基板アンテナ
【課題】ダウンサイズされた無線機器に、弾力的に内蔵することができるアンテナを提供する。
【解決手段】所定の厚みを有する誘電体基板404の上に支えられている、1本あるいはそれ以上の導電体のトレース402から成る基板アンテナは、使用する波長と、接続されている素子と、割り当てられてるスペースとに基づいて、トレースの長さと幅は適切な寸法が選択される。アンテナが使用される装置と連動する支持基板404は、一般的に接地面502からずらされてまた接地面502に垂直に取り付けられている。トレース402は、導電パッドに一端で電気的に接続され、アンテナへの信号供給装置410は、導電パッドに接続されている。
【解決手段】所定の厚みを有する誘電体基板404の上に支えられている、1本あるいはそれ以上の導電体のトレース402から成る基板アンテナは、使用する波長と、接続されている素子と、割り当てられてるスペースとに基づいて、トレースの長さと幅は適切な寸法が選択される。アンテナが使用される装置と連動する支持基板404は、一般的に接地面502からずらされてまた接地面502に垂直に取り付けられている。トレース402は、導電パッドに一端で電気的に接続され、アンテナへの信号供給装置410は、導電パッドに接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線装置のアンテナに関し、特に、基板に取り付けられているアンテナに関する。本発明は、更に、特に改善された寸法と、接続と、周波数帯と、また放射特性を有する無線装置用の内部アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナは、無線通信機器とシステムの重要な構成部品である。アンテナは色々な形とサイズで利用できるが、各々は、同じ電磁波原理に基づいて作動する。アンテナは、導波と自由空間波との間或いはその反対の間の遷移分野を結合する構造物である。一般原則として、開かれている送信線に沿って移動する導波は、電磁波として知られる自由空間波として放射される。
【0003】
近年、携帯と移動セルラと個人通信サービス(PSC)電話のような個人無線通信機器の増加とともに、このような通信装置のための便利な小型アンテナに対する需要が増大している。集積回路とバッテリー技術の最近の発展で、過去数年間に、このような通信装置のサイズと重量を大幅に減らすことができるようになった。サイズの縮小が求められている一つの分野は、通信装置のアンテナである。これは、アンテナのサイズが、装置のサイズを減らす面で重要な役割を果たしているという事実によるものである。更に、アンテナのサイズと形は、装置の美観と製造コストに影響を与える。
【0004】
無線通信機器のためのアンテナを設計するのに当たって考慮を払わなければならない重要な一つの要素は、アンテナの放射パターンである。一般の適用に当たって、通信装置は、他のそのような装置あるいは基地局、ハブ、あるいは装置からどんな方向にも置くことができる衛星と通信できなければならない。従って、このような無線通信機器のためのアンテナが、ほぼ全方向放射パターンか、あるいは現地の水平線から上に伸びるパターンを有していることが不可欠である。
【0005】
無線通信機器のためのアンテナの設計に当たって、考慮に入れなければならない重要な要素は、アンテナの周波数帯域幅である。例えば、PCS通信システムと共に使用される電話のような無線装置は、1.85−1.99GHzの周波数帯域で操作されるので、使用できる周波数帯域幅の7.29パーセントが必要である。一般的なセルラ通信システムのために使用される電話は、8.14パーセントの帯域を必要とする824−894MHzの周波数帯域を超えて動作する。従って、これらのタイプの無線装置で使用されるアンテナは、適切な帯域の必要条件を満たすように設計する必要があり、そうでないと、通信信号は、著しく減衰する。
【0006】
