説明

圧力容器

【課題】燃料電池自動車等に搭載されて、内側のライナと外側の補強層とから成る圧力容器の残り寿命を高精度かつ短時間で予測可能にする。
【解決手段】人工構造不完全部21が、ライナ11の外面に、水素ガスタンク10の全使用期間にわたり、水素ガスタンク10の最弱部に維持される寸法で形成される。検出器20は、例えばライナ11と補強層12との間に介在するクラックゲージ30から成り、人工構造不完全部21の近くにおいてライナ11の外面に固着される。き裂22の長さは、水素ガスタンク10の使い込みに因る内圧の圧力サイクルの増加に伴って増加する。検出器20は、き裂22の成長に伴い、抵抗値を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池自動車等に搭載され寿命を予測するための機能を備えた圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle)や圧縮天然ガス自動車(Compressd Natural Gas Vehicle)は、燃料としての高圧ガスを貯蔵する圧力容器を搭載する。該圧力容器は、高圧ガスの貯蔵空間を内面側に画成するライナと、該ライナを囲繞する補強層とを備える複合容器となっている。また、一般的な材料として、ライナにはアルミニウムや樹脂が、また、補強層にはCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)が採用されている。
【0003】
該圧力容器は、高圧ガスの充填により内圧が上昇し、燃料電池等への放出に伴って、内圧が減少するという圧力サイクルを繰返す。このような圧力サイクルの繰返しは圧力容器のき裂の発生とその成長の原因になり、き裂の成長は圧力容器の寿命に影響する。
【0004】
従来の圧力容器は、その寿命のばらつきが大きいために、必要以上の強度を付与されて、高重量でかつ高価なものになっている。また、圧力容器の使用状況は例えば個々の燃料電池自動車で相違する。このため、個々の圧力容器に対し、その寿命を高精度で予測して、寿命切れの少し前に圧力容器を交換することができれば、圧力容器の軽量化達成等に関して大変有益である。
【0005】
高圧容器の従来の寿命予測方法には、(a)予め同型の製品について圧力サイクル試験を行って、寿命を調べておき、試験結果を同型の他の圧力容器に当て嵌めるもの、(b)使用中の圧力容器から試験片を切り出して、該試験片について疲労試験により疲労度を調べ、その試験結果から該圧力容器の寿命を予測するもの、(c)使用中の高圧容器に対し超音波器等を使った非破壊検査を行って、損傷を調べ、該損傷から予測するものが存在する。
【0006】
特許文献1は、原子力プラント等において、温度変動のある流体が内部を流れる配管の熱疲労損傷を監視する監視装置を開示する。該監視装置によれば、熱疲労を受ける配管の外周部に孔を加工して、配管の薄肉部を形成し、該薄肉部を、配管における熱疲労損傷箇所の集中箇所にして、他の箇所より熱疲労を先行させるとともに、該薄肉部のひずみを測定して、熱疲労損傷の蓄積を検出する。
【0007】
特許文献2は、高温、高圧下で使用される圧力容器の寿命予測方法を開示する。該寿命予測方法によれば、(a)圧力容器鋼の焼戻し脆化量は不純物の粒界偏析量に比例すること、及び(b)温度履歴と使用中の各温度における不純物の平衡偏析量が分かれば、加熱、冷却の繰返しを含む複雑な熱サイクルの下で生じる不純物の粒界偏析量を予測できることの2つの知見に基づき、圧力容器の材料に含まれる特定成分に対し、粒界偏析量の変化と圧力容器の温度変化との関係について構築した関係式に、実際の温度履歴を当て嵌めて、不純物の粒界偏析量を算出して、圧力容器の寿命を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−324900号公報
【特許文献2】特開平5−18497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高圧容器の従来の3つの寿命予測方法の内、(a)は、個々の圧力容器への試験製品の試験結果の一律の適用であり、精度が低下する。(b)及び(c)は、寿命の予測が大掛かりとなるとともに、即座に予測することは困難である。
【0010】
特許文献1の監視装置は、主目的が圧力サイクルに因るき裂の成長ではなく熱疲労損傷の監視であるとともに、圧力容器の寿命予測に適用した場合、圧力容器の外面に孔を加工すると、補強層を弱めてしまい、圧力容器の寿命が一気に低下してしまう。
【0011】
特許文献2の圧力容器の寿命予測方法は、温度履歴に基づくものであり、圧力容器の内圧変化が寿命の決定要素になっている圧力容器の寿命予測には採用し難い。
【0012】
