型締装置
【課題】ダイカストマシンや射出成形機の成形において、金型や型締装置が不均等に熱変形しても鋳造品や成形品にバリが発生することがなく、また、金型の損傷を抑え、型締力を即時的に調整することができる型締装置を提供する。
【解決手段】可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする型締装置。
【解決手段】可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする型締装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンや射出成形機などの型締装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンや射出成形機等に用いられる型締装置は、成形材料の射出充填開始から鋳造品や成形品が冷却されて固化するまでの間、金型内の成形材料の圧力により金型が開かれようとするのを抑え、それを上回る力で締め付けておくことが要求される。そして、上記型締装置としては、構造的に直圧式、トグル式、複合式などが知られている。
直圧式の型締装置は、液圧シリンダ内のラムに可動盤を直結して流体の圧力により直接金型の締め付けを行なうもので、例えば、特許文献1などに開示されている。
トグル式の場合は、液圧シリンダなどの動力源で発生する力をトグル機構で拡大して型締力を得る方式で、例えば、特許文献2などに開示されている。
複合式の型締装置は、液圧シリンダによりタイバーを直接引張り、金型を締め付けする方式で、例えば、特許文献3に開示されている。
【0003】
上記従来の各型締装置のうち、トグル式の型締装置はタイバーを引き伸ばして型締力を発生させることから、金型キャビティ内に射出充填された成形材料の圧力が、型締力を上回って金型を開こうとすると、タイバーの伸びがそれだけ大きくなり型締力が増大し、自動的にバリを防ぐ方向に作用する。しかし、金型や型締装置の温度上昇に伴う熱変形によって型締力が上昇した場合や、金型を締め切ることができなくった場合には型締力の補正が必要となるが、変化する型締力を即時的に制御して補正することは難しいという問題を有する。そして、前述した増大する型締力は、金型や型締装置の機構部品を損傷させ易い。
【0004】
直圧式や複合式の型締装置においては、型締シリンダに供給する液圧を調整することによって、型締力を発生させることから、金型や型締装置の温度上昇に伴う熱変形に伴って型締力が変化することはなく、また、金型を締め付けた後であっても定格型締力の範囲において、液圧を調整して型締力を変更することができる。
しかし、金型キャビティ内に射出充填された成形材料の圧力が、型締力を上回って作用すると、型締シリンダ内の作動液が圧縮されることから、金型が開いてバリが発生するという問題を有する。
【0005】
そこで上記従来の問題を解決する型締装置が、特許文献4に開示されている。特許文献4に開示された型締装置は、金型の損傷を抑制でき、また、正確な型締力を安定して発生することができるとともに、射出サージ圧力が発生しても金型が開かないことが記載されている。そして、前記型締装置のタイバー部に設けられた型締シリンダはそれぞれが均等に型締力を発生するように、断面積と供給する液圧が同一となるように構成されている。また、従来型の型締装置の型締力は、型締装置の中心位置、例えば、4本のタイバーを備えた型締装置の場合では4本のタイバー中心位置の交点に発生する。
【0006】
ところで、ダイカストマシンや射出成形機では、金型内に高温の成形材料を射出充填して冷却することから、金型及び型締装置は熱影響を受け熱変形する。そして、この熱変形は、固定型を取付ける固定盤はマシンベースに固設されること、また、可動型を取付ける可動盤もマシンベース上を摺接する構成から、変形に制約を受け固定盤及び可動盤は逆ハの字形、即ち金型の上部側が下部側よりも開いた不均等な形状となる。
このため、型締装置の中心に型締力が発生する前述した従来型の複合型の型締装置では、定格の型締力で型締しても金型の合わせ面を完全に閉じることができずに、射出充填時に射出サージ圧力によって金型の合わせ面に成形材料が入り込んで、成形品にバリが発生するという問題があった。そして、成形品のバリを防ぐためには大きな型締力を必要とし、また、大きな型締力は金型が損傷し易いといった問題があった。
【特許文献1】実開平6−57625号公報
【特許文献2】特開平7−9518号公報
【特許文献3】特開平10−52841号公報
【特許文献4】特開2005−118793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記現状に鑑み、ダイカストマシンや射出成形機の成形において、金型や型締装置が不均等に熱変形しても鋳造品や成形品にバリが発生することがなく、また、金型の損傷を抑え、型締力を即時的に調整することができる型締装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果、型締力を型締装置の中心位置にではなく熱変形に応じた位置に作用させるという着想の下に、型締装置に不均衡に作用する型締力を、簡単且つ容易に発生する手段を見出した。
