説明

圧電素子を備えたICカード

【課題】圧電素子を内蔵するICカードにおいて、該圧電素子が発生する電力を増加させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】ICカード20は、IC部1と、アンテナ部2と、圧電素子部3と、表示部4とを搭載し、ICカード20には、その内部に圧電素子部3が変形する空間部5が設けられる。圧電素子部3は、圧電部材と、この圧電部材を挟み込む一対の電極を有して構成され、指で押されるなどして矢印Aで示される方向から圧力が加わると、空間部5内に向かって撓むように変形する。このように圧電素子部3が変形すると、圧電部材が分極を起こして電荷(+、−)が発生し、これを挟み込んだ一対の電極に電力が発生する。そして、発生した電力がIC部1や表示部4に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を備えたICカードに関し、特に内蔵する圧電素子が発生させた電気により駆動される表示部を有するICカードに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、カード内部に集積回路(ICチップ)を搭載することにより、ID情報や使用状況(使用度数、残額など)に関する情報を記憶保持するとともに、カードの使用に伴い必要となるデータ処理を行う。こうしたICカードには、内蔵する圧電素子に圧力を加えて発生する電力を利用してICチップを動作させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図12は、特許文献1に記載された圧電素子を内蔵する従来のICカードの概略図である。図12(A)はICカードの概略平面図であり、図12(B)はICカードの厚さ方向の概略断面図である。
【0004】
ICカード100は、図12(A)に示すように、ICチップ91と、通信用アンテナ92と、圧電素子93とを搭載する。ICチップ91は、通信用アンテナ92と圧電素子93にそれぞれ接続される。
【0005】
圧電素子93は、図12(B)に示すように、圧電部材94と、この圧電部材94を挟み込む一対の電極95a、95bとで構成される。そして、ICカード両面から指で挟んで押すといった動作により圧電素子93に圧力を加えることで、圧電素子93は、ICチップ91の電源として働く。すなわち、ICカード100の圧電素子93が搭載された部分に、矢印Aで示される方向から圧力が加わると、圧電部材94が分極を起こして電荷(+、−)を発生する。そして、これを挟み込んだ一対の電極95a、95bに電力が発生し、これがICチップ91に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−311226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のICカード100では、圧電素子93が内部に設置された状態で、カード両面から圧力によって圧電部材94を押しつぶして変形させ、これにより圧電部材94の分極を引き起こしていた。しかしながら、このような圧電部材94の変形には物理的な限界があり、一度の変形で十分な電力(ICチップ91の動作を持続させるのに必要な電力)を発生することが困難であった。さらに、近年のICカードには、ICチップに記憶された情報(例えば、使用状況)を表示する表示部をさらに備えるものがあり、記憶された情報を随時確認できるようすることが求められている。こうした表示部を備えるICカードの場合には、圧電素子によって十分な電力が発生しないと、表示部に情報の表示が行われてもすぐに消えてしまうなど、情報の表示を保持できないという問題が生じる。
【0008】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電素子を内蔵するICカードにおいて、該圧電素子が発生する電力を増加させることが可能な技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、ICカードである。当該ICカードは、変形により発電する圧電素子部と、圧電素子部が発生させた電気により駆動され、情報を表示する表示部とを備えたICカードであって、その内部に圧電素子部が変形可能な空間部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、圧電素子を内蔵するICカードにおいて、該圧電素子が発生する電力を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)第1実施形態のICカードの概略平面図、(B)図1(A)のX−X線に沿ったICカードの概略断面図。
【図2】第1実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略断面図。
【図3】第1実施形態のICカードの構成を説明するための分解断面図。
【図4】第2実施形態のICカードの概略断面図。
【図5】(A)第2実施形態のICカードを構成するコア層の概略平面図、(B)図2(A)のX−X線に沿ったICカードの概略断面図。
【図6】第3実施形態のICカードの概略断面図。
【図7】第3実施形態のICカードの構成を説明するための分解断面図。
