説明

圧電方式スキャン装置及びそれを用いたタッチスクリーン装置

【課題】多数の赤外線LEDに代り、価格が安価で製作が容易である圧電方式を用いたスキャン装置とそれを用いたタッチスクリーン装置を提供する。
【解決手段】本発明は圧電方式スキャン装置及びそれを用いたタッチスクリーン装置に関するもので、光を生成して出射する光源;前記光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する光ファイバー;前記光ファイバーの側面を支持して、前記光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する支持体;及び前記支持体と前記光源の間に位置して、前記光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する駆動体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電方式スキャン装置及びそれを用いたタッチスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、画面にディスプレーされる映像を指やタッチペンなどで接触する場合、その接触に反応して接触地点を把握することができるようにする装置である。
タッチスクリーンは一般的にLCDパネル、またはPDPパネルのような平面ディスプレー上に被せられる構造で製作され、このタッチスクリーンは、画面上のディスプレーされる映像イメージとは別途に指の接触位置を感知して映像画面上の座標に換算する装置であり、座標情報は映像を制御するコンピューターに伝送されるようになる。
【0003】
コンピューターはタッチスクリーンから受けた位置情報と映像画面を合成し、必要な対応をするように画像を制御するようになる。
タッチスクリーンを具現する方法としては、画面の大きさ及び用途によって技術的に相異なるいくつかの方法があり、代表的に抵抗膜方式、静電気方式、表面超音波方式、赤外線方式、カメラ(あるいは光学)方式などがある。
【0004】
図1は従来の一般的なカメラ方式のタッチスクリーンの構成図である。
図1に図示されたように、従来のカメラ方式のタッチスクリーンは、ディスプレーパネル1を支持する長方形フレーム2の一辺の両端に90度の角度の視野で画面を監視するマイクロカメラ3が夫々設けられ、長方形フレーム2の他の三辺に赤外線を放射する光源として多数の赤外線LED4がぎっしりと配列され、フレーム2の一側またはタッチスクリーンが設けられたディスプレー装置の内側に、前記カメラ3及び赤外線LED4の駆動を制御し、カメラ3を通じて感知される映像を分析して接触地点を検出する制御ボード5が設けられる。
【0005】
上記の構成からなるタッチスクリーンは、長方形フレーム2の三辺に配列された多数のLED4から赤外線が放射されて、二つの角に設けられたカメラ3は赤外線LED4から放射される赤外線を受信するようになり、この際に使用者の指(またはタッチペン)がディスプレーパネル1をタッチすると、フレーム2の3辺から放射された赤外線がカメラ3に到逹する経路が部分的に遮断されるようになる。
【0006】
二台のカメラ3が夫々異なる位置でこの指によって発生する影をカメラ角度線で感知し、制御ボード5はこの二台のカメラ3から受けたカメラ角度情報を処理して、タッチ位置を座標に換算するようになる。
制御ボード5によって計算される座標情報はディスプレー装置を制御するコンピューターに伝送され、コンピューターはこのタッチ地点の座標を画面の映像に対応させて画面に表示されるようにする。
【0007】
上述の構成及び動作からなる従来のカメラ方式のタッチスクリーンは、多数の赤外線LEDが画面を構成する長方形フレームの三辺に稠密に配列されて、設置過程が複雑で難しいという問題点があり、これによって設置コストも高くかかるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、多数の赤外線LEDに代り、価格が安価で製作が容易である圧電方式を用いたスキャン装置とそれを用いたタッチスクリーン装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のような目的を果たすための本発明のスキャン装置は、光を生成して出射する光源;前記光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する光ファイバー;前記光ファイバーの側面を支持して、前記光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する支持体;及び前記支持体と前記光源の間に位置して、前記光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する駆動体を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のスキャン装置は、光源に隣接するように設けられ、前記光ファイバーを通じて距離測定対象物体から反射される光を受信して、距離を測定して出力する検出器をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明のスキャン装置の前記支持体は、板形で形成されていて、前記光ファイバーが貫通するホールを備え、前記ホールの周りに形成された支持板は周りが前記光ファイバーの側面を支持して、前記光ファイバーが回動されるようにする支持板からなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のスキャン装置の前記支持体は、前記光ファイバーが貫通するように形成されたギャップを置いて離隔されていて、前記光ファイバーが貫通する面の反対面に凹状に形成されている多数の支持ブロックからなることを特徴とする。