本発明の目的は、内圧が大きく変動する圧力容器に対し、使用状況及び個体ばらつきの影響を抑制して高精度でかつ即座に寿命を予測できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、圧力容器の構造不完全部について言及する。該構造不完全部は、材料力学及び構造力学等における力学で定義される構造(組成や物理的形状を含む)上の特徴を指し、製造物責任法第2条第2項の「欠陥」とはまったく異なるものである。き裂や凹所無しの完全構造部に対する、き裂や凹所有りの構造部は、不完全構造部の例である。
【0014】
第1発明の圧力容器は、加圧された流体を内部に貯蔵するライナと、該ライナを囲繞し該ライナを補強する補強層と、前記ライナと前記補強層との間に介在し、介在部位における物理量から前記ライナと前記補強層との少なくとも一方に依存する寿命関連値を検出する検出部を備えることを特徴とする。
【0015】
第1発明によれば、検出部は、圧力容器の外面ではなく、ライナと補強層との間に介在し、介在部位における物理量からライナ又は補強層の少なくとも一方に依存する寿命関連値を検出することにより、ライナと補強層との両方の寿命を的確に予測することができる。また、ばらつきの大きい圧力容器の寿命を、高精度でかつ即座に予測することが可能になる。
【0016】
第2発明の圧力容器は、第1発明の圧力容器において、人工構造不完全部が、前記ライナの内面に露出しないように、前記ライナの外面側の金属材料に形成され、前記検出部は、前記圧力容器への流体の出入に伴う前記圧力容器の内圧の変動の繰返しに因る前記人工構造不完全部の成長を前記介在部位における物理量として検出するものであることを特徴とする。
【0017】
金属の構造不完全部は、圧力容器の内圧の変動の繰返しに伴い、徐々に成長する。第2発明によれば、人工構造不完全部がライナの外面側の金属材料に形成されて、該人工構造不完全部の成長を寿命関連値として検出することにより、圧力容器の寿命を的確に予測することができる。
【0018】
第3発明の圧力容器は、第2発明の圧力容器において、該圧力容器の構造不完全部について、該構造不完全部に生じる応力のうち、最大応力の生じる方向に対する垂直面への該構造不完全部の投影面積をSとし、前記人工構造不完全部は、その√Sがどの自然構造不完全部の√Sより大きく、かつその最大応力方向の長さが、該人工構造不完全部の形成に因る圧力容器疲労寿命の低下が許容限度になる寸法以下にされていることを特徴とする。
【0019】
第3発明よれば、人工構造不完全部は、その存在に因る圧力容器疲労寿命の低下を許容値内に留めつつ、圧力容器の使用期間にわたり、圧力容器における最大の構造不完全部を維持させるようになるので、寿命予測に関する検出対象を人工構造不完全部のみに絞り込んで、圧力容器の使用期間の各時点における寿命を予測することができる。
【0020】
第4発明の圧力容器は、第1〜第3発明のいずれかの圧力容器において、前記検出部はクラックゲージ又はひずみゲージであることを特徴とする。
【0021】
圧力容器を長く使用するに連れて、人工構造不完全部におけるき裂の長さが増大し、又は人工構造不完全部の部位のひずみが増加する。第4発明によれば、圧力容器の使用に伴う人工構造不完全部の成長に因るき裂の長さやひずみの変化から圧力容器の寿命を高精度でかつ迅速に検出することができる。
【0022】
第5発明の圧力容器は、第2発明の圧力容器において、前記ライナは樹脂製であり、金属膜材が前記ライナと前記補強層との間に介在し、前記人工構造不完全部は前記金属膜材に設けられている。
【0023】
金属における構造不完全部は、該金属の疲労の蓄積と共に徐々に成長するのに対し、樹脂における構造不完全部は、寿命切れ直前に一気に進むので、構造不完全部の観測からの寿命予測は難しい。第5発明によれば、樹脂製のライナを備える圧力容器に対し、金属膜材が樹脂製のライナと補強層との間に介在して、人工構造不完全部が該金属膜材に設けられることにより、圧力容器の寿命を、ライナが金属製である圧力容器の寿命と同じく、人工構造不完全部の成長の観測に基づき円滑に予測することができる。
【0024】
第6発明の圧力容器は、第1〜第5発明のいずれかの圧力容器において、前記検出部の出力から前記圧力容器の残り寿命を予測する予測部と、該予測部が予測する残り寿命が所定値未満であるときに、残り寿命が所定値以上にあるときよりも、圧力容器の内圧の変動幅が減少するように、前記圧力容器内への圧縮流体の入出量を制御する入出量制御部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
圧力容器の内圧の変動振幅が小さいほど、ライナ及び補強層に係る負荷は小さくて済む。第6発明によれば、圧力容器が寿命切れに近付くと、内圧の変動を抑制するように、圧力容器内への圧縮流体の入出量を制御するので、圧力容器の延命を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】水素ガスタンク及びその制御装置の構成図。
