説明

圧縮収納袋および圧縮収納袋の使用方法

【課題】環境に対する有害性がなく、経時侵入空気による収納物の膨張を抑制し、長期間にわたって安定な圧縮保存を可能とする圧縮収納袋を提供する。
【解決手段】収納物の出し入れ口となる開口部13と空気吸引口14とを有し合成樹脂を主素材とした袋で吸引口14から袋内部の空気を吸引することにより収納物を圧縮保存する圧縮収納袋12であって、圧縮収納袋12内部と連通可能な空間内に、銅交換したZSM−5型ゼオライトを含む気体吸着デバイス5を備える。銅交換したZSM−5型ゼオライトが使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制し収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮収納袋に関するものであり、特に、収納袋内の空気を吸引排気して減圧し、収納物を保存する、特にふとんや衣類圧縮保存袋として使用できる圧縮保存袋およびその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧縮収納袋に関しては、合成樹脂製の袋にふとんや衣類などのかさばる収納物を入れ、開口部を封鎖した後、空気吸引口から袋内の空気を吸引除去し、最後に空気吸引口を封鎖する手順により、コンパクトにこれらの収納物を保存できるため、一般家庭においても簡便な掃除機による吸引などを利用し、汎用に用いられている。
【0003】
しかしながら、開口部や吸引口から経時的に侵入する空気によって、徐々に収納物が膨張するという課題があった。
【0004】
特に図示はしないが、開口部や吸引口の封鎖にアイロンを用いた合成樹脂の熱溶着が適用されており、この手法によると溶着箇所からの空気の侵入は抑制されるが、アイロンの手間が掛かるなどの課題があった。また、開口部や吸引口を熱溶着する際、少しでもしわなどが生じると均一な溶着ができず、短期間で袋内部に空気が入り込んで収納物が大きく膨張するという課題があった。
【0005】
そこで、開口部をU字形のクリップバーとクリップバーのU字形部に圧入の丸棒形のクリップバーで閉塞する技術や、密封性に優れたファスナーを用いる技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これに対して、開口部のファスナー部材を2列状態に設ける技術や空気の侵入を抑制するファスナー形状が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、吸引口からの空気侵入を抑制する手段として、開口部側から順次仮封止部および本封止部を設け、本封止部と仮封止部との間に吸引口を設ける構成とし、収納物を袋に入れ仮封止部を封鎖した後、吸引口から袋内の空気を吸引し、その後本封止部を封鎖することにより、吸引口からの空気侵入の影響を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
また、開口部や吸引口だけではなく、経時的に袋材を透過して侵入する空気もあるが、これに対しては、袋材としてアルミ蒸着層を設けたラミネートフィルムを用いることにより抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開平7−246670号公報
【特許文献2】実開平6−10148号公報
【特許文献3】特開平4−242544号公報
【特許文献4】実開平4−41890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の物では、やはり開口部や吸引口からの侵入空気、および、袋材からの透過侵入空気を遮断することはできていなかった。
【0010】
特許文献1および特許文献2に関して、クリップバーやファスナーを用いた場合、クリップバーやファスナー部材においてもすり合わせ部が完全に密着されておらず、2例状態に設けても、形状を複雑化しても、外圧との圧力差による空気侵入の問題は完全には解決されておらず、やはり開口部からの経時的な空気侵入は免れなかった。
【0011】
特許文献3に関しても、同様である。
【0012】
特許文献4に関しては、アルミ蒸着層を設けることで、袋材を透過侵入する空気の抑制に一定の効果は得られるものの、しかしながら、アルミ蒸着層を設けたフィルムでは、内容収納物が外観から確認し難いという欠点があった。
【0013】
本発明の目的は、環境に対する有害性がなく、圧縮収納袋における経時侵入空気による収納物の膨張を抑制し、長期間にわたって安定な圧縮保存を可能とする圧縮収納袋および圧縮収納袋の使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の圧縮収納袋は、収納物の出し入れ口となる開口部と、空気吸引口とを有し、合成樹脂を主素材とした袋で、前記吸引口から袋内部の空気を吸引することにより収納物を圧縮保存する圧縮収納袋であって、前記圧縮収納袋内部と連通可能な空間内に、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトを含む気体吸着デバイスを備えるのである。
【0015】