また、本発明のスキャン装置の前記駆動体は、基板;及び前記基板に積層されていて、圧電力によって駆動力を提供する圧電駆動体を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の前記圧電駆動体は、前記基板に積層される伝導性物質で形成された第1電極層;前記第1電極層に積層されていて、圧電材料で形成された圧電層;及び前記圧電層に積層されていて、伝導性物質で形成された第2電極層を含むことを特徴とする。
また、本発明のタッチスクリーンは、光を放出して映像を具現するディスプレーパネル;前記ディスプレーパネルの表面全体にかけて周期的にスキャンされる光を前記ディスプレーパネルに平行で近接するように放射する第1スキャン装置;及び前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、距離を算出して出力する第1検出器を含んで、前記第1スキャン装置は、光を生成して出射する第1光源;前記第1光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する第1光ファイバー;前記第1光ファイバーの側面部位を支持して、前記第1光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する第1支持体;及び前記第1支持体と前記第1光源の間に位置して、前記第1光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する第1駆動体を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のタッチスクリーンは前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、距離を算出して出力する第2検出器をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明のタッチスクリーンの前記第1検出器は、前記第1スキャン装置の内部に第1光源に隣接するように設けられていて、前記第1光ファイバーを通じてタッチ入力部材から反射される反射光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のタッチスクリーンの前記第1駆動体は、基板;前記基板に積層される伝導性物質で形成された第1電極層;前記第1電極層に積層されていて、圧電材料で形成された圧電層;及び前記圧電層に積層されていて、伝導性物質で形成された第2電極層からなることを特徴とする。
また、本発明のタッチスクリーンは前記第1検出器から出力されるタッチ入力部材の距離と前記第1スキャン装置の放射角度を確認して、前記タッチ入力部材の位置を把握する信号処理部をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のタッチスクリーンは前記第1スキャン装置から離隔されて設けられていて、前記ディスプレーパネルの全体にかけて周期的にスキャンされる光を前記ディスプレーパネルに平行で近接するように放射する第2スキャン装置をさらに含んで、前記第2スキャン装置は、光を生成して出射する第2光源;前記第2光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する第2光ファイバー;前記第2光ファイバーの側面部位を支持して、前記第2光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する第2支持体;及び前記第2支持体と前記第2光源の間に位置して、前記第2光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する第2駆動体を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のタッチスクリーンは前記第1検出器から離隔されていて、前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力する第3検出器をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明のタッチスクリーンの前記第3検出器は前記第2スキャン装置の内部に前記第2光源に隣接するように設けられていて、前記第2光ファイバーを通じて入射される入射光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のタッチスクリーンは前記第1検出器と第3検出器から出力されるタッチ入力部材の距離と前記第1スキャン装置と第2スキャン装置の放射角度を確認して、前記タッチ入力部材の位置を把握する信号処理部をさらに含むことを特徴とする。
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0018】
上述のような本発明によると、多数の赤外線LEDに代りスキャン装置を用いて光を放射するようにして、構成が簡単で、設置が簡便であり、設置コストが安くかかるタッチスクリーンを製作することができる。
また、本発明によると、スキャン装置が装着される領域がフレームの角に限定されて、タッチスクリーンの構造において光源が占める面積を最小化することができるようにする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面と以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の説明において、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。。
