圧力センサおよび圧力センサの製造方法
【課題】圧力基準室として気密性の高い密閉空間が形成された圧力センサを提供する。
【解決手段】基板の厚さ方向と直交する面に凹部が形成された支持部と、前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している蓋部と、を備える。
【解決手段】基板の厚さ方向と直交する面に凹部が形成された支持部と、前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している蓋部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサおよび圧力センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電容量型や歪みゲージ型の圧力センサが知られている(例えば特許文献1,2)。圧力センサには、外部空間と連通しない密閉空間が形成されており、当該密閉空間と外部空間とを隔てるダイヤフラムが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−322576号公報
【特許文献2】特開平5−126661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、開口が形成された基板に真空中で上部基板を接着することにより、真空の圧力基準室を形成することが記載されている。しかし、接着の状態が悪いと圧力基準室が真空でなくなり、圧力センサとしての特性が得られない。特許文献2には、ウェットエッチングによって空洞を形成し、エッチング液の注入口を封止することによって圧力基準室を形成することが記載されている。しかしエッチング液の注入口が小さく、圧力基準室となる空洞を効率よくエッチングできる程度にエッチング液を注入することが困難である。また、エッチング後に空洞内を十分に洗浄できない可能性もあり、残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する可能性もある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、圧力基準室として気密性の高い密閉空間が形成された圧力センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するための圧力センサは、基板の厚さ方向と直交する一方の面に凹部が形成された支持部と、前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している薄膜からなる蓋部と、を備える。
【0006】
本発明によると、支持部とダイヤフラムとともに、薄膜形成技術によって支持部およびダイヤフラムと直接結合するように形成された蓋部によって密閉空間が形成されているため、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間が形成されている構成よりも、密閉空間の気密性を高めることができる。
なお、上記構成の圧力センサは、例えば静電容量型の圧力センサにも歪みゲージ型の圧力センサにも適用することができる。
【0007】
(2)上記目的を達成するための圧力センサの製造方法は、基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成されている面に減圧環境下で薄膜を形成することによって前記凹部を封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、を含む。
【0008】
凹部形成工程によって隣接する二つの凹部の間にダイヤフラムを形成することができる。凹部封止工程によって圧力センサの圧力基準室となる密閉空間を形成することができる。空間連通工程によってダイヤフラムの一方の面を密閉空間に他方の面を外部空間に面する構成とすることができる。この製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、凹部形成工程においては深掘を実現する異方性ドライエッチング法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【0009】
(3)上記目的を達成するための圧力センサの製造方法は、基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、前記基板の前記凹部が形成されている面に薄膜を形成し高温中で酸化することによって前記凹部を酸化され体積が増加した前記薄膜によって封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、を含む。
【0010】
凹部形成工程によって隣接する二つの凹部の間にダイヤフラムを形成することができる。凹部封止工程によって圧力センサの圧力基準室となる密閉空間を形成することができる。空間連通工程によってダイヤフラムの一方の面を密閉空間に他方の面を外部空間に面する構成とすることができる。この製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、凹部形成工程においては深掘を実現する異方性ドライエッチング法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(1A)は第一実施形態にかかる圧力センサの上面図、(1B)〜(1E)はその断面図。
