土砂投入船と土砂投入方法
【課題】連続投入が可能で、土砂を均等に散布することができる土砂投入船と土砂投入方法を提供する。
【解決手段】船体2と、この船体2に移送端が設けられスラリー状の土砂Dを圧送する圧送管4と、この圧送管4により船体2に圧送された土砂Dを水底101に投入するトレミー管23とを備えた土砂投入船1において、移送端を開放端とし、この開放端から排出される土砂Dを受ける土砂受槽3と、この土砂受槽3とトレミー管23を接続する開口部とを備えるから、圧送管4を圧送されてきた土砂Dが開放端から気中に排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底に均等に散布することができる。
【解決手段】船体2と、この船体2に移送端が設けられスラリー状の土砂Dを圧送する圧送管4と、この圧送管4により船体2に圧送された土砂Dを水底101に投入するトレミー管23とを備えた土砂投入船1において、移送端を開放端とし、この開放端から排出される土砂Dを受ける土砂受槽3と、この土砂受槽3とトレミー管23を接続する開口部とを備えるから、圧送管4を圧送されてきた土砂Dが開放端から気中に排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底に均等に散布することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路により船体に圧送されてきたスラリー状の土砂を、水底に投入する土砂投入船と土砂投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾などにおいては、水深を確保するなどの目的のために浚渫が行われ、その浚渫土砂を所定水域に投入処理する場合があり、また、水底にドレーン用の砂杭を打設する前などに、サンドマットを形成するため、砂を投入する場合があり、水底施工において船体から水底に砂を投入するための各種の施工方法が提案されている。
【0003】
例えば、船体の船首部前方から水平方向に揺動自在なラダーを海底に延ばし、その先端に設けたカッターにより海底を掘削し、この掘削した土砂を船内の大型ポンプにて吸い上げて、パイプラインで送るもの(例えば、特許文献1)があり、また、ポンプ船により、土運船の砂を吸い上げ、スラリー状とし、このスラリー状にした砂を圧送管により所定水域まで圧送する方法がある。
【0004】
上記のようにして現場まで圧送された土砂は、投入船により、水底に投入され、その投入船としては、台船上に配置した排砂管の先端に交差するごとく撒砂パイプを接続し、その撒砂パイプの下部に沿って所定間隔に多数の吐出口を水平方向に配設し、それら各吐出口に、移動可能な流量調整用の可動仕切り体を設け、かつ各吐出口の吐出側に導砂板を配設してなり、排砂管に直交するごとく設けた撒砂パイプの最下部に沿って所定間隔で配設した複数の吐出口からそれぞれ適宜な流量で吐出しながら水底に覆砂される(例えば、特許文献2)。
【0005】
しかし、上記の投入船では、ポンプ圧送された土砂を吐出口から排出し、海上より土砂を直接投入する直投方式のものであるから、土砂投入による水中汚濁を抑制することが困難である。また、仮に、海上よりの投入に代えて、吐出口を水中に設けたとしても、ポンプ圧送されたスラリー状の土砂には空気が混入しているから、空気の吐き出しにより汚濁が発生する。
【0006】
そして、ポンプ浚渫船で浚渫した土砂は、多くの水分を含むとともに、ポンプ浚渫船からの送泥は流速が早く、量も多いため、浚渫した土砂を直接水底に投入すると、水中に拡散して濁りの発生原因となる。また、送泥量が多い状態で直接投入を行った場合、精度を確保し一定厚さになるように投入量を管理することが難しい。
【0007】
これに対して、水中汚泥の抑制を可能とする装置として、船上より水面下に垂下させたトレミー管を有し、該トレミー管の上端に散布土砂投入口を備え、船上に設けた砂積載ホッパーからコンベアによりトレミー管の土砂投入用ホッパーに砂を搬入する水底覆土用砂撒き装置(例えば、特許文献3)があり、この水底覆土用砂撒き装置では、トレミー管を用いることにより、上記直投方式のものに比べて、水中汚泥の抑制が可能となる。
【0008】
しかし、上記の砂撒き装置では、砂積載ホッパー内の砂を投入してしまうと、土砂運搬船などにより砂積載ホッパーに砂を積載するまで、投入作業を中断しなければならず、連続投入を行うことができないという問題がある。
【0009】
また、水中汚濁を防止するため、浮体式側枠を設ける汚濁防止装置(例えば、特許文献4)が提案されているが、施工場所の水深に合わせて側枠を変更することは困難であり、底面開口から排出した後の汚濁を防止することはできない。
【特許文献1】特開平7−260482号公報
【特許文献2】特開2001−279671号公報
【特許文献3】特公昭60−19371号公報
【特許文献4】特開平9−203043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、連続投入が可能で、土砂を均等に散布することができる土砂投入船と土砂投入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、船体と、この船体に移送端が設けられスラリー状の土砂を圧送する圧送管と、この圧送管により船体に圧送された前記土砂を水底に投入するトレミー管とを備えた土砂投入船において、前記圧送管の移送端に排出孔を設け、この排出孔から排出される土砂を受ける土砂受部と、この土砂受部と前記トレミー管を接続する接続部とを備えるものである。
【0012】
請求項2の発明は、前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂の上部に配置したものである。
【0013】
請求項3の発明は、前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂内に配置したものである。
【0014】
請求項4の発明は、複数の前記排出孔を設けたものである。
【0015】
請求項5の発明は、前記圧送管の流路断面を前記船体側において大きく設定したものである。
【0016】
請求項6の発明は、前記土砂受部の上部において前記圧送管の移送端の周囲に飛散防止板を設けたものである。
【0017】
請求項7の発明は、前記船体下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜と、この汚濁防止膜の水底からの高さを調整する高さ調整手段とを備えるものである。
【0018】
請求項8の発明は、投入した前記土砂の高さを測定する測定手段を備えるものである。
【0019】
請求項9の発明は、スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を気中から土砂受部に排出し、この排出により前記スラリー状の土砂に空気を混合した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入する方法である。
【0020】
請求項10の発明は、スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を土砂受部のスラリー状の土砂内に排出し、この排出により前記土砂の流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入する方法である。
【0021】
請求項11の発明は、前記排出前に管路の断面を大きくすることにより、前記土砂の流速を低減する方法である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の構成によれば、圧送管を圧送されてきた土砂を土砂受部に排出することにより、流速が低減し、流速が低減した状態で土砂受部に排出され、土砂受部の接続部からトレミー管に至った土砂が流下して水底に投入される。したがって、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂の流速を低減した状態で、トレミー管を通して投入することにより、土砂を水底に均等に散布することができる。
【0023】
また、請求項2の構成によれば、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管からの投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂を水底に均等に散布する。
【0024】
また、請求項3の構成によれば、スラリー土砂内に土砂を排出することにより、土砂の流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管を通して土砂を投入し、土砂を静的に投入することにより、土砂を水底に均等に散布する。
【0025】
また、請求項4の構成によれば、複数の排出孔から土砂を排出することにより、排出時の圧力が分散される。したがって、気中での排出では、シャワーのように空気を巻き込み、スラリー状土砂内での排出では、静的に排出される。
【0026】
また、請求項5の構成によれば、流路断面が拡大することにより、土砂の流速と圧力が低下した状態で土砂受部に排出される。
【0027】
また、請求項6の構成によれば、開放端から土砂受部に排出された土砂の飛散を防止することができる。
【0028】
また、請求項7の構成によれば、汚濁防止膜の水底からの高さを調整して、土砂投入により水中に発生した汚濁の周囲への拡散を防止することができる。
【0029】
また、請求項8の構成によれば、土砂の投入厚さを測定することができる。そして、例えば、その測定値により、船体の移動速度を自動計算し、移動手段と連動して、投入厚さに応じた船体の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0030】
請求項9の構成によれば、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂を気中で排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管から投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂を水底に均等に散布することができる。
【0031】