【図8】第4実施形態のICカードの概略断面図。
【図9】(A)第4実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略斜視図、(B)図9(A)のY−Y線に沿った圧電素子部の概略断面図。
【図10】(A)第5実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略斜視図、(B)図10(A)のY−Y線に沿った圧電素子部の概略断面図。
【図11】第6実施形態のICカードの構成の一例を示すブロック図。
【図12】(A)圧電素子を内蔵する従来のICカードの概略平面図、(B)ICカードの厚さ方向の概略断面図。
【図13】(A)は第7実施形態のICカードの断面図であり、(B)は(A)のコア層(Z領域)の上面図である。
【図14】圧電素子部を押圧した場合のコア層の断面図である。
【図15】第8実施形態のICカードの構成を示す断面図である。
【図16】(A)〜(C)は圧電素子部を長手方向に沿って連続して押圧した場合における板部材の動作を示す図である。
【図17】(A)は第9実施形態のICカードの断面図であり、(B)は(A)のコア層の断面図である。
【図18】第10実施形態のICカードの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態のICカードの概略図である。図1(A)はICカードの概略平面図であり、図1(B)は図1(A)のX−X線に沿ったICカードの概略断面図である。図2は第1実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略断面図である。
【0014】
第1実施形態のICカード20は、図1に示すように、IC部1と、アンテナ部2と、圧電素子部(圧電素子)3と、表示部4とを搭載する。そして、ICカード20には、そ
の内部に圧電素子部3が変形可能な空間部5が設けられる。
【0015】
IC部1は、CPU、メモリ、インターフェイス等をシステムとして1つのチップに搭載したものであり、IDデータや使用データ(使用度数、残額など)等の必要な情報の記録、カード使用に伴うデータ処理、アンテナ部2や表示部4等の機器との信号のやり取りを行う。
【0016】
アンテナ部2は、渦巻き状のアンテナ(アンテナコイル)で構成され、ICカード20の外縁に沿って配置される。アンテナ部2は、外部の端末装置(例えば、リードライタ)との信号の送受信を行う機能を有するとともに、外部の端末装置から送出される電磁波を受信して電力を供給する機能を有する。
【0017】
圧電素子部3は、図2に示すように、圧電部材9と、この圧電部材9を挟み込む一対の電極10a、10bと、さらに各電極を保護するための保護フィルム11a、11bとで構成される。なお、保護フィルム11a、11bは必ずしも設けなくてもよい。そして、こうした圧電素子部3は、圧電部材9と一対の電極10a、10bとがICカード20の厚み方向に積層した状態で搭載される。
【0018】
圧電部材9としては、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウムなどのセラミック系材料、あるいはポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体、ポリプロピレンなどの高分子系材料が採用される。特に、高分子系材料を採用した場合には、セラミック系材料に比べて柔軟性に優れ、割れにくいため、撓み量を大きくすることができる。
【0019】
本実施形態では、圧電素子部3は、図1(B)に示すように、ICカード20の内部に設置され、さらにICカード20の内部には圧電素子部3が変形可能な空間部5が設けられている。このため、圧電素子部3は、指で押すなどして矢印Aで示される方向から圧力が加わると、空間部5内に向かって撓むように変形する。このように圧電素子部3が変形すると、圧電部材9が分極を起こして電荷(+、−)が発生し、これを挟み込んだ一対の電極10a、10bに電力が発生する。そして、発生した電力がIC部1と表示部4に供給される。なお、圧電素子部3は、指を離して圧力を加えるのをやめると弾性により撓んだ状態から元の状態に戻る。
【0020】
表示部4は、液晶や有機EL等で構成され、アンテナ部2または圧電素子部3から供給される電力により駆動され、ICチップ1から供給される情報を表示する。ここで、情報とは、ユーザのID情報や、ICカードの使用状況(使用度数、残額など)に関する情報を指す。
【0021】
空間部5は、コア層6に設けられた第1凹部6bと機能層7とが圧電素子部3を挟み込んだ状態で重畳して構成される。本実施形態では、図1に示すように、圧電素子部3がコア層6の第1凹部6bの開口上部を重畳して塞いた形で構成される。
【0022】
図3は第1実施形態のICカードの詳細な構成を説明するための分解断面図である。
【0023】
ICカード20は、図3に示すように、4層構造で構成され、中心となるコア層6および機能層7と、これらを挟み込むカバー層8a、8bとを重畳して形成される。
【0024】
コア層6は、主としてICカード20の厚みを調整するための層である。コア層6には、機能層7上のIC部1を嵌合するための凹部6aと、機能層7との間で空間部5を構成するための第1凹部6bと、表示部4を嵌合するための凹部または貫通開口部(図示せず
