説明

基材上に耐久性イメージを形成する方法

【課題】基材の部分的なイメージングにおいて、デジタル印刷を用いた耐久性イメージ形成を行えるようにする。
【解決手段】「印刷パターン」を形成するように基材14上に第1の層を設けるステップと、印刷パターンの領域の内側及び外側の双方において基材14に「配置されたデザイン」を提供する第2のステップとを有した、基材14へのイメージ形成方法。本方法においては、印刷パターン内において、配置されたデザインはデザイン層の少なくとも一部を形成する「耐久性イメージ材」に成され、印刷パターン外において、配置されたデザインは耐久性イメージ形成材に成されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数層による基材の部分的な印刷に関するものであり、耐久性イメージ形成材を受容性領域に適切に形成する一方、非受容性領域には耐久性イメージ形成材を形成しない少なくとも1つの層に対して、あるイメージング手法を用いて略正確な位置整合を行う印刷に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基材の表面領域において一部のみに印刷することは、視覚上又は他の機能上いくつかの利点を有する。例えば、1又はそれ以上の色彩によって基材を部分的に印刷し、さらされた状態で残された基材が示す部分によって所望のデザイン部分を形成することが、一般的である。
【0003】
白色は、その領域の一部に印刷されて他の部分に対して明らかにされる基材の最も一般的な色である。その理由は、第1に、白色に他の色が印刷され、特にそれら他の色が透明又は半透明のインクによって形成されていると、他の色を望ましく認識される色とすることが最も容易に達成できるからである。第2に、白色は、多くの他の色に対して良好なコントラストを形成し、グラフィックデザインを容易に認識できるようにするからである。第3に、白色は、多くのデザインにおいて重要な高い割合を占めるものだからである。第4に、材料の仕様ではなくベースカラーを標準化することで、白色基材の製造工程が経済的、効率的になるからである。第5に、白色は、4色印刷法における通常の地色となるからである。この4色印刷法は、一般に、4色(黒、藍(cyan)、紫紅(magenta)、黄)が白地にドットパターンで印刷され、各色彩ドットの大きさ及び/又は間隔が、写し取られた「色彩分類(colour separations)」に従って、或いは、ラスタイメージ処理(Raster Image Processing:RIP)を用いるデジタル印刷手法によって、変化する。
【0004】
最小距離を超えると、個々の色彩ドットが肉眼で分解できなくなり、印刷された製品の任意の位置において一体的に認識される色彩を与えるように、色彩ドットが融合する。
【0005】
一般に、従来の印刷方法は、位置整合(registration)が不正確であった。それは以下の原因による。即ち、
1)インクや他のマーキング材の供給における印刷機械の誤差又は「許容誤差(tolerance)」
2)基材上で液体状態にある液体インク又は他のマーキング材についての体積の不安定性 3)印刷「過程(passes)」における温度及び湿度の変化による基材の体積の不安定性
4)印刷位置への基材の移送における誤差又は「許容誤差(tolerance)」
多くの製品にとっては、位置整合ができないこと、即ち、基材の意図するところに正確にインクを印刷できないことは、それほど重要ではない。しかし、そのように正確な位置整合ができないことによって、かなりの悪影響を受ける製品もいくつか存在する。1つの例が、英国特許第2165292号公報に記載されているような一方向だけに、又はその他視覚をコントロールする製品であり、略正確な位置整合によって印刷する方法、及び、従来の印刷方法における位置整合の誤差の限界を克服する方法を備えるものである。一般に、そのような製品は、透明な基材において、透明部分の周囲もしくは中間をドット状又はライン状の細かい(細い)パターンによって、または透明部分を取り囲む格子状のパターンによって形成された印刷部分を備えている。
【0006】
そのような部分的に印刷された基材の断面は、一般に、連続した基材材料上に、印刷部分と非印刷部分が交互に形成されている。これらの印刷部分は、一般に、重ね合わされたマーキング材の層を備える。印刷部分の一部又は全部における複数の層は、境界線を一致させて略正確に位置整合されることが、通常好ましい。ある製品にとっては、少なくとも1つの層が、他の層に設けられる一方で他の層の領域全体にわたっては拡がらないようにして、それらにおいて全体的もしくは部分的なスペースを生じさせ、境界線を部分的に一致させることが好ましく又は不可欠である。そのように印刷された製品における印刷部分の断面積が小さく、そのような印刷部分において2以上の層を重ね合わせたいときには、従来の印刷方法における位置整合の誤差によって、視覚又はその他についての所望の基準を満たすことが著しく害される。印刷部分の断面積に対する重要な要素は、印刷過程における重ね合わせの誤差又は許容誤差である。
【0007】
従来の4色印刷法(時には、4色ハーフトーン印刷と呼ばれる)又はデジタル4色印刷法の場合、個々の色彩ドットの大きさは、背景となる基材領域に対して非常に小さなものとなり、その基材は、一般に白色で、紙、カード又はプラスチック材料からなる。異なる色彩についての個々のドットによる印刷において、位置整合が実質的にできないことは、通常は容認できる。1つの色彩についての個々のドットは、個々のドットとして認識されるのではなく、所望の全体印象を与えるように他の色彩ドットと融合するからである。一般に、種々の色彩ドットの間で位置整合が正確にできないことは、デザインにおいて、地色に対するしるしの縁部のようなデザイン境界線分の鮮明さが失われて認識されるだけである。観察者は、何が印刷されているかを見る。縁部の明瞭さに対する望ましい程度が、観察されたものと異なる場合に、或いは、色彩の境界において「暈(halos)」のような色彩が見られるように位置整合が正確でない場合に初めて、重ね合わせの不正確さが認識できる。
【0008】
しかし、白色ドットのように、バックグラウンドカラーの比較的細かいパターンを印刷し、これらのドットの一部又は全部において、一様な色相、強さ及び色調を有するように1又はそれ以上からなる単一の色彩を重ね合わせるか、或いは、4色をそれによって色彩が生じるように重ね合わせるとすれば、印刷過程における位置整合の不正確さが、機能上の出来映えに対して、意図したものと比べて重大な悪影響を及ぼす。例えば、イメージ又はデザインにおいて認識できる色彩が、記録されない層との視覚的な相互作用によって、基材領域の全体において所望の色彩から変化することになる。1mm四方の白色ドットのパターンが1mm四方の他の色のドットを覆うように意図されたが、添付図面の図1に示すように、平面上における2つの直交方向に0.2mmの重ね合わせの誤差が生じたとすると、所望の領域の36%が白く見え、対応する効果として、1.36mm2の印刷領域全体において0.36mm2の白色部が存在することになる。基材が黒であり、異なる色彩が透明インクによって形成されているとすると、異なる色彩は黒色の基材に対してほとんど見えなくなり、0.36mm2の白色部は0.64mm2の他の色彩と融合して、この領域は結果的に「白くなって(whitened)」見える。望ましく認識される色からのそのような変更は、重ね合わせの誤差が異なるパターンを構成する他のそれぞれの正方形に対し、及び、特に異なる色彩が白色をほとんど覆う任意の正方形に対し、最も顕著なものとなる。異なる色彩が、パネル領域の全体にわたって一様に見えるように意図されているとすると、その代わりに陰が付いたように見え、異なる色調が生じる。
【0009】
基材が透明であるとすれば、一般には、重ね合わせの不正確さが基材の反対側からも認識でき、白色の正方形の他に上述の例における異なる色の重なりが見えることになるが、通常これは望ましくないことである。
【0010】
個々のインク層の不透明さ(opacity)が不足することによって、認識を望まない色が生じるという別の問題が生じる。上述した例においては、透明な基材に白色及び異なる色が印刷され、基材の反対側から白色が観察されるとすると、前記の異なる色によってこれが変化し、基材後方が照明されていることによって悪化する。
【0011】
パネルの印刷された側からは、白色領域を覆う異なる色は、白くなるか、又は、異なる色がより明るい色調となって認識される。印刷においては、1よりも多い色彩層によるそのような不透明さの不足の問題を解決し、望ましい又は必要な程度の不透明さを得ることが、一般的である。しかし、印刷された印刷部分の断面積に対して位置整合の誤差が相対的に大きいと、位置整合の不正確さによって、縁部の鮮明さが不十分になるとともに、更に、所望の形状の縁部が位置整合の不正確さを通じて重なり合い、別の色彩として認識される領域が生じることになる。
【0012】
基材へのマーキング材の層の接着箇所に差異を生じさせて略正確な位置整合を行う印刷方法が、英国特許第2118096('096)号公報、第2165292('292)号公報、第2188873('873)号公報に記載されている。1の材料による第1の層は、印刷パターン('292号公報においては、シルエットパターンと呼ばれている)を画定する。この第1の層は、印刷パターン又は印刷パターンのステンシルを形成する。異なる材料からなる第2の層は、一般に印刷用インクであり、印刷パターンの境界を越えて印刷パターンを覆うように形成される。この第2の層は、印刷パターンには接着するが、印刷パターンの外側の基材には接着しない。第2の及び更にその他の層は、一般に印字用インクからなり、硬化した後に印刷パターンの外側が、例えば自己粘着テープを用いて除去し又は高圧の水をかけることによって、取り除かれる。不要なインクを除去することができるようにインク層を硬化させること、及び、そのようなインクの除去方法は、困難で、コストが高く、時間がかかる。
【0013】
先行技術としては、更に、カワイによる「硬質基材の外側表面に金属ホイルを熱転写する方法」なる名称の特開昭53-33723号公報がある。この明細書には、印刷デザインの媒体から基材に転写された高温のホイルスタンプ及び高温ローラについての先行技術の概要が示されている。カワイは、金属又は合成樹脂の連続したホイルを熱可塑性の合成樹脂インク、塗料又は接着剤に熱転写する方法を開示しており、それらは、プレート状のもの、或いは、ガラス、セラミック、金属、大理石、硬化した合成樹脂等のような成形された硬質基材の外側表面にまず接着されて、表面上で硬化される。カワイのこの方法は、基材に接着される第1の層を部分的に形成することができない。
【0014】
先行技術に示す方法によって、'292号公報の発明に従って製品を製造するときの他の問題は、ドット又はラインの「シルエットパターン」に重ね合わされた独立の4色を使用することによって、モアレ縞のパターンが生じるということである。
【特許文献1】イギリス国特許第2118096号明細書
【特許文献2】イギリス国特許第2165292号明細書
【特許文献3】イギリス国特許第2188873号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、基材の部分的なイメージングにおける上述した先行技術の全ての問題点を解決するか、少なくとも最小化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、基材にイメージを形成する方法であって、印刷パターンを形成するために前記基材に第1の層を形成し、前記印刷パターンの領域の内側及び外側の双方で、配置されたデザインを前記基材に施し、前記印刷パターン内において、前記配置されたデザインが、少なくとも1つのデザイン付きカラー層を形成する耐久性イメージ形成材とされ、前記印刷パターン外において、前記配置されたデザインは、耐久性イメージ形成材を形成しないことを特徴とする。
【0017】
本発明は、さらに以下の方法を提供するものである。
1.基材にイメージを付与する方法であって、印刷パターンを形成する第1の層を設け、該印刷パターンの領域の内側及び外側の双方で前記基材に、配置されたデザインを施すステップを備えており、前記印刷パターン内において、前記配置されたデザイン部分が、少なくとも1つのデザインカラー層を備えたデザイン層を形成する耐久性イメージ形成材とされ、前記印刷パターン外において、前記配置されたデザインは耐久性イメージ形成材とはされず、前記少なくとも1つのデザインカラー層はデジタル印刷法で形成され、前記印刷パターンの領域全体には延びていないことを特徴とする方法。
2.前記印刷パターンの第1の層は、前記配置されたデザインに対して受容性であり、前記基材は前記配置されたデザインに対して受容性でないことを特徴とする上記1に記載の方法。
3.非耐久性イメージ形成材が、前記印刷パターンの外側において前記基材上に置かれることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.前記非耐久性イメージ材が、14kg/cm2(200ポンド/平方インチ)の圧力、10リットル/分の流速の水によって洗い流され実質的に除去され得るものであることを特徴とする上記3に記載の方法。
5.前記非耐久性イメージ形成材が、エアジェットにより実質上除去され得るものであることを特徴とする上記3に記載の方法。
6.前記非耐久性イメージ形成材が、乾いた布による拭き取りにより実質上除去され得るものであることを特徴とする上記3に記載の方法。
7.前記非耐久性イメージ形成材が、除去可能なものであることを特徴とする上記3に記載の方法。
8.前記非耐久性イメージ材が、水によって洗い流され実質的に除去され得るものであることを特徴とする上記7に記載の方法。
9.前記非耐久性イメージ形成材が、エアジェットにより実質的に除去され得るものであることを特徴とする上記7に記載の方法。
10.前記非耐久性イメージ形成材が、乾いた布による拭き取りにより実質的に除去され得るものであることを特徴とする上記7に記載の方法。
11.前記印刷パターンの外側において、前記基材上にイメージ形成材が置かれないことを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
12.前記第1の層が印刷されることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
13.前記第1の層が、印刷されたラインを備えることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
