説明

埋設物探査方法および埋設物探査装置

【課題】いかなる領域を探査対象として設定した場合であっても、同領域内の埋設物をもれなく適確に探査することができる埋設物探査方法および埋設物探査装置を提供する。
【解決手段】巡回経路決定部31は、設定された探査対象領域と、アンテナ部15の送受信特性とに基づいて、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路を決定する。誘導案内部33は、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路と、アンテナ部15の現在位置に係る情報とに基づいて、アンテナ部15を次の送受信点に誘導案内する。送受信制御部25は、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路に従って、波動の放射および放射された波動の反射波の受信をアンテナ部15に行わせる。埋設物探査部27は、受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面や構造物などに埋設されている電線ケーブル等の埋設物を探査する際に用いられる埋設物探査方法および埋設物探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地面や構造物などには、例えば、水道管、ガス管、電線ケーブル等が埋められている。これらを総称して埋設物と呼ぶ。ところで、例えば街灯や電柱等の柱状体を設置する際には、その設置地点に係る地面を掘削する必要がある。この掘削に際しては、既設の埋設物を損壊しないことが求められる。こうした場面で活躍するのが、埋設物の探査を非掘削的に行う埋設物探査装置である。
【0003】
かかる埋設物探査装置の例として、本願出願人は、埋設物の探査をレーダ方式によって非掘削的に行うレーダ装置を提案している(特許文献1,2参照)。
【0004】
特許文献1に係るレーダ装置では、振幅が相互に異なる複数の波動パルスを、それぞれ時間間隔をおいて地面に放射する一方、それぞれの波動パルスの反射波を受信する。受信した反射波の波形には、埋設物の深度に係る情報が顕在的に含まれている。この反射波の波形はディジタル値に変換され、変換後のディジタル値は予め設定したパターンに従って増幅される。そして、増幅されたディジタル値に基づいて探査結果を表す情報が生成される。特許文献1に係る検査レーダ装置によれば、深い場所に位置した埋設物の検出感度を向上することができる。
【0005】
また、特許文献2に係るレーダ装置では、振幅および周波数が相互に異なる複数の波動パルスを、それぞれ時間間隔をおいて埋設物に放射する一方、それぞれの波動パルスの反射波を受信する。受信した反射波の波形には、埋設物の大きさ並びに深度に係る情報が顕在的に含まれている。この反射波の波形はディジタル値に変換され、変換後のディジタル値に基づいて探査結果を表す情報が生成される。特許文献2に係る検査レーダ装置によれば、深い場所に位置した比較的小さい埋設物の検出感度を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−090806号公報
【特許文献2】特開2011−002422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1および2に係る装置では、例えば、埋設物が錯綜した状態(埋設物の延出方向がばらばらな状態)で複数混在するような領域を探査対象として設定した場合であって、この対象エリア内に存する埋設物をもれなく探査しようと試みたときに、その試みがうまくいかないおそれがあった。その理由は以下の通りである。すなわち、埋設物探査装置で用いるアンテナ部は、例えば、指向性を有するダイポールアンテナからなる。こうしたダイポールアンテナでは、その延出方向に対して直交する方向では、電磁波の放射強度が最大となる一方、その延出方向に対して平行な方向では、電磁波の放射強度はほとんどゼロになる。
【0008】
上述したダイポールアンテナのように指向性を有するアンテナを用いて電磁波の送受を行う埋設物探査装置では、アンテナの指向性に由来した不感エリアが出現する。具体的には、例えばダイポールアンテナの延出方向に対して平行な方向に沿って不感エリアが出現する。この不感エリアに沿って線状の埋設物が存在する場合は、その埋設物を探査できないおそれがある。従って、特許文献1および2に係る装置では、例えば、埋設物が錯綜した状態で複数混在するような領域を探査対象として設定した場合であって、この対象エリア内に存する埋設物をもれなく探査しようと試みたときに、その試みがうまくいかないおそれがあったのである。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ある領域を探査対象として設定した場合に、同領域内の埋設物を適確に探査することができる埋設物探査方法および埋設物探査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る埋設物探査方法は、波動を放射すると共に前記放射された波動の反射波を受信するアンテナ部を、埋設物が埋められた媒質の表面に正対するように位置させて設けた埋設物探査装置に用いられ、前記受信した波動の反射波に基づいて、予め設定された探査対象領域に存する埋設物を探査するための埋設物探査方法であって、前記設定された探査対象領域と、前記アンテナ部の送受信特性とに基づいて、前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路を決定する工程と、前記決定された前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路と、前記アンテナ部の現在位置に係る情報とに基づいて、前記アンテナ部を次の送受信点に誘導案内する工程と、前記誘導案内された次の送受信点に前記アンテナ部を置いた状態で、前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を行う工程と、前記受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する工程と、を有することを要旨とする。