)とがそれぞれ対応する位置に設けられている。なお、凹部6aの開口部はIC部1よりも大きな寸法を有し、第1凹部6bの開口上部は圧電素子部3よりも小さい寸法を有するように形成される。
【0025】
機能層7は、IC部1と、アンテナ部2と、圧電素子部3と、表示部4(図示せず)とを配線(図示せず)によって互いに接続するための層である。機能層7には、その一方の面側(コア層6側)の所定の位置に、IC部1と、アンテナ部2と、圧電素子部3と、表示部4(図示せず)とが設置されている。
【0026】
カバー層8a、8bは、コア層6や機能層7を保護するための層であり、またICカードに所望の図柄を印刷するための層である。
【0027】
上記した各層(計4層)を対応する位置で重畳して圧着することにより、図1(B)に示した圧電素子部3を備えたICカード20が形成され、同時にその内部に圧電素子部3が変形可能な空間部5が形成される。
【0028】
第1実施形態のICカード(圧電素子部3を備えたICカード20)によれば、以下の効果を得ることができる。
【0029】
(1)ICカード20の所定の位置に設けた圧電素子部3を押した際、圧電素子部3をICカード20の内部に設けた空間部5内で変形するようにした。これにより、従来のように圧電素子(圧電部材)を押しつぶして変形させる場合に比べて、圧電素子部3の変形量を増加させることができる。このため、従来よりも圧電素子部3によって発生する電力が増加する。
【0030】
(2)圧電素子部3をICカード20の内部に設けた空間部5内で変形させるようにしたことで、ICカード全体を折り曲げて圧電素子(圧電部材)を変形させる場合に比べて、ICカードを破損させるリスク(例えば、ICカードを折り曲げ過ぎて割ってしまうリスク)を低減することができる。
【0031】
(3)圧電素子部3をICカード20の内部に設けた空間部5内で変形させるようにしたことで、ICカード20をカードケース(例えば、定期入れ)に入れた状態でも、ICカード20の表面を押すといった動作で圧電素子部3を変形させることができる。このため、表示部4に表示される情報を確認する場合に、カードケースからのICカード20の出し入れ動作が省略でき、ICカードの利便性を高めることができる。
【0032】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態のICカードの概略断面図である。第1実施形態との相違点は、ICカード20を構成するコア層6に設けられた第1凹部6bの底部に、機能層7側(圧電素子部3)に向かって突出する突起部12が設けられていることである。それ以外は第1実施形態と同様の構成である。
【0033】
具体的に第2実施形態のICカード20を構成するコア層6について説明する。図5は第2実施形態のICカードを構成するコア層の概略図である。図5(A)はコア層の概略平面図であり、図5(B)は図5(A)のX−X線に沿ったコア層の概略断面図である。
【0034】
コア層6は、第1実施形態と同様、機能層7上のIC部1を嵌合するための凹部6aと、機能層7との間で空間部5を構成するための第1凹部6bと、表示部4を嵌合するための凹部6cとがそれぞれ対応する位置に設けられている。但し、このコア層6においては、第1凹部6bの底部に、半球状の突起部12が設けられている。突起部12は、第1凹
部6bの中央部分に1箇所設けられ、その高さは第1凹部6bの深さの半分程度である。
【0035】
なお、図5に示すように、突起部12をコア層6と一体的に設けているが、第1実施形態のコア層に対して別途突起部を接着するなどして設けてもよい。また、第1凹部6bの開口部の寸法や突起部12の寸法にもよるが、突起部12は必ずしも1箇所である必要はなく、所定の間隔で複数個所に設けてもよい。
【0036】
上記したコア層6(突起部12を有する第1凹部6bを備えたコア層6)を用意し、第1実施形態と同様にして各層(計4層)を重畳して圧着する。これにより、図4に示した圧電素子部3を備えたICカード20が形成され、同時にその内部に圧電素子部3が変形可能な空間部5が形成される。
【0037】
第2実施形態のICカード20では、図4に示すように、圧電素子部3に対して矢印Aで示される方向から圧力を加えることにより、圧電素子部3を空間部5内の突起部12に向かって変形させ、電力を発生させる。
【0038】
第2実施形態のICカードによれば、上記(1)〜(3)と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0039】
(4)圧電素子部3の変形を繰り返し行った場合、圧電素子部3の劣化により圧電素子部3が第1凹部6b内側に撓んだ状態(第1凹部6b側に垂れ下がった状態)から元の状態(図4に示す状態)に戻らなくなることがある。しかしながら、第2実施形態のICカード20では、圧電素子部3が撓んで変形しても、圧電素子部3の中央部分の変形は突起部12に接触した状態で止まり、突起部12の周囲には圧電素子部3と第1凹部6bの底部との間に隙間(空間)が保持される。このため、圧電素子部3が劣化して撓んだ状態になっても、これまでと同じように指で押すなどして矢印Aで示される方向から圧力を加えると、突起部12の周囲の圧電素子部3が変形することが可能になる。したがって、圧電素子部3の繰り返し使用に伴うICカードの信頼性が向上する。