無線通信機器に一般的に使用されているタイプのアンテナが、ホイップアンテナであり、このアンテナは、使用していないときは、装置の中に引っ込めることができる。しかし、ホイップアンテナにはいくつかの欠点がある。しばしば、ホイップアンテナは、使用するために伸ばした時や、又は引っ込められているときでさえ、物や、人やあるいは表面に当たって破損することがある。この様な破損を最小限度にするために、ホイップアンテナを引っ込み式に設計しても、装置の全体の寸法わたることになり、最新技術の特徴や装置の一部の回路の設置に影響を及ぼす。また引っ込められたときの最少限度の装置を納めるための、望ましいものより大きいハウジングが必要となる。
【0007】
ホイップアンテナは、しばしば短いヘリカルアンテナと共に使用され、このヘリカルアンテナは、ホイップアンテナが電話に引っ込められたときに、起動させられる。ヘリカルアンテナは、よりコンパクトな空間で、同じ放射長を有し、適切な放射カプリング特性を保っている。ヘリカルアンテナは、更に短くなっているが、それでも無線装置の表面からかなり突起しており、美観を損ね、他の物体と接触する。この様なアンテナを無線装置の中に納めるには、大きな体積を要し、好ましいことではない。
【0008】
無線通信機器に適当と思われるもう一つのタイプのアンテナは、コンフォーマルアンテナアンテナである。一般的に、コンフォーマルアンテナは該アンテナが取り付けられる表面の形をなぞり、一般的に姿を殆ど表さないアンテナである。コンフォーラムアンテナには、パッチや、マイクロストリップや、ストリップラインアンテナのような種々の異なるタイプがある。マイクロストリップ・アンテナは、特に最近個人用通信機器に使用されている。
【0009】
例えば、無線通信機器に使用するのに適していると思われるアンテナのタイプの一つは、「逆F型」アンテナであるが、該アンテナには、いくつかの欠点がある。該アンテナは、サイズが、望んでいるものより大幅に大きくなり、また周波数帯域幅が低くなり、また好ましい全方向放射パターンが不足している。
【0010】
用語が示唆しているとおり、マイクロストリプ・アンテナは、パッチあるいはマイクロストリップ・素子から成り、該アンテナは、一般的に、ラジエータパッチを指す。マイクロストリップ・素子の長さは、たとえば800MHzあるいは1900MHzのような関連する周波数に整合するように選択される共振周波数f0に連動する波長λ0に比例して設定される。一般的に使用されているマイクロストリップ・素子の長さは、半波長(λ0/2)と四分の一波長(λ0/4)である。一部の限られたタイプのマイクロストリップ・アンテナが、無線通信機器に最近使用されているが、いくつかの分野で、更なる改善が求められている。更なる改善が求められている一方は、全体的なダウンサイジングである。大幅な改善が求められている他方は、周波数帯域幅である。現行のパッチあるいはマイクロストリップ・アンテナの設計は、大部分の実用的サイズの通信システムを使用するのに必要な、好ましい7.29から8.14パーセントあるいはそれ以上の周波数帯域幅特性を得ているとは思われない。
【0011】
従来のパッチとストリップ・アンテナは、更に、大部分の無線機機の中で、広い接地面付近に置かれたときに現れる問題を抱えている。接地面は、共振周波数を変えることがあり、製造された設計を反復できない可能性がある。更に、“手に乗せられた”、即ち、ユーザーの手の位置が、アンテナに近いと、共振周波数とアンテナの性能を劇的に変える。
【0012】
放射パターンは、前記で説明されているとおり、通信リンクを確立するためのみならず、無線機器ユーザーに対する政府の放射基準に関連して非常に重要である。放射パターンは、最少限度の放射量を機器のユーザーにより吸収できるように制御されるかあるいは調整されるようにしなければならない。無線機器ユーザーの付近で許される放射量に対して設定された政府の基準がある。これらの規則の一つの影響は、ユーザーが理論的な放射に曝されるので、内部アンテナを無線機機の中の多数の場所に置くことができないと言うことである。しかし、前記のとおり、他の場所で現行のアンテナを使用するとき、接地面と他の構造物が、しばしばアンテナの有効的な使用を妨害する。
【0013】