【0011】
また、本発明に係る埋設物探査装置は、波動を放射すると共に前記放射された波動の反射波を受信するアンテナ部を備え、前記受信した波動の反射波に基づいて、予め設定された探査対象領域に存する埋設物を探査する埋設物探査装置であって、前記設定された探査対象領域と、前記アンテナ部の送受信特性とに基づいて、前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、前記アンテナ部の現在位置に係る情報を取得する現在位置情報取得部と、前記巡回経路決定部で決定された前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路と、前記現在位置情報取得部で取得された前記アンテナ部の現在位置に係る情報とに基づいて、前記アンテナ部を次の送受信点に誘導案内する誘導案内部と、前記誘導案内部により誘導案内された前記次の送受信点に前記アンテナ部を置いた状態で、前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を前記アンテナ部に行わせる送受信制御部と、前記受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する埋設物探査部と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ある領域を探査対象として設定した場合に、同領域内の埋設物を適確に探査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の機能ブロック図である。
【図1B】本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11のアンテナ部15を地面側からみた外観図である。
【図1C】本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11のアンテナ部15を地面側からみた外観図である。
【図2A】本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の動作フローチャート図である。
【図2B】図2Aに示すフローのうち逐次回転制御処理の流れを表す動作フローチャート図である。
【図3A】埋設物探査領域を上方から俯瞰してみた、経路決定および決定された経路に従う探査に係る動作説明に供する図である。
【図3B】図3Aに示す決定された経路に従う探査の変形例に係る動作説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1Aは、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の機能ブロック図である。図1Bおよび図1Cは、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11のアンテナ部15を地面側からみた外観図である。
【0015】
本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11は、埋設物BOの探査を非掘削的に行う機能を有する。その探査原理は以下のとおりである。すなわち、媒質(地面)に埋められた埋設物BOを狙って電磁波や音波(以下、これらを称して“波動”と呼ぶ)を放射すると、媒質(地面)と埋設物BOとの境界部分で波動の反射を生じる。この反射波を受信する。そして、波動の放射から受信に至るまでの往復時間を演算により求める。こうして求めた往復時間は、埋設物BOの存否および深度位置と相関がある。このため、前記のように求めた往復時間に基づいて、埋設物BOの存否および深度位置に係る探査を行う。
【0016】
〔本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の構成〕
埋設物探査装置11には、図1Aに示すように、直方形状の筐体13に、媒質(地面)に埋められた埋設物BOを探査するための各種機能部が搭載されている。埋設物探査装置11の筐体13の下側隅部には、4つの車輪WHが回転自在および操舵自在に設けられている。4つの車輪WHのそれぞれの軸には、車輪WHを回転駆動するためのモータWH_Mが設けられている。これにより、埋設物探査装置11は、後記の走行制御部35による走行制御に従って自律走行可能に構成されている。
【0017】
筐体13の底部には、図1Bに示すように、円盤形状の基板に設けられた線状のアンテナ部15が、埋設物BOが埋められた媒質の表面に正対位置して設けられている。アンテナ部15の中央部は、媒質の表面に対して略直交する軸17を介して筐体13側に回転自在に支持されている。アンテナ部15は、波動を放射する送信部15aと、送信部15aにより放射された波動を受信する受信部15bとを備える。アンテナ部15は、例えばダイポールアンテナからなる。かかるアンテナ部15は、例えば8の字形状の指向性を有する。
【0018】
アンテナ部15を上方から吊り下げ支持する軸17には、図1Aに示すように、駆動モータ19が接続されている。この駆動モータ19の回転力は、軸17を介してアンテナ部15に伝達される。これにより、アンテナ部15は、媒質の表面に正対する状態を維持して回転移動するようになっている。駆動モータ19には、回転位置センサ21が設けられている。これにより、駆動モータ19の回転位置(例えば、駆動モータ19が原点位置にあるか否か)を検出することができる。