【0040】
(第3実施形態)
図6は第3実施形態のICカードの概略断面図である。図7は第3実施形態のICカードの詳細な構成を説明するための分解断面図である。第1実施形態との主な相違点は、圧電素子部3がカバー層8a側に設けられた状態で、ICカード20の内部に空間部5が形成されていることである。
【0041】
具体的には、第3実施形態のコア層6には、機能層7上のIC部1を嵌合するための貫通開口部6a1と、機能層7との間で空間部5を構成するための貫通開口部6b1と、表示部4を嵌合するための貫通開口部(図示せず)とがそれぞれ対応する位置に設けられている。そして、コア層6には、その一方の面側(機能層7とは反対側)の貫通開口部6b1を塞ぐように圧電素子部3が設置されている。
【0042】
機能層7には、第1実施形態と同様、その一方の面側(コア層6側)の所定の位置に、IC部1と、アンテナ部2と、表示部4(図示せず)とが設置されている。
【0043】
上記したコア層6(貫通開口部6b1の一方を塞いで設置された圧電素子部3を備えたコア層6)を用意し、第1実施形態と同様にして各層(計4層)を重畳して圧着する。これにより、図6に示した圧電素子部3を備えたICカード20が形成され、同時にその内部に圧電素子部3が変形可能な空間部5が形成される。
【0044】
第3実施形態のICカード20では、図6に示すように、圧電素子部3に対して矢印B
で示される方向(第1実施形態とは反対側の方向)から圧力を加えることにより、圧電素子部3を空間部5内に向かって変形させ、電力を発生させる。
【0045】
第3実施形態のICカードによれば、上記(1)〜(3)と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(第4実施形態)
図8は第4実施形態のICカードの概略断面図である。第1実施形態との相違点は、空間部5内において圧電素子部13がICカード20の厚み方向に凹凸を有した波状の状態で設けられていることである。それ以外は第1実施形態と同様の構成である。
【0047】
具体的に第4実施形態のICカード20を構成する圧電素子部13について説明する。図9は第4実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略図である。図9(A)は圧電素子部の概略斜視図であり、図9(B)は図9(A)のY−Y線に沿った圧電素子部の概略断面図である。
【0048】
圧電素子部13は、図9に示すように、ICカードの厚み方向(図8の上下方向)に凹凸を有する波状の圧電部材14とこの圧電部材14を挟み込む一対の電極(第1電極15a、第2電極15b)とを有して構成される。圧電部材14は、一定の厚みを有するシート層がICカード20の厚み方向に蛇行を繰り返した層であり、その表面は凸領域と凹領域の繰り返し(表面が波状の状態)となっている。一対の電極は、波状の圧電部材14の凸領域に沿って選択的に設けられた第1電極15aと、この第1電極15aを挟んで対向するとともに、波状の圧電部材14の凹領域に沿って設けられた第2電極15bとで構成される。この一対の電極はそれぞれ一方の端部側で共通接続される。そして、圧電素子部13は、圧電部材14と一対の電極(第1電極15a、第2電極15b)とがICカード20の厚み方向に積層した状態で搭載される。
【0049】
ここで、第1電極15a(および第2電極15b)を、波状の圧電部材14の凸領域(および凹領域)に沿って選択的に設けるのは、波状の圧電部材14が伸縮した際、圧縮応力と引張応力が同時に発生し、圧電部材14の分極による電荷(+、−)の発生が互いにキャンセルされることを防止するためである。
【0050】
上記した圧電素子部13を設置した機能層7を用意し、第1実施形態と同様にして各層(計4層)を重畳して圧着する。これにより、図8に示した圧電素子部13を備えたICカード20が形成され、同時にその内部に圧電素子部13が変形可能な空間部5が形成される。
【0051】
第4実施形態のICカード20では、図8に示すように、指で押すなどして圧電素子部13に対して矢印Aで示される方向から圧力を加えることにより、波状の圧電素子部13を空間部5内で伸長して変形させ、電力を発生させる。なお、圧電素子部13は、指を離して圧力を加えるのをやめると弾性により撓んだ状態から元の状態に戻る。
【0052】
第4実施形態のICカードによれば、上記(1)〜(3)と同様の効果を得ることができる。
【0053】
(第5実施形態)
図10は第5実施形態のICカードを構成する圧電素子部の概略図である。ここで、図10(A)は圧電素子部の概略斜視図であり、図10(B)は図10(A)のY−Y線に沿った圧電素子部の概略断面図である。第4実施形態の圧電素子部13との相違点は、圧電素子部の構成であり、具体的には圧電素子部16を構成する圧電部材17に対してIC
カードの厚み方向に突出する複数の第1凸部19b(反対側の面は凹部19a)が形成され、この第1凸部19bがICカードを構成するコア層6の第1凹部6bの底部に向かって突出するように設置されていることである。それ以外は第4実施形態と同様の構成である。
【0054】