14.前記第1の層がスクリーン印刷されることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
15.前記第1の層が、カットされたフィルムを備えることを特徴とする上記1から11のいずれかに記載の方法。
16.前記第1の層が、フィルムの支持面形成材(facestock)及び感圧接着層を有するカットされた自己接着性フィルムを備えていることを特徴とする上記15に記載の方法。
17.前記カットされたフィルムが、ブラスチック材料を備えていることを特徴とする上記15に記載の方法。
18.前記フィルムが、紙を備えていることを特徴とする上記15に記載の方法。
19.前記フィルムが、金属フォイルを備えていることを特徴とする上記15に記載の方法。
20.前記フィルムが、表面をコーティングされていることを特徴とする上記15に記載の方法。
21.前記印刷パターンが、白色の層を備えていることを特徴とする上記のいずれかに記載の方法。
22.前記白色の層が、不透明であることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
23.前記白色の層が、半透明であることを特徴とする上記1から21のいずれかに記載の方法。
24.前記印刷パターンが、黒色の層を備えており、前記基材上の任意の点を通って、2つの外側エッジを有する断面をとることができ、前記印刷パターンが印刷部分と非印刷部分とを交互に有し、印刷された各部分が2つの外側エッジを備えており、前記断面において、印刷された各部分が前記黒色層の一部及び前記白色層の一部を含み、前記黒色層の一部の2つの外側エッジ及び前記白色層の一部の2つの外側エッジを含むように、形成され配置されており、前記黒色層の一部の2つの外側エッジが前記白色層の一部の前記2つの外側エッジと境界を接していることを特徴とする上記21に記載の方法。
25.前記印刷パターンが黒色の層を備えており、前記基材上の任意の点を通って、2つの外側エッジを有する断面をとることができ、前記印刷パターンが印刷部分と非印刷部分とを交互に有し、印刷された各部分が2つの外側エッジを備えており、前記断面において、印刷された各部分が前記黒色層の一部及び前記白色層の一部を含み、前記黒色層の一部の2つの外側エッジ及び前記白色層の一部の2つの外側エッジを含むように、形成され配置されており、前記白色層の一部の2つの外側エッジが、前記黒色層の一部の前記2つの外側エッジと境界を接していることを特徴とする上記21に記載の方法。
26.前記第1の層が黒色であることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
27.前記印刷パターンを形成している前記第1の層と、前記印刷パターンの外側における前記基材とを覆うように白色バックグラウンドカラー層が設けられ、該白色バックグラウンドカラー層は、前記第1の層に接着し、前記印刷パターンの外側における前記基材に接着しないことを特徴とする上記26に記載の方法。
28.前記白色バックグラウンドカラー層が、熱転写された顔料含有樹脂であることを特徴とする上記27に記載の方法。
29.前記第1の層が透明であることを特徴とする前述の全ての上記1から25のいずれかに記載の方法。
30.前記基材が淡色の透明基材であり、前記第1の層が白色であることを特徴とする上記1から23のいずれかに記載の方法。
31.前記印刷パターンが周囲の基材より上に高くなっていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
32.少なくとも1つの前記デザインカラー層が、透明又は半透明であることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
33.前記カットされたフィルムが、フィルムストライプの印刷パターンを形成するようにライン状にカットされていることを特徴とする上記15又は16に記載の方法。
34.前記ラインが、デジタル印刷法の適用されるウェブの長手方向に平行に延びていることを特徴とする上記33に記載の方法。
35.前記ラインが、カーブしていることを特徴とする上記33に記載の方法。
36.前記基材がポリエステルを備えていることを特徴とする上記15,16,33又は34に記載の方法。
37.前記基材が、未加工のポリエステルを備えていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
38.前記基材が、剥離性コーティングを備えていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
39.前記基材が、シリコンを被覆したポリエステルを備えていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
40.前記基材がフッ素系化学材料を被覆したポリエステルを備えていることを特徴とする上記38に記載の方法。
41.前記基材がポリフッ化ビニルを備えていることを特徴とする上記1から35のいずれかに記載の方法。
42.前記基材が前記感圧接着層に接着された剥離性ライナーを備え、該剥離性ライナーは、前記カットされた自己接着性フィルムから除去され、ベース材料に付着されることを特徴とする上記16に記載の方法。
43.前記ベース材料が、窓を備えていることを特徴とする上記42に記載の方法。
44.自己接着性テープが、前記カットされた自己接着性フィルムにおける前記剥離性ライナーから遠い側に付着されていることを特徴とする上記16に記載の方法。
45.前記自己接着性テープが、前記カットされた自己接着性フィルムを前記ベース材料に付着した後に、除去されることを特徴とする上記44に記載の方法。
46.前記自己接着性テープが、前記ベース材料に付着されたカットされた自己接着性フィルムを覆う保護ラミネートを形成していることを特徴とする上記44に記載の方法。
47.前記保護ラミネートは、前記カットされた自己接着性フィルムの前記ベース材料への接着性より強い接着性を、前記デザイン層に対して持っていることを特徴とする上記46に記載の方法。
48.前記フィルムストライプが、フィルム製支持面形成材、該フィルム製支持面形成材に設けられた感圧接着剤層、及び該感圧性接着剤層における前記フィルム製支持面形成材から遠い側に付着された剥離性ライナーを備えた自己接着性材料のロールから形成され、前記フィルム製支持面形成材及び感圧接着剤層を、前記自己接着性材料のロールの長手方向に沿ってストライプのパターンにスリット状に切断し、ストライプを交互に除去し他のロール材料上に再配置することを特徴とする上記33に記載の方法。
49.前記他のロール材料が、印刷に対し非受容性を持つことを特徴とする上記48に記載の方法。
50.前記他のロール材料が、他の剥離性ライナーであることを特徴とする上記48に記載の方法。
51.前記他のロール材料が、印刷に対し非受容性をもつ支持面形成材を備えた他の自己接着性アッセンブリであることを特徴とする上記48に記載の方法。
52.前記スリット状切断の前に、少なくとも1つの前記デザインカラー層の形成に先立ってバックグラウンドカラー層又はデザイン層が印刷されることを特徴とする上記48に記載の方法。
53.前記フィルム製支持面形成材が、白色フィルム及び黒色フィルムの積層体を備えていることを特徴とする上記33に記載の方法。
54.前記デザイン層が前記フィルムストライプに設けられ、接着剤が前記デザイン層に設けられ、前記フィルムストライプが前記接着剤により窓に接着されることを特徴とする上記33,42,48から53のいずれかに記載の方法。
55.前記フィルム製支持面形成材が、ポリ塩化ビニル及び/又はポリエステル材料の積層体を備えていることを特徴とする上記16,33から54のいずれかに記載の方法。
56.前記フィルム製支持面形成材が、透明フィルムを備え、前記デザイン層が前記透明フィルム上に逆向き印刷をされていることを特徴とする上記16,33から54のいずれかに記載の方法。
57.前記カットされたフィルムが、溶解性インク(solvent ink)により前記基材に接着されていることを特徴とする上記15,33から41のいずれかに記載の方法。
58.前記カットされたフィルムが、熱ラミネートにより前記基材に接着されていることを特徴とする上記15,33から41のいずれかに記載の方法。
59.前記第1の層が、接着剤を備えていることを特徴とする上記16,42から56のいずれかに記載の方法。
60.前記接着剤が、感圧性接着剤であることを特徴とする上記59に記載の方法。
61.前記接着剤が、白色であることを特徴とする上記59に記載の方法。
62.前記第1の層が前記基材の一方の側に設けられ、接着剤が前記基材の他方の側の一部において、前記第1の層とほぼ位置を整合させて設けられていることを特徴とする上記1から15,17から40,59から60のいずれかに記載の方法。
63.前記第1の層が、印刷された白色のストライプを備えており、前記接着剤が黒色の感圧性接着剤のストライプを備えていることを特徴とする上記62に記載の方法。
64.前記基材が、前記印刷パターン内にスリットを備えていることを特徴とする上記16、42から58のいずれかに記載の方法。
65.前記デザイン層が、白色層及び黒色層により覆われるように印刷されていることを特徴とする上記1に記載の方法。
66.前記白色層及び黒色層が、スクリーン印刷されていることを特徴とする上記65に記載の方法。
67.前記白色層及び黒色層が、熱転写された顔料含有樹脂を備えていることを特徴とする上記65に記載の方法。
68.前記白色層及び黒色層が、共に同じ熱転写箔上に設けられていることを特徴とする上記67に記載の方法。
69.前記樹脂層が、熱転写により単一の担持体から転写された顔料含有樹脂の複数の層により覆われるように印刷されていることを特徴とする上記1に記載の方法。
70.前記印刷パターンが、異形パターン(stochasticpattern)であることを特徴とする上記1に記載の方法。
71.前記第1の層が、デジタル印刷法で形成されていることを特徴とする上記1に記載の方法。
72.少なくとも1つの前記デザインカラー層が、実質的に均一な色相、強さ及び色調であることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
73.前記デザイン層が、デジタル印刷法で形成されていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
74.前記デジタル印刷法が、ラスターイメージ処理法(Raster Image Processing)を利用するものであることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
75.移行された前記デザインが、デジタル的に移行された複数の微小エレメントを備えていることを特徴とする前述の全ての上記のいずれかに記載の方法。
76.前記微小エレメントが、個々に独立して移行可能であることを特徴とする上記75に記載の方法。
77.前記微小エレメントの各々が、エネルギーインパルスにより移行させられることを特徴とする上記75又は76に記載の方法。
78.前記エネルギーインパルスが、静電電荷を含んでいることを特徴とする上記77に記載の方法。
79.前記エネルギーインパルスが、熱を含んでいることを特徴とする上記77に記載の方法。
80.前記エネルギーインパルスが、光を含んでいることを特徴とする上記77に記載の方法。
81.前記微小エレメントが、個々に独立して前記基材に移行されることを特徴とする上記75から80のいずれかに記載の方法。
82.前記微小エレメントが、個々に独立して転写用担持体に移行されることを特徴とする上記75から80のいずれかに記載の方法。
83.前記微小エレメントが、個々に独立して転写用ドラムに移行されることを特徴とする上記75から80のいずれかに記載の方法。
84.多色プロセスにおける全てのデザインカラー層が、個々に独立して移行可能な微小エレメントを備え、該微小エレメントは、前記基材の1度の通過(one pass)の内にデジタル印刷法により付与されることを特徴とする上記81に記載の方法。
85.前記デジタル印刷法が、熱転写法であることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
86.前記熱転写法が、一括熱転写法(thermal mass transfer method)であることを特徴とする上記85に記載の方法。
87.前記熱転写法が、染料昇華型熱転写法(thermal dye sublimation transfer method)であることを特徴とする上記85に記載の方法。
88.前記ポリエステル製担持体及びイメージ形成材料層が、ヒートプレスを備えた転写ヘッドを通過させられ、前記ヒートプレスは、前記イメージ形成材料を溶融し前記基材に結合させることを特徴とする上記85又は86に記載の方法。
89.前記イメージ形成材料が、顔料樹脂であることを特徴とする上記88に記載の方法。
90.前記イメージ形成材料が、染料樹脂であることを特徴とする上記86に記載の方法。
91.前記イメージ形成材料が、ワックスを備えていることを特徴とする上記86に記載の方法。
92.前記第1の層が、pvcを有するインクを備えていることを特徴とする上記85から91のいずれかに記載の方法。
93.前記第1の層が、アクリル及びpvcを有するインクを備えていることを特徴とする上記85から91のいずれかに記載の方法。
94.前記インクが、比較的低いグロス転移温度(Tg)を有しており、通常のpvcインクより熱可塑性が高いことを特徴とする上記93に記載の方法。
95.前記インクが、比較的滑らかなマクロ表面テクノロジー(macro surface technology)を有した光沢インク(gloss ink)であることを特徴とする上記92から94のいずれかに記載の方法。
96.前記第1の層が、カットされたフィルムを備えていることを特徴とする上記85から91のいずれかに記載の方法。
97.前記第1の層が、カットされた自己接着性ポリ塩化ビニルフィルムを備えていることを特徴とする上記85から91、96のいずれかに記載の方法。
98.前記印刷パターンが、ストライプを備えていることを特徴とする上記85又は97に記載の方法。
99.前記基材が、ポリエステル材料を備えていることを特徴とする上記85から98のいずれかに記載の方法。
100.前記ポリエステル材料が、シリコン被覆されていることを特徴とする上記99に記載の方法。
101.前記デジタル印刷法が、静電転写法であることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
