圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
【課題】信頼性が向上した圧電素子、この圧電素子を備えた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】圧電体層30の凹部32内に第2電極40が形成される。これによれば、第2電極40の側面420が圧電体層30で覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。したがって、放電が発生しづらくなる。
【解決手段】圧電体層30の凹部32内に第2電極40が形成される。これによれば、第2電極40の側面420が圧電体層30で覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。したがって、放電が発生しづらくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度、高速駆動を可能にするため、薄膜技術を用いて製造できる圧電素子や液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッドが知られている。例えば、特許文献1には、薄膜技術を用いて製造できるインクジェット式記録ヘッドおよび液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のインクジェット式記録ヘッドは、振動板の上に設けられた第1電極としての下電極を圧電体層が覆い、複数の該圧電体層を連続して覆うように第2電極としての上電極が設けられた圧電素子を有する。このような圧電素子は、例えば、第2電極により、圧電体層に対する大気中の水分等の影響を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構造の圧電素子に電圧が印加されて駆動する場合、第2電極の側面のエッジ部に電界が集中しやすく、その結果、圧電体層の絶縁破壊が発生する可能性がある。
【0006】
上記事情に鑑み、第2電極の側面付近での電界集中を緩和させ、信頼性が向上した圧電素子、この圧電素子を備えた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[適用例1]
本適用例に係る圧電素子は、第1電極と、前記第1電極上に形成され、圧電体からなる圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子であって、前記圧電体層は、前記第2電極側の表面に凹部を有し、前記第2電極が前記凹部内に形成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2電極の側面が凹部の内面と接触して覆われているので、第1電極と、第2電極の側面との間の誘電率が一定となり、第2電極の側面のエッジ部の電界集中を緩和することができる。したがって、圧電体層の絶縁破壊が減少し、信頼性が向上した圧電素子が得られる。
【0008】
[適用例2]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記圧電体層は同一材料からなることが好ましい。
本適用例によれば、同一材料であるため、異なる材料間の界面における電界集中をより抑制し、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0009】
[適用例3]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記圧電体層は前記凹部の底面を構成する材料と前記凹部の側面を構成する材料とが異なっており、前記凹部の前記側面を構成する材料の誘電率が前記凹部の前記底面を構成する材料の誘電率より高いことが好ましい。
本適用例によれば、凹部の側面を構成する材料の誘電率が、凹部の底面を構成する材料の誘電率より高いため、第2電極の側面付近の電界集中をさらに緩和させ、信頼性をさらに向上させることができる。
【0010】
[適用例4]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記第2電極の厚みは、凹部の深さより薄いことが好ましい。
本適用例によれば、第2電極が凹部より上に出ることがなく、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0011】
[適用例5]
本発明の態様の1つである液体噴射ヘッドは、上記の圧電素子を含む。
本適用例によれば、上記いずれかの圧電素子を有し、前述の効果を達成できる液体噴射ヘッドを提供することができる。
【0012】
[適用例6]
本発明の態様の1つである液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドを含む。
本適用例によれば、上記液体噴射ヘッドを有し、前述の効果を達成できる液体噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は、実施形態の圧電素子を模式的に示す平面図、(b)は、(a)に示すA−Aにおける模式断面図、(c)は、(a)に示すB−B線における模式断面図。
【図2】(a)〜(g)は、圧電素子の製造工程を示す模式断面図。
【図3】(a)および(b)は、変形例に係る圧電素子の模式断面図。
【図4】実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を示す模式断面図。
【図5】実施形態に係る液体噴射ヘッドを示す模式分解斜視図。
【図6】実施形態に係る液体噴射装置を示す模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.圧電素子
1−1.圧電素子の構造
図1(a)は、実施形態の圧電素子100を模式的に示す平面図、(b)は、(a)に示すA−A線における圧電素子を示す模式断面図、(c)は、(a)に示すB−B線における圧電素子100を示す模式断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る圧電素子100は、振動板10、第1電極20、圧電体層30および第2電極40を含む。
【0016】
図1(a)において、圧電素子100は、振動板10を基板として形成される。図1(a)に示すように、圧電素子100は、一方向に延びるように形成されていてもよい。ここで、圧電素子100が延びる方向を第1の方向110とする。また、図1(a)に示すように、第1の方向110と交差する方向を第2の方向120とする。
【0017】
振動板10には、例えば、導電体、半導体、絶縁体の少なくとも1つを用いて形成されたプレート状の基板を用いることができる。図示はしないが、振動板10は、複数の層の積層体であってもよい。振動板10の材質としては、例えば、窒化シリコンなどの無機窒化物、酸化ジルコニウム、酸化シリコン、酸化チタンなどの無機酸化物、ニッケル、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。振動板10の厚みは、用いる材質の弾性率などにしたがって最適に選ばれる。振動板10は、圧電体層30の動作により、撓んだり、振動したりすることができる。
【0018】
第1電極20は、第2電極40と対になり、圧電体層30を挟む一方の電極として機能する。第1電極20は、例えば、圧電素子100の下部電極であってもよい。図示はされないが、第1電極20は、駆動回路と電気的に接続しているリード配線と電気的に接続されている。第1電極20とリード配線との電気的接続方法は、特に限定されない。