また、請求項10の構成によれば、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂を土砂受部のスラリー状土砂内で排出することにより、土砂の流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管を通して土砂を投入し、土砂を静的に投入することにより、土砂を水底に均等に散布することができる。
【0032】
また、請求項11の構成によれば、管路の断面が大きくなることにより、排出時に土砂の流速と圧力が低下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な土砂投入船と土砂投入方法を採用することにより、従来にない機能を付加した土砂投入船と土砂投入方法が得られ、その土砂投入船と土砂投入方法を夫々記述する。
【実施例1】
【0034】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図9は、本発明の実施例1の拡散散布の例を示し、同図に示すように、土砂投入船1は、台船たる船体2に土砂受部たる土砂受槽3を備え、この土砂受槽3の平面形状は、船体2の長さ方向に長く形成され、四方に側壁部3A,3B,3A,3Bを備え、船体2の長さ方向の側壁部3A,3Aの上縁が、船体長さ方向一側(後側)から他側(前側)に向かって低くなるように形成されていると共に、土砂受槽3の底面部3Cも船体長さ方向一側から他側に向かって低くなるように形成されている。
【0035】
また、前記船体2には、圧送管4により、管路を圧送可能な例えばスラリー状の土砂Dが圧送させ、その土砂Dを前記土砂受槽3により受けるようになっている。前記スラリー状の土砂としては、ポンプ浚渫船による水底土砂の浚渫により得られる水分を含む浚渫土砂や、土砂運搬船に搭載した土砂に水分を加えてスラリー状にした土砂などが例示され、加圧手段たるポンプ(図示せず)などにより加圧されて圧送管4により前記船体2まで圧送されてくる。尚、土砂Dは空気圧送船より加圧圧送されてもよい。また、船体2上に至る前の圧送管4は、フロート12などにより、水面に配置されている。
【0036】
前記圧送管4は、船体側2において、分岐部5で、2つの分岐圧送管6,6に分岐する。この分岐圧送管6と前記圧送管4の内径は同一である。したがって、圧送管4は、分岐部5以降において、断面積が2倍となる。また、前記分岐圧送管6,6には、移送端を構成する散管7,7を接続し、これら散管7,7は、前記土砂受槽3上で、平面において略平行をなすと共に、側面において、前側の端部に向かって低くなる傾斜をなしている。
【0037】
前記散管7は、図4に示すように、長さ方向に長い長穴状の排出孔8を、長さ方向及び円周方向に複数穿設することにより、圧送管4の移送端を開放端とし、排出孔8を前記土砂受槽3の上方で気中に配置している。尚、散管7の端部は、蓋板9により閉塞されている。また、それら排出孔8の合計面積は、散管7の内部の断面積より、大きく設定されている。したがって、散管7の管端のみから土砂Dを排出する場合に比べて、排出孔8から排出する場合の方が、土砂の流速及び圧力を低減することができる。尚、散管7は、前記土砂受槽3の側壁部3A,3A上間に横設したサポート部たるサポート梁10の上に支持固定されている。
【0038】
前記土砂受槽3の側壁部3A,3A上には、飛散防止板11,11がそれぞれ設けられえ、これら飛散防止板11,11は、前記散管7,7を両側から挟むように配置されており、それら散管7,7の排出孔8,8・・・から排出された土砂が、土砂受槽3の外部に飛散することを防止している。
【0039】
前記土砂受槽3の底面部3Cには、前記散管7,7の下部を外した位置に、接続部たる開口部21を穿設し、この開口部21に内管22を接続し、この内管22をトレミー管23の上端内に挿入し、このトレミー管23は、取付部材24により船体2に固定されており、また、前記トレミー管23の上部を囲むようにガイド管25が船体2に設けられている。
【0040】
前記トレミー管23は、船体2の幅方向略中央に配置され、船底より水中に垂設されている。
【0041】
前記船体2には、その周囲の全周を囲んで汚濁防止膜31が配置され、この汚濁防止膜31は、合成樹脂布シートなどからなり、囲んだ範囲の汚濁を外部に漏らさない構造を備え、例えばポリエステルキャンバス布が例示される。また、その汚濁防止膜31の上端は、船体2に位置固定されており、その汚濁防止膜31の下端に、下端側ワイヤーロープ32を周設し、この下端側ワイヤーロープ32に、船体2に設けた巻上げ装置たるウインチ33の巻取りワイヤー33Aを連結している。尚、船体2には、汚濁防止膜31の高さ調整手段たる前記ウインチ33を複数配置し、この例では16台のウインチ33を間隔を置いて配置している。尚、図3には、1台のウインチ33のみを図示している。
【0042】
そして、土砂投入前の状態で、水底101に対する汚濁防止膜31の下端との間に隙間Sを設け、例えば、隙間Sを1m程度に設定し、土砂Dの投入量、すなわち水底101に投入した土砂Dの厚さに合わせて、ウインチ33の駆動により巻取りワイヤー33Aを巻取り、汚濁防止膜31の下端を上昇せしめる。尚、前記隙間Sを設けるのは、土砂Dを投入した際、汚濁防止膜31に囲んだ領域の水を該領域の外に逃がすためである。また、水底101には高低さがあるから、船体2の移動の際、水底101に汚濁防止膜31の下端が接触しないように、該汚濁防止膜31の下端高さを調整する。
【0043】
前記船体2には、水底101の高さ及び投入した土砂Dの高さを測定するための測深器が設けられている。尚、水深が分かれば、水底101の高さを算出できるから、施工前の水底101の高さと施工中、施工後の水底101の高さから、投入した土砂Dの高さデータを得ることができる。そのような測深器であるオートレッド41が、前記トレミー管23を挟んだ船体幅方向の両側に設けられている。このオートレッド41は、船体2から重錘付のロープ42等を下ろし、重錘が水底101に達した位置でロープ42の繰り出し長さを測定し、この繰り出し長さにより水深を測定するものであり、これらを動作及び測定を自動で行い、前記水深データを出力するものである。また、船体2の中央側には船体長さ方向に間隔をおいて、測深器である手動式のレッド43,43が設けられている。このレッド43は、船体2から重錘付のロープ44等を下ろし、重錘が水底101に達した位置でロープ42の繰り出し長さを測定し、この繰り出し長さにより水深を測定するものであり、測定は手動で行うが、ロープ42の巻き取りなどは電動により行われる。したがって、これらオートレッド41及びレッド43は、実際のロープ42,44により水深を測定するものであるから、超音波の使用に不向きな現場では、その得られた水深データから、土砂Dの投入高さを正確に測定することができる。
【0044】
また、船体2には、測深器であるマルチビーム音響測深器45が搭載され、このマルチビーム音響測深器45では、水底地形を面的に測深することができ、且つ、水底地形をデータと共にモニターに画像化することができ、土砂Dの投入状態などを確認することができるものである。また、図示しないが、測深器としては、シングルビーム音響測深器を用いてもよい。
【0045】
さらに、船体2の居住区46にはGPS位置測定装置47が設けられ、このGPS位置測定装置47には、移動GPSのGPSアンテナ48が設けられ、衛星からのGPS信号を固定GPSと前記移動GPSとで受信することにより船体2の測位値を得るデファレンシャルGPS装置を備える。したがって、GPS位置測定装置47により、船体2の基準位置を正確に測定することができ、その基準位置から前記測深器を用いて水深などを正確に測定でき、水深から水底101の高さを算出することができる。
【0046】
前記船体2には、長さ方向両側で幅方向両側の4箇所に移動手段たるウインチ51,51,51A,51Aが設けられ、これらウインチ51,51Aはアンカー付牽引ワイヤー52,52を巻取り及び繰り出しするものである。そして、長さ方向一側のウインチ51,51のワイヤー52,52を交差配置し、それらワイヤー52,52の先端側のアンカー(図示せず)を水底101などに固定し、同様に長さ方向他側のウインチ51A,51Aのワイヤー52,52を交差配置し、ワイヤー52,52の先端側のアンカーを水底101などに固定する。したがって、それら4機のウインチ51,51,51A,51Aによりワイヤー52,52,52,52を個々に巻取り及び繰り出しすることにより、船体2をその長さ方向及び幅方向に移動することができる。
【0047】
また、船体2の後部には、自走式のクレーン53を位置固定して搭載し、このクレーン53は、走行手段の上部に旋回可能に設けた本体54と、この本体54に起伏自在に設けた起伏アーム55と、この起伏アーム55の先端に設けた昇降ワイヤー56とを備える。また、船体2は発電機57を備える。
【0048】
さらに、土砂受槽3内には、圧送管4から排出された土砂Dの含泥率を測定する含泥率測定装置61を設け、また、分岐部5より手前で圧送管4に流量計62を設ける。尚、前記含泥率測定装置61は、スラリー状の土砂Dに含まれる土砂Dの割合を算出するものである。
【0049】
それら含泥率測定装置61及び流量計62は、制御装置63に電気的に接続されて制御され、制御装置63では、含泥率測定装置61で得られた土砂成分の割合のデータと、流量計62で得られた流量のデータから、トレミー管23から水底101に投入した土砂成分の量を算出することができる。したがって、制御装置63は、投入した土砂成分の量から、投入厚さを算出し、施工時のおける船体2の移動速度を算出し、さらに、移動速度に基いて前記移動手段たるウインチ51,51,51A,51Aを駆動制御することができ、移動手段と連動して、投入厚さに応じた船体2の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0050】
また、制御装置63は、投入厚さに応じて、前記汚濁防止膜31の下端を上昇し、該下端の高さを調整することができる。
【0051】
次に、前記土砂投入船1による土砂Dの投入作業の一例を説明する。土砂Dを投入する施工場所において、船体2を位置固定し、汚濁防止膜31の下端と水底101との間に所定の隙間Sを形成するように、ウインチ33を駆動して巻取りワイヤー33Aを巻取り、汚濁防止膜31の下端高さを調整する。この場合、隙間Sを設けることにより、土砂Dを投入した際、汚濁防止膜31で囲んだ領域の水を外部に逃がすことができる。また、投入厚さに対応して、汚濁防止膜31の下端を上げる。
【0052】
