説明

圧力検出ユニット、及び圧力センサ

【課題】温度の影響を除去し、圧力測定精度を改善した低消費電流型の圧力検出ユニット
を得る。
【解決手段】圧力検出ユニット1は、一対の振動腕及び該一対の振動腕の両端部に夫々一
体化された基部を有する第1の圧電振動片20と、振動腕及び該振動腕の一端部に一体化
された基部を有する第2の圧電振動片25と、前記第1の圧電振動片20の基部が接合さ
れる一対の支持部13a、13bを有するダイヤフラム10と、前記ダイヤフラム10と
対向配置される基台15と、を備えている。そして、前記第2の圧電振動片25は、前記
ダイヤフラム10の厚み方向において前記第1の圧電振動片20と重なり合わない位置に
配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出ユニット、及び圧力センサに関し、特に温度検出用の感温素子を内
蔵した圧力検出ユニットと、それを用いた圧力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電振動子に加わる応力と共振周波数変化との関係を利用した圧力計が実用化されてい
る。圧電振動子に双音叉型圧電振動子を用いることにより、応力に対する感度が良好とな
り、僅かな圧力差から高度差、深度差を検知することができる。
特許文献1には、感圧素子として圧電振動片を用いた圧力検出ユニットが開示されてい
る。
【0003】
図9(a)は圧力検出ユニットの側断面図、同図(b)は、(a)のQ−Qにおける断
面図である。圧力検出ユニット60は、ダイヤフラム61と、該ダイヤフラム61と対向
して設けられる基台75と、感圧素子としての圧電振動片70と、を備えた絶対圧計であ
る。
ダイヤフラム61は、図9(a)の上方からの圧力を受けて変形する薄肉部63と、該
薄肉部63の周縁に形成される枠部69と、を備えている。ダイヤフラム61は、薄肉部
63の一方の面に、圧電振動片70を固定するための一対の支持部65を有し、圧電振動
片70はその両固定端を支持部65により支持されている。また、薄肉部63の他方の面
には、圧電振動片70の振動部72に対応する部位に、突出部67が設けられている。薄
肉部63の一部を厚肉化して突出部67とすることにより、当該部分の変形を防ぐことが
でき、圧力が印加された時に、薄肉部63の中心が圧電振動片70に接触するとことを防
止することができる。
【0004】
圧電振動片70には、いわゆる双音叉型振動素子を用いている。双音叉型振動素子は、
両端部に固定端71を有し、この2つの固定端71の間に2つの振動ビームが形成されて
いる。双音叉型振動素子に引張り応力(伸長応力)あるいは圧縮応力を印加すると、その
共振周波数が印加する応力にほぼ比例して変化するという特性がある。
図9に示す圧力検出ユニット60では、ダイヤフラム61の薄肉部63に形成された一
対の支持部65の載置面66に、双音叉型振動素子70の両固定端71が固定されている
。ダイヤフラム61の上部に圧力が加わると、薄肉部63に撓みが生じ、薄肉部63は図
9(a)の下方へ変形する。支持部65の載置面66は薄肉部63の変形状態に伴って傾
き、載置面66は薄肉部63の外側へ向けて傾く。このため、載置面66間の間隔は大き
くなり、該載置面66に固定された双音叉型振動素子70の振動部72には伸長応力が加
わる。
振動部72に伸長応力が加わると双音叉型振動素子70は、その共振周波数が増加する
。そして、図示しない検出部ではこの周波数の変化を検出し、周波数の変化に基づく応力
の変化を導き出すことで、ダイヤフラム61に加わる圧力を検出することが可能となる。
【0005】
しかし、双音叉型振動素子70の周波数温度特性は、上に凸の二次特性を有するので、
温度変化が大きい環境で使用する場合には応力検出精度に誤差が生じるという問題があっ
た。特許文献2、3、4には、温度検出素子(感温素子)としてサーミスタ、又はトラン
ジスタを備え、その電気的特性の変化より温度を検出し、制御部にフィードバックする装
置が開示されている。
そこで、圧力検出ユニット60に感温素子としてサーミスタ、又はトランジスタを設け
ることは容易に考えられる。
例えば、図10に示す圧力センサのブロック図のように、温度センサ82の出力をA/
Dコンバータ85に接続し、該A/Dコンバータ85の出力を処理装置86の一方の入力
に接続する。また、応力検出ユニット81を発振回路83に接続し、該発振回路83の出
力を、周波数カウンタ84を介して処理装置86の他方の入力に接続する。処理装置86
はA/Dコンバータ85からの信号を演算して温度を求め、この温度に基づいて応力検出
ユニット81の周波数温度特性を補正し、応力検出ユニット81に加わった応力のみを高
精度に検出する。そして、ダイヤフラムの構造を加味してダイヤフラムに印加された圧力
を算出する。
【特許文献1】特開2007−327922公報
【特許文献2】特開2006−284301公報
【特許文献3】特開2006−324652公報
【特許文献4】特開2008−111761公報