また、本発明の圧縮収納袋の使用方法は、収納物を開口部を通して圧縮収納袋に収納する収納ステップと、前記開口部を封鎖する開口部封鎖ステップと、空気吸引口から前記圧縮収納袋内部の空気を吸引する吸引ステップと、空気吸引口を閉じ減圧保存する吸引口封鎖ステップと、経時的に圧縮収納袋を透過して侵入した空気を先の発明における気体吸着デバイスが吸着固定化し、再び減圧保存を持続させる吸着ステップとを含むのである。
【0016】
上記構成において、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトが、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0017】
したがって、環境に対する有害性がなく、圧縮収納袋における経時侵入空気による収納物の膨張を抑制し、長期間にわたって安定な圧縮保存を可能とする圧縮収納袋および圧縮収納袋の使用方法を提供できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトが、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0019】
また、気体吸着デバイスが、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトと、水分吸着材と、気体難透過性素材からなる容器とから構成されている場合は、銅交換したZSM−5型ゼオライトが水分により劣化せず、より多くの気体を吸着することができるため、収納物の膨張を長期にわたって抑制することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の請求項1に記載の圧縮収納袋の発明は、収納物の出し入れ口となる開口部と、空気吸引口とを有し、合成樹脂を主素材とした袋で、前記吸引口から袋内部の空気を吸引することにより収納物を圧縮保存する圧縮収納袋であって、前記圧縮収納袋内部と連通可能な空間内に、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトを含む気体吸着デバイスを備えることを特徴とするものである。
【0021】
上記構成において、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトは、空気中に最も多く含まれる気体である窒素に対する活性活性が高いことで知られており、おそらくは、細孔径と窒素の分子径の相対関係に起因する形状選択性、および、その三次元構造の特異性によると考える。
【0022】
さらに、空気中に存在する窒素以外の気体種、すなわち、酸素、水分、二酸化炭素、水素などへの吸着活性をも有しており、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを圧縮収納袋内の気体吸着材として含むことにより、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度をも低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0023】
銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの作製は、市販されているZSM−5型ゼオライトの銅イオン交換と、水洗と、乾燥、熱処理のプロセスを経て行う。
【0024】
銅イオン交換は、既知の方法にて行うことが出来るが、塩化銅水溶液やアンミン酸銅水溶液など銅の可溶性塩の水溶液に浸漬する方法が一般的であり、中でもプロピオン酸銅(II)や酢酸銅(II)などカルボキシラトを含むCu2+溶液を用いた方法で調整されたものは、窒素吸着活性が高い。
【0025】
水洗は、イオン交換後に十分に行う。
【0026】
次いで、加熱乾燥または減圧下乾燥を行い、表面付着水を除去する。
【0027】
その後、低圧下にて適切な熱処理を行う。これは、イオン交換により導入されたCu2+をCu+へと還元し、気体吸着能を発現させるために必要である。熱処理時の圧力は、10mPa以下、好ましくは1mPa以下であり、温度はCu+への還元を進行させるため、300℃以上、好ましくは500℃〜600℃程度である。
【0028】
以上のプロセスを経て、気体吸着活性を付与された銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、窒素、酸素、水分、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などの気体吸着活性を有する。
【0029】
一方で、気体吸着活性を有する銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、大気中で取り扱うと、大気成分を吸着してしまい失活する。よって、熱処理により活性化した後は、通常、高真空下あるいは不活性ガス中で取り扱う必要がある。
【0030】
そのため、大気接触による失活や、圧縮収納袋へ適用した後の十分な吸着活性の発現を考慮し、空気に直接触れず、任意で通気性を発現するような気体吸着デバイスに封入することが必要である。
【0031】