また、第1電極20の材質は、導電性を有する物質である限り特に限定されない。第1電極20の材質として、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Cr、Ag、Pd、Cuなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、第1電極20は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
【0019】
圧電体層30は、図1(a)、図1(b)および図1(c)に示されるように、振動板10および第1電極20の上に形成される。
圧電体層30は、図1(c)に示すように、圧電体層30の面31において凹部32を有する。
ここで、本発明において、「凹部」という文言は、公知のMEMS加工において、意図的にパターニングすることにより形成された凹部を意味する。したがって、より微視化することによって、物質の表面において不可避的に確認される凹部は、本発明の「凹部」の文言範囲として含まれないものとする。
【0020】
凹部32の形状は、圧電体層30の面31において、窪みを形成することができる限り特に限定されない。例えば、図1(c)に示すように、凹部32は、その底面33が、第1の方向110において延びるように形成されていてもよい。つまりは、凹部32は、溝状凹部であってもよい。
図1(c)に示すように、凹部32の内面は、底面33と面31における開口部に連続したテーパー状の側面34とから構成される。ここで、図1(c)に示すように、側面34および底面33が連結する部分が角部35を形成する。ここで、角部35の形成する角度は、鈍角であってもよい。
また、図示はされないが、凹部32の内面は、側面および底面が連続した面であって、例えば略円弧状の連続した曲面から形成されていてもよい。
【0021】
圧電体層30の材質としては、圧電特性を有する圧電材料であれば特に限定されないが、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。このような材質の具体的な例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などが挙げられる。例えば、圧電体層30は、これらの圧電材料を用いた同一材料からなる。
【0022】
図1(c)に示すように、第2電極40は、圧電体層30の凹部32内に形成される。これによれば、第2電極40の底面410および側面420が圧電体層30に覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。ここで、凹部32内に形成されるとは、図1(c)に示すように、第2電極40の上面430が、凹部32の開口部(面31)より外側には突出せず、第2電極40の上面430が、凹部32の開口部(面31)と同一面または内側に位置するように形成されることを意味する。
【0023】
第2電極40は、図1(a)および図1(b)に示すように、第2の方向120において、圧電体層30を覆うように形成されていてもよい。また、図示はされないが、第2電極40は、複数の隣り合う圧電体層30を連続して覆っていてもよい。
【0024】
第2電極40は、第1電極20と対になり、圧電体層30を挟む一方の電極として機能する。第1電極20が下部電極である場合は、第2電極40は上部電極であってもよい。第2電極40は、図示しない駆動回路と電気的に接続されている。第2電極40と駆動回路との電気的接続方法は、特に限定されない。例えば、第2電極40と駆動回路とは、図示されないリード配線を介して電気的に接続されていてもよい。
また、図示はされないが、第2電極40の一部の表面には絶縁性保護膜が形成されていてもよい。
【0025】
第2電極40の材質は、導電性を有する物質である限り特に限定されない。第2電極40の材質として、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Ta、Mo、Cr、Pd、Cuなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、第2電極40は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
【0026】
以上のいずれかの構成により、実施形態に係る圧電素子100を構成することができる。
実施形態に係る圧電素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
実施形態に係る圧電素子100によれば、圧電体層30の凹部32内に第2電極40が形成される。これによれば、第2電極40の側面420が圧電体層30で覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。したがって、放電が発生しづらくなる。
以上より、圧電体層を覆うように形成された第2電極を有する圧電素子と比べて、より信頼性の高い圧電素子100を提供することができる。
【0027】
1−2.圧電素子の製造方法
次に、実施形態に係る圧電素子100の製造方法について説明する。図2(a)〜図2(g)は、実施形態の圧電素子100の製造工程を模式的に示す断面図である。各図において、左図は、第1の方向110における断面図であり、右図は、第2の方向120における断面図である。
【0028】
図2(a)に示すように振動板10に導電層20aを形成する。ここで、導電層20aの詳細な構成は、前述されているため、省略する。導電層20aは、公知の成膜技術によって形成されてもよい。例えば、図示はされないが、白金、イリジウム等をスパッタリング法等によって積層することによって導電層20aを形成してもよい。
【0029】
次に、図2(b)に示すように、導電層20aを所定の形状にエッチングすることによって第1電極20を形成してもよい。ここで、図示はされないが、第1電極20を形成するための導電層20aがエッチングによってパターニングされる前に、導電層20aの上に圧電体層30と同じ材料からなる膜を形成してもよい。この膜は、少なくとも、所望の形状にパターニングされる第1電極20が形成される領域に形成されてもよい。これによれば、第1電極20をパターニングするエッチング工程において、使用されるエッチャントによる化学的なダメージから第1電極20と圧電体層30との結晶配向の低下を保護することができる。
【0030】
次に、図2(c)に示すように、第1電極20を覆うように圧電体層30を形成する。ここで、圧電体層30の詳細な構成は、前述されているため、省略する。圧電体層30は、塗布法などにより成膜された圧電体層膜をパターニングすることによって形成される。具体的には、圧電体層膜は、例えば、公知の圧電材料である前駆体を振動板10と第1電極20を覆うように塗布して加熱処理されて形成されてもよい。用いられる前駆体としては、加熱処理によって焼成した後、分極処理され、圧電特性を発生させるものであれば特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等の前駆体を用いてもよい。
【0031】
ここで、例えば圧電体層30をチタン酸ジルコン酸鉛によって形成する場合、図示はされないが、チタンからなる中間チタン層を振動板10と第1電極20の上に形成した後に、圧電材料である前駆体を塗布したりしてもよい。これによれば、前駆体を加熱処理によって、圧電体層30を結晶成長させる際、振動板10上での結晶大粒の発生を抑制できる。なお、中間チタン層は加熱処理時に圧電体層30の結晶内に取り込まれることができる。
【0032】
次に、図2(d)および図2(e)に示すように、圧電体層30を所望の形状にパターニングする。このとき、圧電体層30の面31に凹部32も形成する。図2(e)には、圧電体層30の表面である面31を破線で示した。図では、エッチングされる前の面31の位置を、凹部32の位置も示してある。