【図2】水素ガスタンクにおける圧力サイクルの繰返し数と水素ガスタンクに形成した人工構造不完全部におけるき裂の成長との関係を示す実験図。
【図3】人工構造不完全部の形成部位におけるき裂の長さを検出するクラックゲージについての説明図。
【図4】人工構造不完全部の形成部位におけるき裂の長さとクラックゲージの抵抗値との関係を示すグラフ。
【図5】人工構造不完全部の形成部位におけるひずみを検出するひずみゲージについての説明図。
【図6】水素ガスタンクの内圧、人工構造不完全部の形成部位におけるひずみ及びき裂の長さの関係を示すグラフ。
【図7】水素ガスタンクの内圧に対するライナ及び補強層の抵抗力を並行バネモデルにより示す図。
【図8】ライナ及び補強層の両方の寿命関連値を検出するひずみゲージについての説明図。
【図9】補強層の剛性低下をパラメータとして水素ガスタンクの内圧と人工構造不完全部の形成部位におけるひずみとの関係を示すグラフ。
【図10】水素ガスタンクの内面のき裂について応力拡大係数を説明する図。
【図11】人工構造不完全部の投影面積についての説明図。
【図12】補強層が樹脂製であるときのクラックゲージの適用方法について説明する図。
【図13】水素ガスタンクの残り寿命とそれに対応して実施する充填圧制御との関係についての説明図。
【図14】水素ガスタンクの残り寿命に対応して実施する充填圧制御における圧力振幅の第1の例を示す図。
【図15】水素ガスタンクの残り寿命に対応して実施する充填圧制御における圧力振幅の第2の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1において、水素ガスタンク10は本発明の圧力容器に相当する。水素ガスタンク10は、燃料電池自動車(図示せず)に搭載され、水素ガスタンク10は、燃料電池の燃料となる水素ガスを貯蔵する所定容積の貯蔵空間13を内面側に画成するライナ11と、ライナ11の外面を覆ってライナ11を囲繞する補強層12とを備える。
【0028】
ライナ11はアルミニウム合金から成り、補強層12は、樹脂含有強化繊維をライナ11の外面に巻き付けた形て構成される。樹脂含有強化繊維とは、例えばCFRPであり、素材繊維としての炭素繊維に、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させたものである。
【0029】
水素ガスタンク10は横置きされ、ライナ11は、その軸線方向一方の端部に出入り口14を有し、弁装置15が出入り口14に装着される。燃料の水素ガスは弁装置15を介して貯蔵空間13に出入りする。
【0030】
水素ガスタンク10は、軸線方向両端部の半球部分と、それらの中間の円筒部分とを有し、人工構造不完全部21は、中間の円筒部分におけるライナ11と補強層12との接合部においてライナ11の外面に円柱の孔として形成されている。
【0031】
構造不完全部は、材料力学及び構造力学等における力学で定義される構造(組成や物理的形状を含む)上の特徴を指し、例えば、材料の表面から微小部分を取り去って形成された凹部や、材料の表面に微小に存在するき裂が含まれる。水素ガスタンク10における構造不完全部には、自然構造不完全部と人工構造不完全部とが含まれ、自然構造不完全部は水素ガスタンク10の製造時に自然に生じるものであり、人工構造不完全部21は、水素ガスタンク10の製造後に人工的に形成したものである。
【0032】
人工構造不完全部21としての孔は、ライナ11の内面には露出しない深さでかつ該孔の部位が水素ガスタンク10の全使用期間を通じてライナ11における最弱の部位となるように、ライナ11の外面に形成されている。人工構造不完全部21の部位をライナ11における最弱部位に保証する条件については後述する。
【0033】
検出器20は、人工構造不完全部21を補強層12側から覆うように、又は、人工構造不完全部21の近傍となるように、ライナ11の外面と補強層12の内面との間に介在する。
【0034】
水素ガスタンク10に、高圧の水素ガスが充填されると、水素ガスタンク10の内圧が増大する。その後、燃料電池自動車の走行に伴い、水素ガスタンク10内の水素ガスが消費されて、水素ガスタンク10の内圧は減少する。こうして、水素ガスタンク10には、その使用期間、水素ガスの充填と消費とにより内圧が変動する圧力サイクルが繰り返される。
【0035】
圧力センサ28は、弁装置15内に配設され、ライナ11の内圧pを検出する。制御装置45は、予測部46、予測結果表示処理部47及び入出量制御部48を備える。制御装置45は、検出器20から水素ガスタンク10の寿命関連値として水素ガスタンク10の疲労度又は剛性低下度に関する検出信号を受ける。制御装置45は、検出器20と圧力センサ28とからの検出信号に基づき弁装置15の弁の開閉を制御する。予測部46、予測結果表示処理部47及び入出量制御部48の作用は、後述の図13〜図15の説明の際に、詳説する。
