028】
搬送部8は、鉛直方向に対して下向きの状態にポケット4が配置されるように、樹脂フィルム15を搬送する。搬送部8は、たとえば、回転ローラである。近赤外線照射部9a,9bは、ポケット4が鉛直方向に対して下向きの状態になっているときに、下側から近赤外線を固形製剤5に向けて照射する。図2は、搬送部8周辺の詳細な構成を示す概略斜視図である。図2において、図1と同一の符号を付した部分は、同一の機能を有する。図2に示すように、ポケット4は、横一列に並んで複数形成されている。さらに、ポケット4の複数の列が、搬送方向に形成されている。近赤外線照射部9a,9bは、近赤外線をポケット4の一列に線状に照射する。
【0029】
図3は、図2における近赤外線カメラ12側から見たときの概略図である。図3において、近赤外線照射部9a,9bによって照射された近赤外線NIRを樹脂フィルム15上に、点線で表す。近赤外線照射部9a,9bは、ハの字状に傾斜して配置されている。近赤外線照射部9a,9bの傾斜角は、近赤外線NIRがポケット4の一列に均一に照射されるように決定されている。近赤外線照射部9a,9bは、それぞれスリット9c,9dを有する(図2参照)。光源14に接続された光ファイバ等の導光手段(図示せず)を介して、近赤外線照射部9a、9bは、スリット9c,9dから、帯状の近赤外線を照射する。これにより、帯状の近赤外線がポケット4の一列にあたり、図3に示すように、線状の近赤外線NIRがポケット4の一列に照射されることとなる。近赤外線照射部9a,9bは、光源14(たとえば、ハロゲンランプ)から出力される光の内、近赤外線の波長(800nm〜2500nm)以外の波長をフィルター(図示せず)を用いて減衰させて、近赤外線を出力する。
【0030】
なお、近赤外線照射部9a,9bは、近赤外線の波長の内、複数通りの波長帯を選択できるようなフィルターを有していても良い。このような波長の選択を用いれば、検査対象に応じて、波長を使い分けることが可能である。なお、光源14は、一つであって、近赤外線照射部9a,9bに共通に光を供給しても良い。なお、図3では、ポケット4が5列のシートを用いているがこれに限定されるものではない。また、包装工程の最後で、図3の一点破線Pで示すような形状で、樹脂フィルム15がカットされ、一つのPTPシートとなる。ただし、PTPシートの形状は、本発明を限定するものではない。本発明では、PTPシートにカットされる前に、検査が完了する。
【0031】
図4は、図1における固形製剤検査装置101の機能的構成を示すブロック図である。図4において、図1と同様の機能を有する部分については、同一の参照符号を付す。近赤外線照射部9a,9bは、鉛直方向に対して下側から、すなわち、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15に形成されたポケット4に接する側から、近赤外線を照射する。光学レンズ10は、近赤外線の反射光を集光する。集光された反射光は、スリット(図示せず)及びレンズ(図示せず)を介して、帯状の平行光となる。当該平行光は、分光器11によって、分光される。分光器11によって分光された反射光は、近赤外線カメラ12に投射されて、近赤外線カメラ12によって撮像される。光学レンズ10,分光器11,及び近赤外線カメラ12は、近赤外線の反射光を適切に撮像できる位置に配置されている。
【0032】
図3の画像16は、近赤外線カメラ12に反射光が投射され、近赤外線カメラ12が得た画像の一例である。図3に示すように、画像16は、横軸が検査対象物の位置関係を示し、縦軸が波長を示す。また、波長毎の画素の濃淡が、波長毎の光の強度を示す。図3に示す例では、検査対象物の固形製剤5が5つ並んでいる。よって、画像16において、固形製剤5が存在する位置の光の強度が波長毎に変化している。
【0033】
近赤外線カメラ12で撮影された画像のデータは、検査部13に送信される。検査部13は、ローディングベクトル記憶部131と、主成分得点算出部132と、判定部133と、出力部134とを含む。
【0034】
ローディングベクトル記憶部131は、第1主成分から第n主成分までの主成分に関する列データを行列形式にして記憶している。この行列形式のデータをローディングベクトルという。たとえば、近赤外線カメラ12から送られてくる画像データに基づいて、n個の波長に関する光の強度(x1,x2,…,xn)が得られる場合を想定する。このとき、予め複数の固形製剤のサンプルを用いて、第1主成分(z1=a11・x1+a21・x2+…+az1・xn)から第n主成分(zn=an1・x1+an1・x2+…+an1・xn)までの主成分を求める。このとき、第1主成分を列データ(a11,a21,…,az1)によって表すことができる。同様に、他の主成分についても列データによって表すことができる。この各列データをローディングベクトルで用いる列データとして、ローディングベクトルを算出する。ローディングベクトルは、複数のサンプルを用いて、予め算出されおり、ローディングベクトル記憶部131に記憶されている。なお、有効な主成分分析の結果を得ることができるのであれば、第1主成分だけを用いても良いし、第2主成分までだけ用いても良い。
【0035】
