説明

圧力検出装置

【課題】広範囲の全圧力検出領域で高圧力感度が得られる低コストの圧力検出装置を提供する。
【解決手段】入力される圧力を受圧する受圧部材11A、11Bと、それぞれ入力される圧力に応じた受圧部材11の状態変化を検出し、その状態変化に対応する圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2を異なるオフセット量および出力レンジRg1、Rg2で出力する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13と、第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号vs1・k1と第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号vs2・k2とのうち検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値を示す圧力検出信号vs1・k1またはvs2・k2を選択して検出圧力を示す計測値を決定する出力選定手段26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置、特に入力される圧力を受圧部材に受圧させその状態変化に応じた圧力検出信号を出力する圧力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気体や液体等の流体の圧力を検出する圧力検出装置として、流体の圧力を受圧部材に受圧させて受圧部材の状態を変化させ、その変化に応じた圧力検出信号を出力する圧力検出装置が知られている。
【0003】
従来のこの種の圧力検出装置としては、例えば車両用内燃機関の吸入空気圧力を検出する機械振動式のものとして、空気圧を受圧する一端開口の振動体に加振子と検出子を装着し、振動体の内外圧力差により変化する振動体の共振周波数を検出することで、電気的に圧力を求めるものがあり、この装置では、加振子と検出子を振動体に一対ずつ装着した2重系のセンサ構成とすることで、振動体に比して信頼性の低い電気的な信号検出系の信頼性を高めている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、2つのセンサを用いる検出技術として、光電変換に係る感度特性の異なる2つのセンサのうち低感度のセンサを広範な照度領域用に、高感度のセンサを低照度領域用に、それぞれ使用し、広ダイナミックレンジと高分解能を両立させるようにした電子的撮像装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平05−34223号公報
【特許文献2】特開平08−340486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の2重系のセンサ構成とした従来の圧力検出装置にあっては、振動体の構成に起因し低圧側や高圧側の圧力領域で圧力感度の線形性が低下するため、2つの検出子の検出誤差をそれぞれ全圧力領域で許容誤差内に抑えたものとする必要から歩留まりが悪く、コスト高になるか、あるいは、圧力計測可能なレンジ(以下、単に計測レンジという)が狭いものになってしまうという問題があった。
【0006】
これに対し、上述の従来の電子的撮像装置の場合のように、単に感度と計測レンジの異なる2つのセンサを組み合わせてダイナミックレンジを広くするというものでは、受圧部材を共通の圧力感応部材とする圧力検出装置、特に燃料噴射量の計算に使用される燃料圧力を検出するために全圧力検出領域での高圧力感度が要求される圧力検出装置には、適用できない。
【0007】
したがって、センサを2重化した従来の圧力検出装置では、同一計測レンジ、同一圧力感度のセンサを用いることになり、各センサで全計測レンジをカバーするために要求レベルに比して線形性が良好でなく、例えば近時のディーゼルエンジンにおけるコモンレール圧の高圧化や精密な燃料噴射量制御の要求に対して、十分な圧力検出精度が得られていなかった。
【0008】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、広範囲の全圧力検出領域で高圧力感度が得られる低コストの圧力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る圧力検出装置は、上記目的達成のため、(1)入力される圧力を受圧する受圧部材と、それぞれ前記入力される圧力に応じた前記受圧部材の状態変化を検出し、該状態変化に対応する圧力検出信号を異なるオフセット量および出力レンジで出力する第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段と、前記第1の圧力検出手段からの圧力検出信号と前記第2センサからの圧力検出信号とのうち検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値を示す圧力検出信号を選択して検出圧力を示す計測値を決定する出力選定手段と、を備えたものである。
【0010】