【0036】
次に、図2を参照して、水素ガスタンク10における圧力サイクルの繰返し数と水素ガスタンク10に形成した人工構造不完全部21におけるき裂の成長との関係を調べた実験結果について説明する。図2のグラフにおいて、横軸は水素ガスタンク10における圧力サイクルの繰返し数、縦軸は水素ガスタンク10に生じる最大き裂の長さである。検出器20としてひずみゲージ40(図5)を使用して、水素ガスタンク10に対して試験してみた結果が図2の特性になっている。初期の長さが0.5mmのき裂を人工構造不完全部21として形成し、該き裂が圧力サイクルの繰返しに伴い、どのように変化するかを調べた。なお、0.5mmの人工き裂は、水素ガスタンク10の使用開始時における人口構造不完全部として唯一であるとともに、水素ガスタンク10の使用開始時に存在するどの自然構造不完全部としてのき裂の長さよりも大となっている。
【0037】
き裂の長さは、圧力サイクルの繰返し数が所定値に達するまでは、増加しないが、所定値を超えると、緩やかに増加し、圧力サイクルのさらなる繰返し数の増加に伴い、上昇率を高めていく。き裂の長さが10mmを少し上回ると、その後、繰返し数の増加にもかかわらずき裂の長さの増加は止まり、この時点が水素ガスタンク10からの水素ガス漏れ(リーク)が生じた時点となる。
【0038】
次に、図3を参照して、図1の検出器20の一例としてのクラックゲージ30の構成について説明する。クラックゲージ30は、人工構造不完全部21に十分に近付けてライナ11の外面に接着される。クラックゲージ30は、両端の端子31,32と、相互に平行にかつ配列方向に等間隔で端子31−端子32間に延在する複数の抵抗33とを有している。
【0039】
人工構造不完全部21の成長に伴い、き裂22が、クラックゲージ30の方へ伸びて、抵抗33を人工構造不完全部21に近い方から順番に切断する。複数の抵抗33は、等間隔に並設されて、両端において端子31,32に接続される。したがって、抵抗33は相互に並列接続の関係になっており、き裂22の成長に伴い、抵抗33の切断数が増加し、これにより、クラックゲージ30の抵抗値は増大する。
【0040】
き裂22は、ライナ11の人工構造不完全部21の部位における最大応力の方向へ人工構造不完全部21から伸び出る。最大応力の方向とは、後述の図7(a)及び図10の円柱型の水素ガスタンク10では円周方向となる。
【0041】
次に、図4を参照して、図3におけるき裂22の長さとクラックゲージ30の抵抗値との関係について説明する。図2において説明したように、き裂の長さと水素ガスタンク10の残り寿命とには相対関係があるので、クラックゲージ30の抵抗値から水素ガスタンク10の残り寿命を予測することができる。なお、水素ガスタンク10の使用開始時の寿命及び各時点での残り寿命は、寿命切れまでの残り時間ではなく、後述するように例えば現時点から水素ガスタンク10の寿命切れまでに繰り返すことができる内圧のサイクル数で表わすことができる。また、水素ガスタンク10の現時点で予測する予測寿命とは残り寿命を意味するものとする。
【0042】
なお、図4におけるき裂の長さは、図3における人工構造不完全部21の長さと人工構造不完全部21からクラックゲージ30側及びその反対側へ伸び出る2本のき裂22の長さとの合計である。
【0043】
次に、図1の検出器20の別の例であるひずみゲージ40について、図5の断面図を参照して、説明する。ひずみゲージ40は、人工構造不完全部21を覆うように、ライナ11の外面に接着される。リード線41は、ひずみゲージ40から引き出されて、ひずみゲージ40の検知信号を制御装置45へ入力する。
【0044】
図5のき裂23は、図3のき裂22が人工構造不完全部21の部位におけるライナ11の最大応力方向へ伸びていくのに対し、水素ガスタンク10の圧力サイクルの繰返し数の増加に伴い、人工構造不完全部21からその深さ方向へ伸び出していく。ひずみゲージ40は、ライナ11の外面における人工構造不完全部21の周囲部分のひずみを検出する。該ひずみは、き裂22,23の成長(長さの増加)に関係したものになる。
【0045】
次に、図6を参照して、き裂23の長さをパラメータとして水素ガスタンク10の内圧と、ひずみゲージ40が検出したひずみとの関係について説明する。同一の内圧に対して、き裂23の長さが増加するに連れて、ひずみが増大する。図2において説明したように、き裂の長さと水素ガスタンク10の残り寿命とには相対関係があるので、ひずみゲージ40が検出したひずみから水素ガスタンク10の寿命上の現時点位置(又は残り寿命)を予測することができる。
【0046】