第5実施形態の圧電素子部16は、図10(B)に示すように、平面シート状の圧電部材17と、この圧電部材17を挟み込む一対の電極18a、18bとで構成される。圧電部材17にはICカードの厚み方向に突出する複数の第1凸部19b(反対側の面は第1凸部19bに対応したディンプル状の凹部19a)が複数形成され、一対の電極18a、18bはこうした第1凸部19bおよび凹部19aの形状を反映して形成されている。そして、圧電素子部16は、第1凸部19bがICカードを構成するコア層6の第1凹部6bの底部に向かって突出するように設置される。
【0055】
具体的には、圧電素子部16の凹部19の開口面を機能層7側に向けて搭載した機能層7を用意し、第4実施形態と同様にして各層(計4層)を重畳して圧着する。これにより、圧電素子部16を備えたICカードが形成され、同時にその内部に圧電素子部16が変形可能な空間部5が形成される。
【0056】
第5実施形態のICカードでは、第4実施形態と同様、指で押すなどして圧電素子部16に対して圧力を加えることにより、圧電素子部16の第1凸部19bの先端部を空間部5内で押しつぶすように変形させ、電力を発生させる。なお、圧電素子部16は、指を離して圧力を加えるのをやめると弾性により撓んだ状態から元の状態に戻る。
【0057】
第5実施形態のICカードによれば、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
(第6実施形態)
図11は第6実施形態のICカードの構成の一例を示すブロック図である。第6実施形態のICカード20は、第1実施形態の構成を基本とし、IC部1に含まれるメモリ1a以外に専用メモリ1bを搭載し、圧電素子部3が専用メモリ1bと表示部4とに発生する電力を供給するように構成されている。それ以外は第1実施形態の構成と同様である。
【0059】
第6実施形態のICカードは、図11に示すように、メモリ1aを有するIC部1と、アンテナ部2と、圧電素子部3と、表示部4と、専用メモリ1bとを備える。
【0060】
IC部1は、第1実施形態と同様の機能を有し、本実施形態では特にメモリ1aに記録される情報のうち、表示部4で随時確認したい情報(使用度数、残額など使用状況に関する情報)に関して専用メモリ1bにも記録するように制御する。このIC部1はアンテナ部2から供給される電力により駆動される。
【0061】
メモリ1aは、IC部1により制御され、IDデータや使用データ等の必要な情報を随時記録するためのメモリであり、IC部1とともにアンテナ部2から供給される電力により駆動される。
【0062】
専用メモリ1bは、表示部4で随時確認したい情報のみを記録するためのものであり、圧電素子部3で発生する電力により駆動され、IC部1を介さずに、記録された情報に関する信号を送り、表示部4に表示させる機能を有する。
【0063】
なお、その他の部分(アンテナ部2、圧電素子部3、表示部4)については第1実施形態と同様の機能を有する。
【0064】
第6実施形態のICカードによれば、第1実施形態に対応する効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0065】
(5)表示部4で随時確認したい情報のみを記録し、表示部4に表示させるための専用メモリ1bを設けた。これにより、圧電素子部3で駆動させる回路規模が小さくなり、第1実施形態のようにメモリ1aを含むIC部1全体を駆動して表示部4に表示させる場合に比べて、消費電力を低減することができる。したがって、表示部4における表示状態を保持する性能が向上する。すなわち、圧電素子部3により発生する電力量が同じであっても、表示部4での表示をより長く持続することができる。
【0066】
(第7実施形態)
図13(A)は第7実施形態のICカード20の断面図であり、図13(B)は図13(A)のコア層(Z領域)の上面図である。第1実施形態との相違点は、コア層6の第1凹部6bの底面に第2凹部6dが形成されており、第1凹部6bの底面から第2凹部6dの開口面の一部に跨って板部材23が設けられていることである。それ以外の構成は、第1実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0067】
第7実施形態のICカード20では、コア層6に長方形状の第1凹部6bが形成されている。さらに、第1凹部6bの底面には、その長手方向(X方向)の中心部において、その短手方向(Y方向)の長さに応じた長方形状の第2凹部6dが形成されている。第1凹部6bおよび第2凹部6dは、X方向において、その底面よりも開口面の方が広くなっており、その側面はテーパー形状となっている。
【0068】
また、コア層6の上面には、第1凹部6bの開口面を塞ぐように圧電素子部3が配置されている。そのため、圧電素子部3と第1凹部6bおよび第2凹部6dとによって、空間部5が形成されている。
【0069】
第2凹部6dのX方向の両側にはそれぞれ、第1凹部6bの底面から第2凹部6dの開口面の一部に跨って板部材23が設けられている。板部材23は、第1凹部6bのY方向の長さに応じた長方形状の部材であり、そのY方向の両端には突出部23aを有している。コア層6には突出部23aの形状に応じた嵌合部(図示せず)が形成されている。突出部23aをコア層6の嵌合部に嵌め込むことにより、板部材23は第2凹部6dの開口面のX方向における両角部を支点として回動自在に支持される。板部材23を構成する材料としては、SUS等の金属材料が好適に用いられるが、一定の硬度を有する材料であればよい。