ここで、本発明における気体吸着デバイスとは、少なくとも、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトと、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを使用時まで周囲の空間と隔絶し保管する容器と、気体吸着時には前記容器の内外を連通することにより気体の吸着を可能にする機構の総称である。
【0032】
また、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトにペレット化、成形などを施しても良い。
【0033】
銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトにおいては、銅がまずCu2+としてイオン交換される。次いで、低圧下にて適切な熱処理を行うことによりCu2+はCu+へ還元され、気体吸着活性を発揮するものである。
【0034】
よって、ZSM−5型ゼオライトのシリカ対アルミナ比に関しては、シリカ対アルミナ比が低い場合、すなわち−1価のアルミニウムが多数存在する場合、銅はCu2+の方が安定となり、熱処理によってCu+へ還元されるサイトが低減するため、窒素吸着活性もまた低減する。
【0035】
一方、シリカ対アルミナ比が大きい場合、すなわち−1価のアルミニウムが少ない場合、イオン交換により導入される銅が少なく、よってCu+サイトが少なくなるため、これもまた窒素吸着活性が低減する。よって、窒素吸着活性を発現するためには、シリカ対アルミナ比が適正な範囲であることが望ましく、本発明においては、8以上25以下の範囲が適当であると判断する。
【0036】
また、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは有害性情報がなく、環境負荷も低いと考えられる。
【0037】
また、開口部は、特に指定するものではないが、ふとんなどの大型収納物を出し入れ可能な開口部であれば良い。収納物を収納した後の封鎖方法は、アイロンによる溶着、クリップバーによる挟み込み、雄型部材と雌型部材との圧入方式を用いたファスナー部材による封鎖など特に指定するものではないが、前記ファスナー部材が簡便である。いずれの方法を用いた場合でも経時的に空気は侵入するが、気体吸着デバイスにより吸着除去できるため問題ではない。
【0038】
吸引口は、特に指定するものではないが、一般家庭における掃除機を用いた吸引に適した大きさの吸引口が望ましく、吸引後は開口部と同様に封鎖可能なファスナー部材などが必要である。また、より簡易に低コストで製造するには、開口部の一部が吸引口となる構成であっても良い。
【0039】
吸引方法は、特に指定するものではない。電気掃除機や、ポンプを用いた吸引などが利用できる。
【0040】
合成樹脂とは、特に指定するものではないが、ナイロンやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなど汎用の合成樹脂を用いることができる。
【0041】
圧縮収納袋内部と連通可能な空間とは、圧縮収納袋内部そのものであっても良く、圧縮収納袋内部に気体吸着デバイスを収納するポケットがあっても良い。また別途圧縮収納袋と連通する小袋が繋ぎ合わされていても、圧縮収納袋内部の空気を気体吸着デバイスが吸着できるよう連通化されていればよい。
【0042】
また、請求項2に記載の圧縮収納袋の発明は、請求項1に記載の発明において、気体吸着デバイスが、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトと、水分吸着材と、気体難透過性素材からなる容器とからなり、前記容器は通気性を制御可能な仕切りにより少なくとも2つ以上の空間に仕切られており、前記銅交換したZSM−5型ゼオライトと前記水分吸着材はそれぞれ前記容器の異なる空間に収容されているものである。
【0043】
上記構成において、圧縮収納袋に侵入した空気を吸着する場合、空気中には窒素、酸素などとともに水分が含まれている。銅交換したZSM−5型ゼオライトは、水分に対しても非常に活性が高く、吸着ガス中に水が含まれている場合は水を優先的に吸着してしまい、水を吸着した吸着活性点は窒素や酸素を吸着することができなくなる。
【0044】
銅交換したZSM−5型ゼオライトのみで構成し、空気中の窒素、酸素、水分などの全気体種を銅交換したZSM−5型ゼオライトが吸着することに差し支えはないが、一般に水分吸着材の方が銅交換したZSM−5型ゼオライトよりも安価であるために、本構成により、より低コストな圧縮収納袋を提供できるものである。
【0045】
そこで、銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材をともにデバイス化することにより、水分吸着材に水分を吸着させ、銅交換したZSM−5型ゼオライトの活性点をより効果的に窒素や酸素などの吸着に利用できる気体吸着デバイスを提供するものである。すなわち、以下のように容器内の銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材の位置関係を適切化する。