【0020】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図2は本発明の第1実施例による圧電方式スキャン装置の斜視図であり、図3は本発明の第1実施例による圧電方式スキャン装置の断面図である。
図2と図3を参照すると、本発明の第1実施例による圧電方式スキャン装置は、光源及び検出部100、光ファイバー110、支持体120、駆動体130で構成されている。
【0021】
ここで、光源及び検出部100は、光源101、レンズ102及び検出器103からなっている。
【0022】
このような光源及び検出部100で光源101は光を生成して出射するものであり、外部共振器型垂直面発光レーザ(VECSEL;Vertical External Cavity Surface Emitting Laser)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting Laser)、発光ダイオード(Light emitting diode、LED)、レーザーダイオード(Laser diode、LD)、高発光ダイオード(SLED;Super Luminescent Diode)などのような半導体を用いて製作した光源を用いることができる。
【0023】
そして、レンズ102は光源101から出射された光の線型性と直進性を向上させるためのものであり、コリメートレンズなどで具現することができる。
次に、検出器103は、光源101から出射された光が距離測定対象物体であるディスプレーパネルのフレームや指などのようなタッチ入力部材から散乱されて反射される光を受信して、フレームまたはタッチ入力部材までの距離を算出して出力する。
【0024】
ここで、光源101としてレーザーダイオードが用いられる場合、レーザーダイオードは検出器103として用いることができる。
これをより詳細に説明すると、光源101から出射された光がタッチ入力部材から散乱されてレーザーダイオードに入射される場合、レーザーダイオードの光出力は入射される光によって変調(アンジュレーション)される。
【0025】
このような変調は検出器103を構成する他の構成要素である光ダイオードを通じてレーザーダイオードの出力電圧を監視することによって検出されて、検出器103は検出された変調を用いてレーザーダイオードと光の反射場所の間の距離を算出する。
この場合に検出器103を構成する構成要素はレーザーダイオードと、光ダイオードなどになり、結果的に検出器103は距離測定対象物体から反射される光を受信し、距離を測定して出力するようになる。
【0026】
このようなレーザー自家混合(selfmixing)に基づいた距離測定は公知されていて、これに対する詳細な説明は省略する。
一方、光ファイバー110は光源及び検出部100の光源101から出射される光を伝送する伝送ラインであり、シリカ系光繊維、フッ素系光繊維、希土類系光繊維、プラスチッククラディング光繊維、プラスチック光繊維などが用いられることができる。
【0027】
このような光ファイバー110は、駆動体130の駆動によって左右に動きながら光源101から出射される光をタッチスクリーンの表面にスキャニングをするため、正確度を高めるためにはある程度の硬直性を有し、曲がりすぎることを防止することが出来なければならない。
次に、支持体120は板形で形成されていて、内部にホールを備え、備えられたホールを光ファイバー110が貫通する。
【0028】
このような支持体120は、光ファイバー110が駆動体130から提供される左右駆動力によって左右に移動する時(回動される時)、移動効果を極大化するためのシーソー効果を発生させるためのものである。
前記支持体120は、形成されたホールの周りが貫通する光ファイバー110の貫通部位を支持し、ホールを通過する前の光ファイバー110の部位110aとホールを通過した後の光ファイバー110の部位110bが互いに反対に回動することができるようにする。
【0029】
その結果、光ファイバー110において、ホールを通過する前の部位110aの長さとホールを通過した後の部位110bの長さの割合により、回動距離が倍加されるようになる。
即ち、このような関係を表す図4を参照して説明すると、光ファイバー110において、ホールを通過する前の部位110aの長さをaとし、ホールを通過した後の部位110bの長さをbとして、駆動体130に接触された光ファイバー110の該当部位の回動距離をa'とし、光ファイバー110の端部の回動距離をb'とすると、次の数学式1が成立されて、長さの割合によって回動距離が倍加されるようになる。
【0030】
【数1】

【0031】
一方、ここで支持体120は板形の支持板を用いたが、図5に図示されたように、間に光ファイバー110が貫通するように形成されたギャップを置いて離隔されていて、光ファイバー110が貫通する面の反対面に凹状に形成されている二つの支持ブロック120a、120bを用いて具現することもできる。
【0032】
次に、駆動体130は左右駆動力を発生し、接触されている光ファイバー110に左右駆動力を伝達して、光ファイバー110が左右に移動されるようにする。このような駆動体130は基板200と圧電駆動体210〜230からなっている。