【特許文献5】特公昭61−29652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図10に示したような感温素子(温度センサ)82にアナログ方式、例えばサーミスタ
を用いた温度計の例が、特許文献5に開示されている。図11に示すように、温度計90
は、抵抗R1、R2、R3、R4を用いてブリッジ回路を形成し、抵抗R1と抵抗R3と
の接続点と、抵抗R2と抵抗R4との接点と、をOPアンプ92の2つの入力に接続し、
その出力をA/D変換器93の入力に接続する。A/D変換器93の出力を処理回路94
で処理して温度を求める装置である。ここで、抵抗R3は可変抵抗器Rv32とサーミス
タThとの並列回路に、可変抵抗器Rv31を直列接続した回路である。
しかしながら、サーミスタの温度−抵抗特性は指数関数的である共に、温度計測時には
、例えば電流源91から電流を流す必要である。また、A/Dコンバータは大きな電流を
消費する。例えば、サーミスを用いた温度センサでは約200μAの電流が、12ビット
のA/Dコンバータで約300μAの電流が消費される。更に、アナログ量をデジタル値
に変換する際にノイズ等の影響で、温度検出の精度が落ちる。このようにアナログ方式の
温度検出法は測定精度の問題と、大きな電流(約500μA)を消費するという問題があ
った。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、温度の検出精度を向上させて双音
叉振動素子の温度特性を補正して、圧力センサの測定精度を改善すると共に消費電流を大
幅に低減した圧力センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]振動部と該振動部の両端に接続される一対の基部とを有する第1の圧電振
動片と、振動腕及び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片と、
前記第1の圧電振動片の基部が接合される一対の支持部を有するダイヤフラムと、前記ダ
イヤフラムと対向配置される基台と、を備え、前記第2の圧電振動片は、前記ダイヤフラ
ムの厚み方向において前記第1の圧電振動片と接触しない位置に配置されていることを特
徴とする圧力検出ユニットである。
【0009】
上記のように構成すると、圧力検出ユニットが設置される媒体の温度を正確に検出する
ことができ、この温度を用いて第1の圧電振動片が検出する圧力に温度補正を行うことが
できるので、圧力測定精度が大きく改善される。更に、アナログの温度検出法に比べ、消
費電力を大幅に削減できるという効果がある。
【0010】
[適用例2]振動部及び該振動部の両端部に夫々一体化された基部を有する第1の圧電
振動片の前記基部を支持片にて矩形状枠に連結した枠付第1の圧電振動片層と、振動腕及
び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片の前記基部と矩形状枠
の一辺が連結する枠付第2の圧電振動片層と、前記第1圧電振動片の基部が接合される一
対の支持部を有するダイヤフラム層と、前記ダイヤフラム層と対向配置される基台層と、
を備え、前記ダイヤフラム層と前記基台層との間に、前記枠付第1の圧電振動片層と前記
枠付第2の圧電振動片とが配置され、前記第2の圧電振動片が前記ダイヤフラム層の厚み
方向において前記第1の圧電振動片及び前記支持片と接触しない位置に配置されているこ
とを特徴とする圧力検出ユニット。
【0011】
上記のように構成すると、大型ウエハを用いたプロセス処理ができるのでコスト低減が
可能となる。更に、圧力検出ユニットの組み立て精度が改善されると共に容易になる。ま
た、応力感応素子(第1の圧電振動片)の温度をデジタル量として正確に検出できるので
、第1の圧電振動片が検出する応力の温度変化による誤差を補正することができ、圧力の
測定精度が大きく改善される。その上、電流の低消費化に大いに効果がある。
【0012】
[適用例3]振動部及び該振動部の両端部に夫々一体化された基部を有する第1の圧電
振動片の前記基部を支持片にて矩形状枠に連結した枠付第1の圧電振動片層と、振動腕及
び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片の前記基部と矩形状枠
の一辺が連結する枠付第2の圧電振動片層と、枠状のスペーサ層と、前記第1の圧電振動
片の基部が接合される一対の支持部を有するダイヤフラム層と、前記ダイヤフラムと対向
配置される基台層と、を備え、前記ダイヤフラム層と前記基台層との間に、前記枠付第1
の圧電振動片層と前記枠付第2の圧電振動片層とが配置され、前記スペーサ層が、前記枠
付第1の圧電振動片層と前記枠付第2の圧電振動片層との間に配置されていることを特徴
とする圧力検出ユニットである。
【0013】
上記のように構成すると、第1の圧電振動片及び支持片と第2の圧電振動片とが交差す
ることが無いので、第2の圧電振動片の形状を最適な形状とすることができると共に、圧
力検出ユニットの組み立て精度が改善されると共に容易になる。更に、圧力検出ユニット