【0009】
本発明の請求項1に係る型締装置は、可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る型締装置は、請求項1に記載の発明において、前記型締力は、前記射出工程の各工程に応じて多段階に制御されることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る型締装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記油圧回路は、型締シリンダにアキュムレータの油を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の型締装置によれば、不均等に変形する金型及び型締装置に応じて異なる少なくとも二つの圧力を複数の型締シリンダに選択的に供給するようにしたので、不均衡な型締力の作用によって金型合わせ面の隙間の発生を防いで鋳造品にバリが生じることがない。そして、必要に応じて最小の型締力を作用させることができるので、金型の損傷を抑制することができる。
また、射出工程に応じて型締力を即時的に、且つ、多段階に変化させることとし、さらに、アキュムレータの油を供給するようにしたので、省エネルギー化と応答速度の早い型締力制御を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明実施例のダイカストマシンの型締装置を、図1〜図4を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の型締装置の一実施形態を示す説明図、図2は図1におけるA−A矢視の断面と油圧回路を示す説明図である。図3は、射出工程において型締力を一定に制御した場合を示すグラフで、図4は射出工程において型締力を工程に応じて3段階に設定した場合を示すグラフである。
【0013】
図1に示すように、マシンンベース1の端部に、固定型3を支持する固定盤2が固定され、また、マシンベース1の上に、可動型5を支持する可動盤4が可動盤支持部材6aを介して、固定盤2に対して進退自在に配置されている。可動盤4の下端部には可動盤4を可動盤支持部材6a上で、固定盤2に対して進退させて型開閉を行なう型開閉装置24が取付けられている。そして、図1は、金型を開いた状態の型締装置を示している。
【0014】
固定盤2及び可動盤4のそれぞれ四隅には、タイバー挿通孔7、8が形成されて、該挿通孔7、8にタイバー10が挿通されている。なお、可動盤4のタイバー挿通孔7、8にはタイバーカバー10aが取付けられ、また、下側のタイバー挿通孔8の後方には、タイバー10を支持するサポート10bが配置されている。
上側のタイバー10においては、可動盤側の端部寄りに、また、下側のタイバー10においては、中間部にタイバー挿通孔7、8に連結された分割ナット装置22の分轄ナットと係合する係合部10x、10yがそれぞれ形成されている。
そして、タイバー10の固定盤側端部は、固定ナット装置23のナットと係合する螺旋溝が形成された係合部10zを備えている。
【0015】
固定盤2のタイバー挿通孔7には、ピストン27を内蔵し、油室28、29を備えた型締シリンダ25(押圧手段)が配置され、固定ナット装置23がピストン27の端部に取付けられた構成となっている。また、型締シリンダ25は油室28内に圧油を給排するポート25aが備えられている。
型開閉装置を駆動して型閉じ後に、油圧ユニット35を操作して油室28に圧油を供給し、油室29から圧油を排出してピストン27を駆動する。このピストン27の駆動により、ピストン27の端部に緊密に接続され、かつ、タイナー10の係合部10zに係合されている固体ナット装置23は、固定盤2の反金型取付け面側(図1の右方向)の方向に駆動力を受けるので、型閉じ後の可動盤4は固定盤4にさらに押圧されて、型閉動作に続いて型締動作が遂行される。
【0016】
以上説明したように、図1に示した実施の形態においては、固定盤2のタイバー挿通孔7、8部に型締シリンダ25を配設してタイバー10を型締方向に駆動して型締力が作用する構成としたが、例えば、固定盤2のタイバー挿通孔7、8部反金型取付け面側に固定ナット装置23を固着し、可動盤4のタイバー挿通孔7、8部反金型取付け面側と分割ナット装置22との間に型締シリンダ25を配設して、タイバー10を型開方向に駆動して型締力を作用させる構成としても良い。
【0017】
符号30は、金型を型締した状態で金型内に成形材料である溶融金属を射出充填する射出装置である。射出プランジャー31は、該プランジャー31の先端に取付けた図示しないプランジャーチップとともに射出シリンダに駆動されて前進して溶融金属を金型内に射出充填する。そして、前進する射出プランジャー31の位置を射出プランジャー位置センサ32が検出する構成となっている。