【図2】(2A)および(2C)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(2B)は(2A)の断面図。
【図3】(3A)および(3B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図4】(4A)および(4B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図5】(5A)および(5B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図6】(6A)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(6B)〜(6D)はその断面図。
【図7】(7A)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(7B)〜(7D)はその断面図。
【図8】他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図9】(9A)および(9B)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図10】(10A)および(10B)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図11】他の実施形態にかかる圧力センサの上面図。
【図12】(12A)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(12B)は他の実施形態にかかる圧力センサの上面図、(12C)および(12D)は他の実施形態にかかる圧力センサの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0013】
1.第一実施形態
(構成)
図1は本発明の一実施形態にかかる圧力センサを示す図である。図1Aは圧力センサの上面図、図1Bは図1Aの1B−1B線における断面図、図1Cは図1Aの1C−1C線における断面図、図1Dは図1Aの1D−1D線における断面図、図1Eは図1Aの1E−1E線における断面図である。各図においては、説明の便宜のために互いに直交するxyz軸を規定する。基板の厚さ方向がz軸に平行な方向に相当する。ダイヤフラムの厚さ方向がy軸と平行な方向に相当する。
【0014】
圧力センサはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)製造プロセスを用いて製造される積層構造体である。圧力センサを構成する積層構造体は、主に次に述べる複数の層が積層されてなる。ベース層10は、ボロン(B)等の不純物が1×1020個/cm3の濃度で導入されたシリコン(Si)からなる。ベース層10の厚さは200μmである。第一絶縁層11は厚さ1μmの二酸化シリコン(SiO2)からなる。第二絶縁層12は厚さ2μmの窒化シリコン(SixNy)からなる。配線層13は厚さ3μmのアルミニウム(Al)からなる。
【0015】
圧力センサは、支持部SとダイヤフラムDと蓋部Aを備えている。支持部Sは、xy平面と平行な一方の面にz軸と側壁が平行である凹部が形成された形態を有している。当該凹部の内部空間はy軸方向に薄いダイヤフラムDによって二分されている。すなわち、ダイヤフラムDのx軸方向の両端部およびz軸方向の一方の端部は支持部Sに形成された凹部の側壁および底部と結合しており、支持部Sに形成されている凹部はダイヤフラムDによって二つの凹部に隔てられている。そのうちの一方の凹部H2は外部空間と連通している。他方の凹部はダイヤフラムDと支持部Sと蓋部Aとによって密閉され密閉空間Cを構成している。蓋部Aは後述する薄膜形成技術によってダイヤフラムDと支持部Sと直接結合するように形成されており、密閉空間Cは気密性の高い減圧空間として構成されている。支持部Sは、第一絶縁層11cとベース層10と第一絶縁層11bと第一絶縁層11aと第二絶縁層12とからなる。ダイヤフラムDはベース層10と第一絶縁層11aと第二絶縁層12とからなる。蓋部Aは第二絶縁層12からなる。配線部13aは、支持部SとダイヤフラムDのxy平面と平行な表面に形成されている。配線部13aは配線層13からなる。なお本実施形態においては、第一絶縁層11cとベース層10と第一絶縁層11bと第一絶縁層11aとから構成される積層構造体が「基板」に相当する。
【0016】
ダイヤフラムDを挟み込んでダイヤフラムDと対向する壁部S1,S2(支持部Sの一部)と、ダイヤフラムDと、によって二つのコンデンサが形成される。ダイヤフラムDが可動電極、壁部S1,S2が固定電極である。外部空間の流体の圧力と密閉空間C内の圧力との差に応じてダイヤフラムDがy軸と平行な方向に撓み、コンデンサの容量が変化する。本実施形態の圧力センサは、外部空間と密閉空間Cとの圧力差を二つのコンデンサの容量差として検出することができる。