主成分得点算出部132は、画像データから得られるn個の波長毎に関する光の強度(x1,x2,…,xn)について、ローディングベクトル記憶部131に記憶されているローディングベクトルを用いて、第1〜第nの主成分に関する主成分得点を算出する。
【0036】
判定部133は、予め複数のサンプルに関して得られた主成分得点に基づいて、良否判断の基準(たとえば、PCA(Principal Component Analysis)図における一定の範囲に属するかといった基準)を設定している。判定部133は、検査対象となる固形製剤の主成分得点を主成分得点算出部132から入力し、予め定められた良否判断基準に適合するか否かを判断し、判断結果を出力する。出力部134は、判定部133から出力される判断結果を外部に出力する。出力部134が出力した情報は、不良品であったPTPシートの廃棄などの制御に利用される。
【0037】
図5は、図4におけるA方向から見たときのポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図である。図5において、近赤外線照射部9a,9bから照射される近赤外線を矢印で模式的に示す。搬送部8は、鉛直方向に対して下向きの状態にポケット4が配置されるように、樹脂フィルム15を搬送する。したがって、固形製剤5の一部は、重力に従って、ポケット4の上面4aと接するようになる。そのため、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の空隙(空気層)が少なくなる。なお、固形製剤5及び樹脂フィルム15の凹凸があるので、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の空隙が完全に無くなるとは言い切れない。空隙が少なくなることによって、固形製剤5と樹脂フィルム15との間に設けられる空気層が少なくなる。したがって、当該空気層がレンズとして働いて、近赤外線の照射光と反射光が予期せぬ方向に屈折して、光学レンズ10側に適切に反射されなくなることをできる限り防止することができる。よって、近赤外線カメラ12は、反射光を適切に撮像することができる。ゆえに、安定した検査結果を得ることができる。
【0038】
図6は、固形製剤5と上面4aとの間に空隙が存在する場合の概略断面図である。図6に示すような状況で、上から近赤外線を照射した場合、空隙に設けられた空気層によって、近赤外線が予期せぬ方向に屈折して、光学レンズ10側に適切に反射されなくなる可能性がある。図6に示すような位置関係で近赤外線を照射したのでは、安定した検査結果が得られない。
【0039】
このように、第1の実施形態では、鉛直方向に対して下向きの状態にポケット4が配置されるように、樹脂フィルム15が搬送され、固形製剤5と樹脂フィルム15とが重力に従って接している側である下側から近赤外線が照射される。したがって、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の空隙を少なくすることができる。これにより、近赤外線が予期せぬ方向に屈折し反射するのをできる限り防止することができる。よって、近赤外線カメラ12は、反射光を適切に撮像することができる。ゆえに、安定した検査結果を得ることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る固形製剤包装装置100aの概略構成を示す模式図である。図7において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分は、同一の参照符号を付し説明を省略する。図7において、第1の実施形態と異なる点は、固形製剤検査装置101aにおける搬送部8aである。搬送部8aは、鉛直方向に対して略垂直な向きの状態にポケット4が配置されるように、樹脂フィルム15を搬送する。
【0041】
図8は、図7におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図である。図8に示すように、搬送部8aによる搬送によって、固形製剤5の一部は、重力に従ってポケット4の上面4a及び側面4bに接することになる。したがって、固形製剤5の一部が接している側(図8上の矢印側)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の間隙が少ない部分を近赤外線が通過することとなる。よって、近赤外線の照射光と反射光が予期せぬ方向に屈折し反射するのを防止することができ、安定した検査結果を得ることができる。
【0042】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る固形製剤包装装置100bの概略構成を示す模式図である。図9において、第1及び第2の実施形態と同様の機能を有する部分は、同一の参照符号を付し説明を省略する。図9において、第2の実施形態と異なる点は、固形製剤検査装置101bにおける近赤外線照射部9a,9bの位置並びに光学レンズ10、分光器11、近赤外線カメラ12の向きである。
【0043】