【0046】
銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材をそれぞれ独立した空間に収容する。また、独立した空間同士は、仕切り材によって適切な通気性を確保する。さらに、気体を吸着する際、気体は、まず、水分吸着材を収容した空間を通過し、水分吸着材により含まれる水分が吸着された後、銅交換したZSM−5型ゼオライトを収容した空間に到達するように構成する。
【0047】
この際、空間どうしの通気性が大き過ぎる場合は、水分吸着材が水分を吸着しきれず、水分を多く含む気体が銅交換したZSM−5型ゼオライトに到達する。一方、空間どうしの通気性が小さ過ぎる場合は、銅交換したZSM−5型ゼオライトに到達する気体が少なく、銅交換したZSM−5型ゼオライトの吸着性能が十分に発現できない。従って、通気性を制御可能な仕切り材の通気性を適正に制御することが重要である。
【0048】
ここで水分吸着材とは、気体中に含まれる水分を吸着できるものであり、活性炭、シリカゲル、酸化カルシウム等があるが特に指定するものではない。
【0049】
また、気体難透過性素材とは、ガス透過度が104[cm3/m2・day・atm]以下の素材であり、より望ましくは103[cm3/m2・day・atm]以下となるものであり、アルミラミネートフィルムからなる四方シール袋などが利用できる。
【0050】
以上の構成により、銅交換したZSM−5型ゼオライトは、水分により劣化せず、より多くの気体を吸着することができるため、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。
【0051】
また、請求項3に記載の圧縮収納袋の発明は、請求項2に記載の発明において、仕切りが連続多孔体であるものである。
【0052】
銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを収容する空間と水分吸着材を収容する空間の仕切りの通気性が大き過ぎる場合は、水分吸着材が水分を吸着しきれず、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトが余剰の水分を吸着し、劣化してしまう。一方、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを収容する空間と水分吸着材を収容する空間の仕切りの通気性が小さ過ぎる場合は、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトに到達する気体が少なく、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの吸着特性を十分に発揮することができない。従って、仕切り材の通気性を適正に制御することが重要であり、この通気性は、仕切り材の気体透過度、断面積、長さに依存する。
【0053】
気体透過度を適切に制御するには、連続多孔体構造が適しており、残存不純物ガス量や経時的に侵入する不純物ガスの速度により、適宜選択することが可能である。
【0054】
ここで、連続多孔体とは、固体部分と空隙部分からなり、空隙が連通しているものを指す。セラミックスのように、無機物からなる粒子の集合体であっても、連通ウレタンフォームのように有機物であってもよいが、減圧下でガス発生の少ないものがより望ましい。
【0055】
以上の構成により、銅交換したZSM−5型ゼオライトは、水分により劣化せず、より多くの気体を吸着することができるため、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。
【0056】
また、請求項4に記載の圧縮収納袋の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材が収容されている空間と、圧縮収納袋内部空間とが、外部応力により通気可能となる機構を備えたものである。
【0057】
気体吸着活性の高い銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの劣化を抑制するため、気体吸着デバイス容器は、気体難透過性素材からなる必要があるが、一方で必要な時に任意に、圧縮収納袋内部空間と通気可能となる必要がある。
【0058】
以下に、本発明おける外部応力により通気可能となる機構について、一例を示す。
【0059】
気体吸着デバイスの気体難透過性素材からなる容器として、アルミラミネートフィルムの四方シール袋を用い、その中に銅交換したZSM−5型ゼオライトと、水分吸着材とが、通気性を制御可能な仕切りを挟んで収容されている。この気体デバイスと、突起物を有する部材(突起部材)の突起をアルミラミネートフィルム側へ向け、アルミラミネートフィルムには接触しない状態で圧縮収納袋内部に設置し、収納物を収納後、減圧圧縮する。その後、必要時に突起がアルミラミネート袋を貫通する程度の応力を外部から付与することによって、前記アルミラミネート袋に貫通孔を開け、前記アルミラミネート袋内部と前記圧縮収納袋内部を連通させるものである。
【0060】