【0017】
(製造方法)
本実施形態における圧力センサの製造方法を図2〜図7および図1を用いて説明する。はじめに図2〜図5に示すように基板に凹部H2を形成する(凹部形成工程)。具体的にはまず図2に示すように、フォトレジストからなる保護層R1をマスクに用いてベース層10をエッチングし、貫通孔H1を形成する。Siからなるベース層10のDeep−RIE(Reactive Ion Etching)は、パッシベーション(C4F8プラズマ)とエッチング(SF6プラズマ)のステップを短く交互に繰り返す、所謂ボッシュプロセスを用いる。例えば貫通孔の深さTは200μm、幅W1は5μm、長さL1は50μmである。図2Aおよび図2Bは図2Cに示すウエハにおいてスクライブラインで囲まれた1つの領域を示す拡大図である。貫通孔H1を形成した後、保護層R1を除去する。
【0018】
続いて図3に示すようにベース層10の表面に第一絶縁層11(11a,11b,11c)を形成する。例えば、ベース層10を熱酸化して貫通孔H1をSiO2からなる第一絶縁層11bで充填する。同時にベース層10の表裏両方の主面にもそれぞれ第一絶縁層11a,11cを形成される。熱酸化の代わりに、オゾン(O3)とテトラエトキシシラン(TEOS)を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)でSiO2からなる第一絶縁層11を形成してもよい。また、熱酸化とCVDを組み合わせて行っても良い。
【0019】
続いて図4に示すように、フォトレジストからなる保護層R2を用いて第一絶縁層11aをエッチングしベース層10の表面を露出させる。例えばSiO2からなる第一絶縁層11aは、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチングによって除去することができる。ベース層10の表面を露出させる領域の長さL2は例えば3μm、幅W2は400μmである。
続いて図5に示すように、保護層R2と第一絶縁層11aをマスクとしてベース層10をエッチングし、凹部H2を形成する。凹部H2が形成されることにより第一絶縁層11bと第一絶縁層11cとベース層10とが露出する。また凹部H2が形成されることによってダイヤフラムDと壁部S1,S2が形成される。ベース層10のDeep−RIEはボッシュプロセスで行う。その後、保護層R2を除去する。
【0020】
続いて図6に示すように、第一絶縁層11a,11b,11cの表面上に第二絶縁層12を成膜して凹部H2を封止し、ダイヤフラムDと支持部Sと第二絶縁層12(薄膜)からなる蓋部Aとによって密閉された密閉空間Cを形成する(凹部封止工程)。例えば、プラズマCVD(Pl−CVD)法を用いてSixNyを2μm成膜する。密閉空間Cを覆う領域の第二絶縁層12を蓋部Aと呼ぶ。Pl−CVD法の代わりにスパッタ法を用いても良い。Pl−CVD法やスパッタ法を用いて第二絶縁層12を成膜した場合、密閉空間Cは減圧で封止される。なお、第二絶縁層12を10μm以上の厚さで成膜した後、8μmエッチバック(あるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing))によってxy平面と平行な表面に厚さ2μmの第二絶縁層12が残存するようにしてもよい。
【0021】
続いて図7に示すように配線部13aを形成する。具体的には、フォトレジストからなる図示しない保護層を用いて第一絶縁層11aと第二絶縁層12をエッチングし、コンタクトホールH3を形成する。例えば、SiO2からなる第一絶縁層11aと第二絶縁層12は、CHF3ガスを用いて反応性イオンエッチングを行ってベース層10の表面を露出させる。ベース層10が低抵抗ではない場合(例えばB等の不純物濃度が1×1019個/cm3以下の場合)には、コンタクトホールH3にて露出しているベース層10の表面に1×1020個/cm3の不純物イオンを注入し注入後にアニール処理を行ってコンタクト抵抗低減部を形成してもよい。続いて、配線層13を第二絶縁層12およびベース層10の表面上に成膜する。例えばスパッタ法により厚さ3μmのAl層を成膜する。Alの代わりにAlSi等の合金や、W,Mo,Ti,Ta,Cr,Ni等の高融点金属や、WSi2,MoSi2,TiSi2,TaSi2,CrSi2,NiSi2等の高融点シリサイドや、不純物をドープした多結晶シリコンを用いても良い。続いてフォトレジストからなる図示しない保護層を用いて配線層13をエッチングして配線部13aを形成する。例えばAlからなる配線層13は、Cl2ガスを用いた反応性イオンエッチングによりエッチングすることができる。配線層13が除去された部分には第二絶縁層12が露出する。
【0022】
続いて図1に示すように、フォトレジストからなる図示しない保護層を用いて隣り合う密閉空間Cのうち一方の密閉空間Cを覆う第二絶縁層12をエッチングにより除去し外部空間と連通させる(空間連通工程)。外部空間と連通した一方の密閉空間Cを再び凹部H2と呼ぶ。例えば85℃に加熱したリン酸を用いてSixNyからなる第二絶縁層12をエッチングする。その後、ダイシングして、パッケージに実装する。以上の工程により、図1に示す圧力センサを製造することができる。なお、配線部13aが形成されている方の主面の裏面にあたる面から、密閉空間Cに重なる領域の第一絶縁層11cを除去することにより一方の密閉空間Cを外部空間と連通させてもよい。