102.前記配置されたデザインが、担持フィルムを備えた転写媒体上に予め印刷され、前記基材と共に前記予め印刷された転写媒体をローラに通過させ、前記配置されたデザインが、前記デザイン層を形成するように、前記担持フィルムから前記印刷パターンへ転写されることを特徴とする上記101に記載の方法。
103.前記基材と共に前記予め印刷された転写媒体をローラに通過させる工程が、加熱と加圧との下に行なわれることを特徴とする上記102に記載の方法。
104.前記配置されたデザインは、前記印刷パターンの外側において前記基材に転写されないことを特徴とする上記102に記載の方法。
105.前記配置されたデザインが、前記印刷パターンの外側において前記基材に転写されることを特徴とする上記102に記載の方法。
106.前記印刷パターンの外側において前記基材に転写された前記配置されたデザインが、除去されることを特徴とする上記105に記載の方法。
107.前記印刷パターンの外側において前記基材に転写された前記配置されたデザインが、低圧の圧力水による洗浄で除去されることを特徴とする上記106に記載の方法。
108.前記印刷パターンの外側において前記基材に転写された前記配置されたデザインが、拭き取りにより除去されることを特徴とする上記106に記載の方法。
109.前記基材が、ポリエステルフィルムを備えていることを特徴とする上記101から108のいずれかに記載の方法。
110.前記印刷パターンの第1の層が、pvcインクを備えていることを特徴とする上記101から109のいずれかに記載の方法。
111.前記印刷パターンの第1の層が、比較的低いガラス転移温度を付与するpvc含有のアクリルインクを備えていることを特徴とする上記101から109のいずれかに記載の方法。
112.前記印刷パターンが、周囲の基材より上へ高くされ、前記印刷パターンに加えられる前記ローラの実効的な圧力が、前記基材に加えられる実効的な圧力より低いことを特徴とする上記101から111のいずれかに記載の方法。
113.少なくとも1つのデザインカラー層が、インクを備えていることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
114.前記インクが、インクジェットにより付与されるインクジェット用インクを備えていることを特徴とする上記113に記載の方法。
115.前記基材が、インク弾く性質を有することを特徴とする上記113又は114に記載の方法。
116.前記基材が疎水性であることを特徴とする上記113から115のいずれかに記載の方法。
117.前記インクが水ベースのものであることを特徴とする上記113から116のいずれかに記載の方法。
118.前記第1の層が親水性であることを特徴とする上記113から117のいずれかに記載の方法。
119.前記印刷パターンが、白色層と黒色層とを備え、前記白色層及び黒色層が親水性であることを特徴とする上記113から118のいずれかに記載の方法。
120.前記インクが、前記印刷パターン外において前記基材に接着しないことを特徴とする上記113から119のいずれかに記載の方法。
121.少なくとも幾つかの前記インクが、前記黒色層に吸収されることを特徴とする上記119に記載の方法。
122.少なくとも幾つかの前記インクが、前記基材から除去されることを特徴とする上記113から121のいずれかに記載の方法。
123.少なくとも幾つかの前記インクジェットインクが、洗浄ローラにより前記基材から除去されることを特徴とする上記113から122のいずれかに記載の方法。
124.少なくとも幾つかの前記インクジェットインクが、エアナイフにより前記基材から除去されることを特徴とする上記113から122のいずれかに記載の方法。
125.少なくとも幾つかの前記インクジェットインクが、拭き取りにより前記基材から除去されることを特徴とする上記113から122のいずれかに記載の方法。
126.少なくとも幾つかの前記インクジェットインクが、洗浄により前記基材から除去されることを特徴とする上記113から122のいずれかに記載の方法。
127.前記基材及び前記インクがエネルギ源の適用により硬化させられることを特徴とする上記113から126に記載の方法。
128.前記エネルギ源が、加熱された空気乾燥トンネルであることを特徴とする上記127に記載の方法。
129.前記エネルギ源が、マイクロ波を有していることを特徴とする上記127に記載の方法。
130.前記第1の層が第1の触媒要素を含み、前記インクが第2の触媒要素を含み、前記インク及び前記第1の層が触媒反応を行なうことを特徴とする上記113から129のいずれかに記載の方法。
131.前記触媒反応が、イメージ形成後処理(post-imaging process)により開始されることを特徴とする上記130に記載の方法。
132.前記イメージ形成後処理が、水洗浄を含むことを特徴とする上記131に記載の方法。
133.前記インクが、前記第1の層に接着し前記印刷パターンの外側の基材に接着しない溶剤ベースのインクであることを特徴とする上記113から129のいずれかに記載の方法。
134.前記デジタル印刷法が、連続的インクジェットシステムを有していることを特徴とする上記113から133のいずれかに記載の方法。
135.前記デジタル印刷法が、ドロップオンデマンドインクジェットシステムを有していることを特徴とする上記113から133のいずれかに記載の方法。
136.前記デジタル印刷法が、加熱式ドロップオンデマンドインクジェットシステムを有していることを特徴とする上記135に記載の方法。
137.前記デジタル印刷法が、ピエゾ式ドロップオンデマンドインクジェットシステムを有していることを特徴とする上記135に記載の方法。
138.前記デジタル印刷法が、相変換式ドロップオンデマンドインクジェットシステムを有していることを特徴とする上記135に記載の方法。
139.前記デジタル印刷法が、加熱ローラ式ドロップオンデマンドインクジェットシステムを有していることを特徴とする上記135に記載の方法。
140.前記印刷パターンが、静電気の帯電可能層と誘電電荷捕捉層とを備えていることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
141.前記基材が静電気の帯電可能層を備え、前記印刷パターンが誘電電荷捕捉層(dielectric charge captive layer)を備えていることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
142.前記配置されたデザインが、前記静電気帯電可能層を帯電させる静電気による潜在的イメージを備え、トナーは前記印刷パターンに引き寄せられ該印刷パターン外の基材には引き寄せられないことを特徴とする上記140又は141に記載の方法。
143.前記トナーが液状トナーを備えていることを特徴とする上記140から142のいずれかに記載の方法。
144.前記トナーが熱溶融可能であることを特徴とする上記143に記載の方法。
145.前記液状トナーが空気により乾燥させられることを特徴とする上記143に記載の方法。
146.前記トナーが粉体を備えていることを特徴とする上記140から142のいずれかに記載の方法。
147.前記トナーが熱及び/又は圧力により溶融されることを特徴とする上記146に記載の方法。
148.前記基材がpvcフィルムを備えていることを特徴とする上記140から147のいずれかに記載の方法。
149.前記印刷パターンが、前記静電気帯電可能層と誘電電荷捕捉層とを備えたカットされたフィルムを備えている特徴とする上記148に記載の方法。
150.前記第1の層が、気体状態の染料を吸収して少なくとも1つの前記デザインカラー層を形成する蒸発染料受容材料を備えていることを特徴とする上記1から84、87のいずれかに記載の方法。
151.前記印刷パターンが加熱によるイメージ形成層を備え、該層はイメージ形成ヘッドからの熱エネルギの下で変色することを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
152.前記変色が、白色から黒色へ行なわれることを特徴とする上記151に記載の方法。
153.前記変色が、白色からデザイン層に記録された全カラーへ行なわれることを特徴とする上記151に記載の方法。
154.前記印刷パターンが、直接熱印刷されカットされた材料を前記基材に接着した状態で備えていることを特徴とする上記151から153のいずれかに記載の方法。
155.前記印刷パターンが、前記配置されたデザインに露光された写真式イメージ形成層を備えていることを特徴とする上記1から84のいずれかに記載の方法。
156.前記写真式イメージ形成層が前記写真用エマルジョンを備えていることを特徴とする上記155に記載の方法。
157.前記写真式イメージ形成層が前記写真用引き伸ばし機(photographic enlarger)で感光させられることを特徴とする上記155又は156に記載の方法。
158.前記写真式イメージ形成層がデジタルレーザレコーダで感光させられることを特徴とする上記155又は156に記載の方法。
159.前記写真式イメージ形成層が、写真イメージを前記印刷パターン上に形成し該印刷パターン外の前記基材上には形成しないように前記感光を行なった後に一般的処理を施されることを特徴とする上記155から158のいずれかに記載の方法。
160.前記写真式イメージ形成層が、カプセル化された現像剤の一部(developer moier)を有していることを特徴とする上記155から158のいずれかに記載の方法。
161.前記カプセル化された現像剤の一部に圧力が掛けられることを特徴とする上記160に記載の方法。
162.感光紙が切断されて前記印刷パターンが形成されることを特徴とする上記155から161のいずれかに記載の方法。
163.写真材料で被覆されたフィルムが切断されて前記印刷パターンが形成されることを特徴とする上記155から161のいずれかに記載の方法。
【0018】
本発明は、先行技術を越える幾つかの利点を有する。即ち、硬化したインクの不要な層を除去する必要が無くなると同時に略正確な位置整合が得られ、従来の及びデジタルによるいくつかの印刷方法によって、「印刷パターン」に断続的な「デザイン層」を重ね合わせることができ、その他、'292号公報の発明において典型的な「シルエットパターン」の印刷時にまれに生じるモアレ縞パターンの問題を防止する。後述するそれぞれの方法は、先行技術に対してより明確な利点を有する。
【0019】
「基材」は、均質材もしくは多層材の単一シート、又は、例えば形成された印刷用インク層の全体を組み合わせたアッセンブリであって良い。基材には、印刷の正確な位置整合を補うため、或いは、印刷用やその他の機械を通じて基材を供給するために使用される孔以外には、孔は実質上形成されない。
【0020】
本発明の全ての形態において、基材の一部のみに、「印刷パターン」と呼ばれるイメージが形成される。「印刷パターン」は、複数の断続的な部材、及び/又は、断続的な複数の隙間を囲んで相互に連結するパターンを備えたものであって良い。印刷パターンの例としては、ドットもしくはラインのパターン、又は、格子、ネットや線条細工のパターンがある。
【0021】
全ての実施形態においては、2つの外側エッジを有する基材と、1又はそれ以上の印刷部分及び1又はそれ以上の非印刷部分が交互に設けられた印刷パターンとを備え、各印刷部分が2つの外側エッジを備えるように、本発明のパネルの断面を形成することが可能である。少なくとも1つの、通常は全ての印刷部分が、例えば印刷用インクのような1の材料からなる「バックグラウンドカラー層」を備え、この層は印刷部分の全体に拡がる一方、印刷部分の外側には拡がらない。
【0022】
バックグラウンドカラー層は、基材に形成されて「印刷パターン」を形成し、画定する第1の層として良い。印刷部分の少なくとも1つが、イメージ形成材からなる「デザインカラー層」を備えており、この層は、2つの外側境界線を備え、通常は、このデザインカラー層の2つの外側境界線における各印刷部分の「バックグラウンドカラー層」の上方または下方に設けられる。「デザイン」は、通常、バックグラウンドカラー層の前方に重ね合わされて見える1又はそれ以上の「デザイン層」により可視化されたイメージである。
【0023】
「デザイン層」の用語は、「配置されたデザイン」の少なくとも一部として形成された材の層、或いは、印刷パターンにおける「配置されたデザイン」の領域において、例えば、配置されたデザインを表示する手段として熱、光又は静電気を利用することにより、状態が変化した材の層を意味する。デザイン層は、少なくとも1つのデザインカラー層を備え、インクによる単一のデザインカラー層のような一の材料からなる単一の層、或いは、多色印刷層とすることができ、ここにおいて、通常は、黒、藍、紫紅及び黄からなる個々のデザインカラー層の配置が、デザイン層、及びデザイン層の印刷部分において一般に不連続となっている。
【0024】
特定の断面において、デザイン層は2つの外側境界線を備え、この2つの外側境界線の内側において、各印刷部分は、デザイン層の一部となる2つの外側エッジが構成されており、そのデザイン層の一部は、その印刷部分の2つの外側エッジの内側に位置する。これは、デザイン層の一部である2つの外側エッジが、印刷部分における2つの外側エッジの内側において距離をおくか、又は、デザイン層の一部である1つの外側エッジが、印刷部分の1つの外側エッジと境界線を一致させるか、又は、デザイン層及び印刷部分の双方の一部となる2つの外側エッジが、境界線を一致させることができる可能性を有する。
【0025】
印刷された基材の特定の断面において、基材の少なくとも一の非印刷部分によって分離された、印刷パターンの少なくとも2つの印刷部分に、少なくとも1つのデザイン層が形成されなければならない。デザイン層は、印刷パターンの全体に拡げることが可能であり、通常は、多数色を施したデザインの場合に、そのようにされる。
【0026】
「デザインカラー層」は、デザイン層において、一色の、略一様な色相、強さ及び色調の材からなる。「デザインカラー層」の用語は、黒、藍、紫紅及び黄のような多色刷りにおける個々の色を含むものである。少なくとも1のデザインカラー層は、印刷パターンの全体には拡がらない。
【0027】
「耐久性イメージ形成材」は、耐久性を有し、化学的な作用によって十分に固定され、固体の状態において、基材に対する幾何学的な関係が固定されたイメージ形成材を意味する。疑義を生じないために、「シルエットパターン」にあるインクからそれを取り除くためのインクを割るメカニズムが要求される英国特許第2165292号公報の先行技術の方法において、シルエットパターンの外側にある硬化したインク層は、耐久性イメージ形成材である。硬化したインクを除去するためのインクを割るメカニズムが要求される先行技術の方法には、10l/minよりも小さくなく通常は15l/mlnの流量で、1500lb/in2(105kg/cm2)より小さくなく通常は2000lb/in2(140kg/cm2)を越える必要な圧力で、高圧の水を噴射することが含まれる。