【0018】
図2に示すように、ダイカストマシンの型締装置は油圧回路40と制御装置50を有している。そして、図2に示す油圧回路40及び制御装置50は、本発明の一実施形態である。
型締力を発生させる油圧回路図40は、油圧源41、アキュムレータ42、方向切替弁43a、43b、比例電磁式減圧弁44a、44b、比例電磁式リリーフ弁45a、45b、逆止弁46、そして、圧力検出器47a、47bとを有している。
油圧回路40は、油圧源41又はアキュムレータ42からの型締シリンダ25の油室28、29への圧油の供給と、型締シリンダ25の油室28、29からの圧油の排出を行なう。
【0019】
比例電磁式減圧弁44a、44bは制御装置50の型締力設定部51の設定値及び射出プランジャー位置センサ32の位置情報などに基づいて制御部52からの制御信号を受けて油圧源41又はアキュムレータ42から供給される圧油を減圧して調整し方向切替弁43a、43bに供給する。
方向切替弁43aのAポートは、金型より上部の型締シリンダ25の油室28とポート25aを介して、方向切替弁43aのBポートは、金型より上部の型締シリンダ25の油室29と図示しないポートを介してそれぞれ接続されている。方向切替弁43bのAポートは、金型より下部の型締シリンダ25の油室28とポート25aを介して、方向切替弁43aのBポートは、金型より下部の型締シリンダ25の油室29と図示しないポートを介してそれぞれ接続されている。そして、制御装置50の制御部52からの指令を受けて方向切替弁43a、43bのそれぞれのsol−aを励磁すると、比例電磁式減圧弁44a、44bにて調整された圧油がPポートからAポートを通って型締シリンダ25の油室28に供給される。
【0020】
一方、型締シリンダ25の油室29の圧油は方向切替弁43a、43bのBポートがTポートに接続されてタンクに還流される。このようにして、型締シリンダ25の油室28に二つの比例電磁式減圧弁44a、44bによって圧力に調整された圧油を供給することによって、型締力が発生される。
【0021】
方向切替弁43a、43bのsol−bを励磁すると、型締シリンダ25の油室28はAポートを経由してTポートに還流される。比例電磁式リリーフ弁45a、45bは型締シリンダ25の油室28の圧油を高圧から低圧に降圧させる場合の圧力制御用で、例えば型締終了時の圧力開放時などに、制御部の指令に基づいて制御される。圧力検出器47a、47bは型締シリンダ25の油室28内の圧力を検出、検出した信号を変換して型締力として表示する。逆止弁46は、アキュムレータ42及び型締シリンダ25の油室28内の圧油が油圧源41方向に逆流することを防ぐことを目的としている。
【0022】
図2に示すように、本実施の形態においては、金型より上部(天側)2本及び金型より下部(地側)2本のタイバーに設けられた型締シリンダそれぞれを一対として異なる圧力に調整できる回路構成としている。本発明の、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生する構成は、本実施の形態に限らず、図2に示す右側上下2本及び左側2本それぞれのタイバーに設けられた型締シリンダを一対とした回路構成や、右上と左下及び左上と右下のタイバーに設けられた型締シリンダを一対とした回路構成を含む。
【0023】
また、型締シリンダ4本それぞれ単独に圧力調整弁を設けて型締シリンダに圧油を給排する回路構成であっても良い。上述したように、本発明の圧油を型締シリンダに選択的に供給するとは、複数の型締シリンダと複数の圧力調整弁との組み合わせの選択を示すものであり、電磁式切替弁のポート選択を意図とするものではない。
【0024】
図3及び図4は、射出工程と型締力との関係の一例を示すグラフである。そして、射出工程は、射出低速、射出高速、増圧及び冷却の工程からなる。
射出工程では、まず、射出プランジャー31が射出低速で前進し、射出プランジャー位置センサ32が予め設定された所定の位置S1を検出して射出高速に切り換えられる。次いで、射出高速で前進して成形材料である溶湯金属が金型キャビティ内に充填され所定のタイミングS2で増圧工程に切り換えられ、溶湯金属を押圧する。そして、射出工程においては、金型キャビティ内に溶湯金属がフル充填される射出高速から増圧工程に切り換えるタイミングで最大の型締力を必要としている。
冷却は、鋳造品が冷却されて固化する工程で、増圧完了信号P1を受けて切替られ、鋳造品の冷却後に金型を開いて鋳造品は金型から取り出される。
【0025】
図3は、射出工程において型締力を一定に設定して制御する一例を示すグラフで、縦軸が型締力の大きさを、横軸は工程時間を表わしている。
図3において、グラフの下段は、下部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値を、グラフの上段は、上部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値をそれぞれ示し、下部一対の型締シリンダは4508KN、上部一対の型締シリンダは6762KNの異なる値に設定され、型締装置全体では11270KNが金型に不均衡に作用するようにした設定状態を示している。