圧縮収納袋は、合成樹脂製であるため外部からの力により容易に変形する。このため、気体吸着デバイスの容器が外部応力によって、通気可能な構成を採用することによって、気体吸着デバイスを必要に応じて開封することが可能である。
【0061】
従って、気体吸着デバイスの容器としてラミネートフィルムのような突き刺しなどで貫通孔を生じる部材を用い、前記容器に一定の応力を付与する突起部材とを設置し、必要に応じて圧縮収納袋の外部より、突起部材に応力を与えることで気体吸着デバイスに貫通孔が生じさせることができ、圧縮収納袋内部空間に侵入した空気成分を吸着除去することが可能となる。
【0062】
また、この際、突起部材は、気体吸着デバイスの水分吸着材側へ貫通孔を形成するように設置することが望ましい。この構成により、空気は貫通孔を通して容器に侵入する。空気が容器に侵入すると、水分吸着材付近に所定の時間留まるため、空気に含まれる水分は水分吸着材により吸着され、水分を含まない乾燥空気のみが仕切りを通り銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトに到達し、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトは効率よく窒素や酸素などを吸着することができる。
【0063】
また、突起部材の設置は、気体吸着デバイスに接するように、接着剤や両面テープなどで貼り付けてもよく、クリップなどで留めてもよいが、特に指定するものではない。
【0064】
銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材が収容されている空間と、圧縮収納袋内部空間とが、外部応力により通気可能とするタイミングに関しては、経時的に空気が侵入しても即時に除去できるよう、吸入口を封鎖した直後でもよく、また、空気が侵入した後収納物が膨張し始めてからでも、どちらでもよい。
【0065】
以上の構成により、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0066】
また、請求項5に記載の圧縮収納袋の使用方法の発明は、収納物を開口部を通して圧縮収納袋に収納する収納ステップと、前記開口部を封鎖する開口部封鎖ステップと、空気吸引口から前記圧縮収納袋内部の空気を吸引する吸引ステップと、空気吸引口を閉じ減圧保存する吸引口封鎖ステップと、経時的に圧縮収納袋を透過して侵入した空気を請求項1から4のいずれか一項記載の気体吸着デバイスが吸着固定化し、再び減圧保存を持続させる吸着ステップとを含むものである。
【0067】
吸着ステップを開始するための機構としては、請求項4に記載の発明の機構を用いても良く、また他の手段を用いても良い。吸着ステップを開始するタイミングに関しては、経時的に空気が侵入しても即時に除去できるよう、吸入口を封鎖した直後でもよく、また、空気が侵入した後収納物が膨張し始めてからでも、どちらでもよい。
【0068】
本発明の圧縮収納袋の使用方法により、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0069】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0070】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮収納袋に用いた銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの製造方法を示すフローチャートである。
【0071】
本実施の形態における、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトからなる吸着材の製造は、銅イオンを含むイオン交換溶液を用いたイオン交換工程(STEP1)と、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを洗浄する洗浄工程(STEP2)と、乾燥工程(STEP3)と、銅イオンを還元するための熱処理工程(STEP4)とからなる。
【0072】
イオン交換工程(STEP1)では、銅イオンを含む溶液として、酢酸銅、プロピオン酸銅、塩化銅など、従来既存の化合物の水溶液を利用可能であるが、気体吸着量の増大と強固な吸着の実現のためには、酢酸銅が望ましい。
【0073】
イオン交換回数や銅イオン溶液の濃度、イオン交換時間、温度などは、特に限定するものではないが、イオン交換率としては、100%から180%の範囲において、優れた吸着性能を示す。より好ましくは、110%から170%の範囲である。ここで示すイオン交換率とは、2つのNa+あたりにCu2+が交換されることを前提とした計算値であり、銅がCu+として交換された場合、計算上は100%を越えて算出される。
【0074】
なお、洗浄工程(STEP2)では、蒸留水を用いて洗浄することが望ましい。また、乾燥工程(STEP3)では、100℃未満の条件で乾燥することが望ましく、室温での減圧乾燥でも良い。
【0075】