圧電体層30のパターニングは、例えば、所望の位置にレジストを形成し、公知のフォトリソグラフィー技術および/またはエッチング技術によって行われることができる。エッチング技術を用いる場合、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
【0033】
次に、図2(f)に示すように、第2電極40を圧電体層30の上に形成する。ここで、第2電極40の詳細な構成は、前述されているため、省略する。第2電極40は、公知の成膜技術によって形成されてもよい。第2電極40は、例えば、白金、イリジウム等をスパッタリング法等によって積層することによって形成してもよい。
ここで、第2電極40は、凹部32を埋めるように形成される。
【0034】
次に、図2(g)に示すように、第2電極40を所望の形状にパターニングする。第2電極40のパターニングは、例えば、所望の位置にレジストを形成し、公知のフォトリソグラフィー技術および/またはエッチング技術によって行われることができる。エッチング技術を用いる場合、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
【0035】
本発明は、上述した圧電素子100の製造方法に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。
【0036】
以下に、圧電素子100の変形例を示す。図3(a)及び図3(b)は、実施形態の変形例に係る圧電素子100を示す模式断面図である。
図3(a)に変形例1を、図3(b)に変形例2を示した。
(変形例1)
図3(a)において、圧電体層30は、複数の材料を積層した構造であってもよい。例えば、圧電体層30は、第1の圧電体層36と第1の圧電体層36上に形成された第2の圧電体層37とを備えている。ここで、第1の圧電体層36の誘電率より第2の圧電体層37の誘電率が高いのが好ましい。
凹部32は、第2の圧電体層37に、第1の圧電体層36が露出するまで形成され、凹部32の底面33は第1の圧電体層36で構成されている。また、第2電極40の側面420は、第2の圧電体層37で覆われている。
これによれば、凹部32に形成された第2電極40の側面420付近の電界集中をさらに緩和させ、信頼性をさらに向上させることができる。
【0037】
(変形例2)
図3(b)において、第2電極40の厚みは、凹部32の深さより薄く形成されている。
これによれば、第2電極40が凹部32の開口部(破線で示した面31の位置)より上に出ることがなく、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0038】
2.液体噴射ヘッド
次に、実施形態に係る圧電素子100を有する液体噴射ヘッド200について、図面を参照しながら説明する。図4は、実施形態に係る液体噴射ヘッド200の要部を示す模式断面図である。図5は、実施形態に係る液体噴射ヘッド200の分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下を逆に示したものである。なお、図5では、圧電素子100を簡略化して図示している。
【0039】
図4および図5に示すように、液体噴射ヘッド200は、上述の圧電素子100を備えている。また、液体噴射ヘッド200は、図4および図5に示すように、ノズル孔212が形成されたノズル板210と、圧力室222を形成するための圧力室基板220とを含む。
【0040】
圧電素子100の数は特に限定されず、複数形成されていてよい。なお、圧電素子100が複数形成される場合は、振動板10は共通の基板となり、複数の第1電極20が形成され、かつ、第2電極40が共通電極となる。さらに、液体噴射ヘッド200は、図5に示すように、筐体230を有することができる。
【0041】
ノズル板210は、図4および図5に示すように、ノズル孔212を有する。ノズル孔212からは、インクなどの液体等(液体のみならず、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したもの、又は、メタルフレーク等を含むものなどを含む。以下同じ。)を液滴として吐出されることができる。ノズル板210には、例えば、多数のノズル孔212が一列に設けられている。ノズル板210の材質としては、例えば、シリコン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。
【0042】
圧力室基板220は、ノズル板210上(図5の例では下)に設けられている。圧力室基板220の材質としては、例えば、シリコンなどを例示することができる。圧力室基板220がノズル板210と振動板10との間の空間を区画することにより、図5に示すように、リザーバー(液体貯留部)224と、リザーバー224と連通する供給口226と、供給口226と連通する圧力室222と、が設けられている。この例では、リザーバー224と、供給口226と、圧力室222とを区別して説明するが、これらはいずれも液体等の流路であって、このような流路はどのように設計されても構わない。また例えば、供給口226は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、必ずしも必須の構成ではない。
【0043】
リザーバー224、供給口226および圧力室222は、ノズル板210と圧力室基板220と振動板10とによって区画されている。ここで、振動板10は、圧電素子100を含む液体噴射ヘッド200の可動部分となることができ、圧力室222などの壁の一部を構成している。
リザーバー224は、外部(例えばインクカートリッジ)から、振動板10に設けられた貫通孔228を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー224内のインクは、供給口226を介して、圧力室222に供給されることができる。圧力室222は、振動板10の変形により容積が変化する。圧力室222はノズル孔212と連通しており、圧力室222の容積が変化することによって、ノズル孔212から液体等が吐出される。
【0044】
振動板10が圧電素子100を含む液体噴射ヘッド200の振動板である場合は、振動板10の厚みは、例えば、200nm以上5000nm以下とすることができる。振動板10の厚みが200nmよりも薄いと、振動等の機械的出力を取り出しにくくなることがあり、5000nmよりも厚いと、振動等が生じなくなる場合がある。
【0045】
圧電素子100は、圧力室基板220上(図5の例では下)に設けられている。圧電素子100は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板10は、積層構造(圧電体層30)の動作によって変形し、圧力室222の内部圧力を適宜変化させることができる。
筐体230は、図5に示すように、ノズル板210、圧力室基板220および圧電素子100を収納することができる。筐体230の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
【0046】
液体噴射ヘッド200は、信頼性が向上した圧電素子100を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液体噴射ヘッド200を実現できる。
【0047】
なお、ここでは、液体噴射ヘッド200がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッド200は、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
【0048】
3.液体噴射装置