そして、図3に示すように、型締力は型締完了から、射出工程の冷却工程が完了するまでの間一定の型締力が作用することになる。
【0026】
図4は、射出工程の各工程に応じて型締力を多段階に設定して制御する一例を示すグラフで、縦軸が型締力の大きさを、横軸は工程時間を表わしている。
図4において、グラフの下段は、下部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値を、グラフの上段は、上部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値をそれぞれ示している。型締力は、射出工程において第1ステップと第2ステップ及び、冷却工程における第3ステップの3段階に設定されて制御される。第1ステップは型締完了から射出高速への切替位置S1より前方に設定された所定の切替位置S0までの間、第2ステップは切替位置S0から増圧完了P1後にタイマt1が所定の計時を開始しタイマt1の計時が完了するまでの間、第3ステップはタイマt1の計時が完了してから冷却工程の完了までの間である。
【0027】
図4に示すように、下部一対の各型締シリンダは第1ステップが5635KN、第2ステップが5145KN、第3ステップが2940KNのそれぞれ異なる値に設定されている。また、上部一対の各型締シリンダは第1ステップが5635KN、第2ステップが6125KN、第3ステップが2940KNの異なる値にそれぞれ設定されている。そして、型締装置全体では、第1及び第2ステップで11270KN、第3ステップで5880KNが金型に不均衡に作用するようにした設定状態を示している。
【0028】
なお、以上説明した図3及び図4の型締力の設定数値は、本発明に限定されるものではなく、発明の主旨を説明するための数値であることはいうまでもなく、全ての設定値を同一に設定することも勿論可能である。
図4において、射出高速の切替位置S1より前方のS0位置で第2ステップに移行するのは、射出高速工程及び増圧工程において最大の型締力を必要とするため制御の応答遅れを防止することを目的としている。
【0029】
本発明を適用すれば、型締装置や金型が熱影響等を受けて不均等に変形して平行度が狂った場合であっても、型締装置全体の型締力を大きくすることなく部分的、且つ、不均衡に押圧して平行度を補正することができる。また、金型や成形品の投影面積の中心位置と型締力の中心位置とが合致せず、型締後及び溶湯金属の射出充填時に型締装置にアンバランス荷重が発生して金型の合わせ面から鋳バリが噴出する場合であっても、型締装置全体の型締力を大きくすることなく部分的に押圧して鋳バリの噴出を抑えることができる。
【0030】
本発明の型締装置においては、複数の型締シリンダに異なる少なくとも二つの圧力を選択的に供給する油圧回路を備えて型締力を発生させるようにしたので、金型や型締装置が不均等に熱変形しても鋳造品や成型品にバリが発生することがなく、また、金型の損傷を抑え、型締力を即時的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の型締装置の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図1におけるA−A矢視の断面と油圧回路を示す説明図である。
【図3】射出工程において型締力を一定に制御した場合を示すグラフである。
【図4】射出工程において型締力を工程に応じて3段階に設定した場合を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
2 固定盤
3 固定型
4 可動盤
5 可動型
10 タイバー
25 型締シリンダ
30 射出装置
40 油圧回路
42 アキュムレータ
44a、44b 圧力調整弁
50 制御装置
S0 第2ステップへの切替位置
S1 射出高速の開始位置
S2 増圧の開始位置
P1 増圧完了信号
t1 タイマ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンや射出成形機などの型締装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンや射出成形機等に用いられる型締装置は、成形材料の射出充填開始から鋳造品や成形品が冷却されて固化するまでの間、金型内の成形材料の圧力により金型が開かれようとするのを抑え、それを上回る力で締め付けておくことが要求される。そして、上記型締装置としては、構造的に直圧式、トグル式、複合式などが知られている。
直圧式の型締装置は、液圧シリンダ内のラムに可動盤を直結して流体の圧力により直接金型の締め付けを行なうもので、例えば、特許文献1などに開示されている。
トグル式の場合は、液圧シリンダなどの動力源で発生する力をトグル機構で拡大して型締力を得る方式で、例えば、特許文献2などに開示されている。