また、熱処理工程(STEP4)では、減圧下、望ましくは10-2Pa未満の条件下で、300℃以上800℃以下の温度で熱処理することが望ましい。熱処理時間は、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの量によるが、銅イオンを2価から1価へ還元可能な十分な時間が必要である。また、300℃以下では、1価への還元が不十分になる恐れがあり、800℃以上では、ゼオライトの構造が破壊される恐れがある。より好ましくは、500℃〜600℃程度である。
【0076】
このようにして製造した銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトは、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。
【0077】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイスの使用前の状態を示す断面図である。
【0078】
図2に示すように、気体吸着デバイス5は、アルミラミートフィルムからなる容器6内部に、水分吸着材7と銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8とが封入されている。
【0079】
また、水分吸着材7と銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8の間は連通ウレタンフォーム製の仕切り9で仕切られている。容器6には、銅交換したZSM−5型ゼオライト8と水分吸着材7が収容されている空間と、圧縮収納袋内部空間とが、外部応力により通気可能となる機構として、突起部材10が両面テープにより貼付設置されている。ここで、突起部材10の先端は鋭利になっている。銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8はアルミラミートフィルムからなる容器6内部に封入されているため、保存時における劣化はほとんどない。
【0080】
図3は、本発明の実施の形態2における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイス5の使用時の状態を示す断面図である。図4は、本発明の実施の形態2における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイス5に用いた突起部材10の側面図と上面図を示している。
【0081】
気体吸着デバイス5の水分吸着材7側には、突起部材10が備えてあり、突起部材10に応力を加えた結果、容器6に貫通孔11を形成し、容器6内部と外部空間を連通させるものである。
【0082】
本構成により、空気は貫通孔11を通して容器6に侵入する。空気が容器6に侵入すると、水分吸着材7付近に所定の時間留まるため、空気に含まれる水分は水分吸着材7により吸着され、水分を含まない乾燥空気のみが仕切り9を通り銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8に到達し、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8は効率よく窒素や酸素などを吸着することができる。
【0083】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における圧縮収納袋の外観斜視図である。
【0084】
図5に示すように、本実施の形態の圧縮収納袋12は、合成樹脂を主素材とする圧縮収納袋12であって、収納物の出し入れ口となる開口部13と、吸引口14とを備えている。吸引口14から圧縮収納袋12内部の空気を吸引することにより収納物を圧縮保存する圧縮収納袋12において、圧縮収納袋12内部と連通可能な空間内に、実施の形態2における気体吸着デバイス5(突起部材10を含む)を備えている。
【0085】
気体吸着デバイス5と、突起部材10とを突起部材10の突起物を容器6側へ向けた状態で、収納物とともに圧縮収納袋12内に設置して、吸引口14から掃除機などにより排気後、封鎖する。その後、必要時に突起物が容器6を貫通する程度の応力を外部から付与することによって、容器6に穴を開け、容器6内部と圧縮収納袋12内部を連通させるものである。
【0086】
その際、突起部材10は、気体吸着デバイス5の水分吸着材7側へ貫通孔を形成するように設置される。この構成により、空気は貫通孔11通して容器6に侵入する。空気が容器6に侵入すると、水分吸着材7付近に所定の時間留まるため、空気に含まれる水分は水分吸着材7により吸着され、水分を含まない乾燥空気のみが仕切り9を通り銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8に到達し、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8は効率よく窒素や酸素などを吸着することができる。
【0087】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における圧縮収納袋の使用方法を示すフローチャートである。
【0088】