この構成により、受圧部材の状態変化に応じて、第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段のうち出力レンジの広い圧力検出手段からオフセット量の小さい圧力検出信号が出力され、出力レンジの狭い圧力検出手段からオフセット量の大きい圧力検出信号が出力されることで、入力される圧力に応じた2種類の圧力検出信号が、低圧力側では出力レンジの狭い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなる傾向で、それぞれ出力される。そして、これらの圧力検出信号のうち要求される線形特性に近く、検出誤差の少ない側の圧力検出信号が選択されて、計測値が決定される。したがって、比較的類似する感度を有する複数の圧力検出手段を用いながらも、それら単独では得られない圧力検出精度が得られるとともに、歩留まりが向上することになる。なお、本発明にいう異なるオフセット量および出力レンジは、例えば受圧部材の状態変化を検出する検出素子の特性の相違によるものであってもよいし、検出素子の特性調整の相違によるもののいずれであってもよく、後者の場合には例えば信頼性の高い共通する単一の検出素子を用いてもよい。また、受圧部材は、同等なひずみを生じる複数の検出部位を有するものでもよいし、複数の受圧部材であってよく、後者の場合には受圧部材によって検出特性の相違を生じさせることもできる。
【0011】
上記(1)に記載の構成を有する圧力検出装置においては、(2)前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段が、それぞれ前記入力される圧力に応じた前記受圧部材のひずみを検出し、該ひずみに対応する圧力検出信号を出力する第1センサおよび第2センサと、前記受圧部材に入力される圧力の計測レンジに対する前記第1センサからの圧力検出信号のオフセット量および出力レンジと前記計測レンジに対する前記第2センサからの圧力検出信号のオフセット量および出力レンジとを異なる大きさに設定する特性調整回路と、によって構成されているのが好ましい。
【0012】
この構成により、同一計測レンジの2重センサ構成による信頼性向上を図りながら、従来の2重センサ構成では達成できなかった圧力検出精度が得られるとともに、歩留まりが向上することになる。なお、ここにいう2重とは、多重構成の場合にその一部を構成する2重構成部分を含む意である。
【0013】
上記(2)に記載の構成を有する圧力検出装置においては、(3)前記第1センサおよび前記第2センサが、同一仕様のセンサで、前記受圧部材のうち互いに同等なひずみを生じる第1の検出部位および第2の検出部位に装着されているのがよい。
【0014】
この構成により、既存の2重のセンサ構成にそれらのセンサの出力信号のオフセット量および出力レンジを互いに相違させる特性調整回路を採用し、要求される線形特性に近く、検出誤差の少ない側の圧力検出信号を選択する処理を実行するだけで、高精度の圧力検出が可能になり、低コストで高圧力検出精度の圧力検出装置となる。
【0015】
また、上記(1)〜(3)に記載の圧力検出装置においては、(4)前記受圧部材が前記入力される圧力の変化に応じて前記ひずみを生じる特性が、前記入力される圧力の計測レンジの中間領域内で検出特性基準に相当する直線に近付き、前記計測レンジの中間領域外で前記直線から前記ひずみの小さい側に離れる特性を有し、前記出力選定手段が、前記第1の圧力検出手段からの圧力検出信号と前記第2の圧力検出手段からの圧力検出信号とのうち高い圧力を示す圧力検出信号を選択して前記計測値を決定するのが好ましい。
【0016】
この構成により、受圧部材の圧力に応じた歪み特性に起因して中間領域外の圧力領域で理想直線からひずみの小さい側に誤差が大きくなる検出特性を、線形特性の傾きの異なる2つの圧力検出手段からの圧力検出信号のうち高い圧力を示す圧力検出信号を選択することで、線形性を高め、高圧力検出精度とすることができる。
【0017】
また、上記(1)〜(4)に記載の圧力検出装置においては、(5)前記第1の圧力検出手段の圧力検出信号と前記第2の圧力検出手段の圧力検出信号との信号レベルの差が、前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段のうちいずれかの異常を検出するための閾値よりも常時小さくなるように、前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段における前記オフセット量および出力レンジがそれぞれ設定されているのが好ましい。
【0018】
この構成により、類似する感度を有する複数の圧力検出手段を用いながら、それら単独では得られない圧力検出精度が得られるというだけでなく、両圧力検出手段の圧力検出信号の信号レベルの差が異常検出用の閾値よりも大きくなると、いずれかの圧力検出手段に異常が発生したことが検出可能となり、2重化による信頼性の向上を図ることができる。
【0019】
また、上記(1)〜(5)に記載の圧力検出装置は、(6)前記受圧部材が車両用の内燃機関の燃料蓄圧手段に蓄圧状態で貯留された燃料の圧力を受圧し、前記出力選定手段が前記内燃機関の運転を制御する電子制御ユニットによって構成されるものであっても好ましい。
【0020】