【0019】
埋設物探査装置11は、図1Aに示すように、逐次回転制御部23と、送受信制御部25と、埋設物探査部27とを備えている。逐次回転制御部23や送受信制御部25等の制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えた不図示のマイクロコンピュータ(以下、“マイコン”と省略する。)により構成される。マイコンは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行し、各種機能部の制御を行うように動作する。
【0020】
逐次回転制御部23は、駆動モータ19および回転位置センサ21に接続されている。逐次回転制御部23は、アンテナ部15に対し、第1の単位角度θ1(例えば30°などの適宜変更可能な角度値であり、好ましくは、360度のn(nは2以上の整数)分の1となる角度値である。以下、同じ。)に従う回転移動、および、その回転位置における所定時間の静止状態の維持を、アンテナ部15が略一回転(一回転に多少足りなくとも、本発明の効果を享受できるのであれば、そのような実施態様は本発明の技術的範囲の射程に入る。以下、同じ。)するまで複数回交互に繰り返し行わせるように動作する。要するに、アンテナ部15は、第1の単位角度θ1毎の逐次回転移動および静止(回転停止)を繰り返す。この第1の単位角度θ1に従うアンテナ部15の回転移動は、アンテナ部15の指向性に由来した不感エリアに存する埋設物BOをもれなく探査する目的で行われる。
【0021】
なお、第1の単位角度θ1に従う回転移動に代えて、図1Cに示すように、第1の単位角度θ1よりも小さい第2の単位角度θ2(例えば15°などの適宜変更可能な角度値であり、第1の単位角度θ1と同様に、好ましくは、360度のn(nは2以上の整数)分の1となる角度値である。以下、同じ。)に従う回転移動を、逐次回転制御部23に行わせる構成を採用してもよい。このような単位角度の微細化は、埋設物BOの存在確度が高い場合において、さらに高精度で埋設物BOの延出方向および深度位置を探査しようと試みる場合に有効な手順である。
【0022】
送受信制御部25は、送信部15aによる波動の放射、および、受信部15bによる反射波の受信のそれぞれの送受信タイミングを制御する。なお、送受信制御部25は、後記する誘導案内部33により誘導案内された送受信点にアンテナ部15を置いた状態で、波動の放射および放射された波動の反射波の受信をアンテナ部15に行わせるように動作する。これについて、詳しくは後記する。
【0023】
埋設物探査部27は、アンテナ部15の受信部15bにより受信した波動の反射波に基づいて埋設物BOを探査する役割を果たす。なお、埋設物探査部27は、後記する反射波情報記憶部39の記憶内容を参照して、波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出すると共に、該抽出された波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた往復時間に基づいて、埋設物BOの深度位置を探査するように動作する。これについて、詳しくは後記する。
【0024】
また、埋設物探査装置11は、図1Aに示すように、現在位置情報取得部29と、巡回経路決定部31と、誘導案内部33と、走行制御部35と、埋設物深度情報記憶部37と、反射波情報記憶部39と、表示制御部41と、タッチパネル43と、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)45とを備えている。このうち、現在位置情報取得部29は、GPS45により測位された絶対座標系の現在位置に係る情報を取得する機能を有する。なお、現在位置情報取得部29は、GPS45によって測位された絶対座標系の現在位置に係る情報に加えて、または、代えて、車輪WHに設けた不図示のロータリーエンコーダ(距離センサ)により検出された移動距離に係る情報、および、不図示のジャイロ(姿勢センサ)により検出された筐体13の姿勢に係る情報を用いて、現在位置に係る情報を取得するように構成してもよい。
【0025】
巡回経路決定部31は、例えば操作者により設定される、埋設物BOの探査対象領域と、アンテナ部15の送受信特性とに基づいて、探査対象領域に存する埋設物BOをもれなく探査することを考慮して、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路(図3Aに示すP1〜P20参照)を決定する役割を果たす。なお、アンテナ部15の送受信特性とは、ある送受信地点に留まった状態でアンテナ部15により波動の送受信を行った場合に、どの程度の範囲(例えば1平方メートルなど)の埋設物BOを探査できるかの指標を表す。このアンテナ部15の送受信特性は、マイコンのメモリに予め記憶されている。
【0026】
誘導案内部33は、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路と、現在位置情報取得部29で取得されたアンテナ部15の現在位置に係る情報とに基づいて、アンテナ部15を次の送受信点に誘導案内する機能を有する。走行制御部35は、誘導案内部33の誘導案内機能を実行する機能部であり、アンテナ部15を次の送受信点に導くように、駆動モータ19の回転駆動力および車輪WHの操舵角を制御するようにはたらく。
【0027】