そして、船体2には、圧送管4によりスラリー状の土砂Dが圧送されてくるが、まず、その土砂Dは分岐部5から分岐圧送管6,6に分かれて流路が拡大することにより、流速及び圧力が低下する。さらに、散管7において、外部に開放された複数の排出孔8から排出されることにより、土砂Dは、流速と圧力が低下し、あたかもシャワーのように空気を巻き込み、土砂受槽3内の土砂Dに空気が混入する。そして、気泡として空気を含んだスラリー状の土砂Dは底面部3Cの傾斜に沿って、開口部21からトレミー管23に至り、トレミー管23内を略自然流下すると共に、気泡の浮上力により均等に分散されて水底101に堆積する。このように、圧送されてきた土砂Dを開放などすることにより流速と圧力を下げ、且つ積極的に空気を混入して投入するため、水底に101に土砂Dを均等に散布することができる。
【0053】
また、前記汚濁防止膜31で囲まれた水底101の範囲を1つの区画111とし、施工範囲始端112において、所定量の土砂Dを導入した後、図7に示すように、移動装置たるウインチ51,51,51A,51Aを駆動して、船体2を幅方向に1区画111の幅だけ移動し、ここで停止した状態で、同様に、土砂Dを所定量だけ導入した後、1区画111の幅だけ移動し、このように1区画111毎の幅方向の移動を繰り返し、これを施工範囲終端113まで繰り返して施工範囲終端113までの施工が完了したら、次は、図8に示すように、1区画102の長さからその1/2の長さの範囲だけ、船体2を長さ方向に移動し、停止して所定量の土砂Dの投入を行い、長さ方向の移動の前の幅方向の移動とは逆方向の幅方向の移動を行って同様にして1区画111毎に所定量の土砂Dの投入を繰り替えし、施工範囲始端112まで至ったら、1区画102の長さLからその長さLの1/2の長さの範囲(L〜1/2L)だけ、船体2を長さ方向に移動し、停止して所定量の土砂Dの投入を行い、施工範囲終端113に向かって幅方向の移動と停止状態での投入とを繰り返し、施工範囲に土砂Dを投入する。
【0054】
また、水底101は平坦ではないから、土砂投入後の区画の隣の区画に凸部分などがあると、移動時に汚濁防止膜31の下端がその凸部分に当たる可能性がある場合は、汚濁防止膜31の下端を上げて、移動後、設定した隙間Sが得られるように、下端を下ろせばよく、投入厚さの確認や投入中の区画111及びこれに隣接する区画111の水底101の形状は、マルチビーム音響測深器45により確認することができる。また、マルチビーム音響測深器45に合わせてオートレッド41及びレッド43を使用して水深を測定し、水深から投入厚さを正確に確認することができる。
【0055】
そして、1区画111の長さL未満〜1/2Lだけ、船体2を長さ方向に移動することにより、長さ方向に隣合う区画111,111で投入範囲が重複するから、長さ方向に隣合う区画111,111間において、土砂未投入の部分が無くなる。また、船体2の幅方向移動の際にも重複する部分を設けるようにしてもよい。
【0056】
また、一定範囲の施工を行った後、シングルビーム音響測深器を装置した測量船(図示せず)を使用して投入厚さを確認した後、施工を再開するようにしてもよい。
【0057】
このように本実施例では、請求項1に対応して、船体2と、この船体2に移送端が設けられスラリー状の土砂Dを圧送する圧送管4と、この圧送管4により船体2に圧送された土砂Dを水底101に投入するトレミー管23とを備えた土砂投入船1において、圧送管4の移送端に排出孔8を設け、この排出孔8から排出される土砂Dを受ける土砂受部たる土砂受槽3と、この土砂受槽3とトレミー管23を接続する接続部たる開口部21とを備えるから、圧送管4を圧送されてきた土砂Dを土砂受槽3に排出することにより、流速が低減し、流速が低減した状態で土砂受槽3に排出され、土砂受槽3の開口部21からトレミー管23に至った土砂Dが流下して水底101に投入される。したがって、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを直接投入することなく、投入前に土砂受槽3を経由し、トレミー管23を通して投入することにより、土砂Dを水底に均等に散布することができる。
【0058】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、排出孔8を土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂Dの上に配置したから、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0059】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、移送端たる散管7には、圧送管4の内外を連通する複数の排出孔8を設けたから、複数の排出孔8から土砂Dを排出することにより、排出時の圧力が分散され、気中での排出では、シャワーのように空気を巻き込むことができる。
【0060】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、圧送管4の流路断面を船体2側において大きく設定したから、流路断面が拡大することにより、土砂Dの流速と圧力が低下した状態で土砂受槽3に排出される。
【0061】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、土砂受部たる土砂受槽3の上部において圧送管4の移送端たる散管7の周囲に飛散防止板11を設けたから、散管7から土砂受槽3に排出された土砂Dの飛散を防止することができ、船体2上や船外に土砂Dが飛散することがない。
【0062】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、船体2下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜31と、この汚濁防止膜31の水底101からの高さを調整する高さ調整手段たるウインチ33とを備えるから、汚濁防止膜31の水底101からの高さを調整して、土砂投入により水中に発生した汚濁の周囲への拡散を防止することができ、また、作業水深や土砂Dの投入厚さに対応して、汚濁防止膜31の下端高さを調整できる。
【0063】
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、投入した土砂Dの高さを測定する測定手段たるマルチビーム音響測深器45を備えるから、土砂Dの投入厚さを測定することができる。そして、例えば、その測定値により、船体2の移動速度を自動計算し、移動手段たるウインチ51,51Aと連動して、投入厚さに応じた船体2の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0064】
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、スラリー状の土砂Dを管路たる圧送管4により船体2に圧送し、この船体2において圧送管4により圧送されてきた土砂Dを気中から土砂受部たる土砂受槽3に開放し、この排出によりスラリー状の土砂Dに空気を混合した後、土砂受槽3に接続したトレミー管23から水底101に流下することにより、土砂Dを水底101に投入するから、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0065】
また、このように本実施例では、請求項12に対応して、開放前に管路たる圧送管4の断面を大きくすることにより、土砂Dの流速を低減するから、管路の断面が大きくなることにより、土砂Dの流速と圧力が低下し、水中汚濁を大幅に抑制することができる。
【0066】
また、実施例上の効果として、ポンプ浚渫船の排砂管が圧送管4であり、この圧送管4を2系列以上に分岐し、排出時の流速の低減を図ることで水中の汚濁を抑制することができる。
【0067】
また、船体2にクレーン53を装備する構造であるから、船体2のみで、艤装及び艤装解除を容易に行うことができ、また、土砂投入に係る設備を取り外せば、通常のクレーン付台船として使用可能となる。また、水底101に土砂導入を行うトレミー管23及びトレミー管23を設置する船体2は、その全体が外周を汚濁防止膜31で覆われるため、船体2外部への水濁の拡大が大幅に抑制できる。また、投入位置の管理には、GPS位置測定装置47を利用し、投入厚さの管理には、オートレッド41,レッド43及びマルチビーム音響測深器45を併用することにより、投入厚さを高精度に管理した施工が可能となる。
【0068】
さらに、船体2にマルチビーム音響測深器45を備えることにより、投入作業と同時に、次に投入を行う隣の区画における投入厚さの決定とを並行的に実施することができる。また、汚濁防止膜31の下端の昇降は、電動ウインチ33と手動ウインチのどちらを用いてもよく、土砂投入厚さによって、最適な高さに設定すればよい。また、その汚濁防止膜31の下端の高さは、水底101に接することなく、且つ、大きな隙間がないようにする。また、上述した船体2の移動順序は、一例であり、船体2を一定速度で移動しながら、土砂投入作業を行うようにしてもよい。さらに、土砂Dは浚渫土砂に限らず、砂材を用いて、海底や固定の水質浄化を目的とした砂散布や水底に有害物質が存在する場合にその上に砂層を設ける封じ込め工法にも利用できる。
【実施例2】
【0069】
図10は本発明の実施例2を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、散管7を土砂受槽3のスラリー状土砂D内に配置し、すなわちスラリー状土砂Dの液面下に圧送管4を没して配置している。尚、土砂受槽3の側壁部3Bに、分岐圧送管6を水密に挿通する挿通孔71を設けている。
【0070】
そして、船体2には、圧送管4によりスラリー状の土砂Dが圧送されてくるが、まず、その土砂Dは分岐部5から分岐圧送管6,6に分かれて流路が拡大することにより、流速及び圧力が低下する。さらに、土砂受槽3内の土砂D内に配置した散管7において、複数の排出孔8から排出されることにより、土砂Dは、流速と圧力が低下し、その土砂Dは底面部3Cの傾斜に沿って、開口部21からトレミー管23に至り、トレミー管23から土砂を静的に投入することにより、水底101に均一に堆積する。
【0071】