次に、実施形態に係る液体噴射装置300について、図面を参照しながら説明する。液体噴射装置300は、上述の液体噴射ヘッド200を有する。以下では、液体噴射装置300が上述の液体噴射ヘッド200を有するインクジェットプリンターである場合について説明する。図6は、実施形態に係る液体噴射装置300を示す模式斜視図である。
【0049】
液体噴射装置300は、図6に示すように、ヘッドユニット330と、駆動部310と、制御部360と、を含む。さらに、液体噴射装置300は、装置本体320と、給紙部350と、記録用紙Pを設置するトレイ321と、記録用紙Pを排出する排出口322と、装置本体320の上面に配置された操作パネル370と、を含むことができる。
【0050】
ヘッドユニット330は、上述した液体噴射ヘッド200から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット330は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ331と、ヘッドおよびインクカートリッジ331を搭載した運搬部(キャリッジ)332と、を備える。
【0051】
駆動部310は、ヘッドユニット330を往復動させることができる。駆動部310は、ヘッドユニット330の駆動源となるキャリッジモーター341と、キャリッジモーター341の回転を受けて、ヘッドユニット330を往復動させる往復動機構342と、を有する。
【0052】
往復動機構342は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸344と、キャリッジガイド軸344と平行に延在するタイミングベルト343と、を備える。キャリッジガイド軸344は、キャリッジ332が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ332を支持している。さらに、キャリッジ332は、タイミングベルト343の一部に固定されている。キャリッジモーター341の作動により、タイミングベルト343を走行させると、キャリッジガイド軸344に導かれて、ヘッドユニット330が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0053】
なお、実施形態では、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置300は、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であってもよい。また、実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置300によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
【0054】
制御部360は、ヘッドユニット330、駆動部310および給紙部350を制御することができる。
【0055】
給紙部350は、記録用紙Pをトレイ321からヘッドユニット330側へ送り込むことができる。給紙部350は、その駆動源となる給紙モーター351と、給紙モーター351の作動により回転する給紙ローラー352と、を備える。給紙ローラー352は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー352aおよび駆動ローラー352bを備える。駆動ローラー352bは、給紙モーター351に連結されている。制御部360によって給紙部350が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット330の下方を通過するように送られる。
【0056】
ヘッドユニット330、駆動部310、制御部360および給紙部350は、装置本体320の内部に設けられている。
【0057】
液体噴射装置300は、信頼性が向上した圧電素子100を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液体噴射装置300を実現できる。
【0058】
なお、上記例示した液体噴射装置300は、1つの液体噴射ヘッド200を有し、この液体噴射ヘッド200によって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液体噴射ヘッド200を有してもよい。液体噴射装置300が複数の液体噴射ヘッド200を有する場合には、複数の液体噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液体噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
【0059】
以上、本発明に係る液体噴射装置300の一例として、インクジェットプリンターとしてのインクジェット式記録装置を説明したが、本発明に係る液体噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体等(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明の液体噴射装置は、例示したプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
【0060】
なお、上述した実施形態および各種の変形は、それぞれ一例であって、本発明は、これらに限定されるわけではない。例えば実施形態および各変形は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0062】
10…振動板、20…第1電極、20a…導電層、30…圧電体層、31…面、32…凹部、33…底面、34…側面、35…角部、36…第1の圧電体層、37…第2の圧電体層、40…第2電極、100…圧電素子、110…第1の方向、120…第2の方向、200…液体噴射ヘッド、210…ノズル板、212…ノズル孔、220…圧力室基板、222…圧力室、224…リザーバー、226…供給口、228…貫通孔、230…筐体、300…液体噴射装置、310…駆動部、320…装置本体、321…トレイ、322…排出口、330…ヘッドユニット、331…インクカートリッジ、332…キャリッジ、341…キャリッジモーター、342…往復動機構、343…タイミングベルト、344…キャリッジガイド軸、350…給紙部、351…給紙モーター、352…給紙ローラー、352a…従動ローラー、352b…駆動ローラー、360…制御部、370…操作パネル、410…底面、420…側面、430…上面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度、高速駆動を可能にするため、薄膜技術を用いて製造できる圧電素子や液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッドが知られている。例えば、特許文献1には、薄膜技術を用いて製造できるインクジェット式記録ヘッドおよび液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載のインクジェット式記録ヘッドは、振動板の上に設けられた第1電極としての下電極を圧電体層が覆い、複数の該圧電体層を連続して覆うように第2電極としての上電極が設けられた圧電素子を有する。このような圧電素子は、例えば、第2電極により、圧電体層に対する大気中の水分等の影響を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構造の圧電素子に電圧が印加されて駆動する場合、第2電極の側面のエッジ部に電界が集中しやすく、その結果、圧電体層の絶縁破壊が発生する可能性がある。
【0006】