複合式の型締装置は、液圧シリンダによりタイバーを直接引張り、金型を締め付けする方式で、例えば、特許文献3に開示されている。
【0003】
上記従来の各型締装置のうち、トグル式の型締装置はタイバーを引き伸ばして型締力を発生させることから、金型キャビティ内に射出充填された成形材料の圧力が、型締力を上回って金型を開こうとすると、タイバーの伸びがそれだけ大きくなり型締力が増大し、自動的にバリを防ぐ方向に作用する。しかし、金型や型締装置の温度上昇に伴う熱変形によって型締力が上昇した場合や、金型を締め切ることができなくった場合には型締力の補正が必要となるが、変化する型締力を即時的に制御して補正することは難しいという問題を有する。そして、前述した増大する型締力は、金型や型締装置の機構部品を損傷させ易い。
【0004】
直圧式や複合式の型締装置においては、型締シリンダに供給する液圧を調整することによって、型締力を発生させることから、金型や型締装置の温度上昇に伴う熱変形に伴って型締力が変化することはなく、また、金型を締め付けた後であっても定格型締力の範囲において、液圧を調整して型締力を変更することができる。
しかし、金型キャビティ内に射出充填された成形材料の圧力が、型締力を上回って作用すると、型締シリンダ内の作動液が圧縮されることから、金型が開いてバリが発生するという問題を有する。
【0005】
そこで上記従来の問題を解決する型締装置が、特許文献4に開示されている。特許文献4に開示された型締装置は、金型の損傷を抑制でき、また、正確な型締力を安定して発生することができるとともに、射出サージ圧力が発生しても金型が開かないことが記載されている。そして、前記型締装置のタイバー部に設けられた型締シリンダはそれぞれが均等に型締力を発生するように、断面積と供給する液圧が同一となるように構成されている。また、従来型の型締装置の型締力は、型締装置の中心位置、例えば、4本のタイバーを備えた型締装置の場合では4本のタイバー中心位置の交点に発生する。
【0006】
ところで、ダイカストマシンや射出成形機では、金型内に高温の成形材料を射出充填して冷却することから、金型及び型締装置は熱影響を受け熱変形する。そして、この熱変形は、固定型を取付ける固定盤はマシンベースに固設されること、また、可動型を取付ける可動盤もマシンベース上を摺接する構成から、変形に制約を受け固定盤及び可動盤は逆ハの字形、即ち金型の上部側が下部側よりも開いた不均等な形状となる。
このため、型締装置の中心に型締力が発生する前述した従来型の複合型の型締装置では、定格の型締力で型締しても金型の合わせ面を完全に閉じることができずに、射出充填時に射出サージ圧力によって金型の合わせ面に成形材料が入り込んで、成形品にバリが発生するという問題があった。そして、成形品のバリを防ぐためには大きな型締力を必要とし、また、大きな型締力は金型が損傷し易いといった問題があった。
【特許文献1】実開平6−57625号公報
【特許文献2】特開平7−9518号公報
【特許文献3】特開平10−52841号公報
【特許文献4】特開2005−118793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記現状に鑑み、ダイカストマシンや射出成形機の成形において、金型や型締装置が不均等に熱変形しても鋳造品や成形品にバリが発生することがなく、また、金型の損傷を抑え、型締力を即時的に調整することができる型締装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果、型締力を型締装置の中心位置にではなく熱変形に応じた位置に作用させるという着想の下に、型締装置に不均衡に作用する型締力を、簡単且つ容易に発生する手段を見出した。
【0009】
本発明の請求項1に係る型締装置は、可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る型締装置は、請求項1に記載の発明において、前記型締力は、前記射出工程の各工程に応じて多段階に制御されることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る型締装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記油圧回路は、型締シリンダにアキュムレータの油を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の型締装置によれば、不均等に変形する金型及び型締装置に応じて異なる少なくとも二つの圧力を複数の型締シリンダに選択的に供給するようにしたので、不均衡な型締力の作用によって金型合わせ面の隙間の発生を防いで鋳造品にバリが生じることがない。そして、必要に応じて最小の型締力を作用させることができるので、金型の損傷を抑制することができる。