このように本実施例では、上記実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0072】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、排出孔8を土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置したから、スラリー土砂D内に圧送管8から土砂Dを排出することにより、土砂Dの流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管23を通して土砂Dを投入し、土砂Dを静的に投入することにより、土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0073】
また、このように本実施例では、請求項10に対応して、スラリー状の土砂Dを管路により船体2に圧送し、この船体2において管路により圧送されてきた土砂Dを土砂受部たる土砂受槽3のスラリー状の土砂D内に排出し、この排出により土砂Dの流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管23から水底101に流下することにより、土砂Dを水底101に投入するから、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを土砂受槽3のスラリー状土砂D内で排出することにより、土砂Dの流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管23を通して土砂Dを投入し、土砂Dを静的に投入することにより、土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【実施例3】
【0074】
図11は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、分岐圧送管6を上方に配置すると共に、散管7を下方に配置し、これらを上下方向の接続管72により接続し、この接続管72は伸縮可能はフレキシブル管などからなり、前記散管7の高さ位置を調整する高さ調整手段たる昇降手段73を備える。
【0075】
したがって、昇降手段73により土砂受槽3内における散管7の高さ位置を調整し、土砂受槽3のスラリー状土砂Dにおける排出孔8の高さを調整することができ、例えば、土砂Dの送り量により土砂Dの液面高さに対応して、散管7の高さを調整することができる。
【実施例4】
【0076】
図12は本発明の実施例45を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、散管7を用いておらず、圧送管4は分岐部5で3以上の分岐圧送管6,6,6,6,6に分岐し、これら分岐圧送管6,6,6,6,6の移送端に排出孔8Aがそれぞれ形成され、排出孔8Aは土砂受槽3の上方で気中に配置されている。
【0077】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、排出孔8Aを土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂Dの上に配置したから、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができ、また、分岐により複数の排出孔8Aを備え、圧送管6の流路断面を船体2側において大きく設定しているから、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例5】
【0078】
図13は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例4の分岐管6…を貫通孔71…に挿通し、排出管8Aを土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置しており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例6】
【0079】
図14は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、実施例4の分岐管6…の先端74をして向きとし、その先端74の下端に排出管8Aを設け、前記昇降手段73により排出孔8Aの高さ位置を調整可能に設け、圧送管4にフレキシブル管などの接続管75を設け、分岐管6…が昇降可能に設けられており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例7】
【0080】
図15は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、圧送管4の移送端に拡大管81を設け、拡大管81の端部に拡大された排出孔8Bを設け、排出孔8Bを土砂受槽3上の気中に配置しており、圧送管4の流路断面を船体2側において大きく設定したから、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例8】
【0081】
図16は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例7の拡大管81を貫通孔71挿通し、排出管8Bを土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置しており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例9】
【0082】
図17は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例7の拡大管81の先端74をして向きとし、その先端74の下端に排出管8Bを設け、前記昇降手段73により排出孔8Bの高さ位置を調整可能に設け、圧送管4にフレキシブル管などの接続管75を設け、拡大管81が昇降可能に設けられており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【0083】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例1を示す全体側面図である。
【図2】同上、全体平面図である。
【図3】同上、一部を切り欠いた全体正面図である。
【図4】同上、圧送管の移送端の側面図である。
【図5】同上、土砂受部とトレミー管の要部の断面図である。
【図6】同上、制御装置回りのブロック図である。
【図7】同上、施工手順を説明する平面説明図である。
【図8】同上、施工範囲端部における施工手順を説明する平面説明図である。
【図9】同上、圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図10】本発明の実施例2を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図11】本発明の実施例3を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図12】本発明の実施例4を圧送管の移送端側回りの概略説明図であり、図12(A)は側面図、図12(B)は平面図である。
【図13】本発明の実施例5を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図14】本発明の実施例6を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図15】本発明の実施例7を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図16】本発明の実施例8を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図17】本発明の実施例9を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1 土砂投入船
2 船体
3 土砂受槽(土砂受部)
4 圧送管
5 分岐部
6 分岐圧送管
7 散管(圧送管の移送端)
8,8A,8B 排出孔
11 飛散防止板
21 開口部(接続部)
23 トレミー管
31 汚濁防止膜
32 下端側ワイヤーロープ
33 ウインチ(高さ調整手段)
41 オートレッド(測深器)
43 レッド(測深器)
45 マルチビーム音響測深器(測深器)
101 水底
S 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路により船体に圧送されてきたスラリー状の土砂を、水底に投入する土砂投入船と土砂投入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾などにおいては、水深を確保するなどの目的のために浚渫が行われ、その浚渫土砂を所定水域に投入処理する場合があり、また、水底にドレーン用の砂杭を打設する前などに、サンドマットを形成するため、砂を投入する場合があり、水底施工において船体から水底に砂を投入するための各種の施工方法が提案されている。
【0003】
例えば、船体の船首部前方から水平方向に揺動自在なラダーを海底に延ばし、その先端に設けたカッターにより海底を掘削し、この掘削した土砂を船内の大型ポンプにて吸い上げて、パイプラインで送るもの(例えば、特許文献1)があり、また、ポンプ船により、土運船の砂を吸い上げ、スラリー状とし、このスラリー状にした砂を圧送管により所定水域まで圧送する方法がある。
【0004】
上記のようにして現場まで圧送された土砂は、投入船により、水底に投入され、その投入船としては、台船上に配置した排砂管の先端に交差するごとく撒砂パイプを接続し、その撒砂パイプの下部に沿って所定間隔に多数の吐出口を水平方向に配設し、それら各吐出口に、移動可能な流量調整用の可動仕切り体を設け、かつ各吐出口の吐出側に導砂板を配設してなり、排砂管に直交するごとく設けた撒砂パイプの最下部に沿って所定間隔で配設した複数の吐出口からそれぞれ適宜な流量で吐出しながら水底に覆砂される(例えば、特許文献2)。
【0005】
しかし、上記の投入船では、ポンプ圧送された土砂を吐出口から排出し、海上より土砂を直接投入する直投方式のものであるから、土砂投入による水中汚濁を抑制することが困難である。また、仮に、海上よりの投入に代えて、吐出口を水中に設けたとしても、ポンプ圧送されたスラリー状の土砂には空気が混入しているから、空気の吐き出しにより汚濁が発生する。
【0006】
そして、ポンプ浚渫船で浚渫した土砂は、多くの水分を含むとともに、ポンプ浚渫船からの送泥は流速が早く、量も多いため、浚渫した土砂を直接水底に投入すると、水中に拡散して濁りの発生原因となる。また、送泥量が多い状態で直接投入を行った場合、精度を確保し一定厚さになるように投入量を管理することが難しい。