埋設物深度情報記憶部37は、埋設物探査部27により探査された埋設物BOの深度位置に係る情報を、アンテナ部15の現在位置に係る情報に関連付けて記憶する機能を有する。具体的には、埋設物深度情報記憶部37は、埋設物BOの深度位置に係る情報を、GPS45から取得したアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報(例えば、緯度・経度・高度の組み合わせ)に関連付けて記憶する。ここで、絶対座標系による表現形式は、あるシステム間において相対座標系が同じかまたは異なるかにかかわらず適用可能である。これにより、埋設物BOの二次元分布(xy軸座標系)および深度位置(z軸座標系)を含む有用性の高い情報を、異なる座標系を有するシステム間において共有することができる。
【0028】
反射波情報記憶部39は、アンテナ部15の回転移動量にそれぞれ対応する、波動の反射波の強度、並びに、波動の放射から波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶する役割を果たす。こうして記憶された情報は、埋設物BOの深度位置を高精度で求める際に参照される。その理由は以下のとおりである。つまり、波動の反射波の強度が大きい場合とは、埋設物BOを適確に捉えた場合である。そうすると、波動の反射波の強度が大きい場合の往復時間は、反射波の強度が小さい場合の往復時間と比べて、埋設物BOの深度をより忠実に反映していると考えられるからである。
【0029】
表示制御部41は、誘導案内部33により誘導案内された経路、または、埋設物深度情報記憶部37の記憶内容を、タッチパネル43の表示画面上に表示させる機能を有する。なお、タッチパネル43は、操作者の手動操作によって探査対象領域を設定する際などにも用いられる。
【0030】
〔本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の動作について、図面を参照して説明する。図2Aは、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の動作フローチャート図である。図2Bは、図2Aに示すフローのうち逐次回転制御処理の流れを表す動作フローチャート図である。図3Aは、埋設物探査領域を上方から俯瞰してみた、経路決定および決定された経路に従う探査に係る動作説明に供する図である。図3Bは、図3Aに示す決定された経路に従う探査の変形例に係る動作説明に供する図である。
【0031】
本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の電源がONされると、マイコンが起動して次のプログラムに係る処理が実行される。
ステップS11において、図2Aに示すように、埋設物探査装置11は、埋設物探査領域の設定動作を行う。この設定動作は、タッチパネル43を介して操作者により操作入力された埋設物探査領域の設定情報(具体的には、例えば所要の地域の地図データをタッチパネル43の表示画面上に表示させておき、所要の領域をタッチ操作により設定した情報)を用いて、または、マイコンのメモリに予め登録されている埋設物探査領域の設定情報を用いて行う。
【0032】
ステップS12において、巡回経路決定部31は、ステップS11で設定された埋設物BOの探査対象領域と、アンテナ部15の送受信特性とに基づいて、探査対象領域に存する埋設物BOをもれなく探査することを考慮して、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路(図3Aに示すP1〜P20参照)を決定する。
【0033】
ステップS13において、誘導案内部33は、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路と、現在位置情報取得部29で取得されたアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報とに基づいて、アンテナ部15を最初の送受信点P1(図3A参照)に誘導案内する。この誘導案内は、走行制御部35により実行に移される。すなわち、走行制御部35は、アンテナ部15を次の送受信点に導くように、駆動モータ19の回転駆動力および車輪WHの操舵角を制御する。これにより、アンテナ部15は、次の送受信点へと導かれる。
【0034】
ステップS14において、現在位置情報取得部29は、GPS45により測位された絶対座標系の現在位置に係る情報を取得する。こうして取得された絶対座標系の現在位置に係る情報は、送受信制御部25、誘導案内部33、または、埋設物深度情報記憶部37などにおいて参照される。
【0035】
次に、マイコンは、処理の流れを逐次回転制御処理に係るサブルーチン(Sub)プログラムへとジャンプさせる。逐次回転制御処理に係るサブルーチン(Sub)プログラムでは、図2Bに示すステップS21〜ステップS29の処理が順次実行される。
【0036】
ステップS21において、図2Bに示すように、逐次回転制御部23は、回転位置センサ21により検出された回転位置情報を参照して、駆動モータ19の回転位置が原点にあるか否かを調べる。この調査の結果、駆動モータ19の回転位置が原点にない場合、逐次回転制御部23は、駆動モータ19の回転位置を原点に戻すように、駆動モータ19の回転動作を制御する。これにより、駆動モータ19の回転位置は、原点へと導かれる。
【0037】
ステップS22〜ステップS29において、送受信制御部25は、アンテナ部15に対し、第1の単位角度θ1に従う回転移動、および、その回転位置における所定時間の静止状態の維持を、アンテナ部15が略一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせる。ステップS22〜ステップS29の処理の詳細は次のとおりである。
【0038】