【0028】
ここに記載された正確な位置整合を行う改良された方法は、印刷パターンの外側にいかなるイメージも残すことはなく、仮に印刷パターンの外側の基材にマーキング材が堆積されると、10l/minを超えない流量で200lb/in2(14kg/cm2)よりも大きくない圧力の水で洗い流して、容易にほとんど除去することができる。これは、先行技術の製造方法に要求されるよりも少ない量、又は、他のすり減らす手段と同等の毎分当たりの量における、水圧の1/10よりも小さい。特に、水によって、基材及び/又は耐久性イメージ形成材が損傷するとすれば、その代わりに空気を噴射し、もしくは乾いた布で拭き取ることにより、不要材を除去することができる。除去のためのそのような水洗浄もしくはドライな手段により移動させることができる基材上のイメージ形成材は、耐久性イメージ形成材ではない。
【0029】
「配置されたデザイン」の用語は、印刷パターンから独立し、印刷パターンの境界線の範囲及び印刷パターンの境界線の外側の双方に拡がって、印刷パターンにおけるデザイン層の範囲を明らかにする幾何学上のレイアウトを意味する。配置されたデザインは、単一のデザインカラー層、又は、2色、4色もしくは6色刷りを含む多色刷りを包含して良い。配置されたデザインは、通常の「デジタル印刷方法」の一部として、デジタル的に配置された多数の微小要素を包含して良い。
【0030】
「配置されたデザインの表示」の用語は、プリント用インク、熱転写樹脂、トナーもしくは他のマーキング材料を、基材もしくは予め形成された層に物理的に形成することを含むものであり、または、そのような材は、例えば、基材もしくは予め形成された層の印刷部分に静電気を作用させて引きつけることにより、基材から離れた状態で表示することが可能であり、或いは、「配置されたデザイン」における熱、光もしくは静電気のようなエネルギーを、そのようなエネルギーによって改められる基材もしくは予め形成された層に、作用させることを含むものである。
【0031】
「デジタル印刷方法」は、電気学又は静電学のカテゴリーにグルーブ分けされる方法を含むものであり、熱転写(Thermal Transfer)は、時には、一括熱転写(Thermal Mass Transfer)や、染料熱昇華、直接感熱、現像、及びインクジェット(Thermal Dye Sublimation,Direct Thermal,Photographic amd Ink Jet))デジタル印刷と呼ばれる。デジタル印刷方法は、一般に、4色処理における黒、藍、紫紅及び黄の材料、及び/又は、付加的な「スポットカラー(spot colours)」による堆積物の位置合わせ、大きさを可能にするラスタイメージ処理(Raster Image Processor)を使用する。「スポットカラー」は、略一様な、色相、強さ及び色調を有する。そのようなデジタル印刷方法においては、例えば、アメリカのガーバーサイエンティフィック プロダクツ インコーポレーテッド(Gerber Scientific Products,Inc.)の登録商標であるガーバーエッジ(Gerber Edge)のようなホイル熱転写装置の転写ヘッドにおける、個々の節部による塗料用樹脂ホイルの堆積物や、インクジェット印刷装置における単一のインクジェットによる単一の衝撃から生じる個々の付着物のような、マーキング材各色の非常に小さな堆積物を基材表面に配置することが可能である。本発明は、マーキング材の小さな堆積物を、基材又は転写媒体もしくは転写ドラムに対して個々に配置可能にするあらゆるデジタル印刷方法を含むものである。また、基材もしくは高感度層における微小要素を、制御されたエネルギーの衝撃に相当するものによって配置可能にする方法も含まれる。
【0032】
一の実施形態においては、材料の第1の層が、印刷パターンとして明らかにされるようにして、基材に形成される。この第1の層は、一般には白色であり、例えば熱転写のようなデザインイメージ形成手法を受容するが、基材は、例えばポリエステルであり、デザインイメージ形成手法を受容しない。例えば、配置されたデザインに存在する媒体フィルムにコーティングされた塗料用樹脂は、転写されて、デザイン層を形成するように第1の層に接着される。しかし、印刷パターンの外側を覆う塗料用樹脂の領域は、基材に接着されず、媒体フィルム上において運び去られる。
【0033】
他の実施形態においては、印刷パターンは、第1の層が黒色材料からなる基材に印刷される。そして、白色層は、黒色層の内側に間隔をおいて印刷される。黒色層と白色層の双方は、印刷を受容する。分離され又は断続的な白色領域は、透明又は半透明のインクを用いることにより、所望のデザイン層が重ね刷りされ、そのインクは、配置されたデザインにおいて、白色層を覆うとともに、黒色の第1の層のその部分を覆う。印刷された白色層に重ね合わされた、印刷された透明又は半透明のデザインカラー層の組み合わせは、望ましく認識される色を作り出す。この結果は、各印刷部分における透明又は半透明のデザインカラーインクが、黒色のバックグラウンドに対してはほとんど見えないが、白色層と結びついて望ましく認識される色を作り出すという理由から得られる。この形態においては、黒色層及び白色層の双方は、デザイン層を受容するが、黒色層の外側の基材領域は、デザイン層を受容しない。
【0034】
更に他の実施形態においては、本発明は、英国特許第2165292号公報におけるものと同様の出来映えの特徴を有する製品を製造するために、基材にドット、ラインのパターンや格子パターンを印刷するのに利用することが可能である。そのような製品においては、「複数からなる不透明領域及び/又は透明もしくは半透明領域にパネルを細分化する」不透明材の「シルエットパターン」が存在し、断面幅が5mmより小さく通常は1-2mmである不透明部分による比較的細かい連続したパターンを得るために、一般には、ドットやラインのような多くの別個の要素又は相互に連結された要素が配列されている。
【0035】
一般にシルエットパターンにおいては、通常は黒の表面に白というように重ね合わされたいくつかのインク層、及び、白色層に重ね合わされて、パネルの一方側からは見ることができて他方側からは見ることができないデザインが存在する。英国特許第2165292号公報には、このような効果、即ち、黒色及び白色のインク層を正確に又は略正確に重ね合わせることができる幾つかの製造方法が記載されている。本発明によれば、黒色層の表面の白色層は印刷パターンを形成し、1又はそれ以上のデザイン層は、プリントパターンには形成されるが、プリントパターンの外側に耐久性マーキング材を形成しない。
【0036】
更に別の形態においては、本発明は、PCT/GB96/00020号公報に従って製品を形成するために、透明な基材に印刷するのに利用することが可能である。これにおいて、通常は、プリントパターンに複数の別個の領域及び/又は複数の空隙を備え、基材を露出させる円形もしくは他の形状の空隙を有するドットやラインのパターン又は格子状のパターンのような、細かい連続した印刷パターンにおいて、一般には、透明又は半透明な白色材からなる第1の層によって印刷パターンが画定される。透明もしくは半透明のマーキング材、又は他のイメージ形成方法からなる1又はそれ以上のデザイン層は、プリントパターンに形成されるが、プリントパターン外側の非受容性基材には形成されない。そのような製品に生じるデザインは、一方側から見ると、他方側から照らし出されたように見えるが、これは、印刷パターン及び重ね合わされたデザインが、透明又は半透明であるからである。また、そのようなパネルは、どちらの方向においてもパネルの可視化を可能にする。
【0037】
本発明は、印刷された製品における位置整合の誤差をやりくりし又は除去するものであり、さもなければ、位置整合の誤差は印刷された製品に欠陥を生じさせる。従来のスクリーン又は他の印刷方法によって略正確な位置整合を達成する先行技術の方法は、連続するインク層において硬化し、その後、印刷パターンの周囲においてインクを割るメカニズムが要求される比較的困難な手段によって、不要なインクが除去されるという液体インクを使用する。本発明は、このような硬化したインクを除去する必要性を回避する。カワイによる熱転写方法と異なり、デザイン層は、印刷パターンの全体にわたって連続する堆積物ではない。さらに、いくつかのデジタル印刷装置とともに、インクが流れる途中で硬化することなく装置を通過する基材の1つの「通路(pass)」によって、多色刷りされたデザイン層を形成するために、デザインカラー層は、別個に配置可能とされ、斯くして、デザイン自体における基材寸法の不安定さを理由とする印刷整合の誤差がほとんど解消する。
【0038】
高圧の水をかけ又は流すと共に、高い接着性を有する「タック(tack)」によって自己接着性フィルムを除去することが必要なインクを割るメカニズムによってインクを除去することで、略正確な位置整合が達成される先行技術の方法に使用するのには適さない、熱転写印刷のようないくつかの印刷方法を本発明は可能にする。したがって、本発明は、先行技術を越える明らかな利点を有する。
【0039】
転写媒体もしくはローラへデザインを予め印刷し、これを所望の印刷パターンに選択的に転写することにより、位置整合の誤差の問題を減らすことが可能である一方、本発明は、基材への直接的なデジタル印刷の制御を可能にする。この文脈における「直接的なデジタル印刷」とは、4色刷りのデザインが転写媒体もしくはローラに予め印刷されるのではなく、「スポットカラー」や4色刷りにおける個々の黒、藍、紫紅又は黄色のような個別の色が、インクもしくはトナー貯蔵器や熱転写ホイルカートリッジのようなそれぞれの供給源から配送されて、形成されることを意味する。そのような直接的な印刷は、一般に、時間及びコストを減らすという利益が得られる。
【0040】
一般に、上述した全ての実施形態においては、典型的には不透明な白及び/又は黒によって、1又はそれ以上の層を不透明にし、その表面に、例えば4色デジタル印刷装置によって、透明又は半透明の第2の層のインクを形成できるようにすることが好ましい。そのような不透明なバックグラウンド層は、比較的不透明なインクによる比較的厚みのある層を形成するスクリーン印刷や他の方法によって印刷することが望ましい。黒色の表面に白色を施した不透明な印刷パターンは、英国特許第2118096号公報又は英国特許第2165292号公報に開示された方法に従って、製造することが可能である。そのような製品における黒色層は、別の透明な基材を介して比較的はっきりと見ることができるような吸光層を与える。黒色の印刷パターンは、目の邪魔にならず、そのようなパネルを介して見られる任意の物体の色をあまり引きつけず、中間色のように見えることはない。しかし、本発明は、黒く印刷された印刷パターンを画定する第1の層及び白色のバックグラウンド層が、略正確に位置整合された黒色層に形成されるが、非受容性基材には形成されないようにすることができる。例えば、印刷が施された透明なポリエステル基材には、黒色のポリ塩化ビニルによるインクの印刷パターンが印刷される。白色の熱転写塗料用樹脂層は、基材ではなく黒色の印刷パターンに接着する。こうして、熱転写により、1又はそれ以上のデザイン層を形成することができる。
【0041】
他の実施形態においては、好ましくは中間色がつけられた色つきの透明基材には、受容性の印刷パターンを画定する単一の又は多様な白色の第1の層が印刷される。中間色は、英国特許第8320969号公報に開示されているように、色つきの基材を介して見たときに、白色の印刷パターンを見えにくくする効果を有する。そして、この不透明な白色の印刷パターンは、色つきの基材が非受容性である透明もしくは半透明のイメージを形成する装置によって、重ね合わされる。
【0042】
上述した全ての実施形態において、通常は印刷層である第1の層の代わりに、未処理の又は処理されたポリエステルフィルムのような、透明、半透明又は不透明の基材に形成される、カットフィルム、好ましくはカットされる自己接着性フィルムの形で印刷パターンを与えることができる。「フィルム」の用語は、例えば、ポリ塩化ビニルもしくはポリエステルのような樹脂材料、紙又は金属ホイルのような、あらゆるフィルムを含むものである。例えば、多くの印刷装置に受け入れられるポリ塩化ビニルのフィルムのように、フィルム自体に、受容性表面を形成し、或いは、1又はそれ以上のイメージ形成方法に適した表面コートやインテグラル表面処理を施しても良い。例えば、フィルムは、デザイン層のインクにおける触媒的部分によってコーティングを補うような、触媒的部分を備えたものとしても良い。
【0043】
他の例としては、写真にコーティングされた紙のような感光材又は感熱材によって、フィルムをコーティングすることができる。
【0044】
自己接着性フィルムは、例えばゲルバー エッジ(Gerber Edge(登録商標))の熱転写式イメージ形成装置のような装置を滑らかに通過させるために、イメージ形成処理が施されるウェブの長さ方向に沿って平行なラインからなる印刷パターンを形成することが好ましい。しかしながら、例えば前記イメージ形成装置では、ウェブの長さ方向に直交するラインパターン、或いは不完全に穿孔された材料が、物理的に不連続な障害を与えることによって、前記のようなイメージ形成装置の作動障害の原因となり得るエッジを形成する。
【0045】
そのような具体的形態の基材は、一般には、そような“未処理”のポリエステルをイメージ形成することに対して受容性がない。
【0046】
そような基材を用いれば、インクジェットインキのようなマーキング材料は、前記印刷パターンの外側の基材に物理的に付与されるかもしれないが、低圧の水洗浄、拭取り、又は他の手段によって容易に除去することができるので、耐久性のあるマーキング材料を形成しない。穿孔されたフィルムに比べて、そのような非耐久性のマーキング材料を除去しやすくするためには、複数のライン又は他の分離した要素からなる印刷パターンとしておくことが、前記カットされたフィルムにとって有利である。穿孔されたフィルムを用いると、不要なマーキング材料は、その孔内に入りこみ、不要なマーキング材料の除去を、不可能でないにしても、比較的困難なものとする。
【0047】
また、前記基材は、例えば、シリコーンコーティングされたポリエステル、シリコーンコーィングされた紙、又はFC208のようなフロン化合物でコーティングされたフィルム等のような、剥離可能にコーティングされたとすることができる。シリコーンコーティングされた材料は、一般には、前記印刷パターンを形成するために使われた、適切に選択されカットされた自己接着性フィルムとは対照的に、従来の印刷機又は他のイメージ形成装置には受け入れられない。