この場合、線形性が良好で、燃料蓄圧手段の蓄圧レベルの高圧化や精密な燃料噴射量制御の要求に対して、十分な圧力検出精度を得ることができる低コストの圧力検出装置となる。また、第1および第2の圧力検出手段の間のオフセット量および出力レンジの差を異常検出可能な範囲内で設定すれば、圧力センサの異常検知と燃料圧力制御の信頼性が向上し、蓄圧される燃料圧力の上限値を規定するプレッシャリミッタ等も省略可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、圧力検出信号出力のオフセット量および出力レンジが相違する第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段から、低圧力側では出力レンジの狭い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなる傾向で、それぞれ圧力検出信号を出力させるようにしているので、これらの圧力検出信号のうち要求される線形特性に近く、検出誤差の少ない側の圧力検出信号を選択して計測値を決定し、類似する感度を有する複数の圧力検出手段を用いながらも、それら単独では得られない圧力検出精度が得られる、歩留まりの良好な低コストの圧力検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の概略ブロック構成図である。
【0023】
まず、構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の圧力検出装置は、入力される流体の圧力を受圧しその圧力に応じたひずみを生じる少なくとも1つの受圧部材、例えば同一仕様の第1および第2の受圧部材11A、11B(以下、各受圧部材11A、11Bをさして単に受圧部材11という)と、この受圧部材11に入力される圧力に応じた受圧部材11の状態変化、例えばひずみ量の変化を同一の計測レンジ(ひずみ量の変化量を計測可能な範囲)で検出し、その状態変化に対応する圧力検出信号を出力する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13と、を備えている。
【0025】
受圧部材11は、有底円筒状のステムで構成されており、その底部側の感圧部11aが筒状部11bに比べて相対的に薄肉に形成され、筒状部11bの内方には圧力導入孔11hが形成され、筒状部11bの外周には雄ねじ11cが形成されている。この受圧部材11は、例えば車両用ディーゼルエンジン(内燃機関)の燃料蓄圧手段であるコモンレールCの一端部にねじ結合によって締結固定されている。また、受圧部材11の圧力導入孔11hはコモンレールC内に開口しており、コモンレールC内に蓄圧される燃料(流体)の圧力が受圧部材11の感圧部11aに圧力導入孔11h側から直接に作用するようになっている。そして、そのエンジンの運転によりコモンレールC内の燃料の圧力が高くなるとき、受圧部材11が感圧部11aの内面側では燃料圧力を受け、感圧部11aの外面側(背面側)では大気圧を受けて、感圧部11aが外方側に撓むようにひずみを生じる。また、その燃料の圧力が低下すると、受圧部材11の感圧部11aが内方側に弾性回復するとともに感圧部11aに生じるひずみが減少するようになっている。
【0026】
図2は、この受圧部材11の中心軸線から特定の半径位置にある感圧部11aの外面側の検出部位のひずみ特性を示すグラフであり、縦軸がその検出部位におけるひずみ量、横軸が受圧部材11の感圧部11aが受ける圧力(以下、受圧圧力ともいう)である。
【0027】
同図に示されるように、機械的な圧力感応部分である受圧部材11の感圧部11aは、受圧圧力が非常に小さくなる低圧力領域と弾性限度に近付くほどに受圧圧力が非常に大きくなる高圧力領域ではそれぞれ圧力感度の直線性が低下する。したがって、受圧部材11の感圧部11aのひずみ量変化にある程度の直線性が得られる圧力範囲を本実施形態の圧力検出装置の計測レンジ(圧力計測可能な範囲)として使用するようになっている。
【0028】
第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13は、それぞれ受圧部材11の受圧圧力(入力される圧力)に応じた受圧部材11の感圧部11aのひずみ量を検出し、検出されたひずみ量に対応する圧力検出信号を出力する第1センサ21および第2センサ22と、これらの特性を調整する特性調整回路23とによって構成されている。特性調整回路23は、受圧部材11に入力される圧力の計測レンジRpvに対する第1センサ21からの圧力検出信号vs1のオフセット量および出力レンジと、同一の計測レンジに対する第2センサ22からの圧力検出信号vs2のオフセット量および出力レンジとを、それぞれ異なる大きさに設定するように構成されており、ゲイン設定部24a、24bおよびオフセット調整部25a、25bを有している。
【0029】
すなわち、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13は、受圧部材11の感圧部11aのひずみ量の変化に対応する圧力検出信号を、互いに異なるオフセット量および出力レンジで出力させるようになっている。ここにいうオフセット量とは、計測レンジ中で最も低い圧力を検出するときの計測値(出力信号の値)に相当し、出力レンジとは、計測レンジ中で最も低い圧力を検出するときの計測値から最も高い圧力を検出するときの計測値までの計測値の変動幅を意味する。
【0030】
具体的には、第1センサ21および第2センサ22は、同一仕様のセンサで構成され、受圧部材11の感圧部11aのうち互いに同等なひずみを生じる検出部位、例えば中心の検出部位にそれぞれ装着されている。また、各センサ21、22は、特殊合金のダイヤフラムである受圧部材11の感圧部11aに、図示しないガラス膜を介し薄膜形半導体歪抵抗21a、22aを一体に装着して2つのホイートストンブリッジ回路を構成し、入力される圧力に応じた受圧部材11の感圧部11aのひずみをそれぞれ検出するものであり、薄膜形半導体歪抵抗21a、22aの検出電圧を基にASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)を内蔵する信号処理部21b、22bにより、それぞれ公知のトリミング処理やキャリブレーション補正等を実行することで、オフセット量や増幅ゲインの補正および温度補償等を行った上で、圧力検出信号vs1、vs2を出力するようになっている。