の内部の温度を正確に検出し、補正を行うことにより、圧力測定の精度が大きく改善され
る。その上、温度をデジタルで検出できるので電流の低消費化に大いに効果がある。
【0014】
[適用例4]適用例1乃至3の何れか一項に記載の圧力検出ユニットにおいて、前記第
1の圧電振動片が双音叉型圧電振動素子であることを特徴とする圧力検出ユニットである

【0015】
上記のように応力検出に双音叉型圧電振動素子を用いることにより、応力検出感度が他
の振動モード、例えば厚み滑り振動、縦振動、弾性表面波振動等に比べてはるかに優れて
おり、高感度の圧力検出ユニットが構成できるという効果がある。
【0016】
[適用例5]適用例1乃至3の何れか一項に記載の圧力検出ユニットにおいて、前記振
動部が、少なくとも一以上の柱状ビームから構成されていることを特徴とする圧力検出ユ
ニットである。
【0017】
上記のように応力検出ユニットの温度検出に音叉型圧電振動素子を用いることにより、
応力検出ユニットが小型となり、しかも精度のよい温度検出が可能となる。その上、温度
検出のための消費電流を極めて小さくすることができるという効果がある。
【0018】
[適用例6]適用例1乃至5の何れか一項に記載の圧力検出ユニットと、応力検出回路
と、を有し、前記応力検出回路は、前記応力検出ユニットの第1の圧電振動片を動作させ
る第1の発振回路と、前記第2の圧電振動片を動作させる第2の発振回路と、前記第1の
発振回路から出力される応力検出信号の周波数をカウントする第1の周波数カウンタと、
前記第2の発振回路から出力される温度検出信号の周波数をカウントする第2の周波数カ
ウンタと、前記第1の周波数カウンタから出力される周波数カウント信号を、前記第2の
周波数カウンタから出力される周波数カウント信号により補正処理を行う処理回路と、を
備えたことを特徴とする圧力センサである。
【0019】
上記のように構成すると、温度補正により圧力測定精度が改善できると共に、消費電流
を大幅に低減できるという効果がある。
【0020】
[適用例7]適用例1乃至5の何れか一項に記載の圧力検出ユニットと、応力検出回路
と、を有し、前記応力検出回路は、切換器を介して接続される第1の圧電振動片、又は第
2の圧電振動片を動作させる発振回路と、該発振回路から出力される第1の圧電振動片の
出力信号、又は第1の圧電振動片の出力信号の周波数をカウントする周波数カウンタと、
該周波数カウンタから出力される周波数カウント信号の補正処理を行う処理回路と、を備
えたことを特徴とする圧力センサである。
【0021】
上記のように構成すると、より小型で圧力測定精度が改善できると共に、消費電流を大
幅に低減できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧力検出ユニットの構成を示す概略図であり、同図
(a)はQ2−Q2における断面図、同図(b)はQ1−Q2における断面図である。
圧力検出ユニット1は、圧力により変形するダイヤフラム10と、該ダイヤフラム10
と対向して設けられ圧力により変形しない基台15と、ダイヤフラム10の変形により共
振周波数が変化する第1の圧電振動片20と、温度変化により共振周波数が変化する第2
の圧電振動片25と、を備えている。
図2(a)はダイヤフラム10のQ3−Q3における断面図、同図(b)は(a)の図
中下方からみた平面図である。ダイヤフラム10は、図2(a)の図中上方からの圧力を
受けて変形する(撓む)薄肉部11と、該薄肉部11の周縁に形成される枠部12と、を
備えている。更に、ダイヤフラム10は、薄肉部11の一方の面に、第1の圧電振動片2
0を支持、固定するための一対の支持部13を有し、第1の圧電振動片20はその両基部
21を支持部13により支持、固定される。
ダイヤフラム10は圧力により変形する恒弾性の材料、例えばセラミック、ガラス、単
結晶等を用いて形成される。温度変化によるダイヤフラム10の膨張の影響を考慮すると
、第1の圧電振動片20と同一の材料、例えば水晶材料を用いて構成することが望ましい
。また、ダイヤフラム10の形成方法としては、音叉型水晶振動子の基板加工に用いられ
ているフォトグラフィ技法とエッチング手法を用いて、上記の材料の平板状基板を加工し
、形成することができる。
【0023】
図3(a)は、基台15のQ4−Q4における断面図、同図(b)は平面図である。基
台15は、中央部の薄肉部16と、該薄肉部16の周縁に形成される枠部17と、を備え
ている。図3(b)に示す枠部17の図中左辺上部に第2の圧電振動片25の基部27を
嵌め込む凹部18が形成されている。凹部18の幅は第2の圧電振動片25の基部27の
幅より少し広い程度とし、深さは基部27の厚みより少し深い程度とする。
基台15は圧力により変形しない絶縁材料、例えばセラミック、ガラス、単結晶等を用
いて形成されている。温度変化による基台15の膨張の影響を考慮するとダイヤフラム1
0と同一の材料、例えば水晶材料を用いて構成することが望ましい。また、基台15はダ