【0048】
熱転写方式により顔料を着色された樹脂又は染料で染色された樹脂、及び静電印刷されたトナーは、シリコーンコーティングされた表面には付着しないだろう。熱転写方式により着色された樹脂は、転写されないだろうし、静電塗装されたトナーは、キャリアーからシリコーンコーティング上に転写されないだろうから、マーキング材料は付着されない。もし、インクジェットのインクのようなマーキング材料が、シリコーンコーティングされた表面に置かれると、それらは、一般に、小滴を形成して、ほとんど接着しないだろうし、低圧の水洗、拭取り、清浄用ローラによって、または、特に前記カットされたフィルムがラインパターン又は他の分離した要素である場合には、“エアーナイフ”によるようなエアーの吹きつけによって、除去することができる。
【0049】
このような剥離可能にコーティングされた基材は、一般に、最終製品の一部を形成する。例えば、50μから100μの厚みを持つ、シリコーンコーティングされた透明ポリエステルフィルムは、イギリス特許第2165292号に従ってデザインを施した窓用標識又は吊下げ用旗のために、理想的な透明基材(ベース材料)を形成する。或いは、前記剥離可能にコーティングされた基材は、剥離ライナーとして機能し、実質的には除去され、カットされた自己接着性フィルム(典型的にはストライプの形態をしている。)を、窓や他の基材へ施すことを可能にする。
【0050】
デザインがイメージ形成された自己接着性フィルムのストライプを、窓又は他の基材に転写することは、通常は、カットされた自己接着性フィルムのストライプと剥離ライナーとからなるアッセンブリの上に、前記剥離ライナーから離れた側に、自己接着性塗布テープを施すことによって、容易化される。前記テープを施す前に、前記剥離ライナーは除去され、前記自己接着性フィルムのストライプは、該ストライプの自己接着面が、窓又は他の基材にしっかりと接着されるまで、前記自己接着塗布テープによって、そのストライプが要求される相対位置に保持される。そこで、天候、摩擦、或いは紫外線等による退化から前記カットされたフィルム及び積層されたデザインを保護するために保持される被覆ラミネートを前記自己接着性塗布テープが形成しない限り、該自己接着性塗布テープは除去される。各々のストライプを引き剥がす時間のかかる処理を避けるために、一括の“引き剥がし”が強く要望され場合には、前記のような被覆ラミネートは、好ましくは、前記ストライプの除去を容易にするために、窓又は他の基材に対するより、前記ストライプ上に印刷されたデザインに対して、より強い接着力を有する。
【0051】
そのようなストライプは、直線又は曲線の形態とすることができ、曲線は、例えば、ある一定の文字記号印の端部が、ストライプ間の間隙に配置されると、“失われてしまう”ような直線のデザイン形態の可能性を回避する利点を有している。
【0052】
穿孔された材料と比較したストライプの他の利点は、もしそれらのストライプが、窓に垂直に取りつけられると、例えば、イギリス特許第2165292号公報に従い、窓の外から見えるデザインを備えたパネルを形成するために、前記ストライプは、雨又はその他の水の下降排水を許容する。その一方、穿孔されたフィルム材料を用いると、そのような水は、蒸発するまでその孔に残ってしまう。穿設された孔の各々に溜まった水の表面は、凹凸レンズを形成し、それによって、その溜まった水が歪曲レンズとして作用し、前記パネルを通して窓の内側から窓の外側へ映し出される所望の像を阻害する。また、もし、穿孔フィルムが被覆ラミネートを有する窓に施されると、温度が穿設された孔内に閉じ込められた空気の露点以下になったときに、その被覆ラミネートフィルムと窓との間の隙間で液化が生じやすい。その液化した水は、それらの穿孔に閉じ込められ、像を曇らせる。垂直なストライプは、そのような隙間の液化状態にとっての利点を有しており、それは、液化した水が、前記ストライプの間から流れ落ちるか、比較的自由に蒸発することができ、そのため、良好な像を得ることができることである。垂直ストライプ間の隙間は、前記ストライプ、又はセパレートテープの上方を被覆している被覆ラミネート、又は前記ストライプの上部に施された液体シーラントによって、ストライプのパネルの上部においてシールされるのが一般的である。
【0053】
各々の印刷パターンを形成するためのそのようなフィルムの製造は、いくつかの方法により達成され得る。好ましい方法は、その支持面形成材及び感圧接着剤の表面にスリットを形成し、前記剥離ライナーには表面スリットを形成しないようにするために、スリット形成シリンダー(slitting cylinder)を用いて、前記ウェブの長さに沿う自己接着部材を所望のストライプ幅にする。印刷受容性のストライプは、交互に除去され、他の剥離ライナー上に所望の間隙で再付着され、それによって、印刷に対して非受容性の表面を形成し、剥離ライナー部材の一つのロールから、剥離ライナーのもう一つのロール又は他の印刷非受容性の部材に転写するのが一般的である。
【0054】
他の実施形態では、前記自己接着性フィルムのストライプは、例えば、透明な未加工のポリエステル支持面形成材を有するもののような、1又はそれ以上のイメージ形成方法に対して印刷非受容性である他の自己接着性部材に移される。この実施形態では、前記ストライプは、窓又は他の基材に転写される間、塗布テープによってよりもむしろ支持面形成材によって、所望位置に保持され、実質的に、窓又は他の基材から、前記自己接着性支持面形成材を除去することにより、1の操作で容易に除去される。
【0055】
自己接着性フィルム支持面形成材及び接着剤の前記のような表面スリット形成の前に、従来方法によってバックグラウンドカラー又はバックグランドデザインを印刷することができ、それにより、バックグラウンドを、次の印刷に対して異なる受容性を示すものに形成するであろう。
【0056】
穿孔された部材上のストライプの他の利点は、もし、例えば、イギリス特許第2165292号公報によるパネルの部分を窓に適用したのと同様に、ストライプが最終製品に垂直になるよう配置されると、一方の側から他方の側への透過視野は、穿孔されたフィルム材料又は水平ストライプに比べて強調される。人の二つの目の水平な配置は、2つの目から垂直ストライプの周りに視線を収束させることによって、パネルの向こうの小物体又は形態を見ることができるが、水平線又は穿孔された材料は、そのような小さな物体を完全に遮断する。この形態の原理は、遠くのテニスボールのような小物体を、金属手すりの柵を通して見ることによって、容易に実証することができる。その物体は、垂直な柵を介して常に見えるだろうが、もちろん前記手すりに対する目の近さ及び位置にもよるが、手すりの水平部分によって視野から見えなくなる。
【0057】
自己接着性フィルムのストライプを有する、これらの全ての実施形態では、全ての印刷受容性フィルム材は、印刷されるか又は他の用途に用いられるのに利用される。その一方、穿孔された材料では、その孔を形成するために切断された材料は、浪費されるのが普通で、材料の50%までが失われる。自己接着性のストライプの他方の基材ロール上への表面スリット形成及び転写は、パンチング、レーザー切断、或いは他の手段によって穿設する自己接着性フィルムより、経済的で、処理がずっと早い。
【0058】
従って、穿設していない材料と穿設された材料とを使用する従来方法をよりも、カットされた自己接着性フィルムの印刷受容性ストライプを使用する方が幾つかの重要な利点がある。
【0059】
前記カットされた自己接着性フィルムの支持面形成材は、単層とすることができ、一般に不透明か又は半透明の白色材料、又は澄んだ透明な材料であり、或いは、多層とすることができ、例えば、イギリス特許第2165292号による製品の製造のための、塩化ビニール及び/又はポリエステルフィルムで作った黒色の上に白色のラミネートとすることができる。ポリエステルフィルムを1又はそれ以上の支持面形成材の層に結合することは、その強度及び立体的安定性を増加させ、2〜4mmといった狭い幅のストライプを、剥離ライナー材料の一方のロールから他のロール又は窓又は他の基材へ転写しやすくする。例えば、前記カットされた自己接着性フィルムを窓の内側に施した後であっても、デザインが窓の外側から見えるようにするなら、澄んだ透明な自己接着性フィルムは、通常、デザインの反転印刷に用いられる。窓の内側にカットされたフィルム製品を施す他の方法は、デザインが非受容性基材ではなくカットされたフィルムに既に施された後に、接着剤が、そのカットされたフィルム上のデザイン上に、選択的に印刷されるか、或いは、その他の手段で施され得る。次いで、前記接着剤は、窓の内側に施され得るし、前記基材は、保護層として保持され得るし、或いは、もしも剥離ライナーの形態であるなら、前記窓上に前記カットされたフィルムを残しておくために、取り外され得る。
【0060】
前記カットされたフィルムは、自己接着性の、感圧部材の一部である必要はないが、他の手段、例えば、溶媒接着剤によって、或いは、ヒートラミネーション(熱接着)によって、前記基材に施され得る。
【0061】
非受容性基材に施されたカットされた自己接着性フィルムにデザインを施すのに代えて、非受容性基材が、印刷パターンの形態で選択的に施された感圧接着剤又は他の接着剤を備えることができ、そこでデザインは、前記基材ではなく前記接着剤に選択的に施され得る。例えば、ポリエステルフィルムは、白色印刷可能な接着剤のラインパターンを用いて印刷され得るし、そこで、前記デザインは、好ましくは、イメージ形成されたものを窓のような基材に十分に接着する能力を保持する方法によって、前記非受容性基材ではなくて前記接着剤に選択的に施すことができる。
【0062】
また、接着剤は、選択的に、非受容性基材の表面に施すこともでき、それにより、該非受容性基材の他方側に施された材料で形成された印刷受容性層とほぼ重なり合う。例えば、黒色感圧接着剤は、透明ポリエステル基材の一方の側にストライプのパターンとして施すことができ、前記透明ポリエステル基材は、該基材の他方の側に印刷された白色ラインのパターンを有しており、黒色接着剤の各々のストライプは、好ましくは、白色の印刷されたラインと重なり合う。デザインの層は、選択的に、前記白色ラインに施されると、前記黒色の接着剤によって隠されているので、前記他方の側からは見ることができない。この実施形態は、コーティングが施されておらず、そのため、接着剤の層の存在によって光学的な影響を受けない前記接着剤の間の間隙を残している透明基材及び透明接着剤の従来技術を超える更なる利点を有している。
【0063】
全ての非受容性自己接着性フィルムは、該フィルムを窓等の基材に施す際に、空気の泡が閉じ込められるとこれを除去することが困難であるので、いくらかの熟練が要求される。特に、透明な自己接着性フィルムにとって、そのような空気の泡は、完成品の外観を著しく損なう。従って、そのような製品を施す際に空気の泡の除去を容易にできるように、前記のような自己接着基材に、好ましくは、前記印刷パターンの領域内に、選択的に切れ目をいれておくことが好ましい。もし、前記切れ目を、前記透明領域ではなく前記印刷パターン内に施しておけば、窓或いは他の基材に前記自己接着性フィルムを施した後、前記切れ目は、目立たなくなる。例えば、もし、前記印刷パターンがラインパターンであるなら、例えば、長さ5mmの補助的な切れ目(スリット)を、各ラインに平行に、各々のライン幅内に100mmの中心距離で、ラインの長さ方向に沿って例えば100mm間隔で所々に形成しておけば、該切れ目は、最終製品への適用において極めて重要な利点を窓又はその他の基材に与える。閉じ込められた気泡は、パネルの端よりも短い距離にある切れ目までスキージをかけるだけで足りる。
【0064】
本発明は、“改良型高精度記録”印刷方法と称することのできる下記のイメージ形成方法を包含する。該方法は、全て、基材の所定位置にデザインを配置するものであり、前記基材は第1の層を有し、該第1の層は、前記印刷パターンを形成するとともに、該印刷パターンの領域上では特定のイメージ形成技術に対して受容性があるが、前記基材は、前記印刷パターンの領域外では、前記特定のイメージ画像形成技術に対して非受容性である。
【0065】
1.熱転写差別化接着法 この方法は、時には、一括熱転写として称され、ゲルバーエッジ(Gerber Edge(登録商標))のような従来の熱箔転写装置を使用する。該装置は、ポリエステル支持部材及び着色された樹脂層又はワックス層を有する箔のカートリッジを利用しており、該箔は、多数の小型ヒートプレスを備えた転写ヘッドを通過し、4つの通路が、4色処理イメージを作り出す、黒、藍、紫紅、黄の箔を使用することが要求されるため、ラスターイメージプロセッサーを利用したコンピュータ制御により駆動され、着色された樹脂層の付着物を、ポリ塩化ビニル(pvc)又は他の適切な基材に溶融接着させる。“スポット カラー”及び金属箔は、一般にも使用されている。この改良型高精度記録印刷方法は、前記印刷パターンが、熱転写に対して全く受容性の無い基材上に、熱転写に受容性のある材料を使用することを確定づけることを必要とする。一例において、一つの印刷パターンは、自動車の塗装に使用されるような典型的なpvcインクや、コーテスヴィナラム(Coates Vynalam)のような“ビニル状インク”と記述されるインクや、コーテスブロス公開責任有限会社(Coates Bros PLC)により製造されたインクで、比較的低いガラス転移温度(Tg)を与えるpvc成分を持ち、一般的なpvcインクよりもより熱可塑性に富むアクリルインク、といった比較的高い可塑性のpvcインクの1層又は2層以上に施される。この受容性インクは、好ましくは、光沢インクであり、比較的滑らかな巨視的表面を持つ形態を付与し、好ましくは白色である。その他、透明な高可塑性のpvcラッカー又は透明Vynalamインク、又は比較的滑らかで高いエネルギー面を持つ他の材料は、ポリエステル又はpvcインクの白の層に重ねることができる。この印刷パターンは、基材に付与され、“未処理”又は印刷処理されたポリエステルフィルムのような熱転写体に対しては受容性がない。典型的なpvc基材に対して、熱転写装置において処理されたとき、前記着色された樹脂層は、前記所定位置に配置されたデザインの領域内において前記印刷パターンに接着されるが、前記印刷パターンの外側の基材には接着されない。なぜなら、個々のノード(nodes)が所定位置に配置されたデザインに適合するために加熱されるし、前記ドナー(donor)着色された樹脂は連続しているから、キャリア層が、前記デザイン層の外側の印刷パターンに結合される傾向がなく、このことは、もし前記カワイの方法がキャリア上の非連続なデザインを有することによって適合される場合に、生じやすい。
