説明

地中連続壁用鋼材

【課題】安価で実用的な地中連続壁用鋼材を提供すること。
【解決手段】フランジ7の両端部にウェブ5が一体に連設され、各ウェブ5にフランジ7と平行にアーム部3,4が一体に連設され、各アーム部3,4の端部に、継ぎ手14が形成されているハット形鋼矢板2と、ハット形鋼矢板2のフランジ7と各ウェブ5とにより形成される溝側のフランジ7内面に固定されるH形鋼6とからなる地中連続壁用鋼材であって、ハット形鋼矢板1の長さ寸法よりもH形鋼6の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板1の長さ寸法内にH形鋼6を配設し、ハット形鋼矢板2の上端側または下端側レベルよりもH形鋼6の上端側または下端側レベルを、ハット形鋼矢板2よりもハット形鋼矢板2の中間側の位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板2のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板2とH形鋼6で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築土木工事における土留め壁あるいは護岸壁を構築する場合に広く用いられる地中連続壁用鋼材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、(1)土留め壁あるいは地中連続壁を構築する場合に用いられ、鋼矢板とH形鋼とを組み合わせて複合一体化した地中連続壁用鋼材(複合鋼矢板)としては、H形鋼の一側フランジに直線状鋼矢板あるいは壁版状鋼矢板を溶接により固定した地中連続壁用鋼材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、前記(1)の地中連続壁用鋼材よりも、より剛性の高い地中連続壁用鋼材として、U形鋼矢板とH形鋼またはI形鋼あるいはT型鋼を組み合わせた地中連続壁用鋼材も知られている(例えば特許文献3から6参照)。
【0003】
地中連続壁を構築する場合に、前記のような鋼矢板を多数横方向に連結して構築され多額の費用がかかるが、地中連続壁用鋼材一本の鋼矢板の長さ寸法を低減できると、多数の鋼矢板を使用して構築される地中連続壁あるいは土留め壁では、地中連続壁用鋼材の重量が軽量になる分、運搬が容易になると共に、打ち込みも容易になり、施工工期の短縮化も可能になり、地中連続壁を安価に構築でき、また施工コストを低減できる格段の効果を生じることになる。そのため、軽量安価な地中連続壁用鋼材が望まれる。
【0004】
U型鋼矢板における溝内にH形鋼矢板を固定する形態では、U型鋼矢板のウェブの傾斜角が大きい内面側にH形鋼が固定されるために、地盤に打設した場合に、U型鋼矢板の溝内側の地盤が圧密されて閉塞しやすいという課題があるが、U型鋼矢板の傾斜角よりも緩いハット形鋼矢板とH形鋼との組み合わせでは、地盤の圧密を低減し前記の課題をより解消しているという利点を有している。
【0005】
ところで、図8に示すような圧延により製造されるハット形鋼矢板2は、その寸法が変わると、圧延製造設備費が多大にかかるため、現存するハット形鋼矢板としては、図8および図9に示すような寸法(単位mm)のハット形鋼矢板2である。これらのハット形鋼矢板2の特徴として、フランジ7の両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブ5が一体に連設され、各ウェブ5に前記フランジ7と平行にアーム部3,4が一体に連設され、各アーム部3,4の端部に、継ぎ手14が一体に形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板2であり、左右の各継手14は、アーム部3,4の中心軸線の中央点に対して、点対称形状の継手14とされ、隣り合うハット形鋼矢板2相互の継手14を嵌合した場合に、アーム中心軸線上にハット形鋼矢板2を配設することも可能にされている。
【0006】
前記のハット形鋼矢板2の利点は、傾斜したウェブ5およびその両側にアーム部3,4を備えているので、矢板幅寸法が広いため打ち込み枚数が少なくなり、安価な壁体を構築することができることである。反面、矢板幅寸法を変えずに高い曲げ剛性を有するハット形鋼矢板を安価に容易に製造できない課題を有している。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−133209号公報
【特許文献2】特開平11−140864号公報
【特許文献3】特開昭55−68918号公報
【特許文献4】特開平06−280251号公報
