説明

圧電振動板

【課題】
発音体用の圧電振動板を薄型化するとともに、電極の引き出しの信頼性向上,製造工程の簡略化,部品点数の削減を図る。
【解決手段】
圧電振動板10は、引き出し用電極を兼ねた導電性の振動板12A,12Bの表裏に、圧電素子16,28を備えたバイモルフ構造であって、圧電素子16は、圧電層18Aを挟んで、電極層20Aと電極層24Bとが対向し、電極層24Aと電極層20Bとが対向した構造となっている。電極層20A及び20Bはスルーホール22Aによって,電極層24A及び24Bはスルーホール26Aによって、圧電素子16の厚み方向にほぼ直線的に接続される。そして、電極層20Bが振動板12Bの表面に、電極層24Bが他方の振動板12Aの表面に接続するように、導電性接着剤などにより貼り合わせられる。振動板12A,12Bから電極を引き出すことにより、全体の薄型化が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発音体用の圧電振動板及びそれを利用した電子機器に関し、更に具体的には、圧電振動板及び電子機器の薄型化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧電発音体は、簡易な電気音響変換手段として広く利用されており、特に近年は、携帯電話や携帯情報端末などの分野でスピーカ等として多用されている。圧電発音体は、図15に一例を示すように、圧電素子504,510を、振動板502の表裏両面に貼り合わせた構成となっている。圧電素子504は、圧電体506の表裏両面に、電極層508A及び508Bを形成した構造となっており、金属などによって構成された振動板502の表面に、導電性接着剤等で接着される。他方の圧電素子510についても同様であり、圧電体506の表裏両面に、電極層508C及び508Dを形成した構造となっている。
【0003】
前記電極層508A及び508Dは、それぞれリード線512A及び512Bなどの導電手段を介して外部に引き出され、他の電極層508B及び508Cは振動板502と同電位となっており、前記振動板502からリード線512Cを介して外部に引き出される。このような電極引き出し構造と類似の構造が、例えば、以下の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2003−47092公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上のような背景技術では、電極を外部に引き出すために、リード線512A〜512C及び半田514A〜514Cが必要になる。このうち、リード線512Aと512Bの半田接続部は、圧電素子504,510の表面の電極508A、508D上に設けられるため、圧電発音体500自体の厚みを増大させる要因となる。例えば、振動板502の厚みを30μm,圧電素子504、510の厚みをそれぞれ60μm,リード線512A及び512Bの接続部の半田514A及び514Bの高さをそれぞれ160μmとすると、圧電発音体500全体の厚みが470μmになる。このうち、電極の引き出しに要するリード線512A、512Bの半田接続部の厚みの合計は、320μmとなり、圧電発音体500全体の厚みの70%近くを占めることになってしまう。また、前記背景技術では、上下面からのリード線512A及び512Bによる引き出しは、リード線512A及び512Bが振動板502に密着していない為、長時間の激しい圧電駆動に対して、信頼性が十分ではない可能性がある。従って、電極引き出し構造を改良することにより、不要な厚みを省くことができれば、圧電発音体やそれを利用する電子機器の薄型化をより促進するために好都合である。
【0005】
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、電極構造の改良により発音体用の圧電振動板を薄型化し、電子機器に対する実装の自由度の向上及び電子機器自体の薄型化を図ることである。他の目的は、電極の引き出しの信頼性を向上させることである。他の目的は、引き出し構造の改良により、製造工程を簡略化するとともに、材料の削減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、圧電層と該圧電層を挟んで対向する複数の電極層とを備えた圧電素子を、振動板の少なくとも一方の面に貼り合わせた発音体用の圧電振動板であって、前記振動板が第1及び第2の引き出し用電極を備えるとともに、前記圧電素子が、前記電極層のうち、印加電圧の一方に対応するものを、前記第1の引き出し用電極に接続する第1の接続手段,前記電極層のうち、印加電圧の他方に対応するものを、前記第2の引き出し用電極に接続する第2の接続手段,を備えたことを特徴とする。
【0007】
主要な形態の一つは、前記振動板として、樹脂フィルムを使用したこと,あるいは、前記振動板の一方の面に設けられた第1及び第2の引き出し用電極上に、複数の圧電素子が搭載されたことを特徴とする。
【0008】