本実施の形態における圧縮収納袋12の使用方法は、収納物を開口部13を通して圧縮収納袋12に収納する収納ステップ(STEP15)と、開口部13を封鎖する開口部封鎖ステップ(STEP16)と、空気吸引口14から圧縮収納袋12内部の空気を吸引する吸引ステップ(STEP17)と、空気吸引口14を閉じ減圧保存する吸引口封鎖ステップ(STEP18)と、経時的に圧縮収納袋12を透過して侵入した空気を実施の形態2における気体吸着デバイス5が吸着固定化し、再び減圧保存を持続させる吸着ステップ19とを含むものである。
【0089】
本実施の形態の圧縮収納袋の使用方法により、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス5化された銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8が、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋12内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋12内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。
【0090】
また、気体吸着デバイス5が、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライト8と、水分吸着材7と、銅交換したZSM−5型ゼオライト8と水分吸着材7とを封入する気体難透過性素材からなる容器6とからなり、突起部材10で容器6に貫通孔11ができ、容器6内に侵入した空気が、まず、水分吸着材7により水分が吸着され、水分を含まない乾燥空気のみが仕切り9を通り銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8に到達することにより、銅交換したZSM−5型ゼオライト8は水分により劣化せず、より多くの気体を吸着することができるため、収納物の膨張を長期にわたって抑制することが可能である。
【0091】
以上のように、本実施の形態では、圧縮収納袋12を安定的に長期にわたって、膨張することなく利用することが可能である。
【実施例】
【0092】
(実施例1)
圧縮収納袋12は、合成樹脂であるナイロンとポリエチレンとのラミネート材を用い、収納物の出し入れ口となる開口部13と、空気吸引口14とは、凸型と凹型を組み合わせて封鎖するファスナーを用いた。
【0093】
気体吸着デバイス5は、銅交換したZSM−5型ゼオライト100gをアルミラミネートフィルムの四方シール袋(気体難透過性素材からなる容器6)に不活性ガス中で充填し、減圧封止したものを用いた。
【0094】
この気体吸着デバイス5と、突起をアルミラミネートフィルム側へ向けた突起部材10を圧縮収納袋12内部に設置し、収納物を収納後、減圧圧縮した後、突起がアルミラミネート袋を貫通する程度の応力を外部から付与することによって、アルミラミネート袋に貫通孔11を開け、アルミラミネート袋内部と圧縮収納袋12内部を連通させた。
【0095】
3ヶ月経過後も、圧縮収納袋12は膨張することなく、最大厚部分での厚さ変化量は0%であり、圧縮状態を保持していた。
【0096】
これは、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8が、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス5化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋12内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であったためである。
【0097】
(実施例2)
圧縮収納袋12は、合成樹脂であるナイロンとポリエチレンとのラミネート材を用い、収納物の出し入れ口となる開口部13と、空気吸引口14とは、凸型と凹型を組み合わせて封鎖するファスナーを用いた。
【0098】
気体吸着デバイス5は、気体難透過性素材からなる容器6として、アルミラミネートフィルムの四方シール袋を用い、不活性ガス中において、銅交換したZSM−5型ゼオライト50gと水分吸着材7として酸化カルシウム50gとを、通気性を制御可能な連続田交代であるグラスウール集合体の仕切り9で仕切るように充填し、減圧封止したものを用いた。
【0099】
この気体吸着デバイス5と、突起をアルミラミネートフィルム側へ向けた突起部材10を圧縮収納袋12内部に設置し、収納物を収納後、減圧圧縮した後、突起がアルミラミネート袋を貫通する程度の応力を外部から付与することによって、アルミラミネート袋に貫通孔11を開け、アルミラミネート袋内部と圧縮収納袋12内部を連通させた。
【0100】
3ヶ月経過後も、圧縮収納袋12は膨張することなく、最大厚部分での厚さ変化量は0%であり、圧縮状態を保持していた。
【0101】
これは、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト8が、使用時まで劣化することなく保管可能な気体吸着デバイス5化されることにより、窒素、酸素、水分、二酸化炭素などの空気中に存在する気体に対する吸着能力を発揮し、経時的に圧縮収納袋12内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であったためである。