【特許文献5】特開2005−127033号公報
【特許文献6】特許第3603793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記各従来技術では、U型鋼矢板とH形鋼とを組み合わせることは開示されているが、U型鋼矢板に対するH形鋼の長さ寸法との関係を具体的に明らかにして、より経済的な地中連続壁用鋼材にすることについては開示されていない。
また、矢板幅寸法を変えずに高い曲げ剛性を有するハット形鋼矢板を安価に容易に製造できない課題を有しているため、現存するまたは将来製造されるハット形鋼矢板を利用して、より剛性の高い安価な地中連続壁用鋼材が望まれる。
【0009】
本発明者は、ハット形鋼矢板2にH形鋼6を組み込んだ地中連続壁用鋼材とする場合に、地中連続壁あるいは土留め壁を構築する場合に、地中連続壁用鋼材はその上下方向の全長に渡って同じ断面である合理的な理由がないことに着目すると共に、土留め壁の天端変位を実用上問題のない変位に抑えることが可能であれば、より安価な地中連続壁用鋼材となり、そのような地中連続壁用鋼材を使用することにより、より安価な地中連続壁あるいは土留め壁となることを種々検討して本発明を完成させた。
本発明は、前記のハット形鋼矢板2の利点を生かしながら、これにH形鋼を組み込む地中連続壁用鋼材で、ハット形鋼矢板2に対するH形鋼の長さ寸法との関係を具体的に規定して、より安価で実用的な地中連続壁用鋼材を提供することを目的とする。これにより、より安価で実用的な土留め壁あるいは地中連続壁を構築可能な地中連続壁用鋼材を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の地中連続壁用鋼材では、フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の地中連続壁用鋼材において、前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材による土留め壁における設計地盤から地表面までの壁高Hの60%以内の寸法にされ、前記のレベル差寸法分、短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする。
また、第3発明の地中連続壁用鋼材では、フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする。
また、第4発明では、第3発明の地中連続壁用鋼材において、前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする。
また、第5発明の地中連続壁用鋼材では、フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とし、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする。
第6発明では、第5発明の地中連続壁用鋼材において、前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルとのレベル差寸法は、前記地中連続壁用鋼材による土留め壁における設計地盤から地表面までの壁高Hの55%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされ、かつ地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によると、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して土留め壁の天端が土圧作用方向に変位しても、同じ長さのハット形鋼矢板とH形鋼矢板を全長に渡って溶接した地中連続壁用鋼材を用いた時の天端変位Yの10%増以内(すなわち、天端変位Yの110%以内)の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
第2発明によると、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを、壁高Hの60%以内に低レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して、土留め壁に土圧が作用する方向に土留め壁天端が変位しても、前記第1発明と同様に前記天端変位Yの10%増以内の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁用の地中連続壁用鋼材として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
