説明

地中施設物管理のための無線通信システム

【課題】本発明は地中施設物の管理に使用される無線システムを提供し、更に詳しくは、無線通信環境が劣悪な環境である地中に埋設された施設物の状態情報を正確に測定して提供することができる地中施設物管理のための無線通信システムを提供する。
【解決手段】本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは地中施設物に取り付けられ、伝送されるウェークアップ(Wake up)信号を含む駆動信号によって地中施設物の状態情報を感知して磁場通信で感知信号を出力する多数のセンサーノードと;前記センサーノードで駆動信号を出力し、前記センサーノードから伝送される感知信号を収集し、収集された感知信号を近距離無線通信を通じてモニタリングシステムへ送る情報収集器を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地中施設物管理に使用される無線システムに関し、更に詳しくは無線通信環境が劣悪な環境である地中に埋設された施設物の状態情報を正確に測定して提供することができる地中施設物管理のための無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁場通信は磁場領域を利用した無線通信方式であって、ここで磁場領域とは、電子界がアンテナから分離/電磁波になって空間へ伝播される前までの距離であって、アンテナからλ(波長)/2πまでの領域に該当する。このような磁場通信は金属、水中、地中、建物崩壊の残骸など、極限の環境で無線通信が可能なものである。
【0003】
図1は磁場通信で使用する磁場領域の発生を概略的に示した概要図である。図示したように、ダイポール(Dipole)アンテナの両端に交流電圧が認可されると電場が発生することになり、アンテナの両端には交流電流が流れることになって磁場が発生される。アンテナから距離d=λ/2πから電子界はアンテナから分離され、電磁波になって空間に送り出されることになる。この時、送信端は電子界がアンテナから分離される距離d=λ/2πで発生する磁場に、例えば、ASK又はBPSK方式を通じて変調されたデータを載せて伝送し、受信端は磁場に伝送されるデータを受信し、例えば、ASK又はBPSK方式を通じて復調してデータを確認することにより通信が可能である。
【0004】
このような磁場通信は水、土、金属周辺でも無線通信が可能な技術であって、既存のRFID技術とUSN技術の限界点を乗り越えることができる核心の無線通信技術として脚光を浴びている。
【0005】
既存のRFID技術とUSN技術は水、土、金属周辺のような難環境では干渉が多くてその伝送が難しい短所があった。このような磁場通信と異なる近距離無線通信との比較は表1の通りである。
【0006】
【表1】

【0007】
一方、主要地中施設物としては上水道、下水道、電力、ガス、通信、送油管、暖房熱管などのライフラインが挙げられ、このような施設物は美観や施設物保護のために地下に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−321363号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような地中施設物は地下に埋設されているため、地中施設物の状態を正確に判断しにくい短所がある。上述したライフラインの場合、事故発生の時、その波及効果が大きいので該当施設物の正確な状態把握が切実な実情である。
【0010】
これにより、地中施設物の状態を感知することができる多数のセンサーを取り付け、センサーを通じて感知された地中施設物の状態情報を地上で収集する方法が研究されている。しかし現在の既存RFID技術とUSN技術で使用している通信方式ではセンサーを通じて感知された感知信号を地上に伝送することができないという短所がある。
【0011】
本発明はこのような問題点を解決するために創案されたものであって、その目的は地中に埋設された施設物に具備されるセンサーノードと地上に具備された情報収集器間の磁場通信を通じて無線通信環境が劣悪な地中環境でも地中施設物の状態情報を収集することができる地中施設物管理のための無線通信システムを提供することにある。
【0012】
更に、センサーノードが情報収集器から伝送される磁場通信信号を通じて駆動電源の充電が可能であって、バッテリーを入れ替えずに半永久的に使用することができる地中施設物管理のための無線通信システムを提供することにある。
【0013】