【0070】
次に、圧電素子部3を押圧した場合における、板部材23の作用について図14を参照して説明する。図14は、圧電素子部3を押圧した場合のコア層の断面図である。
【0071】
第7実施形態のICカード20では、圧電素子部3をICカードの外側から押圧すると、圧電素子部3が第2凹部6dの空間部5に向かって変形する。このとき、板部材23の第2凹部6dの開口面に面する端部は、第2凹部6dの側面に沿って第2凹部6dの空間部5内に傾く。そのため、板部材23の反対側の端部(第1凹部6bの上面に面する端部)は、ICカードの外側に向かって傾き、圧電素子部3を変形させる。すなわち、本実施形態では、直接押圧することによる変形と、板部材23による変形とが圧電素子部3に生じることにより発電される。
【0072】
第7実施形態のICカード20によれば、第1実施形態に対応する効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0073】
(6)第7実施形態では、コア層6の第1凹部6bの底面に第2凹部6dが形成されており、第2凹部6dの開口面の角部を支点として回動可能なように、第1凹部6bの底面から第2凹部6dの開口面の一部に跨って設けられた板部材23を備えている。これにより、圧電素子部3を第2凹部6dの空間部5に向かって押圧した場合、板部材23の第1凹部6bの上面に面する端部がICカードの外側に向かって圧電素子部3を変形させる。そのため、板部材23を設けていない場合と比較して、圧電素子部3の変形を大きくすることができ、発電量を増大させることが可能である。
【0074】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態のICカード20の構成について説明する。本実施形態のICカード20は、第1〜第7実施形態のように圧電素子部3の一箇所のみを押圧して発電する構成とは異なり、圧電素子部3を長手方向に沿ってなぞるように連続して押圧することにより発電する構成である。本実施形態は、第7実施形態のICカード20の変形例であり、第7実施形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0075】
第8実施形態のICカード20の構成について、図15を参照して説明する。図15は、第8実施形態のICカード20の構成を示す断面図である。
【0076】
第8実施形態のコア層6には、長方形状の第1凹部6bが形成されている。第1凹部6bの底部は凹凸上に成型されており、その結果、複数の第2凹部6eが連続して一列に形成されている。第2凹部6eは、X方向において、その底面よりも開口面の方が広くなっており、その側面はテーパー形状となっている。第2凹部6e間に存在する第2凸部6e’の上面には板部材23がそれぞれ配置されている。第2凸部6e’の高さは、板部材23の上面がコア層6の上面よりも低くなるように設計されている。
【0077】
板部材23は、第2凸部6e’の上面の両角部(第2凹部6eの開口面の角部)を支点として回動可能なように、第2凸部6e’に隣接した第2凹部6eの一方の開口面の一部から他方の開口面の一部に跨って設けられている。
【0078】
次に、圧電素子部3を長手方向に沿って連続して押圧した場合における、板部材23の作用について図16を参照して説明する。図16(A)〜(C)は、圧電素子部3を長手方向に沿って連続して押圧した場合における、板部材23の動作を示す図である。
【0079】
第8実施形態のICカード20は、ICカードの外側からX方向に沿って圧電素子部3を押圧した場合、第2凹部6eに対向する位置の圧電素子部3を押圧したとき、図16(A)に示すように、第2凹部6eの空間部5に向かって圧電素子部3が変形する。このとき、板部材23は、圧電素子部3が変形している第2凹部6eの開口面に面する端部が、第2凹部6eの側面に沿って空間部5内に傾く。そのため、板部材23の反対側の端部は、ICカードの外側に向かって傾き、圧電素子部3を変形させる。
【0080】
本実施形態では、圧電素子部3をX方向に沿って連続して押圧するため、第2凸部6e’の上面に位置する圧電素子部3を押圧した場合、図16(B)に示すように、圧電素子部3はほとんど変形せず発電しない。しかし、隣接する第2凹部6eに対向する位置の圧電素子部3を押圧した場合には、図16(C)に示すように、再び圧電素子部3は大きく変形して発電する。
【0081】
このように、本実施形態では、圧電素子部3をX方向に沿って1度連続して押圧するだけで、圧電素子部3を複数回伸縮させることができ、発電を複数回行うことが可能である。
【0082】
第8実施形態のICカード20によれば、第1および第7実施形態に対応する効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0083】