【0023】
以上の製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、Deep−RIE法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムDを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【0024】
2.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や形状や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
【0025】
例えば図5に示す工程の後、SixNyからなる第二絶縁層12は、図8に示すように斜めスパッタ法により成膜してもよい。
また例えば図5に示す工程の後、図9Aに示すように斜めスパッタ法によってポリシリコン(アモルファスシリコンやアルミニウムでも可)からなる薄膜120を成膜してもよい。斜めスパッタ法により凹部H2の開口部の幅を狭くすることができる。そして1050℃で酸化することによって図9Bに示すように薄膜120の体積を約2.2倍にし凹部H2を減圧で封止して密閉空間Cを形成するようにしてもよい。なお、乾燥酸化から水蒸気酸化にすることにより酸化時間を1/5〜1/10に短縮できる。
【0026】
また例えば、図4で説明した工程の後、図10Aに示すようにSiからなるベース層10をDeep−RIE法を用いてテーパーエッチングし、図10Bに示すようにCVD法によってSiO2からなる薄膜110を成膜することによって凹部H2を封止するようにしてもよい。
なお、図11に示すように、密閉空間Cの両側にのみ(壁部S1とダイヤフラムDとにのみ)配線部13aを形成するようにしてもよい。
【0027】
また、図2に示す工程において、図12Aに示すようにy軸方向に延びる2つの凹部の一方の端部とx軸方向に延びる凹部とがつながった例えばコの字型(全ての角が直角であるU字型)の貫通孔H1を形成し、図3に示す工程と同様に貫通孔H1を第一絶縁層11で充填するようにしてもよい。その後、図4〜図7,図1に示す工程と同様の工程を行うことによって、図12B・図12C・図12Dに示すように壁部S1の固定電極S10はベース層10と絶縁される。そのため、寄生容量を低減することができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、静電容量型の圧力センサを例に説明したが本発明は歪みゲージ型の圧力センサにも適用可能である。例えば、支持部Sのxy平面と平行な面と、ダイヤフラムDのxy平面と平行な面とにぞれぞれ2つずつピエゾ抵抗素子等の歪み検出素子を配置し、それらを結線しブリッジ回路を構成してダイヤフラムの歪み量を検出し、当該歪み量から圧力を検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
10:ベース層、11(11a、11b、11c):第一絶縁層、12:第二絶縁層、13:配線層、13a:配線部、110:薄膜、120:薄膜、A:蓋部、C:密閉空間、D:ダイヤフラム、H1:貫通孔、H2:凹部、H3:コンタクトホール、S:支持部、S1:壁部、S2:壁部、S10:固定電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサおよび圧力センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電容量型や歪みゲージ型の圧力センサが知られている(例えば特許文献1,2)。圧力センサには、外部空間と連通しない密閉空間が形成されており、当該密閉空間と外部空間とを隔てるダイヤフラムが備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−322576号公報
【特許文献2】特開平5−126661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、開口が形成された基板に真空中で上部基板を接着することにより、真空の圧力基準室を形成することが記載されている。しかし、接着の状態が悪いと圧力基準室が真空でなくなり、圧力センサとしての特性が得られない。特許文献2には、ウェットエッチングによって空洞を形成し、エッチング液の注入口を封止することによって圧力基準室を形成することが記載されている。しかしエッチング液の注入口が小さく、圧力基準室となる空洞を効率よくエッチングできる程度にエッチング液を注入することが困難である。また、エッチング後に空洞内を十分に洗浄できない可能性もあり、残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する可能性もある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、圧力基準室として気密性の高い密閉空間が形成された圧力センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記目的を達成するための圧力センサは、基板の厚さ方向と直交する一方の面に凹部が形成された支持部と、前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している薄膜からなる蓋部と、を備える。