図10は、図9におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図である。図10に示すように、搬送部8aによる搬送によって、固形製剤5の一部は、重力に従ってポケット4の上面4aに接せず、側面4bにのみ接する可能性がある。したがって、固形製剤5の一部が確実に接する下側(側面4b側・図10上の矢印側)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の間隙が少ない部分を近赤外線が通過することとなる。よって、近赤外線の照射光と反射光が予期せぬ方向に屈折し反射するのを防止することができ、安定した検査結果を得ることができる。
【0044】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態に係る固形製剤包装装置100cの概略構成を示す模式図である。図11において、第1の実施形態と同様の機能を有する部分は、同一の参照符号を付し説明を省略する。図11において、第1の実施形態と異なる点は、固形製剤検査装置101cにおける搬送部8bである。搬送部8b,8bは、鉛直方向に対して斜め向きの状態にポケット4が配置されるように、樹脂フィルム15を搬送する。
【0045】
図12は、図11におけるポケット4部分の縦方向の概略拡大断面図である。図12に示すように、搬送部8b,8bによる搬送によって、固形製剤5の一部は、重力に従ってポケット4の上面4a及び側面4bに接することになる。したがって、固形製剤5の一部が接している側(図12上の矢印側)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5と樹脂フィルム15との間の空隙が少ない部分を近赤外線が通過することとなる。よって、近赤外線の照射光と反射光が予期せぬ方向に屈折し反射するのを防止することができ、安定した検査結果を得ることができる。
【0046】
(ポケット及び固形製剤の形状の変形例)
第1〜第4の実施形態では、固形製剤5が略円筒状でかつ断面形状が略長方形状である場合に、ポケット4が固形製剤5の形状に合わせた形状に形成されている場合を一例として示した。本発明においては、ポケット及び固形製剤の形状は特に限定されるものではない。
【0047】
図13は、断面凸状に膨らみを有する固形製剤51及び上面に膨らみを有するポケット41を用いたときの搬送状態を示す図である。図13(a)に示すように、第1の実施形態における搬送部8を用いた場合、固形製剤51とポケット41とが接する側(図13(a)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤51とポケット41との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図13(b)に示すように、第2の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤51とポケット41とが接する側(図13(b)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤51とポケット41との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図13(c)に示すように、第3の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤51とポケット41とが接する側(図13(c)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤51とポケット41との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図13(d)に示すように、第4の実施形態における搬送部8bを用いた場合、固形製剤51とポケット41とが接する側(図13(d)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤51とポケット41との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。
【0048】
図14は、カプセル剤(硬カプセル剤及び軟カプセル剤を含む)である固形製剤52及びカプセル剤で用いられるポケット42を用いたときの搬送状態を示す図である。図14(a)に示すように、第1の実施形態における搬送部8を用いた場合、固形製剤52とポケット42とが接する側(図14(a)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤52とポケット42との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図14(b)に示すように、第2の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤52とポケット42とが接する側(図14(b)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤52とポケット42との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図14(c)に示すように、第3の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤52とポケット42とが接する側(図14(c)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤52とポケット42との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図14(d)に示すように、第4の実施形態における搬送部8bを用いた場合、固形製剤52とポケット42とが接する側(図14(d)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤52とポケット42との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。