また、射出工程に応じて型締力を即時的に、且つ、多段階に変化させることとし、さらに、アキュムレータの油を供給するようにしたので、省エネルギー化と応答速度の早い型締力制御を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明実施例のダイカストマシンの型締装置を、図1〜図4を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の型締装置の一実施形態を示す説明図、図2は図1におけるA−A矢視の断面と油圧回路を示す説明図である。図3は、射出工程において型締力を一定に制御した場合を示すグラフで、図4は射出工程において型締力を工程に応じて3段階に設定した場合を示すグラフである。
【0013】
図1に示すように、マシンンベース1の端部に、固定型3を支持する固定盤2が固定され、また、マシンベース1の上に、可動型5を支持する可動盤4が可動盤支持部材6aを介して、固定盤2に対して進退自在に配置されている。可動盤4の下端部には可動盤4を可動盤支持部材6a上で、固定盤2に対して進退させて型開閉を行なう型開閉装置24が取付けられている。そして、図1は、金型を開いた状態の型締装置を示している。
【0014】
固定盤2及び可動盤4のそれぞれ四隅には、タイバー挿通孔7、8が形成されて、該挿通孔7、8にタイバー10が挿通されている。なお、可動盤4のタイバー挿通孔7、8にはタイバーカバー10aが取付けられ、また、下側のタイバー挿通孔8の後方には、タイバー10を支持するサポート10bが配置されている。
上側のタイバー10においては、可動盤側の端部寄りに、また、下側のタイバー10においては、中間部にタイバー挿通孔7、8に連結された分割ナット装置22の分轄ナットと係合する係合部10x、10yがそれぞれ形成されている。
そして、タイバー10の固定盤側端部は、固定ナット装置23のナットと係合する螺旋溝が形成された係合部10zを備えている。
【0015】
固定盤2のタイバー挿通孔7には、ピストン27を内蔵し、油室28、29を備えた型締シリンダ25(押圧手段)が配置され、固定ナット装置23がピストン27の端部に取付けられた構成となっている。また、型締シリンダ25は油室28内に圧油を給排するポート25aが備えられている。
型開閉装置を駆動して型閉じ後に、油圧ユニット35を操作して油室28に圧油を供給し、油室29から圧油を排出してピストン27を駆動する。このピストン27の駆動により、ピストン27の端部に緊密に接続され、かつ、タイナー10の係合部10zに係合されている固体ナット装置23は、固定盤2の反金型取付け面側(図1の右方向)の方向に駆動力を受けるので、型閉じ後の可動盤4は固定盤4にさらに押圧されて、型閉動作に続いて型締動作が遂行される。
【0016】
以上説明したように、図1に示した実施の形態においては、固定盤2のタイバー挿通孔7、8部に型締シリンダ25を配設してタイバー10を型締方向に駆動して型締力が作用する構成としたが、例えば、固定盤2のタイバー挿通孔7、8部反金型取付け面側に固定ナット装置23を固着し、可動盤4のタイバー挿通孔7、8部反金型取付け面側と分割ナット装置22との間に型締シリンダ25を配設して、タイバー10を型開方向に駆動して型締力を作用させる構成としても良い。
【0017】
符号30は、金型を型締した状態で金型内に成形材料である溶融金属を射出充填する射出装置である。射出プランジャー31は、該プランジャー31の先端に取付けた図示しないプランジャーチップとともに射出シリンダに駆動されて前進して溶融金属を金型内に射出充填する。そして、前進する射出プランジャー31の位置を射出プランジャー位置センサ32が検出する構成となっている。
【0018】
図2に示すように、ダイカストマシンの型締装置は油圧回路40と制御装置50を有している。そして、図2に示す油圧回路40及び制御装置50は、本発明の一実施形態である。
型締力を発生させる油圧回路図40は、油圧源41、アキュムレータ42、方向切替弁43a、43b、比例電磁式減圧弁44a、44b、比例電磁式リリーフ弁45a、45b、逆止弁46、そして、圧力検出器47a、47bとを有している。
油圧回路40は、油圧源41又はアキュムレータ42からの型締シリンダ25の油室28、29への圧油の供給と、型締シリンダ25の油室28、29からの圧油の排出を行なう。
【0019】
比例電磁式減圧弁44a、44bは制御装置50の型締力設定部51の設定値及び射出プランジャー位置センサ32の位置情報などに基づいて制御部52からの制御信号を受けて油圧源41又はアキュムレータ42から供給される圧油を減圧して調整し方向切替弁43a、43bに供給する。
方向切替弁43aのAポートは、金型より上部の型締シリンダ25の油室28とポート25aを介して、方向切替弁43aのBポートは、金型より上部の型締シリンダ25の油室29と図示しないポートを介してそれぞれ接続されている。方向切替弁43bのAポートは、金型より下部の型締シリンダ25の油室28とポート25aを介して、方向切替弁43aのBポートは、金型より下部の型締シリンダ25の油室29と図示しないポートを介してそれぞれ接続されている。そして、制御装置50の制御部52からの指令を受けて方向切替弁43a、43bのそれぞれのsol−aを励磁すると、比例電磁式減圧弁44a、44bにて調整された圧油がPポートからAポートを通って型締シリンダ25の油室28に供給される。