【0006】
本発明によると、支持部とダイヤフラムとともに、薄膜形成技術によって支持部およびダイヤフラムと直接結合するように形成された蓋部によって密閉空間が形成されているため、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間が形成されている構成よりも、密閉空間の気密性を高めることができる。
なお、上記構成の圧力センサは、例えば静電容量型の圧力センサにも歪みゲージ型の圧力センサにも適用することができる。
【0007】
(2)上記目的を達成するための圧力センサの製造方法は、基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、前記凹部が形成されている面に減圧環境下で薄膜を形成することによって前記凹部を封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、を含む。
【0008】
凹部形成工程によって隣接する二つの凹部の間にダイヤフラムを形成することができる。凹部封止工程によって圧力センサの圧力基準室となる密閉空間を形成することができる。空間連通工程によってダイヤフラムの一方の面を密閉空間に他方の面を外部空間に面する構成とすることができる。この製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、凹部形成工程においては深掘を実現する異方性ドライエッチング法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【0009】
(3)上記目的を達成するための圧力センサの製造方法は、基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、前記基板の前記凹部が形成されている面に薄膜を形成し高温中で酸化することによって前記凹部を酸化され体積が増加した前記薄膜によって封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、を含む。
【0010】
凹部形成工程によって隣接する二つの凹部の間にダイヤフラムを形成することができる。凹部封止工程によって圧力センサの圧力基準室となる密閉空間を形成することができる。空間連通工程によってダイヤフラムの一方の面を密閉空間に他方の面を外部空間に面する構成とすることができる。この製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、凹部形成工程においては深掘を実現する異方性ドライエッチング法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(1A)は第一実施形態にかかる圧力センサの上面図、(1B)〜(1E)はその断面図。
【図2】(2A)および(2C)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(2B)は(2A)の断面図。
【図3】(3A)および(3B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図4】(4A)および(4B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図5】(5A)および(5B)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図6】(6A)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(6B)〜(6D)はその断面図。
【図7】(7A)は第一実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(7B)〜(7D)はその断面図。
【図8】他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図9】(9A)および(9B)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図10】(10A)および(10B)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す断面図。
【図11】他の実施形態にかかる圧力センサの上面図。
【図12】(12A)は他の実施形態にかかる圧力センサの製造方法を示す上面図、(12B)は他の実施形態にかかる圧力センサの上面図、(12C)および(12D)は他の実施形態にかかる圧力センサの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0013】