【0031】
特性調整回路23は、2つの信号処理部21b、22b内のEEPROMに格納された異なる特性調整用のデータを含み、例えば2つの信号処理部21b、22bの一部として構成され、あるいは、その一部または全部が後述するECU30の機能部の一つとして構成される。従来の2重センサ構成の圧力検出装置でもセンサ出力のオフセット量補正やゲイン調整(感度調整)が公知のトリミング処理等によって実行されるが、その場合、2重化されたセンサのそれぞれを同一の検出特性(感度および出力の特性)に調整するものである。これに対し、本実施形態においては、第1センサ21および第2センサ22についてのそのような特性調整の条件を互いに異ならせ、図3(a)および図3(b)に示すような検出特性の差を生じさせる構成となっている。
【0032】
そのため、特性調整回路23のゲイン設定部24a、24bは、第1センサ21からの圧力検出信号vs1と第2センサ22からの圧力検出信号vs2との入力値(以下、単に入力値vs1、vs2ともいう)に対する圧力検出信号値の倍率、すなわち増幅ゲインを異なる値k1、k2に設定する機能を有し、ゲイン設定部24aで入力値vs1にゲインk1を乗じるとともに、ゲイン設定部24bで入力値vs2にゲインk1とは異なるゲインk2を乗じる演算処理を実行するようになっている。
【0033】
また、特性調整回路23のオフセット調整部25a、25bは、ゲイン設定部24a、24bからの圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2に対して互いに異なるオフセット量Sf1、Sf2を設定するよう、例えば信号処理部21b、22b内の図示しないオフセットADC等へのオフセットデータを異なる値としてEEPROMに格納し、異なるオフセット量の設定を行うようになっている。
【0034】
図3(a)および図3(b)に示すように、ゲイン設定部24a、24bで設定されるゲインk1とゲインk2の相違およびオフセット調整部25a、25bで設定されるオフセット量Sf1、Sf2に起因して、オフセット調整部25aから出力される圧力検出信号vs1・k1(オフセット量を含むvs1・k1+Sf1の意であるが、単にvs1・k1という)は、受圧部材11に入力される圧力の計測が可能な範囲、すなわち計測レンジRpvに対して、出力レンジRg1の範囲内で変動する。一方、オフセット調整部25bから出力される圧力検出信号vs2・k2(オフセット量を含むvs2・k2+Sf2の意であるが、単にvs2・k2という)は、計測レンジRpvに対して、出力レンジRg1とは異なる出力レンジRg2の範囲内で変動することになる。なお、図3中では、出力レンジRg1が出力レンジRg2より大きくなる場合を例示しているが、勿論これと逆の大小関係であってもよい。
【0035】
オフセット調整部25a、25bから出力される圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2は、それぞれ車両用内燃機関を電子制御するECU(電子制御ユニット)30に取り込まれる。
【0036】
ECU30は、詳細なハードウェア構成を図示しないが、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等のバックアップ用の不揮発メモリ、A/D変換器やバッファ等を含む入力インターフェース回路、および、駆動回路等を含む出力インターフェース回路を含んで構成されており、ROM内に予め格納された制御プログラムに従ってCPUによりバックアップメモリ内のマップ情報や設定値情報、センサ情報等に基づいて、RAMとの間でデータを授受しながら演算処理を実行して公知の電子制御を実行する一方で、後述する出力選定手段の機能あるいは更に特性調整回路23の機能を発揮するようになっている。
【0037】
このECU30は、第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号に相当するオフセット調整部25aからの圧力検出信号vs1・k1と、第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号に相当するオフセット調整部25bからの圧力検出信号vs2・k2とのうち、検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値を示す圧力検出信号を選択するようになっており、圧力検出装置としての最終的な検出圧力を示す計測値を決定する出力選定部26(出力選定手段)の機能を有している。すなわち、出力選定部26は、圧力値vs1・k1を第1関数とし、圧力検出信号vs2・k2を第2関数とするとき、検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値を生成する合成関数として機能する。
【0038】
本実施形態では、受圧部材11がその感圧部11aに入力される圧力の変化に応じてひずみを生じる特性は、図2に示したように、入力される圧力の計測レンジRpvの中間領域内で直線に近付き、計測レンジRpvの中間領域外となる低圧力側および高圧力側ではその直線からひずみの小さい側に離れる特性を有している。そこで、出力選定部26では、図4に示すように、第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号vs1・k1と、第2センサからの圧力検出信号vs2・k2とのうち高い圧力を示す圧力検出信号を選択して計測値Pdを決定するようになっている。