上記事情に鑑み、第2電極の側面付近での電界集中を緩和させ、信頼性が向上した圧電素子、この圧電素子を備えた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[適用例1]
本適用例に係る圧電素子は、第1電極と、前記第1電極上に形成され、圧電体からなる圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子であって、前記圧電体層は、前記第2電極側の表面に凹部を有し、前記第2電極が前記凹部内に形成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2電極の側面が凹部の内面と接触して覆われているので、第1電極と、第2電極の側面との間の誘電率が一定となり、第2電極の側面のエッジ部の電界集中を緩和することができる。したがって、圧電体層の絶縁破壊が減少し、信頼性が向上した圧電素子が得られる。
【0008】
[適用例2]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記圧電体層は同一材料からなることが好ましい。
本適用例によれば、同一材料であるため、異なる材料間の界面における電界集中をより抑制し、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0009】
[適用例3]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記圧電体層は前記凹部の底面を構成する材料と前記凹部の側面を構成する材料とが異なっており、前記凹部の前記側面を構成する材料の誘電率が前記凹部の前記底面を構成する材料の誘電率より高いことが好ましい。
本適用例によれば、凹部の側面を構成する材料の誘電率が、凹部の底面を構成する材料の誘電率より高いため、第2電極の側面付近の電界集中をさらに緩和させ、信頼性をさらに向上させることができる。
【0010】
[適用例4]
上記適用例に記載の圧電素子は、前記第2電極の厚みは、凹部の深さより薄いことが好ましい。
本適用例によれば、第2電極が凹部より上に出ることがなく、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0011】
[適用例5]
本発明の態様の1つである液体噴射ヘッドは、上記の圧電素子を含む。
本適用例によれば、上記いずれかの圧電素子を有し、前述の効果を達成できる液体噴射ヘッドを提供することができる。
【0012】
[適用例6]
本発明の態様の1つである液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドを含む。
本適用例によれば、上記液体噴射ヘッドを有し、前述の効果を達成できる液体噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は、実施形態の圧電素子を模式的に示す平面図、(b)は、(a)に示すA−Aにおける模式断面図、(c)は、(a)に示すB−B線における模式断面図。
【図2】(a)〜(g)は、圧電素子の製造工程を示す模式断面図。
【図3】(a)および(b)は、変形例に係る圧電素子の模式断面図。
【図4】実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を示す模式断面図。
【図5】実施形態に係る液体噴射ヘッドを示す模式分解斜視図。
【図6】実施形態に係る液体噴射装置を示す模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0015】
1.圧電素子
1−1.圧電素子の構造
図1(a)は、実施形態の圧電素子100を模式的に示す平面図、(b)は、(a)に示すA−A線における圧電素子を示す模式断面図、(c)は、(a)に示すB−B線における圧電素子100を示す模式断面図である。
図1に示すように、実施形態に係る圧電素子100は、振動板10、第1電極20、圧電体層30および第2電極40を含む。
【0016】
図1(a)において、圧電素子100は、振動板10を基板として形成される。図1(a)に示すように、圧電素子100は、一方向に延びるように形成されていてもよい。ここで、圧電素子100が延びる方向を第1の方向110とする。また、図1(a)に示すように、第1の方向110と交差する方向を第2の方向120とする。
【0017】
振動板10には、例えば、導電体、半導体、絶縁体の少なくとも1つを用いて形成されたプレート状の基板を用いることができる。図示はしないが、振動板10は、複数の層の積層体であってもよい。振動板10の材質としては、例えば、窒化シリコンなどの無機窒化物、酸化ジルコニウム、酸化シリコン、酸化チタンなどの無機酸化物、ニッケル、ステンレス鋼などの合金を用いることができる。振動板10の厚みは、用いる材質の弾性率などにしたがって最適に選ばれる。振動板10は、圧電体層30の動作により、撓んだり、振動したりすることができる。
【0018】
第1電極20は、第2電極40と対になり、圧電体層30を挟む一方の電極として機能する。第1電極20は、例えば、圧電素子100の下部電極であってもよい。図示はされないが、第1電極20は、駆動回路と電気的に接続しているリード配線と電気的に接続されている。第1電極20とリード配線との電気的接続方法は、特に限定されない。
また、第1電極20の材質は、導電性を有する物質である限り特に限定されない。第1電極20の材質として、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Cr、Ag、Pd、Cuなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、第1電極20は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
【0019】
圧電体層30は、図1(a)、図1(b)および図1(c)に示されるように、振動板10および第1電極20の上に形成される。
圧電体層30は、図1(c)に示すように、圧電体層30の面31において凹部32を有する。
ここで、本発明において、「凹部」という文言は、公知のMEMS加工において、意図的にパターニングすることにより形成された凹部を意味する。したがって、より微視化することによって、物質の表面において不可避的に確認される凹部は、本発明の「凹部」の文言範囲として含まれないものとする。
【0020】
凹部32の形状は、圧電体層30の面31において、窪みを形成することができる限り特に限定されない。例えば、図1(c)に示すように、凹部32は、その底面33が、第1の方向110において延びるように形成されていてもよい。つまりは、凹部32は、溝状凹部であってもよい。
図1(c)に示すように、凹部32の内面は、底面33と面31における開口部に連続したテーパー状の側面34とから構成される。ここで、図1(c)に示すように、側面34および底面33が連結する部分が角部35を形成する。ここで、角部35の形成する角度は、鈍角であってもよい。
また、図示はされないが、凹部32の内面は、側面および底面が連続した面であって、例えば略円弧状の連続した曲面から形成されていてもよい。
【0021】
圧電体層30の材質としては、圧電特性を有する圧電材料であれば特に限定されないが、一般式ABO3で示されるペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。このような材質の具体的な例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO3)などが挙げられる。例えば、圧電体層30は、これらの圧電材料を用いた同一材料からなる。
【0022】