イヤフラム10と同様な加工法により形成される。
【0024】
第1の圧電振動片20に双音叉型水晶振動素子を用いた例について説明する。双音叉型
水晶振動素子20は、図4(a)に示すような一対の基部21及び基部21間を連設する
2つの振動ビームを備えた圧電基板からなる応力感応部22a、22bと、該圧電基板の
振動領域上に形成した励振電極と、を備えている。
図4(a)は双音叉型水晶振動素子20の振動姿態を示す平面図である。双音叉型水晶
振動素子20の振動モードが、長手(振動ビーム)方向の中心軸に対して対称なモードで
振動するように励振電極を配置する。図4(b)は双音叉型水晶振動素子20に形成する
励振電極と、ある瞬間に励起される励振電極上の電荷の符号を示した平面図である。図4
(c)は励振電極の結線を示す模式断面図である。
双音叉型水晶振動素子は伸張・圧縮応力に対する感度が良好であり、高度計用、或いは
深度計用の応力感応素子として使用した場合には分解能力が優れるために僅かな気圧差か
ら高度差、深度差を知ることができる。また、双音叉型水晶振動素子が呈する周波数温度
特性は、上に凸の二次曲線であり、その頂点温度はX軸(水晶結晶の電気軸)の回りの回
転角度に依存する。一般的には頂点温度が常温(25℃)になるように各パラメータを設
定する。
双音叉型水晶振動素子の2本の振動ビームに外力Fを加えたときの共振周波数fFは以
下の如くである。
F=f0(1−(KL2F)/(2EI))1/2・・・(1)
【0025】
ここで、f0は外力がないときの双音叉型水晶振動素子の共振周波数、Kは基本波モー
ドによる定数(=0.0458)、Lは振動ビームの長さ、Eは縦弾性定数、Iは断面2
次モーメントである。断面2次モーメントIはI=dw3/12より、式(1)は次式の
ように変形することができる。ここで、dは振動ビームの厚さ、wは幅である。
F=f0(1−SFσ)1/2・・・(2)
但し、応力感度SFと、応力σとはそれぞれ次式で表される。
F=12(K/E)(L/w)2・・・(3)
σ=F/(2A)・・・(4)
【0026】
ここで、Aは振動ビームの断面積(=w・d)である。
以上から双音叉型振動子に作用する力Fを圧縮方向のとき負、伸張方向(引張り方向)
を正としたとき、力Fと共振周波数fFの関係は、力Fが圧縮力で共振周波数fFが減少し
、伸張(引張り)力では増加する。また応力感度SFは振動ビームのL/wの2乗に比例
する。
しかし、応力感応素子としては、双音叉型水晶振動子に限らず、伸張・圧縮応力によっ
て周波数が変化する圧電振動素子であればどのようなものを用いても良い。
【0027】
所望の共振周波数になるように双音叉型水晶振動素子の形状寸法を設定する。周知のよ
うに、双音叉型水晶振動素子の周波数温度特性の頂点温度は、X軸(水晶結晶の電気軸)
の回りの回転角に依存し、また、頂点温度は双音叉型水晶振動素子に加わる応力にも依存
する。双音叉型水晶振動素子に伸張応力を付加すると頂点温度は高温側へシフトし、圧縮
応力を加えると低温側へシフトする特性を有している。そのため、圧力検出ユニットの測
定する圧力範囲と、使用する温度範囲を考慮して、双音叉型水晶振動素子が最適な動作を
するようにその切断角度(X軸の周りの角度)を決めることになる。
感温素子としての第2の圧電振動片25には、振動腕26及び該振動腕26の一端部に
一体化された基部27を有する音叉型圧電振動素子を用いる。例えば、図12に示すよう
に水晶Zカット板をX軸(水晶結晶の電気軸)の回りにθ回転した音叉型水晶振動素子を
用いる。一般的な音叉型水晶振動子の周波数温度特性は、上に凸の二次特性であり、頂点
温度が常温になるように設定する。しかし、特許第3010922号によると、X軸の回
りの回転角θと周波数温度特性の1次係数αとの関係は、図13のような関係があると開
示されている。また、図14は温度検出用の音叉型水晶振動子の周波数温度特性であり、
温度Tに対し周波数変化Δf/fがほぼ直線的に変化する。
【0028】
図2に示すダイヤフラム10の薄肉部11の一方の面に形成した一対の支持部13a、
13bに接着剤を塗布し、該接着剤の上に双音叉型水晶振動素子(第1の圧電振動片)2
0を載置し、硬化させて固定する。また、図3に示す基台15の枠部17に形成した凹部
18に接着剤を塗布し、該接着剤の上に音叉型振動素子(第2の圧電振動片)25の基部
27を嵌め込むように載置し、接着剤を硬化させて固定する。
そして、ダイヤフラム10及び基台15のそれぞれの枠部12、17に接着剤を塗布し
、真空中で両枠部12、17の外周を合わせるように接着し、硬化させる。圧力検知ユニ
ット1の内部19は真空となり、双音叉型水晶振動素子20及び音叉型水晶振動素子25
のCI値(クリスタルインピーダンスで、電気的等価回路の抵抗値)を低くする(Q値を
高くする)ことが可能となる。
双音叉型水晶振動素子20及び音叉型水晶振動素子25のそれぞれの励振電極から伸び
るリード電極は、図示しないがダイヤフラム10あるいは基台15の枠部12、17の一
部を介して外部に導出されている。
圧力検知ユニット1の内部19を真空とする方法は、ダイヤフラム10あるいは基台1