他の形態は、前記圧電素子が、前記第1,第2の接続手段のうち、少なくとも一方が前記電極層に接続するためのスルーホールを有すること,あるいは、前記第1,第2の接続手段のうち、少なくとも一方が前記電極層に接続するための端面電極を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の電子機器は、請求項1〜5のいずれかに記載の発音体用の圧電振動板を利用したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、前記振動板が第1及び第2の引き出し用電極を備えるとともに、前記圧電素子が、前記電極層のうち、印加電圧の一方に対応するものを、前記第1の引き出し用電極に接続する第1の接続手段,前記電極層のうち、印加電圧の他方に対応するものを、前記第2の引き出し用電極に接続する第2の接続手段,を備えることにより、前記圧電素子の電極層の引き出しを、全て前記振動板から行うことができ、全体として薄型化を図るとともに、信頼性を向上させることができる。また、引き出し構造の簡略化により、製造工程の簡略化や材料の削減効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
最初に、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例の分解斜視図である。図2(A)は、本実施例の全体を示す外観斜視図であり、図2(B)は、前記(A)を圧電素子16の上方から見た平面図である。図3(A)は、前記図2(A)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,図3(B)は、前記図2(A)を#B−#B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。これらの図に示すように、圧電振動板10は、42Niアロイやリン青銅等の導電性を有する可撓性薄板からなる振動板12A,12Bの表裏に、圧電素子16,28をそれぞれ貼り合わせたバイモルフ構造であって、全体が略長方形状に形成されている。前記振動板12A,12Bは、所定の間隔で離間しており、隙間の空気によって絶縁されて、それぞれ第1及び第2の引き出し用電極を構成している。あるいは、一枚の振動板12の中央部分を分割し、分割部分にゴムや絶縁性樹脂などのシール部材14を設け(図2(B)参照)、振動板12A及び12Bの電気的接触を防止するようにしてもよい。
【0013】
圧電素子16は、PZTなどの圧電セラミックスによって形成された圧電層18Aの両主面に、電極層20A,20B,24A,24Bをそれぞれ設け、前記圧電層18Aを挟んでそれぞれ、電極層20Aと電極層24Bとが対向するとともに、電極層24Aと電極層20Bとが対向した構造となっている。電極層20A,20B,24A,24Bとしては、例えば、AgやAg/Pd合金を含む焼付け型の電極層などが利用される。まず、略長方形の圧電層18Aの一方の主面には、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20A及び24Aが、主面を直線により2つに分割した各々の領域に、互いに離間するように形成されている。これら電極層20A及び24Aは、前記圧電層18Aの略中央を中心として点対称の関係となっている。前記圧電層18Aの他方の主面には、同様に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20Bと24Bが形成されている。これら電極層20B,24Bは、点対称の関係にある。また、電極層20B及び24Bは、前記圧電層18Aの一方の主面の電極層20A及び24Aと左右反転の関係にある。すなわち、電極層20Aと20Bに印加される信号電圧の極性が同じになり、電極層24Aと24Bに印加される信号電圧の極性が同じになるように配置されている。
【0014】
前記電極層20A及び20Bは、スルーホール22Aによって圧電素子16の厚み方向にほぼ直線的に接続され、電極層24A及び24Bは、スルーホール26Aによって厚み方向にほぼ直線的に接続される。そして、前記電極層20Bが一方の振動板12Bの表面に接続するように、また電極層24Bが他方の振動板12Aの表面に接続するように、図示しない導電性接着剤などにより貼り合わせられる。
【0015】
他方の圧電素子28についても基本的には同様の構成となっており、圧電層18Eの一方の主面には、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20E及び24Eが形成される。電極層20E及び24E同士は点対称である。圧電層18Eの他方の主面にも、上述した圧電素子16と同様に、それぞれ一対の電極層20F及び24Fが形成され、前記圧電層18Eを挟んでそれぞれ、電極層20Eと電極層24Fが対向するとともに、電極層24Eと電極層20Fとが対向した構造となっている。そして、前記電極層20E及び20Fが、スルーホール22Bで厚み方向に接続され、電極層24E及び24Fが、スルーホール26Bにより接続される。
【0016】
以上のような構造の圧電振動板10では、圧電素子16は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層20B及び第2の接続手段を兼ねる電極層24Bを備え、同様に圧電素子28は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層20E及び第2の接続手段を兼ねる電極層24Eを備え、電極層20A,20B,20E,20Fは、スルーホール22A,22B及び振動板12Bを介して電気的に接続されており、全て共通電位となっている。また、電極層24A,24B,24E,24Fは、スルーホール26A,26B及び振動板12Aを介して電気的に接続されており、全て共通電位となっている。このような圧電振動板10では、図2に示すように、振動板12Aと12Bから、リード線32A及び32Bを介して電極が引き出され、電源30に接続される。そして、例えば、一方の振動板12Aはプラス,他方の振動板12Bはマイナスという具合に信号電圧を印加する。すなわち、圧電素子16及び28の表面から電極を引き出すのではなく、これらの間に挟まれた振動板12A及び12Bから電極を引き出すことが可能になる。このため、上述した背景技術と比較して、リード線32A,32Bの接続部位の半田34A,34Bの厚みが全体の厚みに影響を与えることがなく、圧電振動板10自体を大幅に薄型化することができる。なお、このとき、振動板12A及び12Bからの引出部を幅広として面接着することにより、電極引き出しの信頼性を向上させるようにしてもよい。