【0049】
図15は、第1〜第4の実施形態と同様に略円筒状でかつ断面略長方形状の固形製剤5を用いているが、上面に膨らみを有するポケット43を用いたときの搬送状態を示す図である。図15(a)に示すように、第1の実施形態における搬送部8を用いた場合、固形製剤5とポケット43とが接する側(図15(a)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5とポケット43との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図15(b)に示すように、第2の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤5とポケット43とが接する側(図15(b)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5とポケット43との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図15(c)に示すように、第3の実施形態における搬送部8aを用いた場合、固形製剤5とポケット43とが接する側(図15(c)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5とポケット43との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。図15(d)に示すように、第4の実施形態における搬送部8bを用いた場合、固形製剤5とポケット43とが接する側(図15(d)の実線矢印方向)から、近赤外線を照射すれば、固形製剤5とポケット44との空隙が少なくなるので、安定した検査結果を得ることができる。
【0050】
なお、固形製剤と樹脂フィルムとの間の空隙が少なくなれば、予期せぬ方向への屈折及び反射を抑制することが可能であるので、図13(d)、図14(b)、図14(d)、図15(a)、図15(b)、図15(c)、図15(d)に示す点線矢印の方向から近赤外線を照射しても、安定した検査結果を得ることが可能である。
【0051】
なお、固形製剤と樹脂フィルムとが重力に従って接する搬送形態であれば、上記の搬送形態以外の搬送形態を用いて、本発明を構成しても良い。
【0052】
なお、近赤外線を透過すれば本発明の検査は可能であるので、樹脂フィルムとしては、透明樹脂フィルムに限らず、半透明樹脂フィルムや着色樹脂フィルムなどを用いることが可能である。
【0053】
(近赤外線照射部の変形例)
第1〜第4の実施形態では、ポケット4上に近赤外線が線状に照射される近赤外線照射部9a,9bを用いることとしたが、これに限定されるものではない。図16は、ポケット4上に近赤外線が点状に照射される近赤外線照射部91a,91b,91c,91d,91eを用いたときの搬送部8周辺の概念斜視図及び撮像画像を示す図である。近赤外線照射部91a,91b,91c,91d,91eは、各ポケット4上に、点状に近赤外線を照射する。したがって、近赤外線カメラ12は、図16に示すように、固形製剤が存在する位置に、波長毎の強度が変化する画像16aを入手することとなる。このような画像16aを用いても、主成分分析は可能である。なお、点状に近赤外線を照射する場合でも、分光及び撮像が一度に行われるので、線状に近赤外線を照射する場合と同様の検査スピードが得られる。なお、線状の近赤外線が照射される場合であっても、点状の近赤外線が照射される場合であっても、近赤外線カメラ12は点状に反射光を撮像しても良い。
【0054】
(他の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、PTPシートにカットされる前の状態で検査を行うこととしたが、PTPシートにカットされた後に、検査が行われても良い。図17は、PTPシート18にカットされた後に検査が行われる場合の構成の一例を示す図である。なお、図17において、近赤外線照射部及び検査部の記載は省略されているが、近赤外線照射部及び検査部の構成は、第1〜第4の実施形態と同様である。図17に示すように、吸着パッドなどの把持部17は、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に、固形製剤5を移動させる。把持部17によって把持されている状態で、近赤外線照射部(図示せず)は、近赤外線NIRを、樹脂フィルム15の一部に固形製剤5が接している側から、樹脂フィルム15を介して、固形製剤5に照射する。
【0055】