ステップS22において、送受信制御部25は、振幅変調した複数種類の波動パターンを作成するとともに、こうして作成された複数種類の波動パターンを、振幅の小さいものから大きいものへと順番に、個々の波動パターン毎に時間間隔をおいて放射するように、アンテナ部15に対して動作指令を行う。この動作指令に従って、アンテナ部15の送信部15aは、振幅の小さいものから大きいものへと順番に、個々の波動パターン毎に時間間隔をおいて、それぞれの波動パターンを順次放射する。ステップS22の波動パターンの放射は、アンテナ部15が静止状態を維持している間に行われる。
【0039】
ステップS23において、送受信制御部25は、ひとつの波動パターンが放射される毎に、アンテナ部15に対し、その波動の反射波の受信に係る動作指令を行う。この動作指令に従って、アンテナ部15の受信部15bは、個々の波動パターン毎に所定の待機時間をおいて反射波の受信動作を行う。ステップS22の反射波の受信動作は、アンテナ部15が静止状態を維持している間に行われる。
【0040】
こうして受信された波動の反射波に係る情報は、埋設物探査部27へと送られる。埋設物探査部27は、アンテナ部15の受信部15bにより受信した波動の反射波に基づいて埋設物BOを探査する。ステップS23では、埋設物探査部27は、アンテナ部15の受信部15bにより波動の反射波を受信したか否かを調べる。
【0041】
ステップS23の調査の結果、波動の反射波を受信しない場合、埋設物探査部27は、次の波動の反射波の受信を待つ。一方、ステップS23の調査の結果、波動の反射波を受信した場合、埋設物探査装置11は、処理の流れを次のステップS24へと進ませる。
【0042】
ステップS24において、埋設物探査部27からの波動の反射波を受信した旨を受けて、反射波情報記憶部39は、アンテナ部15の回転移動量(この場合、アンテナ部16は初期位置である原点に位置づけられているため、その回転移動量は“0”である。)に対応する、波動の反射波の強度、並びに、波動の放射から波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶する。
【0043】
ステップS25〜S26において、埋設物探査部27は、反射波情報記憶部39の記憶内容を参照して、波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出すると共に、該抽出された波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた波動の往復時間に基づいて、埋設物BOの深度位置を演算により求める。
【0044】
ステップS27において、埋設物探査部27からの埋設物BOの深度位置に係る演算結果を受けて、埋設物深度情報記憶部37は、埋設物探査部27により探査された埋設物BOの深度位置に係る情報を、GPS45から取得したアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報に関連付けて記憶する。なお、最近では、DGPS(Differential GPS)と呼ばれる精度の高い測位システムが登場している。このような高精度の測位システムを用いる場合には、GPS45の設置位置とアンテナ部15の設置位置との間の相対的な位置づれが問題となる。そこで、GPS45とアンテナ部15を結ぶ差分ベクトルを求めて、この差分ベクトルを用いて両者間の位置づれを補正すればよい。
【0045】
ステップS27の処理について、図3Aに示した第6および第10の送受信点P6,P10を例にあげて説明する。この例において、第6および第10の送受信点P6,P10の直下には、同一の埋設物BOが延在している。この場合、ステップS27において、埋設物深度情報記憶部37は、第6の送受信点P6における探査により検出された埋設物BOの深度位置に係る情報を、GPS45から取得したアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報に関連付けて記憶する。また、第10の送受信点P10における探査により検出された埋設物BOの深度位置に係る情報を、GPS45から取得したアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報に関連付けて記憶する。
【0046】
ステップS28において、逐次回転制御部23は、第1の単位角度θ1(例えば30°などの適宜変更可能な角度値)に従う回転移動をアンテナ部15に行わせる動作指令を行う。これを受けて駆動モータ19は、アンテナ部15を第1の単位角度θ1だけ回転移動させる。
【0047】
ステップS29において、逐次回転制御部23は、回転位置センサ21により検出された駆動モータ19の回転位置情報を参照して、アンテナ部15が一回転したか否かを調べる。
【0048】
ステップS29の調査の結果、アンテナ部15がまだ一回転していない場合、逐次回転制御部23は、処理の流れをステップS22へと戻し、以下の処理を繰り返し実行させる。ここで、アンテナ部15がまだ一回転していない場合とは、第1の単位角度θ1(30度)に従う回転移動と所定時間の静止に係るセット動作に関し、まだ12回の繰り返しが済んでいない場合を意味する。
【0049】
一方、ステップS29の調査の結果、アンテナ部15が一回転した場合、逐次回転制御部23は、処理の流れをメインルーチンヘと戻し、ステップS15以下の処理を実行させる。ここで、アンテナ部15が一回転した場合とは、第1の単位角度θ1(30度)に従う回転移動と所定時間の静止に係るセット動作に関し、都合12回の繰り返しが済んでいる場合を意味する。
【0050】