第3発明によると、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して、土留め壁に土圧が作用する方向に土留め壁天端が変位しても、前記第1発明と同様に前記天端変位Yの10%増以内の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁用の地中連続壁用鋼材として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
第4発明によると、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に高レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して、土留め壁に土圧が作用する方向に土留め壁天端が変位しても、前記第1発明と同様に前記天端変位Yの10%増以内の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁用の地中連続壁用鋼材として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
第5発明によると、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とすると共に、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して土留め壁の天端が土圧作用方向に変位しても、前記第1発明と同様に前記天端変位Yの10%増以内の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
第6発明によると、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを、壁高Hの55%以内に低レベル位置とすると共に、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に高レベル位置とした実用的に安価な地中連続壁用鋼材とすることができ、これを使用して、一側面側から土圧が作用する土留め壁用の鋼材として使用した場合に、土圧が作用して、土留め壁に土圧が作用する方向に土留め壁天端が変位しても、前記第1発明と同様に前記天端変位Yの10%増以内の変位に抑えることができ、実用上に付される土留め壁用の地中連続壁用鋼材として、安価で軽量な地中連続壁用鋼材を使用して、経済的な土留め壁とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】
まず、図1および図2を参照して本発明において使用される地中連続壁用鋼材1の基本形態について説明する。
【0014】
本発明の地中連続壁用鋼材1は、ハット形鋼矢板2とそのハット形鋼矢板2の高さ寸法よりも短い長さ寸法のH形鋼6との組み合わせ構成の地中連続壁用鋼材1であり、かつハット形鋼矢板2の長さ寸法内に収まるようにH形鋼6を配置するように組み合わせる特殊な組み合わせ構成の地中連続壁用鋼材1である。前記のハット形鋼矢板2およびH形鋼6はいずれも熱間圧延加工による圧延鋼材である。
【0015】
また、H形鋼6における一方のフランジ6aは、ハット形鋼矢板2におけるフランジ7とウェブ5とにより形成される溝側に配置され、前記H形鋼6における一方のフランジ6aは、ハット形鋼矢板2の溝内のフランジ7内面に当接されて、H形鋼6のフランジ6aの両側部は、全長に渡って溶接Wにより、ハット形鋼矢板2におけるフランジ7内面側に固定されている。
【0016】
しかも、第1実施形態の地中連続壁用鋼材1では、ハット形鋼矢板2の下端レベルとH形鋼6の下端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板2の上端レベルよりもH形鋼6の上端レベルを低レベル位置とし、すなわち、H形鋼6の上端を短くカットした地中連続壁用鋼材1で、その地中連続壁用鋼材1は、横断面で、ハット形鋼矢板2のみで構成されるハット形の横断面と、ハット形鋼矢板2とH形鋼6で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としている。より具体的には、地中連続壁用鋼材1を土留め壁用の壁材として用いる場合に、前記の地中連続壁用鋼材1におけるハット形鋼矢板2の上端レベルとH形鋼6の上端レベルとのレベル差寸法は、前記地中連続壁用鋼材1による土留め壁8における設計地盤から地表面までの壁高H(図3参照)の60%以内の寸法にされ、前記のレベル差寸法分、短くカットされたH形鋼6とされている。