図18は、PTPシート18にカットされた後に検査が行われる場合の構成の他の例を示す図である。なお、図18において、近赤外線照射部及び検査部の記載は省略されているが、近赤外線照射部及び検査部の構成は、第1〜第4の実施形態と同様である。図18に示すように、ポケット4の形状に合わせた複数の穴4cが板状部材4dに穿孔されている。吸着パッドなどの把持部(図示せず)は、板状部材4dの穴4cにポケット4が入るように、PTPシート18を移動させる。これにより、固形製剤5は、重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に移動する。なお、図18では、構成をわかりやすくするために、PTPシート18が載置されていない穴4cも図示する。ただし、複数の穴4cにPTPシート18が連続的に載置されていても良い。板状部材4dは、間欠的に搬送される。近赤外線照射部(図示せず)は、板状部材4dによって搬送されたPTPシート18の一列に対して、樹脂フィルム15の一部に固形製剤5が接している側から、樹脂フィルムを介して、固形製剤5に近赤外線NIRを照射する。なお、板状部材4dは、搬送されずに固定されていて、把持部(図示せず)によって、板状部材4dにPTPシート18が載置され、検査が完了したら、別なPTPシート18が板状部材4dに載置されても良い。また、板状部材4dが移動せずに、複数のPTPシート18が板状部材4dに載置されている場合、近赤外線照射部(図示せず)が、順次、ポケット4の一列ごとに間欠的に移動して検査が行われても良い。
【0056】
第1〜第4の実施形態では、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に、固形製剤5を移動させるために、搬送部8,8a,又は8bを用いた。図17では、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に、固形製剤5を移動させるために、把持部17を用いた。図18では、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に、固形製剤5を移動させるために、図示しない把持部と板状部材4dとを用いた。このように、搬送部8,8a、又は8b、把持部17、並びに図示しない把持部と板状部材4dは、樹脂フィルム15に形成された凹状のポケット4に固形製剤5が収容され、かつ、アルミ箔6が樹脂フィルム15に圧着された後に、固形製剤5が重力に従って樹脂フィルム15の一部に接する位置に、固形製剤5を移動させる移動手段として機能する。
【0057】
なお、本発明の検査対象となる固形製剤は、錠剤やカプセル剤、丸剤、トローチ剤、散剤、顆粒剤などあらゆる固形製剤である。なお、散剤や顆粒剤のような一定の形状を有さない集合体であっても、本発明の検査対象となりうる。
【0058】
(実施例)
本発明者は、下記の条件で、計測を行った。光源14をIRフィルター内蔵ハロゲンランプとした。光学レンズ10を25mmF1.4の光学レンズとした。分光器11の分光波長を950nm〜1700nmとした。近赤外線カメラ12として、米国GOODRICH社の製品を用いた。第1の実施形態に示すように、線状に近赤外線を照射した。
【0059】
図19は、ある一つの固形製剤5が樹脂フィルムに接する状態で、波長毎の光の強度を732回測定した場合の波長と光の強度とを示すグラフである。図20は、比較例として、ある一つの固形製剤5が樹脂フィルムに接しない状態で、波長毎の光の強度を351回測定した場合の波長と光の強度とを示すグラフである。図19では、732回分の値がプロットされている。図20では、351回分の値がプロットされている。図20において、複数の線に見える箇所は、複数の波形があるのではなく、351回分のプロットにぶれがあることを意味する。図19及び図20において、横軸は波長、縦軸は白色の基準板に対する反射光の強度を0としたときの波長毎の相対的な光の強度を示す。図19では、732回の測定を行ったにも関わらず、プロットがほぼ一定の波形に収まっていることが分かる。一方、図20では、測定毎にプロットの位置がずれ、プロットが一定の波形に収まっていないことが分かる。もし、図20に示すような波形を用いて、主成分分析を行ったとしても、正確に、固形製剤5の良否判定を行うことができない。一方、図19に示すようなほぼ一定の形状の波形を用いて、主成分分析を行った場合、正確に、固形製剤5の良否判定を行うことができる。これにより、本発明の手法が、包装後に固形製剤を検査するのに有効であることが確認された。
【0060】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、薬剤の包装技術分野等において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100,100a,100b,100c 固形製剤包装装置
101,101a,101b,101c 固形製剤検査装置
1 加熱部
2 ポケット成形部
3 固形製剤投入部
4,41,42,43 ポケット
4a ポケットの上面
4b ポケットの側面
4c 穴
4d 板状部材
5,51,52 固形製剤
6 アルミ箔
7 圧着部
8,8a,8b 搬送部
9a,9b,91a〜91e 近赤外線照射部
9c,9d スリット
10 光学レンズ
11 分光器
12 近赤外線カメラ
13 検査部
14 光源
15 樹脂フィルム
16,16a 画像
17 把持部
18 PTPシート
NIR 近赤外線
131 ローディングベクトル記憶部