【0017】
このように、実施例1によれば、圧電層の主面を複数に分割した各々の領域に互いに離間して配置される一対の電極層を、前記圧電層の両主面に備えた圧電素子16及び28を、振動板12A及び12Bの両面に貼り合わせ、前記圧電層の同一面上の電極層同士,及び、前記圧電層を介して厚み方向で隣接する電極層同士に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加されるように前記電極層を配置する。そして、設けられた電極層のうち、同一極性の信号電圧が印加される電極層20A,20Bをスルーホール22Aで厚み方向に接続し、電極層20E及び20Fをスルーホール22Bで厚み方向に接続する。また、他の電極層24A及び24Bをスルーホール26Aで厚み方向に接続し、電極層24E及び24Fをスルーホール26Bで厚み方向に接続することとしたので、電極層の引き出しを、全て振動板12A及び12Bから行うことができ、全体の薄型化を図ることができる。また、引き出し構造の簡略化により、製造工程の簡略化や材料の削減効果が得られる。更に、前記振動板12及び12Bに幅広の引出部を面接着することにより、引き出しの信頼性の向上も可能である。
【0018】
更に、従来技術と比較して設計の自由度が高くなるため、音質の調整もより簡便に行うことができる。例えば、振動板の厚みやサイズによって共振周波数などを調整するという作業をより簡便に行うことができる。
【実施例2】
【0019】
次に、図4及び図5を参照しながら、本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。図4は、本実施例の分解斜視図である。図5は、本実施例の全体を示す外観斜視図である。前記実施例1は、単層の圧電層を有する圧電素子を振動板の表裏両面に設けた例であったが、本実施例は、圧電素子を、複数の圧電層を有する積層構造とした例である。前記図4及び図5に示すように、圧電振動板40は、振動板12A,12Bの表裏に、圧電素子42,44をそれぞれ貼り合わせたバイモルフ構造であって、全体が略長方形状に形成されている。前記振動板12A,12Bは、前記実施例1と同様に、所定の間隔で離間しており、隙間の空気によって絶縁されて、それぞれ第1及び第2の引き出し用電極を構成している。あるいは、一枚の振動板12の中央部分を分割し、分割部分にゴムや絶縁性樹脂などのシール部材14を設け(図5参照)、振動板12A及び12Bの電気的接触を防止するようにしてもよい。
【0020】
圧電素子42は、PZTなどによって形成された圧電層(圧電セラミック)18A〜18Cと、電極層20A〜20D及び24A〜24Dを交互に積層し、各圧電層を挟んで電極層が対向する構造となっている。電極層20A〜20D,24A〜24Dとしては、例えば、AgやAg/Pd合金などの焼付け型の導電層などが利用される。まず、略長方形の圧電層18Aの一方の主面(図4では上面)には、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20A及び24Aが、圧電層18Aの主面を複数に分割した各々の領域に、互いに離間するように形成されている。これら電極層20A及び24Aは、前記圧電層18Aの略中央を中心として点対称の関係となっている。2層目の圧電層18Bの表面(図4では上面)には、同様に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20Bと24Bが形成されている。これら電極層20B,24Bは点対称の関係にある。また、電極層20B及び24Bは、前記圧電層18Aの表面の電極層20A及び24Aと左右反転の関係にある。すなわち、電極層20Aと20Bに印加される信号電圧の極性が同じになり、電極層20Bと24Bに印加される信号電圧の極性が同じになるように配置されている。
【0021】
3層目の圧電層18Cの表面についても同様に、一対の電極層20C及び24Cが形成される。さらに、該圧電層18Cの裏面には、同じく一対の電極層20D及び24Dが形成される。このように、同一の圧電層上に形成される電極層同士を点対称とし、厚み方向で隣接する一対の電極層同士が左右反転の形状になるように配置することにより、電極層は一層おき毎に、形状・位置が概略一致するようになる。例えば、電極層20A及び24Aと、電極層20C及び24Cがほぼ一致し、電極層20B及び24Bと、電極層20D及び24Dがほぼ一致するという具合である。
【0022】
以上のような電極層20A〜20Dは、スルーホール22Aによって圧電素子42の厚み方向にほぼ直線的に接続され、電極層24A〜24Dは、スルーホール26Aによって厚み方向にほぼ直線的に接続される。そして、前記電極層20Dが一方の振動板12B表面に接触し、電極層24Dが他方の振動板12Aの表面に接触するように貼り合わせられる。