5の一部に小孔を開けておき、ダイヤフラム10と基台15とを接合した後、前記小孔を
介して内部19を真空とし、前記小孔を塞ぐ方法でもよい。
また、音叉型水晶振動素子(第2の圧電振動片)25は、ダイヤフラム10の厚み方向
、あるいは面内方向において双音叉型水晶振動素子(第1の圧電振動片)20と接触した
り重なり合わない位置に配置する。
【0029】
圧力検出ユニット1の動作について説明する。圧力検出ユニット1の内部19は真空と
してあるので、ダイヤフラム10の外側の面には常温で1気圧(基準圧)が加わり、薄肉
部11は内部に撓むように変形する。薄肉部11が撓むことにより、薄肉部11に形成し
た一対の支持部13a、13bはそれぞれ外方向、つまり図1(a)の図では支持部13
aは図中左側方向に、支持部13bは右側方向に変形する。その結果、双音叉型水晶振動
素子20に伸長応力が働くことになる。
絶対圧力を測定する対象は気体、液体等であるが、気体を例として説明する。被測定気
体の中に圧力検出ユニット1を設置すると、被測定圧力が基準圧より高い場合には、ダイ
ヤフラム10の薄肉部11は、基準圧のときより更に内部方向へ撓むことになり、双音叉
型水晶振動素子20の共振周波数は、基準圧のときの周波数から変化する。また、被測定
圧力が基準圧より低い場合にはダイヤフラム10の薄肉部11は撓み量が減ることになり
、双音叉型水晶振動素子20の共振周波数は、基準圧のときの周波数から変化する。
基準圧のときの周波数と、被測定気体の中に入れたときの周波数との差周波数を測定す
ることにより、双音叉型水晶振動素子20に加わっている応力を求めることができ、この
応力より圧力検出ユニット1に印加されている絶対圧を求めることができる。
【0030】
被測定気体の温度により、双音叉型水晶振動素子20の共振周波数が変動する。そこで
、感温素子(温度センサ)として圧力検出ユニット1に設けた音叉型水晶振動素子25を
用いて、基準圧を測定したときの温度(常温)T0と、被測定気体の中に入れたときの温
度T1とを測定する。この温度差ΔT(=T1−T0)を求め、計測される双音叉型水晶
振動素子20の周波数に補正を加える。つまり、温度差ΔTによる双音叉型水晶振動素子
20の周波数の変動分を、計測された周波数変化量に対して補正し、基準圧と被測定気体
の圧力との差による周波数変化分のみを求める。このように温度変化の影響を除去して、
双音叉型水晶振動素子20に加わる応力を求め、該応力からダイヤフラム10に印加され
た圧力を求める。
【0031】
以上説明したように、応力感応素子(第1の圧電振動片)の近くに温度をデジタル量と
して検出できる第2の圧電振動片を配置することにより、圧力検出ユニットが設置される
媒体の温度を正確に検出することができる。この温度を用いて第1の圧電振動片が検出す
る周波数変化に温度補正を行うことができるので、ダイヤフラムに係る圧力の測定精度が
大きく改善されるという効果がある。
また、応力検出に双音叉型圧電振動素子を用いることにより、応力検出感度が他の振動
モード、例えば厚み滑り振動、縦振動、弾性表面波振動等に比べてはるかに優れており、
高感度の圧力検出ユニットが構成できるという効果がある。
また、応力検出ユニットの温度検出に音叉型圧電振動素子を用いることにより、応力検
出ユニットが小型となり、しかも温度をデジタル量として扱えるので精度のよい温度検出
が可能となる。その上、温度検出のための消費電流を極めて小さくすることができるとい
う効果がある。
【0032】
図5は、第2の実施形態の圧力検出ユニット2の構成を示す図であり、同図(a)は断
面図、同図(b)は枠付第1の圧電振動片30の平面図、同図(c)は枠付第2の圧電振
動片36の平面図である。圧力検出ユニット2は、圧力により変形するダイヤフラム10
と、該ダイヤフラム10と対向して設けられ圧力により変形しない基台15’と、ダイヤ
フラム10の変形により共振周波数が変化する枠付第1の圧電振動片30と、温度変化に
より共振周波数が変化する枠付第2の圧電振動片36と、を備えている。
ダイヤフラム10は、第1の実施形態の圧力検出ユニット1のダイヤフラム10と同様
に構成されている。また、基台15’は、第1の実施形態の圧力検出ユニット1の基台1
5において、凹部18を設けない構造であり、他は基台15と同様に構成されている。
【0033】
枠付第1の圧電振動片30は、矩形状の外枠31と、第1の圧電振動片(双音叉型水晶
振動素子)32と、支持片34と、を備えている。枠付第1の圧電振動片30は、第1の
圧電振動片32の一対の基部33と、外枠31の内側とを、それぞれ2つの支持片34に
て一体的に連結して構成される。
また、枠付第2の圧電振動片36は、矩形状の外枠37と、第2の圧電振動片(音叉型
水晶振動素子)38と、を備えている。枠付第2の圧電振動片36は、第2の圧電振動片
38の基部39と、矩形状の外枠37の内側と一体的に連結して構成される。
圧力検出ユニット2の構成は、ダイヤフラム10の枠部12及び薄肉部11に設けた一