【0007】
これに対して、水中汚泥の抑制を可能とする装置として、船上より水面下に垂下させたトレミー管を有し、該トレミー管の上端に散布土砂投入口を備え、船上に設けた砂積載ホッパーからコンベアによりトレミー管の土砂投入用ホッパーに砂を搬入する水底覆土用砂撒き装置(例えば、特許文献3)があり、この水底覆土用砂撒き装置では、トレミー管を用いることにより、上記直投方式のものに比べて、水中汚泥の抑制が可能となる。
【0008】
しかし、上記の砂撒き装置では、砂積載ホッパー内の砂を投入してしまうと、土砂運搬船などにより砂積載ホッパーに砂を積載するまで、投入作業を中断しなければならず、連続投入を行うことができないという問題がある。
【0009】
また、水中汚濁を防止するため、浮体式側枠を設ける汚濁防止装置(例えば、特許文献4)が提案されているが、施工場所の水深に合わせて側枠を変更することは困難であり、底面開口から排出した後の汚濁を防止することはできない。
【特許文献1】特開平7−260482号公報
【特許文献2】特開2001−279671号公報
【特許文献3】特公昭60−19371号公報
【特許文献4】特開平9−203043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、連続投入が可能で、土砂を均等に散布することができる土砂投入船と土砂投入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、船体と、この船体に移送端が設けられスラリー状の土砂を圧送する圧送管と、この圧送管により船体に圧送された前記土砂を水底に投入するトレミー管とを備えた土砂投入船において、前記圧送管の移送端に排出孔を設け、この排出孔から排出される土砂を受ける土砂受部と、この土砂受部と前記トレミー管を接続する接続部とを備えるものである。
【0012】
請求項2の発明は、前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂の上部に配置したものである。
【0013】
請求項3の発明は、前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂内に配置したものである。
【0014】
請求項4の発明は、複数の前記排出孔を設けたものである。
【0015】
請求項5の発明は、前記圧送管の流路断面を前記船体側において大きく設定したものである。
【0016】
請求項6の発明は、前記土砂受部の上部において前記圧送管の移送端の周囲に飛散防止板を設けたものである。
【0017】
請求項7の発明は、前記船体下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜と、この汚濁防止膜の水底からの高さを調整する高さ調整手段とを備えるものである。
【0018】
請求項8の発明は、投入した前記土砂の高さを測定する測定手段を備えるものである。
【0019】
請求項9の発明は、スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を気中から土砂受部に排出し、この排出により前記スラリー状の土砂に空気を混合した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入する方法である。
【0020】
請求項10の発明は、スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を土砂受部のスラリー状の土砂内に排出し、この排出により前記土砂の流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入する方法である。
【0021】
請求項11の発明は、前記排出前に管路の断面を大きくすることにより、前記土砂の流速を低減する方法である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の構成によれば、圧送管を圧送されてきた土砂を土砂受部に排出することにより、流速が低減し、流速が低減した状態で土砂受部に排出され、土砂受部の接続部からトレミー管に至った土砂が流下して水底に投入される。したがって、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂の流速を低減した状態で、トレミー管を通して投入することにより、土砂を水底に均等に散布することができる。
【0023】
また、請求項2の構成によれば、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管からの投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂を水底に均等に散布する。
【0024】
また、請求項3の構成によれば、スラリー土砂内に土砂を排出することにより、土砂の流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管を通して土砂を投入し、土砂を静的に投入することにより、土砂を水底に均等に散布する。
【0025】
また、請求項4の構成によれば、複数の排出孔から土砂を排出することにより、排出時の圧力が分散される。したがって、気中での排出では、シャワーのように空気を巻き込み、スラリー状土砂内での排出では、静的に排出される。
【0026】
また、請求項5の構成によれば、流路断面が拡大することにより、土砂の流速と圧力が低下した状態で土砂受部に排出される。
【0027】
また、請求項6の構成によれば、開放端から土砂受部に排出された土砂の飛散を防止することができる。
【0028】
また、請求項7の構成によれば、汚濁防止膜の水底からの高さを調整して、土砂投入により水中に発生した汚濁の周囲への拡散を防止することができる。
【0029】
また、請求項8の構成によれば、土砂の投入厚さを測定することができる。そして、例えば、その測定値により、船体の移動速度を自動計算し、移動手段と連動して、投入厚さに応じた船体の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0030】
請求項9の構成によれば、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂を気中で排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管から投入時に投入土砂に気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂を水底に均等に散布することができる。
【0031】
また、請求項10の構成によれば、土砂を圧送することにより連続施工が可能で、船体に送られた土砂を土砂受部のスラリー状土砂内で排出することにより、土砂の流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管を通して土砂を投入し、土砂を静的に投入することにより、土砂を水底に均等に散布することができる。
【0032】
また、請求項11の構成によれば、管路の断面が大きくなることにより、排出時に土砂の流速と圧力が低下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な土砂投入船と土砂投入方法を採用することにより、従来にない機能を付加した土砂投入船と土砂投入方法が得られ、その土砂投入船と土砂投入方法を夫々記述する。
【実施例1】
【0034】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図9は、本発明の実施例1の拡散散布の例を示し、同図に示すように、土砂投入船1は、台船たる船体2に土砂受部たる土砂受槽3を備え、この土砂受槽3の平面形状は、船体2の長さ方向に長く形成され、四方に側壁部3A,3B,3A,3Bを備え、船体2の長さ方向の側壁部3A,3Aの上縁が、船体長さ方向一側(後側)から他側(前側)に向かって低くなるように形成されていると共に、土砂受槽3の底面部3Cも船体長さ方向一側から他側に向かって低くなるように形成されている。
【0035】
また、前記船体2には、圧送管4により、管路を圧送可能な例えばスラリー状の土砂Dが圧送させ、その土砂Dを前記土砂受槽3により受けるようになっている。前記スラリー状の土砂としては、ポンプ浚渫船による水底土砂の浚渫により得られる水分を含む浚渫土砂や、土砂運搬船に搭載した土砂に水分を加えてスラリー状にした土砂などが例示され、加圧手段たるポンプ(図示せず)などにより加圧されて圧送管4により前記船体2まで圧送されてくる。尚、土砂Dは空気圧送船より加圧圧送されてもよい。また、船体2上に至る前の圧送管4は、フロート12などにより、水面に配置されている。
【0036】
前記圧送管4は、船体側2において、分岐部5で、2つの分岐圧送管6,6に分岐する。この分岐圧送管6と前記圧送管4の内径は同一である。したがって、圧送管4は、分岐部5以降において、断面積が2倍となる。また、前記分岐圧送管6,6には、移送端を構成する散管7,7を接続し、これら散管7,7は、前記土砂受槽3上で、平面において略平行をなすと共に、側面において、前側の端部に向かって低くなる傾斜をなしている。
【0037】
前記散管7は、図4に示すように、長さ方向に長い長穴状の排出孔8を、長さ方向及び円周方向に複数穿設することにより、圧送管4の移送端を開放端とし、排出孔8を前記土砂受槽3の上方で気中に配置している。尚、散管7の端部は、蓋板9により閉塞されている。また、それら排出孔8の合計面積は、散管7の内部の断面積より、大きく設定されている。したがって、散管7の管端のみから土砂Dを排出する場合に比べて、排出孔8から排出する場合の方が、土砂の流速及び圧力を低減することができる。尚、散管7は、前記土砂受槽3の側壁部3A,3A上間に横設したサポート部たるサポート梁10の上に支持固定されている。
【0038】
前記土砂受槽3の側壁部3A,3A上には、飛散防止板11,11がそれぞれ設けられえ、これら飛散防止板11,11は、前記散管7,7を両側から挟むように配置されており、それら散管7,7の排出孔8,8・・・から排出された土砂が、土砂受槽3の外部に飛散することを防止している。
【0039】