1.第一実施形態
(構成)
図1は本発明の一実施形態にかかる圧力センサを示す図である。図1Aは圧力センサの上面図、図1Bは図1Aの1B−1B線における断面図、図1Cは図1Aの1C−1C線における断面図、図1Dは図1Aの1D−1D線における断面図、図1Eは図1Aの1E−1E線における断面図である。各図においては、説明の便宜のために互いに直交するxyz軸を規定する。基板の厚さ方向がz軸に平行な方向に相当する。ダイヤフラムの厚さ方向がy軸と平行な方向に相当する。
【0014】
圧力センサはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)製造プロセスを用いて製造される積層構造体である。圧力センサを構成する積層構造体は、主に次に述べる複数の層が積層されてなる。ベース層10は、ボロン(B)等の不純物が1×1020個/cm3の濃度で導入されたシリコン(Si)からなる。ベース層10の厚さは200μmである。第一絶縁層11は厚さ1μmの二酸化シリコン(SiO2)からなる。第二絶縁層12は厚さ2μmの窒化シリコン(SixNy)からなる。配線層13は厚さ3μmのアルミニウム(Al)からなる。
【0015】
圧力センサは、支持部SとダイヤフラムDと蓋部Aを備えている。支持部Sは、xy平面と平行な一方の面にz軸と側壁が平行である凹部が形成された形態を有している。当該凹部の内部空間はy軸方向に薄いダイヤフラムDによって二分されている。すなわち、ダイヤフラムDのx軸方向の両端部およびz軸方向の一方の端部は支持部Sに形成された凹部の側壁および底部と結合しており、支持部Sに形成されている凹部はダイヤフラムDによって二つの凹部に隔てられている。そのうちの一方の凹部H2は外部空間と連通している。他方の凹部はダイヤフラムDと支持部Sと蓋部Aとによって密閉され密閉空間Cを構成している。蓋部Aは後述する薄膜形成技術によってダイヤフラムDと支持部Sと直接結合するように形成されており、密閉空間Cは気密性の高い減圧空間として構成されている。支持部Sは、第一絶縁層11cとベース層10と第一絶縁層11bと第一絶縁層11aと第二絶縁層12とからなる。ダイヤフラムDはベース層10と第一絶縁層11aと第二絶縁層12とからなる。蓋部Aは第二絶縁層12からなる。配線部13aは、支持部SとダイヤフラムDのxy平面と平行な表面に形成されている。配線部13aは配線層13からなる。なお本実施形態においては、第一絶縁層11cとベース層10と第一絶縁層11bと第一絶縁層11aとから構成される積層構造体が「基板」に相当する。
【0016】
ダイヤフラムDを挟み込んでダイヤフラムDと対向する壁部S1,S2(支持部Sの一部)と、ダイヤフラムDと、によって二つのコンデンサが形成される。ダイヤフラムDが可動電極、壁部S1,S2が固定電極である。外部空間の流体の圧力と密閉空間C内の圧力との差に応じてダイヤフラムDがy軸と平行な方向に撓み、コンデンサの容量が変化する。本実施形態の圧力センサは、外部空間と密閉空間Cとの圧力差を二つのコンデンサの容量差として検出することができる。
【0017】
(製造方法)
本実施形態における圧力センサの製造方法を図2〜図7および図1を用いて説明する。はじめに図2〜図5に示すように基板に凹部H2を形成する(凹部形成工程)。具体的にはまず図2に示すように、フォトレジストからなる保護層R1をマスクに用いてベース層10をエッチングし、貫通孔H1を形成する。Siからなるベース層10のDeep−RIE(Reactive Ion Etching)は、パッシベーション(C4F8プラズマ)とエッチング(SF6プラズマ)のステップを短く交互に繰り返す、所謂ボッシュプロセスを用いる。例えば貫通孔の深さTは200μm、幅W1は5μm、長さL1は50μmである。図2Aおよび図2Bは図2Cに示すウエハにおいてスクライブラインで囲まれた1つの領域を示す拡大図である。貫通孔H1を形成した後、保護層R1を除去する。
【0018】
続いて図3に示すようにベース層10の表面に第一絶縁層11(11a,11b,11c)を形成する。例えば、ベース層10を熱酸化して貫通孔H1をSiO2からなる第一絶縁層11bで充填する。同時にベース層10の表裏両方の主面にもそれぞれ第一絶縁層11a,11cを形成される。熱酸化の代わりに、オゾン(O3)とテトラエトキシシラン(TEOS)を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)でSiO2からなる第一絶縁層11を形成してもよい。また、熱酸化とCVDを組み合わせて行っても良い。
【0019】
続いて図4に示すように、フォトレジストからなる保護層R2を用いて第一絶縁層11aをエッチングしベース層10の表面を露出させる。例えばSiO2からなる第一絶縁層11aは、CHF3ガスを用いた反応性イオンエッチングによって除去することができる。ベース層10の表面を露出させる領域の長さL2は例えば3μm、幅W2は400μmである。