【0066】
前記方法は、また、例えば、着色された樹脂が、シリコーンコーティングされたポリエステル基材上のカットされた自己接着ポリ塩化ビニールフィルム(好ましくはストライプの印刷パターンにカットされる。)に転写され得る。前記基材には着色された樹脂は転写されない。
【0067】
2.静電転写差別化接着方法 米国のミネソタマイニング アンド マニュファクチュアカンパニー(Mining and Manufacturing Conpny)の商標である3M スコッチ印刷のような静電(しばしば、静電複写とも呼ばれる)処理は、一般に、3Mの品番8601又は8603の“ウェアコート(Wearcot)”転写媒体のような転写媒体上のイメージの静電印刷を含む。この転写媒体は、pvcフィルムのように、加熱及び加圧下で、基材とともにローラを通され、この処理は、前記イメージを前記キャリアから前記基材に転写する。
【0068】
方法1に概説したのと同様な基材及び印刷パターンを用いれば、前記予備印刷されたイメージを、前記基材ではなく前記印刷パターンに選択的に転写することができる。前記ポリエステルフィルムは、好ましくは、アイシーアイ(ICI)のメリネックス(Melinex(登録商標))の品番701又は401のように、未処理の又は印刷処理されていないものであるべきである。そのような基材を用いて、前記静電印刷されたイメージは、前記印刷パターンとともに前記印刷パターンの外側の基材に転写される。しかしながら、前記印刷パターンの外側から低圧の水洗又は拭取りによって容易に除去されるため、印刷されたイメージは、前記印刷パターンの範囲内にのみ耐久性イメージ形成材を形成するだろう。シリコーンコーティングされた基材は、静電印刷されたイメージが前記シリコーンコーティングに、殆ど転写されないという付加的な利点を有している。他の好適な非受容性基材としては、ポリフッ化ビニリデン、例えば、テドラー(Tedlar(イーアイデュポン社の商標))がある。
【0069】
例えば、静電印刷されたトナーは、キャリアフィルムからポリ塩化ビニルの自己接着性ストライプの印刷パターンには転写されるが、シリコーンコーティングされたポリエステルのようなシリコーンコーティングされた基材には転写されない。
【0070】
3.従来通り印刷されたインク又はデジタルインクジェット差別化接着方法。
【0071】
この方法は、インク受容性印刷パターン及びインク受容性基材を必要とし、スクリーン印刷、平版印刷、他の従来印刷方法、及び、デジタルインクジェット印刷方法に適している。従来のインクやインクジェットインクの中には、水性インクがあり、従来のpvc、ポリエステル又は他のそような基材には、予備処理なしでは接着しないであろう。
【0072】
ポリエステルやpvcインクを受け入れるように処理されたポリエステルのような基材は、疎水性であるので、通常の水性材料を拒否する。印刷紙又は印刷カードに適したインクは、一般には、親水性で、水性インクに対して受容性があり、印刷紙又は印刷カードに接着し乾燥する。そのようなインクの一つとして、コーテスロリレックス スクリーン リミテッド(Coates Lorilleux Screen Ltd.)製のハイドロプリント2200シリーズがある。
【0073】
印刷パターンは、白色の親水性インクで形成された上層を組み込んで印刷される。これにより、前記インクのみが前記印刷パターンに接着するので、“スポットカラー”又は4色処理デザイン層の水性インクジェット印刷が可能となる。印刷されるべきでない領域上の前記“自由”インクは、接着しないけれども、下層の親水性層(一般には、前記白色インクの外側にある黒インクの層)に吸収され、デザインカラー層のインクを吸収することによって白色の層の汚濁を避ける。
【0074】
その他、前記印刷パターンの外側のインクの残留物は、エアーナイフ、クリーニングローラ、拭取り、水洗、或いは他の手段によって除去される。それらの残留物は、硬化せず、それらを除去するためのインク破砕装置も必要としない。
【0075】
所望の効果は、硬化可能なコーティングを使用しても実証され、そこでは、適切な懸濁剤中に分散された水性の染料又は顔料を実施的に含有するインクが、従来の印刷方法によって、又は適切な噴射システムを備えたプロッター又はプリンターによって、基材上に印刷される。印刷が完了すると、そのパネルは、さらに、加熱空気乾燥トンネル、加熱ローラ、マイクロ波、フォトイニシエータ等を用いて処理される。熱又は他のエネルギー源を適用すると、前記コーティングは、受容性印刷パターン上で硬化し、耐久性イメージ形成材を形成し、乾燥して実質的に消えなくなる。該基材上に付着されたインクは、水洗又は拭取りによって、簡単に除去され得る。
【0076】
その他、差別化接着は、触媒反応の結果として生じ得る。前記第1の層は成分Aを含む材料を有し、成分Aは、インク中の成分Bと触媒反応を起こし得るものであり、前記第1の層を覆うように設けられ、前記第1の層にオーバーラップする配置されたデザインを備える他方の層に付与される。この成分A及びBは、触媒反応、例えば、化学的な架橋により、耐久性のあるマーキング材料を形成し、2層間の強い結合を形成する。前記基材材料は、それ自体、成分Aを有し、前記第2の層を有するインクが、前記第1の層の外側の前記基材に施されたときには、対応する触媒反応は起こらず、前記第2のインクの層が未効果で残り、非接着状態のままであるので、水洗、拭取り、又は他のそのような手段によって、除去するのが極めて容易である。触媒反応成分A及びBの例としては、ヒドロキシとイソシアネート、エポキシとアミノ、ならびにヒドロキシルとカルボニルがある。特定の組合せための付随成分の他の例としては、ヘルド等の米国特許第5,537,137号明細書に記載されている。
【0077】
本方法におて、所望の反応は、前記印刷パターン内の反応受容体上にデザインの層を硬化させるための水洗のような事後イメージ形成処理においても起きる。
【0078】
再び、前記基材の非受容性領域上に置かれたインクは、水洗又は拭取りにより、容易に除去され得る。
【0079】
所望の効果は、実質的に溶剤成分を覆っているインク、及び前記溶剤を基材とするインクが積極的に接着する第1の層のコーティングを使用して明らかにされ得る。前記印刷パターン外側の未処理の基材上に付着された溶剤インクは、変化しないで残るだろうし、その結果、再び、水洗、拭取り等により除去され得る。
【0080】
多くの異なる従来のインク印刷システム又はインクジェット技術は、“連続”インクジェット方式及び“ドロップオンデマンド”方式を含むのが一般的であり、それらの方式は、熱的変化、圧力変化、及び相変化(ホットメルト)を伴い、加熱されたローラーインクジェットを有している。
【0081】
前記方法は、カットされたフィルム材を利用する。該カットされたフィルム材は、シリコーンコーティングされたポリエステルのような非印刷受容性の基材上の、自己接着性のポリ塩化ビニルのようなインク受容性である。
【0082】
4.静電荷可帯電印刷パターン方法 基材は、帯電可能な材料の層及び誘電体電子捕捉層とを有し、見えない静電気の層で帯電され、その上に、静電気が荷電されたトナーは引き寄せられるが、該トナーは基材の周囲には引き寄せられない。
【0083】
その他、従来の帯電可能基材の材料が使用されるが、前記電子捕捉層は、前記印刷パターンの領域にのみ付与しても良い。
【0084】
前記静電気捕捉層は、従来の液体トナー又は粉末トナーのトナー溜めを通過させられる前に、電子筆記尖筆によって、直接、帯電させられる。前記液体トナーは、前記印刷パターンに引き寄せられた後において、熱溶融されるか或いは空気乾燥され、前記粉末トナーは、前記印刷パターンに引き寄せられた後、熱及び/又は圧力により、溶融される。
【0085】
前記印刷パターンは、紙を基材とする材料又は紙用インクのような、帯電可能な第1の層を有している。その他、静電印刷されたpvcフィルム上に施した前記コーティング材は、ラインパターンをスクリーン印刷することによって、pvcフィルムにコーティングすることができる。
【0086】
適切なソフトウェア手段によって静電印刷を行うために、従来の基材を帯電することもできるが、トナーインクは、一般に、透明又は半透明であり、透明な基材は、帯電可能な層及び電子捕捉層を組み込んだ白色印刷パターンのような、不透明なプリントパターン(その上に、前記トナーが引き寄せられる。)を形成するのに有利である。
【0087】
また、帯電可能材及び電荷捕捉層を備える3M製の直接帯電方式ビニルのように、直接帯電イメージ形成のために特別に開発された自己接着性基材は、印刷パターンを形成するために、例えば紐(ストライプ)状にカットされ、シリコーンコーティングされた基材に施され得る。静電的に配置されたデザインは、前記ストライプを帯電させるだろうけども、前記基材は帯電させず、前記トナーは、受容性のストライプからなる前記印刷パターンに、選択的に引き寄せられて施されるが、前記基材には施されない。
【0088】
5.染料昇華方法 所望の印刷パターンは、1又は2以上の層内に形成され、少なくとも上層は、ミネソタ州のファーゴインコーポレイティッド(Fargo,Inc.)によるような染料昇華処理に受容性のコーティングを含み、そこでは、染料は、ガス状物質に転化され、前記印刷パターン内の前記受容層に吸収されるが、前記印刷パターンの外側の基材には吸収されない。その他、染料昇華に適した自己粘着性フィルムは、シリコーンコーティングされた基材上で印刷パターンを形成するためにカットすることができる。前記染料は、前記印刷パターン上には昇華されるだろうが、基材上には昇華されないだろう。
【0089】
6.直接サーマル方法 基材は、サーマルイメージングの分野において公知の1又は2以上のコーティング材を選択的にコーティングすることができ、そこでは、前記基材自体が、サーマルイメージングに対して受容性でない。コーティング材としては、ファクシミリ伝送装置の分野で使用されているものを例示することができる。前記イメージングヘッドでの配置可能な入力及びエネルギーによって、前記コーティングは、白色から黒色へ変化し、それによって、イメージを前記プリントパターン上に記録する。前記基材は、そのよなコーティング材を備えておらず、エネルギー入力にも関わらず、イメージを記録しない。富士写真フィルムのサーモオートクロームのような最先端技術を用いたフルカラー直接熱的コーティングも使用し得るが、制御された露光及び紫外線ブリーチング(bleaching)が、前記印刷パターンの領域内の前記コーティングにフルカラーの記録を行う。
【0090】
従来の直接感熱印刷紙や他のフィルム材料は、パンチされた穿孔感熱印刷紙やストライプパターンのような印刷パターンを形成するために、カットされ、シリコーンコーティングされたポリエステルのように、ダイレクトサーマルイメージングに対して字受容性の基材に接着され得る。
【0091】
7.写真材料及び他の感光材料による方法 前記印刷パターンは、写真イメージングの分野において公知の1又は2以上のコーティングを有しているが、その基材は、光に反応性がなく、感光化学作用も無い。従って、写真記録は、前記印刷パターンの範囲内にイメージを映し出す。
【0092】
感光乳剤は、一般に、写真引き伸ばし機又はデジタルレーザー記録機のようなイメージ形成源に露光される。露光後、そのパネルは、従来通り、写真技術分野において周知の機械装置及び化学反応を用いて処理され、前記印刷パターンの全て若しくは一部に亘って、写真画像パネルを作る。この方法は、加圧又はこの分野において公知の他の方法を用いて活性化させた後に、後露光現像が、もとの場所で起こるようなカプセルに包まれた現像液成分を有する現像乳液を使用することもできる。加えて、この方法は、前記印刷パターン内の染料を小型のカプセルに包んだコーティングを使用することができる。
【0093】
従来の感光紙または他の被覆フィルム材は、例えば穿孔され又はストライプの印刷パターンに切り分けられることにより、切断され得、例えば感圧接着剤によってシリコン被覆ポリエステルへというように、非受容性基材に適切に接着される。
【0094】
写真イメージは、感光紙の印刷パターン上に生成されるが、基材上には生成されない。
【0095】
上述の改良された正確な位置の整合(Improved Exact Registration)方法の全てが、典型的には、印刷パターン外側ではなく印刷パターン内側の化学反応または別の異なる反応に依存する一方で、これらはまた、受容性印刷パターンが、例えばスクリーン印刷されたインクや付着されたフィルムの、有意な厚さによって、周囲の基材領域の上に幾何学的に生じる、”トポグラフィカル(topographical)”または”テント(tenting)”効果からの利点をも受け得る。この高くなった表面レベルは、耐久性転写(durable transfer)に必要とされる条件を回避する、例えば静電転写差別化接着方法(Electrostatic Transfer Differential Adhesion Method)において印刷パターン外側での転写ローラの実効圧を低減することによって、印刷パターン外側の基材と比較して印刷パターンの差別的な受容性を支援し得る。
【0096】
しかし、本発明の方法の全ては、非印刷受容性基材を用いており、完成品における耐久性イメージ材が印刷パターン外側に位置するのを回避するために、高くなった印刷パターンに依存することはない。このことは、表面が全体的なイメージ形成処理を受けるのに十分に大きく、耐久性イメージ材を形成しない、露出した基材領域を有する印刷パターンを可能にする。
【0097】
第1の層及び/又はバックグラウンド層上の1又は2以上のデザイン層として、”正面読み(right reading)”で典型的に印刷されたデザインの代わりに、デザインが基材を通して見られ得る場合、デザインは、任意の上述の方法に適切であるように、例えばポリエステルフィルムのような透明基材および透明な第1の受容性層上というような、受容性印刷パターン上に逆向きに印刷され得る。いくつかの製品については、基材および第1の層を通して観察される場合に要求されるデザインの視覚効果を提供するために、逆向き印刷デザインを白色及び/又は他の層で覆うことが要求され得る。このような単数又は複数の下地層(backing layer)は、スクリーン印刷などの異なる印刷技術、又はデザイン層と同じ技術を用いて付着される。例えば、熱転写差別化接着方法を利用するデザインに対して、白色および黒色の下地は、同じ担持体フィルム(carrier film)上の白色色素含有樹脂の層および黒色色素含有樹脂の層を含む熱転写フォイルを用いて、作成され得る。その下地は、例えばデザインを透明基材を通して見えるように透明基材に直面して印刷する英国特許第2165292号に従ってパネルを製造するのに用いられる。