ステップS15において、逐次回転制御部23からアンテナ部15が一回転した旨を受けて、誘導案内部33は、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路(図3AのP1〜P20参照)と、現在位置情報取得部29で取得されたアンテナ部15の絶対座標系の現在位置に係る情報とに基づいて、すべての巡回経路を回ったか否かを調べる。
【0051】
ステップS15の調査の結果、すべての巡回経路をまだ回っていない場合、誘導案内部33は、アンテナ部15を次の送受信点(この場合、第2の送受信点P2)へと誘導案内する。具体的には、例えば、走行制御部35のはたらきによって、第1の送受信点P1に位置していた埋設物探査装置11を第2の送受信点P2まで走行させる。ここで、すべての巡回経路をまだ回っていない場合とは、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路(図3AのP1〜P20参照)のうち、P1→P2→P3→・・・→P18→P19→P20の順序に従うそれぞれの送受信点での探査が未だ終了していない場合を意味する。
【0052】
さて、誘導案内部33は、アンテナ部15を次の送受信点へと誘導案内した後、処理の流れをステップS14へと戻し、以下の処理を繰り返し行わせる。一方、ステップS15の調査の結果、すべての巡回経路を回った場合(P1→P2→P3→・・・→P18→P19→P20の順序に従うそれぞれの送受信点での探査が終了した場合)、誘導案内部33は、一連の処理の流れを終了させる。
【0053】
〔本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11の作用効果〕
以上説明したように、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11では、巡回経路決定部31は、設定された探査対象領域と、アンテナ部15の送受信特性とに基づいて、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路を決定する。現在位置情報取得部29は、アンテナ部15の現在位置に係る情報を取得する。誘導案内部33は、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路と、現在位置情報取得部29で取得されたアンテナ部15の現在位置に係る情報とに基づいて、アンテナ部15を次の送受信点に誘導案内する。
【0054】
送受信制御部25は、誘導案内部33により誘導案内された次の送受信点にアンテナ部15を置いた状態で、波動の放射および放射された波動の反射波の受信をアンテナ部15に行わせる。埋設物探査部27は、受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する。
【0055】
本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11によれば、アンテナ部15の送受信点に係る巡回経路に従って、波動の放射および放射された波動の反射波の受信をアンテナ部15に行わせると共に、受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査するようにしたので、埋設物が錯綜した状態で複数混在する領域を探査対象として設定した場合であっても、これらの埋設物をもれなく適確に探査することができる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11では、指向性を有するアンテナ部15を、探査対象となる埋設物が埋められた媒質の表面に正対するように位置させると共に、媒質の表面に対して略直交する軸に支持させてこの軸周りに回転自在に設ける。逐次回転制御部23は、アンテナ部15に対し、第1の単位角度に従う回転移動および所定時間の静止状態の維持を、アンテナ部15が略一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせる。送受信制御部25は、アンテナ部15が静止状態を維持している間、波動の放射および放射された波動の反射波の受信をアンテナ部15に行わせる。
【0057】
本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11によれば、設定した対象領域内の巡回経路に従う埋設物BOの探査と、アンテナ部15の逐次回転制御に従う埋設物BOの探査とを組み合わせて適用したので、埋設物BOが錯綜した状態で複数混在する領域を探査対象として設定した場合であっても、これらの埋設物BOをもれなく適確に探査することができるのに加えて、埋設物BOがどの方向に延在しているのかを把握することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11では、反射波情報記憶部39は、アンテナ部15の回転移動量にそれぞれ対応する、波動の反射波の強度、並びに、波動の放射から波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶する。埋設物探査部27は、反射波情報記憶部39の記憶内容を参照して、波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出すると共に、該抽出された波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた往復時間に基づいて、埋設物BOの深度位置を探査する。
【0059】