次に、図7を参照して、ライナ11及び補強層12から成る並行バネモデルについて説明する。図7(a)は水素ガスタンク10の横断面を示しており、水素ガスタンク10は円形の横断面を有している。水素ガスタンク10内の水素ガスによるライナ11の内面への内圧pがライナ11の内面に作用すると、ライナ11及び補強層12は、水素ガスタンク10の円周方向へ引っ張り応力σを受ける。
【0047】
図7(b)は、ライナ11及び補強層12の並行バネモデルを示す。水素ガスタンク10の構造では、ライナ11及び補強層12には、図7(b)の並行バネモデルのように、同一の内圧pにより引っ張り力を受けて、その引っ張り方向へ同一のひずみが生じる。
【0048】
補強層12の劣化事象として、(a)ライナ11と補強層12との剥離、(b)補強層12内の局所的な炭素繊維の破断、及び(c)補強層12内の炭素繊維とエポキシ樹脂の剥離、が考えられる。(a)〜(c)の劣化事象は、図7(b)の並行バネモデルにおける補強層12の剛性の低下につながる。該並行バネモデルから分かるように、ライナ11及び補強層12には同一のひずみが作用するので、補強層12の剛性の低下をライナ11のひずみから検出することができる。
【0049】
次に、図8を参照して、ひずみゲージ40がライナ11及び補強層12の両方の寿命を検出するものとなっていることについて説明する。図8のひずみゲージ40は、ライナ11の外面と補強層12の内面との間に介在して、ライナ11の人工構造不完全部21におけるひずみを検出する。補強層12の剛性低下はライナ11のひずみにつながるので、ひずみゲージ40が検出するひずみは補強層12の剛性の低下を含む値になる。
【0050】
次に、図9を参照して、補強層12の剛性をパラメータとして水素ガスタンク10の内圧と、ひずみゲージ40が検出したひずみとの関係について説明する。同一の内圧に対して、補強層12の剛性が低下するに連れて、ひずみが増大する。すなわち、図8のひずみゲージ40が検出したひずみから補強層12の剛性の低下に因る水素ガスタンク10の残り寿命を予測することができる。
【0051】
次に、図10を参照して、ライナ11の内面に生じたき裂25の応力拡大係数について説明する。ライナ11には、元々、ライナ11の内面側の内圧pから水素ガスタンク10の円周方向の引張り方向の応力σがかかる。一方、水素ガスタンク10では、通常、ライナ11の外面ではなく、内面にき裂25が発生する。き裂25がライナ11の内面に生じると、高圧水素ガスがき裂25内に進入し、進入した高圧水素ガスによる内圧pが、き裂25を拡開する方向へ作用し、元々の応力σに重ね合わされる。
【0052】
したがって、水素ガスタンク10のき裂における応力拡大係数Kは、元々の応力σに因る応力拡大係数K1と、き裂25内に進入した高圧水素ガスに因る応力拡大係数K2との和K1+K2となる。したがって、次式が成り立つ。なお、(√X)はXの平方根を意味するものとする。また、次式は応力拡大係数についての周知の計算式である。
【0053】
K1=Fσ(√πa)・・・(1)
K2=Fp(√πa)・・・(2)
K=K1+K2=F(σ+p)(√πa)・・・(3)
ただし、各記号の意味は次のとおりである。
σ:き裂部位の公称応力
a:き裂の半長
F:き裂・構造物の形状、加重による定数
【0054】
通常の寿命評価試験では、K1に対応する材料の寿命を調べるが、実際の水素ガスタンク10の寿命は、K2を考慮する必要があり、内圧Pの圧力効果に相当するK2の分だけ、通常の寿命評価試験における寿命よりも低下する。
【0055】
人工構造不完全部21(図1)のサイズについて説明すると、図11のように、最大応力が働く方向に垂直な面に人工構造不完全部21を投影したときの面積をS(単位:平方mm)を定義すると、人工構造不完全部21のサイズを、(√S)=0.1〜1.0平方mmとなるように設定する。ただし、人工構造不完全部21の深さと長さの比が5倍以上ある場合には、構造不完全部深さまたは構造不完全部長さのいずれか小さい方の長さを(√10)倍した値を人工構造不完全部21のサイズとする。なお、図11では、人工構造不完全部21についての投影面積Sを定義しているが、自然構造不完全部についての投影面積Sについても同様に定義される。
【0056】
水素ガスタンク10の製造過程では、通常、長さが0.1mm程度の構造不完全部(自然構造不完全部)が生じる。そのため、人工構造不完全部21から確実に疲労破損させて、水素ガスタンク10の全使用期間にわたり人工構造不完全部21を水素ガスタンク10の最大構造不完全部に維持するためには、すなわち人工構造不完全部21を水素ガスタンク10の全使用期間にわたり水素ガスタンク10における最弱部を維持するためには、人工構造不完全部21は0.1mm以上のサイズである必要がある。なお、0.1mmの構造不完全部の(√S)は0.01平方mmとなるので、前述したように、人工構造不完全部21のサイズは、(√S)=0.1〜1.0平方mmとなるように設定すれば、人工構造不完全部21のサイズは0.1mmより大きい値に設定される。