【0023】
他方の圧電素子44についても基本的には同様の構成となっており、一層目の圧電層18Eの表面には、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層20E及び24Eが形成される。電極層20E及び24E同士は点対称である。以下、2層目の圧電層18Fの表面と、3層目の圧電層18Gの表面及び裏面にも、上述した圧電素子16と同様に、それぞれ一対の電極層20F及び24F,20G及び24G,20H及び24Hが形成され、前記圧電層を挟んでそれぞれ、電極層が対向する構造となっている。そして、前記電極層20E〜20Hが、スルーホール22Bで厚み方向に接続され、電極層24E〜24Hが、スルーホール26Bにより接続される。
【0024】
以上のような構造の圧電振動板40では、圧電素子42は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層20D及び第2の接続手段を兼ねる電極層24Dを備え、同様に圧電素子44は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層20E及び第2の接続手段を兼ねる電極層24Eを備え、電極層20A〜20Hは、スルーホール22A,22B及び振動板12Bを介して電気的に接続されており、全て共通電位となっている。また、電極層24A〜24Hは、スルーホール26A,26B及び振動板12Aを介して電気的に接続されており、全て共通電位となっている。このような圧電振動板40では、上述した実施例1と同様に、第1及び第2の引き出し用電極となる振動板12Aと12Bから電極が引き出され、電源30に接続される(図2参照)。そして、例えば、一方の振動板12Aはプラス,他方の振動板12Bはマイナスという具合に信号電圧を印加する。すなわち、圧電素子42及び44の表面から電極を引き出すのではなく、これらの間に挟まれた振動板12A及び12Bから電極を引き出すことが可能になるため、本実施例においても、上述した背景技術と比較して、圧電振動板40自体を大幅に薄型化することができる。なお、このとき、振動板12A及び12Bからの引出部を幅広として面接着することにより、電極引き出しの信頼性を向上させるようにしてもよい。
【0025】
このように、実施例2によれば、圧電層と、該圧電層の同一面上に離間して配置される一対の電極層とを交互に積層した圧電素子42及び44を、振動板12A及び12Bの両面に貼り合わせ、前記圧電層の同一面上の電極層同士,及び、前記圧電層を介して厚み方向で隣接する電極層同士に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加されるように前記電極層を配置する。そして、積層された電極層のうち、同一極性の信号電圧が印加される電極層20A〜20D,20E〜20Hを、スルーホール22A及び22Bで厚み方向に接続し、他の電極層24A〜24D,24E〜24Hを、スルーホール26A及び26Bで厚み方向に接続することとしたので、電極層の引き出しを、全て振動板12A及び12Bから行うことができ、全体の薄型化を図ることができる。また、引き出し構造の簡略化により、製造工程の簡略化や材料の削減効果が得られる。更に、前記振動板12A及び12Bに幅広の引出部を面接着することにより、引き出しの信頼性の向上も可能である。
【実施例3】
【0026】
次に、図6〜図8を参照しながら、本発明の実施例3を説明する。図6は、本実施例の構成を示す分解斜視図,図7は、本実施例の全体を示す外観斜視図であり、図8(A)は、前記図7を#E−#E線に沿って切断し矢印方向に見た断面を分解して示す図,図8(B)〜図8(D)は、振動板の他の例を示す断面図である。これらの図に示すように、圧電振動板50は、略円形の振動板52の表裏両面に、略円形の圧電素子60,72をそれぞれ貼り合わせたバイモルフ構造であって、前記振動板52の外周の一部には、外周側へ突出した突出部52Aが設けられている。前記圧電素子60,72は、上述した実施例1と同様にそれぞれ単層の圧電層を用いた構成となっている。すなわち、圧電素子60を例に挙げると、圧電層62Aの一方の主面に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層64A及び66Aが、主面を2分割した各々の領域に互いに離間するように形成され、他方の主面にも同様に、それぞれ異なる極性の信号電圧が印加される一対の電極層64Bと66Bが形成されている。これら電極層64A,64B,66A,66Bの同一主面上での位置関係や、圧電層62Aを挟んだ位置関係は、基本的には上述した実施例1と同様であり、電極層64Aと64Bはスルーホール68Aを介して接続され、電極層66Aと66Bは、スルーホール70Aを介して接続される。他方の圧電素子72についても基本的に同様の構成となっており、圧電層68Bの表裏両面には、それぞれ一対の電極層64C及び66Cと、電極層64D及び66Dが形成され、スルーホール68B及び70Bにより接続されている。以上のように、圧電素子60は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層64B及び第2の接続手段を兼ねる電極層66Bを備え、同様に圧電素子72は、振動板との貼り合わせ面に、第1の接続手段を兼ねる電極層64C,及び第2の接続手段を兼ねる電極層66Cを備える。なお、圧電素子60及び72を構成する材料としては、上述した実施例1と同様のものが適用可能である。なお、本実施例では、単層の圧電層からなる圧電素子を利用することとしたが、前記実施例2と同様に、複数の圧電層を有する積層構造の圧電素子を用いるようにしてもよい。