【0098】
部分的に印刷される英国特許第2165292号のパネルは、他方側からは見えない一方側上のデザインと、一方側からは見えない他方側上のデザインとを有し得る。このような製品については、単数又は複数の不透明中間層は、単に白色か、白−黒−白の重ね合わせ又は白色の上の白−銀の重ね合わせであり得、各デザインに対して不透明な白色バックグラウンドを達成し得る。また、このような中間層は、別々に又は組み合わされて付着され得る。例えば白−黒−白の重ね合わせの多層色素含有樹脂フォイルの場合、フォイルと、クリアな受容性印刷パターンならびに第1の逆向き印刷されたデザインを有する基材とが、加熱されたローラ(例えば、静電気的に印刷されたデザインを担持体から基材に転写するために用いられるローラと同様)を通らせることにより熱転写差別化接着方法で転写される。
【0099】
上述の方法の全ては、非印刷受容性基材に組み込まれた標準印刷受容性の印刷パターンを有する、部分的に処理された基材の大量生産に役立つ。
【0100】
これらは、英国特許第2165292号公報に記載の方法3および4において開示される部分処理材と区別するために、新しい部分処理材(NPPM;New Part Processed Materials)と称する。
【0101】
このようなNPPMは、バルク形態で製造され、支持体(stock)に保持され、デジタルプリンタ等のデザインイメージ形成装置に配分され得る。デザインイメージ形成装置は、所望の印刷パターンに応じて選択的にデザインを印刷する事が可能であり、困難で費用のかかる従来のインク除去段階を行う必要がない。
【0102】
従って、差別的受容性による、実質的に正確な位置の整合を達成する手段が、慎重に制御された大量生産環境において作成され得る。この手段は、典型的な個人用プリンタには経済的にそぐわない。従って、本発明のこの実施形態によれば、よりよい品質およびより安価な完成品が可能になる。
【0103】
また、印刷パターンは、特定のジョブの個々の要求に適合するようにプリンタにより個々に作成され得る。このことは、デジタル生産方法により支援され、個々に指定された印刷パターンを伴う一回限り又は少量の生産が行われる。例えば、切断ナイフ(cutting knife)を備えるX−Yプロッタは、不要な領域を”除去(weed)”して、シリコーン塗布ライナー(silicone-coated liner)を有する自己接着性ビニル上の任意の所望の印刷パターンを切り取るようにプログラムされ得る。この、非印刷受容性シリコーン塗布ライナー上の切断されたフィルム印刷パターンは、次に、自己接着性ビニル用に設計された任意のイメージ形成システムによって全体的にイメージ形成され得、イメージは、シリコーン塗布ライナー上の耐久性イメージ材を形成しない。同様に、未加工のポリエステル(raw polyester)等の適切な基材がポリエステルインクでインクジエット印刷され、ポリエステルインクと接着し基材と接着しない他のインクで重ね印刷され得る印刷パターンを形成する。或いは、ポリエステル樹脂ベースインクを有するドナーフォイル(donor foil)が未加工のポリエステル基材に熱的に転写され得る。従来の熱転写色素含有樹脂はこの印刷パターンに接着され、未加工のポリエステル基材には接着されない。
【0104】
印刷パターンのデジタル作成は、例えば英国特許2165292号による製品の製造において、規則的なドット又はラインパターンと比較して利点を有する、異形(stochastic)印刷パターンの作成を支援する。規則的なドット又はラインパターンは、不規則的なエレメントの異形パターンよりも個々のドット又はラインの形成における印刷欠陥の識別がかなり容易である。このようなデジタル的に生成された異形パターンは、ベースパターンのスクリーン印刷を大量生産的に行うためのアートワークとして代替的に使用され得る。
【0105】
上述のデジタル印刷方法の全てが、’292特許による比較的細密なドット又はラインの”シルエットパターン”を印刷する際の従来技術の利点を有する。
【0106】
ここでは、4色分離を利用する従来の印刷システムの通常のモアレ縞パターンの問題が、さらなるドット又はラインシルエットパターンに重畳される4色ハーフトーンパターンによって悪化する。いくつかのデジタル印刷方法の異形的性質(stochastic nature)および4色印刷エレメントの異なる間隔並びにサイズはすべて、モアレ縞パターンの形成を避けることを補助する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0107】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0108】
図1、図1Aおよび図1Bに示すように、四角形を形成する白色カラー層が透明基材1に印刷される。第二の透明カラー層3がカラー層2と同じ領域上に付着されるように意図される。しかしながら、印刷プロセスにおいて正確な整合(registration)を欠いているため、平面図において白色カラー層2の一部は、カラー層3の周辺の一部を超えて拡がる。この整合が欠如していることによる影響は、カラー層3が白色カラー層に重なる場所で、カラー層3が意図された色相、強さおよび色調を有するということである。カラー層3が白色層3の外側に位置する場所では、薄く見える。四角形の面積が比較的小さく、例えば1平方センチメートルより小さいような場合、露出した白色カラー層2の領域は、さらに”白色化(whiten)”され、或いは意図された知覚される色から色調をさらに低減させる。基材1上に、このような領域が多く印刷される場合、整合の欠如は必然的に異なり、これにより、全体に亘って印刷パターンの見え方における明らかな均一性の欠如が存在する。
【0109】
図2A〜図2Cは、本発明による改良された正確な整合の実施形態を示す。各実施形態において、使用されているイメージ形成システムに対して非受容性である基材14が用いられる。この基材14は、透明、薄色透明、半透明または不透明のいずれかであり、典型的には、シート、フィルム、自己接着性アセンブリのいずれかであり、該アセンブリは、支持面形成材(facestock)、感圧接着剤および剥離ライナーを備える。
【0110】
図2Aにおいては、バックグラウンドカラー層12が印刷され、所望の印刷パターンを形成および画定する。配置されたデザイン(addressed design)11Aがバックグラウンドカラー層12および基材14に付与される。デザイン層11は、白色バックグラウンドカラー層12に対し、その外側境界線の内側において接着および正確に重畳され、非受容性基材14には接着されない。
【0111】
図2Bは、黒色層13が最初に基材14に印刷され、印刷パターンを形成および画定することを除いては、図2Aと同様である。白色バックグラウンドカラー層12はパネル全体に亘って付与されるが、黒色層13に正確な整合で重畳するように、該黒色層13にのみ接着される。
【0112】
図2Cにおいて、白色バックグラウンドカラー層12は従来の手段により、黒色層13内側に印刷される。黒色層13および白色バックグラウンドカラー層12の両方が、配置されたデザイン11Aに対して受容性を有し、該配置されたデザインは、接着してデザイン層11を形成する。該デザイン層11は、デザイン層11が黒色層13に対して正確に整合された状態で、配置されたデザイン11Aの外側境界の内側において形成される。デザイン層11が透明または半透明インクを含む4色処理デザインである場合、デザイン層がバックグラウンドカラー層12上のどこに位置するかを視認し得るが、黒色層13上に位置する場合は実質的に視認不可能である。
【0113】
図3は、熱転写差別化接着方法1を示す。図3Aには、新しい部分処理材と称する印刷処理ポリエステル基材14の予め印刷された(pre-printed)基材21が示されている。該基材21は、英国特許2165292号公報に記載の正確な整合印刷方法の一つを用いて、好適にはロータリスクリーン印刷によって部分的に印刷され、コーツヴィナグレーズ(Coates Vynaglaze)pvcインクからなる黒色層13が下に設けられたコーツヴィナラム(Coates Vynalam)インクの白色バックグラウンドカラー層12の予め印刷されたパターンを形成する。あるいは、コーツヴィナグレーズなどの通常の白pvcインク上に比較的高い可塑性を有するpvcベースのクリアインク又はラッカーを設けて、バックグラウンドカラー層12を形成し得る。適切なラッカーとしては、ウィーダーホールド(Wiederhold)社製のHG-70がある。図3Bに示すように、従来の熱転写リボン32は、ポリエステル支持体16および色素含有樹脂層31を含む。図3Cに示すように、このリボン32は、サーマルヘッド24を通過する、予め印刷された基材21に提供される。サーマルヘッド24は、配置されたデザインの幅20に亘って従来のように活性化(activate)される微小熱プレス(mini heat presses)を含むホットエレメントイメージ形成アレイ(hot element imaging array)17を有し、これにより色素含有樹脂層31を所望のデザイン層11内に溶融および結合する。色素含有樹脂層は、図3Dに示されるように、配置されたデザイン内の予め印刷された部分12にのみ転写および結合され、基材14の中間領域には転写および結合されない。
【0114】
図3の別の解釈では、黒色層13および白色バックグラウンドカラー層12の正確な整合の従来の方法によって印刷されている、予め印刷された基材21の代わりに、黒色層13は、コーツヴィナラムインクで印刷され、印刷パターンを形成および画定する。白色バックグラウンドカラー層11は、熱転写により、黒色層13にのみ接着し中間基材14には接着しない白色色素含有樹脂を基材全体に亘って配置する(address)ことによって形成される。前述のようにして、次に、白色バックグラウンドカラー層12には接着し中間層14には接着しないようデザイン層11の付与が行われる。
【0115】
図4Aは静電転写作動接着方法2を示す。32は、3M社の8603ウェアコート(Wearcoat)のような、静電的に印刷された既知の形成媒体であり、支持体16は典型的に紙製であり、31は抗紫外線表面被覆(wearcoat)を有したイメージ付き形成素材を表しており、これらはいずれも印刷されたものであり、例えばミネソタマイニング アンド マニュファクチュアリングカンパニー(Minnesota Mining and Manufacturing Company)の商標である、3Mスコッチプリント(3M ScotchprintTM)工程を使用している。予め印刷されたイメージ31は、ラミネートローラ(laminating rollers)17により、予め印刷された基材21上に、加熱と押圧との双方により形成される。基材21は、前記された静電転写差別化接着方法1における予め印刷された基材と近似した構造からなり、ポリエステル基材14と、印刷パターンを形成するコーツヴィラナムホワイト(Coats Vynalam White)バックグラウンドカラー層12を備えたものとすることができる。予め印刷されたイメージ31は、イメージ層11を形成する為、白色バックグラウンドカラー層12のみに接着し、基材14には接着しない。もし何らかの静電的に印刷されたトナーが印刷パターンの外部の基材に形成されたなら、それは、耐久性イメージ形成体を形成せず、洗浄又は拭き取りにより除去可能であり、印刷パターンに形成されたトナーに影響を及ぼさない。
【0116】
他に、図4Bのシリコン被覆が施されたポリエステル基材14を使用することができ、それはトナーの形成物に全く受容性の無い物である。印刷パターンは、黒色の感圧性接着層を含んだ自己接着性ビニルストライプ15と、白色pvcフィルム製支持面形成材(face-stock)12により形成され、該支持面形成材はトナーの形成物に受容性がある。配置されたトナー31のデザイン11Aは自己接着性ビニルストライプ12の表面に形成され、デザイン層11を形成するが、印刷パターン外のシリコン被覆された基材14には接着しない。
【0117】
図5は既知の印刷、あるいはディジタルインクジェット(Dlgltal Ink Jet)による、差別化接着方法3を示す。予め印刷された、ポリエステルなどの疎水性基材14は、好ましくは白色インクである、疎水性インクのバックグラウンドカラー層12を伴い、該バックグラウンドカラー層12は、同じく疎水性インクである黒色層13により下敷きされている。黒色層13は、図5Aに示すように、層12と実質上正確な整合をなし、あるいは図5Bに示すように、層12の線部を越えて延びている。インクジェット、あるいはインクジェット列41は、既知の種類の透明あるいは半透明のインクを基にする溶液を堆積させ、連続的に配置されたデザイン11Aを形成する。しかしながらインクは予め印刷されたインク12上にのみ接着かつ配置され、イメージ層11を形成する。印刷パターンの予め印刷された部分の間に付与された、”自由”インク18は、疎水性基材14によりはじかれるか、あるいは黒色層13に吸収され、相対的に不可視となるか、あるいは、エアーナイフやクリーニングローラやその他の手段により、直後のインラインプロセスに於いて除去される。
【0118】
図6は、インクジェット触媒方法(Ink Jet CatalyticMethod)を示し、黒色層13上に重ねられた白色バックグラウンドカラー層12が、触媒要素Bを含んだインクに対して触媒作用のある要素Aを含んでいる。インクジェットシステムは、配置されたデザイン11Aを基材に付与するものである。デザイン層11は、触媒作用により耐久性イメージ形成材に形成されるが、これに反してインク18の粒状物は触媒反応を起こさず、洗浄あるいは拭き取りにより容易に除去される。
【0119】
図7Aは、静電荷可帯電印刷パターン方法(Electrostatic Chargeable Print Pattern Method)4を示す。新たな部分加工された材料(New Part Processed Material)21は、ポリエステルなどの非受容性基材14と予め印刷されたパターン12を有し、パターンには、好ましくは白色である、静電的に可帯電な第1層と、スクリーン印刷などの何らかの方法により印刷された、電荷を帯びた層とを有するものである。
【0120】