この形態では、前記の壁高Hと、ハット形鋼矢板2の長さ寸法L1と、H形鋼6の長さ寸法L2との関係は、H×0.60>(L1−L2)を満足するようにされている。前記の(L1−L2)が、地中連続壁用鋼材1における上端側のハット形鋼矢板2のみで構成される断面を有する部分の長さAである。
【0017】
したがって、この形態では、地中連続壁用鋼材1の中間から下部側で、ハット形鋼矢板2とH形鋼6とが一体化された断面の高剛性部Cを形成している。なお、図中、6bはH形鋼6の他方のフランジ、6cはH形鋼のウェブである。
【0018】
また、図1(a)(c)および図2に示す第2実施形態では、ハット形鋼矢板2の上端レベルとH形鋼6の上端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板2の下端レベルよりもH形鋼6の下端レベルを高レベル位置とし、すなわち、H形鋼6の下端を短くカットした地中連続壁用鋼材1である。より具体的には、前記の地中連続壁用鋼材1におけるハット形鋼矢板2の下端レベルとH形鋼6の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材1の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼6とされている。したがって、この形態では、地中連続壁用鋼材1の中間から上部側で、ハット形鋼矢板2とH形鋼6とが一体化された断面の高剛性部を形成している。
この形態では、ハット形鋼矢板2の長さ寸法L1と、H形鋼6の長さ寸法L2との関係は、L1×0.30>(L1−L2)を満足するようにされている。前記の(L1−L2)が、地中連続壁用鋼材1における下端側のハット形鋼矢板2のみで構成される断面を有する部分の長さBである。
【0019】
さらに、図1(a)(d)および図2に示す第3実施形態では、ハット形鋼矢板2の上端レベルよりもH形鋼6の上端レベルを低レベル位置とし、かつハット形鋼矢板2の下端レベルよりもH形鋼6の下端レベルを高レベル位置とし、すなわち、H形鋼6の上端および下端を短くカットした地中連続壁用鋼材1である。より具体的には、前記の地中連続壁用鋼材1におけるハット形鋼矢板2の下端レベルとH形鋼6の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材1の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼6とされ、また、H形鋼6の上端レベルは、ハット形鋼矢板2の上端レベルよりも、壁高Hの55%以内にカットされた寸法のH形鋼6が使用されている。したがって、この形態では、地中連続壁用鋼材1の上下両端部を除く中間部で、ハット形鋼矢板2とH形鋼6の一方のフランジ6aとが一体化された断面の高剛性部を形成している。
この形態では、ハット形鋼矢板2の長さ寸法L1と、H形鋼6の長さ寸法L2と、地中連続壁用鋼材1における上端側のハット形鋼矢板2のみで構成される断面を有する部分の長さAと、地中連続壁用鋼材1における下端側のハット形鋼矢板2のみで構成される断面を有する部分の長さBとの関係は、A+B=L1−L2を満足させ、かつA<H×0.55を満足させ、さらにB<L×0.30を満足するようにされている。
【0020】
なお、各形態のハット形鋼矢板2では、熱間圧延加工により製造されたハット形鋼矢板2の端部のアーム部3,4に一体に継ぎ手14が形成されている。一方のアーム部3の端部に、上向きに開口する溝12aおよび係止爪部13を有する上向き開口溝形継ぎ手14が設けられ、また他方のアーム部4の端部に、下向きに開口する溝12bおよび係止爪部13を有する下向き開口溝形継ぎ手14が設けられている。
【0021】
前記の第1実施形態から第3実施形態のいずれの場合も、本発明では、これらの実施形態におけるそれぞれの地中連続壁用鋼材1を使用して、図3に示すような土留め壁8を構築した場合において、地中連続壁用鋼材1の天端変位を、同じ長さのハット形鋼矢板とH形鋼矢板を全長に渡って溶接した地中連続壁用鋼材を用いた時の天端変位Yの10%増以内(すなわち、天端変位Yの110%以内)に抑えることで実用上支障がないことを条件に、より経済的な地中連続壁用鋼材1を明らかにし、これにより合理的な土留め壁8を構築可能にしようとするべく、各実施形態について、各種の地盤N値と壁高Hを変化させた骨組計算解析をし、図4〜図7に示すような天端変位のグラフを作成した。
【0022】
なお、図3中の主な寸法は、下記の通りである。
(1)壁高Hは、設計地盤面10から地盤表面9までの高さ寸法