続いて図5に示すように、保護層R2と第一絶縁層11aをマスクとしてベース層10をエッチングし、凹部H2を形成する。凹部H2が形成されることにより第一絶縁層11bと第一絶縁層11cとベース層10とが露出する。また凹部H2が形成されることによってダイヤフラムDと壁部S1,S2が形成される。ベース層10のDeep−RIEはボッシュプロセスで行う。その後、保護層R2を除去する。
【0020】
続いて図6に示すように、第一絶縁層11a,11b,11cの表面上に第二絶縁層12を成膜して凹部H2を封止し、ダイヤフラムDと支持部Sと第二絶縁層12(薄膜)からなる蓋部Aとによって密閉された密閉空間Cを形成する(凹部封止工程)。例えば、プラズマCVD(Pl−CVD)法を用いてSixNyを2μm成膜する。密閉空間Cを覆う領域の第二絶縁層12を蓋部Aと呼ぶ。Pl−CVD法の代わりにスパッタ法を用いても良い。Pl−CVD法やスパッタ法を用いて第二絶縁層12を成膜した場合、密閉空間Cは減圧で封止される。なお、第二絶縁層12を10μm以上の厚さで成膜した後、8μmエッチバック(あるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing))によってxy平面と平行な表面に厚さ2μmの第二絶縁層12が残存するようにしてもよい。
【0021】
続いて図7に示すように配線部13aを形成する。具体的には、フォトレジストからなる図示しない保護層を用いて第一絶縁層11aと第二絶縁層12をエッチングし、コンタクトホールH3を形成する。例えば、SiO2からなる第一絶縁層11aと第二絶縁層12は、CHF3ガスを用いて反応性イオンエッチングを行ってベース層10の表面を露出させる。ベース層10が低抵抗ではない場合(例えばB等の不純物濃度が1×1019個/cm3以下の場合)には、コンタクトホールH3にて露出しているベース層10の表面に1×1020個/cm3の不純物イオンを注入し注入後にアニール処理を行ってコンタクト抵抗低減部を形成してもよい。続いて、配線層13を第二絶縁層12およびベース層10の表面上に成膜する。例えばスパッタ法により厚さ3μmのAl層を成膜する。Alの代わりにAlSi等の合金や、W,Mo,Ti,Ta,Cr,Ni等の高融点金属や、WSi2,MoSi2,TiSi2,TaSi2,CrSi2,NiSi2等の高融点シリサイドや、不純物をドープした多結晶シリコンを用いても良い。続いてフォトレジストからなる図示しない保護層を用いて配線層13をエッチングして配線部13aを形成する。例えばAlからなる配線層13は、Cl2ガスを用いた反応性イオンエッチングによりエッチングすることができる。配線層13が除去された部分には第二絶縁層12が露出する。
【0022】
続いて図1に示すように、フォトレジストからなる図示しない保護層を用いて隣り合う密閉空間Cのうち一方の密閉空間Cを覆う第二絶縁層12をエッチングにより除去し外部空間と連通させる(空間連通工程)。外部空間と連通した一方の密閉空間Cを再び凹部H2と呼ぶ。例えば85℃に加熱したリン酸を用いてSixNyからなる第二絶縁層12をエッチングする。その後、ダイシングして、パッケージに実装する。以上の工程により、図1に示す圧力センサを製造することができる。なお、配線部13aが形成されている方の主面の裏面にあたる面から、密閉空間Cに重なる領域の第一絶縁層11cを除去することにより一方の密閉空間Cを外部空間と連通させてもよい。
【0023】
以上の製造方法によると、従来のように上部基板を開口が形成されている基板に接着することによって密閉空間を形成する構成よりも気密性の高い密閉空間を形成することができる。また、凹部形成工程においてはウェットエッチング法を採用していないため、凹部内に残存したエッチング液によって封止後に浸食が進行する等の問題は発生しない。また、Deep−RIE法を用いることによって基板の厚さ方向と直交する方向に薄いダイヤフラムDを形成することができ、ダイヤフラムが基板の厚さ方向に薄い構成と比較すると、圧力センサの小型化が可能である。
【0024】
2.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態で示した材質や形状や寸法や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
【0025】
例えば図5に示す工程の後、SixNyからなる第二絶縁層12は、図8に示すように斜めスパッタ法により成膜してもよい。
また例えば図5に示す工程の後、図9Aに示すように斜めスパッタ法によってポリシリコン(アモルファスシリコンやアルミニウムでも可)からなる薄膜120を成膜してもよい。斜めスパッタ法により凹部H2の開口部の幅を狭くすることができる。そして1050℃で酸化することによって図9Bに示すように薄膜120の体積を約2.2倍にし凹部H2を減圧で封止して密閉空間Cを形成するようにしてもよい。なお、乾燥酸化から水蒸気酸化にすることにより酸化時間を1/5〜1/10に短縮できる。
【0026】
また例えば、図4で説明した工程の後、図10Aに示すようにSiからなるベース層10をDeep−RIE法を用いてテーパーエッチングし、図10Bに示すようにCVD法によってSiO2からなる薄膜110を成膜することによって凹部H2を封止するようにしてもよい。