予め印刷された基材は、ロール25より巻き出され、静電筆記尖筆(electrostatic wriring Stylus)22を通過し、尖筆22は、トナー溜23の中の特定色の為に必要とされる潜在的な静電イメージを、予め印刷された部分のみに選択的に帯電させる。これにより、求められるデザインイメージ層19を、予め印刷されたパターンのみに形成し、基材14の中間部分を印刷されないままにする。
【0121】
他の形態に於いては、図7Bに示されるように、印刷パターンがカットされた自己接着性フィルム39により形成されるもので、理想的には基材ウェブの長さに沿って設けられるストライプ状に形成される。3M社のデスビニル(3M DES vinyl)のような自己接着性フィルム39は、直接的な静電イメージ形成に適し、可帯電層と受帯電層とを備える。トナーは、配置されたデザイン11A上に帯電されたストライプのみに引き付けられ、デザイン層11を形成し、中間基材14には引き付けられない。
【0122】
図8は染料昇華方法(Dye Sublimation Method)5を示し、白色バックグラウンドカラー層12が染色昇華イメージ形成に受容性のある被覆を備えるという点以外では、図3の熱転写方法に近似した要素をもつ。形成用熱エレメントアレイ17は、配置されたデザインの幅に相当する幅20に亘って活性化され、デザイン層11は、加熱ヘッド24を通過後、受容性被覆層12内に於いて提供層32から昇華される。
【0123】
他の実施形態は、同じく図8に示されるように、黒色層13が黒色の感圧性接着剤であり、白色バックグラウンドカラー層12が染料昇華受容性被覆を備える白色のpvcフィルムであり、印刷パターン形状にカットされるとともに基材14に付着される。基材14は透明かつシリコン被覆されたポリエステルである。
【0124】
図8Bと図8Cと図8Dは、デザイン層11の染料昇華印刷の、前記された段階と同等の段階を示している。
【0125】
図9は直接加熱方法(Dlrect Thermal Method)6と、写真の或いは他の感圧性材料によるイメージ形成方法(photographic or Other Sensitive Materials Imaging Method)7を示す。基材14が黒色層13と白色バックグラウンドカラー層12で選択的に被覆され、層12は配置されたデザイン25上にインプットされたエネルギーに受容性があり、デザイン25は、層12を配置されたデザインの範囲に亘って変化させ、層12内部のデザイン層11を形成する。
【0126】
他の実施形態に於いては、黒色層13が黒色接着剤であり、印刷パターン型にカットされ、シリコン被覆されたポリエステル基材14に写真イメージ紙12を接着している。
【0127】
他の実施形態に於いては、黒色層13が黒色接着剤であり、印刷パターン型にカットされ、透明なシリコン被覆された基材14に写真イメージ紙12を接着している。配置されたデザイン25上にインプットされる写真イメージエネルギーが、ダースト(DURST)のようなデジタル写真システムによって位置決めされるものである。写真イメージは、イメージ紙12上にのみ記録され、基材14の上部には記録されず、あるいは基材14のもう一方の面より見ることができず、それ故に英国特許第2165292号に係るパネルを形成している。
【0128】
図10Aは、クリアな透明の非受容性基材14を示し、基材14はクリアな透明第一層15により部分的に覆われ、層15は逆向き印刷層11に受容性のあるもので、層11はここに開示するいづれかの方法により形成されたものである。
【0129】
図10Bは、白色バックグラウンドカラー層12を示し、層12は、熱転写印刷などの、ここに開示する差別化された受容性のいづれかの方法により形成された層である。図10Cは、二つのバックグラウンドカラー層12と13をもつ製品を示し、層12と層13は個々に配置されたか、あるいは例として英国特許第2165292号に関連するパネルの形成のような、ともに受容性のある層15と11の上に一緒に形成された色素含有樹脂の2つの層とすることもできる。デザイン11は、透明基材14と透明層15を通して見ることができる。図10Dは、英国特許第2165292号に係るパネルを示し、該パネルは、デザイン層11を有し、層11は透明基材14と透明層15を通して見ることができ、パネルの反対側から見ることのできる異なるデザイン37を備えている。デザイン層11の差別化された受容性を伴う印刷の後、中間の白色バックグラウンドカラー層12と黒色層13は、個々に形成され、あるいは相互に、加熱されたローラを通じた担持体からの熱転写によって、1つの箔上に形成される。デザイン層37はその後、熱転写などの差別化された受容性を付与する方法の中のいづれか一つにより、形成される。
【0130】
図11は、カットフィルムを持つ基材14の断面を示し、該基材は典型的にはストライプ状であり、印刷パターンを形成する。図11Aに示すように、ビニルフィルム製の支持面形成材33と自己接着性層35はストライプ状の印刷パターンを形成するようカットされ、非受容性基材14上に配置される。図11に断面を示したすべてのものでは、基材14は、フィルム、あるいは布状素材でもよく、あるいは基材14自身が自己接着性フィルムアッセンブリでもよく、あるいは除去可能なライナでもよく、これらは窓あるいは他の支持体にストライプを配置させるのを容易にする。ビニルフィルム製の支持面形成材33は、それ自身が受容性があるか、あるいは図11B中のデザイン層11に受容性のある被覆を備えたものとされ、層11はここに開示されたいづれか一つの方法によって形成されたものである。
【0131】
図11Cと図11Dは、非受容性基材14が、非受容性支持面形成材73と、感圧性接着層75と、剥離ライナー76を備えた自己接着性アッセンブリ71に置き換えられている点を除いては、図11Aと図11Bに近似するものである。
【0132】
配置されたデザイン11Aはビニルフィルム製の支持面形成材33上にデザイン層11を形成し、印刷パターンを形成するが、それらの間にある73の表面上には形成しない。図11Eではカットフィルムストライプ33が印刷パターンを形成するとともに、熱ラミネートあるいはその手段により、基材14に接着されている。図11Fは、カットフィルムストライプ33に選択的に形成されたデザイン層11を示す。図11Gと図11Hは、他のカットされたフィルムストライプを備える非受容性基材14を示し、一つあるいはそれ以上の改良型精密整合印刷方法(Improved Exact Registration printing methods)に受容性のある印刷パターンを形成するものである。図12Gでは、感圧性接着剤35を備えた黒色ポリエステルフィルム81にラミネートされた白色ビニル支持面形成材33のストライプが、基材14に形成されている。図11Hでは、83はクリアな透明ビニル製の支持面形成材であり、典型的には逆向き印刷デザインを受容することを目的としている。図11Iでは、写真紙85は黒色被覆87を備えるとともに、ストライプ状にカットされ、基材14に接着されている。
【0133】
図12Aは、カットされた感圧性接着剤を伴う基材を製造する為の装置の断面図である。43は自己接着性アッセンブリ45の為の巻き出しローラであり、51はシリコン被覆された剥離性ライナ38のための巻き出しローラであり、ローラ53で方向を変えられている。自己接着性アッセンブリ45は、剥離性ライナ36とともに、硬質ローラ47とニップローラ46の間を通過し、硬質ローラ47の周りを巻回し、自己接着性アッセンブリをカットする精密基礎カットローラ(precision ground cutting roller)49へと至る。該ローラ49は、剥離性ライナ36を残して自己接着性アッセンブリをカットし、一般的に2〜6mm幅の細いストライプとする。ニップローラ55では、ストライプが交互に、剥離性ライナ36から剥離性ライナ38上に移動され、巻き込みローラ59上へ移動する自己接着性ストライプ57を備える基材を形成する。剥離性ライナ36上に残っているストライプは、自己接着性ストライプ63を備える基材を形成し、巻き込みローラ61に巻きっけられる。
【0134】
図12Bは自己接着性アッセンブリ45を示し、剥離性ライナ36と、感圧性接着層35と、白色のpvc製の支持面形成材33を備える。図12Aのカットローラ49は、支持面形成材33と感圧性接着層35とを表面細断(face-slit)するが、剥離性ライナ36をそのままにする。図12Cは最終製品57を示し、基材38に、印刷パターンを形成する感圧性接着層35と印刷パターンを形成する白色のpvc製の支持面形成材33を備えたものである。図12Dは、白色pvc製支持面形成材33に形成されたデザイン層11を示し、層11は改良型精密整合印刷方法(Improved Exact Registration printing methods)のいづれかひとつにより形成され、シリコン被覆された基材38の中間にはイメージが存在しないものである。例えば、デザイン層11は静電転写方法(electrostatic transfer method)によりイメージ付けされる。
【0135】
図12Eは、シリコン被覆された剥離性ライナ36と白色感圧性接着層35を備えている、他の自己接着性アッセンブリ45を示す。図12Aのカットローラ49は、感圧性接着層35を背面細断(back-slit)するが、剥離性ライナ36は背面細断しない。ニップローラ55では、感圧性の接着性ストライプは、交互に剥離性ライナ36から剥離性ライナ38に除去され、製品57を形成する。図12Fは、基材38上に感圧性接着ストライプ35を備えた製品57を示す。図12Gは、白色感圧性接着剤35上に形成されたデザイン層11を示し、層11は改良型精密整合印刷方法(Improved Exact Registration printing methods)のいづれかひとつにより形成され、シリコン被覆された基材38の中間にはイメージが存在しないものである。例えば、デザイン層11は静電転写方法(electrostatic transfer method)によりイメージ付けされる。
【0136】
図12Hは、図12Aの38より形成された、他の製品57を示し、製品57は基材42と印刷パターンを決定する印刷された白線12を備えるものである。
【0137】
黒色の感圧性接着ストライプ35は、図12A中のニップローラ55で剥離性ライナ36より形成され、白線12と一致してこれを覆う。図121で完結する分離の過程では、剥離性ライナ44が感圧性接着ストライプ35上に配置される。
【0138】
図12Jでは、改良型精密整合印刷方法(Improved Exact Registration printing methods)のひとつにより、デザイン層11は白線12上に配置されるが、中間基材38上には配置されない。図12Kに於いて、剥離性ライナ44は除去済みであり、感圧性接着層35は窓46上に配置され、英国特許第2165292号に係るパネルを形成する。差別化された受容性を備える印刷デザインの利点について前記されてきたのと同様に、黒色ストライプ35の間の窓46を通して見られる像は、連続した接着剤の層を備える、先行技術による感圧性印刷製品の場合と同様に、接着層による歪みが全くない。基材38と感圧性接着層35の間の接着力は、窓46と感圧性接着像35の間の接着力よりも大きいので、必要に応じて、窓から接着剤付き製品を容易に除去できる。上記の方法のいづれにおいても、本発明の特定の実施形態に適合させる為には、基材は平らでも、湾曲していても、成形されていてもよい。
【0139】
本発明は上記の特別な実施形態に制限されず、さまざまな変化と修正が施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、従来の部分的に印刷された基材の断面であり、図1Aは、図1の印刷基材の、矢印Aで示す方向の平面図、図1Bは、図1の基材の、矢印Bで示す方向の底面図である。
【図2】図2A〜図2Cは、改良された正確な整合の実施形態を示す印刷基材の断面である。
【図3】図3A〜図3Dは、熱転写差別化接着方法1を示す印刷基材の断面である。
【図4】図4Aおよび図4Bは、静電転写差別化接着方法2を示す、印刷基材の断面である。
【図5】図5Aおよび図5Bはインクジェット差別化接着方法3を示す断面である。
【図6】図6A〜図6Cは、触媒インクジェット法を示す断面である。
【図7】図7Aは、静電荷電式印刷パターン方法4を示し断面であり、図7Bは、この方法のための基材の断面を示す。
【図8】図8A〜図8Dは、染料昇華方法を示す断面である。
【図9】図9A〜図9Cは、直接熱イメージ形成法、写真イメージ形成法および他の感作材イメージ形成法を示す図である。
【図10】図10A〜図10Dは、クリア基材上に反転印刷されたデザインを示す断面である。
【図11】図11A〜11Iは、プリントパターンを形成する切り取りフィルムのストライプを有する基材を示す断面図である。
【図12】図12A〜12Kは、感圧接着剤の作成および利用方法を示す断面である。
【符号の説明】
【0141】
1 透明基材
2 カラー層
3 第二のカラー層
11 デザイン層
11A 配置されたデザイン
12 バックグラウンドカラー層
13 黒色層
14 基材
21 基材
25 配置されたデザイン
33 カットフィルムストライプ
35 感圧性接着層
36 剥離性ライナ
38 基材
44 剥離性ライナ
45 自己接着性アッセンブリ
81 黒色ポリエステルフィルム
83 支持面形成材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材にイメージを付与する方法であって、印刷パターンを形成する第1の層を設け、該印刷パターンの領域の内側及び外側の双方で前記基材に、配置されたデザインを施すステップを備えており、前記印刷パターン内において、前記配置されたデザイン部分が、少なくとも1つのデザインカラー層を備えたデザイン層を形成する耐久性イメージ形成材とされ、前記印刷パターン外において、前記配置されたデザインは耐久性イメージ形成材とはされず、前記少なくとも1つのデザインカラー層はデジタル印刷法で形成され、前記印刷パターンの領域全体には延びていないことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−182074(P2007−182074A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341639(P2006−341639)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【分割の表示】特願平10−519068の分割
【原出願日】平成9年10月24日(1997.10.24)
【出願人】(505121604)コントラ ヴィジョン リミテッド (5)
【Fターム(参考)】