説明

地図情報処理装置、ナビゲーション装置、地図情報処理方法、およびプログラム

【課題】二以上の地点を示すデフォルメ地図を適切に表示可能な地図情報処理装置を提供する。
【解決手段】実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部101と、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付部102と、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得部103と、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図を出力する出力部110とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デフォルメ地図を出力する装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オンライン地図や車載用や携帯用のナビゲーションシステム等において、測量結果に対応した地図を表示するものが知られていた。また、地図上の一の地点に対応した実空間の位置について取得した景色の画像を表示する技術が知られていた。このような景色を表示するシステムとしては、例えば、ストリートビューやロケーションビュー、特許文献1等が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−226580号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、従来から、測量結果に対応しないデフォルメ地図等が広く用いられている。例えば、観光案内図や企業のアクセスマップ等のデフォルメ地図は測量結果に対応しないものではあるが、目的地の近傍を分かりやすく表示するものであるため、ユーザが目的地まで近づいた状態では非常に有用なものである。
【0005】
しかしながら、従来は、二以上の地点を示すデフォルメ地図を適切に取得して表示することができないという課題があった。この結果、デフォルメ地図を、現在地と目的地や、出発地と目的地のような異なる二以上の地点間を移動する際のナビゲーション等として利用することが困難であるという課題があった。
【0006】
また、デフォルメ地図は、特定の用途に応じて作成されたものが多いが、従来のストリートビュー等の技術を単に適用しただけでは、デフォルメ地図上の各地点について、デフォルメ地図の用途に応じた景色の画像を適切に表示することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の地図情報処理装置は、実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部と、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付部と、オブジェクト識別情報受付部が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得部と、デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図を出力する出力部とを備えた地図情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、二以上の地点を示すデフォルメ地図を適切に表示することができる。
【0009】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図情報は、更に、デフォルメ地図のタイプを示す情報であるタイプ情報を有しており、オブジェクト識別情報受付部は、更に、タイプ情報を受け付け、出力部は、オブジェクト識別情報受付部が受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図を上位にランキングするようデフォルメ地図を出力する地図情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、ユーザが指定するタイプのデフォルメ地図を上位にランキングして提示することができる。
【0011】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図と、デフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報とを受け付けるデフォルメ地図受付部と、デフォルメ地図受付部が受け付けたデフォルメ地図について、予め指定された一以上の属性値を取得する属性値取得部と、属性値を用いてタイプ情報を取得し、タイプ情報とデフォルメ地図およびオブジェクト識別情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部に蓄積する分類部と、を更に備えた地図情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、デフォルメ地図について取得した属性値を用いてデフォルメマップのタイプ情報を取得することができる。
【0013】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図のタイプと、デフォルメ地図の属性値との関係についての機械学習により得られた判定情報が格納される判定情報格納部を更に備え、分類部は、デフォルメ地図のタイプ情報を、デフォルメ地図について属性値取得部が取得した属性値と、判定情報格納部に格納されている判定情報とを用いて取得する地図情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、機械学習を利用することで、デフォルメ地図について、学習データに沿ったタイプ情報を取得することができる。
【0015】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、分類部は、デフォルメ地図のタイプ情報を、デフォルメ地図について属性値取得部が取得した属性値を用いて、予め指定された一以上の属性値を含む条件であるルールに従って取得する地図情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、デフォルメ地図に対して適切なタイプ情報を取得することができるとともに、どのようにタイプを判断したかがルールから明確に判断できる。
【0017】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図と、デフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報とを受け付けるデフォルメ地図受付部と、デフォルメ地図上のオブジェクトを、道路を示すオブジェクトであるパスオブジェクトと、道路以外のオブジェクトである地理オブジェクトとに分類するオブジェクト分類部と、オブジェクト分類部で分類された地理オブジェクトから同位オブジェクトを検出し、同位オブジェクトを用いて、地理オブジェクトとパスオブジェクトとを位置関係に応じてグループ化し、グループ化の状況に応じたデフォルメ地図のタイプ情報を取得し、取得したタイプ情報とデフォルメ地図およびオブジェクト識別情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部に蓄積する分類部と、を更に備えた地図情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、デフォルメ地図上の地理オブジェクトとパスオブジェクトの出現状況に応じた、適切なタイプ情報を取得することができる。
【0019】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図取得部が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、デフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する判断部と、判断部が遠いと判断した場合に、二以上のデフォルメ地図のそれぞれに配置されている少なくとも一以上のオブジェクトが示す地点を含む、実測結果に基づいた地図である実測地図を取得する地図取得部と、を更に備え、出力部は、地図取得部が取得した実測地図を更に出力する地図情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、二つのデフォルメ地図が示す地域間の距離が離れている場合であっても、この地域間の状況を実測地図で補って示すことが可能となる。
【0021】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、出力部は、デフォルメ地図取得部が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、二以上のデフォルメ地図を結合して出力する地図情報処理装置である。
【0022】
かかる構成により、二つのデフォルメ地図を、一つのデフォルメ地図として見たり扱ったりすることが可能となる。
【0023】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図上の二以上のオブジェクトに対応する二以上のオブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図上の位置情報と、実空間のおける位置情報とをそれぞれ取得し、取得した位置情報を用いて、デフォルメ地図の縮尺を取得する縮尺取得部を更に備え、出力部は、デフォルメ地図取得部が取得した一以上のデフォルメ地図に、縮尺を対応付けて出力する地図情報処理装置である。
【0024】
かかる構成により、デフォルメ地図の縮尺を表示することができる。
【0025】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図のタイプに応じて、デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す地点についてWEBから取得した画像を含む画像である案内画像を取得する案内画像取得部とを更に備え、出力部は、案内画像を更に出力する地図情報処理装置である。
【0026】
かかる構成により、デフォルメ地図が示す地域を案内する画像を容易に取得することができる。
【0027】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、出力部は、案内画像を、デフォルメ地図上に重ねて表示する地図情報処理装置である。
【0028】
かかる構成により、デフォルメ地図についての案内画像であることを、ユーザに容易に認識させることができる。
【0029】
また、本発明の地図情報処理装置は、前記地図情報処理装置において、デフォルメ地図のタイプは、地理オブジェクトを紹介するオブジェクトマップ、経路を紹介する経路マップ、または、地理オブジェクトと経路との両方を紹介する混合型マップを含み、案内画像取得部は、デフォルメ地図のタイプがオブジェクトマップである場合、デフォルメ地図上の地理オブジェクトに関する画像を取得し、デフォルメ地図のタイプが経路マップである場合、デフォルメ地図のパスオブジェクトに関する画像を取得し、デフォルメ地図のタイプが混合型マップである場合、デフォルメ地図上の地理オブジェクトに関する画像を、デフォルメ地図上の最も近いパスオブジェクトについて取得する地図情報処理装置である。
【0030】
かかる構成により、デフォルメ地図のタイプに応じた適切な案内画像を取得することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明による地図情報処理装置によれば、二以上の地点を示すデフォルメ地図を適切に表示することができる。
【0032】
また、本発明による地図情報処理装置によれば、デフォルメ地図に対応した案内画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態における地図情報処理装置のブロック図
【図2】同地図情報処理装置が取得可能な地理的特徴についての属性値の一例を説明するための図(図2(a))、および画像特徴についての属性値の一例を説明するための図(図2(b))
【図3】同地図情報処理装置の動作について示すフローチャート
【図4】同地図情報処理装置の動作について説明するフローチャート
【図5】同地図情報処理装置の動作について説明するフローチャート
【図6】同地図情報処理装置の概略図
【図7】同地図情報処理装置のデフォルメ地図情報管理表の一例を示す図
【図8】同地図情報処理装置の入力画面の一例を示す図
【図9】同地図情報処理装置の表示例を示す図
【図10】同地図情報処理装置の表示例を示す図
【図11】同地図情報処理装置の表示例を示す図を示す図
【図12】同地図情報処理装置が取得するデフォルメ地図を示す図(図12(a),図12(b))
【図13】同地図情報処理装置が出力するデフォルメ地図を示す図
【図14】同地図情報処理装置が取得するデフォルメ地図を示す図(図14(a),図14(b))
【図15】同地図情報処理装置が取得した実測地図を示す図
【図16】同地図情報処理装置の表示例を示す図
【図17】本発明の実施の形態2における地図情報処理装置のブロック図
【図18】同地図情報処理装置の動作について示すフローチャート
【図19】同地図情報処理装置の動作について示すフローチャート
【図20】同地図情報処理装置の動作について示すフローチャート
【図21】同地図情報処理装置に与えられるデフォルメ地図の一例を示す図
【図22】同地図情報処理装置による、デフォルメ地図上のオブジェクトを分類して示した図(図22(a))、および、分類されたオブジェクトを管理するオブジェクト分類管理情報を示す図(図22(b))
【図23】同地図情報処理装置によるデフォルメ地図上の同位オブジェクトを示す模式図
【図24】同地図情報処理装置によるデフォルメ地図上のオブジェクトで構成した最小全域木を示す模式図
【図25】同地図情報処理装置によるデフォルメ地図上のオブジェクトをグループに分割した状態を示す図
【図26】同地図情報処理装置による他のデフォルメ地図上のオブジェクトをグループに分割した状態を示す図
【図27】同地図情報処理装置による他のデフォルメ地図上のオブジェクトをグループに分割した状態を示す図
【図28】同地図情報処理装置が取得したデフォルメ地図情報を示す図
【図29】同地図情報処理装置が取得し通過情報を示す図
【図30】同地図情報処理装置の案内画像の出力例を示す図
【図31】同地図情報処理装置が出力する案内画像を構成する画像を示す模式図
【図32】本発明の各実施の形態におけるコンピュータシステムの外観の一例を示す図
【図33】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、地図情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における地図情報処理装置1のブロック図である。
地図情報処理装置1は、デフォルメ地図情報格納部101、オブジェクト識別情報受付部102、デフォルメ地図取得部103、デフォルメ地図受付部104、属性値取得部105、分類部106、判定情報格納部1061、判断部107、地図取得部108、縮尺取得部109、出力部110を備える。
【0036】
地図情報処理装置1は、地図情報を出力する装置である。地図情報処理装置1は、例えば、経路探索、経路案内の機能を有するナビゲーション装置や、地図表示機能を有する携帯端末や、いわゆるパーソナルコンピュータ(パソコン)や、テレビ受信機などである。ナビゲーション装置は、例えば、携帯型ナビゲーション装置や、カーナビゲーション装置等である。また、ナビゲーション機能を有するデジタルカメラ等であっても良い。地図表示機能を有する携帯端末とは、例えば、いわゆるスマートフォンや携帯電話である。
【0037】
デフォルメ地図情報格納部101には、一以上のデフォルメ地図情報が格納される。デフォルメ地図情報は、デフォルメ地図と、デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有する。地図とは、地表の諸物体や現象等を縮小して表現したものである。ここでの地図とは、例えば、地図の画像を意味すると考えて良い。デフォルメ地図とは、実測結果に基づかない地図である。デフォルメ地図は、実測結果に正確に対応していない地図であると考えても良い。実測結果に基づかない地図とは、現実世界の位置関係と同じ位置関係や、現実世界の距離関係と同じ距離関係を示さない地図である。デフォルメ地図は、例えば、地図が示す地域の少なくとも一部を誇張したり、少なくとも一部を強調したり、少なくとも一部を省略して示した地図である。デフォルメ地図は、例えば略地図であっても良い。また、例えば、ユーザが知識や経験や印象等に基づいて自由に作成した地図や、想像で作成した地図もデフォルメ地図と考えて良い。デフォルメ地図は、例えば、観光案内図や、企業のアクセスマップ等である。デフォルメ地図のデータ構造は問わない。デフォルメ地図は、ラスタデータ(ビットマップデータ)であってもベクタデータであっても良い。
【0038】
なお、地図には、デフォルメ地図の他に、例えば、実測地図がある。実測地図は、実測に基づいた地図である。実測に基づいた地図とは、現実世界の位置関係と同じ位置関係や、現実世界の距離関係と同じ距離関係を示す地図である。実測に基づいた地図は、実際に測量して作成した地図である測量図であってもよく、あるいは、実質的にそれと同等の地図、例えば、航空写真から作成した地図であってもよい。実測地図のデータ構造は問わない.実測地図は、ラスタデータ(ビットマップデータ)であってもベクタデータであっても良い。
【0039】
オブジェクトとは、デフォルメ地図等の地図上に表示される情報である。オブジェクトとは、例えば、店舗、ランドマーク、名勝、建物、地名、地点、住所等を示す文字や画像等の情報である。画像である場合、ラスタデータ(ビットマップデータ)であっても、ベクタデータであっても良い。オブジェクトはデフォルメ地図に埋め込まれていても良いし、デフォルメ地図に重ねて配置されていても良い。オブジェクト識別情報は、オブジェクトを識別する情報であり、例えば、オブジェクトの名称等を示す情報である。例えば、オブジェクトが地図上に表示される文字データであれば、オブジェクト識別情報は、この文字データと同じものであっても良い。また、オブジェクトがラスタ(ビットマップ)画像や文字のアウトライン画像等の画像データとして、デフォルメ地図に配置されたり埋め込まれたりしているものである場合、オブジェクト識別情報は、その画像データが示す文字列の読みを示す文字データ等であっても良い。また、オブジェクトがアイコン等の画像である場合、オブジェクト識別情報は、そのアイコンが示すものの呼び名等であっても良い。また、デフォルメ地図情報は、デフォルメ地図上のオブジェクトが存在する位置を示す位置情報(例えば座標)を、各オブジェクト識別情報と対応付けて有していても良い。なお、ここでは、オブジェクトのうちの、道路を示すオブジェクトをパスオブジェクト、道路以外を示すオブジェクトを地理オブジェクトと呼ぶ。但し、オブジェクトが分類されるカテゴリとしては、パスオブジェクトと地理オブジェクトとに加えて、更に違うカテゴリが設けられていても良い。パスオブジェクトは、例えば、「国道一号線」や、「堺筋通り」等の道路名等を示すオブジェクトである。また、地理オブジェクトは、「金閣寺」、「山下公園」等の建物名やランドマーク名や、「神戸市」、「浅草」等の地名を示すオブジェクトである。
【0040】
なお、通常、デフォルメ地図と、これに対応する一以上のオブジェクト識別情報とは、デフォルメ地図情報の一のレコードによって管理される。ただし、デフォルメ地図情報において、オブジェクト識別情報は、例えば、デフォルメ地図と結合されて埋め込まれていても良い。また、デフォルメ地図の画像がレイヤーを保持可能な情報である場合、オブジェクトは、デフォルメ地図の一のレイヤーに配置されていても良い。
【0041】
なお、デフォルメ地図情報は、更に、デフォルメ地図のタイプを示す情報であるタイプ情報を有していてもよい。デフォルメ地図のタイプとは、例えば、デフォルメ地図の用途や利用目的である。デフォルメ地図のタイプとしては、例えば、オブジェクトマップ、経路マップ、混合型マップがある。オブジェクトマップは、デフォルメ地図上に示される地理オブジェクトを紹介するための地図である。経路マップは、目的地までの経路を紹介する地図である、または、混合型マップは、地理オブジェクトと経路との両方を紹介する混合型マップである。タイプ情報は、これらのタイプを示す情報である。例えば、タイプ情報は、「オブジェクトマップ」、「経路マップ」、「混合型マップ」等である。なお、ここでの格納は、一時記憶も含む概念である。デフォルメ地図情報格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0042】
オブジェクト識別情報受付部102は、二以上のオブジェクト識別情報を受け付ける。なお、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けるオブジェクト識別情報は、オブジェクトが識別可能な情報であればよく、例えば、店舗、ランドマーク、名勝、建物、地名、地点、住所等を示す文字列の少なくとも一部の情報である。また、地図情報処理装置1が図示しないGPS(Global Positioning System)等を有している場合、二以上のオブジェクト識別情報のうちの一つは、このGPSが取得した現在位置の情報(例えば座標)に対応する現在地の地名等のオブジェクト識別情報であっても良い。現在位置から、地名等のオブジェクト識別情報を取得する処理は、例えば、いわゆる逆ジオコーディングと呼ばれる技術や、地名と緯度経度とを対応付けたデータベースの検索等で実現可能である。また、このような場合、現在位置の情報を入力すれば、結果的にオブジェクト識別情報の一つを受け付けることが可能であることから、このような現在位置等の座標等を受け付けることも、オブジェクト識別情報を受け付けることと考えるようにしても良い。
【0043】
また、オブジェクト識別情報受付部102は、更に、タイプ情報を受け付けてもよい。なお、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けるタイプ情報は、例えば、デフォルメ地図情報に含まれるタイプ情報の一部の情報であっても良い。
【0044】
オブジェクト識別情報やタイプ情報の受付とは、例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0045】
オブジェクト識別情報やタイプ情報の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。オブジェクト識別情報受付部102は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0046】
デフォルメ地図取得部103は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、当該二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれに対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得する。例えば、デフォルメ地図取得部103は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれに一致する二以上のオブジェクト識別情報を、デフォルメ地図情報格納部101に格納されているデフォルメ地図情報において検索する。そして、検出された二以上のオブジェクト識別情報に共通して対応付けられている一のデフォルメ地図を取得する。また、検出された二以上のオブジェクト識別情報に共通して対応付けられているデフォルメ地図がない場合、二以上のオブジェクト識別情報のそれぞれに個別に対応付けられたデフォルメ地図を取得する。なお、ここでの一致は完全一致であっても部分一致であっても良い。また、デフォルメ地図を取得する際に、対応するタイプ情報も取得するようにしてもよい。
【0047】
なお、ここでは、デフォルメ地図取得部103が、検出したデフォルメ地図に対するリンク情報を取得することも、デフォルメ地図を取得することと考える。リンク情報を用いることで、検出されたデフォルメ地図を容易に読み出すことができるからである。
【0048】
また、デフォルメ地図取得部103は、上記のようにオブジェクト識別情報を用いて取得されるデフォルメ地図のうちの、更に、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図を、デフォルメ地図情報格納部101から取得するようにしてもよい。
【0049】
デフォルメ地図取得部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。デフォルメ地図取得部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0050】
デフォルメ地図受付部104は、デフォルメ地図と、このデフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報とを受け付ける。ここでの一以上のオブジェクト識別情報は、対応するデフォルメ地図上に表示されているオブジェクトの識別情報である。オブジェクト識別情報は、デフォルメ地図と対応付けて予め用意された情報であっても良い。また、例えば、デフォルメ地図上に結合されている文字を示すラスタ(ビットマップ)画像や文字のアウトライン画像等の画像のオブジェクトから、OCR等の文字認識技術によって抽出した情報であっても良い。また、地図上に配置されている文字データである場合、これを取り出したものであっても良い。デフォルメ地図受付部104は、一以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクトが配置されているデフォルメ地図上の位置を示す位置情報(例えば座標)を更に受け付けても良い。
【0051】
デフォルメ地図受付部104が受け付けるデフォルメ地図が、どのように取得されたデフォルメ地図であるかは問わない。例えば、デフォルメ地図受付部104が受け付けるデフォルメ地図は、いわゆるWEBをクローラ等でクローリングして取得されたデフォルメ地図であっても良いし、ユーザが生成したデフォルメ地図であっても良い。
【0052】
なお、デフォルメ地図受付部104が受け付けるデフォルメ地図と、このデフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報は、一以上のオブジェクト識別情報を含むデフォルメ地図であっても良い。一以上のオブジェクト識別情報を含むデフォルメ地図とは、例えば、オブジェクト識別情報を示す文字列や画像が地図上に配置されているデフォルメ地図である。例えば、デフォルメ地図受付部104が、オブジェクト識別情報を示す分離可能な文字列のオブジェクトが配置されているデフォルメ地図を、オブジェクト識別情報を含むデフォルメ地図として受け付けるようにし、デフォルメ地図受付部104が、このデフォルメ地図から一以上の文字列をオブジェクト識別情報として抽出することで、デフォルメ地図とオブジェクト識別情報とを取得しても良い。また、例えば、デフォルメ地図受付部104が、文字列を示すラスタ画像や文字のアウトラインを示すベクタ画像等の画像のオブジェクトが結合されているデフォルメ地図を、オブジェクト識別情報を含むデフォルメ地図として受け付けるようにし、デフォルメ地図受付部104が、OCR等の文字認識技術を使うことで、このデフォルメ地図上の文字列の画像に対応する一以上の文字列のオブジェクトをオブジェクト識別情報として取得しても良い。
【0053】
なお、デフォルメ地図からオブジェクト識別情報を取得する場合、デフォルメ地図受付部104は、取得した一以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクトが配置されているデフォルメ地図上の位置を示す情報(例えば、座標)をオブジェクトの位置情報として取得しても良い。
【0054】
ここで述べるデフォルメ地図と、オブジェクト識別情報との受け付けは、例えば、記憶媒体等からの読み出しや、通信手段等を介した受信等である。デフォルメ地図受付部104は、データ読出のためのデバイスドライバーや、通信手段等で実現され得る。また、デフォルメ地図受付部104は、OCR等の文字認識技術の処理を実行するための、MPUやメモリや、ソフトウェア等を有していてもよい。
【0055】
属性値取得部105は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図について、予め指定された一以上の属性値を取得する。属性値は、デフォルメ地図の特徴を示す情報と考えても良い。属性値は、例えば、デフォルメ地図から得られる物理量である。
【0056】
属性値取得部105は、例えば、画像認識技術により、デフォルメ地図上の画像の特徴(例えば画像内の特定の形状や、画像内の画素の分布等)を検出し、検出結果を用いて、一以上の属性値を取得しても良い。また、属性値取得部105は、例えば、デフォルメ地図受付部104が受け付けたオブジェクト識別情報や、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの位置を示す情報を用いて、一以上の属性値を取得しても良い。
【0057】
以下、属性値取得部105が取得する一以上の属性値の一例について説明する。属性値取得部105は、例えば、以下に説明する属性値のうちの一以上を取得する。
【0058】
例えば、属性値取得部105が取得する属性値としては、大きく分類すると、例えば、デフォルメ地図の地理的特徴についての属性値と、画像特徴についての属性値とがある。
【0059】
図2(a)は、属性値取得部105が取得可能な地理的特徴についての属性値の一例を説明するための図である。
【0060】
「地理的特徴」とは、デフォルメ地図が持つ地図としての特徴である。「地理的特徴」とは、例えば、地域の情報を説明する要素として、地図から得られる物理量である。例えば、地図上に記載されている地名の緯度や経度は、地図が実空間におけるどの領域を説明しているかを示す要素であり、地理的特徴を示す属性値として利用可能である。
【0061】
「地理的特徴」の属性値は、更に、「表示領域」、「オブジェクト」、「分布」、「その他の」4つの特徴を示す属性値に分類される。「表示領域」は、更に、「実空間の座標」、「MBR(Minimum Bounding Rectangle)の面積」、「縮尺」に分類される。また、「オブジェクト」は、「全オブジェクト」、「ランドマーク」、「パス」、「エッジ」、「ディストリクト」、「ノード」に分類される。「分布」は、「画像内の分散」、「実空間の分散」に分類される。その他は、「方角」、「経路案内情報」、「経路案内以外の文字情報」に分類される。
【0062】
「実空間の座標」は、デフォルメ地図上のオブジェクトの実空間座標に基づく東西南北の端の座標である。例えば、「実空間の座標」として、属性値取得部105は一のデフォルメ地図に対して、東西南北それぞれの合計4つの座標を取得する。例えば、一のデフォルメ地図上に配置されている一以上のオブジェクトのうちの、実空間座標における対応する座標(例えば緯度、経度)の経度の値が、最も東側であること示すオブジェクト(例えば、東経の値が最も大きいオブジェクト)が、最も東側のオブジェクトとなり、このオブジェクトの座標が、東の端の座標として取得される。なお、ここでのオブジェクトは、デフォルメ地図上の全てのオブジェクトを対象としても良いし、全てのオブジェクトから予め指定されたルールに合致する(あるいは合致しない)オブジェクトを除いたオブジェクトを対象としても良い。例えば、後述するようなデフォルト地図上の、経路を案内するための文字列や、店舗の宣伝やキャプション等の文字列を、ここでは、オブジェクトから除外して考えても良い。かかることは以下においても同様である。地図上のオブジェクトの座標は、地図上のオブジェクトの中心や重心の座標であっても良いし、オブジェクトの四隅の一つの座標であってもよい。また、地図上のオブジェクトの横に位置を示すような画像(例えば黒丸や、ピンを刺したような画像)がある場合、この画像の示す位置をオブジェクトの座標としてもよい。オブジェクトに対応する実空間座標における座標は、いわゆるジオコーディングの手法等を用いて取得可能である。例えば、属性値取得部105は、デフォルメ地図上の、オブジェクトのうちの、東西南北の端に位置するオブジェクトをそれぞれ検出し、デフォルメ地図受付部104が受け付けたオブジェクト識別情報のうちの、検出されたオブジェクトのオブジェクト識別情報を、ジオコーディングのサービスを提供するWEBサイト等に、インターネット経由等で送信することで、このWEBサイトからオブジェクトの実空間座標における座標の値を取得してもよい。また、属性値取得部105は、地図情報処理装置1が有している地名等のオブジェクト識別情報と実空間座標を対応させたデータベース(図示せず)から、東西南北の端にそれぞれ位置するオブジェクトのオブジェクト識別情報に対応する実空間座標の座標を検索して取得することで、オブジェクトの実空間座標における座標の値を取得してもよい。ジオコーディングについては、例えば、以下の文献を参照されたい。
【0063】
文献1:"ジオコーディング"、[online]、[平成23年2月7日検索]、インターネット<URL:http://code.google.com/intl/ja/apis/maps/documentation/javascript/v2/services.html#Geocoding>
【0064】
MBRの面積とは、ここでは、実空間におけるデフォルト地図上の全てオブジェクトを含む最小矩形領域(MBR)の面積である。ただし、全てのオブジェクトの代わりに、予め指定されたルール等に従って一部のオブジェクトを除外したオブジェクトを用いるようにしても良い。かかることは、以下の他の属性値についても同様である。実空間におけるデフォルト地図上の各オブジェクトの位置を示す座標は、上記と同様に取得可能である。また、MBRを取得するアルゴリズム等については、公知の技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。なお、MBRについては、以下の文献を参考にされたい。
【0065】
文献2:Chiyako Matsumoto, Qiang Ma, and Katsumi Tanaka Web Information Retrieval Based on the Localness Degree Proceedings of the 13th int'l Conf. on Database and Expert System Applications 2002(DEXA'02),pages 172-181,2002.