ひいては情報収集器とセンサーノード間の距離情報と情報収集器のGPS位置情報を通じて位置基盤の地中施設物のモニタリングが可能な地中施設物管理のための無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した本発明の一実施例による地中施設物管理のための無線通信システムは、地中施設物に取り付けられ、伝送されるウェークアップ(Wake up)信号を含む駆動信号によって地中施設物の状態情報を感知して磁場通信で感知信号を出力する多数のセンサーノードと;センサーノードで駆動信号を出力し、センサーノードから伝送される感知信号を収集し、収集された感知信号を近距離無線通信を通じてモニタリングシステムへ伝送する情報収集器とを含んで構成される。
【0015】
本発明の特徴的な態様により、本発明による駆動信号は、上記センサーノードのウェークアップ信号と充電信号とで構成され、それぞれの信号は一定の周期を有している。これにより、センサーノードはウェークアップ信号が受信されるとアイドル(Idle)状態から覚めて地中施設物の状態を感知して情報収集器へ伝送し、伝送が終わると電力消耗を減らすためにまたアイドル状態に進入する。アイドル状態に進入する場合、センサーノードは駆動信号の充電信号周期の間、充電信号を受信し、充電器を通じてバッテリーに充電して駆動電源で使用する。
【0016】
これにより、センサーノードは上記駆動信号に含まれたウェークアップ信号によって地中施設物の状態を感知して感知信号を出力するセンサーと;上記情報収集器と磁場通信を通じてデータを送受信する通信部と;情報収集器から出力される駆動信号に含まれた充電信号周期の間、バッテリーを充電する充電部と;駆動信号のウェークアップ信号周期の間、センサーから感知された感知信号を磁場通信を通じて情報収集器に出力し、充電信号周期の間、上記充電部を通じてバッテリーの充電をするように制御信号を出力する制御部とを含む。
【0017】
また、情報収集器は磁場通信を通じて上記駆動信号を上記センサーノードへ送り出し、上記センサーノードから伝送される感知信号を受信する磁場通信部と;上記モニタリングシステムと近距離通信を通じてデータを送受信する近距離通信部と;上記感知信号収集部によって収集されたセンサーノード別感知信号を格納するメモリーと;上記センサーノードのセンシングスケジュールによって駆動信号にウェークアップ信号を含ませて上記磁場通信部を通じて上記センサーノードへ送り出し、上記磁場通信部を通じて受信された感知信号を収集して上記近距離通信部を通じてモニタリングシステムへ送り出すコントローラーとを含む。
【0018】
本発明の追加的な態様により、本発明による情報収集器は、受信される各センサーノード別感知信号の強度を分析して該当センサーノードと情報収集器との間の距離情報を算出し、これを感知信号とともにモニタリングシステムへ伝送することができる。
【0019】
本発明の追加的な態様により、本発明による情報収集器はGPS衛星から伝送されるGPS信号を受信して該当情報収集器の位置を算出して出力するGPS受信部を更に含み、GPS受信部によって算出された現在位置情報を感知信号とともにモニタリングシステムへ伝送することにより、位置基盤の地中施設物管理が可能である。
【発明の効果】
【0020】
磁場通信は高周波のRF又はUHF RFIDとは異なり、低い周波数を用いるので非常に敏感な減殺特性を有し、土及び水のような障害物に対してはそんなに敏感ではない。したがって、このような磁場通信を用いれば非常に正確な距離測定が可能である。
【0021】
本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、地中に埋設された施設物に具備されるセンサーノードと地上に具備された情報収集器間の磁場通信を利用することにより、無線通信環境が劣悪な地中環境でも容易に地中施設物の状態情報を収集し、これをモニタリングすることができるメリットを有している。
【0022】
また、本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、センサーノードが情報収集器から伝送される磁場通信信号を通じてバッテリーを充電して駆動電源で使用することにより、バッテリーを入れ替えずに半永久的に使用することができるメリットを有している。
【0023】
また、本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、磁場通信信号の強度を分析して比較的正確な情報収集器とセンサーノードとの間の距離を算出し、情報収集器のGPS位置情報を通じて地中施設物別位置基盤のモニタリングが可能なメリットを有している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】磁場通信で使用する磁場領域の発生を概略的に示した概要図である。
【図2】本発明の望ましい一実施例による地中施設物管理のための無線通信システムを概略的に示した概要図である。
【図3】本発明の望ましい一実施例によるセンサーノードを概略的に示したブロック図である。
【図4】本発明の望ましい一実施例による情報収集器を概略的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