図1(c)に示すように、第2電極40は、圧電体層30の凹部32内に形成される。これによれば、第2電極40の底面410および側面420が圧電体層30に覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。ここで、凹部32内に形成されるとは、図1(c)に示すように、第2電極40の上面430が、凹部32の開口部(面31)より外側には突出せず、第2電極40の上面430が、凹部32の開口部(面31)と同一面または内側に位置するように形成されることを意味する。
【0023】
第2電極40は、図1(a)および図1(b)に示すように、第2の方向120において、圧電体層30を覆うように形成されていてもよい。また、図示はされないが、第2電極40は、複数の隣り合う圧電体層30を連続して覆っていてもよい。
【0024】
第2電極40は、第1電極20と対になり、圧電体層30を挟む一方の電極として機能する。第1電極20が下部電極である場合は、第2電極40は上部電極であってもよい。第2電極40は、図示しない駆動回路と電気的に接続されている。第2電極40と駆動回路との電気的接続方法は、特に限定されない。例えば、第2電極40と駆動回路とは、図示されないリード配線を介して電気的に接続されていてもよい。
また、図示はされないが、第2電極40の一部の表面には絶縁性保護膜が形成されていてもよい。
【0025】
第2電極40の材質は、導電性を有する物質である限り特に限定されない。第2電極40の材質として、例えば、Ni、Ir、Au、Pt、W、Ti、Ta、Mo、Cr、Pd、Cuなどの各種の金属およびこれらの金属の合金、それらの導電性酸化物(例えば酸化イリジウムなど)、SrとRuの複合酸化物、LaとNiの複合酸化物などを用いることができる。また、第2電極40は、例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。
【0026】
以上のいずれかの構成により、実施形態に係る圧電素子100を構成することができる。
実施形態に係る圧電素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
実施形態に係る圧電素子100によれば、圧電体層30の凹部32内に第2電極40が形成される。これによれば、第2電極40の側面420が圧電体層30で覆われているため、第2電極40の側面420付近の電界集中を緩和することができる。したがって、放電が発生しづらくなる。
以上より、圧電体層を覆うように形成された第2電極を有する圧電素子と比べて、より信頼性の高い圧電素子100を提供することができる。
【0027】
1−2.圧電素子の製造方法
次に、実施形態に係る圧電素子100の製造方法について説明する。図2(a)〜図2(g)は、実施形態の圧電素子100の製造工程を模式的に示す断面図である。各図において、左図は、第1の方向110における断面図であり、右図は、第2の方向120における断面図である。
【0028】
図2(a)に示すように振動板10に導電層20aを形成する。ここで、導電層20aの詳細な構成は、前述されているため、省略する。導電層20aは、公知の成膜技術によって形成されてもよい。例えば、図示はされないが、白金、イリジウム等をスパッタリング法等によって積層することによって導電層20aを形成してもよい。
【0029】
次に、図2(b)に示すように、導電層20aを所定の形状にエッチングすることによって第1電極20を形成してもよい。ここで、図示はされないが、第1電極20を形成するための導電層20aがエッチングによってパターニングされる前に、導電層20aの上に圧電体層30と同じ材料からなる膜を形成してもよい。この膜は、少なくとも、所望の形状にパターニングされる第1電極20が形成される領域に形成されてもよい。これによれば、第1電極20をパターニングするエッチング工程において、使用されるエッチャントによる化学的なダメージから第1電極20と圧電体層30との結晶配向の低下を保護することができる。
【0030】
次に、図2(c)に示すように、第1電極20を覆うように圧電体層30を形成する。ここで、圧電体層30の詳細な構成は、前述されているため、省略する。圧電体層30は、塗布法などにより成膜された圧電体層膜をパターニングすることによって形成される。具体的には、圧電体層膜は、例えば、公知の圧電材料である前駆体を振動板10と第1電極20を覆うように塗布して加熱処理されて形成されてもよい。用いられる前駆体としては、加熱処理によって焼成した後、分極処理され、圧電特性を発生させるものであれば特に限定されず、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等の前駆体を用いてもよい。
【0031】
ここで、例えば圧電体層30をチタン酸ジルコン酸鉛によって形成する場合、図示はされないが、チタンからなる中間チタン層を振動板10と第1電極20の上に形成した後に、圧電材料である前駆体を塗布したりしてもよい。これによれば、前駆体を加熱処理によって、圧電体層30を結晶成長させる際、振動板10上での結晶大粒の発生を抑制できる。なお、中間チタン層は加熱処理時に圧電体層30の結晶内に取り込まれることができる。
【0032】
次に、図2(d)および図2(e)に示すように、圧電体層30を所望の形状にパターニングする。このとき、圧電体層30の面31に凹部32も形成する。図2(e)には、圧電体層30の表面である面31を破線で示した。図では、エッチングされる前の面31の位置を、凹部32の位置も示してある。
圧電体層30のパターニングは、例えば、所望の位置にレジストを形成し、公知のフォトリソグラフィー技術および/またはエッチング技術によって行われることができる。エッチング技術を用いる場合、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
【0033】
次に、図2(f)に示すように、第2電極40を圧電体層30の上に形成する。ここで、第2電極40の詳細な構成は、前述されているため、省略する。第2電極40は、公知の成膜技術によって形成されてもよい。第2電極40は、例えば、白金、イリジウム等をスパッタリング法等によって積層することによって形成してもよい。
ここで、第2電極40は、凹部32を埋めるように形成される。
【0034】
次に、図2(g)に示すように、第2電極40を所望の形状にパターニングする。第2電極40のパターニングは、例えば、所望の位置にレジストを形成し、公知のフォトリソグラフィー技術および/またはエッチング技術によって行われることができる。エッチング技術を用いる場合、ウェットエッチングまたはドライエッチングを用いることができる。
【0035】
本発明は、上述した圧電素子100の製造方法に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。
【0036】
以下に、圧電素子100の変形例を示す。図3(a)及び図3(b)は、実施形態の変形例に係る圧電素子100を示す模式断面図である。
図3(a)に変形例1を、図3(b)に変形例2を示した。
(変形例1)
図3(a)において、圧電体層30は、複数の材料を積層した構造であってもよい。例えば、圧電体層30は、第1の圧電体層36と第1の圧電体層36上に形成された第2の圧電体層37とを備えている。ここで、第1の圧電体層36の誘電率より第2の圧電体層37の誘電率が高いのが好ましい。
凹部32は、第2の圧電体層37に、第1の圧電体層36が露出するまで形成され、凹部32の底面33は第1の圧電体層36で構成されている。また、第2電極40の側面420は、第2の圧電体層37で覆われている。
これによれば、凹部32に形成された第2電極40の側面420付近の電界集中をさらに緩和させ、信頼性をさらに向上させることができる。
【0037】