【0039】
この場合、検出特性基準に相当する直線Fnに対して、低圧側の圧力領域では専ら第2センサ22の出力に対応する圧力検出信号vs2・k2が第1センサ21の出力に対応する圧力検出信号vs1・k1より大きな圧力値となり、高圧側の圧力領域では専ら第1センサ21の出力に対応する圧力検出信号vs1・k1が第2センサ22の出力に対応する圧力検出信号vs2・k2より大きな圧力値となる傾向になる。
【0040】
一方、本実施形態の特性調整回路23では、第1の圧力検出手段12の圧力検出信号vs1・k1と第2センサからの圧力検出信号である圧力検出信号vs2・k2との差(信号レベルの差の絶対値)が、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13のうちいずれかの異常を検出するための両圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2の差の閾値Dpm(図中に符号なし;|(vs1・k1+Sf1)−(vs2・k2+Sf2)|<Dpmで正常となる)よりも常時小さくなるように、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13におけるオフセット量Sf1、Sf2と圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2の出力レンジRg1、Rg2とがそれぞれ設定されている。なお、異常検出用の閾値Dpmの設定方法については公知であり、詳述しないが、異常検出用の閾値Dpmの値は圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2の正常変動時の最大の差よりも数倍以上大きくなっている。換言すれば、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13の間のオフセット量および出力レンジの差はいずれか一方に異常が生じたときの検出圧力値の差に比べて十分に小さく、例えば検出誤差より大きいがその数倍以内の値となっている。
【0041】
次に、作用について説明する。
【0042】
上述のように構成された本実施形態においては、車両用のディーゼルエンジンの運転時に、高圧燃料ポンプから吐出される高圧燃料が蓄圧手段であるコモンレールCに供給されると、そのコモンレールC内の燃料圧力が受圧部材11の感圧部11aに受圧される。
【0043】
このとき、圧力検出装置として要求される線形特性の傾きが相違する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13から、低圧力側では出力レンジの狭い第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号である圧力値vs2・k2が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号である圧力値vs1・k1が大きくなる傾向で、これらの圧力値vs1・k1および圧力値vs2・k2がそれぞれ出力される。そして、これらの圧力値vs1・k1、vs2・k2のうち、要求される直線性、すなわち検出基準特性に相当する直線Fnに近く、検出誤差の少ない高圧側の圧力値vs2・k2またはvs1・k1が選択されて、計測値Pdが決定される。したがって、類似する感度を有する複数のセンサ21、22を用いながらも、それら個々の検出誤差e1、e2(図3参照)に対して、図4に示すように、本実施形態の圧力検出装置としての検出誤差epiは十分に縮小されることになり、高い圧力検出精度が得られる。
【0044】
しかも、許容誤差に対して検出誤差epiの余裕度が高まるとともに、第1センサ21については計測レンジRpvのうち高圧側での検出誤差を許容誤差内に管理し、第2センサ22については計測レンジRpvのうち低圧側での検出誤差を許容誤差内に管理すればよいことになるから、受圧部材11から特性調整回路23までの検出装置ユニットを製造する際の歩留まりが大幅に向上することになる。この場合、第1センサ21および第2センサ22として、個々のセンサの製造直後の特性または粗調整段階で図3(a)または図3(b)に示す特性に近いものを選択すれば、少ない特性調整量でオフセット量と出力レンジを特定の比率で相違させることができる。
【0045】
また、本実施形態においては、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13が、それぞれ入力される圧力に応じた受圧部材11のひずみを検出して圧力検出信号vs1、vs2を出力する第1センサ21および第2センサ22と、計測レンジRpvに対する圧力検出信号vs1・k1のオフセット量Sf1および出力レンジRg1と圧力検出信号vs2・k2のオフセット量Sf2および出力レンジRg2とを異なる大きさに設定する特性調整回路23と、によって構成されていることから、2重のセンサ構成による圧力検査装置の信頼性向上を図りながらも、従来の2重のセンサ構成では達成できなかった圧力検出精度が得られるとともに、歩留まりが向上することになる。
【0046】