132 主成分得点算出部
133 判定部
134 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形製剤を包装後に検査するための固形製剤検査装置であって、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤が収容され、かつ、箔状物が前記樹脂フィルムに圧着された後に、前記固形製剤が重力に従って前記樹脂フィルムの一部に接する位置に、前記固形製剤を移動させる移動手段と、
前記樹脂フィルムの一部に前記固形製剤が接している側から、前記樹脂フィルムを介して、前記固形製剤に近赤外線を照射する近赤外線照射部と、
前記近赤外線照射部によって照射された前記近赤外線の反射光を解析して、前記固形製剤を検査する検査部とを備える、固形製剤検査装置。
【請求項2】
前記近赤外線照射部は、鉛直方向に対して下向きの状態に前記ポケットが配置されているときに、前記近赤外線を照射することを特徴とする、請求項1に記載の固形製剤検査装置。
【請求項3】
前記近赤外線照射部は、鉛直方向に対して略垂直な向きの状態に前記ポケットが配置されているときに、前記近赤外線を照射することを特徴とする、請求項1に記載の固形製剤検査装置。
【請求項4】
前記近赤外線照射部は、鉛直方向に対して斜め向きの状態に前記ポケットが配置されているときに、前記近赤外線を照射することを特徴とする、請求項1に記載の固形製剤検査装置。
【請求項5】
前記近赤外線照射部は、前記近赤外線を線状に照射することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の固形製剤検査装置。
【請求項6】
前記検査部は、前記近赤外線の反射光に関して、波長毎の強度を測定し、主成分分析手法を用いて、前記固形製剤を検査することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の固形製剤検査装置。
【請求項7】
前記樹脂フィルムは、透明樹脂フィルム、半透明樹脂フィルム、又は着色樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の固形製剤検査装置。
【請求項8】
前記移動手段は、前記樹脂フィルムが一定の大きさにカットされる前か、または、前記樹脂フィルムが一定の大きさにカットされた後に、前記固形製剤を移動させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の固形製剤検査装置。
【請求項9】
固形製剤を包装するための固形製剤包装装置であって、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤を投入するための投入部と、
前記固形製剤が収容された前記樹脂フィルムに箔状物を圧着するための圧着部と、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤が収容され、かつ、箔状物が前記樹脂フィルムに圧着された後に、前記固形製剤が重力に従って前記樹脂フィルムの一部に接する位置に、前記固形製剤を移動させる移動手段と、
前記樹脂フィルムの一部に前記固形製剤が接している側から、前記樹脂フィルムを介して、前記固形製剤に近赤外線を照射する近赤外線照射部と、
前記近赤外線照射部によって照射された前記近赤外線の反射光を解析して、前記固形製剤を検査する検査部とを備える、固形製剤包装装置。
【請求項10】
固形製剤を包装後に検査するための方法であって、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤が収容され、かつ、箔状物が前記樹脂フィルムに圧着された後に、前記固形製剤が重力に従って前記樹脂フィルムの一部に接する位置に、前記固形製剤を移動させ、
前記樹脂フィルムの一部に前記固形製剤が接している側から、前記樹脂フィルムを介して、前記固形製剤に近赤外線を照射し、
照射された前記近赤外線の反射光を解析して、前記固形製剤を検査することを特徴とする、固形製剤の検査方法。
【請求項11】
固形製剤を包装するための方法であって、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤を投入し、
前記固形製剤が収容された前記樹脂フィルムに箔状物を圧着し、
樹脂フィルムに形成された凹状のポケットに前記固形製剤が収容され、かつ、箔状物が前記樹脂フィルムに圧着された後に、前記固形製剤が重力に従って前記樹脂フィルムの一部に接する位置に、前記固形製剤を移動させ、
前記樹脂フィルムの一部に前記固形製剤が接している側から、前記樹脂フィルムを介して、前記固形製剤に近赤外線を照射し、
照射された前記近赤外線の反射光を解析して、前記固形製剤を検査することを特徴とする、固形製剤の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−172672(P2010−172672A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22029(P2009−22029)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【Fターム(参考)】