【0057】
なお、人工構造不完全部21は、ライナ11の外面側に形成されるので、上述(2)式のK2に相当する内圧Pの圧力効果が働かない。人工構造不完全部21を、水素ガスタンク10の全使用期間にわたり水素ガスタンク10の最弱部として、水素ガスタンク10における全構造不完全部の内の最大構造不完全部となっていることを保証するためには、人工構造不完全部21のサイズは、自然構造不完全部のサイズより適当に大きく設定する必要がある。
【0058】
また、人工構造不完全部21を、水素ガスタンク10の全使用期間にわたり水素ガスタンク10の最弱部に維持する理由は、水素ガスタンク10の使用期間における各時点の残り寿命は、水素ガスタンク10における全構造不完全部の内の最大構造不完全部により決定されるので、残り寿命の予測について、最大構造不完全部の大きさだけを観測すれば、その他の構造不完全部の観測を省略することができるからである。
【0059】
人工構造不完全部21のサイズは、自然構造不完全部のサイズの2倍程度(例:0.2mm)以上にすると、ライナ11の内面側の0.1mmの自然構造不完全部にかかる疲労は、人工構造不完全部21のサイズが0.1mmのときの半分程度に減少することが分かっている。したがって、人工構造不完全部21のサイズは、自然構造不完全部のサイズの2倍以上を目安に設定することにより、圧力サイクルの増加に伴う水素ガスタンク10における構造不完全部の成長を、人工構造不完全部21だけに留めて、人工構造不完全部21を水素ガスタンク10の全使用期間にわたり水素ガスタンク10の最弱部に保証することができる。前述したように、人工構造不完全部21のサイズは、(√S)=0.1〜1.0平方mmとなるように設定すれば、人工構造不完全部21のサイズは0.2mmより大きい値に設定される(∵0.2mm×0.2mm=0.04平方mm<0.1平方mm)。
【0060】
一方、1mm以上の構造不完全部では、疲労寿命の低下量が顕著になる。そのため、人工構造不完全部21を1mm以上にする場合には、設計許容応力を小さくする等の対応が必要であり、水素ガスタンク10の重量増大につながってしまう。したがって、前述したように、人工構造不完全部21の(√S)の最大は1平方mmとするのが適切である。
【0061】
次に、図12を参照して、ライナ11が金属ではなく樹脂製である水素ガスタンク10に適用する寿命検出器について説明する。ライナ11が金属である場合には、貯蔵空間13の熱を外部へ放出し易いのに対し、ライナ11が樹脂である場合には、ライナ11の加工が簡単になる。
【0062】
樹脂製のライナ11では、金属のように、き裂が徐々に進まず、き裂は、一気に進んで、寿命切れにいたる。したがって、人工構造不完全部21を樹脂のライナ11に加工して、該人工構造不完全部21の成長から水素ガスタンク10の寿命上の現時点位置(又は残り寿命)を検出することは困難である。図12の検出装置はこれに対処しようとするものである。すなわち、図12において、薄膜金属プレート50はライナ11及び補強層12とは別途用意される。図12の検出装置では、前述した図3の構造をライナ11の外面ではなく、薄膜金属プレート50に適用する。
【0063】
薄膜金属プレート50は、図1の人工構造不完全部21の深さと等寸法の厚さとされるが、それより厚くしてかまわない。人工構造不完全部21は、薄膜金属プレート50を貫通又は有底にして、薄膜金属プレート50に加工される。クラックゲージ30は、図12の人工構造不完全部21に対し、図3における人工構造不完全部21に対するクラックゲージ30の場合と同一の相対位置関係で薄膜金属プレート50に固着される。クラックゲージ30の固着面は、薄膜金属プレート50の補強層12側の面であっても、ライナ11側の面であってもよい。なぜなら、クラックゲージ30は、薄膜金属プレート50のどちらの面に固着されても、ライナ11と補強層12との間に介在することになるからである。
【0064】
このように、人工構造不完全部21が加工され、クラックゲージ30が固着された薄膜金属プレート50は、ライナ11の外面と補強層12の内面との間に介在される。水素ガスタンク10の使い込みに伴い、き裂22の長さが増加し、クラックゲージ30の抵抗値が図4のように、変化する。こうして、ライナ11が樹脂製となっている水素ガスタンク10に対しても、水素ガスタンク10の各使用時点における残り寿命を予測することができる。
【0065】
図12では、クラックゲージ30が薄膜金属プレート50に装備されているが、図5のひずみゲージ40を薄膜金属プレート50に装備してもよい。その場合は、深さ方向のき裂23(図5)の成長を確保するために、薄膜金属プレート50は、クラックゲージ30を使用する場合の厚さよりも、厚くされる。