対の支持部13a、13bと、枠付第2の圧電振動片36の外枠37と、基台15’の枠
部17の上面と、に接着剤を塗布する。そして、ダイヤフラム10、枠付第1の圧電振動
片30、枠付第2の圧電振動片36、基台15’の順にそれぞれの外周を合わせるように
積層して構成する。
また、音叉型水晶振動素子(第2の圧電振動片)38は、ダイヤフラム10の厚み方向
、あるいは面内方向において双音叉型水晶振動素子(第1の圧電振動片)32と接触した
り重なり合わない位置に配置する。
圧力検出ユニット2の動作は、図1に示した圧力検出ユニット1の動作と同様であるの
で説明は省略する。
【0034】
以上説明したように、圧力検出ユニット2は、枠付第1の圧電振動片と、枠付第2の圧
電振動片とを用いて圧力検出ユニットを構成すると、大型ウエハを用いたプロセス処理が
できるのでコスト低減が可能となる。更に、圧力検出ユニットの組み立ての精度が改善さ
れると共に、容易になる。また、応力感応素子(第1の圧電振動片)及びその近傍の温度
をデジタル量として正確に検出できるので、第1の圧電振動片が検出する周波数変化に対
し正確の温度補正することができ、圧力の測定精度が大きく改善される。その上、電流の
低消費化に大いに効果がある。
【0035】
図6は、第3の実施形態の圧力検出ユニット3の構成を示す図であり、同図(a)は断
面図、同図(b)は枠付第1の圧電振動片30の平面図、同図(c)は矩形状の中空スペ
ーサの平面図、同図(d)は枠付第2の圧電振動片36’の平面図である。
圧力検出ユニット3は、圧力により変形するダイヤフラム10と、該ダイヤフラム10
と対向して設けられ圧力により変形しない基台15’と、ダイヤフラム10の変形により
共振周波数が変化する枠付第1の圧電振動片30と、矩形状のスペーサ40と、温度変化
により共振周波数が変化する枠付第2の圧電振動片36’と、を備えている。
ダイヤフラム10は、第1の実施形態の圧力検出ユニット1のダイヤフラム10と同様
に構成されている。また、基台15’は、第2の実施形態の圧力検出ユニット2の基台1
5’と同様に構成されている。
【0036】
図6(b)の枠付第1の圧電振動片30は、図5に示した圧力検出ユニット2の枠付第
1の圧電振動片30と同様に構成される。図6(d)の枠付第2の圧電振動片36’は、
図5(c)の枠付第2の圧電振動片36とほぼ同様に構成される。しかし、枠付第1の圧
電振動片30と、枠付第2の圧電振動片36’とは、スペーサ40を介して接合されるの
で、音叉型水晶振動素子38’と、双音叉型水晶振動素子32及び支持片34とが交差す
ることがない。そのため、音叉型水晶振動素子38’の形状がより自由に設計できるよう
になる。矩形状のスペーサ40は、中央部が中空42で四辺に薄板の枠41を備えている

圧力検出ユニット3は、ダイヤフラム10の枠部12及び薄肉部11に設けた一対の支
持部13a、13bと、矩形状のスペーサ40の枠部41と、枠付第2の圧電振動片36
’の外枠37と、基台15’の枠部17の上面と、に接着剤を塗布し、ダイヤフラム10
、枠付第1の圧電振動片30、スペーサ40、枠付第2の圧電振動片36’、基台15’
の順にそれぞれの外周を合わせるように積層して構成する。
圧力検出ユニット3の動作は、図1に示した圧力検出ユニット1の動作と同様であるの
で説明は省略する。
【0037】
以上説明したように、圧力検出ユニット3は、枠付第1の圧電振動片と、スペーサと、
枠付第2の圧電振動片とを用いて圧力検出ユニットを構成すると、第1の圧電振動片及び
支持片と第2の圧電振動片とが交差することが無いので、第2の圧電振動片の形状を最適
な形状とすることができる。また、圧力検出ユニットの組み立て精度が改善されると共に
、容易になる。更に、圧力検出ユニットの内部の温度を正確に検出し、補正を行うことに
より、圧力測定の精度が大きく改善され、温度をデジタルで検出できるので電流の低消費
化に大いに効果がある。
圧力検出ユニット1においてダイヤフラム10と基台15の接合、圧力検出ユニット2
においてダイヤフラム10、枠付第1の圧電振動片30、枠付第2の圧電振動片36、基
台15’の接合に接着剤を用いると説明した。また、圧力検出ユニット1においてダイヤ
フラム10、枠付第1の圧電振動片30、スペーサ40、枠付第2の圧電振動片36’、
基台15’の接合に接着剤を用いると説明した。しかし、接合は接着剤のみに限定するも
はではなく、無機の接合材料、例えば低融点ガラスを用いた接合、又は直接接合であって
もよい。
【0038】
図7(a)は、応力センサの構成を示すブロック図である。
応力センサ5は、応力検出ユニット1(2、3)と、応力検出回路50とからなる。応
力検出ユニット1(2、3)については、既に説明したので詳細な説明は省略する。応力
検出回路50は、第1及び第2の発振回路51a、51b、第1及び第2の周波数カウン
タ52a、52b、処理回路53を備える。
第1の発振回路51aは、応力検出ユニット1の第1の圧電振動片23(32)を動作
させる。第2の発振回路51bは、第2の圧電振動片26(35)を動作させる。第1の