さらに、第1センサ21および第2センサ22が、同一仕様のセンサで、受圧部材11のうち互いに同等なひずみを生じる第1の検出部位および第2の検出部位に装着されていることから、既存の同一計測レンジの2重センサ構成にそれらのセンサの感度を左右するオフセット量および出力レンジを互いに相違させる新規な特性調整回路23を採用し、要求される線形特性(直線性)に近く、検出誤差の少ない側の圧力検出信号を選択して計測値Pdを決定する出力選定部26の処理を実行するだけで、センサ異常検出が可能であって、しかも、高精度の圧力検出が可能な低コストの圧力検出装置となる。
【0047】
また、受圧部材11が入力される圧力の変化に応じてひずみを生じる特性が、入力される圧力の計測レンジPpvの中間領域内で検出特性基準に相当する直線Ls(図2参照)に近付き、計測レンジRpvの中間領域外となる低圧側および高圧側の圧力領域で、その直線Lsからひずみの小さい側に離れる特性を有し、出力選定部26が、第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号である圧力値vs1・k1と第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号である圧力値vs2・k2とのうち高い圧力を示す圧力値vs1・k1またはvs2・k2を選択して計測値Pdを決定するので、受圧部材11の感圧部11aの歪み特性に起因して中間領域外の圧力領域で理想直線Fnからひずみの小さい側に誤差が大きくなる検出特性を、線形特性の傾きの異なる2つの圧力検出手段12、13からの圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2のうち高い圧力を示す圧力検出信号を選択することによって、計測値の連続性を損なうことなく直線性を高め、高圧力検出精度とすることができる。
【0048】
加えて、本実施形態においては、第1の圧力検出手段12の圧力検出信号vs1・k1と第2の圧力検出手段13の圧力検出信号vs2・k2との信号レベルの差(絶対値)が、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13のうちいずれかの異常を検出するための閾値Dpmよりも常時小さくなるように、第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13におけるオフセット量Sf1、Sf2および出力レンジRg1、Rg2がそれぞれ設定されていることから、類似する感度を有する複数の圧力検出手段12、13を用いながら、それら単独では得られない圧力検出精度が得られるということのみならず、両圧力検出手段12、13の圧力検出信号vs1・k1、vs2・k2の信号レベルの差が異常検出用の閾値Dpmよりも大きくなると、いずれかの圧力検出手段12、13に異常が発生したことが検出でき、センサの2重化による圧力検出装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態では、受圧部材11が車両用のディーゼルエンジンの燃料蓄圧手段であるコモンレールCに蓄圧状態で貯留された燃料の圧力を受圧し、出力選定部26がそのエンジンの運転を制御するECU30によって構成されているので、圧力検出特性の直線性が良好で、コモンレールCの蓄圧レベルの高圧化や精密な燃料噴射量制御の要求に対して、十分な圧力検出精度の得られる低コストの圧力検出装置とすることができる。また、第1および第2の圧力検出手段12、13の間のオフセット量Sf1、Sf2および出力レンジのRg1、Rg2差を上述のようにセンサ異常の検出が可能な設定とすることで、異常検知と燃料圧力制御の信頼性が向上し、蓄圧される燃料圧力の上限値を規定するプレッシャリミッタ等も省略可能となり、圧力検出装置の製造コストを低減できる。
【0050】
このように、本実施形態の圧力検出装置によれば、圧力検出装置として要求される線形特性(直線性)の傾きが相違する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13から、低圧力側では出力レンジの狭い第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号である圧力値vs2・k2が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号である圧力値vs1・k1が大きくなる傾向で、それぞれ圧力検出信号を出力させるようにしているので、これらの圧力値vs1・k1、vs2・k2のうち要求される線形特性に近く、検出誤差の少ない側の圧力値vs1・k1またはvs2・k2を選択して計測値Pdを決定し、類似する感度を有する複数の圧力検出手段12、13を用いながらも、それら単独では得られない圧力検出精度が得られ、歩留まりが良好な低コストの圧力検出装置を提供することができる。
【0051】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る圧力検出装置の概略ブロック構成図である。なお、本実施形態は上述の第1実施形態と受圧部材の個数が相違するものの、他のほとんどの構成は第1実施形態と共通するので、以下の説明においては、共通する構成については上述の第1実施形態と同一の符号を用い、相違点について詳述する。
【0052】
図5に示すように、本実施形態の圧力検出装置は、入力される流体の圧力を受圧しその圧力に応じたひずみを生じる1つの受圧部材11と、この受圧部材11に入力される圧力に応じた受圧部材11の状態変化、例えばひずみ量の変化を同一の計測レンジで検出し、その状態変化に対応する圧力検出信号を出力する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13と、を備えている。