【0066】
次に、図13を参照して、図1の制御装置45が実施する水素ガスタンク10の充填圧制御について説明する。図13は、制御装置45が水素ガスタンク10の各寿命期間において実施する充填圧制御を示している。図2で説明したように、き裂の長さから水素ガスタンク10の寿命上の現時点位置(又は残り寿命)を予測することができる。一方、水素ガスタンク10の負荷は、内圧の圧力サイクルにおける最大圧と最小圧との差である内圧振幅が小さいほど、低下するので、内圧の圧力サイクルにおける内圧振幅を小さくすれば、水素ガスタンク10の延命を図ることができる。
【0067】
予測部46は、検出器20の検出信号を受けて、図4又は図6の特性に基づき人工構造不完全部21の長さを導出し、導出した人工構造不完全部21の長さから図2の特性に基づき圧力サイクルの繰返し数nを算出する。予測部46が、ここで算出した繰返し数nは、寿命水素ガスタンク10の寿命上の現時点位置に対応するものとなる。
【0068】
予測結果表示処理部47は、予測部46が算出した繰返し数nをそのまま、又は水素ガスタンク10の寿命上の現時点位置が分かるように、例えばn/ne(ただし、neは、水素ガスタンク10の寿命切れ時の圧力サイクル数である。)でディスプレイ(図示せず)に表示して、水素ガスタンク10の使用者等に知らせる。
【0069】
入出量制御部48は、予測部46が算出した繰返し数nに基づき、該nが水素ガスタンク10の寿命のどの期間に対応するかを判断する。図13では、nが属する期間について、0≦n<n1、n1≦n<n2、n2≦n<n3及びn3≦n≦neの4期間に分類する。
【0070】
入出量制御部48は、0≦n<n1の期間では、弁装置15へ制御信号を送らず、水素ガスタンク10の充填制御は行わない。すなわち、水素ガスタンク10への水素ガス充填及び消費は、水素ガスタンク10の最高充填圧以下の範囲内で使用者の自由に任せられる。
【0071】
入出量制御部48は、nがそれぞれn1≦n<n2及びn2≦n<n3となっているときは、弁装置15に対しそれぞれ第1及び第2段充填制御を実施する。入出量制御部48は、nがn3≦nとなっているときは、水素ガスタンク10の寿命切れが間近と判断し、弁装置15を閉止して、水素ガスタンク10内への水素ガスの充填を中止して、水素ガスタンク10の使用を禁止させる。
【0072】
弁装置15は、入出量制御部48による第1段充填制御期間では、水素ガスタンク10内の内圧振幅が第1所定値a1内に収まるように水素ガスタンク10の内圧を制御する。第1段充填制御及び次の第2段充填制御における水素ガスタンク10の内圧の変化については、図14及び図15で説明する。
【0073】
弁装置15は、入出量制御部48による第2段充填制御期間では、水素ガスタンク10内の内圧振幅が第2所定値a2(ただし、a2<a1)内に収まるように水素ガスタンク10の内圧を制御する。
【0074】
図14は制御装置45の入出量制御部48による弁装置15の制御の結果、生じる水素ガスタンク10における圧力サイクルの充填圧(内圧p)の振幅の第1例を示している。圧力サイクルの充填圧の変化を分かり易くするため、図14及び後述の図15では、水素ガスタンク10の最高充填圧(使用開始時の定格充填圧)と大気圧との平均値、充填圧の振幅の中心値を充填圧=0としている。充填圧は、弁装置15からのライナ11内への水素ガスの充填に伴い、上昇し、また、水素ガスタンク10から燃料電池への水素ガスの供給に伴い、減少する。
【0075】
圧力サイクルC0,C1,C2は、図14の通常充填、第1段充填圧制御、第2段充填圧制御の各期間における圧力サイクルを示している。圧力サイクルC0,C1,C2における充填圧の振幅はそれぞれa0,a1,a2(a0>a1>a2)に設定されている。
【0076】
圧力サイクルC0は、充填圧制御の非実施を示し、水素ガスは、水素ガスタンク10内へ最高充填圧まで充填され、水素ガスタンク10内が、水素ガスのほぼ空状態を示す大気圧になるまで、消費される。結果、圧力サイクルにおける充填圧の振幅はa0(=最高充填圧−大気圧)となる。
【0077】
圧力サイクルC1では、第1段充填圧制御が実施され、充填圧の上限は最高充填圧とされるのに対し、下限は大気圧より適当に高いp1とされ、充填圧の振幅はa1(=最高充填圧−p1)となる。
【0078】
圧力サイクルC2では、第2段充填圧制御が実施され、充填圧の上限は最高充填圧とされるのに対し、下限はp1より適当に高いp2とされ、充填圧の振幅はa2(=最高充填圧−p2)となる。
【0079】
図15は制御装置45の入出量制御部48による弁装置15の制御の結果、生じる水素ガスタンク10における圧力サイクルの充填圧(内圧p)の振幅の第2例を示している。