周波数カウンタ52aは、第1の発振回路51aから出力される応力検出信号の周波数を
カウントする。第2の周波数カウンタ52bは、第2の発振回路51bから出力される温
度検出信号の周波数をカウントする。処理回路53は、第2の周波数カウンタ52bから
出力される周波数カウント信号を演算して温度を検出し、この温度検出結果に基づいて、
第1の周波数カウンタ52aから出力される周波数カウント信号を補正する処理を行う。
また補正した信号を演算して応力を求める処理を行う。
このように構成される応力センサ5では、発振回路の消費電流は20μA、基準20M
Hzで24ビット、非同期式の周波数カウンタの消費電流は20μAであり、アナログ方
式の温度検出方式に比べて1/10の消費電流と、大幅に低減することができる。
また、既に説明した圧力検出ユニット1(2、3)と、発振回路及び周波数カウンタ等
からなる応力検出回路50とを用いて圧力センサを構成するので、温度補正により圧力測
定精度が改善されると共に、消費電流を大幅に低減できるという効果がある。
【0039】
図7(b)は、応力センサの他の構成例を示すブロック図である。
この図7(b)に示す応力センサ6は、応力検出ユニット1(2、3)と、応力検出回
路56とからなる。応力検出回路56は、発振回路51、周波数カウンタ52、処理回路
53、及び切換器55と、を備えている。
発振回路51は、切換器55を介して接続される応力検出ユニット1(2、3)の第1
の圧電振動片23(32)、又は第2の圧電振動片26(35)を動作させる。周波数カ
ウンタ52は、発振回路51から出力される応力、又は温度検出信号の周波数をカウント
する。処理回路53は、例えば切換回路55を時分割に制御して、周波数カウンタ52か
ら時分割的に出力される周波数カウント信号を演算して温度を検出し、この温度検出結果
に基づいて、周波数カウンタ52から時分割的に出力される周波数カウント信号を補正す
る処理を行う。また補正した信号を演算して応力を求める処理を行う。
このように構成される応力センサ6は、応力検出ユニット1に切換器55を介して発振
回路51が接続されることにより、図7(a)に示した応力センサ5と比較して発振回路
、周波数カウンタをそれぞれ1個削減することが可能となる。
よって、小型な圧力検出ユニットが構成できると共に、圧力測定精度が図7(a)の圧
力センサと同等で、消費電流はそれより低減できるという効果がある。
【0040】
また、上記実施形態及び各変形例では、圧力センサの感圧素子として双音叉型水晶振動
子を用いたが、これに限定するものではなく、図8に示すような感圧素子を用いてもよい

図8は、他の実施形態の圧力センサの概略構成を示す模式展開斜視図である。なお、上
記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異
なる部分を中心に説明する。
図8に示すように、圧力センサは、感圧部としての振動片部が一つである柱状ビーム5
8からなる(シングルビームともいう)音叉型振動子が感圧素子として感圧素子層に形成
されている。
これにより、圧力センサは、上記実施形態の圧力センサと同様に、圧力の変化に伴う音
叉型振動子の共振周波数の変化により、外部からの圧力を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る第1実施形態の応力検出ユニットの、(a)はQ2−Q2の断面図、(b)はQ1−Q1の断面図である。
【図2】ダイヤフラム構成を示す、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図3】基台の構成を示す、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図4】双音叉型圧電振動子の、(a)は振動姿態を説明する平面図、(b)は電極構成を説明する平面図、(c)は電極の結線図である。
【図5】第2の実施形態の応力検出ユニットの、(a)は断面図、(b)は枠付第1の圧電振動片の平面図、(c)は枠付第2の圧電振動片の平面図である。
【図6】第3の実施形態の応力検出ユニットの、(a)は断面図、(b)は枠付第1の圧電振動片の平面図、(c)枠状スペーサの平面図、(d)は枠付第2の圧電振動片の平面図である。
【図7】(a)(b)は圧力センサの構成を示すブロック図である。
【図8】他の実施形態の圧力センサの概略構成を示す模式展開斜視図である。
【図9】従来の応力検出ユニットの、(a)は断面図、(b)はQ−Qにおける断面図である。
【図10】圧力センサの構成を示すブロック図である。
【図11】従来の温度計の構成を示す回路図である。
【図12】音叉型圧電振動子と結晶軸との関係を示す図である。
【図13】音叉型圧電振動子の切断角度θと1次温度係数αとの関係を示す図である。
【図14】温度計測用音叉型圧電振動子の周波数温度特性図である。
【符号の説明】
【0042】
1、2、3…圧力検出ユニット、5、6…圧力センサ、10…ダイヤフラム、11…薄
肉部、12…枠部、13a、13b…支持部、15、15’…基台、16…薄肉部、17