ここで、基板200は一般的に用いられる半導体基板であり、基板200を構成する物質としては、シリコーン(Si)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、水晶(Quartz)、シリカ(SiO)などの物質が用いられることができる。
【0033】
そして、圧電駆動体210〜230は圧電方式によって光ファイバー110の接触部位を左右に移動させるための駆動力を発生させて、下部電極層210と、下部電極層210に積層された圧電層220と、圧電層220に積層された上部電極層230で形成されている。
【0034】
この際、下部または上部電極層210、230の電極材料としては、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、IrO、RuOなどが用いられることができて、上述の電極材料の組合のうち何れか一つが用いられることもできる。
下部または上部電極層210、230はスパッタ(sputter)または真空蒸着(evaporation)などの方法で形成することができる。
【0035】
圧電層220は下部電極層210上に湿式及び乾式方法で形成することができる。ここで、圧電層220としてはPZT、PNNPT、PLZT、AlN、ZnOなどの圧電材料を用いることができて、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)またはチタン(Ti)などの元素を一つ以上含んで構成される圧電材料を用いることもできる。
このように構成された圧電駆動体210〜230は、下部電極層210と上部電極層230に電圧が印加されると、圧電層220が収縮または膨脹して駆動力を発生させて、生成された駆動力によって光ファイバー110の接触部位を左右に移動させる。
【0036】
一方、光源及び検出部100で検出器103は光源101と一体に形成したが、これと異なって、別途の装置で具現することができ、設置位置も光源101から離れた位置に設けることができる。
【0037】
図7は本発明の第1実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
図7を参照すると、本発明の第1実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンは、光を生成してディスプレーパネル320の表面上に周期的にスキャニングされる光を放射するスキャン装置310と、光を放出して映像を具現し、スキャン装置310から放射された光350または光380を反射または散乱させるためのフレーム340を有するディスプレーパネル320と、反射された光を受信し、距離測定対象物体(フレームやタッチ入力部材)までの距離を算出して出力する検出器330からなっている。
【0038】
ここで、前記スキャン装置310はフレーム340の一つの角に配置されることが好ましく、全体ディスプレーパネル320の表面の真上に周期的にスキャニングされる光を放射し、これによってディスプレーパネル320の表面は光350または光380によって周期的にスキャニングされる。
光350または光380はディスプレーパネル320の表面の真上の平面に放射されて、ディスプレーパネル320の表面と接触または近接しているタッチ入力部材によって中断される。
【0039】
光350または光380はディスプレーパネル320のフレーム340上で終わる時350で表示され、タッチ入力部材から散乱される瞬間には380で表示される。二つの参照番号350及び380は相異なる瞬間に同一の光で言及される。
例えば、使用者の指360のようなタッチ入力部材がディスプレーパネル320をタッチしないと、光350はディスプレーパネル320のフレーム340から反射または散乱される。
【0040】
一方、検出器330はディスプレーパネル320に接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、距離を算出して出力する。
このような検出器330はスキャン装置310の内部に設けられたり、隣接するように設けられることができて、前記スキャン装置310から離隔されて設けることもできる。
【0041】
この際、前記スキャン装置310に含まれる光源としてレーザーダイオードは、上述のように検出器330の一部としてさらに散乱された光を検出することに用いられることができる。この場合、レーザーダイオードの光出力は散乱された光によって変調(アンジュレーション(undulation))されて、このような変調は光ダイオードのような検出器330を構成する他の構成要素によってレーザーダイオードの出力電力を監視して検出される。
【0042】
レーザーダイオード自体が電流―変調されるため、このような結果はレーザーダイオードと光350の反射場所の間の距離を測定することに用いられることができる。
即ち、検出器330はレーザーダイオードの出力電力を検出し、これを用いてレーザーダイオードと光350の反射場所の間の距離を算出して出力する。
【0043】
一方、いかなるタッチ入力部材360もディスプレーパネル320と接触しないと、スキャン装置310と光が指示するフレーム340の地点の間の距離は再び散乱された光を受信した検出器330によって測定されて出力される。
タッチ入力部材360がディスプレーパネル320と接触すると、例えばディスプレーパネル320の下部370のような特定地点をタッチすると、角度αで放出された光380は中断されて、フレーム340に代り指360から反射または散乱される。
【0044】
従って、スキャン装置310と光380の反射場所の間の距離は、スキャン装置310と光が指示するフレーム340の地点の間の距離よりもっと短い距離になる。