【0080】
図14における圧力サイクルC0,C1,C2と図15における圧力サイクルC0,C1,C2との相違点は、圧力サイクルC0,C1,C2では、充填圧の振幅をそれぞれa0,a1,a2とするために、図14における圧力サイクルC0,C1,C2では下限の充填圧を変更したのに対し、図15における圧力サイクルC0,C1,C2では、下限は大気圧に固定して、上限の充填圧をそれぞれp3,p4(p3>p4)としたことである。これにより、a1=p3−大気圧、a2=p4−大気圧となる。
【0081】
圧力サイクルC0,C1,C2における充填圧の振幅をa0,a1,a2とするために、図14では、圧力サイクルにおける上限の充填圧を、また、図15では、圧力サイクルにおける下限の充填圧を、それぞれ変更したが、上限及び下限の両方を変更することも可能である。
【0082】
発明の実施の形態では、本発明を燃料電池自動車に搭載される圧力容器について説明したが、本発明は、それ以外の圧力容器にも適用することができる。
【0083】
発明の実施の形態では、本発明を燃料電池自動車に搭載される水素ガスタンク10について説明したが、本発明は、水素ガス以外の高圧ガスを貯蔵する圧力容器や、自動車の燃料以外に使用される高圧ガスを貯蔵する圧力容器にも適用可能である。
【0084】
発明の実施の形態では、水素ガスタンク10の寿命を圧力サイクルの繰返し数を単位にして表現しているが、き裂の長さやひずみそのものを寿命の予測値(各使用時点における残り寿命)とすることもできる。
【符号の説明】
【0085】
10・・・水素ガスタンク、11・・・ライナ、12・・・補強層、13・・・貯蔵空間、20・・・検出器(検出部)、21・・・人工構造不完全部、22,23,25・・・き裂、30・・・クラックゲージ(検出部)、40・・・ひずみゲージ(検出部)、45・・・制御装置、46・・・予測部、47・・・予測結果表示処理部、48・・・入出量制御部、50・・・薄膜金属プレート(金属膜材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された流体を内部に貯蔵するライナと、
該ライナを囲繞し該ライナを補強する補強層と、
を備える圧力容器であって、
前記ライナと前記補強層との間に介在し、介在部位における物理量から前記ライナと前記補強層との少なくとも一方に依存する寿命関連値を検出する検出部を備えることを特徴とする圧力容器。
【請求項2】
請求項1記載の圧力容器において、
人工構造不完全部が、前記ライナの内面に露出しないように、前記ライナの外面側の金属材料に形成され、
前記検出部は、前記圧力容器への流体の出入に伴う前記圧力容器の内圧の変動の繰返しに因る前記人工構造不完全部の成長を前記介在部位における物理量として検出するものであることを特徴とする圧力容器。
【請求項3】
請求項2記載の圧力容器において、
該圧力容器の構造不完全部について、該構造不完全部に生じる応力のうち、最大応力の生じる方向に対する垂直面への該構造不完全部の投影面積をSとし、
前記人工構造不完全部は、その√Sがどの自然構造不完全部の√Sより大きく、かつその最大応力方向の長さが、該人工構造不完全部の形成に因る圧力容器疲労寿命の低下が許容限度となる寸法以下にされていることを特徴とする圧力容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力容器において、
前記検出部はクラックゲージ又はひずみゲージであることを特徴とする圧力容器。
【請求項5】
請求項2記載の圧力容器において、
前記ライナは樹脂製であり、
金属膜材が前記ライナと前記補強層との間に介在し、
前記人工構造不完全部は前記金属膜材に設けられていることを特徴とする圧力容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧力容器において、
前記検出部の出力から前記圧力容器の残り寿命を予測する予測部と、
該予測部が予測する残り寿命が所定値未満であるときに、残り寿命が所定値以上にあるときよりも、圧力容器の内圧の変動幅が減少するように、前記圧力容器内への圧縮流体の入出量を制御する入出量制御部と、
を備えることを特徴とする圧力容器。

【図2】
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【図4】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−219881(P2012−219881A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84906(P2011−84906)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】