…枠部、18…凹部、19…内部、20…第1の圧電振動片、21…基部、22a、22
b…応力感応部(振動腕)、25…第2の圧電振動片、26…振動腕、27…基部、30
…枠付第1の圧電振動片、31…枠部、32…第1の圧電振動片、33…基部、34…支
持片、36…枠付第2の圧電振動片、37…枠部、38、38’…第2の圧電振動片、3
9、39’…基部、40…スペーサ、41…枠部、42…中空、50、56…応力検出回
路、51a、51b…発振回路、52a、52b…周波数カウンタ、53…処理回路、5
4…出力、55…切換器、58…柱状ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部と該振動部の両端に接続される一対の基部とを有する第1の圧電振動片と、
振動腕及び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片と、
前記第1の圧電振動片の基部が接合される一対の支持部を有するダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムと対向配置される基台と、を備え、
前記第2の圧電振動片は、前記ダイヤフラムの厚み方向において前記第1の圧電振動片
と接触しない位置に配置されていることを特徴とする圧力検出ユニット。
【請求項2】
振動部及び該振動部の両端部に夫々一体化された基部を有する第1の圧電振動片の前記
基部を支持片にて矩形状枠に連結した枠付第1の圧電振動片層と、
振動腕及び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片の前記基部
と矩形状枠の一辺が連結する枠付第2の圧電振動片層と、
前記第1圧電振動片の基部が接合される一対の支持部を有するダイヤフラム層と、
前記ダイヤフラム層と対向配置される基台層と、を備え、
前記ダイヤフラム層と前記基台層との間に、前記枠付第1の圧電振動片層と前記枠付第
2の圧電振動片とが配置され、
前記第2の圧電振動片が前記ダイヤフラム層の厚み方向において前記第1の圧電振動片及
び前記支持片と接触しない位置に配置されていることを特徴とする圧力検出ユニット。
【請求項3】
振動部及び該振動部の両端部に夫々一体化された基部を有する第1の圧電振動片の前記
基部を支持片にて矩形状枠に連結した枠付第1の圧電振動片層と、
振動腕及び該振動腕の一端部に一体化された基部を有する第2の圧電振動片の前記基部
と矩形状枠の一辺が連結する枠付第2の圧電振動片層と、
枠状のスペーサ層と、
前記第1の圧電振動片の基部が接合される一対の支持部を有するダイヤフラム層と、
前記ダイヤフラムと対向配置される基台層と、を備え、
前記ダイヤフラム層と前記基台層との間に、前記枠付第1の圧電振動片層と前記枠付第
2の圧電振動片層とが配置され、
前記スペーサ層が、前記枠付第1の圧電振動片層と前記枠付第2の圧電振動片層との間に
配置されていることを特徴とする圧力検出ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の圧力検出ユニットにおいて、前記第1の圧電振動
片が双音叉型圧電振動素子であることを特徴とする圧力検出ユニット。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の圧力検出ユニットにおいて、前記振動部が、少な
くとも一以上の柱状ビームから構成されていることを特徴とする圧力検出ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧力検出ユニットと、応力検出回路と、を有し、
前記応力検出回路は、前記応力検出ユニットの第1の圧電振動片を動作させる第1の発
振回路と、前記第2の圧電振動片を動作させる第2の発振回路と、前記第1の発振回路か
ら出力される応力検出信号の周波数をカウントする第1の周波数カウンタと、前記第2の
発振回路から出力される温度検出信号の周波数をカウントする第2の周波数カウンタと、
前記第1の周波数カウンタから出力される周波数カウント信号を、前記第2の周波数カウ
ンタから出力される周波数カウント信号により補正処理を行う処理回路と、を備えたこと
を特徴とする圧力センサ。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧力検出ユニットと、応力検出回路と、を有し、
前記応力検出回路は、切換器を介して接続される第1の圧電振動片、又は第2の圧電振
動片を動作させる発振回路と、該発振回路から出力される第1の圧電振動片の出力信号、
又は第1の圧電振動片の出力信号の周波数をカウントする周波数カウンタと、該周波数カ
ウンタから出力される周波数カウント信号の補正処理を行う処理回路と、を備えたことを
特徴とする圧力センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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