説明

圧縮機制御装置

【課題】圧縮機の回転数毎に定められた進角を圧縮機進角決定手段に記憶させて圧縮機を制御しているため、圧縮機の負荷変動に関係なく進角が決定されるので、圧縮機の負荷条件で、より最適な進角で圧縮機を制御できないという課題を有していた。
【解決手段】インバータ駆動手段温度検出手段3で検出したインバータ駆動手段2の温度と圧縮機回転数検出手段5で検出した回転数に基づいて進角を決定することによって、最適な進角で圧縮機制御を可能にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮機制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は図3に示すように、圧縮機の回転数毎に定められた進角だけを前記圧縮機進角決定手段に記憶させて圧縮機を制御している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−204050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の圧縮機制御装置では、圧縮機の回転数毎に定められた進角を前記圧縮機進角決定手段に記憶させて圧縮機を制御しているため、圧縮機の負荷変動に関係なく進角が決定されるので、高効率に圧縮機を制御するために進角を小さく設定すると負荷が大きいとき圧縮機の脱調耐量が下がるという課題を有していた。
【0004】
また、脱調耐量を上げるために進角を大きく設定すると負荷が小さいとき圧縮機の効率が悪くなるという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、インバータ駆動手段の温度による負荷条件において最適な進角で圧縮機制御を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機制御装置はインバータ駆動手段温度検出手段で検出したインバータ駆動手段の温度と圧縮機回転数検出手段で検出した回転数に基づいて進角を決定するものである。
【0007】
これによって、圧縮機の負荷条件が変動したときに前記インバータ駆動手段温度検出手段で検出したインバータ駆動手段の温度と前記圧縮機回転数検出手段で検出した回転数に基づいて進角を決定し、圧縮機の負荷条件において最適な進角で圧縮機制御を可能にすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧縮機制御装置は、圧縮機の負荷が変動したときに前記インバータ駆動手段温度検出手段で検出したインバータ駆動手段の温度と前記圧縮機回転数検出手段で検出した回転数に基づいて進角を決定し、最適な進角で圧縮機制御を可能にすることができるため、負荷変動しても圧縮機が脱調することなく高効率で制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、電動機を駆動源とする圧縮機において、前記圧縮機を駆動するインバータ駆動手段と、前記インバータ駆動手段の温度を検出するインバータ駆動手段温度検出手段と、電源電圧を整流して前記インバータ駆動手段に供給される電圧を供給するダイオードブリッジと、前記圧縮機の回転数を検出する圧縮機回転数検出手段と、前記圧縮機の進角を決定する圧縮機進角決定手段と、前記圧縮機進角決定手段で決定した進角で前記圧縮機を制御する圧縮機制御手段とを備え、前記インバータ駆動手段温度検出手段で検出したインバータ駆動手段の温度と前記圧縮機回転数検出手段で検出した回転数に基づいて進角を決定することを特徴とした圧縮機制御装置とすることで、圧縮機の負荷条件において最適な進角で圧縮機を制御することができ、圧縮機の回転数毎に、より負荷条件に最適で高
効率に圧縮機を制御することが可能となる。
【0010】
第2の発明は、前記圧縮機の所定の回転数毎に上限進角、及び下限進角を前記圧縮機進角決定手段に記憶させたことを特徴とした請求項1記載の圧縮機制御装置とすることで、進角の決定範囲を限定することができ、より細かな進角の設定が可能となる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機制御装置を示す図である。圧縮機1を駆動するインバータ駆動手段2と、前記インバータ駆動手段2の温度を検出するインバータ駆動手段温度検出手段3と、電源電圧8を整流して前記インバータ駆動手段2に供給される電圧を供給するダイオードブリッジ4と、前記圧縮機1の回転数を検出する圧縮機回転数検出手段5と、前記圧縮機1の進角を決定する圧縮機進角決定手段6と、前記圧縮機進角決定手段6で決定した進角で前記圧縮機1を制御する圧縮機制御手段7を備える。
【0013】
このように構成された圧縮機制御装置について、以下その動作、作用を、図2を用いて説明する。
【0014】
前記インバータ駆動手段温度検出手段3でインバータ駆動手段2の温度を検出し、前記圧縮機回転数検出手段5で検出した回転数に基づいて進角を決定する。前記インバータ駆動手段温度検出手段3で検出したインバータ駆動手段2の温度が所定の温度より低いときには圧縮機の負荷条件が軽いため、進角を小さく設定して高効率に圧縮機1を制御できる。前記インバータ駆動手段温度検出手段3で検出したインバータ駆動手段2の温度が所定の温度より高いときには負荷条件が重いため進角を大きく設定して圧縮機1の脱調耐量を上げることができる。
【0015】
これによって、圧縮機の負荷条件において最適な進角で圧縮機制御を可能とすることができる。
【0016】
(実施の形態2)
本実施の形態では、前記圧縮機1の所定の回転数毎に上限進角、及び下限進角を前記圧縮機進角決定手段6に記憶させたことを特徴とした圧縮機制御装置である。
【0017】
これによって、進角の決定範囲を限定することで、同一回転数内で負荷により上下限内で進角調整ができるので、より細かな進角の設定が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
以上のように、本発明にかかる制御装置は、負荷条件が変動したときでも最適な進角で圧縮機を制御することが可能となるので、より負荷条件に適した高効率な圧縮機駆動制御をする制御装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態により構成された圧縮機制御装置を示す構成図
【図2】本発明の上限進角、及び下限進角を回転数毎に設定した特性図
【図3】従来の圧縮機制御装置を示す構成図
【符号の説明】
【0020】
1 圧縮機
2 インバータ駆動手段
3 インバータ駆動手段温度検出手段
4 ダイオードブリッジ
5 圧縮機回転数検出手段
6 圧縮機進角決定手段
7 圧縮機制御手段
8 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機を駆動源とする圧縮機を駆動するインバータ駆動手段と、前記インバータ駆動手段の温度を検出するインバータ駆動手段温度検出手段と、電源電圧を整流して前記インバータ駆動手段に供給される電圧を供給するダイオードブリッジと、前記圧縮機の回転数を検出する圧縮機回転数検出手段と、前記圧縮機の進角を決定する圧縮機進角決定手段と、前記圧縮機進角決定手段で決定した進角で前記圧縮機を制御する圧縮機制御手段とを備え、前記インバータ駆動手段温度検出手段で検出したインバータ駆動手段の温度と前記圧縮機回転数検出手段で検出した回転数に基づいて進角を決定することを特徴とした圧縮機制御装置。
【請求項2】
前記圧縮機の所定の回転数毎に、上限進角及び下限進角を前記圧縮機進角決定手段に記憶させたことを特徴とした請求項1記載の圧縮機制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−236418(P2010−236418A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84590(P2009−84590)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】