【0066】
文献3:Naoharu Yamada, Ryong Lee, Hiroki Takakura, and Yahiko Kambayashi Classification of Web Pages with Geographic Scope and Level of Details for Mobile Cache Management The 2nd Int. Workshop on Web Geographical Information Systems, IEEE CS Press, Singapore, Dec.2002.
【0067】
「縮尺」は、デフォルメ地図の縮尺を示す属性値である。属性値取得部105は、例えば、デフォルメ地図上の二以上のオブジェクトに対応する二以上のオブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図上の位置情報と、実空間における位置情報とをそれぞれ取得し、取得した位置情報を用いて、デフォルメ地図の縮尺を取得する。具体的には、属性値取得部105は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図上の二以上のオブジェクトに対応するオブジェクト識別情報を用いて、この二以上のオブジェクトのデフォルメ地図上の位置情報(例えば座標)と、実空間における位置情報(例えば座標)とを取得し、この位置情報を用いて、これらの二以上のオブジェクトが示す二以上の地点間の、デフォルメ地図上の距離と、実空間における距離とをそれぞれ取得し、この取得した距離を用いることで取得する。具体的には、デフォルメ地図上の距離を、実空間における距離で除算、あるいは分数表示することで、縮尺を取得する。デフォルメ地図上の距離は、例えば、二以上のオブジェクトのデフォルメ地図上の座標を取得し、この座標間の距離を算出することで取得可能である。デフォルメ地図上の距離は、例えばピクセル等の単位で表しても良いし、出力画面の解像度等を用いて、インチやセンチ等の距離に換算した単位で表しても良い。また、実空間における距離は、上記と同様に、二以上のオブジェクトが示す地点の実空間の座標をそれぞれ取得し、これらの座標間の距離を算出することで取得可能である。実空間の座標間の距離は、例えば、距離の単位で表される。また、属性値取得部105は、上述したようなデフォルメ地図上のオブジェクトを含むMBRの面積と、このオブジェクトの実空間における位置を含むMBRの面積とをそれぞれ算出し、その面積比から縮尺を算出しても良い。
【0068】
「全オブジェクト」は、デフォルメ地図上のオブジェクト数を示す属性値であり、デフォルメ地図上に表示される全オブジェクトの数をカウントすることで取得される。全オブジェクトをカウントする代わりに、デフォルメ地図に対応付けられたオブジェクト識別情報数をカウントするようにしても良い。ただし、ここで述べる全てのオブジェクトとは、便宜上の全てのオブジェクトであり、たとえば、都道府県名や、海や山や川の名前等の一部のオブジェクトを最初から除外したものであっても良い。かかることは以下においても同様である。
【0069】
「パス」は、デフォルメ地図上に表示されるパスオブジェクトの数と、割合を示す属性値である。パスとは、人間が通る可能性のある道筋である。ただし、ここでは、一例として、電車の路線もパスに割り当てている。属性値取得部105は、例えば、予め用意されたパスの文字列が格納されたデータベース等(図示せず)において、デフォルメ地図上の各オブジェクトのオブジェクト識別情報と一致する文字列を検索し、一致するものがあれば、このオブジェクトをパスオブジェクトとして判断する。この一致は完全一致でも部分一致でも良い。このデータベースは、地図情報処理装置1が有していてもよいし、ネットワーク経由等でアクセス可能な外部の装置(図示せず)が有していても良い。あるいは、パスに特徴的な一以上の文字列(例えば、道、国道、県道、街道、号線、線、鉄道等)を、手がかり句として図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらの手がかり句を、先頭や、末尾に含むオブジェクト識別情報を、パスのオブジェクト識別情報と判断してもよい。パスのオブジェクト数は、パスと判断されたオブジェクト数またはオブジェクト識別情報数をカウントして取得する。また、割合は、このパスのオブジェクト数を上述した全オブジェクト数で除算して得られる値である。割合は適宜パーセント表示しても良い。
【0070】
「エッジ」は、デフォルメ地図上のパスでない線状の要素を示すオブジェクトの数と割合を示す属性値である。パスでない線上の要素は、例えば、川である。例えば、属性値取得部105は、パスの場合と同様に、例えば、予め用意されたパスでない線上の要素の文字列が格納されたデータベース等(図示せず)を用いて、デフォルメ地図上の各オブジェクトが、パスでない線上の要素のオブジェクトであるか否かを判断してもよい。このデータベースは、地図情報処理装置1が有していてもよいし、ネットワーク経由等でアクセス可能な外部の装置(図示せず)が有していても良い。あるいは、パスでない線上の要素に特徴的な一以上の文字列(例えば、川、河、一級、二級等)を、図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらのいずれかと一致する文字列を有するオブジェクト識別情報を、パス以外の線上の要素を示す識別情報と判断してもよい。数と割合の取得方法はパスの場合と同様である。
【0071】
「ディスクリクト」は、ディスクリクトを示すオブジェクトの数と割合を示す属性値である。ディスクリクトとは、例えば、内部の各所に同質の特徴を持つ領域であり、ここでは、市区町村などの名称を割り当てている。例えば、属性値取得部105は、パスの場合と同様に、例えば、予め用意されたディスクリクトの文字列が格納されたデータベース等(図示せず)を用いて、デフォルメ地図上の各オブジェクトが、ディスクリクトのオブジェクトであるか否かを判断してもよい。このデータベースは、地図情報処理装置1が有していてもよいし、ネットワーク経由等でアクセス可能な外部の装置(図示せず)が有していても良い。あるいは、ディスクリクトに特徴的な一以上の文字列(例えば、都道府県や、市町村区等)を、図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらのいずれかと一致する文字列を有するオブジェクト識別情報を、ディスクリクトを示すオブジェクトの識別情報と判断してもよい。数と割合の取得方法はパスの場合と同様である。
【0072】
「ノード」は、ノードを示すオブジェクトの数と割合を示す属性値である。ノードは、結節点や集合点にあたる要素である。ノードは、例えば、駅やバス停である。例えば、属性値取得部105は、パスの場合と同様に、例えば、予め用意されたノードの文字列が格納されたデータベース等(図示せず)を用いて、デフォルメ地図上の各オブジェクトが、ノードのオブジェクトであるか否かを判断してもよい。このデータベースは、地図情報処理装置1が有していてもよいし、ネットワーク経由等でアクセス可能な外部の装置(図示せず)が有していても良い。あるいは、ノードに特徴的な一以上の文字列(例えば、駅、ステーション、バス停、停留所、のりば等)を、図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらのいずれかと一致する文字列を有するオブジェクト識別情報を、ノードを示す識別情報と判断してもよい。数と割合の取得方法はパスの場合と同様である。
【0073】
「ランドマーク」は、デフォルメ地図上に表示されるランドマークのオブジェクトの数と、割合を示す属性値である。ランドマークとは、地域の特徴を表したり、象徴となる建物や記念碑等である。あるいは、土地の目印となるものであっても良い。ここでは、属性値取得部105は、デフォルト地図上のオブジェクトのうちの、上述したパス、エッジ、ディスクリクト、ノードのいずれでもないオブジェクトを、ランドマークのオブジェクトと判断する。ただし、属性値取得部105は、パスの場合と同様に、例えば、予め用意されたランドマークの文字列が格納されたデータベース等(図示せず)において、デフォルメ地図上の各オブジェクトのオブジェクト識別情報と一致する文字列を検索し、一致するものがあれば、このオブジェクトをランドマークのオブジェクトとして判断してもよい。また、ランドマークに特徴的な一以上の文字列(例えば、タワー、城、跡、碑等)を、図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらのいずれかと一致する文字列を有するオブジェクト識別情報を、ランドマークの識別情報と判断してもよい。ノードを示す識別情報と判断してもよい。数と割合の取得方法はパスの場合と同様である。
【0074】
「画像内の分散」、および「実空間の分散」は、デフォルト地図上に表示されるオブジェクトの、デフォルト地図の座標に関する分散値、および実空間の座標に関する分散値を示す属性値であり、それぞれについてx軸方向の分散値、y軸方向の分散値、および二軸の分散をかけ合わせた値が属性値取得部105により取得される。実空間の座標は、上記と同様にジオコーディングの技術等により取得可能である。また、分散の算出方法等は、公知技術であるので、ここでは説明を省略する。
【0075】
「方角」は、デフォルメ地図の示す方角を表す属性値であり、ここでは、一例としてデフォルメ地図のy軸の正方向が示す方角と、北の方角との間の角度を取得し、これを「方角」としている。例えば、デフォルト地図内の二以上のオブジェクトが示す地点と、このオブジェクトが示す実空間座標の地点との位置関係の角度のずれから、方角を取得する。例えば、デフォルト地図内の二つのオブジェクトが示す地点を結ぶ直線と、このオブジェクトが示す実空間座標の地点を結ぶ直線とがなす角度を、方角の値として算出する。
【0076】
「経路案内情報」は、経路案内情報の有無を示す属性値である。経路案内情報数の情報でもよい。経路案内情報は、デフォルト地図上の経路を案内するための文字列である。属性値取得部105は、経路案内情報に特徴的な一以上の文字列(例えば、行く先、行き方、アクセス、お越しの方等)を、図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、文字列が予め指定された数以上であって、これらの一以上の文字列のいずれかに一致する文字列を含むオブジェクト識別情報を、経路案内情報を示すオブジェクトのオブジェクト識別情報として判断する。そして、経路案内情報の有無や、数を取得する。なお、「経路案内情報」は、例えば、デフォルメ地図からOCR等で抽出した文字列の情報の中から取得可能である。かかることは、以下の「経路案内情報以外の文字情報」についても同様である。
【0077】
また、「経路案内情報以外の文字情報」は、経路案内情報以外の文字列であって、上述したランドマークやパス等のオブジェクト以外の文字列の情報の有無を示す属性値である。経路案内情報以外の文字列の数の情報でも良い。経路案内情報は、例えば、店舗の宣伝やキャプション等の文字列である。属性値取得部105は、例えば、文字列が予め指定された数以上であって、上記のような一以上の文字列のいずれにも一致しない文字列を含むオブジェクト識別情報を、経路案内情報以外の文字情報を示すオブジェクトのオブジェクト識別情報として判断する。そして、経路案内情報以外の文字列の有無や、数を取得する。
【0078】
図2(b)は、属性値取得部105が取得可能な画像特徴についての属性値の一例を説明するための図である。
【0079】
「画像特徴」は、デフォルメ地図が持つ画像としての特徴である。画像特徴とは、例えば、情報を画像として表現する要素として、画像から得られる物理量である。例えば、色成分における明度や、色成分における明度は、画像の明暗を示す要素であり、物理量として扱うことが可能である。画像の色合いや大きさは地図の印象や視認性に影響するため、ユーザの選択と関連があると推定できる。
【0080】
「画像特徴」は、大きく分けて、「形状」と「色と」いう属性に分類される。「形状」は、更に、「画像サイズ」という属性値を有している。また、「色」は、「R」、「G」、「B」、「V」という属性値を有している。
【0081】
「画像サイズ」は、デフォルメ地図の画像の画素数である。例えば、属性値取得部105は、デフォルメ地図の縦列、横列、全体の画素数を、画像サイズの属性値として取得する。
【0082】
また、「R」、「G」、「B」は、RGBカラーモデルのそれぞれの要素における、デフォルメ地図の画像の全ピクセルの平均と標準偏差を示す値であり、これらの値は、各画素のR値やG値やB値等を取得することで算出される。
【0083】
また、「V」は、デフォルメ地図の画像の全ピクセルの輝度の平均と標準偏差を示す値であり、この値は、各画素の輝度の値から算出可能である。
【0084】
これらの画像特徴の属性値は、デフォルメ地図の画像を構成する各画素の情報等や、画像のプロパティやヘッダ情報等から取得可能である。このような画像特徴の属性値を画像から取得する処理は、画像処理装置等においては公知技術である。
【0085】
なお、ここでの属性値の取得は、ユーザ等から入力される属性値の受け付けや、記憶媒体等に蓄積されている属性値の読み出し、通信手段等を介して受信される属性値の受信等を含む概念と考えても良い。例えば、属性値取得部105は、ユーザが目視等により検出した属性値や、他の装置等を用いて上記と同様の処理によりデフォルメ地図について取得された属性値を受け付けてもよい。
【0086】
属性値取得部105は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。属性値取得部105の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0087】
分類部106は、属性値取得部105が取得した一以上の属性値を用いて、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図についてのタイプ情報を取得する。そして、取得したタイプ情報と、地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図およびオブジェクト識別情報と、を対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積する。
【0088】
例えば、分類部106は、(1)機械学習や、(2)ルールを利用することで、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図についてのタイプ情報を取得する。以下、それぞれの場合について順次説明する。
【0089】
(1)機械学習による取得
分類部106は、例えば、属性値取得部105が取得した二以上の属性値と、後述する判定情報格納部1061に格納されている判定情報とを用いて、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図についてのタイプ情報を取得する判定情報とは、例えば、予め用意されたデフォルメ地図のタイプと、このデフォルメ地図の属性値とを機械学習させた結果として得られる情報であって、新たなデフォルメ地図のタイプ情報の判定に利用可能な判定情報である。
【0090】
ここでは、機械学習として、SVM(Support Vector Machine)を用いる場合を例に挙げて説明する。SVMについては公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。SVMについては、例えば、下記の文献を参照されたい。
【0091】
文献4:栗田多喜夫"サポートベクターマシン入門"、[online]、平成14年7月18日、[平成23年1月31日検索]、インターネット<URL:http://home.hiroshima-u.ac.jp/tkurita/lecture/svm.pdf>
【0092】
なお、機械学習としては、SVM以外の機械学習、例えば、SVRや決定木等を用いるようにしても良い。
【0093】
例えば、まず、WEB等からクローラ等を用いたクローリング等より取得した複数のデフォルメ地図を用意する。そして用意した各デフォルメ地図について、予め指定された一のタイプのデフォルメ地図であるか否かの判断結果と、上記の属性値取得部105が取得可能な属性値のうちの複数の属性値(素性)とを組を用意する。一のタイプのデフォルメ地図であるか否かの判断結果は、例えば、人間がデフォルメ地図を見て判断した判断結果である。また、複数の属性値は、上記の属性値取得部105または同様の処理部によって、自動取得してもよい。
【0094】
そして、このようにして用意した複数のデフォルメ地図についての、デフォルメ地図のタイプについての判断結果と、デフォルメ地図から取得した複数の属性値との組を、教師データとして、機械学習を行う分類部106に与える。分類部106は、これらのデータを教師データとして、機械学習を行う。そして、分類部106が機械学習により取得した判定情報を、後述する判定情報格納部1061に蓄積する。
【0095】
そして、分類部106は、属性値取得部105が一のデフォルメ地図について取得した二以上の属性値と、判定情報格納部1061に格納されている判定情報とを用いて、この二以上の属性値に対応するデフォルメ地図が、一のタイプのデフォルメ地図であるか否かの判定結果を解として得る。この場合、分類部106は、判定情報を参照して、二以上の属性値に対応するデフォルメ地図が一のタイプであるか否かを判定する判定器と考えても良い。そして、一のタイプのデフォルメ地図である場合、分類部106は、一のタイプを示すタイプ情報を取得する。
【0096】
なお、分類部106が機械学習を行う代わりに、他の機械学習を行う処理部や装置等で、上記と同様の教師データを用いた機械学習を行わせるようにし、機械学習により得られた判定情報を、判定情報格納部1061に蓄積するようにしてもよい。
【0097】
なお、上記のSVMによる機械学習は、デフォルメ地図が一のタイプであるか否かを判断するものであるため、例えば、デフォルメ地図が複数のタイプのうちのいずれかのタイプの地図であるか否かを判断するためには、予め、教師データを、複数のタイプ別に用意し、各タイプ別に機械学習を行って、学習により得られた判定情報を、タイプ別に、判定情報格納部1061に蓄積しておくようにする。そして、判定対象となるデフォルメ地図から取得した二以上の属性値を用いて、このデフォルメ地図が一のタイプであると判定されるまで、タイプ別の判定情報を利用したデフォルメ地図のタイプの判定を、判定情報を変更しながら順次行うようにすればよい。例えば、予め、上述したようなオブジェクトマップ、経路マップ、および混合マップ等のタイプ別に、機械学習を行って、タイプ別の機械学習により得られた判定情報を、判定情報格納部1061に蓄積すればよい。
【0098】
なお、機械学習を行う際に利用する教師データに用いられる二以上の属性値の種類と、機械学習により得られた判定情報を用いて解(即ち判定結果)を得る際に入力する二以上の属性値の種類とは同じ属性とする。
【0099】
また、上記のように、タイプ別に機械学習を行う場合、タイプ別に利用する教師データの二以上の属性値の種類は異なるものであっても良い。教師データとして用いる素性(ここでは、属性値の種類)を適切に選択することにより、予測に不要な特徴が減り、機械学習による予測の精度は向上するため、判定したいデフォルメ地図のタイプ毎に、適切な属性の属性値を用いるようにすることが好ましい。
【0100】
なお、デフォルメ地図のタイプの評価を行う際に適切な属性を取得するためには、例えば予め用意された複数の属性の中から、評価に対する影響の大きい属性を抽出したり、影響の小さい属性を取り除くようにすればよい。例えば、複数の属性から評価に対する影響の大きい属性を抽出する手法としては、変数選択法や、リッジ回帰等が知られている。また、例えば、複数の属性から評価に対する影響の小さい属性を取り除く処理は、逐次選択法に基づいて行うことが可能である。
【0101】
なお、本願発明者による鋭意研究の結果、上述したようなオブジェクトマップの判断に利用する機械学習において、パスの割合、オブジェクトの数、北端の座標、実空間の面積、経路案内情報、画像のサイズ、ランドマークの数、ランドマークの割合、ノードの数、パスの数等の属性値を利用することが適切であるという知見を得た。なお、ここでは、最も好ましい属性値から順番に示している。デフォルメ地図から取得したこのような属性値のうちの二以上と、同じデフォルメ地図に対するオブジェクトマップであるか否かの判断結果との組を教師データとして利用することで、より適切に精度良くデフォルメ地図がオブジェクトマップであるか否かの判断を行うことが可能となる。
【0102】
また、本願発明者による鋭意研究の結果、上述したような経路マップの判断に利用する機械学習においては、東端の座標、ディストリクトの数、画像内の分散、オブジェクトの数、パスの割合、西端の座標、画像内のY座標分散、南端の座標、ランドマークの数、Bの平均等の属性値を利用することが適切であるという知見を得た。なお、ここでは、最も好ましい属性値から順番に示している。デフォルメ地図から取得したこのような属性値のうちの二以上と、同じデフォルメ地図に対する経路マップであるか否かの判断結果との組を教師データとして利用することで、より適切に精度よくデフォルメ地図が経路マップであるか否かの判断を行うことが可能となる。
【0103】
なお、分類部106は、オブジェクトマップでも経路マップでもないデフォルメマップのタイプを、混合型マップと判断するようにしても良い。
【0104】
(2)ルールによる取得
分類部106は、例えば、デフォルメ地図のタイプ情報を、デフォルメ地図について属性値取得部105が取得した属性値を用いて、予め指定されたルールに従って取得する。この予め指定されたルールは、属性値取得部105が取得した属性値を一以上含む条件である。このルールは、例えば、一以上の属性値の値についての条件と、条件を満たす場合(あるいは満たさない場合)に取得されるタイプ情報とを組み合わせたものである。一以上の属性値の値についての条件とは、例えば、予め指定された一以上の属性値がすべて閾値以上(あるいは閾値未満)であるという条件や、予め指定された二以上の属性値のうちの、一以上の属性値が閾値以上(あるいは閾値未満)であるという条件や、これらの条件を複数組みあわせた条件である。なお、閾値やルール等は、図示しない記憶媒体等に予め蓄積しておくようにすればよい。
【0105】
また、このルールは、例えば、一以上の属性値を変数とした予め用意された式に、属性値取得部105が取得した属性値を代入した場合に得られる値が、予め指定された閾値よりも大きい(あるいは小さい)場合に、一のタイプ情報であると判断するルールである。
【0106】
例えば、分類部106が利用するルールが、属性値取得部105が取得したパスの割合が、閾値以下であるという条件を満たす場合に、対応するデフォルメ地図のタイプ情報として、オブジェクトマップを取得するというルールであったとすると、この場合、パスの割合が閾値以下であれば、オブジェクトマップというタイプ情報を分類部106が取得する。また、分類部106が利用するルールが、パスの割合が閾値以上であるという条件を満たす場合に、対応するデフォルメ地図のタイプ情報として、経路マップを取得するというルールであったとすると、この場合、パスの割合が閾値以上であれば、経路マップというタイプ情報を分類部106が取得する。
【0107】
分類部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。分類部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0108】