【0027】
本実施例3では、上述した実施例1及び2と比較して、振動板の構成が大きく異なる。本実施例の振動板52は、絶縁性であって屈曲に優れた材料,例えばPET(PolyEthylene Terephtalate)などの樹脂フィルムからなる絶縁板54の表裏面に、例えば、導電性Agペーストを用いて、それぞれ一対のプリント導体パターン56及び57と、58及び59を設けた構成となっている。なお、前記導電性Agペーストは一例であり、スパッタリング法などにより薄膜導電体層を設けるようにしてもよい。前記絶縁板54には、前記一対のプリント導体パターン(例えば56及び57)の間隙を通る直線の延長方向に、外周側に突出する突出部52Aが設けられている。また、前記プリント導体パターン56〜59は、前記突出部52Aの表面上に形成された引き出し部56A〜59Aとそれぞれ接続されている。前記プリント導体パターン56〜59と、前記圧電素子60及び72の電極層64B,66B,64C,66Cとは、図示しない導電性接着剤により接着されており、前記引き出し部56A〜59Aを介して信号電圧を印加することにより、圧電振動板50を駆動することができる。本実施例では、上述した実施例1及び2と異なり、振動板自体は分割形成されず、替わりに引き出し用の電極(プリント導体パターン)が分割形成されている。
【0028】
このように、本実施例によれば、圧電層62A及び62Bの主面をほぼ2分割する領域に設けられた電極層64B,66B,64C,66Cを、これらの電極層にほぼ等しい面積で振動板52のプリント導体パターン56〜59に接着することにより、導電接続の機能と、圧電素子60及び72の駆動による変位伝達の機能を兼ねることが可能となる。これにより、上述した実施例1及び2に示す薄型化の効果に加え、圧電駆動時の導電接続の信頼性を高めるとともに、駆動電極が振動板52に直に接着されることにより、大きな変位を得ることができる。
【0029】
図8(B)〜図8(D)は、振動板の他の例を示す図である。上述した例の振動板52では、第1及び第2の引き出し用電極となるプリント導体パターン56〜59を形成する関係から、絶縁板54を使用することとした。これに対し、図8(B)に示す振動板74は、金属製その他の導電性薄板76を用い、少なくとも電極(プリント導体パターン)を形成する表面に絶縁体による被覆78を施したものである。また、図8(C)は、振動板52のPETなどの絶縁フィルムからなる絶縁板54の表面のうち、一対のプリント導体パターン(56及び57,あるいは、58及び59)の間隙部分に予め絶縁性樹脂層51を印刷したものであり、また、図8(D)は、前記間隙部分に予め粗面化した表面53を設けものである。このように、間隙部分の絶縁板54の表面に予め絶縁性樹脂層51を印刷する,あるいは間隙部分の表面に予め粗面化した表面53を設ける等により、間隙部分の絶縁板54の表面の接着剤に対する濡れ性を向上させた後、前記間隙部分に接着剤を塗布し接着することにより、振動板52の一対のプリント導体パターン(56及び57,あるいは、58及び59)の間隙部分と圧電素子60、72との変位伝達をより確実にするとともに、振動板52が圧電素子60,72により湾曲変位した際に、間隙部分を挟む一対のプリント導体パターン(56及び57,あるいは、58及び59)と圧電素子の電極層64B,66B,64C,66Cとの導電性接着剤などによる接続部分に応力が集中することを防止し、さらには前記間隙部分への湿気の侵入を防止して、接続部の信頼性を向上させるようにしてもよい。
【実施例4】
【0030】
次に、図9〜図11を参照しながら、本発明の実施例4を説明する。図9は、本実施例の上面側の構造を示す分解斜視図である。図10(A)は、本実施例の全体を示す外観斜視図であり、図10(B)は、前記(A)を上方から見た平面図である。図11は、本実施例の主要断面図であり、図11(A)は、前記図10(A)を#C−#C線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,図11(B)は、前記図10(A)を#D−#D線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。これらの図に示すように、本実施例の圧電振動板80は、振動板82の表面に複数の圧電素子90を、振動板82の裏面に複数の圧電素子91をそれぞれ配置したものである。圧電素子90の構造は、基本的には、上述した実施例1と同様であり、圧電素子90の表裏両面には、それぞれ一対の電極層94A及び96Aと、電極層94B及び96Bが形成されている。同様に、圧電素子91の表裏両面には、それぞれ一対の電極層94C及び96Cと、電極層94D及び96Dが形成されている。
【0031】