本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11によれば、波動の反射波の強度、並びに、波動の放射から波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶した記憶内容を参照して、波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出すると共に、該抽出された波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた往復時間に基づいて、埋設物BOの深度位置を探査するようにしたので、雑音信号に対する反射信号のレベルを大きくする(S/N比の向上)ことができる。従って、埋設物BOの深度位置を高精度で求めると共に、埋設物BOがどの方向に延在しているのかを適確に把握することができる。
【0060】
また、本発明の実施形態に係る埋設物探査装置11によれば、埋設物深度情報記憶部37は、埋設物探査部27により探査された埋設物の深度位置に係る情報を、アンテナ部15の(汎用性の高い)絶対座標系の現在位置に係る情報に関連付けて記憶することとしたので、埋設物BOの二次元分布(xy軸座標系)および深度位置(z軸座標系)を含む有用性の高い情報を、異なる座標系を有するシステム間において共有することができる。
【0061】
[その他の実施形態]
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化例を示したものである。従って、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
【0062】
例えば、本実施形態に係る埋設物探査装置11において、振幅変調した複数種類の波動パターンを、個々の波動パターン毎に時間間隔をおいてアンテナ部15に放射させる例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、周波数変調した複数種類の波動パターンを、個々の波動パターン毎に時間間隔をおいてアンテナ部15に放射させるようにしてもよい。さらに、振幅変調および周波数変調を組み合わせた複数種類の波動パターンを、個々の波動パターン毎に時間間隔をおいてアンテナ部15に放射させるようにした例も、本発明の技術的範囲に包含される。
【0063】
また、本実施形態に係る埋設物探査装置11において、アンテナ部15として、送信部15aおよび受信部15bを組み合わせたものを例示して説明した。これについて、本発明のアンテナ部15としては、送信部15aおよび受信部15bが一体であるか別体であるかを問わない。要するに、本発明のアンテナ部15としては、波動の送受信機能を有していればよい。従って、受信用のアンテナ部と送信用のアンテナ部とを、相互に近接して併設することによって構成したアンテナ部も、本発明の技術的範囲の射程に入ることはいうまでもない。
【0064】
また、本実施形態に係る埋設物探査装置11において、送受信制御部25は、アンテナ部15に対し、第1の単位角度θ1に従う回転移動および所定時間の静止状態の維持を、アンテナ部15が一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせる例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。上述とは逆に、送受信制御部25は、アンテナ部15に対し、所定時間の静止状態の維持および第1の単位角度θ1に従う回転移動を、アンテナ部15が一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせるように構成してもよい。
【0065】
最後に、本実施形態に係る埋設物探査装置11において、誘導案内部33は、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路をすべて回っていない場合、アンテナ部15を次の送受信点へと順次誘導案内する例をあげて説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、巡回経路決定部31で決定されたアンテナ部15の送受信点に係る巡回経路をすべて回っていない場合であっても、ある埋設物BOの存在が検出された時点で、巡回経路を外れてこの埋設物BOの延出方向に追従するように動作する構成(図3Bの第6の送受信点P6から第9の送受信点P9へ至る追従動作を参照)を採用してもよい。
【0066】
なお、この追従動作は、最も反射強度の大きい場合のアンテナ部15の回転角度を参照して、この回転角度に対して90度を加算した角度方向を埋設物BOの延出方向とみなして、その追従動作を実行すればよい。本実施形態では、埋設物BOの延出方向に対して直角に交差した方向に沿ってアンテナ部15が延在している場合に、埋設物BOからの波動の反射強度が最も大きいからである。
【符号の説明】
【0067】
11 埋設物探査装置
15 アンテナ部
17 軸
23 逐次回転制御部
25 送受信制御部
27 埋設物探査部
29 現在位置情報取得部
31 巡回経路決定部
33 誘導案内部
35 走行制御部
37 埋設物深度情報記憶部
39 反射波情報記憶部
41 表示制御部
43 タッチパネル
45 GPS
BO 埋設物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波動を放射すると共に前記放射された波動の反射波を受信するアンテナ部を、埋設物が埋められた媒質の表面に正対するように位置させて設けた埋設物探査装置に用いられ、前記受信した波動の反射波に基づいて、予め設定された探査対象領域に存する埋設物を探査するための埋設物探査方法であって、
前記設定された探査対象領域と、前記アンテナ部の送受信特性とに基づいて、前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路を決定する工程と、