【0053】
第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13は、それぞれ受圧部材11の受圧圧力に応じた受圧部材11の感圧部11aのひずみ量を検出し、検出されたひずみ量に対応する圧力検出信号を出力する第1センサ21および第2センサ22と、これらの特性を調整する上述の第1実施形態と同様な特性調整回路23とによって構成されており、共通する受圧部材11の感圧部11aのひずみ量の変化に対応する圧力検出信号を、互いに異なるオフセット量および出力レンジで出力させるようになっている。
【0054】
具体的には、第1センサ21および第2センサ22は、上述の第1実施形態と同様な同一仕様のセンサで構成され、受圧部材11の感圧部11aのうち互いに同等なひずみを生じる検出部位、例えば感圧部11aの同一円周上の対向位置である第1の検出部位および第2の検出部位にそれぞれ装着されている。
【0055】
このように構成しても、車両用のディーゼルエンジンの運転時に、高圧燃料ポンプから吐出される高圧燃料がコモンレールCに供給されると、そのコモンレールC内の燃料圧力が受圧部材11の感圧部11aに受圧される。このとき、圧力検出装置として要求される線形特性の傾きが相違する第1の圧力検出手段12および第2の圧力検出手段13から、低圧力側では出力レンジの狭い第2の圧力検出手段13からの圧力検出信号である圧力値vs2・k2が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い第1の圧力検出手段12からの圧力検出信号である圧力値vs1・k1が大きくなる傾向で、これらの圧力値vs1・k1および圧力値vs2・k2がそれぞれ出力される。そして、これらの圧力値vs1・k1、vs2・k2のうち、要求される直線性、すなわち検出基準特性に相当する直線Fnに近く、検出誤差の少ない高圧側の圧力値vs2・k2またはvs1・k1が選択されて、計測値Pdが決定される。したがって、上述の第1実施形態と同様な効果が期待できる。
【0056】
なお、上述の各実施形態においては、第1センサ21と第2センサ22が同一仕様であるものとしたが、例えばそのセンサ内部のブリッジ回路の抵抗値を異ならせる等して第1センサ21と第2センサ22の検出特性自体をわずかに相違させたり、受圧部材11の感圧部11aにおける検出部位の形状や厚さ、センサ装着位置等を圧力感度がわずかに異なるように設定したりすることも考えられる。すなわち、本発明にいう第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段は、同一仕様のセンサを2重化し、信号処理部21b、22bによってオフセット量および出力レンジを相違させるものに限定されるものではない。
【0057】
また、上述の各実施形態では2重のセンサ構成としたが、3重以上に多重化されたセンサ構成を採用することも可能であり、その場合、3つ以上の圧力検出手段の圧力検出特性の基準特性を示す直線の傾きが互いに相違し、理想直線に近い領域で各圧力検出手段からの圧力検出信号を使用することになる。
【0058】
さらに、第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段は、共通・単一の検出素子として、例えば受圧部材11の感圧部11aにガラス膜を介し薄膜形半導体歪抵抗21aのみを一体に装着して1つのホイートストンブリッジ回路を構成したものであってもよい。その場合、その単一の薄膜形半導体歪抵抗の検出信号を1つのASICおよびEEPROMを内蔵する信号処理部21bで処理し、その後のゲイン調整やオフセット調整等の特性調整を特性調整回路23に2重に取り込んで2種類の圧力検出信号vs1・k1、vs1・k2を生成することになる。そのようにしても圧力検出装置としての直線性を高めることができる。
【0059】
上述の各実施形態では、特性調整回路23は、ゲイン調整を先に実行した後にオフセット量設定を行うものとしたが、逆にオフセット量設定後にゲイン調整するものであってもよい。
【0060】
また、圧力検出手段によって検出される受圧部材の状態変化は、ひずみに限定されず、特許文献1に記載のような共振周波数の相違から圧力値を算出したり、受圧部の変位や変形量を検出して圧力値を算出したりするものであってもよい。
【0061】
さらに、受圧部材の形態によっては感度の特性が上に凸となる上述の各実施形態とは異なり、下に凸となることも考えられ、その場合は、第1および第2の圧力検出手段からの圧力検出信号のうち検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値は、小さい圧力値を示す圧力検出信号となることになる。