一方、前記振動板82の表裏両面には、前記圧電素子90,91の配列方向に伸びた一対のプリント導体パターン84及び86がそれぞれ形成されている。これらプリント導体パターン84,86は、突出した引き出し部84A及び86Bを備えている。そして、振動板82の表裏両面にそれぞれ設けられたプリント導体パターン84同士,及び、プリント導体パターン86同士は、前記引き出し部84A及び86Aにおいて、スルーホール84B及び86Bを介して表裏で接続されている。前記圧電素子90及び91は、それぞれ、前記一対のプリント導体パターン84及び86上に跨るように配置されている。図11(A)に示すように、圧電素子90の電極層94Aと94Bは、スルーホール98Aにより厚み方向に接続され、振動板82の表面側の一方のプリント導体パターン86に接続される。圧電素子91の電極層94Cと94Dは、スルーホール98Bにより厚み方向に接続され、振動板82の裏面側のプリント導体パターン86に接続される。同様に、図11(B)に示すように、圧電素子90の他の電極層96Aと96Bは、スルーホール100Aにより厚み方向に接続され、振動板82の表面側の他方のプリント導体パターン84に接続される。圧電素子91の他の電極層96Cと96Dは、スルーホール100Bにより厚み方向に接続され、振動板82の裏面側の他方のプリント導体パターン84に接続される。他の複数の圧電素子90及び91についても同様である。そして、振動板82の表裏両面で接続されたプリント導体パターン84及び86の引き出し部84A,86Bに、例えば、リード線102及び104を、半田106及び108で接続することにより、圧電振動板80に対する信号電圧の印加が可能となる。
【0032】
本実施例4は、上述した実施例3と同様に、主面上に第1及び第2の引き出し用電極となるプリント導体パターン84及び86が形成された振動板82を利用して、その表裏面にそれぞれ複数の圧電素子90及び91を貼り合わせたものである。このように、振動板82の表面の帯状のプリント導体パターン84及び86に沿って複数の圧電素子90及び91を、図示しない導電性接着剤で貼り合わせることで、複数の圧電素子間の導電接続,各圧電素子90及び91とプリント導体パターン84及び86との接続,更に、各圧電素子90及び91の変位を振動板82に伝達する機能を兼ね、上述した実施例3と同様の効果を得ることができる。また、上述した実施例3の効果に加え、振動板82上に複数の圧電素子を設けても、配線の引き回しが不要になるという効果が得られる。更に、複数種類の圧電素子の組み合わせが自由に行えるため、各種電子機器への応用が可能である。
【0033】
また、振動板82の一方の主面に対して圧電素子90(又は91)を複数取り付けて圧電振動板80を駆動するので、圧電振動板80を誤って落下させた際に、落下による衝撃は、振動板82および複数の圧電素子90(又は91)に分散されるため、圧電素子90(又は91)への応力集中による破損等が防止され、圧電振動板80の落下衝撃に対しての耐力が向上する。なお、圧電素子90及び91は、それぞれ前記実施例1及び3と同様に、単層の圧電層を用いたものであるが、前記実施例2と同様に、電極層と圧電層とが交互に複数層積層した構造のものを用いるようにしても同様の効果が得られる。また、図示は省略したが、プリント導体パターン84及び86を、圧電素子90及び91の駆動電極(電極層)の形状に対応して、部分的に幅広に形成してもよいし、また、圧電素子間を結ぶ配線部分のプリント導体パターンの表面を、絶縁層で被覆するようにしてもよい。
【実施例5】
【0034】
次に、図12を参照しながら、本発明の実施例5を説明する。図12は、本実施例を上方から見た平面図である。図12に示すように、本実施例の圧電発音体110は、先の実施例1、2と同様に、42Niアロイやリン青銅等の導電性を有する可撓性薄板からなる一対の振動板112A及び112Bの表面(及び裏面)に跨るように複数の圧電素子116A,116B,・・・116Nを配置したものである。圧電素子116Aの構造は、基本的には、上述した実施例2と同様であり、圧電素子116Aの表裏両面と内部には、一対の電極層120及び124が形成されている。表面及び内部の複数の電極層120は、スルーホール122により厚み方向に接続され、振動板112A又は112Bのいずれか一方に接続される。表面及び内部の複数の電極層124は、スルーホール126により厚み方向に接続され、他方の振動板(112A又は112B)に接続される。他の圧電素子116B〜116Nについても同様である。このように、本実施例5によれば、上述した実施例2の効果に加え、振動板112A及び112B上に複数の圧電素子を設けても、配線の引き回しが不要になるという効果が得られる。また、複数種類の圧電素子の組み合わせが自由に行えるため、各種電子機器への応用が可能である。また、振動板の一方の主面に対して複数の圧電素子116A〜116Nを取り付けて圧電振動板を駆動するので、圧電振動板を誤って落下させた際に、落下による衝撃は、振動板および複数の圧電素子に分散されるため、圧電素子への応力集中による破損等が防止され、圧電振動板の落下衝撃に対しての耐力が向上するという効果も得られる。
【実施例6】
【0035】
次に、図13を参照して、本発明の実施例6を説明する。前記実施例は、圧電素子中に積層形成された電極層をスルーホール接続したが、本実施例では、一方を端面ないし側面で接続する構成となっている。図13(A)は主要断面を示し、図13(B)は振動板の電極形状を示す平面図である。これらの図において、圧電振動板300の絶縁性の振動板302の主面上には、第1及び第2の引き出し用電極となるように、周囲にリング状のプリント導体パターン304が形成されており、その内側にプリント導体パターン306が形成されている。内側のプリント導体パターン306の一部は、外側のプリント導体パターン304の開口部分から振動板302の縁に延長形成されている。
【0036】