判定情報格納部1061には、判定情報が格納される。判定情報は、デフォルメ地図のタイプと、このデフォルメ地図の属性値との関係についての、機械学習により得られた情報である。例えば、判定情報は、予め用意された複数のデフォルメ地図のそれぞれについての、人間の判断したタイプと、そのデフォルメ地図から取得された二以上の属性値とを教師データとして機械学習して得られた情報である。この機械学習は、上述した判断部107が行っても良いし、外部の装置等が行っても良い。なお、ここでの格納は、一時記憶も含む概念である。判定情報格納部1061は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0109】
判断部107は、デフォルメ地図取得部103が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、デフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する。判断部107は、例えば、二以上の地図上の二以上のオブジェクトの位置を用いて、デフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する。デフォルメ地図同士の距離が近いか否かの判断は、デフォルメ地図が示す地域間の距離が遠いか否かの判断であっても良い。判断部107は、デフォルメ地図同士の距離が遠いか否かの判断をどのように行ってもよい。例えば、二以上のデフォルメ地図のそれぞれに、共通するオブジェクトが一以上存在する場合に、判断部107は、デフォルメ地図同士の距離が遠くないと判断し、それ以外の場合は、遠いと判断する。なお、共通するオブジェクトは、対応するオブジェクト識別情報同士が一致するオブジェクトとしてもよい。また、デフォルメ地図が示す実空間の領域同士(例えば、実空間のMBR同士)の少なくとも一部が重なる場合に、距離が遠くない(近い)と判断し、それ以外の場合を遠いと判断しても良い。また、二以上のデフォルメ地図上にそれぞれ配置されているオブジェクトのうちの、対応する実空間での位置が最も近いもの同士の距離を算出し、この距離が予め指定された閾値以下である場合に、距離が遠くない(近い)と判断し、それ以外の場合を遠いと判断しても良い。なお、デフォルメ地図上のオブジェクトの実空間の位置を示す情報や、デフォルメ地図が示す実空間の領域の位置や範囲を示す情報は、例えば、属性値取得部105がジオコーディング等を用いてオブジェクトの座標を取得する処理や、実空間におけるMBRの頂点等の座標を取得する処理と同様の処理により取得可能である。あるいは、属性値取得部105が取得したこれらの情報を判断部107が受け取るようにしても良い。
【0110】
なお、デフォルメ地図取得部103が取得した二以上のデフォルメ地図の一以上に、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示す二以上のオブジェクトが全て含まれている場合は、判断部107は、上記の処理を行わなくて良い。
【0111】
判断部107は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部107の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0112】
地図取得部108は、判断部107が遠いと判断した場合に、二以上のデフォルメ地図のそれぞれに配置されている少なくとも一以上のオブジェクトが示す地点を含む、実測結果に基づいた地図である実測地図を取得する。二以上のデフォルメ地図のそれぞれに配置されている少なくとも一以上のオブジェクトとは、各デフォルメ地図上の一以上のオブジェクトを意味する。各デフォルメ地図の一以上のオブジェクトをどのように選択するかは問わない。例えば、地図取得部108は、各デフォルメ地図上のオブジェクトについて、それぞれ実空間における位置の情報を取得し、各デフォルメ地図のそれぞれから選択されたオブジェクト同士の実空間における距離を算出し、この距離が最も近くなるオブジェクトの組合せを選択し、この2つのオブジェクトが含まれる実測地図を取得する。この実測地図は、例えば、地図情報処理装置1が予め内部に実測地図のデータベース等(図示せず)を有しており、このデータベースから取得するようにしてもよい。また、地図取得部108が、図示しない通信手段等を介して、WEBや、外部の装置から実測地図を取得しても良い。また、2つのオブジェクトが含まれる実測地図を取得する処理は、経路探索等の処理において公知技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0113】
地図取得部108が、実測地図を取得するタイミング等は問わない。例えば、デフォルメ地図取得部103が取得した、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトをそれぞれ個別に含むデフォルメ地図の少なくとも一方が複数であった場合、この複数のうちの一のデフォルメ地図が、図示しない受付部等を介したユーザ等による指示によって選択され、二以上のオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトをそれぞれ含むデフォルメ地図が、1つずつに決定された時点で、実測地図を取得しても良い。また、デフォルメ地図取得部103が取得した、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトをそれぞれ個別に含むデフォルメ地図のうちの、任意の一組、あるいは後述するようなランキングの最も高いもの同士の組について、実測地図を取得するようにしても良い。
【0114】
なお、地図取得部108は、二以上のデフォルメ地図について、それぞれ、属性値取得部105と同様に、実空間におけるMBRの頂点等の座標を取得し、それぞれのデフォルメ地図に対応する頂点のうちの、最も近い頂点の座標を両方とも含む実測地図を取得しても良い。また、地図取得部108は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの実空間における座標を用いて、実測地図についていわゆる経路探索を行い、経路探索により得られた経路を通過する実測地図であって、デフォルメ地図に対応する実空間のMBRの領域と重なる部分を除外した実測地図を取得しても良い。あるいは、デフォルメ地図に対応する実空間のMBRの領域と重なる部分も含む実測地図を取得しても良い。デフォルメ地図に対応するMBRで示す範囲を含む実測地図から、MBRで示す範囲を除外した実測地図を取得しても良い。
【0115】
地図取得部108は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。地図取得部108の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0116】
縮尺取得部109は、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図上の二以上のオブジェクトに対応する二以上のオブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図上の位置情報と、実空間における位置情報とをそれぞれ取得し、取得した位置情報を用いて、デフォルメ地図の縮尺を取得する。例えば、縮尺取得部109は、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図に対応する二以上のオブジェクトのオブジェクト識別情報を用いて、二以上のオブジェクトのデフォルメ地図上の位置情報(例えば座標)と、実空間における位置情報(例えば座標)とをそれぞれ取得し、この二以上のオブジェクトが示す二以上の地点間の、デフォルメ地図上の距離と、実空間における距離とを取得し、取得した距離を用いて、距離の比を算出することで、デフォルメ地図の縮尺を取得する。また、デフォルメ地図上のオブジェクトを含むMBRの面積と、これらのオブジェクトの実空間における位置を含むMBRの面積との面積比から、縮尺を算出しても良い。ここでの縮尺は、上述した属性値の一つである縮尺と同様のものと考えて良い。縮尺取得部109が縮尺を取得する処理は、属性値取得部105が、デフォルメ地図について縮尺の属性値を取得する処理と同様であり、ここでは詳細な説明は省略する。なお、縮尺取得部109と、属性値取得部105の縮尺を取得する処理を行う部分とを一の処理部で実現しても良い。
【0117】
縮尺取得部109は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。縮尺取得部109の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0118】
出力部110は、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図を出力する。ここでは、出力部110は、デフォルメ地図に対するリンク情報を出力することや、デフォルメ地図を拡大縮小した画像を出力することも、デフォルメ地図を取得することと考える。
【0119】
出力部110は、デフォルメ地図取得部103が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、例えば、二以上のデフォルメ地図をそれぞれ個別に出力してもよい。例えば、出力が表示である場合、二以上のデフォルメ地図を単に一画面内に並べて表示しても良い。また、切り替え可能な二画面として、二以上のデフォルメ地図を出力しても良い。
【0120】
また、例えば、出力部110は、デフォルメ地図取得部103が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、二以上のデフォルメ地図を結合して出力しても良い。ここでの結合とは、例えば、デフォルメ地図同士を結合して、一のデフォルメ地図(例えば、一の画像)として出力することである。出力部110は、例えば、二以上のデフォルメ地図を並べて結合した画像を生成して出力する。結合する際には、例えば、結合される端部同士を、予め指定された幅だけ重ねるようにしても良い。また、二以上のデフォルメ地図上の一致するオブジェクトを検出し、一致するオブジェクトの一以上同士が重なるように、デフォルメ地図を重ねて結合した画像を出力してもよい。一致するオブジェクトは、例えば、対応するオブジェクト識別情報が一致するオブジェクトを検索することで、取得可能である。一致するオブジェクトのうちの重ねるオブジェクトを選択する際には、例えば、デフォルメ地図同士を重ねた場合に、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクト同士の距離が最も近くなるようなオブジェクトを選択する。なお、画像を重ねて結合する場合、重なる部分の画像同士をどのような合成モード(例えば、乗算モードやスクリーンモード等)で結合してもよく、また、重なる部分の透過度もどのように変更しても良い。また、重ね合わせる場合、重ね合わせた上下関係を、ユーザ等の操作に応じて適宜切り替えられるようにすることが好ましい。
【0121】
出力部110は、二以上のデフォルメ地図を並べて出力する際や結合して出力する際には、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの実空間における位置の並び順と、このオブジェクトを含むデフォルメ地図の並び順とが、同様の並び順となるように、デフォルメ地図を並べることが好ましい。同様に、デフォルメ地図同士を並べる方向も、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトが並ぶ方向と、これらのオブジェクトがそれぞれ配置されたデフォルメ地図同士を並べる方向も、同じ方向となるように並べることが好ましい。なお、このような並び順や、並び方向の情報を取得して、一のデフォルメ地図における、他のデフォルメ地図が並ぶ方向の端部に、他のデフォルメ地図を出力(例えば表示)するためのボタン等を配置しても良い。
【0122】
また、出力部110は、地図取得部108が取得した実測地図を更に出力してもよい。例えば、出力部110は、2つのデフォルメ地図を出力する場合と同様、実測地図を、デフォルメ地図と並べて表示しても良い。また、2つのデフォルメ地図の場合と同様に、デフォルメ地図と実測地図とを結合して出力しても良い。また、結合する際には、地図取得部108が取得した実測地図が示す領域内の実空間における座標と、一のデフォルメ地図上の一のオブジェクトに対応する実空間における座標が、地図取得部108が取得した実測地図が示す実空間の地域内の座標であるか否かを判断し、実空間の地域内の座標であると判断された場合に、デフォルメ地図上の一のオブジェクトが配置されている位置と、実測地図のこのオブジェクトに対応する位置とを重ねて結合するようにしても良い。実測地図が示す実空間の地域内の座標に対応するデフォルメ地図上のオブジェクトが複数存在する場合、例えば、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクト、もしくはこのオブジェクトに最も近い位置にあるオブジェクトを、重ね合わせる位置を示すオブジェクトとして検出するようにしても良い。ここでの最も近い位置とは、デフォルメ地図上における距離が最も近い位置であっても、実空間における距離が最も近い位置であってもよい。
【0123】
また、出力部110は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図を上位にランキングするようデフォルメ地図を出力してもよい。例えば、出力部110は、デフォルメ地図取得部103が取得した各デフォルメ地図に対応するタイプ情報を、デフォルメ地図情報格納部101から検索等により取得し、各デフォルメ地図について取得したタイプ情報が、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたタイプ情報と一致するか否かを判断し、一致するタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図が上位にランキングされ、一致しないタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図はそのままにするか、もしくは下位にランキングする。なお、デフォルメ地図取得部103が取得した各デフォルメ地図のそれぞれと対応付けて、ランキングを決定するために用いるスコアを管理しておくようにし、タイプ情報が一致すると判断されたデフォルメ地図のランキングを示すスコアを、所定の値分だけ増加するようにしてもよい。そして、最終的に、このスコアが高いものから順に、デフォルメ地図を出力する際のランキングを決定しても良い。なお、このスコアは、他の要因等によっても値を増減できるようにしても良い。
【0124】
受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図を上位にランキングするようにデフォルメ地図を出力するとは、例えば、受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図を、対応付けられていないデフォルメ地図よりも、上の方(前の方)に配置されるように出力(例えば表示)することであってもよく、あるいは、受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図に、対応付けられていないデフォルメ地図よりも高いランキングの値を対応付けて出力することであってもよい。すなわち、デフォルメ地図の出力は、例えば、ランキング順の出力であってもよく、デフォルメ地図と、そのデフォルメ地図のランキングの値とを対応付けた出力であってもよい。
【0125】
なお、出力部110は、更に、デフォルメ地図の一以上の属性値に応じて、デフォルメ地図をランキングして出力してもよい。例えば、デフォルメ地図上のオブジェクトを含む実空間におけるMBRの面積の広いものから順に上位にランキングされるように、デフォルト地図を出力してもよい。なお、上記のように、タイプ情報によりランキングした後、同じランキングのものについてのみ、このような属性値によるランキングを行って、デフォルメ地図の出力を行っても良い。
【0126】
また、出力部110は、デフォルメ地図取得部103が取得した一以上のデフォルメ地図に、縮尺を対応付けて出力してもよい。出力部110は、縮尺をどのように対応付けて出力してもよく、例えば、デフォルメ地図と縮尺とを有する情報を出力しても良いし、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図上に縮尺を示す文字や画像を配置したり、結合したりして得られるデフォルメ地図を出力してもよい。
【0127】
出力部110のデフォルメ地図の出力は、デフォルメ地図に対応付けられたリンク情報の出力も含むと考えても良い。また、例えば、一画面に複数のデフォルメ地図を出力(例えば表示)する場合には、複数のデフォルメ地図をそれぞれ縮小して表示し、ユーザ等によるマウスやタッチパネルの操作により縮小された一のデフォルト地図が指定された場合に、このデフォルト地図が本来のサイズや拡大されたサイズで出力(例えば表示)されるようにしても良い。
【0128】
ここでの出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。出力部110は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部110は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0129】
図3は、地図情報処理装置1の動作について示すフローチャートである。以下、図3のフローチャートを用いて動作について説明する。なお、ここでは、一例として、デフォルメ地図受付部104が、ラスタ(ビットマップ)画像のオブジェクト識別情報が、地図上にオブジェクトとして結合されているデフォルメ地図を受け付ける場合を例に挙げて説明する。
【0130】
(ステップS101)オブジェクト識別情報受付部102は、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS102に進み、受け付けていない場合、ステップS104に進む。
【0131】
(ステップS102)オブジェクト識別情報受付部102は、タイプ情報を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS103に進み、受け付けていない場合、ステップS102に戻る。
【0132】
(ステップS103)地図情報処理装置1は、ステップS101で受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と、ステップS102で受け付けたタイプ情報とを用いて、デフォルメ地図を出力する処理を行う。この処理の詳細については後述する。そして、ステップS101に戻る。
【0133】
(ステップS104)デフォルメ地図受付部104は、一以上のデフォルメ地図と、各デフォルメ地図に表示されるオブジェクトに対応するオブジェクト識別情報とを受け付けたか否かを判断する。ここでは、一例として、オブジェクト識別情報が含まれる一以上のデフォルメ地図を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS105に進み、受け付けていない場合、ステップS101に戻る。
【0134】
(ステップS105)デフォルメ地図受付部104は、ステップS104で受け付けた一以上のデフォルメ地図のそれぞれに含まれるオブジェクト識別情報を抽出する。例えば、OCR等の文字認識技術を用いて、デフォルメ地図上の一以上の文字の画像を、文字列として認識させて、認識された文字列をオブジェクト識別情報として取得する。抽出したオブジェクト識別情報は、抽出元となるデフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0135】
(ステップS106)地図情報処理装置1は、ステップS104で受け付けたデフォルメ地図や、ステップS105で取得したオブジェクト識別情報や位置情報等を用いて、デフォルメ地図情報を取得する処理を行う。この処理の詳細については後述する。そして、ステップS101に戻る。
【0136】
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0137】
図4は、地図情報処理装置1によるデフォルメ地図を出力する処理の詳細について示すフローチャートであり、図3のステップS103に相当する処理を示すものである。以下、デフォルメ地図を出力する処理の詳細について説明する。
【0138】
(ステップS201)デフォルメ地図取得部103は、カウンターmに1を代入する。
【0139】
(ステップS202)デフォルメ地図取得部103は、ステップS101で受け付けたオブジェクト識別情報にm番目のオブジェクト識別情報があるか否かを判断する。ある場合、ステップS203に進み、ない場合、ステップS208に進む。
【0140】
(ステップS203)デフォルメ地図取得部103は、m番目のオブジェクト識別情報を検索キーとして検索を行い、m番目のオブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図を、デフォルメ地図情報格納部101に格納されているデフォルメ地図情報から検出する。
【0141】
(ステップS204)デフォルメ地図取得部103は、一以上のデフォルメ地図が検出できたか否かを判断する。検出できた場合、ステップS205に進み、検出できなかった場合、ステップS207に進む。
【0142】
(ステップS205)デフォルメ地図取得部103は、ステップS203で検出した一以上のデフォルメ地図を、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。そして、ステップS206に進む。
【0143】
(ステップS206)デフォルメ地図取得部103は、カウンターnの値を1インクリメントする。そして、ステップS202に戻る。
【0144】
(ステップS207)デフォルメ地図取得部103は、ステップS101で受け付けた二以上のオブジェクト識別情報にそれぞれ対応するオブジェクトを全て含むこととなる二以上のデフォルメ地図が取得できなかったことを示すエラー出力を行い、上位の処理にリターンする。
【0145】
(ステップS208)デフォルメ地図取得部103は、ステップS101で受け付けた二以上のオブジェクト識別情報の全てに対応するデフォルメ地図があるか否かを判断する。具体的には、デフォルメ地図取得部103がオブジェクト識別情報別に検索したデフォルメ地図の中に、共通するデフォルメ地図があるか否かを判断する。例えば、オブジェクト識別情報別に検索したデフォルメ地図において、共通するデフォルメ地図のファイル名があれば、このファイル名のデフォルメ地図が、共通するデフォルメ地図である。共通するデフォルメ地図がある場合、ステップS209に進み、ない場合、ステップS213に進む。
【0146】
(ステップS209)出力部110は、ステップS208において、2以上のオブジェクト識別情報の全てに対応するデフォルメ地図であると判断されたデフォルメ地図について、ステップS102で受け付けたタイプ情報を用いたランキングを行い、受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図が上位にランキングされるよう、デフォルメ地図を出力する。具体的には、ステップS208で二以上のオブジェクト識別情報の全てに対応すると判断されたデフォルメ地図の中から、ステップS102で受け付けたタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図を検出し、検出されたデフォルメ地図が、検出されなかったデフォルメ地図に対して上位となるようにランキングしてデフォルメ地図を出力する。一のデフォルメ地図が、ステップS102で受け付けたタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図であるか否かの判断は、たとえば、一のデフォルメ地図に対応するタイプ情報を、デフォルメ地図情報格納部101に格納されているデフォルメ地図情報から検索により取得し、取得したタイプ情報が、ステップS102で受け付けたタイプ情報と一致するか否か判断することで判断可能である。例えば、一致する場合は、一のデフォルメ地図が、ステップS102で受け付けたタイプ情報と対応付けられたデフォルメ地図であることを示し、一致しなければ、対応付けられたデフォルメ地図でないことを示すこととなる。出力部110は、例えば、ランキングに応じた順番で、デフォルメ地図のプレビュー画像や、アイコンやファイル名等を出力(例えば表示)する。