(変形例2)
図3(b)において、第2電極40の厚みは、凹部32の深さより薄く形成されている。
これによれば、第2電極40が凹部32の開口部(破線で示した面31の位置)より上に出ることがなく、信頼性をさらに向上させることができると共に、効率的に製造することが可能となる。
【0038】
2.液体噴射ヘッド
次に、実施形態に係る圧電素子100を有する液体噴射ヘッド200について、図面を参照しながら説明する。図4は、実施形態に係る液体噴射ヘッド200の要部を示す模式断面図である。図5は、実施形態に係る液体噴射ヘッド200の分解斜視図であり、通常使用される状態とは上下を逆に示したものである。なお、図5では、圧電素子100を簡略化して図示している。
【0039】
図4および図5に示すように、液体噴射ヘッド200は、上述の圧電素子100を備えている。また、液体噴射ヘッド200は、図4および図5に示すように、ノズル孔212が形成されたノズル板210と、圧力室222を形成するための圧力室基板220とを含む。
【0040】
圧電素子100の数は特に限定されず、複数形成されていてよい。なお、圧電素子100が複数形成される場合は、振動板10は共通の基板となり、複数の第1電極20が形成され、かつ、第2電極40が共通電極となる。さらに、液体噴射ヘッド200は、図5に示すように、筐体230を有することができる。
【0041】
ノズル板210は、図4および図5に示すように、ノズル孔212を有する。ノズル孔212からは、インクなどの液体等(液体のみならず、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したもの、又は、メタルフレーク等を含むものなどを含む。以下同じ。)を液滴として吐出されることができる。ノズル板210には、例えば、多数のノズル孔212が一列に設けられている。ノズル板210の材質としては、例えば、シリコン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)などを挙げることができる。
【0042】
圧力室基板220は、ノズル板210上(図5の例では下)に設けられている。圧力室基板220の材質としては、例えば、シリコンなどを例示することができる。圧力室基板220がノズル板210と振動板10との間の空間を区画することにより、図5に示すように、リザーバー(液体貯留部)224と、リザーバー224と連通する供給口226と、供給口226と連通する圧力室222と、が設けられている。この例では、リザーバー224と、供給口226と、圧力室222とを区別して説明するが、これらはいずれも液体等の流路であって、このような流路はどのように設計されても構わない。また例えば、供給口226は、図示の例では流路の一部が狭窄された形状を有しているが、設計にしたがって任意に形成することができ、必ずしも必須の構成ではない。
【0043】
リザーバー224、供給口226および圧力室222は、ノズル板210と圧力室基板220と振動板10とによって区画されている。ここで、振動板10は、圧電素子100を含む液体噴射ヘッド200の可動部分となることができ、圧力室222などの壁の一部を構成している。
リザーバー224は、外部(例えばインクカートリッジ)から、振動板10に設けられた貫通孔228を通じて供給されるインクを一時貯留することができる。リザーバー224内のインクは、供給口226を介して、圧力室222に供給されることができる。圧力室222は、振動板10の変形により容積が変化する。圧力室222はノズル孔212と連通しており、圧力室222の容積が変化することによって、ノズル孔212から液体等が吐出される。
【0044】
振動板10が圧電素子100を含む液体噴射ヘッド200の振動板である場合は、振動板10の厚みは、例えば、200nm以上5000nm以下とすることができる。振動板10の厚みが200nmよりも薄いと、振動等の機械的出力を取り出しにくくなることがあり、5000nmよりも厚いと、振動等が生じなくなる場合がある。
【0045】
圧電素子100は、圧力室基板220上(図5の例では下)に設けられている。圧電素子100は、圧電素子駆動回路(図示せず)に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板10は、積層構造(圧電体層30)の動作によって変形し、圧力室222の内部圧力を適宜変化させることができる。
筐体230は、図5に示すように、ノズル板210、圧力室基板220および圧電素子100を収納することができる。筐体230の材質としては、例えば、樹脂、金属などを挙げることができる。
【0046】
液体噴射ヘッド200は、信頼性が向上した圧電素子100を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液体噴射ヘッド200を実現できる。
【0047】
なお、ここでは、液体噴射ヘッド200がインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッド200は、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
【0048】
3.液体噴射装置
次に、実施形態に係る液体噴射装置300について、図面を参照しながら説明する。液体噴射装置300は、上述の液体噴射ヘッド200を有する。以下では、液体噴射装置300が上述の液体噴射ヘッド200を有するインクジェットプリンターである場合について説明する。図6は、実施形態に係る液体噴射装置300を示す模式斜視図である。
【0049】
液体噴射装置300は、図6に示すように、ヘッドユニット330と、駆動部310と、制御部360と、を含む。さらに、液体噴射装置300は、装置本体320と、給紙部350と、記録用紙Pを設置するトレイ321と、記録用紙Pを排出する排出口322と、装置本体320の上面に配置された操作パネル370と、を含むことができる。
【0050】
ヘッドユニット330は、上述した液体噴射ヘッド200から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット330は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ331と、ヘッドおよびインクカートリッジ331を搭載した運搬部(キャリッジ)332と、を備える。
【0051】
駆動部310は、ヘッドユニット330を往復動させることができる。駆動部310は、ヘッドユニット330の駆動源となるキャリッジモーター341と、キャリッジモーター341の回転を受けて、ヘッドユニット330を往復動させる往復動機構342と、を有する。
【0052】
往復動機構342は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸344と、キャリッジガイド軸344と平行に延在するタイミングベルト343と、を備える。キャリッジガイド軸344は、キャリッジ332が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ332を支持している。さらに、キャリッジ332は、タイミングベルト343の一部に固定されている。キャリッジモーター341の作動により、タイミングベルト343を走行させると、キャリッジガイド軸344に導かれて、ヘッドユニット330が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0053】