さらに、特性曲線が蛇行する場合には上に凸となる場合と下に凸となる場合の組合せと考えることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明に係る圧力検出装置は、圧力検出装置として要求される線形特性の傾きが相違する第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段から、低圧力側では出力レンジの狭い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなり、高圧力側では出力レンジの広い圧力検出手段からの圧力検出信号が大きくなる傾向で、それぞれ圧力検出信号を出力させるようにしているので、これらの圧力検出信号のうち要求される線形特性に近く、検出誤差の少ない側の圧力検出信号を選択して計測値を決定し、類似する感度を有する複数の圧力検出手段を用いながらも、それら単独では得られない圧力検出精度が得られ、歩留まりが良好な低コストの圧力検出装置を提供することができるという効果を奏するものであり、圧力検出装置、特に入力される圧力を受圧部材に受圧させその状態変化に応じた圧力検出信号を出力する圧力検出装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の概略ブロック構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の受圧部材の感圧部中心から特定の半径位置にある検出部位のひずみ特性を示すグラフであり、縦軸がその検出部位におけるひずみ量、横軸が受圧部材の感圧部が受ける圧力を示している。
【図3】本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段の検出特性を示す特性図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る圧力検出装置の第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段からの圧力検出信号を選択的に使用する最終的な検出特性を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る圧力検出装置の概略ブロック構成図である。
【符号の説明】
【0064】
11、11A、11B 受圧部材
11a 感圧部
11b 筒状部
12 第1の圧力検出手段
13 第2の圧力検出手段
21 第1センサ
22 第2センサ
23 特性調整回路
24a、24b ゲイン設定部
25a、25b オフセット調整部
26 出力選定部(出力選定手段)
30 ECU(電子制御ユニット)
epi 検出誤差
k1、k2 ゲイン
Pd 計測値
Rg1、Rg2 圧力検出信号の出力レンジ
vs1・k1、vs2・k2 圧力検出信号(圧力値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される圧力を受圧する受圧部材と、
それぞれ前記入力される圧力に応じた前記受圧部材の状態変化を検出し、該状態変化に対応する圧力検出信号を異なるオフセット量および出力レンジで出力する第1の圧力検出手段および第2の圧力検出手段と、
前記第1の圧力検出手段からの圧力検出信号と前記第2センサからの圧力検出信号とのうち検出誤差の小さい側となる大小いずれか一方の圧力値を示す圧力検出信号を選択して検出圧力を示す計測値を決定する出力選定手段と、を備えた圧力検出装置。
【請求項2】
前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段が、
それぞれ前記入力される圧力に応じた前記受圧部材のひずみを検出し、該ひずみに対応する圧力検出信号を出力する第1センサおよび第2センサと、
前記受圧部材に入力される圧力の計測レンジに対する前記第1センサからの圧力検出信号のオフセット量および出力レンジと、前記計測レンジに対する前記第2センサからの圧力検出信号のオフセット量および出力レンジとを、それぞれ異なる大きさに設定する特性調整回路と、によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記第1センサおよび前記第2センサが、同一仕様のセンサで、前記受圧部材のうち互いに同等なひずみを生じる第1の検出部位および第2の検出部位に装着されていることを特徴とする請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項4】
前記受圧部材が前記入力される圧力の変化に応じて前記ひずみを生じる特性が、前記入力される圧力の計測レンジの中間領域内で検出特性基準に相当する直線に近付き、前記計測レンジの中間領域外で前記直線から前記ひずみの小さい側に離れる特性を有し、
前記出力選定手段が、前記第1の圧力検出手段からの圧力検出信号と前記第2の圧力検出手段からの圧力検出信号とのうち高い圧力を示す圧力検出信号を選択して前記計測値を決定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の圧力検出装置。
【請求項5】
前記第1の圧力検出手段の圧力検出信号と前記第2の圧力検出手段の圧力検出信号との信号レベルの差が、前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段のうちいずれかの異常を検出するための閾値よりも常時小さくなるように、前記第1の圧力検出手段および前記第2の圧力検出手段における前記オフセット量および出力レンジがそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の圧力検出装置。
【請求項6】
前記受圧部材が車両用の内燃機関の燃料蓄圧手段に蓄圧状態で貯留された燃料の圧力を受圧し、前記出力選定手段が前記内燃機関の運転を制御する電子制御ユニットによって構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の圧力検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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