(7)第8実施形態では、第2凹部6e間にコア層6の上面よりも低い上面を有する第2凸部6e’が形成されており、第2凸部6e’の上面の両角部を支点として回動可能なように、第2凸部6e’の上面には第2凸部eb’に隣接した第2凹部6eの一方の開口面の一部から他方の開口面の一部に跨って設けられた板部材23を備えている。これにより、圧電素子部3をX方向に沿って連続して押圧した場合、第2凹部6e毎に板部材23により圧電素子部3を大きく変形することができ、発電量をより増大させることができる。
【0084】
(8)第8実施形態では、第2凹部6eは、X方向において、その底面よりも開口面の方が広くなっており、その側面はテーパー形状となっている。これにより、圧電素子部3をX方向に沿って連続して押圧する場合、第2凹部6eの側面が直角となっている場合と比較して、滑らかに押圧することができる。
【0085】
(第9実施形態)
図17(A)は第9実施形態のICカード20の断面図であり、図17(B)は図17(A)のコア層の断面図である。本実施形態は、第8実施形態と同様に、圧電素子部3をX方向に沿って連続して押圧することにより発電する構成である。第8実施形態との相違点は、板部材23が設けられていないことである。それ以外の構成は、第8実施形態と同一であるので説明は省略する。
【0086】
第9実施形態のコア層6には、複数の第2凹部6eが連続して一列に形成されている。第2凹部6eは、X方向において、その底面よりも開口面の方が広くなっており、その側面はテーパー形状となっている。第2凹部6e間には第2凸部6e’が形成されており、第2凸部6e’の高さはコア層6の上面と同一になるように設計されている。
【0087】
第9実施形態のICカード20では、ICカードの外側からX方向に沿って圧電素子部3を押圧した場合、第2凹部6eに対向する位置の圧電素子部3を押圧したとき、圧電素子部3が第2凹部6eの空間部5に向かって変形することにより発電する。次に、第2凸部6e’の上面に位置する圧電素子部3を押圧した場合には、圧電素子部3はほとんど変形せず発電しない。しかし、隣接する第2凹部6eに対向する位置の圧電素子部3を押圧した場合には、再び圧電素子部3は空間部5に向かって変形して発電する。
【0088】
第9実施形態のICカード20によれば、第1実施形態および第8実施形態の(8)に対応する効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0089】
(9)第9実施形態では、圧電素子部3をX方向に沿って連続して押圧した場合、第2凹部6e毎に圧電素子部3を変形することができ、第2凹部6eが1つしか設けられていない構成と比較して、発電量をより増大させることができる。
【0090】
(第10実施形態)
図18は第10実施形態のICカードの断面図である。第10実施形態のICカードは、第1〜9実施形態のICカード20に、フィルム型太陽電池200を積層している。第10実施形態のICカードによれば、第1〜9実施形態に対応する効果に加え、以下の効果を得ることができる。
【0091】
(10)第10実施形態では、ICカード20と、フィルム型太陽電池200とを備えている。これにより、消費電力の大きいICカード20内のマイコンを動作させる場合に
は、ICカード20の圧電素子部3を変形させることによって発電した電力を用いることができる。また、フィルム型太陽電池200は明るい場所で発電するため、圧電素子部3を変形させなくとも、フィルム型太陽電池200で発電した電力を用いて表示部4を長期間駆動することができる。
【0092】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0093】
上記第1〜第5実施形態おいて、ICカード内に設ける空間部に対して軟質材を充填するようにしてもよい。この軟質材は、空間部を構成するコア層、機能層、及び圧電素子部よりも軟らかい材料であればよく、例えば、シリコーン樹脂が挙げられる。このような構成にすることで、指を離して圧力を加えるのをやめた場合には、圧電素子部自体の弾性力に加え、軟質材の反発力によっても圧電素子部が撓んだ状態から元の状態に戻るようになる。このため、圧電素子部の繰り返し使用に伴うICカードの信頼性が向上する。
【0094】
上記第1実施形態では、圧電素子部がコア層の凹部の開口上部を重畳して塞いた形で構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、圧電素子部全体がコア層の内部に設置され、機能層が直接コア層の凹部の開口上部を重畳して塞いた形で構成してもよい。また、第2〜第5実施形態においても同様の構成としてもよい。こうした場合にも同様の効果を享受することができる。
【0095】
上記第4および第5実施形態において、第1実施形態の圧電素子部のように、一対の電極を保護するための保護フィルムをさらに設けてもよい。このようにすることで、空間部を構成するコア層の凹部との接触部分において電極が保護されるので、圧電素子部の繰り返し使用に伴うICカードの信頼性が向上する。
【0096】
上記第5実施形態では、圧電素子部を、凸部がICカードを構成するコア層の凹部の底部に向かって突出するように設置した例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、圧電素子部を、反対向きに設置し、凸部がICカードを構成する機能層に向かって突出するように設置してもよい。この場合にも同様の効果を享受することができる。
【0097】