(2)ELは、仮想地盤面11から設計地盤面10までの高さ寸法
(3)根入れ長Lは、仮想地盤面11からハット形鋼矢板2下端までの高さ寸法
【0023】
また、図1(b)に示す前記のような第1実施形態の地中連続壁用鋼材1について、さらに具体的に、図3に示すような形態の土留め壁8として使用し、地表面9に単位面積あたり10kN/mの荷重を載荷した場合に、壁高Hのどの程度の長さ寸法までH形鋼6の上端側を実用上カット可能かについて、前記の骨組計算解析した結果を図4に示す。実用上カット可能かを判定する基準として、同じ長さのハット形鋼矢板とH形鋼矢板を全長に渡って溶接した地中連続壁用鋼材(全長にわたって図2に示す断面の従来の地中連続壁用鋼材)を用いた場合の設計上の天端変位Y[m]があり、最大で0.05m[50mm]とされている。したがって、例えば、従来の地中連続壁用鋼材を用いた場合の設計上の天端変位Yとして、最大で40mm〜45mmの天端変位を生じる性能の地中連続壁用鋼材を目標に、これに対応する性能の本発明の地中連続壁用鋼材を設計するようにすると、前記従来の天端変位Y[m]の10%増以内で、かつ最大天端変位50mm以内に確実に収まり、本発明の地中連続壁用鋼材1の設計が容易になると共に、これを使用した土留め壁8としても実用上特に支障がないので、前記天端変位Y[m]の最大10%増以内に設定した。
【0024】
図4では、横軸を、H形鋼6の上端のカット長さ(省略長A[m])と壁高H[m]との比(省略長A[m]/壁高H[m])として無次元化し、同様に縦軸に、上端側をカットしたH形鋼とハット形鋼矢板2との組み合わせの場合の天端変位(グラフでは、H鋼省略時の天端変位と記した)と、前記ハット形鋼矢板2と同じ長さのH形鋼6を全長溶接した場合の天端変位(グラフでは、全長溶接時の天端変位と記した)との比(H鋼省略時の天端変位/全長溶接時の天端変位)、すなわち天端変位増加割合として無次元化して、H形鋼の上端側をカットした寸法A[m]割合と、天端変位増加割合との関係を示すように、いずれの場合も、天端変位増加割合を10%以内に収めるには、縦点線で示すように、壁高Hの60%以内までカットすることが可能であることがわかる。
【0025】
したがって、壁高Hの0%を超え壁高Hの60%以内までH形鋼6をカットすること可能である。たとえば、壁高Hの10%までH形鋼6をカットする場合、壁高4.5mでは、0.45mのH形鋼のカットとなり、壁高5mでは、0.5mのH形鋼のカットとなり、安価なH形鋼となる。壁高Hの60%までH形鋼をカットする場合、壁高4.5mでは、2.7mのH形鋼のカットとなり、壁高5mでは、3mのH形鋼のカットとなり格段に安価なH形鋼を使用した地中連続壁用鋼材となり安価な地中連続壁用鋼材となる。また、壁高Hの30%以内までなら天端変位増加割合にほとんど変化がなく、ハット形鋼矢板2とH形鋼6とが同じ長さ寸法とした地中連続壁用鋼材と同等の部材であることがわかる。
なお、前記の図4および図5並びに後記する図6および図7のグラフでは、地盤のN値が10で壁高が4.5mの場合を黒丸で示し、N値が20で壁高が4.5mの場合を白丸で示し、N値が5で壁高が4.5mの場合を白4角で示し、N値が10で壁高が5.0mの場合を黒4角で示している。
また、N値が大きくなると天端変位が小さくなり、壁高Hが高くなると天端変位が大きくなることが予想されるが、これらのグラフからも同様なことがわかる。
【0026】
次に、前記第2実施形態の地中連続壁用鋼材1について、前記第1実施形態と同様に、天端変位を前記Y[m]の10%増以内に収めるようにすることを条件にした場合の骨組計算解析結果を図5に示す。
【0027】
図5では、横軸を、H形鋼6の下端のカット長さ(省略長B[m])とハット形鋼矢板全長[m]との比(省略長B[m]/矢板全長[m])として無次元化し、同様に縦軸を、下端側をカットしたH形鋼6とハット形鋼矢板2との組み合わせの場合の天端変位(グラフでは、H鋼省略時の天端変位と記した)と、前記ハット形鋼矢板2と同じ長さの(カットしない)H形鋼6を全長溶接した場合の天端変位(グラフでは、全長溶接時の天端変位と記した)との比(H鋼省略時の天端変位/全長溶接時の天端変位)すなわち天端変位増加割合として無次元化して示した。H形鋼の下端側をカットした寸法B[m]の全長に対する割合と、天端変位増加割合との関係を示すように、いずれの場合も、天端変位増加割合を10%以内に収めるには、縦点線で示すように、矢板全長の30%以内までカットすることが可能であることがわかる。