前記土砂受槽3の底面部3Cには、前記散管7,7の下部を外した位置に、接続部たる開口部21を穿設し、この開口部21に内管22を接続し、この内管22をトレミー管23の上端内に挿入し、このトレミー管23は、取付部材24により船体2に固定されており、また、前記トレミー管23の上部を囲むようにガイド管25が船体2に設けられている。
【0040】
前記トレミー管23は、船体2の幅方向略中央に配置され、船底より水中に垂設されている。
【0041】
前記船体2には、その周囲の全周を囲んで汚濁防止膜31が配置され、この汚濁防止膜31は、合成樹脂布シートなどからなり、囲んだ範囲の汚濁を外部に漏らさない構造を備え、例えばポリエステルキャンバス布が例示される。また、その汚濁防止膜31の上端は、船体2に位置固定されており、その汚濁防止膜31の下端に、下端側ワイヤーロープ32を周設し、この下端側ワイヤーロープ32に、船体2に設けた巻上げ装置たるウインチ33の巻取りワイヤー33Aを連結している。尚、船体2には、汚濁防止膜31の高さ調整手段たる前記ウインチ33を複数配置し、この例では16台のウインチ33を間隔を置いて配置している。尚、図3には、1台のウインチ33のみを図示している。
【0042】
そして、土砂投入前の状態で、水底101に対する汚濁防止膜31の下端との間に隙間Sを設け、例えば、隙間Sを1m程度に設定し、土砂Dの投入量、すなわち水底101に投入した土砂Dの厚さに合わせて、ウインチ33の駆動により巻取りワイヤー33Aを巻取り、汚濁防止膜31の下端を上昇せしめる。尚、前記隙間Sを設けるのは、土砂Dを投入した際、汚濁防止膜31に囲んだ領域の水を該領域の外に逃がすためである。また、水底101には高低さがあるから、船体2の移動の際、水底101に汚濁防止膜31の下端が接触しないように、該汚濁防止膜31の下端高さを調整する。
【0043】
前記船体2には、水底101の高さ及び投入した土砂Dの高さを測定するための測深器が設けられている。尚、水深が分かれば、水底101の高さを算出できるから、施工前の水底101の高さと施工中、施工後の水底101の高さから、投入した土砂Dの高さデータを得ることができる。そのような測深器であるオートレッド41が、前記トレミー管23を挟んだ船体幅方向の両側に設けられている。このオートレッド41は、船体2から重錘付のロープ42等を下ろし、重錘が水底101に達した位置でロープ42の繰り出し長さを測定し、この繰り出し長さにより水深を測定するものであり、これらを動作及び測定を自動で行い、前記水深データを出力するものである。また、船体2の中央側には船体長さ方向に間隔をおいて、測深器である手動式のレッド43,43が設けられている。このレッド43は、船体2から重錘付のロープ44等を下ろし、重錘が水底101に達した位置でロープ42の繰り出し長さを測定し、この繰り出し長さにより水深を測定するものであり、測定は手動で行うが、ロープ42の巻き取りなどは電動により行われる。したがって、これらオートレッド41及びレッド43は、実際のロープ42,44により水深を測定するものであるから、超音波の使用に不向きな現場では、その得られた水深データから、土砂Dの投入高さを正確に測定することができる。
【0044】
また、船体2には、測深器であるマルチビーム音響測深器45が搭載され、このマルチビーム音響測深器45では、水底地形を面的に測深することができ、且つ、水底地形をデータと共にモニターに画像化することができ、土砂Dの投入状態などを確認することができるものである。また、図示しないが、測深器としては、シングルビーム音響測深器を用いてもよい。
【0045】
さらに、船体2の居住区46にはGPS位置測定装置47が設けられ、このGPS位置測定装置47には、移動GPSのGPSアンテナ48が設けられ、衛星からのGPS信号を固定GPSと前記移動GPSとで受信することにより船体2の測位値を得るデファレンシャルGPS装置を備える。したがって、GPS位置測定装置47により、船体2の基準位置を正確に測定することができ、その基準位置から前記測深器を用いて水深などを正確に測定でき、水深から水底101の高さを算出することができる。
【0046】
前記船体2には、長さ方向両側で幅方向両側の4箇所に移動手段たるウインチ51,51,51A,51Aが設けられ、これらウインチ51,51Aはアンカー付牽引ワイヤー52,52を巻取り及び繰り出しするものである。そして、長さ方向一側のウインチ51,51のワイヤー52,52を交差配置し、それらワイヤー52,52の先端側のアンカー(図示せず)を水底101などに固定し、同様に長さ方向他側のウインチ51A,51Aのワイヤー52,52を交差配置し、ワイヤー52,52の先端側のアンカーを水底101などに固定する。したがって、それら4機のウインチ51,51,51A,51Aによりワイヤー52,52,52,52を個々に巻取り及び繰り出しすることにより、船体2をその長さ方向及び幅方向に移動することができる。
【0047】
また、船体2の後部には、自走式のクレーン53を位置固定して搭載し、このクレーン53は、走行手段の上部に旋回可能に設けた本体54と、この本体54に起伏自在に設けた起伏アーム55と、この起伏アーム55の先端に設けた昇降ワイヤー56とを備える。また、船体2は発電機57を備える。
【0048】
さらに、土砂受槽3内には、圧送管4から排出された土砂Dの含泥率を測定する含泥率測定装置61を設け、また、分岐部5より手前で圧送管4に流量計62を設ける。尚、前記含泥率測定装置61は、スラリー状の土砂Dに含まれる土砂Dの割合を算出するものである。
【0049】
それら含泥率測定装置61及び流量計62は、制御装置63に電気的に接続されて制御され、制御装置63では、含泥率測定装置61で得られた土砂成分の割合のデータと、流量計62で得られた流量のデータから、トレミー管23から水底101に投入した土砂成分の量を算出することができる。したがって、制御装置63は、投入した土砂成分の量から、投入厚さを算出し、施工時のおける船体2の移動速度を算出し、さらに、移動速度に基いて前記移動手段たるウインチ51,51,51A,51Aを駆動制御することができ、移動手段と連動して、投入厚さに応じた船体2の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0050】
また、制御装置63は、投入厚さに応じて、前記汚濁防止膜31の下端を上昇し、該下端の高さを調整することができる。
【0051】
次に、前記土砂投入船1による土砂Dの投入作業の一例を説明する。土砂Dを投入する施工場所において、船体2を位置固定し、汚濁防止膜31の下端と水底101との間に所定の隙間Sを形成するように、ウインチ33を駆動して巻取りワイヤー33Aを巻取り、汚濁防止膜31の下端高さを調整する。この場合、隙間Sを設けることにより、土砂Dを投入した際、汚濁防止膜31で囲んだ領域の水を外部に逃がすことができる。また、投入厚さに対応して、汚濁防止膜31の下端を上げる。
【0052】
そして、船体2には、圧送管4によりスラリー状の土砂Dが圧送されてくるが、まず、その土砂Dは分岐部5から分岐圧送管6,6に分かれて流路が拡大することにより、流速及び圧力が低下する。さらに、散管7において、外部に開放された複数の排出孔8から排出されることにより、土砂Dは、流速と圧力が低下し、あたかもシャワーのように空気を巻き込み、土砂受槽3内の土砂Dに空気が混入する。そして、気泡として空気を含んだスラリー状の土砂Dは底面部3Cの傾斜に沿って、開口部21からトレミー管23に至り、トレミー管23内を略自然流下すると共に、気泡の浮上力により均等に分散されて水底101に堆積する。このように、圧送されてきた土砂Dを開放などすることにより流速と圧力を下げ、且つ積極的に空気を混入して投入するため、水底に101に土砂Dを均等に散布することができる。
【0053】
また、前記汚濁防止膜31で囲まれた水底101の範囲を1つの区画111とし、施工範囲始端112において、所定量の土砂Dを導入した後、図7に示すように、移動装置たるウインチ51,51,51A,51Aを駆動して、船体2を幅方向に1区画111の幅だけ移動し、ここで停止した状態で、同様に、土砂Dを所定量だけ導入した後、1区画111の幅だけ移動し、このように1区画111毎の幅方向の移動を繰り返し、これを施工範囲終端113まで繰り返して施工範囲終端113までの施工が完了したら、次は、図8に示すように、1区画102の長さからその1/2の長さの範囲だけ、船体2を長さ方向に移動し、停止して所定量の土砂Dの投入を行い、長さ方向の移動の前の幅方向の移動とは逆方向の幅方向の移動を行って同様にして1区画111毎に所定量の土砂Dの投入を繰り替えし、施工範囲始端112まで至ったら、1区画102の長さLからその長さLの1/2の長さの範囲(L〜1/2L)だけ、船体2を長さ方向に移動し、停止して所定量の土砂Dの投入を行い、施工範囲終端113に向かって幅方向の移動と停止状態での投入とを繰り返し、施工範囲に土砂Dを投入する。
【0054】
また、水底101は平坦ではないから、土砂投入後の区画の隣の区画に凸部分などがあると、移動時に汚濁防止膜31の下端がその凸部分に当たる可能性がある場合は、汚濁防止膜31の下端を上げて、移動後、設定した隙間Sが得られるように、下端を下ろせばよく、投入厚さの確認や投入中の区画111及びこれに隣接する区画111の水底101の形状は、マルチビーム音響測深器45により確認することができる。また、マルチビーム音響測深器45に合わせてオートレッド41及びレッド43を使用して水深を測定し、水深から投入厚さを正確に確認することができる。
【0055】
そして、1区画111の長さL未満〜1/2Lだけ、船体2を長さ方向に移動することにより、長さ方向に隣合う区画111,111で投入範囲が重複するから、長さ方向に隣合う区画111,111間において、土砂未投入の部分が無くなる。また、船体2の幅方向移動の際にも重複する部分を設けるようにしてもよい。
【0056】
また、一定範囲の施工を行った後、シングルビーム音響測深器を装置した測量船(図示せず)を使用して投入厚さを確認した後、施工を再開するようにしてもよい。
【0057】