【0020】
一方、型締シリンダ25の油室29の圧油は方向切替弁43a、43bのBポートがTポートに接続されてタンクに還流される。このようにして、型締シリンダ25の油室28に二つの比例電磁式減圧弁44a、44bによって圧力に調整された圧油を供給することによって、型締力が発生される。
【0021】
方向切替弁43a、43bのsol−bを励磁すると、型締シリンダ25の油室28はAポートを経由してTポートに還流される。比例電磁式リリーフ弁45a、45bは型締シリンダ25の油室28の圧油を高圧から低圧に降圧させる場合の圧力制御用で、例えば型締終了時の圧力開放時などに、制御部の指令に基づいて制御される。圧力検出器47a、47bは型締シリンダ25の油室28内の圧力を検出、検出した信号を変換して型締力として表示する。逆止弁46は、アキュムレータ42及び型締シリンダ25の油室28内の圧油が油圧源41方向に逆流することを防ぐことを目的としている。
【0022】
図2に示すように、本実施の形態においては、金型より上部(天側)2本及び金型より下部(地側)2本のタイバーに設けられた型締シリンダそれぞれを一対として異なる圧力に調整できる回路構成としている。本発明の、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生する構成は、本実施の形態に限らず、図2に示す右側上下2本及び左側2本それぞれのタイバーに設けられた型締シリンダを一対とした回路構成や、右上と左下及び左上と右下のタイバーに設けられた型締シリンダを一対とした回路構成を含む。
【0023】
また、型締シリンダ4本それぞれ単独に圧力調整弁を設けて型締シリンダに圧油を給排する回路構成であっても良い。上述したように、本発明の圧油を型締シリンダに選択的に供給するとは、複数の型締シリンダと複数の圧力調整弁との組み合わせの選択を示すものであり、電磁式切替弁のポート選択を意図とするものではない。
【0024】
図3及び図4は、射出工程と型締力との関係の一例を示すグラフである。そして、射出工程は、射出低速、射出高速、増圧及び冷却の工程からなる。
射出工程では、まず、射出プランジャー31が射出低速で前進し、射出プランジャー位置センサ32が予め設定された所定の位置S1を検出して射出高速に切り換えられる。次いで、射出高速で前進して成形材料である溶湯金属が金型キャビティ内に充填され所定のタイミングS2で増圧工程に切り換えられ、溶湯金属を押圧する。そして、射出工程においては、金型キャビティ内に溶湯金属がフル充填される射出高速から増圧工程に切り換えるタイミングで最大の型締力を必要としている。
冷却は、鋳造品が冷却されて固化する工程で、増圧完了信号P1を受けて切替られ、鋳造品の冷却後に金型を開いて鋳造品は金型から取り出される。
【0025】
図3は、射出工程において型締力を一定に設定して制御する一例を示すグラフで、縦軸が型締力の大きさを、横軸は工程時間を表わしている。
図3において、グラフの下段は、下部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値を、グラフの上段は、上部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値をそれぞれ示し、下部一対の型締シリンダは4508KN、上部一対の型締シリンダは6762KNの異なる値に設定され、型締装置全体では11270KNが金型に不均衡に作用するようにした設定状態を示している。
そして、図3に示すように、型締力は型締完了から、射出工程の冷却工程が完了するまでの間一定の型締力が作用することになる。
【0026】
図4は、射出工程の各工程に応じて型締力を多段階に設定して制御する一例を示すグラフで、縦軸が型締力の大きさを、横軸は工程時間を表わしている。
図4において、グラフの下段は、下部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値を、グラフの上段は、上部一対の型締シリンダで発生する型締力の設定値をそれぞれ示している。型締力は、射出工程において第1ステップと第2ステップ及び、冷却工程における第3ステップの3段階に設定されて制御される。第1ステップは型締完了から射出高速への切替位置S1より前方に設定された所定の切替位置S0までの間、第2ステップは切替位置S0から増圧完了P1後にタイマt1が所定の計時を開始しタイマt1の計時が完了するまでの間、第3ステップはタイマt1の計時が完了してから冷却工程の完了までの間である。
【0027】