なお、実施形態では、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pがいずれも移動しながら印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置300は、液体噴射ヘッド200および記録用紙Pが互いに相対的に位置を変えて記録用紙Pに印刷される機構であってもよい。また、実施形態では、記録用紙Pに印刷が行われる例を示しているが、本発明の液体噴射装置300によって印刷を施すことができる記録媒体としては、紙に限定されず、布、フィルム、金属など、広範な媒体を挙げることができ、適宜構成を変更することができる。
【0054】
制御部360は、ヘッドユニット330、駆動部310および給紙部350を制御することができる。
【0055】
給紙部350は、記録用紙Pをトレイ321からヘッドユニット330側へ送り込むことができる。給紙部350は、その駆動源となる給紙モーター351と、給紙モーター351の作動により回転する給紙ローラー352と、を備える。給紙ローラー352は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー352aおよび駆動ローラー352bを備える。駆動ローラー352bは、給紙モーター351に連結されている。制御部360によって給紙部350が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット330の下方を通過するように送られる。
【0056】
ヘッドユニット330、駆動部310、制御部360および給紙部350は、装置本体320の内部に設けられている。
【0057】
液体噴射装置300は、信頼性が向上した圧電素子100を含んでいる。したがって、信頼性の向上した液体噴射装置300を実現できる。
【0058】
なお、上記例示した液体噴射装置300は、1つの液体噴射ヘッド200を有し、この液体噴射ヘッド200によって、記録媒体に印刷を行うことができるものであるが、複数の液体噴射ヘッド200を有してもよい。液体噴射装置300が複数の液体噴射ヘッド200を有する場合には、複数の液体噴射ヘッドは、それぞれ独立して上述のように動作されてもよいし、複数の液体噴射ヘッドが互いに連結されて、1つの集合したヘッドとなっていてもよい。このような集合となったヘッドとしては、例えば、複数のヘッドのそれぞれのノズル孔が全体として均一な間隔を有するような、ライン型のヘッドを挙げることができる。
【0059】
以上、本発明に係る液体噴射装置300の一例として、インクジェットプリンターとしてのインクジェット式記録装置を説明したが、本発明に係る液体噴射装置は、工業的にも利用することができる。この場合に吐出される液体等(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整したものなどを用いることができる。本発明の液体噴射装置は、例示したプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられることができる。
【0060】
なお、上述した実施形態および各種の変形は、それぞれ一例であって、本発明は、これらに限定されるわけではない。例えば実施形態および各変形は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
【0061】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0062】
10…振動板、20…第1電極、20a…導電層、30…圧電体層、31…面、32…凹部、33…底面、34…側面、35…角部、36…第1の圧電体層、37…第2の圧電体層、40…第2電極、100…圧電素子、110…第1の方向、120…第2の方向、200…液体噴射ヘッド、210…ノズル板、212…ノズル孔、220…圧力室基板、222…圧力室、224…リザーバー、226…供給口、228…貫通孔、230…筐体、300…液体噴射装置、310…駆動部、320…装置本体、321…トレイ、322…排出口、330…ヘッドユニット、331…インクカートリッジ、332…キャリッジ、341…キャリッジモーター、342…往復動機構、343…タイミングベルト、344…キャリッジガイド軸、350…給紙部、351…給紙モーター、352…給紙ローラー、352a…従動ローラー、352b…駆動ローラー、360…制御部、370…操作パネル、410…底面、420…側面、430…上面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に形成され、圧電体からなる圧電体層と、
前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子であって、
前記圧電体層は、前記第2電極側の表面に凹部を有し、前記第2電極が前記凹部内に
形成されている
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項2】
請求項1において、
前記圧電体層は、同一材料からなる
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項3】
請求項1において、
前記圧電体層は前記凹部の底面を構成する材料と前記凹部の側面を構成する材料とが異なっており、前記凹部の前記側面を構成する材料の誘電率が前記凹部の前記底面を構成する材料の誘電率より高い
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記第2電極の厚みは、前記凹部の深さより薄い
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電素子を備える
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の液体噴射ヘッドを備える
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極上に形成され、圧電体からなる圧電体層と、
前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子であって、
前記圧電体層は、前記第2電極側の表面に凹部を有し、前記第2電極が前記凹部内に
形成されている
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項2】
請求項1において、
前記圧電体層は、同一材料からなる
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項3】
請求項1において、
前記圧電体層は前記凹部の底面を構成する材料と前記凹部の側面を構成する材料とが異なっており、前記凹部の前記側面を構成する材料の誘電率が前記凹部の前記底面を構成する材料の誘電率より高い
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記第2電極の厚みは、前記凹部の深さより薄い
ことを特徴とする圧電素子。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電素子を備える
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載の液体噴射ヘッドを備える
ことを特徴とする液体噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−231055(P2012−231055A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99244(P2011−99244)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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