上記第6実施形態では、第1実施形態のICカードに対して専用メモリを設け、表示部を動作させる例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、第2〜第5実施形態のICカードに対して専用メモリを設け、表示部を動作させるようにしてもよい。あるいは、従来の圧電素子部の構造を有するICカードに対して専用メモリを設け、表示部を動作させるようにしてもよい。この場合にも同様の効果を享受することができる。
【0098】
上記第6実施形態では、IC部を構成するチップとは別に専用メモリを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、IC部と専用メモリとを1つのチップにまとめて構成してもよい。このようにすることで、搭載部品が削減され、専用メモリを別途設ける場合に比べて、ICカードの低コスト化を図ることができる。
【0099】
上記第7および第8実施形態では、それぞれ分離した板部材23を用いる構成について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、各板部材23が、板部材23を軸として上下に回動可能な支持部材によって連結されている構成であってもかまわない。これにより、圧電素子部3を凹部に対して押圧した場合、隣接する板部材23はICカードの外側に向かって移動するため、一度の押圧で圧電素子部3を大きく変形させることができる。そのため、簡易な操作で発電量を増大させることが可能である。
【0100】
上記第8実施形態では、板部材23は、第2凸部6e’の上面の両角部を支点として回動可能なように、第2凸部6e’に隣接した第2凹部6eの一方の開口面の一部から他方の開口面の一部に跨って1つ設けられているが、本発明がこれに限られない。例えば、板部材23は、1つの第2凸部6e’上において、第2凸部6e’の上面から隣接する第2凹部6eの開口面の一部に向かってそれぞれ1つずつ設けられている構成であってもかまわない。
【符号の説明】
【0101】
1 IC部、2 アンテナ部、3 圧電素子部、4 表示部、5 空間部、6 コア層、6a、6c 凹部、6b 第1凹部、6e 第2凹部、6e’ 第2凸部、7 機能層、8a、8b カバー層、9 圧電部材、10a、10b 電極、11a、11b 保護フィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形により発電する圧電素子部と、前記圧電素子部が発生させた電気により駆動され、情報を表示する表示部とを備えたICカードであって、その内部に前記圧電素子部が変形可能な空間部を有することを特徴とするICカード。
【請求項2】
前記空間部は、前記ICカードを構成する基板に設けられた第1凹部と、前記第1凹部を塞ぐように配置された前記圧電素子部とにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のICカード。
【請求項3】
前記圧電素子部は、圧電部材とこの圧電部材を挟み込む一対の電極とが前記ICカードの厚み方向に積層され、前記空間部内で、前記ICカードの厚み方向に変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード。
【請求項4】
前記空間部には、前記基板よりも変形し易い軟質材が充填されていることを特徴とする請求項2または3に記載のICカード。
【請求項5】
前記圧電素子部と対向する前記第1凹部の底部には、前記圧電素子部に向かって突出する突起部が設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のICカード。
【請求項6】
前記圧電素子部は、前記ICカードの厚み方向に凹凸を有する波状の圧電部材とこの圧電部材を挟み込む一対の電極とを有して構成され、
前記一対の電極は、波状の前記圧電部材の凸領域に沿って選択的に設けられた第1電極と、この第1電極と前記圧電部材を挟んで対向し、波状の前記圧電部材の凹領域に沿って選択的に設けられた第2電極とを有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のICカード。
【請求項7】
前記圧電素子部は、圧電部材とこの圧電部材を挟み込む一対の電極とを有して構成され、さらに前記ICカードの厚み方向に突出する第1凸部を有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のICカード。
【請求項8】
前記圧電素子部と対向する前記第1凹部の底面には、さらに第2凹部が形成されており、
前記第2凹部の開口面の角部を支点として回動可能なように支持された板部材を備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のICカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−244503(P2010−244503A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172927(P2009−172927)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】