従って、最終ユーザーに対する、最新の放射必要条件をより多く満たす放射パターンを有する無線機器内部アンテナの構造を達成するためには、アンテナを製造するための新しいアンテナ構造と技術が必要になる。同時に、内蔵に対してより導電性を大きくして、無線機器の中で、より弾力性のある構成部品の位置決めと、大幅に改善された美観と、また現在以上のアンテナの破損防止策を提供しながら、アンテナを、最新通信システムの周波数帯域幅とカップリング効率に対する要求に答えるようにする必要がある。
【発明の概要】
【0014】
無線機器の内部アンテナに関する技術の中で発見された前記と他の問題に鑑み、本発明の第1の目的は、ダウンサイズされ、無線機器により弾力的に内蔵することができるアンテナを提供することである。
【0015】
本発明の第2の目的は、性能を低下させることになる、無線機器のユーザーとアンテナの間の相互作用を減らすことである。
【0016】
本発明の一つの利点は、無線機器の中に内蔵できるように、物理的に変形可能な支持基板を提供していることである。
【0017】
その他の利点は、無線機器の中でアンテナを接続して設置するための手作業と時間を削減し、また該目的に必要なケーブルとコネクタの数を削減することである。
【0018】
これおよびその他の目的、目標と利点は、所定の厚みを有する誘電基板の上に支えられている1本あるいはそれ以上の導電線から成る、無線機器で使用するための基板アンテナを実現することである。無線機器に対する関連する波長と、割り当てられた空間に基づくトレースの長さと幅に応じて、適切な寸法が選択される。該支持基板は、アンテナを使用するための機器の中の回路と構成部品に関連している接地面からずらされてまた接地面に対して垂直に取り付けられている。即ち、該基板は、接地面端に隣接して取り付けられており、接地面から90度未満ずらされている面を有している。該基板の位置は、接地面の直接上でも下でもない。
【0019】
トレースは、該トレースの一方の端で電気的に導電パッドに接続されており、該一方の端は、アンテナのための信号給電装置に接合されている。導電パッドが、使用されているので、信号給電装置は、導電のスプリング圧が掛けられているか、スプリングか、あるいはクリップ・タイプの装置から成り、該装置で、該導電パッドに対する圧力をとおして電気的接触が形成されている。該構造で、ボードが、無線機器の中に設置されときに、ケーブルあるいは手によるコネクタのようなものの設置無しで、アンテナに対して自動的な接触を行うことができる。
【0020】
基板アンテナには、非常に薄くてコンパクトな構造が使用されており、該構造が、適切な周波数帯域幅を提供している。アンテナのコンパクト性とより多様な使い易い形態で、基板アンテナを、無線機器の内部アンテナとして非常に効率的に利用することができる。ハウジングの中の、多数の起こる可能性がある干渉特性あるいは構造にもかかわらず、該アンテナを、機器のハウジングの中の有利な所に置いて、スペースを活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の斜視図。
【図2】ホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の側面図。
【図3】もう一つのホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の斜視図と側面図。
【図4】例としての内部回路を有する図2の電話の側面図。
【図5】例としての内部回路を有する図2の電話の後面断面図。
【図6】例としての内部回路を有する図3の電話の側面断面図。
【図7】本発明の実施形態の一つに従った基板アンテナ。
【図8】本発明を使用している図2の電話の側面断面図。
【図9】本発明を使用している図2の電話の後面図。
【図10】本発明を使用している図2の電話の側面図。
【図11】本発明の代案としての実施形態の図8の電話の側面断面図。
【図12】本発明の複数の代案としての実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、別添の図を引用して説明されており、該諸図面の中で、同じ参照符号が、一般的に同じか、機能的に同様か、あるいは構造的に同様に素子を示しており、該図面の中で、初めに記載されている素子が、参照番号の左の端の桁で示されている。
【0023】