前述及び追加的な本発明の態様は、添付の図面を参照して説明する望ましい実施例を通じて更に明らかになる。以下では本発明をこのような実施例を通じて当業者が容易に理解し、再現することができるように詳しく説明する。
【0026】
図2は本発明の望ましい一実施例による地中施設物管理のための無線通信システムを概略的に示した概要図である。図示したように、本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは地中施設物に取り付けられ、伝送されるウェークアップ(Wake up)信号を含む駆動信号によって地中施設物の状態情報を感知して磁場通信で感知信号を出力する多数のセンサーノード100と、センサーノード100で駆動信号を出力し、センサーノード100から伝送される感知信号を収集し、収集された感知信号を近距離無線通信を通じて送り出す情報収集器300と、情報収集器300から伝送される感知信号を受信して分析し、その分析結果を格納/管理/提供するモニタリングシステム500と、現場管理者が所持し、情報収集器300から伝送される感知信号を受信して地中施設物の状態情報を提供するモバイル端末機700とを含んで構成される。
【0027】
付加的に、地中施設物管理のための無線通信システムは情報収集器300から近距離無線通信を通じて送り出され収集された感知信号を遠隔地のモニタリングシステム500へ伝送するための無線中継器を更に含むこともできる。
【0028】
モニタリングシステム500は、例えば、上述した無線中継器とインターネットで連結され、インターネットを通じて接続したコンピューターでウェブサービスを提供するウェブサービスサーバーと、地中施設物別に感知された状態情報とその分析結果を格納するデータベースサーバーと、地中施設物別感知信号を分析し、その分析結果をデータベースサーバーに格納するか、ディスプレー手段を通じて分析結果を提供する分析サーバーなどで具現され得る。
【0029】
モバイル端末機700は、PDA又は移動通信端末機と類似した形態で具現されることができ、情報収集器300から伝送される感知信号を受信して分析し、分析結果による地中施設物別現在状態を提供する。このようなモバイル端末機700は現場管理者が所持しており、モバイル端末機700が情報収集器300の感知信号の送出範囲内に進入することになれば、情報収集器300から伝送される感知信号を受信して分析し、これをディスプレーを通じて提供することにより、現場管理者が容易に地中施設物の状態をモニタリングできるようになる。
【0030】
センサーノード100は、例えば、上水道管、下水道管、電力線、ガス管、通信線、送油管、暖房熱管などの施設物に具備されて一緒に地中に埋設され、該当地中施設物の温度、湿度、圧力、亀裂などの状態を感知して磁場通信を通じて情報収集器300へ伝送する。この時、該当のセンサーノード100を区分するための識別情報を感知信号に含ませて伝送する。このようなセンサーノード100は図2を通じて更に詳しく説明する。
【0031】
図3は本発明の望ましい一実施例によるセンサーノードを概略的に示したブロック図である。図示したように、本発明によるセンサーノード100は駆動信号に含まれたウェークアップ信号によって地中施設物の状態を感知して感知信号を出力するセンサー101と、情報収集器300と磁場通信を通じてデータを送受信する通信部103と、情報収集器300から出力される駆動信号に含まれた充電信号周期の間、バッテリー105を充電する充電部107と、駆動信号のウェークアップ周期によって情報収集器300から伝送される駆動信号のウェークアップ信号により、センサー101から感知された感知信号を磁場通信を通じて情報収集器300に出力し、充電周期によって充電部107を通じてバッテリー105の充電をするように制御信号を出力する制御部109とを含んで構成される。
【0032】
本発明の特徴的な態様により、本発明による情報収集器300がそれぞれのセンサーノード100へ送り出す駆動信号は、ウェークアップ信号と充電信号を含み、ウェークアップ信号と充電信号は一定周期を有していることができる。ここで駆動信号の充電周期はウェークアップ信号周期を除いた残りの駆動信号区間で構成される。
【0033】
例えば、情報収集器300は持続的に駆動信号をセンサーノード100へ送り出すことになるが、地中施設物の状態を確認しなければならない時点に至ると駆動信号に所定周期のウェークアップ信号を含ませて出力する。センサーノード100は地中施設物の状態を感知しない場合にはウェークアップ信号が受信される前まで電源消耗を減らすために最小限の機能、即ち、待機状態で駆動することになる。
【0034】