【0147】
(ステップS210)出力部110は、図示しない受付部等を介して、ランキングして表示されたデフォルメ地図の1つが選択されたか否かを判断する。選択された場合、ステップS211に進み、選択されていない場合、ステップS210に戻る。
【0148】
(ステップS211)縮尺取得部109は、ステップS210で選択されたデフォルメ地図について縮尺を取得する。例えば、ステップS105で抽出したオブジェクト識別情報を用い、ジオコーディング等を利用して、デフォルメ地図上の全てのオブジェクトの実空間の座標を取得し、これを用いて、実空間におけるMBRの面積を取得する。また、ステップS105でオブジェクト識別情報を抽出する際にオブジェクトを認識した位置の情報を、デフォルメ地図上の各オブジェクトの座標として取得しておくようにして、デフォルメ地図上の全てのオブジェクトの座標を取得する。そして、これを用いてデフォルメ地図上のMBRの面積を取得する。そして、実空間とデフォルメ地図上のMBRの面積比から、デフォルメマップの縮尺を取得する。なお、ここでの「全てのオブジェクト」とは、「予め指定された条件を満たすオブジェクトのうちの全て」と考えてもよい。例えば、「全てのオブジェクト」は、予め指定されたオブジェクト識別情報と対応するオブジェクトを除いたオブジェクトの全て」であってもよい。
【0149】
(ステップS212)出力部110は、ステップS210で選択されたデフォルメ地図と、ステップS211で取得した縮尺とを出力する。例えば、出力部110はデフォルメ地図の一部の領域上に縮尺が配置された画像を表示する。そして、上位の処理にリターンする。
【0150】
(ステップS213)出力部110は、ステップS208において、各オブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図であると判断されたデフォルメ地図について、オブジェクト識別情報別に、ステップS102で受け付けたタイプ情報を用いたランキングを行い、受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図が上位にランキングされるよう、デフォルメ地図をオブジェクト識別情報別に出力する。なお、ランキングの処理は、ステップS209と同様である。
【0151】
(ステップS214)出力部110は、図示しない受付部等を介して、二以上のオブジェクト識別情報別にランキングして表示されたデフォルメ地図のそれぞれにおいて、一つずつデフォルメ地図が選択されたか否かを判断する。つまり、各オブジェクト識別情報に対して、一つずつデフォルメ地図が選択されたか否かを判断する。選択された場合、ステップS215に進み、選択されていない場合、ステップS214に戻る。
【0152】
(ステップS215)判断部107は、ステップS214で選択された2以上のデフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する。例えば、2以上のデフォルメ地図にそれぞれ対応付けられたオブジェクト識別情報に、共通するオブジェクト識別情報があるか否かを判断し、共通するものがあれば、デフォルメ地図が示す実空間の領域間において、重なっている部分があると考えられることから、距離が遠くないと判断し、共通するものがなければ、距離が遠いと判断する。遠いと判断した場合、ステップS216に進み、遠くないと判断した場合、ステップS217に進む。
【0153】
(ステップS216)地図取得部108は、2以上のデフォルメ地図のそれぞれに表示されているオブジェクトのうちの少なくとも1以上のオブジェクトを含む実測地図を取得する。例えば、各デフォルメ地図に対応付けられているオブジェクト識別情報から、それぞれ1以上のオブジェクト識別情報を取得し、取得したオブジェクトを全て含む実測地図を、WEBや、地図情報処理装置1が有する図示しない実測地図のデータベース等から取得する。
【0154】
(ステップS217)縮尺取得部109は、ステップS214で選択された各デフォルメ地図について縮尺を取得する。各デフォルメ地図から縮尺を取得する処理は、ステップS211の処理と同様である。
【0155】
(ステップS218)出力部110は、ステップS214で選択された2以上のデフォルメ地図を結合する。なお、ステップS216において、実測地図を取得している場合、2以上のデフォルメ地図と実測地図とを結合する。
【0156】
(ステップS219)出力部110は、ステップS218で結合して得られた地図と、ステップS217で各デフォルメ地図について取得した複数の縮尺とを出力する。各縮尺は、結合されている地図の、各縮尺の取得元となるデフォルメ地図に由来する領域上や、その近傍に配置することが好ましい。そして、上位の処理にリターンする。
【0157】
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0158】
図5は、地図情報処理装置1によるデフォルメ地図情報を取得する処理の詳細について示すフローチャートであり、図3のステップS106に相当する処理を示すものである。以下、デフォルメ地図情報を取得する処理の詳細について説明する。なお、ここでは、分類部106が機械学習により得られた判定情報を利用してデフォルメ地図のタイプ情報を取得する場合を例に挙げて説明する。
【0159】
(ステップS301)属性値取得部105は、カウンターnに1を代入する。
【0160】
(ステップS302)属性値取得部105は、ステップS104で受け付けた一以上のデフォルメ地図の中に、n番目のデフォルメ地図があるか否かを判断する。ある場合、ステップS303に進み、ない場合、ステップS315に進む。
【0161】
(ステップS303)属性値取得部105は、カウンターkに1を代入する。
【0162】
(ステップS304)属性値取得部105は、デフォルメ地図から取得することが予め指定されている複数の属性値うちの、k番目の属性値を、n番目のデフォルメ地図について取得する。例えば、n番目のデフォルメ地図や、このデフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報を用いてk番目の属性値を取得する。また、属性値を取得する際には、必要に応じて、地図情報処理装置1内の図示しないデータベースや、インターネット等のネットワーク等を介して通信可能な他の装置から、ジオコーディング等の情報を取得して、取得した情報を属性値の取得に利用してもよい。そして、取得した属性値を、n番目のデフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。取得することが予め指定されている複数の属性値とは、例えば、後述するタイプ別の異なる判定情報を取得する際にそれぞれ教師データとして用いられた属性値の論理和である。
【0163】
(ステップS305)属性値取得部105は、カウンターkの値を1インクリメントする。
【0164】
(ステップS306)属性値取得部105は、デフォルメ地図から取得することが予め指定されている複数の属性値の中に、k番目の属性値があるか否かを判断する。ある場合、ステップS304に戻り、ない場合、ステップS307に進む。
【0165】
(ステップS307)分類部106は、判定情報格納部1061に予め格納されている経路マップについての判定情報を読み出す。また、n番目のデフォルメ地図について取得した属性値のうちの、この判定情報に対応して予め指定されている二以上の属性値を、ステップS304において属性値を蓄積した記憶媒体から読み出す。そして、読み出した属性値と、経路マップについての判定情報とを用いて、経路マップであるか否かを判定する。ここでの予め指定されている二以上の属性値は、経路マップについての機械学習の際に、教師データとして与えられた二以上の属性値である。
【0166】
(ステップS308)分類部106は、ステップS307による判定により経路マップであると判定されたか否か判断する。経路マップであると判定された場合、ステップS309に進み、判定されなかった場合、ステップS311に進む。
【0167】
(ステップS309)分類部106は、経路マップであること示すタイプ情報(例えば、「経路マップ」)を取得し、n番目のデフォルメ地図と対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0168】
(ステップS310)属性値取得部105は、カウンターnの値を1インクリメントする。そして、ステップS302に戻る。
【0169】
(ステップS311)分類部106は、判定情報格納部1061に予め格納されているオブジェクトマップについての判定情報を読み出す。また、n番目のデフォルメ地図について取得した属性値のうちの、この判定情報に対応して予め指定されている二以上の属性値を、ステップS304において属性値を蓄積した記憶媒体から読み出す。そして、読み出した属性値と、オブジェクトマップについての判定情報とを用いて、オブジェクトマップであるか否かを判定する。ここでの予め指定されている二以上の属性値は、オブジェクトマップについての機械学習の際に、教師データとして与えられた二以上の属性値である。
【0170】
(ステップS312)分類部106は、ステップS311による判定によりオブジェクトマップであると判定されたか否か判断する。オブジェクトマップであると判定された場合、ステップS313に進み、判定されていない場合、ステップS314に進む。
【0171】
(ステップS313)分類部106は、オブジェクトマップであること示すタイプ情報(例えば、「オブジェクトマップ」)を取得し、n番目のデフォルメ地図と対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0172】
(ステップS314)分類部106は、混合型マップであること示すタイプ情報(例えば、「混合型マップ」)を取得し、n番目のデフォルメ地図と対応付けて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0173】
(ステップS315)分類部106は、ステップS104で受け付けた各デフォルメ地図と、ステップS105で各デフォルメ地図からそれぞれ抽出した一以上のオブジェクト識別情報と、ステップS309、ステップS313、またはステップS314において各デフォルメ地図について取得したタイプ情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積する。そして、上位の処理にリターンする。
【0174】
なお、図5のフローチャートにおいては、デフォルメ地図のタイプ情報として、「経路マップ」と、「オブジェクトマップ」と、「混合型マップ」のいずれかを選択するようにしたが、その他のタイプ情報を取得するようにしても良い。例えば上記以外のタイプに分類されるデフォルメ地図を、属性値とともに教師データとして与えて機械学習させ、その学習により得られた判定情報を用いることで、デフォルメ地図のタイプ情報として、上記の3つ以外のタイプに分類することも可能となる。
【0175】
また、ここでは、教師学習を用いてタイプ情報を取得する場合を例に挙げて説明したが、上述したように,予め指定されたルールや、後述する同位オブジェクト等を利用して、デフォルメマップのタイプ情報を取得するようにしてもよい。
【0176】
また、図5のフローチャートにおいて、ステップS315で、各デフォルメ地図と、各デフォルメ地図からそれぞれ抽出した一以上のオブジェクト識別情報と、各デフォルメ地図について取得したタイプ情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積するようにしたが、このステップS315の代わりに、ステップS309、ステップS313、またはステップS314でn番目のデフォルメ地図についてタイプ情報を取得する毎に、n番目のデフォルメ地図と、n番目のデフォルメ地図からそれぞれ抽出した一以上のオブジェクト識別情報と、n番目のデフォルメ地図について取得したタイプ情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に順次蓄積するようにしても良い。
【0177】
なお、図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0178】
以下、本実施の形態における地図情報処理装置1の具体的な動作について、一例を挙げて説明する。なお、ここではオブジェクト識別情報受付部102が受け付ける二以上のオブジェクト識別情報が2つである場合について説明する。ただし、本発明においては、受け付けるオブジェクト識別情報は三以上であってもよい。また、本具体例等において示す地図や、オブジェクトのデフォルメ地図上の座標や、実空間における座標の値は、説明のための便宜上のものであり、必ずしも正確でないものとする。
【0179】
図6は、本具体例における地図情報処理装置1を示す概略図である。本具体例においては、地図情報処理装置1は、携帯型のナビゲーション装置であるとする。このナビゲーション装置1は、モニタ1101を有しており、その表面にタッチパネルが設けられているものとする。また、このナビゲーション装置は、無線ネットワーク回線を通じて、実測地図を提供したり、ジオコーディングを提供したりすることが可能な、地図データベースや、地図検索エンジン等を備えたサーバ装置100にアクセス可能なものであるとする。なお、サーバ装置100を利用する代わりに、用途別等に異なる複数のサーバ装置を利用するようにしてもよい。
【0180】
図7は、デフォルメ地図情報格納部101に格納されているデフォルメ地図情報を管理するデフォルメ地図情報管理表の一例を示す図である。デフォルメ地図情報管理表は、「デフォルメ地図」、「オブジェクト識別情報」、「座標」、「タイプ」という項目を有している。ここでは、デフォルメ地図情報管理表の各レコードがデフォルメ地図情報であるとする。「デフォルメ地図」は、ここでは、デフォルメ地図のファイル名であるとする。「オブジェクト識別情報」は、デフォルメ地図上のオブジェクトのオブジェクト識別情報である。「オブジェクト座標」は、オブジェクト識別情報が示すオブジェクトのxy座標である。「タイプ」は、デフォルメ地図のタイプ情報である。デフォルメ地図のタイプ情報としては、ここでは、オブジェクトマップ、経路マップ、および混合型マップの三種類のタイプ情報が少なくともあるものとする。なお、オブジェクト識別情報とタイプ情報とは、「オブジェクト識別情報」と「タイプ」という項目を有する別の管理表を用いて管理しても良いことはいうまでもない。
【0181】
図8は、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるためのインターフェース画面である入力画面の一例を示す図である。ここでは、一例として、出発地と目的地とをそれぞれ示す2つのオブジェクト識別情報を入力するためのフィールド81およびフィールド82が設けられているものとする。また、デフォルメ地図のタイプ情報を入力するための選択ボタン83が設けられているものとする。なお、三以上のオブジェクト識別情報を受け付ける場合等には、例えば一以上の経由地等を受け付けるためのフィールドを設けるようにしても良い。
【0182】
まず、ユーザが、デフォルメ地図を検索するための図8に示した入力画面を表示し、タッチパネルを操作して、フィールド81に、出発地である「京都駅」というオブジェクト識別情報を入力し、フィールド82に、目的地である「東本願寺」というオブジェクト識別情報を入力し、さらに、選択ボタン83を押してオブジェクトマップを選択したうえで、検索ボタン84を押したとする。なお、フィールド81に、GPS等が取得した現在位置の座標に対応する地名等のオブジェクト識別情報を入力するようにしても良い。例えば、ジオコーディングの技術により、GPS等が取得した現在位置の座標等に対応する現在位置の地名等を取得することが可能である。また、フィールド81を、表示しないようにして、自動的にGPSを用いて取得された地名等のオブジェクト識別情報が入力されるようにしてもよい。
【0183】
検索ボタン84が押されると、オブジェクト識別情報受付部102は、「京都駅」と、「東本願寺」という2つのオブジェクト識別情報と、「オブジェクトマップ」というタイプ情報を受け付ける。そして、デフォルメ地図取得部103は、デフォルメ地図の検索を開始する。
【0184】
まず、デフォルメ地図取得部103は、図7に示したデフォルメ地図情報管理表において、「オブジェクト識別情報」の値が、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた一のオブジェクト識別情報である「京都駅」と一致する全てのレコード(即ちデフォルメ地図情報)を検索する。そして、検出した各レコードの「デフォルメ地図」の値を、オブジェクト識別情報「京都駅」に対応するデフォルメ地図として取得し、オブジェクト識別情報「京都駅」と対応付けてメモリ等の記憶媒体に一時記憶する。ここでは、「kyosta01.jpg」と「kyosta02.jpg」と、「kyomap01.jpg」と、「kyoaccess.jpg」というデフォルメ地図が取得され、蓄積されたとする。
【0185】
また、デフォルメ地図取得部103は、同様に、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報「東本願寺」においても、同様に、対応するデフォルメ地図を取得し、オブジェクト識別情報「東本願寺」と対応付けて蓄積する。ここでは、「kyosta01.jpg」と「kyosta02.jpg」と、「kyoaccess.jpg」と、「kyokanko.jpg」というデフォルメ地図が取得され、蓄積されたとする。
【0186】
次に、デフォルメ地図取得部103は、オブジェクト識別情報別に蓄積したデフォルメ地図間において、重複するデフォルメ地図を検索する。重複検索の処理は公知であるので説明は省略する。重複検索の結果、「kyosta01.jpg」と「kyosta02.jpg」と、「kyoaccess.jpg」というデフォルメ地図が検出されたとする。デフォルメ地図取得部103は、検出したデフォルメ地図を取得し、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0187】
出力部110は、デフォルメ地図取得部103が、二以上のオブジェクト識別情報の両方に対応する一のデフォルメ地図を一以上検出したため、検出されたデフォルメ地図を、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたタイプ情報「オブジェクトマップ」を用いてランキングする。具体的には、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図を順次読み出し、図7に示したデフォルメ地図情報管理表において「デフォルメ地図」の値が読み出したデフォルメ地図と一致するレコード(即ちデフォルメ地図情報)を検索し、検出したレコードの「タイプ」の値が「オブジェクトマップ」と一致する場合は、読み出したデフォルメ地図に、ランキングの高さが上位であることを示す値を対応付ける。また、一致しない場合は、上位であることを示す値を対応付けない。上位であるか否かを示す値は、例えばフラグ情報である。なお、一のデフォルメ地図については、デフォルメ地図管理表の一のレコードを検出した時点で、レコード検出は終了してよい。
【0188】
例えば、上記で取得した3つのデフォルメ地図においては、デフォルメ地図「kyosta01.jpg」に対応する「タイプ」が「オブジェクトマップ」であるため、デフォルメ地図「kyosta01.jpg」には、上位であることを示す値を対応付け、その他のデフォルメ地図「kyosta02.jpg」および「kyoaccess.jpg」は、対応する「タイプ」が「経路マップ」であるため、上位であることを示す値を対応付けない。
【0189】
そして、出力部110は、上記で取得した3つのデフォルメ地図を、ランキングが上位であることを示す値を対応付けられたデフォルメ地図が、他のものよりも上方に配置されるように並べた画面を、モニタ1101に表示する。ただし、ここでは、デフォルメ地図そのものを表示せずに、デフォルメ地図の縮小画像とファイル名との組をランキングの高いものから上から順に並べて表示する。また、各ファイル名には、WEBページにおけるリンクと同様に、対応するデフォルメ地図を選択するためのボタンとしての機能が設定されているものとする。
【0190】
図9は、2つのオブジェクト識別情報の両方に対応するデフォルメ地図を、タイプ情報によってランキングして出力した表示例を示す図である。
【0191】
なお、上位であることを示す値と対応付けられたデフォルメ地図同士や、上位であることを示す値が対応付けられていないデフォルメ地図同士においては、どのように表示する順番等を決定してもよい。例えばランダムに順番を決定しても良いし、ファイル名の昇順や降順等で順番を決定してもよい。また、各デフォルメ地図において取得可能な実空間におけるMBRの面積の大小や、縮尺の大小によって、順番を決定しても良い。
【0192】
ここで、ユーザがタッチパネルを操作して、図9に示した画面において、一番上の「kyosta01.jpg」というデフォルメ地図のファイル名を押したとすると、図示しない受付部や、オブジェクト識別情報受付部102等が、このデフォルメ地図を表示する指示を受け付ける。
【0193】
次に、縮尺取得部109が、デフォルメ地図「kyosta01.jpg」の縮尺を取得する。例えば、縮尺取得部109は、図7に示したデフォルメ地図情報管理表から、デフォルメ地図「kyosta01.jpg」に対応する全ての「オブジェクト識別情報」と、「オブジェクト座標」とを取得する。ただし、予め指定された一部のオブジェクト識別情報は除外しても良い。
【0194】
そして、取得した全ての「オブジェクト識別情報」にそれぞれ対応する実空間の座標を、いわゆるジオコーディングの技術を用いて取得する。ここでは、地名等のオブジェクト識別情報の入力に応じて、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの、実空間における緯度及び経度の情報を出力するサービスを提供するサーバ装置100に、無線ネットワーク回線を介して、全ての「オブジェクト識別情報」を送信し、対応する実空間の座標を取得する。例えば、「東本願寺」というオブジェクト識別情報を送信すると、実空間の座標として、「緯度34.99102度、経度135.75847度」が取得される。同様にして、他のオブジェクト識別情報についても実空間の座標を取得する。なお、このようなジオコーディングのサービスを提供するサーバ装置や、ジオコーディングを行うためのAPI等については、公知であるので、ここでの説明は省略する。
【0195】
縮尺取得部109は上記で取得した「オブジェクト座標」の全ての含むデフォルメ地図上のMBRを決定し、その面積を算出する。例えば、ここで算出したデフォルメ地図のMBRの面積は、仮に、100cmであったとする。また、オブジェクト識別情報について上記で取得した実空間の座標の全てを含むMBRを決定し、その面積を算出する。ここで算出した実空間のMBRの面積は、640000mであったとする。