したがって、ハット形鋼矢板全長の0%を超え30%以内までH形鋼6をカットすること可能である。また、矢板全長の20%以内までなら天端変位増加割合にほとんど変化がなく、ハット形鋼矢板2とH形鋼6とが同じ長さ寸法とした地中連続壁用鋼材と同等の部材であることがわかる。
その他の構成は前記実施形態の場合と同様である。
【0028】
次に、前記第3実施形態の地中連続壁用鋼材1について、前記第1実施形態と同様に、天端変位を、前記天端変位Y[m]の10%増以内に収めるようにすることを条件にし、H形鋼の上端側および下端側の両方のカット長さの割合を具体的に導く出すための骨組計算解析結果を図6および図7に示す。図6では、H形鋼6の下端のカット長さB[m]の割合を一定に固定して、H形鋼6の上端のカット長さA[m]の割合を変化させ、図7では、H形鋼6の上端側のカット長さA[m]の割合を一定に固定して、H形鋼6の下端のカット長さB[m]の割合を変化させることにより、H形鋼6の上下両端をカットする場合に、H形鋼6の上端のカット長さA[m]の壁高Hに対する可能な割合と、H形鋼6の下端のカット長さB[m]の矢板全長に対するカット可能な割合を導き出すためのグラフである。
【0029】
具体的には、図6では、地中連続壁用鋼材(ハット形鋼矢板2の矢板全長)1に対するH形鋼6の下端側のカット長さB[m]の割合を0.30に固定した場合、すなわち、H形鋼6の下端側のカット長さB[m]を一定に固定して、H形鋼6の上端側のカット長さA[m]を変化させた場合に、天端変位を前記天端変位Yの10%増以内に抑えるには、壁高Hのどの程度の割合で上端カットが可能であるかを示すものである。また、H形鋼6の下端カット長さB[m]が少なくなれば、当然、地中連続壁用鋼材1の剛性が高まり、天端変位が少なくなるから、壁高Hの0%を超え、かつ縦点線で示すように、55%以内のH形鋼6のカットであれば、前記天端変位Y[m]の10%増以内に抑えることができることがわかる。なお、縦軸および横軸をそれぞれ無次元化した内容は、図4に示す場合と同様である。
【0030】
また、図7では、壁高Hに対するH形鋼6の上端側のカット長さA[m]の割合を0.55に固定した場合、すなわち、H形鋼6の上端のカット長さA[m]を一定に固定して、H形鋼6の下端のカット長さB[m]を変化させた場合に、天端変位を10%増以内に抑えるには、地中連続壁用鋼材の全長のどの程度の割合でH形鋼6上端側のカットが可能であるかを示すものである。また、H形鋼6の上端側のカット長さA[m]が少なくなれば、当然、地中連続壁用鋼材1の剛性が高まり、天端変位が少なくなるから、壁高Hの0%を超え、かつ縦点線で示すように、55%以内のH形鋼6の上端側のカットであれば、前記天端変位Y[m]の10%増以内に抑えることができることがわかる。なお、縦軸および横軸をそれぞれ無時限化した内容は図5に示す場合と同様である。
【0031】
H形鋼6の上端側をカットする場合に、前記のように壁高Hの0%を超える値であれば、経済的なメリットが生じるが、壁高Hの0%に近い数値では、経済的なメリットが小さいため、実用的には、例えば、前記の壁高Hの10%を超え55%以内で設定するのが好ましい。また、H形鋼6の下端側をカットする場合に、前記のように地中連続壁用鋼材1全長の0%を超える値であれば、経済的なメリットが生じるが、地中連続壁用鋼材1全長の0%に近い数値のカットの割合では、経済的なメリットが小さいため、例えば、実用的には、地中連続壁用鋼材1全長の5%以上30%以内の範囲で設定するようにするとよい。
【0032】
本発明においては、部材全体を熱間圧延加工により製造したハット形鋼矢板2を使用してもよく、継手部を熱間圧延加工により製作し、アーム部3,4に溶接により固定するようなハット形鋼矢板2を使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は本発明の第1〜第3実施形態の地中連続壁用鋼材を並列配置して嵌合させた状態を示す平面図、(b)は第1実施形態の地中連続壁用鋼材の側面図、(c)は第2実施形態の地中連続壁用鋼材の側面図、(d)は第3実施形態の地中連続壁用鋼材の側面図である。
【図2】本発明の実施形態の地中連続壁用鋼材を拡大して示す平面図である。
【図3】各実施形態の地中連続壁用鋼材を土留め壁として使用した場合の縦断側面図で、天端変位との関係を説明するための説明図である。
【図4】H形鋼の上端レベルをハット形鋼矢板の上端レベルよりも下げた本発明の第1実施形態の地中連続壁用鋼材を使用して土留め壁を構築した場合に、上端レベルを変化させた場合の天端変位を説明するための説明図である。
【図5】H形鋼の下端レベルをハット形鋼矢板の下端レベルよりも上げた本発明の第2実施形態の地中連続壁用鋼材を使用して土留め壁を構築した場合に、下端レベルを変化させた場合の天端変位の変化を説明するための説明図である。