このように本実施例では、請求項1に対応して、船体2と、この船体2に移送端が設けられスラリー状の土砂Dを圧送する圧送管4と、この圧送管4により船体2に圧送された土砂Dを水底101に投入するトレミー管23とを備えた土砂投入船1において、圧送管4の移送端に排出孔8を設け、この排出孔8から排出される土砂Dを受ける土砂受部たる土砂受槽3と、この土砂受槽3とトレミー管23を接続する接続部たる開口部21とを備えるから、圧送管4を圧送されてきた土砂Dを土砂受槽3に排出することにより、流速が低減し、流速が低減した状態で土砂受槽3に排出され、土砂受槽3の開口部21からトレミー管23に至った土砂Dが流下して水底101に投入される。したがって、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを直接投入することなく、投入前に土砂受槽3を経由し、トレミー管23を通して投入することにより、土砂Dを水底に均等に散布することができる。
【0058】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、排出孔8を土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂Dの上に配置したから、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0059】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、移送端たる散管7には、圧送管4の内外を連通する複数の排出孔8を設けたから、複数の排出孔8から土砂Dを排出することにより、排出時の圧力が分散され、気中での排出では、シャワーのように空気を巻き込むことができる。
【0060】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、圧送管4の流路断面を船体2側において大きく設定したから、流路断面が拡大することにより、土砂Dの流速と圧力が低下した状態で土砂受槽3に排出される。
【0061】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、土砂受部たる土砂受槽3の上部において圧送管4の移送端たる散管7の周囲に飛散防止板11を設けたから、散管7から土砂受槽3に排出された土砂Dの飛散を防止することができ、船体2上や船外に土砂Dが飛散することがない。
【0062】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、船体2下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜31と、この汚濁防止膜31の水底101からの高さを調整する高さ調整手段たるウインチ33とを備えるから、汚濁防止膜31の水底101からの高さを調整して、土砂投入により水中に発生した汚濁の周囲への拡散を防止することができ、また、作業水深や土砂Dの投入厚さに対応して、汚濁防止膜31の下端高さを調整できる。
【0063】
また、このように本実施例では、請求項8に対応して、投入した土砂Dの高さを測定する測定手段たるマルチビーム音響測深器45を備えるから、土砂Dの投入厚さを測定することができる。そして、例えば、その測定値により、船体2の移動速度を自動計算し、移動手段たるウインチ51,51Aと連動して、投入厚さに応じた船体2の移動速度を自動管理することも可能となる。
【0064】
また、このように本実施例では、請求項9に対応して、スラリー状の土砂Dを管路たる圧送管4により船体2に圧送し、この船体2において圧送管4により圧送されてきた土砂Dを気中から土砂受部たる土砂受槽3に開放し、この排出によりスラリー状の土砂Dに空気を混合した後、土砂受槽3に接続したトレミー管23から水底101に流下することにより、土砂Dを水底101に投入するから、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを排出し、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0065】
また、このように本実施例では、請求項12に対応して、開放前に管路たる圧送管4の断面を大きくすることにより、土砂Dの流速を低減するから、管路の断面が大きくなることにより、土砂Dの流速と圧力が低下し、水中汚濁を大幅に抑制することができる。
【0066】
また、実施例上の効果として、ポンプ浚渫船の排砂管が圧送管4であり、この圧送管4を2系列以上に分岐し、排出時の流速の低減を図ることで水中の汚濁を抑制することができる。
【0067】
また、船体2にクレーン53を装備する構造であるから、船体2のみで、艤装及び艤装解除を容易に行うことができ、また、土砂投入に係る設備を取り外せば、通常のクレーン付台船として使用可能となる。また、水底101に土砂導入を行うトレミー管23及びトレミー管23を設置する船体2は、その全体が外周を汚濁防止膜31で覆われるため、船体2外部への水濁の拡大が大幅に抑制できる。また、投入位置の管理には、GPS位置測定装置47を利用し、投入厚さの管理には、オートレッド41,レッド43及びマルチビーム音響測深器45を併用することにより、投入厚さを高精度に管理した施工が可能となる。
【0068】
さらに、船体2にマルチビーム音響測深器45を備えることにより、投入作業と同時に、次に投入を行う隣の区画における投入厚さの決定とを並行的に実施することができる。また、汚濁防止膜31の下端の昇降は、電動ウインチ33と手動ウインチのどちらを用いてもよく、土砂投入厚さによって、最適な高さに設定すればよい。また、その汚濁防止膜31の下端の高さは、水底101に接することなく、且つ、大きな隙間がないようにする。また、上述した船体2の移動順序は、一例であり、船体2を一定速度で移動しながら、土砂投入作業を行うようにしてもよい。さらに、土砂Dは浚渫土砂に限らず、砂材を用いて、海底や固定の水質浄化を目的とした砂散布や水底に有害物質が存在する場合にその上に砂層を設ける封じ込め工法にも利用できる。
【実施例2】
【0069】
図10は本発明の実施例2を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、散管7を土砂受槽3のスラリー状土砂D内に配置し、すなわちスラリー状土砂Dの液面下に圧送管4を没して配置している。尚、土砂受槽3の側壁部3Bに、分岐圧送管6を水密に挿通する挿通孔71を設けている。
【0070】
そして、船体2には、圧送管4によりスラリー状の土砂Dが圧送されてくるが、まず、その土砂Dは分岐部5から分岐圧送管6,6に分かれて流路が拡大することにより、流速及び圧力が低下する。さらに、土砂受槽3内の土砂D内に配置した散管7において、複数の排出孔8から排出されることにより、土砂Dは、流速と圧力が低下し、その土砂Dは底面部3Cの傾斜に沿って、開口部21からトレミー管23に至り、トレミー管23から土砂を静的に投入することにより、水底101に均一に堆積する。
【0071】
このように本実施例では、上記実施例と同様な作用、効果を奏する。
【0072】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、排出孔8を土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置したから、スラリー土砂D内に圧送管8から土砂Dを排出することにより、土砂Dの流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管23を通して土砂Dを投入し、土砂Dを静的に投入することにより、土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【0073】
また、このように本実施例では、請求項10に対応して、スラリー状の土砂Dを管路により船体2に圧送し、この船体2において管路により圧送されてきた土砂Dを土砂受部たる土砂受槽3のスラリー状の土砂D内に排出し、この排出により土砂Dの流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管23から水底101に流下することにより、土砂Dを水底101に投入するから、土砂Dを圧送することにより連続施工が可能で、船体2に送られた土砂Dを土砂受槽3のスラリー状土砂D内で排出することにより、土砂Dの流速を低減させ、流速を低減させた状態でトレミー管23を通して土砂Dを投入し、土砂Dを静的に投入することにより、土砂Dを水底101に均等に散布することができる。
【実施例3】
【0074】
図11は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、分岐圧送管6を上方に配置すると共に、散管7を下方に配置し、これらを上下方向の接続管72により接続し、この接続管72は伸縮可能はフレキシブル管などからなり、前記散管7の高さ位置を調整する高さ調整手段たる昇降手段73を備える。
【0075】
したがって、昇降手段73により土砂受槽3内における散管7の高さ位置を調整し、土砂受槽3のスラリー状土砂Dにおける排出孔8の高さを調整することができ、例えば、土砂Dの送り量により土砂Dの液面高さに対応して、散管7の高さを調整することができる。
【実施例4】
【0076】
図12は本発明の実施例45を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、散管7を用いておらず、圧送管4は分岐部5で3以上の分岐圧送管6,6,6,6,6に分岐し、これら分岐圧送管6,6,6,6,6の移送端に排出孔8Aがそれぞれ形成され、排出孔8Aは土砂受槽3の上方で気中に配置されている。
【0077】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、排出孔8Aを土砂受部たる土砂受槽3内のスラリー状土砂Dの上に配置したから、排出時に空気を混入させることにより、トレーミー管23から投入時に投入土砂Dに気泡が混合し、気泡の浮上力により土砂Dを水底101に均等に散布することができ、また、分岐により複数の排出孔8Aを備え、圧送管6の流路断面を船体2側において大きく設定しているから、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例5】
【0078】
図13は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例4の分岐管6…を貫通孔71…に挿通し、排出管8Aを土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置しており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例6】
【0079】