【0196】
縮尺取得部109は、取得した面積を用いて、面積比を算出する。面積比は、1/64000000となる。そして、その平方根である1/8000を縮尺として取得する。
【0197】
出力部110は、デフォルメ地図「kyosta01.jpg」の画像上に、縮尺取得部109が取得した縮尺を予め指定されている位置である右隅に配置した画像を生成し、モニタ1101に表示する。
【0198】
図10は、出力部110によるデフォルメ地図の表示例を示す図である。
【0199】
ここで、ユーザが、図8に示した入力画面の、フィールド81に「清水寺」を、フィールド82に「八坂神社」を入力し、選択ボタン83を「オブジェクトマップ」として、検索ボタン84を押したとすると、オブジェクト識別情報受付部102は、「清水寺」と、「八坂神社」という2つのオブジェクト識別情報と、「オブジェクトマップ」というタイプ情報を受け付ける。そして、デフォルメ地図取得部103は、デフォルメ地図の検索を開始する。
【0200】
まず、デフォルメ地図取得部103は、上述した「京都駅」の場合と同様の処理を行って、図7に示したデフォルメ地図情報管理表から、オブジェクト識別情報「清水寺」に対応するデフォルメ地図である「kiyomizu01.jpg」と、「kiyomizu02.jpg」とを取得し、図示しない記憶媒体等に蓄積する。また、オブジェクト識別情報「八坂神社」についても、同様に、「yasaka01.jpg」と、「yasaka02.jpg」とを取得し、蓄積する。
【0201】
次に、デフォルメ地図取得部103は、上記と同様に、オブジェクト識別情報別に蓄積したデフォルメ地図間において、重複するデフォルメ地図を検索する。ここでは、一致するものが検出されなかったとする。
【0202】
このため、出力部110は、オブジェクト識別情報別に、デフォルメ地図をランキング付けして表示する。ここでは、「kiyomizu01.jpg」と、「yasaka01.jpg」とに対応するタイプ情報が「オブジェクトマップ」であり、他のデフォルメ地図のタイプ情報が「経路マップ」であったとすると、受け付けたタイプ情報が「オブジェクトマップ」であることから、「kiyomizu01.jpg」と、「yasaka01.jpg」とを上位のランキングに決定して、これらが他のデフォルメ地図よりも上方に配置されるよう、オブジェクト識別情報別にデフォルメ地図の縮小画像と、デフォルメ地図のファイル名との組を並べて表示する。
【0203】
図11は、2つのオブジェクト識別情報のそれぞれに対応するデフォルメ地図を、タイプ情報によってランキングして出力した表示例を示す図である。
【0204】
ここで、ユーザがタッチパネル等を操作して、2つのオブジェクト識別情報別に表示されたデフォルメ地図から、「kiyomizu01.jpg」と、「yasaka01.jpg」とをそれぞれ選択したとする。
【0205】
図12は、デフォルメ地図「kiyomizu01.jpg」を示す図(図12(a))、及びデフォルメ地図「yasaka01.jpg」を示す図(図12(b))である。
【0206】
判断部107は、選択されたデフォルメ地図である「kiyomizu01.jpg」と、「yasaka01.jpg」とを取得し、このデフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する。まず、判断部107は、取得したデフォルメ地図のそれぞれに対応するオブジェクト識別情報を、図7に示したデフォルメ地図情報管理表から読み出し、対応するデフォルメ地図別にメモリ等に一時記憶する。例えば、読み出した各デフォルメ地図と「デフォルメ地図」の値が一致する一以上のレコードをデフォルメ地図情報管理表から検出し、検出したレコードの「オブジェクト識別情報」を取得して、各デフォルメ地図と対応付けて一時記憶する。そして、デフォルメ地図別に蓄積したオブジェクト識別情報間において、重複するオブジェクト識別情報を検索する。判断部107は、重複したものが一以上検出された場合、デフォルメ地図同士の距離が遠くないと判断する。また、重複したものが検出されなかった場合、デフォルメ地図同士の距離が遠いと判断する。ここでは、「高台寺」と、「八坂ノ塔」が重複するオブジェクト識別情報として検出されるため、距離が遠くないと判断される。
【0207】
このため、縮尺取得部109は、上記と同様に、デフォルメ地図別に、縮尺を取得する。ここでは、「kiyomizu01.jpg」について取得した縮尺が、「1/7000」、「yasaka01.jpg」について取得した縮尺が、「1/7500」であったとする。
【0208】
出力部110は、取得した2つのデフォルメ地図の距離が遠くないと判断されたため、デフォルメ地図を結合する。具体的には、判断部107が重複すると判断したオブジェクト識別情報「高台寺」および「八坂ノ塔」のそれぞれについて、上記と同様にサーバ装置100を利用して実空間の座標を取得する。また、ここでは、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二つのオブジェクト識別情報「清水寺」および「八坂神社」についても、同様に、実空間の座標を取得する。そして、重複すると判断された2つのオブジェクト識別情報のそれぞれについて、対応する実空間の座標から、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた2つのオブジェクト識別情報のそれぞれに対応する実空間の座標までの距離を算出する。例えば、重複するオブジェクト識別情報「高台寺」については、「高台寺」の実空間の座標から「清水寺」の実空間の座標までの距離と、「高台寺」の実空間の座標から「八坂神社」の実空間の座標までの距離とを算出し、その合計を算出する。また、重複するオブジェクト識別情報「八坂ノ塔」については、「八坂ノ塔」の実空間の座標から「清水寺」の実空間の座標までの距離と、「八坂ノ塔」の実空間の座標から「八坂神社」の実空間の座標までの距離とを算出し、その合計を算出する。そして、合計を比較して、合計の距離が短い方の重複するオブジェクト識別情報を取得する。ここでは、例えば、「高台寺」について取得した距離の合計の方が短かったとする。このため、この「高台寺」が示すオブジェクトの位置を、選択された二つのデフォルメ地図を重ね合わせる基準となる位置に決定して、各デフォルメ地図上の、オブジェクト識別情報「高台寺」に対応するオブジェクトの位置情報をそれぞれ取得する。具体的には、図7に示したデフォルメ地図情報管理表において、「デフォルメ地図」が「kiyomizu01.jpg」で、「オブジェクト識別情報」が「高台寺」であるレコードを検出し、そのレコードの「オブジェクト座標」の値(x11,y11)を、デフォルメ地図「kiyomizu01.jpg」について取得する。また、同様に、「デフォルメ地図」が「yasaka01.jpg」で、「オブジェクト識別情報」が「高台寺」であるレコードを検出し、そのレコードの「オブジェクト座標」の値(x17,y17)を、デフォルメ地図「yasaka01.jpg」について取得する。
【0209】
そして、出力部110は、二つのデフォルメ地図「kiyomizu01.jpg」と「yasaka01.jpg」とを、それぞれについて取得した座標(x11,y11)と(x17,y17)とが重なるように重ね合わせて画像を結合する。そして、結合した画像を表示する。重ねる際には、ここでは、例えば、デフォルメ地図「yasaka01.jpg」と、「kiyomizu01.jpg」とを乗算モードで結合画像を表示する。乗算モードとは両方の重なる画素の色の値を乗算して得られる色の値を、結合した画素の色の値とするモードである。両者を重ねる順番は問わない。また、重ねた部分の画像同士をどのように合成してもよい。例えば、各デフォルメ地図の他のデフォルメ地図と重ねあわせた部分については、他のデフォルメ地図の中心に近づくにつれて連続的あるいは段階的に、透明度が高くなるようにして合成しても良い。
【0210】
また、ここでは、一例として、縮尺取得部109が一のデフォルメ地図について取得した縮尺は、結合されたデフォルメ地図における、この一のデフォルメ地図に由来する部分の、画像同士が重ならない上辺または下辺をそれぞれ検出してその近傍に配置する。
【0211】
図13は、出力部110が結合して出力したデフォルメ地図を示す図である。
【0212】
ここで、仮に、図11に示したデフォルメ地図をランキングして表示した画面の表示後にユーザが選択したデフォルメ地図が、「kiyomizu02.jpg」と「yasaka02.jpg」であったとする。
【0213】
図14は、デフォルメ地図「kiyomizu02.jpg」を示す図(図14(a))、及びデフォルメ地図「yasaka02.jpg」を示す図(図14(b))である。
【0214】
そして、判断部107の判断の結果、二つのデフォルメ地図間に重複するオブジェクト識別情報がなく、デフォルメ地図間の距離が遠いと判断されたとする。
【0215】
この場合、地図取得部108は、上述したMBRを取得する場合と同様に、それぞれのデフォルメ地図に対応するオブジェクト識別情報を図7に示したデフォルメ地図情報から取得し、それぞれに対応する実空間の座標を取得する。そして、異なるデフォルメ地図からそれぞれ一つずつ対応するオブジェクト識別情報を取り出す場合の全ての組み合わせについて、取り出したオブジェクト識別情報に対応する実空間の座標間の距離を算出する。そして、最も距離が短くなるオブジェクト識別情報の組合せを検出する。例えば、この二つのデフォルメ地図「kiyomizu02.jpg」および「yasaka02.jpg」については、デフォルメ地図「kiyomizu02.jpg」に対応するオブジェクト識別情報「三年坂」と、デフォルメ地図「yasaka02.jpg」に対応するオブジェクト識別情報「京都月見町郵便局」との組み合わせが、実空間の距離が最も短くなるオブジェクト識別情報の組合せとして検出されたとする。
【0216】
地図取得部108は、このようにして取得した二つのオブジェクト識別情報「三年坂」および「京都月見町郵便局」に対応する二つのオブジェクトが示す二つの地点を同時に含む実測地図を、無線ネットワーク回線経由で、サーバ装置100から取得する。具体的には、地図取得部108は、二つのオブジェクト識別情報「三年坂」および「京都月見町郵便局」をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、地図取得部108から送信される二つのオブジェクト識別情報を受取ると、この二つのオブジェクト識別情報が示す二つの地点を同時に含む実測地図を、実測地図のデータベース等から取得して、地図取得部108に送信する。なお、入力された二つの地名等が示す二つの地点を含む実測地図を取得する構成等は、いわゆる二点間の経路探索を行う装置等においては、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0217】
図15は、このようにして地図取得部108が取得した実測地図を示す図である。
【0218】
そして、縮尺取得部109が、二つのデフォルメ地図について縮尺を取得する。
【0219】
出力部110は、二つのデフォルメ地図の、上記で取得した二つのオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトが位置する側の間に、地図情報取得部108が取得した実測地図を挟み込むようにして、デフォルメ地図と実測地図とを結合する。またデフォルメ地図上には、それぞれ縮尺を配置する。そして、結合して得られた地図を、モニタ1101に表示する。
【0220】
図16は、結合して得られた地図の表示例を示す図である。
【0221】
なお、実測地図は、実空間の領域をほぼ正確に縮小表示したものと考えることができるため、地図取得部108が実測地図を取得する際に、上記で取得した二つのオブジェクト識別情報に対応する実空間の座標と、取得する実測地図の、実空間における位置とサイズとが分かる情報(例えば、対角の座標等)とを更に取得するようにし、取得した実測地図が実空間で示す領域と、二つのオブジェクト識別情報に対応する実空間の座標の位置関係から、取得した実測地図上の二つのオブジェクト識別情報の座標をそれぞれ取得して、取得した実測地図上の座標と、二つのデフォルメ地図上の同じオブジェクト識別情報がそれぞれ示す座標とが、それぞれ重なるようにデフォルメ地図と実測地図とを重ねて結合するようにしても良い。
【0222】
ここで、デフォルメ地図を用いてデフォルメ地図情報を取得してデフォルメ地図情報格納部101に蓄積する処理等について説明する。
【0223】
まず、予め、クローリング等により、複数のデフォルメ地図を取得しておく。ここでのデフォルメ地図は、ラスタ(ビットマップ)画像やアウトライン画像で構成されるオブジェクト識別情報が、デフォルメ地図にオブジェクトとして結合されて埋め込まれている画像情報であるとする。そして、このデフォルメ地図を一以上の評価者に見せて、各デフォルメ地図が、オブジェクトマップ、経路マップ、または混合型マップのいずれのタイプのマップであるかを、評価者に評価させる。そして、評価結果を示すタイプ情報をデフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。例えば、オブジェクトマップと判断されたデフォルメ地図は、「オブジェクトマップ」というタイプ情報と対応付けて蓄積しておく。
【0224】
また、記録媒体等に蓄積しておいた同じデフォルメ地図をデフォルメ地図受付部104に読み出させると、デフォルメ地図受付部104は、OCR等の文字認識処理を行うことで、各デフォルメ地図から一以上のオブジェクト識別情報を抽出する。抽出したオブジェクト識別情報と、このオブジェクト識別情報が認識されたデフォルメ地図上の座標とを、デフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。オブジェクト識別情報が認識されたデフォルメ地図上の座標を、ここでは、オブジェクト識別情報が対応するオブジェクトの座標と考えるものとする。
【0225】
属性値取得部105は、デフォルメ地図受付部104が各デフォルメ地図から抽出し、デフォルメ地図と対応付けて蓄積したオブジェクト識別情報や、このオブジェクト識別情報が対応するオブジェクトの座標を用いて、各デフォルメ地図毎に、複数の属性値を取得する。この属性値は、例えば、図2(a)や、図2(b)に示された属性値のうちの二以上の属性値を含む属性値である。また、属性値の取得には、適宜サーバ装置100等を利用してもよい。属性値取得部105は、取得した二以上の属性値をデフォルメ地図と対応付けて蓄積する。
【0226】
次に、分類部106は、タイプ情報別に機械学習を行う。具体的には、オブジェクトマップについての機械学習を行う場合、上記で取得したタイプ情報と複数の属性値とをデフォルメ地図情報別に読み出し、オブジェクトマップのタイプ情報をオブジェクトマップであることを示す評価データに変換し、オブジェクトマップ以外のタイプ情報をオブジェクトマップでないことを示す評価のデータに変換する。そして、変換したタイプ情報を各デフォルメ地図のタイプについて評価を示す教師データとし、複数の属性値を各デフォルメ地図についての素性を示す教師データとして用いて、オブジェクトマップについての機械学習を行う。そして、機械学習により得られた判定情報を、後述する判定情報格納部1061に蓄積する。このようにして、任意のデフォルメ地図のタイプが、オブジェクトマップであるか否かを評価する際に利用される判定情報が取得される。
【0227】
同様の機械学習を経路マップについても行って、任意のデフォルメ地図のタイプが、経路マップであるか否かを評価する際に利用される判定情報を取得する。
【0228】
次に、デフォルメ地図情報を取得するために用いられるデフォルメ地図を用意し、デフォルメ地図受付部104に与える。与えられたデフォルメ地図は、例えば、ラスタ(ビットマップ)画像として地図上に結合されたオブジェクト識別情報を有するデフォルメ地図であるとする。デフォルメ地図受付部104は、OCR等の文字認識処理を行うことで、デフォルメ地図から一以上のオブジェクト識別情報を抽出する。抽出したオブジェクト識別情報と、このオブジェクト識別情報が認識されたデフォルメ地図上の座標とを、デフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0229】
次に、属性値取得部105は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図から上記と同様に、抽出されたオブジェクト識別情報等を用いて、複数の属性値を取得する。そして、分類部106は、取得した複数の属性値と、デフォルメ地図のタイプがオブジェクトマップであるか否かを判断するために上記で取得した判定情報とを用いて、デフォルメ地図のタイプが、オブジェクトマップであるか否かの判定結果を出力される。オブジェクトマップであると判定された場合、属性値取得部105は、「オブジェクトマップ」というタイプ情報を取得する。
【0230】
ここでオブジェクトマップでないと判定された場合は、分類部106は、上記で取得した複数の属性値と、デフォルメ地図が経路マップであるか否かを判定するために上記で取得した判定情報とを用いて、デフォルメ地図のタイプが、経路マップであるか否かの判定を行う。判定の結果、経路マップであると判定された場合、属性値取得部105は、「経路マップ」というタイプ情報を取得する。
【0231】
ここで経路マップでないと判定された場合、分類部106は、デフォルメ地図を混合型マップと判断して、「混合型マップ」というタイプ情報を取得する。
【0232】
そして、分類部106は、判定情報を用いた判定結果に応じたタイプ情報を取得する。
【0233】
デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図が複数の場合、分類部106は、上記の処理を繰り返すようにすればよい。
【0234】
分類部106は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図と、このデフォルメ地図について取得したオブジェクト識別情報と、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの位置を示す情報と、このデフォルメ地図について取得したタイプ情報とを、デフォルメ地図情報として、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積する。これらの各情報は、上述したデフォルメ地図情報の各項目の情報に対応する。このような処理を、デフォルメ地図情報を取得しようとするデフォルメ地図に対して繰り返す。
【0235】
以上、本実施の形態によれば、オブジェクト識別情報受付部が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、当該二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも出力することができる。これにより、例えば、二以上のオブジェクト識別情報が示す二以上の地点を含むデフォルメ地図があれば、これを出力し、二以上の地点を含むデフォルメ地図がなければ、それぞれの地点を含むデフォルメ地図を、少なくとも出力することができ、二以上の地点を示すデフォルメ地図を適切に出力することができる。
【0236】
なお、上記実施の形態においては、出力部110が、デフォルメ地図取得部103が一旦取得した一以上のデフォルメ地図をランキング付けして出力し、この、デフォルメ地図の中から、ユーザにより指定されたデフォルメ地図を再度出力する例について説明したが、本発明においては、デフォルメ地図取得部103が一旦取得した一以上のデフォルメ地図の中から、二以上のオブジェクト識別情報が示す二以上の地点を含む一以上のデフォルメ地図をデフォルメ地図取得部103が選択し、選択されたデフォルメ地図を出力部110が出力しても良い。このデフォルメ地図を選択する際には、どのようなルールに従って選択しても良く、例えば、ランキングの高いものを選択しても良いし、ランダムに選択しても良い。また、オブジェクト数の多いデフォルメ地図を選択しても良い。
【0237】
また、上記実施の形態においては、取得した二つのデフォルメ地図の距離が遠いと判断された場合、地図取得部108が実測地図を取得する場合について説明した。しかしながら、本発明においては、距離が遠いと判断された場合に、WEBやナビゲーションシステム等を用いて、二つのオブジェクト識別情報間の経路を取得して、経路上において取得される地名等の実測地図上のオブジェクト識別情報を取得し、このオブジェクト識別情報に対応付けられたデフォルメ地図を、更に取得しても良い。また、このような処理を、デフォルメ地図情報同士が、重なって連なるまで、繰り返すようにしても良い。
【0238】
(実施の形態2)
本実施の形態は、上記実施の形態において取得したデフォルメ地図についての案内を行う案内画像を取得するようにしたものである。
【0239】
図17は、本実施の形態における地図情報処理装置2のブロック図である。
地図情報処理装置2は、デフォルメ地図情報格納部101、オブジェクト識別情報受付部102、デフォルメ地図取得部103、デフォルメ地図受付部104、判断部107、地図取得部108、縮尺取得部109、オブジェクト分類部201、分類部202、案内画像取得部203、および出力部204を備える。
【0240】
デフォルメ地図情報格納部101、オブジェクト識別情報受付部102、デフォルメ地図取得部103、デフォルメ地図受付部104、属性値取得部105、判断部107、地図取得部108、縮尺取得部109の構成や動作等については、上記実施の形態1と同様であるので、ここは詳細な説明を省略する。
【0241】
オブジェクト分類部201は、デフォルメ地図上のオブジェクトを、道路を示すオブジェクトであるパスオブジェクトと、道路以外のオブジェクトである地理オブジェクトとに分類する。パスオブジェクトと地理オブジェクトとに分類するということは、デフォルメ地図上のオブジェクトから、パスオブジェクトと地理オブジェクトとをそれぞれ取得することと考えても良い。なお、デフォルメ地図上の全てのオブジェクトをこのいずれかに分類する必要はなく、例えば、予め指定された条件を満たすオブジェクト等を分類の対象から除外しても良い。つまり、デフォルメ地図上の一部のオブジェクトを分類しても良い。例えば、ここでは、一例として、都道府県名や、市町村区や、山名や、川名等を示すオブジェクトを、除外したオブジェクトを分類するものとする。つまり、これらのオブジェクトは、パスオブジェクトにも地理オブジェクトにも含まれない場合を例に挙げて説明する。
【0242】
オブジェクト分類部201は、例えば、予め用意されたパスの文字列が格納されたデータベース等(図示せず)において、デフォルメ地図上の各オブジェクトのオブジェクト識別情報と一致する文字列を検索し、一致するものがあれば、このオブジェクトをパスオブジェクトとして判断する。また、パスオブジェクトと判断されなかったオブジェクトを、地理オブジェクトとして判断する。この一致は完全一致でも部分一致でも良い。このデータベースは、地図情報処理装置2が有していてもよいし、ネットワーク経由等でアクセス可能な外部の装置(図示せず)が有していても良い。あるいは、パスに特徴的な一以上の文字列(例えば、道、国道、県道、街道、号線、線、鉄道等)を、手がかり句として図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらの手がかり句を、先頭や、末尾に含むオブジェクト識別情報を、パスのオブジェクト識別情報と判断してもよい。
【0243】