【図6】H形鋼の上端レベルをハット形鋼矢板の上端レベルよりも下げると共に、H形鋼の下端レベルをハット形鋼矢板の下端レベルよりも上げた本発明の第3実施形態の地中連続壁用鋼材における上端レベルの限界を探るべく、下端レベルを一定にして、上端レベルを変化させた地中連続壁用鋼材を使用して土留め壁を構築した場合の天端変位の変化を説明するための説明図である。
【図7】H形鋼の上端レベルをハット形鋼矢板の上端レベルよりも下げると共に、H形鋼の下端レベルをハット形鋼矢板の下端レベルよりも上げた本発明の第3実施形態の地中連続壁用鋼材における下端レベルの限界を探るべく、上端レベルを一定にして、下端レベルを変化させた地中連続壁用鋼材を使用して土留め壁を構築した場合の天端変位の変化を説明するための説明図である。
【図8】従来のハット形鋼矢板の一形態を示す平面図である。
【図9】従来のハット形鋼矢板の他の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 地中連続壁用鋼材
2 ハット形鋼矢板
3 ハット形鋼矢板のアーム部
4 ハット形鋼矢板のアーム部
5 ハット形鋼矢板のウェブ
6 H形鋼
6a H形鋼の一方のフランジ
6b H形鋼の他方のフランジ
6c H形鋼のウェブ
7 ハット形鋼矢板のフランジ
8 土留め壁
9 地表面
10 設計地盤面
11 仮想地盤面
12a 溝
12b 溝
13 係止爪部
14 継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする地中連続壁用鋼材。
【請求項2】
前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材による土留め壁における設計地盤から地表面までの壁高Hの60%以内の寸法にされ、前記のレベル差寸法分、短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする請求項1に記載の地中連続壁用鋼材。
【請求項3】
フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルを一致させて、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする地中連続壁用鋼材。
【請求項4】
前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする請求項3に記載の地中連続壁用鋼材。
【請求項5】
フランジの両端部に外側に向かって広がるように傾斜したウェブが一体に連設され、各ウェブに前記フランジと平行にアーム部が一体に連設され、各アーム部の端部に、継ぎ手が形成されている断面ハット形のハット形鋼矢板と、前記ハット形鋼矢板のフランジと各ウェブとにより形成される溝側のフランジ内面に固定されるH形鋼とからなる地中連続壁用鋼材であって、前記ハット形鋼矢板の長さ寸法よりもH形鋼の長さ寸法を短くし、かつハット形鋼矢板の長さ寸法内にH形鋼を配設するようにするようにすると共にハット形鋼矢板の上端レベルよりもH形鋼の上端レベルを低レベル位置とし、ハット形鋼矢板の下端レベルよりもH形鋼の下端レベルを高レベル位置とし、横断面で、ハット形鋼矢板のみで構成される横断面と、ハット形鋼矢板とH形鋼で構成される合成断面との両方の横断面とを備えた鋼材としたことを特徴とする地中連続壁用鋼材。
【請求項6】
前記の地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の上端レベルとH形鋼の上端レベルとのレベル差寸法は、前記地中連続壁用鋼材による土留め壁における設計地盤から地表面までの壁高Hの55%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされ、かつ地中連続壁用鋼材におけるハット形鋼矢板の下端レベルとH形鋼の下端レベルとのレベル差寸法は、地中連続壁用鋼材の全長の30%以内の寸法に短くカットされたH形鋼とされていることを特徴とする請求項5に記載の地中連続壁用鋼材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−63765(P2008−63765A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240651(P2006−240651)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】