なお、図11に示すように、密閉空間Cの両側にのみ(壁部S1とダイヤフラムDとにのみ)配線部13aを形成するようにしてもよい。
【0027】
また、図2に示す工程において、図12Aに示すようにy軸方向に延びる2つの凹部の一方の端部とx軸方向に延びる凹部とがつながった例えばコの字型(全ての角が直角であるU字型)の貫通孔H1を形成し、図3に示す工程と同様に貫通孔H1を第一絶縁層11で充填するようにしてもよい。その後、図4〜図7,図1に示す工程と同様の工程を行うことによって、図12B・図12C・図12Dに示すように壁部S1の固定電極S10はベース層10と絶縁される。そのため、寄生容量を低減することができる。
【0028】
なお、上記実施形態では、静電容量型の圧力センサを例に説明したが本発明は歪みゲージ型の圧力センサにも適用可能である。例えば、支持部Sのxy平面と平行な面と、ダイヤフラムDのxy平面と平行な面とにぞれぞれ2つずつピエゾ抵抗素子等の歪み検出素子を配置し、それらを結線しブリッジ回路を構成してダイヤフラムの歪み量を検出し、当該歪み量から圧力を検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
10:ベース層、11(11a、11b、11c):第一絶縁層、12:第二絶縁層、13:配線層、13a:配線部、110:薄膜、120:薄膜、A:蓋部、C:密閉空間、D:ダイヤフラム、H1:貫通孔、H2:凹部、H3:コンタクトホール、S:支持部、S1:壁部、S2:壁部、S10:固定電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の厚さ方向と直交する面に凹部が形成された支持部と、
前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、
二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している蓋部と、
を備える圧力センサ。
【請求項2】
基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、
前記基板の前記凹部が形成されている面に減圧環境下で薄膜を形成することによって前記凹部を封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、
隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、
を含む圧力センサの製造方法。
【請求項3】
基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、
前記基板の前記凹部が形成されている面に薄膜を形成し高温中で酸化することによって前記凹部を酸化され体積が増加した前記薄膜によって封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、
隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、
を含む圧力センサの製造方法。
【請求項1】
基板の厚さ方向と直交する面に凹部が形成された支持部と、
前記基板の厚さ方向に直交する方向に薄いダイヤフラムであって、端部が前記凹部の側壁および底部と結合し前記凹部を二分しているダイヤフラムと、
二分されている前記凹部のうち一方の凹部を前記支持部と前記ダイヤフラムとともに密閉している蓋部であって、前記支持部および前記ダイヤフラムと直接結合している蓋部と、
を備える圧力センサ。
【請求項2】
基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、
前記基板の前記凹部が形成されている面に減圧環境下で薄膜を形成することによって前記凹部を封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、
隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、
を含む圧力センサの製造方法。
【請求項3】
基板の厚さ方向と直交する面に複数の凹部を前記基板の深掘を実現する異方性ドライエッチング法により形成する凹部形成工程と、
前記基板の前記凹部が形成されている面に薄膜を形成し高温中で酸化することによって前記凹部を酸化され体積が増加した前記薄膜によって封止し密閉空間を形成する凹部封止工程と、
隣接する二つの前記密閉空間のうち一方の前記密閉空間上の領域における前記薄膜をエッチングにより除去する空間連通工程と、
を含む圧力センサの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−141143(P2012−141143A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291947(P2010−291947)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】
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