前記決定された前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路と、前記アンテナ部の現在位置に係る情報とに基づいて、前記アンテナ部を次の送受信点に誘導案内する工程と、
前記誘導案内された次の送受信点に前記アンテナ部を置いた状態で、前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を行う工程と、
前記受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する工程と、を有する
ことを特徴とする埋設物探査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の埋設物探査方法であって、
前記媒質の表面に対して略直交する軸に、指向性を有する前記アンテナ部を支持させた状態で、前記アンテナ部に対し、前記軸周りの単位角度に従う回転移動および所定時間の静止状態の維持を、前記アンテナ部が略一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせる逐次回転制御を実行する工程をさらに備え、
前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を行う工程は、前記アンテナ部が静止状態を維持している間に行われる、
ことを特徴とする埋設物探査方法。
【請求項3】
請求項2に記載の埋設物探査方法であって、
前記アンテナ部の回転移動量にそれぞれ対応する、前記波動の反射波の強度、並びに、前記波動の放射から前記波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶する工程と、
前記記憶された前記波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出する工程と、をさらに有し、
前記埋設物を探査する工程では、前記抽出された前記波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた前記往復時間に基づいて、前記埋設物の深度位置を探査する、
ことを特徴とする埋設物探査方法。
【請求項4】
請求項3に記載の埋設物探査方法であって、
前記探査された埋設物の深度位置に係る情報を、前記アンテナ部の現在位置に関連付けて記憶する工程をさらに有する、
ことを特徴とする埋設物探査方法。
【請求項5】
波動を放射すると共に前記放射された波動の反射波を受信するアンテナ部を備え、前記受信した波動の反射波に基づいて、予め設定された探査対象領域に存する埋設物を探査する埋設物探査装置であって、
前記設定された探査対象領域と、前記アンテナ部の送受信特性とに基づいて、前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路を決定する巡回経路決定部と、
前記アンテナ部の現在位置に係る情報を取得する現在位置情報取得部と、
前記巡回経路決定部で決定された前記アンテナ部の送受信点に係る巡回経路と、前記現在位置情報取得部で取得された前記アンテナ部の現在位置に係る情報とに基づいて、前記アンテナ部を次の送受信点に誘導案内する誘導案内部と、
前記誘導案内部により誘導案内された前記次の送受信点に前記アンテナ部を置いた状態で、前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を前記アンテナ部に行わせる送受信制御部と、
前記受信した波動の反射波に基づいて埋設物を探査する埋設物探査部と、を備える
ことを特徴とする埋設物探査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の埋設物探査装置であって、
指向性を有する前記アンテナ部を、探査対象となる埋設物が埋められた媒質の表面に正対するように位置させると共に、前記媒質の表面に対して略直交する軸に支持させてこの軸周りに回転自在に設け、
前記アンテナ部に対し、前記単位角度に従う回転移動および所定時間の静止状態の維持を、前記アンテナ部が略一回転するまで複数回交互に繰り返し行わせる逐次回転制御部をさらに備え、
前記送受信制御部は、前記アンテナ部が前記静止状態を維持している間、前記波動の放射および前記放射された波動の反射波の受信を前記アンテナ部に行わせる、
ことを特徴とする埋設物探査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の埋設物探査装置であって、
前記アンテナ部の回転移動量にそれぞれ対応する、前記波動の反射波の強度、並びに、前記波動の放射から前記波動の反射波の受信に至る往復時間を関連づけて記憶する反射波情報記憶部をさらに備え、
前記埋設物探査部は、前記反射波情報記憶部の記憶内容を参照して、前記波動の反射波の強度のうち最大のものを抽出すると共に、該抽出された前記波動の反射波の強度のうち最大のものに関連づけられた前記往復時間に基づいて、前記埋設物の深度位置を探査する、
ことを特徴とする埋設物探査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の埋設物探査装置であって、
前記埋設物探査部により探査された埋設物の深度位置に係る情報を、前記アンテナ部の現在位置に係る情報に関連付けて記憶する埋設物深度情報記憶部をさらに備える、
ことを特徴とする埋設物探査装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2012−215501(P2012−215501A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81825(P2011−81825)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】