センサー101は例えば、地中施設物の温度、湿度、圧力、亀裂の程度を測定することができるセンサーであれば十分であり、上述したセンサー101以外にいろいろな地中施設物の状態情報を測定可能なセンサー101で構成されることができる。また、センサーノード100は1つ以上のセンサー101が複数で具備されることもできる。
【0035】
通信部103は、情報収集器300と磁場通信を通じてデータを送受信する磁場通信モデムで具現されることができ、情報収集器300から伝送される駆動信号を受信して出力し、センサー101によってセンシングされた感知信号を情報収集器300へ伝送する。
【0036】
充電部107は、通信部103を通じて受信される駆動信号の充電信号周期によって受信される駆動信号の精電気誘導から発生する電力をバッテリー105に充電する小型充電器で具現されることができる。駆動信号は情報収集器300から伝送される電磁波であるため、電磁波が通信部103のアンテナに受信されると、アンテナでは精電気誘導現象が発生されて電流が流れることになり、このように生成された電流は充電部107により停留されてバッテリー105に充電される。
【0037】
このように充電部107により充電されたバッテリー105の電源は駆動信号のウェークアップ信号によってセンサー101で地中施設物の状態を感知し、感知された状態による感知信号を磁場通信を通じて情報収集器300へ送り出す時に使われる。
【0038】
制御部109は例えば、演算のためのマイクロプロセッサとその周辺回路が1つのチップに集積化されたマイクロコントローラーで具現されることができ、情報収集器300から伝送されるウェークアップ信号によってセンサーノード100の各部分の動作を制御する。
【0039】
制御部109はウェークアップ信号が含まれた駆動信号が受信されると、アイドル(Idle)状態であるセンサーノード100の各部分に制御信号を送り出して駆動させる。センサー101から地中施設物の温度、湿度、圧力、亀裂の程度による感知信号が伝送されると、制御部109は該当感知信号に自分の固有の識別情報を含ませて通信部103に出力し、通信部103は該当感知信号を磁場通信を通じて情報収集器300へ伝送する。
【0040】
また、制御部109は感知信号の伝送が完了すると、センサーノード100の各部分に制御信号を伝送してその駆動を中断させることにより、またアイドル状態に進入させる。この時、充電部107は制御部109の制御信号により駆動信号に含まれた充電信号によって受信される充電信号の精電気誘導を通じて発生する電力をバッテリー105に充電する。
【0041】
情報収集器300は地上に具備され、上述した多数のセンサーノード100でウェークアップ信号と充電信号を含む駆動信号を持続的に送り出し、それぞれのセンサーノード100から伝送される感知信号を磁場通信を通じて収集し、収集された感知信号を近距離無線通信を通じて送り出す。このような情報収集器300は小型の送受信機形態で具現されることができ、更に望ましくは、一部は地中に埋め立てられ、他部は地上に突き出された形態で形成され得る。以下では上述した情報収集器300を図4を通じてより詳細に説明する。
【0042】
図4は本発明の望ましい一実施例による情報収集器を概略的に示したブロック図である。図示したように、本発明による情報収集器300は磁場通信を通じて駆動信号をセンサーノード100へ送り出し、センサーノード100から伝送される感知信号を受信する磁場通信部301と、モニタリングシステム500と近距離通信を通じてデータを送受信する近距離通信部303と、感知信号収集部によって収集されたセンサーノード100別感知信号を格納するメモリー305と、センサーノード100のセンシングスケジュールによって駆動信号にウェークアップ信号を含ませて磁場通信部301を通じてセンサーノード100へ送り出し、磁場通信部301を通じて受信された感知信号を収集して近距離通信部303を通じてモニタリングシステム500へ送り出すコントローラー307とを含んで構成される。
【0043】
磁場通信部301はセンサーノード100と磁場通信を通じてデータを送受信し、コントローラー307の制御信号によってウェークアップ信号と充電信号を含む駆動信号を地中に埋設されたセンサーノード100へ送り出し、多数のセンサーノード100から伝送される感知信号を受信して出力する。
【0044】
近距離通信部303は例えば、ブルートゥース、ジグビー(Zigbee)(登録商標)のような近距離無線通信規約を通じてモニタリングシステム500又はモバイル端末機700とデータを送受信するが、磁場通信部301により収集されたそれぞれのセンサーノード100の感知信号をモニタリングシステム500又はモバイル端末機700へ伝送する。また、モニタリングシステム500又はモバイル端末機700から伝送される制御命令を受信してコントローラー307へ出力する。
【0045】