このような距離変化は、ディスプレーパネル320がタッチされる場合に発生して、検出器330によって測定されて出力され、これを用いてタッチ位置を計算することができる。
【0045】
検出器330によって測定されて出力されるこのような距離変化の一例が図8に図示されている。図8で、スキャン装置310と反射場所の間の距離dは時間tによって測定される。
距離Sの第1部分Aはディスプレーパネル320がタッチされる前に測定された距離dを示す。
【0046】
前記測定された距離の部分A1は、光350による一つのスキャン周期の間に測定された距離を示し、前記スキャン周期は図7に図示された実施例で左側上部角から始まって右側下部角に、そして右側下部角から左側上部角に向けるものである。距離Sの部分A11はディスプレーパネル320の長側部(水平側)によるスキャンによって記録される一方、信号Sの部分A12はディスプレーパネル320の短側部(垂直側)によるスキャンによって記録される。いかなる信号も検出されない時の隙間A13は、スキャン方向を変化させる位置を示すのに用いられることができる吸収表面に光が衝突する時を示す。ディスプレーパネル320がタッチされる前に記録された距離は、ディスプレーパネル320がタッチされる瞬間に判読される距離を校正するのに用いられることができる。
【0047】
距離Sの次の部分Bはディスプレーパネル320がタッチされる間に測定された距離dを示す。信号の部分B2はディスプレーパネル320にかけて完全なスキャニングの間に記録される。これで分かるように、距離Sは、タッチ入力部材の光の反射によって測定されたもっと短い距離による低いピークB1を表す点で、期間Aと比べて期間Bで変化される。このようなもっと短い距離は、タッチ入力部材と検出器330の間の距離を示す。ピークB1の時間の長さは検出器330の距離によって考案されたディスプレーパネル320をタッチするタッチ入力部材の半径を示す一方、その位置は、スキャン装置310が位置するディスプレーパネル320の角に対するタッチ入力部材の角度の測定値である。このような方式で、この角に対するタッチ入力部材の角度は校正されることができる。
【0048】
絶対接触位置、即ち(x、y)―座標は光の角度及び距離から計算されることができる。フレーム340に対する距離を測定する間に生成された距離情報は、光の角度を校正するのに用いられることができる。タッチ入力部材が検出される時、タッチ入力部材を押す前及び押した後の光角度の間の平均はタッチ入力部材を押す間光の角度に対する良好な測定値である。
【0049】
スキャン装置310に電子機器を含んだ好ましい実施例は図9に図示されている。
図9は図7の電子機器を含んだスキャン装置の詳細図である。
図9に図示されたように、電子機器を含んだスキャン装置は、光源及び検出部400、光ファイバー410、支持体420、駆動体430、駆動体駆動部440、光源駆動ユニット450及び信号処理部460で構成されている。ここで、光源及び検出部400は光源401、レンズ402及び検出器403からなっている。
【0050】
このような構成で、光源401は光源駆動ユニット450によって駆動されて電流変調された光を生成して出射する。
前記検出器403は光源401から放射されて、フレームやタッチ入力部材から散乱されて反射される反射光を受信し、フレームやタッチ入力部材の距離を測定して信号処理部460に出力する。
【0051】
そして、光ファイバー410は光源401で生成された光を放射し、駆動体430の駆動によって矢印で表示されたように周期的に放射角が変化する光を放射する。
前記支持体420は光ファイバー410に回動軸を提供し、光ファイバー410が駆動体430の駆動によって回動するようにする。
【0052】
次に、前記駆動体430は駆動体駆動部440によって駆動される圧電駆動体を含んで、駆動体駆動部440によって駆動されて、接触された光ファイバー410を矢印で表示されたように周期的に変化させることができる回動力を発生させる。
そして、駆動体駆動部440は、駆動体430を構成する圧電駆動体の上部電極層と下部電極層に周期的に変化される電圧を印加して、前記駆動体430が光ファイバー410を周期的に変化させることができる回動力を発生させるようにする。
【0053】
一方、光源駆動ユニット450は光源401を制御して、電流変調される光を生成して出射するようにする。
そして、信号処理部460は光ファイバー410の放射角と検出器403によって測定された距離を用いてタッチ入力部材のタッチ位置を算出する。
【0054】
このような構成で、光源401は光源駆動ユニット450によって駆動されてレンズ402を通過した後、電気的に駆動された駆動体430に装着された光ファイバー410によって経路が変更される光350または光380を生成して放射する。この際、光源401は光源駆動ユニット450の制御によって電流変調されて、時間によって相異なる周波数を有する光を生成して出射する。
【0055】
そうすると、前記検出器403は、光源401から放射されてフレームやタッチ入力部材から散乱されて反射される反射光を受信して、フレームやタッチ入力部材の距離を測定して信号処理部460に出力する。
この際、光源401がレーザーダイオードであり、レーザーダイオードを前記検出器403としても用いる場合、タッチ入力部材によって散乱されて反射された光がレーザーダイオードに受信される場合に生成された光を変調させる。前記検出器403は、このような変調(アンジュレーション(undulation))を用いてレーザーダイオードとタッチ入力部材の距離を測定して出力する。
そして、信号処理部460は、光ファイバー410の放射角と検出器403によって測定された距離を用いてタッチ入力部材のタッチ位置を算出する。