なお、オブジェクト分類部201は、上記のようにパスオブジェクトを検出して、パスオブジェクトと地理オブジェクトとを分類する代わりに、地理オブジェクトを検出して、地理オブジェクト以外のオブジェクトをパスオブジェクトに分類しても良い。例えば、地理オブジェクトを検出する際には、予め用意された地理オブジェクト識別情報のデータベースにおいて、デフォルメ地図上の各オブジェクトのオブジェクト識別情報と一致する文字列を検索し、一致するものがあれば、このオブジェクトを地理オブジェクトとして判断する。あるいは、予め用意された地理オブジェクトの手がかり句を用いて、地理オブジェクト識別情報を検出して、検出された地理オブジェクト識別情報に対応するオブジェクトをちりオブジェクトと判断しても良い。
【0244】
オブジェクト分類部201は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。案内画像取得部203の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0245】
分類部202は、オブジェクト分類部201で分類された地理オブジェクトから同位オブジェクトを検出し、この同位オブジェクトを用いて、地理オブジェクトとパスオブジェクトとを位置関係に応じてグループ化し、このグループ化の状況に応じたデフォルメ地図のタイプ情報を取得する。そして、取得したタイプ情報とデフォルメ地図およびオブジェクト識別情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積する。同位オブジェクトとは、同位関係にあるオブジェクトであり、例えば、類似しているオブジェクトである。同位オブジェクトは、一以上のカテゴリに対応付けられたオブジェクトのうちの、カテゴリに対する所属状態が類似しているオブジェクトである。カテゴリとは、例えば、オブジェクトの分類項目や、オブジェクトに付与されているタグ等である。
【0246】
分類部202は、例えば、予め用意されている木構造化された複数のカテゴリを有するデータベースであって、オブジェクトに関する情報が、一以上のカテゴリと対応付けて格納されているデータベースを利用して、オブジェクト分類部201が分類した地理オブジェクトの中から、同位オブジェクトを検出する。
【0247】
例えば、分類部202は、オブジェクトに関する情報を有するデータベースであって、オブジェクトに関する情報が一以上のカテゴリと対応付けられているデータベースから、上記で検出した各地理オブジェクトに関する情報がそれぞれ属する一以上のカテゴリを、地理オブジェクト毎に取得する。例えば、このようなデータベースが、複数の文書が格納されているデータベースである場合、例えば、オブジェクト分類部201が検出した地理オブジェクト識別情報がタイトルに含まれる文書を検索し、検出した文書に対応付けられている全てあるいは一部のカテゴリを、地理オブジェクト識別毎に取得しても良いし、地理オブジェクト識別情報がタイトル以外の部分(あるいは、タイトルも含めた部分)に含まれる文書を検索し、検出した文書に対応付けられている全てあるいは一部のカテゴリを、地理オブジェクト識別情報毎に取得しても良い。上記のようなデータベースは、例えば、地図情報処理装置1が内部に有していても良いし、外部の装置がインターネット等のネットワーク経由で提供するデータベース等を利用してもよい。例えば、インターネット等で提供されるこのようなデータベースとしては、wikipedia(登録商標)<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/メインページ>等が利用可能である。
【0248】
分類部202は、デフォルメ地図から検出した複数のオブジェクトについて、2つのオブジェクト同士が類似するか否かを、各オブジェクトに関する情報が属するカテゴリの類似度から判断する。具体的には、Jaccard係数を用いて、オブジェクト間の関係の強さを表す。Jaccard係数の定義を以下に示す。
【0249】
【数1】

【0250】
ただし、o、oはオブジェクトを示し、o、oオブジェクトが属するカテゴリ集合をC,Cとする。そして、値が予め指定された閾値以上であれば、2つのオブジェクトが同位であると判断し、閾値未満であれば、2つのオブジェクトが同位でないと判断する。なお、複数のオブジェクト間の類似関係があった場合、その関係が閉じていればそれらのオブジェクトを同位とみなすが、関係が閉じていない場合は、2つのオブジェクト間での同位としてもよい。同位オブジェクトの判断結果は、例えば、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0251】
そして、分類部202は、地理オブジェクトとパスオブジェクトとの配置を示す座標を取得し、これを用いて最小全域木を取得する。最小全域木は、辺の重みの総和が最小となる全域木であり、その作成に用いられるアルゴリズム等は公知技術であるのでここでの説明は省略する。ここで用いるオブジェクトの配置を示す情報は、デフォルメ地図上の位置情報であっても良いし、実空間の位置情報であってもよい。
【0252】
次に、分類部202は、同位オブジェクトの検出結果を利用してオブジェクトのグループ化を行う。具体的には、デフォルメ地図上の任意のオブジェクトから順番に、最小全域木が示す経路をたどりながら、グルーピングを行う。このとき、一度たどったオブジェクトと同位関係にある地理オブジェクトが出現した時点で、グループを分割する。つまり、一のグループ内に同位関係の地理オブジェクトを2つ以上含まないようにグループに分割する。これを全ての地名をたどるまで行うことで、デフォルメ地図上のオブジェクトの全てをグループに分割する。分類部202は、オブジェクト識別情報と、オブジェクトが属するグループのグループ識別情報とを対応付けて有する情報を、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0253】
次に、分類部202は、グループ化の結果を用いて、デフォルメ地図のタイプ情報を取得する。
【0254】
具体的には、経路マップで重要となる要素はパスであるため、デフォルメ地図上のオブジェクト数に対するパスオブジェクトを含むグループ内のオブジェクトの個数の比が閾値以上であれば、デフォルトマップを経路マップと判定し、タイプ情報として経路マップを取得する。
【0255】
また、オブジェクトマップで重要となる要素はオブジェクトであるため、同位オブジェクトにより分割したグループ数が閾値以上である場合、もしくは、経路マップではない場合、デフォルメ地図を、オブジェクトマップと判定し、タイプ情報としてオブジェクトマップを取得する。
【0256】
また、混合型マップで重要となる要素はパスとオブジェクトの両方である。このため、ルートマップの条件かつオブジェクトマップの条件を満たしている場合、混合型マップと判定し、タイプ情報として混合型マップを取得する。
【0257】
分類部202は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。分類部202の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0258】
案内画像取得部203は、案内画像を取得する。案内画像は、デフォルメ地図取得部103が取得した一以上のデフォルメ地図のタイプに応じて、このデフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す地点についてWEBから取得した画像を含む画像である。「WEBから取得」とは、例えば、地上の一以上の地点についての画像を提供するWEBサーバから画像を取得することである。案内画像取得部203は、例えば、地上の一以上の地点についての画像をWEB上で提供する画像の検索エンジン等を利用して、デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す地点について画像をWEBから取得する。また、地上の一以上の地点に対応した予め指定されたURL等を入力することで、地上の一以上の地点についての画像を取得しても良い。案内画像は、例えば、WEBから取得した一以上の画像そのもの、もしくはその一部であっても良い。また、WEBから取得した一以上の画像を用いて生成された画像であっても良い。例えば、WEBから取得した複数の画像を結合した画像でもよく、この場合も取得した画像が含まれると考えても良い。また、案内画像は、例えば、デフォルメ地図上の複数の地点について取得された画像を、表示順番と対応付けて有する動画像であってもよい。この場合、取得された画像は、動画像のフレーム画像と考えても良い。ただし、ここでの動画像は、構成する各画像が、表示順番に沿って自動で連続表示されるものであっても良いし、ユーザの操作に応じて、表示順番に沿って切替表示されるものであってもよい。例えば、動画像は、いわゆるスライドショウやウォークスルー画像等も含む概念である。また、動画像は、複数の地点についてWEBから取得された画像同士を用いて案内画像取得部203により生成された画像を更に含んでいても良い。生成された画像は、例えば、WEBから取得された画像同士を補間したり、画像同士の切替を演出するための画像等である。なお、動画像である案内画像が自動再生可能なものである場合、案内画像は、各画像を切り替える時間等のタイミングを指定する情報等を有していても良い。この実施の形態においては、案内画像がこのような動画像である場合を例に挙げて説明する。
【0259】
「デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す地点についての画像」とは、例えば、デフォルメ地図上のオブジェクトが示す実空間の位置(例えば座標)の景観等を示す画像である。なお、オブジェクトが示す実空間の位置とは、オブジェクトに対応するオブジェクト識別情報が示す実空間の位置と考えて良い。例えば、この画像は、実空間の位置においてカメラ等で撮影した画像である。また、この画像は、実空間の位置における景観を描いた2Dや3Dの画像であってもよい。この画像は、静止画像であっても、動画像であっても良い。案内画像取得部203は、デフォルメ地図上の一以上のオブジェクトが示す地点についての画像を、例えば、デフォルメ地図に対応するオブジェクト識別情報を検索キーとして、WEB上の検索エンジン等を利用して検索することにより(即ちWEB検索により)取得する。また、デフォルメ地図に対応するオブジェクト識別情報を用いて、上述したジオコーディング等により実空間の座標を取得し、この座標が示す位置の画像をWEB検索により取得する。なお、地名等のオブジェクト識別情報や、実空間の座標等が示す位置に対応する景観やこの位置での視野等を示す画像をWEB検索により提供する処理は、例えば、従来の技術において説明したようなストリートビューやロケーションビュー、特許文献1等において公知である。なお、このようなWEB検索においては、通常、検索キーとして、更に、任意の方角を更に入力することで、この入力された方角の景観を示す画像が取得可能である。また、このようなWEB検索においては、通常、画像を提供する地点は、実空間に点在して設定されている。このため、この点を移動の単位として、画像を取得する地点を変更したり、指定したりすることが可能である。
【0260】
「タイプに応じて、デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す一以上の地点についての画像を取得する」、ということは、例えば、タイプに応じてデフォルメ地図上の一以上のオブジェクトを選択して、選択されたオブジェクトが示す実空間の一以上の地点についての画像を取得することである。この、オブジェクトが示す地点についての画像とは、オブジェクトに対応するオブジェクト識別情報が示す実空間の位置における景観等を示す画像であっても良いし、この座標から、デフォルメ地図のタイプに応じたルールに従って移動した位置における景観等を示す画像であっても良い。つまり、オブジェクトが示す地点は、実空間上の一の地点の周辺領域と考えても良い。また、これらの位置における、デフォルメ地図のタイプに応じて決定される方角の景観等を示す画像であっても良い。また、案内画像取得部203は、タイプに応じたルールに従った順番で画像を取得しても良い。なお、案内画像取得部203は、デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトに対応するオブジェクトに対応するオブジェクト識別情報を検索キーとしてオブジェクトが示す地点についての画像を検索により取得しても良い。つまり、案内画像取得部203が、デフォルメ地図情報のどのようなオブジェクトについて、どのような画像を取得するかについては、例えば、デフォルメ地図のタイプ情報によって決定されると考えても良い。
【0261】
以下、案内画像取得部203が、タイプに応じて、デフォルメ地図からどのように案内画像を取得するかについて、デフォルメ画像のタイプが、経路マップ、オブジェクトマップ、および混合型マップのいずれかである場合を例に挙げて説明する。
【0262】
(A)経路マップである場合
デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図のタイプが経路マップである場合(例えば、デフォルメ地図に対応するデフォルメ地図情報から取得したタイプ情報が経路マップである場合)、案内画像取得部203は、例えば、デフォルメ地図上の一以上のパスオブジェクトに関する画像を取得する。そして、取得した画像を含む案内画像を取得する。パスオブジェクトに関する画像とは、例えば、パスオブジェクトが示す実空間の地点の景観等の画像である。また、パスオブジェクトが示す実空間の地点から、予め指定されたルールに従って移動した一以上の地点の景観等の画像であっても良い。また、パスオブジェクトが示す実空間の地点近傍の複数地点の画像でも良い。また、予め指定された方角の一以上の画像でも良い。
【0263】
案内画像取得部203は、例えば、デフォルメ地図上の、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの少なくとも一方を出発点または到着点として、デフォルメ地図上の一以上のパスオブジェクトに関する画像を、ランダムに決定される順番や、予め指定されたルールにより決定される順番で、順次取得する。そして、取得した画像を用いて、取得順番を表示順番とした動画像である案内画像を取得する。パスオブジェクトを選択する順番を決定するルールとしては、例えば、上述したような最小全域木を用いて、一のデフォルメ地図のパスオブジェクト、あるいは、パスオブジェクトおよび地理オブジェクトをつなぎ合わせた場合のつなぎ合わせた順番を選択する順番に決定するというルール等がある。また、例えば、デフォルメマップ上のオブジェクトで構成した最小全域木において、地理オブジェクトと地理オブジェクトとが一以上のパスオブジェクトを介してつながれている場合、このパスオブジェクトの示す地点の画像を取得するルールでも良い。なお、ルールはどのようなルールであっても良い。
【0264】
また、案内画像取得部203は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクト間のパスオブジェクトが示す地点の画像を、ランダムに決定される順番や、予め指定されたルールにより決定される順番で取得しても良い。
【0265】
また、案内画像取得部203は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示す地点間の経路探索を行い、この経路探索結果が示す経路上のパスオブジェクトが示す地点の画像を取得して案内画像を取得しても良い。例えば、案内画像取得部203は、二以上のオブジェクト識別情報が示す地点間の経路探索を、地図情報処理装置1が有する実測地図のデータベースや、経路探索が可能な外部の装置等を用いて行い、地点間を移動する際に通過する店舗、ランドマーク、名勝、建物、地名、地点、住所等を示す実測地図上のオブジェクトの識別情報(実測オブジェクト識別情報)とその通過順番を示す情報を取得する。そして、取得した実測オブジェクト識別情報と、デフォルメ地図上のオブジェクトのオブジェクト識別情報との中から、一致するものと検出し、一致する実測オブジェクト識別情報が示す地点の画像を、対応する通過順番が早いものから順に取得する。そして、この取得した画像を用いて、取得順番を表示順番とした動画像である案内画像を取得してもよい。なお、経路探索によって得られた経路上の実測オブジェクト識別情報やその通過順番を取得する技術は、従来の経路探索技術等において公知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。また、経路上の実測オブジェクト識別情報は、出発地、目標地等のオブジェクト識別情報を含むものであってよい。
【0266】
(B)オブジェクトマップである場合
デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図のタイプがオブジェクトマップである場合(例えば、デフォルメ地図に対応するデフォルメ地図情報から取得したタイプ情報がオブジェクトマップである場合)、案内画像取得部203は、例えば、デフォルメ地図上の一以上の地理オブジェクトに関する画像を取得する。そして、取得した画像を含む案内画像を取得する。地理オブジェクトに関する画像は、オブジェクトが異なる点を除けば、上述したパスオブジェクトに関する画像と同様のものである。
【0267】
案内画像取得部203は、例えば、デフォルメ地図上の、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの少なくとも一方を出発点または到着点として、デフォルメ地図上の一以上の地理オブジェクトに関する画像を、ランダムに決定される順番や、予め指定されたルールにより決定される順番で、順次取得する。そして、取得した画像を用いて、取得順番を表示順番とした動画像である案内画像を取得する。地理オブジェクトを選択する順番を決定するルールとしては、例えば、パスオブジェクトの場合と同様の、最小全域木を用いたルール等が利用可能である。ただし、オブジェクトマップは、観光案内のマップ等であることが多く、オブジェクトマップ上の、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報で示される地点は、あくまでも、ユーザが観光の中心や移動する際の基準点にしたいオブジェクトを示しているだけに過ぎない場合も多いため、その始発点や目的場合が多いので、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報で指定されたオブジェクト等を、案内画像の開始位置や終了位置等に設定することは考慮しないようにしても良い。
【0268】
また、上記実施の形態1においてデフォルメ地図のタイプを判断する処理の一例として説明したように、案内画像取得部203が、デフォルメ地図上のオブジェクトを同位オブジェクトに分類し、この同位オブジェクトを利用して、画像を取得する地理オブジェクトを選択する順番を決定しても良い。同位オブジェクトの分類結果を示す情報は、例えば、分類部202等から取得しても良い。まず、出発オブジェクトと同位関係にあるオブジェクトに関する画像を順番に取得する。この順番は、例えば最小全域木でつながれた順番に沿った順番である。次に、出発オブジェクトと同位関係が強いオブジェクトに関する画像を順番に取得する。同位関係が強いとは、例えば、同位関係を検出する際に用いたJaccard係数の値が、同位関係にあることを示す閾値未満であるが、その値が、閾値に近い地理オブジェクトである。具体的には、同位関係にあることを示す閾値未満の予め指定された第二の閾値よりもJaccard係数の値が大きい地理オブジェクトである。そして、最後に、同位関係がないオブジェクトに関する画像をランダムに取得する。そして、取得した画像を用いて、取得順番を表示順番とした動画像である案内画像を取得する。
【0269】
(3)混合マップである場合
案内画像取得部203は、例えば、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図のタイプが混合型マップである場合(例えば、デフォルメ地図に対応するデフォルメ地図情報から取得したタイプ情報がオブジェクトマップである場合)、案内画像取得部203は、デフォルメ地図上の地理オブジェクトに関する画像を、デフォルメ地図上の最も近いパスオブジェクトについて取得する。そして、取得した画像を含む案内画像を取得する。
【0270】
例えば、案内画像取得部203は、デフォルメ地図上の各地理オブジェクトについて、それぞれに最も近いパスオブジェクトを検出する。そして、最も近いパスオブジェクトが共通する地理オブジェクト同士をグループ化する。つぎに、まず、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報のうちの始発点を指定するオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトが含まれるグループのオブジェクトに関する情報を順番に取得する。なお、グループ内においては、上記のように、同位関係を利用して取得する順番を決定しても良い。そして、一のグループにおいてオブジェクトに関する情報の取得が終了した場合、他のオブジェクトについても同様の処理を順次行う。そして、取得した画像を用いて、取得順番を表示順番とした動画像である案内画像を取得する。ただし、デフォルメマップに目的地を指定するオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトがある場合、このオブジェクトを含むグループからは、最後に画像を取得することが好ましい。また、デフォルメ地図に、始発点を指定するオブジェクト識別情報に対応するオブジェクトがない場合、どのグループから画像の取得を開始してもよい。
【0271】
なお、ここで示したタイプ別にデフォルメ地図から案内画像を取得する案内画像取得部203の処理は、一例であり、他の処理によってデフォルメ地図のタイプに適した案内画像を取得しても良い。また、デフォルメ地図が上記以外のタイプに分類されうる場合、案内画像取得部203は、このタイプに応じた処理によってデフォルメ地図から案内画像を取得しても良い。
【0272】
また、案内画像取得部203は、複数のデフォルメ地図についてそれぞれ動画像である案内画像を取得した場合、取得した案内画像を結合して一の案内画像としてもよい。結合する際、始発点側のオブジェクトが配置されているデフォルメ地図の案内画像が先に表示されるよう結合することが好ましい。
【0273】
また、案内画像取得部203は、オブジェクトの種類によって異なる画像を取得しても良い。例えば、オブジェクトがパスオブジェクトであるか地理オブジェクトであるかによって異なる画像を取得しても良い。例えば、オブジェクトがパスオブジェクトである場合、オブジェクト識別情報が示す実空間の座標における一の方向の画像のみを取得し、地理オブジェクトである場合、オブジェクト識別情報が示す実空間の座標における周囲の複数の画像を取得してもよい。
【0274】
案内画像取得部203は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。案内画像取得部203の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0275】
出力部204は、上記実施の形態1において説明した出力部204と同様に、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図を出力する。さらに、出力部204は、案内画像取得部203が取得した案内画像を出力する。出力部204は、この案内画像を、デフォルメ地図上に重ねて表示しても良い。出力部204は、例えば、図示しない受付部等が受け付けたユーザ等の指示に応じて、動画像である案内画像を再生表示して良い。出力部204の案内画像を出力する構成以外は、出力部110の構成と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0276】