メモリー305は例えば、読み書き可能なEEPROM又はフラッシュメモリーで具現されることができ、磁場通信部301を通じて受信されたセンサーノード100別感知信号を格納する。このようにメモリー305に格納されたセンサーノード100別感知信号はコントローラー307によりアクセス制御される。
【0046】
コントローラー307は上述したセンサーノード100の制御部109のように、演算のためのマイクロプロセッサとその周辺回路が1つのチップに集積化されたマイクロコントローラーで具現されることができ、地中施設物のセンシングスケジュールによってウェークアップ信号が含まれた駆動信号を生成して出力する。また、磁場通信モジュールから伝送される感知信号を受信して該当センサーノード100別感知信号をメモリー305に格納し、収集されたセンサーノード100別感知信号を近距離通信部303を通じてモニタリングシステム500又はモバイル端末機700へ伝送する。この時、情報収集器300とモニタリングシステム500の距離が近距離通信を通じて通信が不可能な場合、モニタリングシステム500と連結された無線中継器を付加的に設置することができる。
【0047】
本発明の追加的な態様により、本発明による情報収集器300はセンサーノード100から伝送される感知信号、すなわち、磁場信号の強度を感知して情報収集器300とセンサーノード100との間の距離を算出し、算出された距離情報を収集された感知信号とともにモニタリングシステム500又はモバイル端末機700へ伝送する。
【0048】
これによってコントローラー307は磁場通信部301から伝送される各センサーノード100別感知信号の強度を測定して該当センサーノード100と情報収集器300間の距離情報を算出し、これを感知信号とともにモニタリングシステム500へ伝送する。
【0049】
上述したように、磁場通信は距離による強度の変化が、他の近距離無線通信と比べて大きく、距離による強度の変化が大きいので磁場通信システムで受信側と送信測との間の距離をより正確に測定することができるものである。これにより、情報収集器300のメモリー305では地中における磁場通信信号の強度による距離を予め測定して測定結果を格納し、コントローラー307は磁場通信部301を通じて受信される感知信号、すなわち、磁場通信信号の強度を測定してメモリー305に格納された距離情報と比べることにより、情報収集器300とセンサーノード100との間の距離情報を算出することができる。このように算出された距離情報は感知情報に含まれ、モニタリングシステム500又はモバイル端末機700に伝送される。
【0050】
本発明の追加的な態様により、本発明による情報収集器300はGPS衛星から伝送されるGPS信号を受信して該当情報収集器300の位置を算出して出力するGPS受信部(309)を更に含み、コントローラー307はGPS受信部(309)によって算出された現在位置情報を感知信号とともに伝送する。
【0051】
GPS受信部309はGPS衛星から伝送されるGPS信号を受信して情報収集器300の位置情報を算出し、算出された位置情報をコントローラー307へ送る。このようなGPS信号を利用した位置情報算出技術は既に公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。コントローラー307はGPS受信部309を通じて算出された情報収集器300の位置情報をセンサーノード100別感知信号に含ませて磁場通信を通じて送る。
【0052】
これにより、モニタリングシステム500又はモバイル端末機700は情報収集器300を通じて伝送される情報収集器300の位置情報、情報収集器300とセンサーノード100別距離情報及び地中施設物の状態情報を受信して該当地中施設物の状態はもちろん、位置基盤の地中施設物の管理が可能である。
【0053】
例えば、情報収集器300の位置情報と情報収集器300とセンサーノード100別距離情報を通じて位置別上水道管の勾配、曲げられた程度などを算出することができ、これを映像化する場合、モニタリングシステム500管理者は視覚的な地中施設物の確認が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上詳述したように、磁場通信は高周波のRF又はUHF RFIDとは異なり、低い周波数を用いるので非常に敏感な減殺特性を有し、土及び水のような障害物に対してはそんなに敏感ではない。したがって、このような磁場通信を用いれば非常に正確な距離測定が可能である。
【0055】
本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、地中に埋設された施設物に具備されるセンサーノードと地上に具備された情報収集器間の磁場通信を利用することにより、無線通信環境が劣悪な地中環境でも容易に地中施設物の状態情報を収集し、これをモニタリングすることができるメリットを有している。
【0056】