図4に示すように、下部一対の各型締シリンダは第1ステップが5635KN、第2ステップが5145KN、第3ステップが2940KNのそれぞれ異なる値に設定されている。また、上部一対の各型締シリンダは第1ステップが5635KN、第2ステップが6125KN、第3ステップが2940KNの異なる値にそれぞれ設定されている。そして、型締装置全体では、第1及び第2ステップで11270KN、第3ステップで5880KNが金型に不均衡に作用するようにした設定状態を示している。
【0028】
なお、以上説明した図3及び図4の型締力の設定数値は、本発明に限定されるものではなく、発明の主旨を説明するための数値であることはいうまでもなく、全ての設定値を同一に設定することも勿論可能である。
図4において、射出高速の切替位置S1より前方のS0位置で第2ステップに移行するのは、射出高速工程及び増圧工程において最大の型締力を必要とするため制御の応答遅れを防止することを目的としている。
【0029】
本発明を適用すれば、型締装置や金型が熱影響等を受けて不均等に変形して平行度が狂った場合であっても、型締装置全体の型締力を大きくすることなく部分的、且つ、不均衡に押圧して平行度を補正することができる。また、金型や成形品の投影面積の中心位置と型締力の中心位置とが合致せず、型締後及び溶湯金属の射出充填時に型締装置にアンバランス荷重が発生して金型の合わせ面から鋳バリが噴出する場合であっても、型締装置全体の型締力を大きくすることなく部分的に押圧して鋳バリの噴出を抑えることができる。
【0030】
本発明の型締装置においては、複数の型締シリンダに異なる少なくとも二つの圧力を選択的に供給する油圧回路を備えて型締力を発生させるようにしたので、金型や型締装置が不均等に熱変形しても鋳造品や成型品にバリが発生することがなく、また、金型の損傷を抑え、型締力を即時的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の型締装置の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図1におけるA−A矢視の断面と油圧回路を示す説明図である。
【図3】射出工程において型締力を一定に制御した場合を示すグラフである。
【図4】射出工程において型締力を工程に応じて3段階に設定した場合を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
2 固定盤
3 固定型
4 可動盤
5 可動型
10 タイバー
25 型締シリンダ
30 射出装置
40 油圧回路
42 アキュムレータ
44a、44b 圧力調整弁
50 制御装置
S0 第2ステップへの切替位置
S1 射出高速の開始位置
S2 増圧の開始位置
P1 増圧完了信号
t1 タイマ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、
前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、
前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、
前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする型締装置。
【請求項2】
前記型締力は、前記射出工程の各工程に応じて多段階に制御されることを特徴とする請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
前記油圧回路は、型締シリンダにアキュムレータの油を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型締装置。
【請求項1】
可動盤に取付けられた可動型と固定盤に取付けられた固定型が型閉した後に、タイバーと協働して金型を押圧する複数の型締シリンダと、
前記型締シリンダに圧油を供給するとともに、前記圧油を所定の圧力に調整する複数の圧力調整弁を有した油圧回路と、
前記油圧回路を制御して、射出装置の射出工程に応じて所定の型締力とする制御装置と、を備えた型締装置であって、
前記射出工程において、少なくとも二つの異なった圧力に調整した圧油を前記型締シリンダに選択的に供給して型締力を発生することを特徴とする型締装置。
【請求項2】
前記型締力は、前記射出工程の各工程に応じて多段階に制御されることを特徴とする請求項1に記載の型締装置。
【請求項3】
前記油圧回路は、型締シリンダにアキュムレータの油を供給することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型締装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2008−30075(P2008−30075A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−204539(P2006−204539)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)
【Fターム(参考)】
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