一方、圧電素子310は、圧電層312,314,316,318,320と、電極層322,324,326,328,330,332が図示のように積層された構成となっている。これらのうち、電極層324,328,332は、圧電素子310の略中央に設けられたビアホール334によって接続されている。また、電極層322,326,330は、圧電素子310の端面ないし側面に形成された端面電極332Aに接続されている。端面電極332Aは、圧電素子310の裏面側周囲に形成された接続用の電極332Bに接続している。
【0037】
以上の圧電素子310の裏面側の電極332が振動板302のプリント導体パターン306に接続し、電極332Bがプリント導体パターン304に接続するように、導電性接着剤などを利用して振動板302上に接合される。プリント導体パターン304,306には、それぞれリード線304A,306Aが接続され、これらによって外部への引き出しが行われる。すなわち、これらを通じで圧電素子310に駆動電圧が印加される。なお、図13の例は、振動板302の一方の面にのみ圧電素子310を設けたユニモルフタイプであるが、バイモルフタイプとすることを妨げるものではない。
【0038】
更に、上述した実施例1〜5では、圧電素子の主面を複数に分割する直線に沿って左右対称の振動モードが得られ、主に角板状の発音体用の圧電振動板を構成する際に好適であるのに対して、本実施例6では、圧電素子の駆動時に、従来の圧電振動板による振動と同様に、同心円状の振動モードが得られ、円形の発音体用の圧電振動板を構成する際に好適である。
【実施例7】
【0039】
次に、図14を参照して、本発明の実施例7を説明する。本実施例は、圧電素子中の電極層を、いずれも端面ないし側面で接続する構成としたものである。図14(A)は主要断面を示し、図14(B)は振動板側の電極形状を示す。これらの図において、圧電振動板400の振動板402の主面上には、円の一部を除いた形状の第1の引き出し用電極となるプリント導体パターン404が形成されており、主面上の他の部分に円の一部の形状の引き出し用電極となるプリント導体パターン406が形成されている。ちょうど、円を端で切断して、一方をプリント導体パターン404,他方をプリント導体パターン406とした形状となっている。
【0040】
一方、圧電素子410は、圧電層412,414,416と、電極層418,420,422,424が図示のように積層された構成となっている。これらのうち、電極層418,422は、圧電素子410の端面ないし側面に形成された端面電極418Aに接続されている。また、電極層420,424は、圧電素子410の端面ないし側面に形成された端面電極424Aに接続されている。端面電極418Aは、圧電素子410の裏面側周囲に形成された接続用の電極418Bに接続している。なお、端面電極424Aは、圧電素子410の表面側周囲に形成された電極424Bに接続している。すなわち、圧電素子410の電極形状は表裏で点対称となっており、表裏いずれの面を振動板402に接合してもよい。
【0041】
以上の圧電素子410の裏面側の電極424が振動板402のプリント導体パターン404に接続し、電極418Bが引き出し用電極406に接続するように、導電性接着剤などを利用して振動板402上に接合される。プリント導体パターン404,406には、それぞれリード線404A,406Aが接続され、これらによって外部への引き出しが行われる。すなわち、これらを通じで圧電素子410に駆動電圧が印加される。なお、図14の例は、振動板402の一方の面にのみ圧電素子410を設けたユニモルフタイプであるが、バイモルフタイプとすることを妨げるものではない。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例に示した材料,形状,寸法は一例であり、同様の作用を奏するように適宜変更可能である。
(2)圧電層と電極層の積層数も任意であり、必要に応じて適宜増減してよい。
(3)前記実施例4では、振動板82の表裏両面に複数の圧電素子90,91を設けたが、これも一例であり、圧電素子の数は必要に応じて適宜増減してよい。
(4)前記実施例では、圧電振動板の全体形状を略長方形ないし略円形としたが、同様の効果を奏するものであれば、形状は適宜変更可能である。
(5)上述した実施例では、圧電素子の主面を2分割した各々の領域に電極層を設けることとしたが、これも一例であり、同様の効果を奏するように適宜分割数を変更してよい。
(7)本発明の圧電振動板の好適な応用例としては、携帯電話,携帯情報端末(PDA),ボイスレコーダ,PC(パソコン)などの各種電子機器のスピーカが挙げられるが、他の公知の各種の電子機器に適用することを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、圧電層と該圧電層を挟んで対向する複数の電極層とを備えた圧電素子を、振動板の少なくとも一方の面に貼り合わせ、前記振動板に第1及び第2の引き出し用電極を形成するとともに、前記電極層のうち、印加電圧の一方に対応するものを、前記第1の引き出し用電極に接続する第1の接続手段,前記電極層のうち、印加電圧の他方に対応するものを、前記第2の引き出し用電極に接続する第2の接続手段,を備えることとしたので、薄型化が要求される発音体用の圧電振動板及びそれを利用した電子機器の用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1の構造を示す分解斜視図である。
【図2】前記実施例1を示す図であり、(A)は外観を示す斜視図,(B)は平面図である。