図14は本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、実施例4の分岐管6…の先端74をして向きとし、その先端74の下端に排出管8Aを設け、前記昇降手段73により排出孔8Aの高さ位置を調整可能に設け、圧送管4にフレキシブル管などの接続管75を設け、分岐管6…が昇降可能に設けられており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例7】
【0080】
図15は本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は拡散散布の例であって、圧送管4の移送端に拡大管81を設け、拡大管81の端部に拡大された排出孔8Bを設け、排出孔8Bを土砂受槽3上の気中に配置しており、圧送管4の流路断面を船体2側において大きく設定したから、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例8】
【0081】
図16は本発明の実施例8を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例7の拡大管81を貫通孔71挿通し、排出管8Bを土砂受槽3内のスラリー状土砂D内に配置しており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【実施例9】
【0082】
図17は本発明の実施例9を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例は静的散布の例であって、実施例7の拡大管81の先端74をして向きとし、その先端74の下端に排出管8Bを設け、前記昇降手段73により排出孔8Bの高さ位置を調整可能に設け、圧送管4にフレキシブル管などの接続管75を設け、拡大管81が昇降可能に設けられており、上記実施例と同様な作用,効果を奏する。
【0083】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例1を示す全体側面図である。
【図2】同上、全体平面図である。
【図3】同上、一部を切り欠いた全体正面図である。
【図4】同上、圧送管の移送端の側面図である。
【図5】同上、土砂受部とトレミー管の要部の断面図である。
【図6】同上、制御装置回りのブロック図である。
【図7】同上、施工手順を説明する平面説明図である。
【図8】同上、施工範囲端部における施工手順を説明する平面説明図である。
【図9】同上、圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図10】本発明の実施例2を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図11】本発明の実施例3を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図12】本発明の実施例4を圧送管の移送端側回りの概略説明図であり、図12(A)は側面図、図12(B)は平面図である。
【図13】本発明の実施例5を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図14】本発明の実施例6を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図15】本発明の実施例7を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図16】本発明の実施例8を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【図17】本発明の実施例9を示す圧送管の移送端側回りの概略説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1 土砂投入船
2 船体
3 土砂受槽(土砂受部)
4 圧送管
5 分岐部
6 分岐圧送管
7 散管(圧送管の移送端)
8,8A,8B 排出孔
11 飛散防止板
21 開口部(接続部)
23 トレミー管
31 汚濁防止膜
32 下端側ワイヤーロープ
33 ウインチ(高さ調整手段)
41 オートレッド(測深器)
43 レッド(測深器)
45 マルチビーム音響測深器(測深器)
101 水底
S 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体と、この船体に移送端が設けられスラリー状の土砂を圧送する圧送管と、この圧送管により船体に圧送された前記土砂を水底に投入するトレミー管とを備えた土砂投入船において、前記圧送管の移送端に排出孔を設け、この排出孔から排出される土砂を受ける土砂受部と、この土砂受部と前記トレミー管を接続する接続部とを備えることを特徴とする土砂投入船。
【請求項2】
前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂の上部に配置したことを特徴とする請求項1記載の土砂投入船。
【請求項3】
前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂内に配置したことを特徴とする請求項1記載の土砂投入船。
【請求項4】
複数の前記排出孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の土砂投入船。
【請求項5】
前記圧送管の流路断面を前記船体側において大きく設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の土砂投入船。
【請求項6】
前記土砂受部の上部において前記圧送管の移送端の周囲に飛散防止板を設けたことを特徴とする請求項2記載の土砂投入船。
【請求項7】
前記船体下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜と、この汚濁防止膜の水底からの高さを調整する高さ調整手段とを備えることを特徴とする請求項2又は6記載の土砂投入船。
【請求項8】
投入した前記土砂の高さを測定する測定手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の土砂投入船。
【請求項9】
スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を気中から土砂受部に排出し、この排出により前記スラリー状の土砂に空気を混合した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入することを特徴とする土砂投入方法。
【請求項10】
スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を土砂受部のスラリー状の土砂内に排出し、この排出により前記土砂の流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入することを特徴とする土砂投入方法。
【請求項11】
前記排出前に管路の断面を大きくすることにより、前記土砂の流速を低減することを特徴とする請求項9又は10記載の土砂投入方法。
【請求項1】
船体と、この船体に移送端が設けられスラリー状の土砂を圧送する圧送管と、この圧送管により船体に圧送された前記土砂を水底に投入するトレミー管とを備えた土砂投入船において、前記圧送管の移送端に排出孔を設け、この排出孔から排出される土砂を受ける土砂受部と、この土砂受部と前記トレミー管を接続する接続部とを備えることを特徴とする土砂投入船。
【請求項2】
前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂の上部に配置したことを特徴とする請求項1記載の土砂投入船。
【請求項3】
前記排出孔を前記土砂受部内のスラリー状の土砂内に配置したことを特徴とする請求項1記載の土砂投入船。
【請求項4】
複数の前記排出孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の土砂投入船。
【請求項5】
前記圧送管の流路断面を前記船体側において大きく設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の土砂投入船。
【請求項6】
前記土砂受部の上部において前記圧送管の移送端の周囲に飛散防止板を設けたことを特徴とする請求項2記載の土砂投入船。
【請求項7】
前記船体下部の水中に設けられ土砂投入箇所を囲む汚濁防止膜と、この汚濁防止膜の水底からの高さを調整する高さ調整手段とを備えることを特徴とする請求項2又は6記載の土砂投入船。
【請求項8】
投入した前記土砂の高さを測定する測定手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の土砂投入船。
【請求項9】
スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を気中から土砂受部に排出し、この排出により前記スラリー状の土砂に空気を混合した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入することを特徴とする土砂投入方法。
【請求項10】
スラリー状の土砂を管路により船体に圧送し、この船体において前記管路により圧送されてきた前記土砂を土砂受部のスラリー状の土砂内に排出し、この排出により前記土砂の流速を低減した後、前記土砂受部に接続したトレミー管から水底に流下することにより、前記土砂を水底に投入することを特徴とする土砂投入方法。
【請求項11】
前記排出前に管路の断面を大きくすることにより、前記土砂の流速を低減することを特徴とする請求項9又は10記載の土砂投入方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−249956(P2009−249956A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100851(P2008−100851)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000155034)株式会社本間組 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000155034)株式会社本間組 (15)
【Fターム(参考)】
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