【0056】
図10は本発明の第2実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
図10に図示された第2実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンと、図7に図示された第1実施例によるスキャン装置との差異点は、スキャン装置310、310’が角の両側に備えられているという点である。これによって、スキャン装置310、310’と隣接するように設けられた検出器330、330’も角の両側に備えられている。
【0057】
このように複数個のスキャン装置310、310’と検出器330、330’をタッチスクリーンに用いると、正確度が高いタッチ入力部材の位置を検出することができる。これに係って、その他の構成と動作は図7に図示された第1実施例によるタッチスクリーンと同一であるため、詳細な説明は省略する。
図11は本発明の第3実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【0058】
図11に図示された本発明の第3実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンと、図7と図10に開示された実施例との差異点は、検出器330がスキャン装置310から分離されて、フレーム340の他の角に設けられているという点である。このようにスキャン装置310と検出器330を分離すると、信号処理において単純な処理を遂行することができる。
【0059】
本発明の第3実施例に係って、その他の構成と動作は図7に図示された第1実施例によるタッチスクリーンと同一であるため、詳細な説明は省略する。
図12は本発明の第4実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【0060】
図12に図示された本発明の第4実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンと、図11に開示された実施例との差異点は、一つではなく2個の検出器330、330'’がスキャン装置310から分離されて、フレーム340の両方の角に設けられているという点である。このように検出器330、330'’を複数個で設けると、もっと正確な位置測定が可能である。
本発明の第4実施例に係って、その他の構成と動作は図7に図示された第1実施例によるタッチスクリーンと同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例に対して図示及び詳細に説明したが、本発明は上述した特定の実施例に限定されず、請求範囲にて請求する本発明の旨を外れることなく、該当発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実地は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来の一般的なカメラ方式のタッチスクリーン構成図である。
【図2】本発明の第1実施例による圧電方式スキャン装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による圧電方式スキャン装置の断面図である。
【図4】図2の光ファイバーの回動を示す例示図である。
【図5】図2の支持体の他の実施例を示す図面である。
【図6】図2の駆動体の詳細構成図である。
【図7】本発明の第1実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【図8】本発明の第1実施例による距離信号を図示した図面である。
【図9】図7の電子機器を含んだスキャン装置の詳細構成図である。
【図10】本発明の第2実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【図11】本発明の第3実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【図12】本発明の第4実施例によるスキャン装置を用いたタッチスクリーンの構成図である。
【符号の説明】
【0063】
100 光源及び検出部
101 光源
102 レンズ
103 検出器
110 光ファイバー
120 支持体
120a、120b 支持ブロック
130 駆動体
200 基板
210 下部電極層
220 圧電層
230 上部電極層
310、310' スキャン装置
320 ディスプレーパネル
330、330'、330'' 検出器
340 フレーム
350、380 光
360 タッチ入力部材
400 光源及び検出部
410 光ファイバー
420 支持体
430 駆動体
440 駆動体駆動部
450 光源駆動ユニット
460 信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を生成して出射する光源;
前記光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する光ファイバー;
前記光ファイバーの側面を支持して、前記光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する支持体;及び
前記支持体と前記光源の間に位置して、前記光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する駆動体を含むスキャン装置。
【請求項2】
前記光源に隣接するように設けられ、前記光ファイバーを通じて距離測定対象物体から反射される光を受信して、距離を測定して出力する検出器をさらに含む請求項1に記載のスキャン装置。