図18は、地図情報処理装置2の動作について示すフローチャートである。以下、図18のフローチャートを用いて動作について説明する。なお、図18において、図3と同一符号は同一または相当する処理を示す。
【0277】
(ステップS401)地図情報処理装置2は、案内画像を出力する処理を行う。この処理の詳細については後述する。そして、ステップS101に戻る。
【0278】
(ステップS402)地図情報処理装置2は、デフォルメ地図情報を取得する。この処理の詳細については後述する。そして、ステップS101に戻る。
【0279】
なお、図18のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0280】
図19は、地図情報処理装置1の案内画像を出力する処理の動作の詳細を示すフローチャートである。この処理は、図18のステップS401に相当する処理である。以下、図19のフローチャートを用いて動作について説明する。
【0281】
(ステップS501)案内画像取得部203は、カウンターpに1を代入する。
【0282】
(ステップS502)案内画像取得部203は、デフォルメ地図取得部103が取得したデフォルメ地図にp番目のデフォルメ地図があるか否かを判断する。ある場合、ステップS503に進み、ない場合、ステップS519に進む。
【0283】
(ステップS503)案内画像取得部203は、p番目のデフォルメ地図上のオブジェクトをパスオブジェクトと地図オブジェクトに分類する。ここでは例として、p番目のデフォルメ地図上のオブジェクトに対応するオブジェクト識別情報を、手がかり句等を用いて、パスオブジェクトのオブジェクト識別情報と地理オブジェクトのオブジェクト識別情報に分離する。なお、案内画像取得部203は、後述するオブジェクト分類部201が分類したオブジェクトの分類結果を取得しても良い。
【0284】
(ステップS504)案内画像取得部203は、p番目のデフォルメ地図のタイプ情報を取得する。例えば、ステップS102で受け付けたタイプ情報を取得してもよいし、デフォルメ地図情報格納部101に格納されているデフォルメ地図情報から、p番目のデフォルメ地図に対応するタイプ情報を取得してもよい。
【0285】
(ステップS505)案内画像取得部203は、p番目のデフォルメ地図が経路マップであるか否かを判断する。具体的には、ステップS504で取得したタイプ情報が経路マップを示すタイプ情報であるか否かを判断する。経路マップである場合、ステップS506に進み、経路マップでない場合、ステップS511に進む。
【0286】
(ステップS506)案内画像取得部203は、ステップS101で受け付けた2以上のオブジェクト識別情報を用いて経路探索を行い、探索された経路上の1以上の実測オブジェクト識別情報とその通過順番とを取得する。
【0287】
(ステップS507)案内画像取得部203は、ステップS506で取得した実測オブジェクト識別情報と、オブジェクトに対応するオブジェクト識別情報との中に、一致するものがあるか否かを判断する。例えば、一致するものがあれば、ステップS508に進み、なければ、ステップ509に進む。
【0288】
(ステップS508)案内画像取得部203は、ステップS507で一致すると判断されたオブジェクトに関する画像を、オブジェクトに対応する実測オブジェクト識別情報の通過順番が早いものから順に取得する。ここでは、例として、オブジェクトがパスオブジェクトであるか地理オブジェクトであるかによって、異なるルール等に従って、画像を取得する。
【0289】
(ステップS509)案内画像取得部203は、ステップS508(またはステップS515、またはステップS518)で取得した画像を用いて、画像の取得順が画像の表示順となる動画像である案内画像を取得する。案内画像は、図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0290】
(ステップS510)案内画像取得部203は、カウンターpの値を1インクリメントして、ステップS502に戻る。
【0291】
(ステップS511)案内画像取得部203は、p番目のデフォルメ地図がオブジェクトマップであるか否かを判断する。具体的には、ステップS504で取得したタイプ情報がオブジェクトマップを示すタイプ情報であるか否かを判断する。オブジェクトマップである場合、ステップS512に進み、経路マップでない場合、ステップS516に進む。
【0292】
(ステップS512)案内画像取得部203は、ステップS503で分類した地理オブジェクトから、ステップS101で受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトに対する同位オブジェクトと、ステップS101で受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトに対して同位関係が強いオブジェクトとを検出する。同位オブジェクトの検出の具体例については、後述する。
【0293】
(ステップS513)案内画像取得部203は、ステップS512で検出した同位オブジェクトの画像を取得する。ここでは、例えば、p番目のデフォルメ地図上のオブジェクトを用いて最小全域木を構成し、この最小全域木でつながれている順番に従って、順次、同位オブジェクトの画像を取得する。
【0294】
(ステップS514)案内画像取得部203は、ステップS512で検出した同位関係の強いオブジェクトの画像を取得する。ここでは、例えば、同位オブジェクトの場合と同様に、最小全域木でつながれている順番に従って、順次、同位関係の強いオブジェクトの画像を取得する。
【0295】
(ステップS515)案内画像取得部203は、ステップS512で検出されなかった同位関係のないオブジェクトの画像をランダムに取得する。そして、ステップS509に進む。
【0296】
(ステップS516)案内画像取得部203は、p番目のデフォルメ地図上のオブジェクトのうちの各地理オブジェクトについて、それぞれ、最も近いパスオブジェクトを取得する。例えば、各オブジェクトに対応するオブジェクト識別情報が示す実空間の座標をジオコーディング等により取得し、この座標を用いて、各地理オブジェクトについて距離が近いパスオブジェクトを取得する。
【0297】
(ステップS517)案内画像取得部203は、ステップS516でパスオブジェクトを取得した各地理オブジェクトについて、パスオブジェクトが共通するものを検出し、共通するもの同士をグループ化する。例えば、グループ化された地理オブジェクトにはグループ識別情報を対応づけて図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0298】
(ステップS518)案内画像取得部203は、ステップS517でグループ化した各グループ内のオブジェクトに関する画像を順次取得する。例えば、ステップS101で受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトを含むグループが存在する場合、このグループからオブジェクトに関する画像の取得を開始し、グループ内のオブジェクトについての画像取得が終了すると、順次、他のグループについての画像の取得を行う。また、ステップS101で受け付けたオブジェクト識別情報が示すオブジェクトを含むグループが存在しなければ、どのグループから画像の取得を開始してもよい。そして、ステップS509に進む。
【0299】
(ステップS518)案内画像取得部203は、ステップS509で生成した案内画像が複数であるか否かを判断する。複数であればステップS520に進み、複数でなければ、ステップS521に進む。
【0300】
(ステップS519)案内画像取得部203は、複数の案内画像を結合して、一の案内画像を取得する。
【0301】
(ステップS520)案内画像取得部203は、ステップS519で取得した案内画像を出力する。そして、上位の処理にリターンする。
【0302】
なお、図19のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0303】
図20は、地図情報処理装置1によるデフォルメ地図情報を取得する処理の詳細について示すフローチャートであり、図18のステップS402に相当する処理を示すものである。以下、デフォルメ地図情報を取得する処理の詳細について説明する。なお、ここでは、分類部202がオブジェクト間の同位関係を利用してデフォルメ地図のタイプ情報を取得する場合を例に挙げて説明する。なお、図20において、図5と同一符号は、同一または相当する処理を示す。
【0304】
(ステップS601)オブジェクト分類部201は、n番目のデフォルメ地図上のオブジェクトをパスオブジェクトと地理オブジェクトに分類する。例えば、n番目のデフォルメ地図上の各オブジェクトに対応するオブジェクト識別情報を、手がかり句等を用いて、パスオブジェクトのオブジェクト識別情報と地理オブジェクトのオブジェクト識別情報に分離する。
【0305】
(ステップS602)分類部202は、ステップS601で分類された地理オブジェクトから同位オブジェクトを検出する。
【0306】
(ステップS603)分類部202は、n番目のデフォルメ地図上のオブジェクトについて最小全域木を構成する。
【0307】
(ステップS604)分類部202は、最小全域木を用いて、オブジェクトをグループ化する。
【0308】
(ステップS605)分類部202は、n番目のデフォルメ地図上のオブジェクトが、経路マップの条件を満たすか否かを判断する。満たす場合、ステップS606に進み、満たさない場合、ステップS607に進む。
【0309】
(ステップS606)分類部202は、n番目のデフォルメ地図上のオブジェクトが、オブジェクトマップの条件を満たすか否かを判断する。満たす場合、ステップS314に進み、満たさない場合、ステップS309に進む。
【0310】
(ステップS607)分類部202は、n番目のデフォルメ地図上のオブジェクトが、オブジェクトマップの条件を満たすか否かを判断する。満たす場合、ステップS313に進み、満たさない場合、ステップS314に戻る。
【0311】
また、図20のフローチャートにおいて、ステップS315で、各デフォルメ地図と、各デフォルメ地図からそれぞれ抽出した一以上のオブジェクト識別情報と、各デフォルメ地図について取得したタイプ情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積するようにしたが、このステップS315の代わりに、ステップS309、ステップS313、またはステップS314でn番目のデフォルメ地図についてタイプ情報を取得する毎に、n番目のデフォルメ地図と、n番目のデフォルメ地図からそれぞれ抽出した一以上のオブジェクト識別情報と、n番目のデフォルメ地図について取得したタイプ情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、デフォルメ地図情報格納部101に順次蓄積するようにしても良い。
【0312】
なお、図20のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0313】
以下、本実施の形態における地図情報処理装置2の具体的な動作について説明する。地図情報処理装置2の概念図は図6と同様である。
【0314】
ここでは、まず、地図情報処理装置2が、1以上のデフォルメ地図からデフォルメ地図情報を取得する処理の一例について説明する。
【0315】
まず、上記実施の形態1の具体例と同様に、クローリング等により、デフォルメ地図情報を取得するために用いられるデフォルメ地図を用意し、デフォルメ地図受付部104に与える。ここで与えるデフォルメ地図は、例えば、ラスタ(ビットマップ)画像として地図上に結合されたオブジェクト識別情報を有するデフォルメ地図であり、ファイル名が「kymzmap.jpg」であったとする。
【0316】
図21は、デフォルメ地図受付部104に与えられるデフォルメ地図の一例を示す図である。
【0317】
デフォルメ地図を受け付けると、デフォルメ地図受付部104は、OCR等の文字認識処理を行うことで、デフォルメ地図から一以上のオブジェクト識別情報を抽出する。抽出したオブジェクト識別情報と、このオブジェクト識別情報が認識されたデフォルメ地図上の座標とを、デフォルメ地図と対応付けて図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0318】
次に、オブジェクト分類部201は、デフォルメ地図のタイプ情報を取得するために、まず、デフォルメ地図受付部104が取得した1以上のオブジェクト識別情報を、パスオブジェクトについてのオブジェクト識別情報(以下、パスオブジェクト識別情報と称す)と、地理オブジェクトについてのオブジェクト識別情報(以下、地理オブジェクト識別情報と称す)とに分類する。
【0319】
例えば、オブジェクト分類部201は、パスに特徴的な一以上の文字列(例えば、道、国道、県道、街道、号線、線、鉄道等)を、手がかり句として図示しない記憶媒体等に予め用意しておくようにし、これらの手がかり句を、先頭や、末尾に含むオブジェクト識別情報を、パスオブジェクト識別情報に分類する。また、その他のオブジェクト識別情報を、駅や寺社仏閣,大学や施設等を示す地理オブジェクト識別情報に分類する。ただし、ここでは、都道府県名や市町村名、山名および川名のオブジェクト識別情報は分類の対象外とする。つまり、これらのオブジェクト識別情報は、ここでは、デフォルメ地図のタイプ情報を取得する際に利用しない。これらの除外するオブジェクト識別情報は、例えば、「都」、「道」、「府」、「県」、「山」、「川」等の手がかり句を末尾に含むオブジェクト識別情報を検出することで検出する。例えば、図21に示したデフォルメ地図からは、「三条通」や「東大路通」がパスオブジェクト識別情報として、また、「三十三間堂」や「清水寺」等が地理オブジェクト識別情報として取得される。
【0320】
図22は、図21に示すデフォルメ地図上のオブジェクトを、パスオブジェクト220と地理オブジェクト221とに分類して示した図(図22(a))、および、分類されたパスオブジェクトと地理オブジェクトとを管理するオブジェクト分類管理情報(図22(b))を示す図である。オブジェクト分類管理情報は、オブジェクト識別情報を示す「オブジェクト識別情報」と、オブジェクトの分類を示す「分類」という項目を有している。オブジェクトがパスオブジェクトである場合、「分類」の値は「パスオブジェクト」となり、オブジェクトが地理オブジェクトである場合、分類の値は、「地理オブジェクト」となる。
【0321】
次に、分類部202は、例えば、予め用意されている木構造化された複数のカテゴリを有するデータベースであって、オブジェクトに関する情報が、一以上のカテゴリと対応付けて格納されているデータベースを利用して、同位オブジェクトを検出する。ここでは、無線ネットワーク経由で、WEB等で提供されるデータベースを用いて同位オブジェクトを検出する。このようなデータベースとしては、例えば、上述したようなwikipedia(登録商標)等が利用可能である。具体的には、分類部202は、データベースから、上記で検出した「地理オブジェクト識別情報が含まれる文書を検索し、検出された1以上の文書に対応付けられているカテゴリを、地理オブジェクト識別情報毎に図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0322】
次に、分類部202は、複数の地理オブジェクト識別情報に含まれる2つの地理オブジェクト識別情報同士が類似するか否かを、各地理オブジェクト識別情報が属するカテゴリの類似度から判断する。具体的には、上記で取得した各地理オブジェクトが属するカテゴリ数をカウントし、カウントしたカテゴリ数を用いて、上記実施の形態1において式1に示したオブジェクト間の関係の強さを示すJaccard係数を取得する。そして、取得された値が予め指定された閾値以上であれば、2つのオブジェクトが同位であると判断し、閾値未満であれば、2つのオブジェクトが同位でないと判断する。なお、複数のオブジェクト間の類似関係があった場合、その関係が閉じていればそれらのオブジェクトを同位とみなすが、関係が閉じていない場合は、2つのオブジェクト間での同位としてもよい。同位オブジェクトの判断結果は、例えば、図示しない記憶媒体等に地理オブジェクト識別情報と対応づけて蓄積する。例えば、同位関係にある地理オブジェクト識別情報には、同じ同位関係であることを示す同位関係の識別情報が対応づけられる。
【0323】
図23は、図22(a)に示すデフォルメ地図上の地理オブジェクト221を、同位オブジェクトに分類して示した模式図を示す。図において、同じ記号が付された地理オブジェクトは、同位関係にあるオブジェクト(つまり、同じ同位関係の識別情報が対応づけられた地理オブジェクト識別情報に対応する地理オブジェクト)を示す。
【0324】
次に、分類部202は、デフォルメ地図上のオブジェクトの位置を示す座標を用いて、最小全域木を構成する。
【0325】
図24は、図23に示したデフォルメ地図上のオブジェクトで構成した最小全域木を示す模式図である。
【0326】
さらに、分類部202は、この最小全域木を用いて、デフォルメ地図上のオブジェクトのグルーピングを行う。具体的には、任意のオブジェクトから、最小全域木の経路をたどり、一度たどったオブジェクトと同位関係にあるオブジェクトが出現した時点で、グループを分割する。この結果、一のグループには、同位関係の地理オブジェクトが含まれないこととなる。同じグループに分割されたオブジェクトのオブジェクト識別情報は、同じグループ識別情報を対応づけて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。この処理を、デフォルメ地図上のすべてのオブジェクトをたどるまで繰り返す。例えば、ここでは、グループ識別情報として、グループA?グループDが各オブジェクト識別情報に対応づけられるものとする。
【0327】
図25は、図23に示したデフォルメ地図上のオブジェクトをグループに分割した状態を示す図である。図において、点線で囲まれた各領域は、それぞれオブジェクトの属するグループを示し、それぞれグループA?グループDというグループ識別情報が示すグループであるとする。
【0328】
次に、分類部202は、まず、デフォルメ地図上の地理オブジェクトとパスオブジェクトの合計数(オブジェクト識別情報数)をカウントする。例えば、図25に示すデフォルメ地図から取得されるオブジェクト数は、「14」である。次に、パスオブジェクトを含むグループを検出する。グループとしては、グループA?グループCが検出される。そして、検出された各グループ内の地理オブジェクトとパスオブジェクトの合計数をカウントする。そして、その合計を算出する。合計は、「12」である。そして、このパスオブジェクトを含むグループ内のオブジェクトの合計数の、デフォルメ地図上のオブジェクトの合計数に対する比を算出する。比は、12/14=0.86である。そして、この値が、予め指定された閾値よりも大きいか否かを判断する。ここでは、閾値が「0.5」であったとすると、閾値よりも大きいと判断される。このことは、このデフォルメ地図のタイプが経路マップまたは混合マップのいずれかであることを示す。
【0329】
このため、分類部202は、上記で同位オブジェクトにより分割したグループ数をカウントする。例えば、グループ識別情報数をカウントする。カウント数は、「4」である。そして、このカウント数が予め指定されたオブジェクトマップの条件を示す閾値以上であるか否かを判断する。閾値が例えば、「5」であったとすると、閾値未満であると判断する。このため、分類部202は、このデフォルメ地図のタイプを、経路型マップと判断し、タイプ情報として「経路マップ」を取得し、デフォルメ地図と対応づけて図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0330】
また、仮に、ここで、グループ数が閾値以上であったとすると、分類部202は、このデフォルメ地図のタイプを、混合型マップと判断し、タイプ情報として「混合型マップ」を取得し、デフォルメ地図と対応づけて図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0331】
また、仮に、パスオブジェクトを含むグループ内のオブジェクトの合計数の、デフォルメ地図上のオブジェクトの合計数に対する比が閾値未満であり、グループ数が閾値以上であれば、デフォルメ地図のタイプをオブジェクトマップと判断し、タイプ情報として「オブジェクトマップ」を取得し、デフォルメ地図と対応づけて図示しない記憶媒体等に一時記憶する。
【0332】
分類部202は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図が複数の場合、上記の処理を繰り返し行う。
【0333】
ここで、デフォルメ地図受付部104に与えられるデフォルメ地図から取得した最小全域木が、図26に示すようなものである場合は、全オブジェクト数は8個で、グループ数は5個である。また、パスを含むグループのオブジェクト数は3個のため経路マップには、該当しない。また、グループ数は5個で、オブジェクトマップの条件を満たすため,この略地図はオブジェクトマップに分類される。
【0334】
ここで、デフォルメ地図受付部104に与えられるデフォルメ地図から取得した最小全域木が、図27に示すようなものである場合は、全オブジェクト数は17個で、グループ数は10個であり、オブジェクトマップの条件を満たす。また、パスを含むグループのオブジェクト数は12個のため経路マップの条件も満たす。このため、この略地図はオブジェクトマップに分類される。
【0335】
そして、分類部202は、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図「kymzmap.jpg」と、このデフォルメ地図について取得したオブジェクト識別情報と、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトの位置を示す情報と、このデフォルメ地図について取得したタイプ情報とを、デフォルメ地図情報として、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積する。
【0336】
図28は、分類部202がデフォルメ地図「kymzmap.jpg」について取得し、デフォルメ地図情報格納部101に蓄積したデフォルメ地図情報を示す図である。
【0337】
次に、案内画像を取得して出力する処理の具体例について説明する。
【0338】
まず、オブジェクト識別情報受付部102が出発地を示すオブジェクト識別情報「四条駅」と目的地を示すオブジェクト識別情報と、タイプ情報「経路マップ」をユーザから受け付け、上記実施の形態1の具体例と同様に、これに応じたデフォルメ地図をデフォルメ地図取得部103がデフォルメ地図情報格納部101から取得し、取得したデフォルメ地図のうちの一つがユーザにより選択され、出力(例えば、メモリ等の記憶媒体に一時記憶)されたとする。ここで、出力されたデフォルメ地図情報は、図21に示したファイル名が「kymzmap.jpg」であるデフォルメ地図が一つのみであったとする。
【0339】
案内画像取得部203は、デフォルメ地図「kymzmap.jpg」のタイプ情報「経路マップ」を、図28に示したデフォルメ地図情報から取得する。そして、取得したタイプ情報が経路マップであるため、WEB検索を行って、出発地「四条駅」から目的地「三十三間堂」までの経路検索を行い、出発地から目的地に到達するまでに通過する経路の実測オブジェクト識別情報(例えば、建物名や、地名や、道路名や交差点名等)とその通過順番を示す通過順番情報とを含む通過情報を取得する。
【0340】
図29は、案内画像取得部203がWEB検索により取得した、出発地「四条駅」から目的地「三十三間堂」に到達するまでに通過する経路の実測オブジェクト識別情報と通過順番情報とを有する通過情報を示す図である。