【図3】前記実施例1を示す図であり、(A)は図2(A)を#A−#A線に沿って切断した断面図,(B)は図2(A)を#B−#B線に沿って切断した断面図である。
【図4】本発明の実施例2の構造を示す分解斜視図である。
【図5】前記実施例2の外観を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例3の構造を示す分解斜視図である。
【図7】前記実施例3の外観を示す斜視図である。
【図8】前記実施例3を示す図であり、(A)は図7を#E−#E線に沿って切断した断面を分解して示す図、(B)〜(D)は絶縁板の変形例を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例4の構造の一部を示す分解斜視図である。
【図10】前記実施例4を示す図であり、(A)は外観を示す斜視図,(B)は平面図である。
【図11】前記実施例4を示す図であり、(A)は図10(A)を#C−#C線に沿って切断した断面図,(B)は図10(A)を#D−#D線に沿って切断した断面図である。
【図12】本発明の実施例5を示す平面図である。
【図13】本発明の実施例6を示す図であり、(A)は分解断面図、(B)は振動板の平面図である。
【図14】本発明の実施例7を示す図であり、(A)は分解断面図、(B)は振動板の平面図である。
【図15】背景技術の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
10:圧電振動板
12,12A,12B:振動板(引き出し用電極)
14:シール部材
16,28:圧電素子
18A〜18C,18E〜18G:圧電層
20A〜20H,24A〜24H:電極層
22A,22B,26A,26B:スルーホール
30:電源
32A,32B:リード線
34A,34B:半田
40:圧電振動板
42,44:圧電素子
50:圧電振動板
51:絶縁性樹脂層
52:振動板
52A:突出部
53:表面
54:絶縁板
56,57,58,59:プリント導体パターン(引き出し用電極)
56A,57A,58A,59A:引き出し部
60,72:圧電素子
62A,62B:圧電層
64A〜64D,66A〜66D:電極層
68A,68B,70A,70B:スルーホール
74:振動板
76:導電性薄板
78:被覆
80:圧電振動板
82:振動板
84,86:プリント導体パターン(引き出し用電極)
84A,86A:引き出し部
84B,86B:スルーホール
90,91:圧電素子
92:圧電層
94A〜94D,96A〜96D:電極層
98A,98B,100A,100B:スルーホール
102,104:リード線
106,108:半田
110:圧電振動板
112A,112B:振動板(引き出し用電極)
114:シール部材
116A〜116N:圧電素子
120,124:電極層
122,126:スルーホール
300:圧電振動板
302:振動板
304,306:プリント導体パターン(引き出し用電極)
304A,306A:リード線
310:圧電素子
312,314,316,318,320:圧電層
322,324,326,328,330,332:電極層
332A:端面電極
332B:電極
334:ビアホール
400:圧電振動板
402:振動板
404,406:プリント導体パターン(引き出し用電極)
404A,406A:リード線
410:圧電素子
412,414,416:圧電層
418,420,422,424:電極層
418A:端面電極
418B:電極
424A:端面電極
424B:電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電層と該圧電層を挟んで対向する複数の電極層とを備えた圧電素子を、振動板の少なくとも一方の面に貼り合わせた発音体用の圧電振動板であって、
前記振動板が第1及び第2の引き出し用電極を備えるとともに、
前記圧電素子が、
前記電極層のうち、印加電圧の一方に対応するものを、前記第1の引き出し用電極に接続する第1の接続手段,
前記電極層のうち、印加電圧の他方に対応するものを、前記第2の引き出し用電極に接続する第2の接続手段,
を備えたことを特徴とする圧電振動板。
【請求項2】
前記振動板として、樹脂フィルムを使用したことを特徴とする請求項1記載の圧電振動板。
【請求項3】
前記振動板の一方の面に設けられた第1及び第2の引き出し用電極上に、複数の圧電素子が搭載されたことを特徴とする請求項1記載の圧電振動板。
【請求項4】
前記圧電素子が、前記第1,第2の接続手段のうち、少なくとも一方が前記電極層に接続するためのスルーホールを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電振動板。
【請求項5】
前記圧電素子が、前記第1,第2の接続手段のうち、少なくとも一方が前記電極層に接続するための端面電極を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電振動板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の圧電振動板を利用したことを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−211414(P2006−211414A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−22037(P2005−22037)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】