【請求項3】
前記支持体は板形で形成されていて、前記光ファイバーが貫通するホールを備え、前記ホールの周りに形成された支持板は周りが前記光ファイバーの側面を支持して、前記光ファイバーが回動されるようにする支持板からなることを特徴とする請求項1に記載のスキャン装置。
【請求項4】
前記支持体は前記光ファイバーが貫通するように形成されたギャップを置いて離隔されていて、前記光ファイバーが貫通する面の反対面に凹状に形成されている多数の支持ブロックからなることを特徴とする請求項1に記載のスキャン装置。
【請求項5】
前記駆動体は、
基板;及び
前記基板に積層されていて、圧電力によって駆動力を提供する圧電駆動体を含む請求項1に記載のスキャン装置。
【請求項6】
前記圧電駆動体は、
前記基板に積層される伝導性物質で形成された第1電極層;
前記第1電極層に積層されていて、圧電材料で形成された圧電層;及び
前記圧電層に積層されていて、伝導性物質で形成された第2電極層を含む請求項5に記載のスキャン装置。
【請求項7】
光を放出して映像を具現するディスプレーパネル;
前記ディスプレーパネルの表面全体にかけて周期的にスキャンされる光を前記ディスプレーパネルに平行で近接するように放射する第1スキャン装置;及び
前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、距離を算出して出力する第1検出器を含んで、
前記第1スキャン装置は、光を生成して出射する第1光源;
前記第1光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する第1光ファイバー;
前記第1光ファイバーの側面部位を支持して、前記第1光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する第1支持体;及び
前記第1支持体と前記第1光源の間に位置して、前記第1光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する第1駆動体を含むことを特徴とするタッチスクリーン。
【請求項8】
前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、距離を算出して出力する第2検出器をさらに含む請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
前記第1検出器は、前記第1スキャン装置の内部に第1光源に隣接するように設けられていて、前記第1光ファイバーを通じて入射される入射光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力することを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項10】
前記第1駆動体は、
基板;
前記基板に積層される伝導性物質で形成された第1電極層;
前記第1電極層に積層されていて、圧電材料で形成された圧電層;及び
前記圧電層に積層されていて、伝導性物質で形成された第2電極層からなる請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項11】
前記第1検出器から出力されるタッチ入力部材の距離と前記第1スキャン装置の放射角度を確認して、前記タッチ入力部材の位置を把握する信号処理部をさらに含む請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項12】
前記第1スキャン装置から離隔されて設けられていて、前記ディスプレーパネルの全体にかけて周期的にスキャニングされる光を前記ディスプレーパネルに平行で近接するように放射する第2スキャン装置をさらに含んで、
前記第2スキャン装置は、
光を生成して出射する第2光源;
前記第2光源に一端部が接続されて、光源から出射される光を伝送する伝送ラインを提供する第2光ファイバー;
前記第2光ファイバーの側面部位を支持して、前記第2光ファイバーが回動されるように回動軸を提供する第2支持体;及び
前記第2支持体と前記第2光源の間に位置して、前記第2光ファイバーを回動させる駆動力を圧電力を用いて提供する第2駆動体を含むことを特徴とする請求項7に記載のタッチスクリーン。
【請求項13】
前記第1検出器から離隔されていて、前記ディスプレーパネルに接触または近接するタッチ入力部材から反射または散乱された光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力する第3検出器をさらに含む請求項12に記載のタッチスクリーン。
【請求項14】
前記第3検出器は前記第2スキャン装置の内部に前記第2光源に隣接するように設けられていて、前記第2光ファイバーを通じて入射される入射光を受信して、タッチ入力部材の距離を測定して出力することを特徴とする請求項13に記載のタッチスクリーン。
【請求項15】
前記第1検出器と第3検出器から出力されるタッチ入力部材の距離と前記第1スキャン装置と第2スキャン装置の放射角度を確認して、前記タッチ入力部材の位置を把握する信号処理部をさらに含む請求項14に記載のタッチスクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−22663(P2012−22663A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225322(P2010−225322)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】