【0102】
また、実施例1に比較し、銅交換したZSM−5型ゼオライト8が半減しているが、同等の効果が確認できた。酸化カルシウムは、銅交換したZSM−5型ゼオライト8より安価であるため、低コストで製造することが可能であった。これは、水分吸着材7と適切な仕切り9とを用いた構成にしたため、銅交換したZSM−5型ゼオライト8は水分により劣化せず、より多くの気体を吸着することができたため、収納物の膨張を長期にわたって抑制することが可能となったためである。
【0103】
次に本発明の圧縮収納袋に対する比較例を示す。
【0104】
(比較例1)
既存文献にて公開されている、開口部のファスナー部材を2列状態に設けた同様の収納袋に収納物を収納後、減圧圧縮した。3ヶ月経過後には、目視でも圧縮状態が悪化しており、最大厚部分での厚さ変化量は150%であった。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、経時的に圧縮収納袋内部へ侵入する空気を吸着除去し、減圧状態に保つことが可能であり、侵入空気に起因する収納物の膨張を抑制しふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納することが可能となる。かつ、圧縮収納袋内の酸素濃度を低減させることができるため、ダニなど微少生物の繁殖を抑制することも可能である。そのため、ふとんや衣類のようなかさばる収納物を長期間にわたって低体積で収納する用途に適している。また、本発明で用いた気体吸着デバイスは、圧縮収納袋をはじめ、空気を吸着除去したい用途や、低酸素による害虫駆除などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施の形態1における圧縮収納袋に用いた銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトの製造方法を示すフローチャート
【図2】本発明の実施の形態2における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイスの使用前の状態を示す断面図
【図3】同実施の形態における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイスの使用時の状態を示す断面図
【図4】(a)同実施の形態における圧縮収納袋に用いた気体吸着デバイスに用いた突起部材の側面図(b)同突起部材の上面図
【図5】本発明の実施の形態3における圧縮収納袋の外観斜視図
【図6】本発明の実施の形態4における圧縮収納袋の使用方法を示すフローチャート
【符号の説明】
【0107】
5 気体吸着デバイス
6 容器
7 水分吸着材
8 銅イオン交換したZSM−5型ゼオライト
9 仕切り
10 突起部材
11 貫通孔
12 圧縮収納袋
13 開口部
14 吸引口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物の出し入れ口となる開口部と、空気吸引口とを有し、合成樹脂を主素材とした袋で、前記吸引口から袋内部の空気を吸引することにより収納物を圧縮保存する圧縮収納袋であって、前記圧縮収納袋内部と連通可能な空間内に、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトを含む気体吸着デバイスを備えることを特徴とする圧縮収納袋。
【請求項2】
気体吸着デバイスが、少なくとも銅交換したZSM−5型ゼオライトと、水分吸着材と、気体難透過性素材からなる容器とからなり、前記容器は通気性を制御可能な仕切りにより少なくとも2つ以上の空間に仕切られており、前記銅交換したZSM−5型ゼオライトと前記水分吸着材はそれぞれ前記容器の異なる空間に収容されている請求項1に記載の圧縮収納袋。
【請求項3】
仕切りが連続多孔体である請求項2に記載の圧縮収納袋。
【請求項4】
銅交換したZSM−5型ゼオライトと水分吸着材が収容されている空間と、圧縮収納袋内部空間とが、外部応力により通気可能となる機構を備えた請求項2または請求項3に記載の圧縮収納袋。
【請求項5】
収納物を開口部を通して圧縮収納袋に収納する収納ステップと、前記開口部を封鎖する開口部封鎖ステップと、空気吸引口から前記圧縮収納袋内部の空気を吸引する吸引ステップと、空気吸引口を閉じ減圧保存する吸引口封鎖ステップと、経時的に圧縮収納袋を透過して侵入した空気を請求項1から4のいずれか一項記載の気体吸着デバイスが吸着固定化し、再び減圧保存を持続させる吸着ステップとを含む圧縮収納袋の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−95279(P2010−95279A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267020(P2008−267020)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】