また、本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、センサーノードが情報収集器から伝送される磁場通信信号を通じてバッテリーを充電して駆動電源で使用することにより、バッテリーを入れ替えずに半永久的に使用することができるメリットを有している。
【0057】
また、本発明による地中施設物管理のための無線通信システムは、磁場通信信号の強度を分析して比較的正確な情報収集器とセンサーノードとの間の距離を算出し、情報収集器のGPS位置情報を通じて地中施設物別位置基盤のモニタリングが可能なメリットを有している。
【符号の説明】
【0058】
100…センサーノード、
101…センサー、
103…通信部、
105…バッテリー、
107…充電部、
109…制御部、
300…情報収集器、
301…磁場通信部、
303…近距離通信部、
305…メモリー、
307…コントローラー、
309…GPS受信部、
500…モニタリングシステム、
700…モバイル端末機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェークアップ(Wake up)信号を含む駆動信号を受信する通信部と、
前記ウェークアップ信号に基づいて待機状態のセンサーノードを駆動させる制御部、及び
前記駆動信号に対する応答として感知信号を出力するセンサーを含み、
前記通信部は、他のセンサーノードから前記センサーノードを区分するための識別情報を前記感知信号に含ませて磁場フィールド上に伝送し、
前記感知信号の伝送が終了すると、アイドル状態(idle state)に入って充電信号によって充電を行うことを特徴とするセンサーノード。
【請求項2】
前記センサーは、地中施設物の状態情報を示す前記感知信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のセンサーノード。
【請求項3】
前記センサーノードは、地中施設物に備えられて地中に埋設されることを特徴とする請求項1に記載のセンサーノード。
【請求項4】
前記駆動信号に含まれた充電信号の静電気誘導を通じて発生する電力を充電する充電部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーノード。
【請求項5】
ウェークアップ信号を含む駆動信号をセンサーノードに伝送し、前記駆動信号に対する応答として感知信号を磁場フィールドを通じて前記センサーノードから受信する磁場通信部、及び
前記感知信号をモニタリングシステムに伝送する近距離通信部を含み、
前記駆動信号は、センサーノードのバッテリーを充電させる充電信号を更に含んで、
地上に設けられることを特徴とする情報収集器。
【請求項6】
前記感知信号は、他のセンサーノードから前記センサーノードを区分するための識別情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の情報収集器。
【請求項7】
ウェークアップ信号を含む駆動信号を受信する段階と、
前記ウェークアップ信号に基づいて待機状態のセンサーノードを駆動させる段階と、
前記駆動信号に対する応答として他のセンサーノードから前記センサーノードを区分するための識別情報を含む感知信号を出力する段階、及び
前記感知信号を磁場フィールド上に伝送する段階とを含むことを特徴とする磁場通信方法。
【請求項8】
前記感知信号は、地中施設物の状態情報を示すことを特徴とする請求項7に記載の磁場通信方法。
【請求項9】
前記駆動信号に含まれた充電信号の静電気誘導を通じて発生する電力を充電する段階を更に含むことを特徴とする請求項7に記載の磁場通信方法。
【請求項10】
前記センサーノードは、地中施設物に備えられて地中に埋設されることを特徴とする請求項7に記載の磁場通信方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−42525(P2013−42525A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223500(P2012−223500)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2010−50943(P2010−50943)の分割
【原出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(599028364)電子部品研究院 (28)
【氏名又は名称原語表記】KOREA ELECTRONICS TECHNOLOGY INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】68 Yatap−dong, Bundang−gu, Seongnam−si, Gyeonggi−do 463−816, Republic of Korea
【Fターム(参考)】