【0341】
次に、案内画像取得部203は、図29に示した通過情報から通過順番が1番である実測オブジェクト識別情報「四条駅」を取得し、この実測オブジェクト識別情報と一致するオブジェクト識別情報が、図28に示したデフォルメ地図「kymzmap.jpg」に対応するデフォルメ地図情報の「オブジェクト識別情報」の中にあるか否かを判断する。ここでは、一致する「四条駅」があるため、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトに関連する画像を取得する。ここでは、このオブジェクト識別情報「四条駅」は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報の一方と一致する地理オブジェクト識別情報であるため、案内画像取得部203は、まず、このオブジェクト識別情報が示す実空間の地点の周辺の画像を、WEB検索により取得する。地点の周辺の画像とは、ここでは、オブジェクト識別情報「四条駅」が示す地点の周囲を撮影した画像(写真)であり、例えば、オブジェクト識別情報「四条駅」を検索キーとして、すべての方向を取得方向に指定してWEB検索で取得可能な画像である。次に、このオブジェクト識別情報は、出発地を示すものであるため、この地点から、目的地のオブジェクト識別情報が示す実空間の地点の方向に3段階(3地点)移動しながら、各地点の、目的地方向を示す方向の画像を取得する。目的地の方向は、例えば、移動した地点の実空間の座標と、目的地の実空間の座標から取得可能である。取得した画像は、取得順番を示す情報と対応づけて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0342】
次に、案内画像取得部203は、図29に示した通過情報から通過順番情報が2番である実測オブジェクト識別情報「川端通」を取得し、この実測オブジェクト識別情報と一致するオブジェクト識別情報が、図28に示したデフォルメ地図「kymzmap.jpg」に対応するデフォルメ地図情報の「オブジェクト識別情報」の中にあるか否かを判断する。ここでは、一致するものがないため、画像を取得しない。
【0343】
次に、通過順番が3番目である実測オブジェクト識別情報「七条通」を取得し、この実測オブジェクト識別情報と一致するオブジェクト識別情報が、図28に示したデフォルメ地図「kymzmap.jpg」に対応するデフォルメ地図情報の「オブジェクト識別情報」の中にあるか否かを判断する。ここでは、一致するものがあるため、この地点に関連する画像を取得する。このオブジェクト識別情報は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報のいずれとも一致しないパスオブジェクトであるため、この地点の目的地方向を示す方向に最も近い進路の画像を取得する。例えば、オブジェクト識別情報「四条駅」を検索キーとして、目的地を示す方向に最も近い進路を取得方向に指定してWEB検索で取得可能な画像である。目的地の方向は、例えば、検索キーが示す地点の実空間の座標と、目的地の実空間の座標から取得可能である。また、この地点から、進路方向に三段階(三地点)移動しながら、移動した地点の画像を取得する。
【0344】
次に、案内画像取得部203は、図29に示した通過情報から通過順番が4番である実測オブジェクト識別情報「三十三間堂」を取得し、この実測オブジェクト識別情報と一致するオブジェクト識別情報が、図28に示したデフォルメ地図「kymzmap.jpg」に対応するデフォルメ地図情報の「オブジェクト識別情報」の中にあるか否かを判断する。ここでは、一致するものがあるため、このオブジェクト識別情報が示すオブジェクトに関連する画像を取得する。ここでは、このオブジェクト識別情報「三十三間堂」は、オブジェクト識別情報受付部102が受け付けたオブジェクト識別情報の一方と一致する地理オブジェクト識別情報であって、目的地を示すものであるため、案内画像取得部203は、まず、この地点から、目的地のオブジェクト識別情報が示す地点の方向に3段階(3地点分)移動した地点から、目的地に向かって三段階移動しながら目的地の方向を示す画像を取得する。次に、このオブジェクト識別情報「三十三間堂」が示す実空間の地点の周辺の画像を、上記と同様に取得する。取得した画像は、取得順番を示す情報と対応づけて、図示しない記憶媒体等に蓄積する。
【0345】
そして、案内画像取得部203は、取得した画像を取得順番通りにつなげて動画像である案内画像を取得する。なお、案内画像を取得する際には、ここでは、案内画像を構成する画像が、パスオブジェクトに関連したものであるか地理オブジェクトに関連したものであるかの違いや、同位関係にある地理オブジェクトであるか否かの違い等に応じて、以下のように画像の切り替わりを制御する情報を、動画像に追加してもよい。
【0346】
パスオブジェクトについて取得した画像と地理オブジェクトについて取得した画像との境目については、画像が異なることを明確に示すトランジション効果(例えばフェイドイン効果等)を設定する。また、地理オブジェクトについて取得した画像間については、同位関係があるオブジェクト同士の境目の場合、いわゆるディゾルブ効果等の画像が穏やかに切り替わるトランジション効果を設定して、画像の変化が小さいことを表現する。一方、同位関係がない地理オブジェクトから取得した画像間では、トランジション効果として、いわゆるワイプ効果等の画像が素早く切り替わる効果を設定して、画像の変化が大きいことを示す。
【0347】
なお、画像の切り替わりを制御する情報を、動画像に追加する代わりに、画像の切り替わり等を示す画像を生成して追加してもよい。
【0348】
また、各パスオブジェクトや地理オブジェクトに関連する画像を取得する際には、以下のように、画像を取得することが好ましい。例えば、パスオブジェクトに関連する画像については、取得する方向は目的地に向かう進行方向で固定し進路を表示するものと取得する。また、出発地の地理オブジェクトに関する画像の場合、出発地で、出発地の地理オブジェクトに向かって、左右に45度ずつの回転を緩やかにおこなった画像を取得する。また、地理オブジェクトの場合、ある一定範囲におけるオブジェクト周辺の画像を取得することが好ましい。この一定範囲とは、例えば、オンライン地図上に付与されている写真が多いパス上の範囲のことで、この範囲を進行方向で表示する。さらに,この範囲中で一番画像が多く付与されているパスオブジェクトが示す地点において、進行方向からオブジェクト方向へ回転させて画像を取得する。
【0349】
そして、出力部204は、取得した案内画像をデフォルメ地図「kymzmap.jpg」とともに出力する。
【0350】
図30は、出力部204による案内画像の出力例を示す図である。
【0351】
また、図31は、案内画像を構成する画像を、再生される時間軸にそって配列した模式図である。図において、画像311は、「四条駅」について取得した画像、画像312は、「七条通」について取得した画像、画像313は、「三十三間堂」について取得した画像を示す。ただし、ここで示す画像は、説明の便宜上、撮影した画像の様子を模式的に示したものであり、実際の建築物や、通りの様子とは異なるものである。
【0352】
なお、デフォルメ地図のタイプが経路マップである場合、上記のような案内画像を取得して表示する代わりに、図24に示したような最小全域木を取得し、これを用いて、以下に示すように案内画像を取得して表示してもよい。
【0353】
以下、出発地から目的地までの画像を取得する流れを述べると、まず、出発オブジェクト周辺の画像を取得する。次に、最小全域木を、目的地に向かう方向にたどって、順次、パスオブジェクトの画像を取得する。パスオブジェクトの画像としては、パスオブジェクトが示す位置の目的地の方向に近い進路方向の画像を取得し、さらに、この方向へ三段階(三地点分)前進した位置の画像も取得する。また、目的地のオブジェクトについては、まず、目的地の三段階(三地点分)手前の位置から、目的地の方向に移動しながら順次画像を取得する。次に、目的地のオブジェクト周辺の画像を取得する。
【0354】
なお、各パスオブジェクトや、地理オブジェクトが示す地点で取得する画像は、上記以外の画像であっても良く、経路の様子が適切に表される画像であればよい。
【0355】
また、ここでは、案内画像を取得する対象のデフォルメ地図が一つである場合について、説明したが、対象とするデフォルメ地図が複数であっても良く、この場合においても、それぞれのデフォルメマップから上記のように案内画像を取得し、取得した案内画像を結合して最終的な案内画像を取得するようにすればよい。
【0356】
以上、本実施の形態によれば、デフォルメ地図に対応した案内画像を自動で取得することができ、デフォルメ地図に対応した案内画像を表示することができる。
【0357】
なお、本実施の形態のオブジェクト分類部201と分類部202との代わりに、上記実施の形態1の属性値取得部105と、分類部106と、判定情報格納部1061とを用いて、機械学習によりデフォルメ地図のタイプを分類するようにしても良い。また、上記実施の形態1において、属性値取得部105と、分類部106と、判定情報格納部1061とを用いる代わりに、本実施の形態と同様に、オブジェクト分類部201と分類部202とを用いて、地理オブジェクトの同位関係に基づいてデフォルメ地図のタイプを分類するようにしても良い。
【0358】
なお、上記実施の形態2を応用して、地図情報処理装置2が、デフォルメ地図受付部104が受け付けたデフォルメ地図から、分類部202等が、デフォルメ地図のタイプ情報を取得し、このタイプ情報を用いて、案内画像取得部203が案内画像を生成するようにしても良い。この場合の出発地や目的地は、オブジェクト識別情報受付部102から受け付けるオブジェクト識別情報により指定されても良いし、予め指定されたルールにより決定しても良い。例えば、このルールは、デフォルメ地図の中心に近いオブジェクトを出発地に指定するルールや、距離が離れている二つの地理オブジェクトを出発地と目的地に指定するルールや、最も大きな文字で示されているオブジェクトを目的地に指定するルール等である。
【0359】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0360】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。
【0361】
なお、上記各実施の形態における地図情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付部と、オブジェクト識別情報受付部が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得部と、デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0362】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0363】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0364】
図32は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による地図情報処理装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0365】
図32において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0366】
図33は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図33において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0367】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による地図情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0368】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による地図情報処理装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0369】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0370】
以上のように、本発明にかかる地図情報処理装置等は、デフォルメ地図を出力する装置等として適しており、特に、ナビゲーション装置等の、ユーザ等が指定した二以上のオブジェクト識別情報に対応したデフォルメ地図を出力する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0371】
1、2 地図情報処理装置
81、82 フィールド
83 選択ボタン
84 検索ボタン
100 サーバ装置
101 デフォルメ地図情報格納部
102 オブジェクト識別情報受付部
103 デフォルメ地図取得部
104 地図受付部
104 デフォルメ地図受付部
105 属性値取得部
106、202 分類部
107 判断部
108 地図取得部
108 地図情報取得部
109 縮尺取得部
110、204 出力部
201 オブジェクト分類部
203 案内画像取得部
220 パスオブジェクト
221 地理オブジェクト
1101 モニタ
1061 判定情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、当該デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部と、
二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付部と、
前記オブジェクト識別情報受付部が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、当該二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得部と、
前記デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図を出力する出力部とを備えた地図情報処理装置。
【請求項2】
前記デフォルメ地図情報は、更に、デフォルメ地図のタイプを示す情報であるタイプ情報を有しており、
前記オブジェクト識別情報受付部は、更に、タイプ情報を受け付け、
前記出力部は、前記オブジェクト識別情報受付部が受け付けたタイプ情報に対応付けられたデフォルメ地図を上位にランキングするようデフォルメ地図を出力する請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
デフォルメ地図と、当該デフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報とを受け付けるデフォルメ地図受付部と、
前記デフォルメ地図受付部が受け付けたデフォルメ地図について、予め指定された一以上の属性値を取得する属性値取得部と、
前記属性値を用いて前記タイプ情報を取得し、当該タイプ情報と前記デフォルメ地図およびオブジェクト識別情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、前記デフォルメ地図情報格納部に蓄積する分類部と、を更に備えた請求項2記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
前記デフォルメ地図のタイプと、当該デフォルメ地図の属性値との関係についての機械学習により得られた判定情報が格納される判定情報格納部を更に備え、
前記分類部は、前記デフォルメ地図のタイプ情報を、当該デフォルメ地図について前記属性値取得部が取得した前記属性値と、前記判定情報格納部に格納されている判定情報とを用いて取得する請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
前記分類部は、前記デフォルメ地図のタイプ情報を、当該デフォルメ地図について前記属性値取得部が取得した前記属性値を用いて、予め指定された一以上の前記属性値を含む条件であるルールに従って取得する請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
デフォルメ地図と、当該デフォルメ地図に対応する一以上のオブジェクト識別情報とを受け付けるデフォルメ地図受付部と、
前記デフォルメ地図上のオブジェクトを、道路を示すオブジェクトであるパスオブジェクトと、道路以外のオブジェクトである地理オブジェクトとに分類するオブジェクト分類部と、
前記オブジェクト分類部で分類された地理オブジェクトから同位オブジェクトを検出し、当該同位オブジェクトを用いて、地理オブジェクトとパスオブジェクトとを位置関係に応じてグループ化し、当該グループ化の状況に応じた前記デフォルメ地図のタイプ情報を取得し、当該取得したタイプ情報と前記デフォルメ地図およびオブジェクト識別情報とを対応付けたデフォルメ地図情報を、前記デフォルメ地図情報格納部に蓄積する分類部と、を更に備えた請求項2記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
前記デフォルメ地図取得部が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、当該デフォルメ地図同士の距離が遠いか否かを判断する判断部と、
前記判断部が遠いと判断した場合に、前記二以上のデフォルメ地図のそれぞれに配置されている少なくとも一以上のオブジェクトが示す地点を含む、実測結果に基づいた地図である実測地図を取得する地図取得部と、を更に備え、
前記出力部は、前記地図取得部が取得した実測地図を更に出力する請求項1から請求項6いずれか記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記デフォルメ地図取得部が二以上のデフォルメ地図を取得した場合に、当該二以上のデフォルメ地図を結合して出力する請求項1から請求項6いずれか記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
前記デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図上の二以上のオブジェクトに対応する二以上のオブジェクト識別情報に対応するデフォルメ地図上の位置情報と、実空間のおける位置情報とをそれぞれ取得し、取得した位置情報を用いて、前記デフォルメ地図の縮尺を取得する縮尺取得部を更に備え、
前記出力部は、前記デフォルメ地図取得部が取得した一以上のデフォルメ地図に、前記縮尺を対応付けて出力する請求項1から請求項8いずれか記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
前記デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図のタイプに応じて、当該デフォルメ地図上の1以上のオブジェクトが示す地点についてWEBから取得した画像を含む画像である案内画像を取得する案内画像取得部とを更に備え、
前記出力部は、前記案内画像を更に出力する請求項2から請求項6いずれか記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、前記案内画像を、前記デフォルメ地図上に重ねて表示する請求項10記載の地図情報処理装置。
【請求項12】
前記デフォルメ地図のタイプは、前記地理オブジェクトを紹介するオブジェクトマップ、経路を紹介する経路マップ、または、地理オブジェクトと経路との両方を紹介する混合型マップを含み、
前記案内画像取得部は、デフォルメ地図のタイプがオブジェクトマップである場合、当該デフォルメ地図上の地理オブジェクトに関する画像を取得し、前記デフォルメ地図のタイプが経路マップである場合、当該デフォルメ地図のパスオブジェクトに関する画像を取得し、前記デフォルメ地図のタイプが混合型マップである場合、当該デフォルメ地図上の地理オブジェクトに関する画像を、デフォルメ地図上の最も近いパスオブジェクトについて取得する請求項10または請求項11いずれか記載の地図情報処理装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12いずれか記載の地図情報処理装置を備えたナビゲーション装置。
【請求項14】
実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、当該デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部と、オブジェクト識別情報受付部と、デフォルメ地図取得部と、出力部とを用いて行われる地図情報処理方法であって、
前記オブジェクト識別情報受付部が、二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付ステップと、
前記デフォルメ地図取得部が、前記オブジェクト識別情報受付ステップで受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、当該二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得ステップと、
前記出力部が、前記デフォルメ地図取得ステップで、取得したデフォルメ地図を出力する出力ステップとを備えた地図情報処理方法。
【請求項15】
実測結果に基づかない地図であるデフォルメ地図と、当該デフォルメ地図上に表示されるオブジェクトを識別する情報であるオブジェクト識別情報とを有するデフォルメ地図情報が格納されるデフォルメ地図情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、
二以上のオブジェクト識別情報を受け付けるオブジェクト識別情報受付部と、
前記オブジェクト識別情報受付部が受け付けた二以上のオブジェクト識別情報と対応する一のデフォルメ地図、または、当該二以上のオブジェクト識別情報とそれぞれ対応する二以上のデフォルメ地図を、少なくとも取得するデフォルメ地図取得部と、
前記デフォルメ地図取得部が取得したデフォルメ地図を出力する出力部として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate


【公開番号】特開2012−168069(P2012−168069A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30368(P2011−30368)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年9月22日 一般社団法人情報処理学会発行の「平成22年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集」に発表、平成22年9月22日 一般社団法人情報処理学会主催の「平成22年度 情報処理学会関西支部 支部大会」において文書をもって発表、平成22年11月5日 http://www.ipsj.or.jp/sig−reports/DBS/DBS151/DBS151.zip、http://www.bookpark.ne.jp/cm/ipsj/search.asp?flag=6&keyword=IPSJ−DBS10151015&mode=PDF、及びhttp://www.bookpark.ne.jp/cm/ipsj/search.asp?flag=6&keyword=IPSJ−DBS10151023&mode=PDFを通じて発表、平成22年11月12日〜13日 一般社団法人情報処理学会主催の「第151回 データベースシステム研究発表会」において文書をもって発表
【出願人】(504050275)株式会社 ミックウェア (42)
【Fターム(参考)】