逆F型のアンテナのような従来のマイクロストリップ・アンテナは、個人通信機器を使用不能にする可能性が潜在するようなある種の特性を有している一方で、セルラとPCS電話のような無線通信機器の中で、このタイプのアンテナを便利にするために、この分野で、まだこれ以上の改善が必要である。更に改善が求められている分野は、周波数帯域幅である。一般的にセルラ電話では、満足がいくように動作するためには、実用的なサイズのマイクロストリップ・アンテナで得られるより大きな周波数帯域幅を必要とする。
【0024】
更に改善が求められるもう一つの分野は、マイクロストリップ・アンテナのサイズである。例えば、マイクロストリップ・アンテナのダウンサイジングで、無線通信機器の使用に当たって、よりコンパクトで、美観を持たせたものとすることができる。事実、このことは、該アンテナを無線通信機器に使用できるかできないかを左右する可能性がある。従来のマイクロストリップ・アンテナのダウンサイジングは、使用されている誘電体基板の厚みを減らすか、あるいは比誘電率の数値を増やして、必要な長さを短縮することで行うことができるかもしれない。しかしこれは、アンテナの周波数帯域幅を減らし、その結果、無線通信機器にあまり向かないという好ましくない効果を有する。
【0025】
その上、更に、パッチラジエータのような従来のマイクロストリップ・アンテナの磁界のパターンは、一般的に指向性である。大部分のパッチラジエータは、アンテナの現地の水平に対して上半球でのみ放射する。このパターンは、機器の運動と共に移動するか、あるいは回転して、送受信電波到達範囲の中で、好ましくない穴を作り出す可能性がある。従って、マイクロストリップ・アンテナは、多数の無線通信機器の使用に当たって、好ましいものではなかった。
【0026】
本発明は、前記と他の問題の解決を提供する。本発明は、無線通信機器の使用に当たって好ましい他の特性を保持しながら、他のアンテナ設計より優れた周波数帯域幅とダウンサイジングを提供する基板アンテナに的を絞っている。本発明の該基板アンテナを、携帯電話のような無線あるいは個人通信機器の助面の近くに構築するか、無線機器の中のI/O回路や、キーボードなどのような他の素子に隣接するかその後ろ側に取り付けることができる。該基板アンテナを、またハウジングのプラスチック成型のときに埋め込むか、あるいは無線機器の表面に直接構築することができる。
【0027】
ホイップあるいは外部のヘリカルアンテナとは異なり、本発明の基板アンテナは、物体あるいは表面に当たることによる破損の影響を受けない。このアンテナは、最新の機能と回路に必要な内部の空間を喰わず、また引っ込められたときの大きなハウジングの寸法を必要としない。本発明の該基板アンテナを、オートメーションと最少の手作業で製造することができるので、コストダウンと信頼性の向上が可能である。更に、該基板アンテナは、ほぼ全方向のパターンを放射するので、多くの無線通信機器に適している。
【0028】
広義には、本発明を、個人通信機器、無線電話、無線モデム、ファックス装置、携帯コンピュータ、ポケベル、メッセージ同報受信機等のような如何なる種類の無線機器にも使用できる。このような環境の一つが、セルラPCSあるいは他の商用通信サービスのために使用される携帯無線電話である。該当する種々のハウジングの形態を有する各種の該無線電話は、公知の技術である。
【0029】
図1から図3は、前記で解説されているセルラとPCSシステムのような無線通信システムに使用される典型的な無線電話を示している。図1と図2の中で示されている電話は、「クラムシェル」型あるいは折り畳み式タイプの電話であるのに対して、図3(a)と図3(b)の中で示されている電話は、典型的な長方形あるいは「バー」型電話である。これらの電話は、前記で解説されているとおり、セルラとPCSシステムのような無線通信システムに使用される典型的な無線電話である。これらの電話は、多数の種類の無線機器と電話があるので、図示を目的として使用されたものであり、本発明が使用することがある、これらと他のタイプあるいはスタイルから成る関連する物理的形状は、下記の解説から明らかとなる。
【0030】
図1と図2に、ホイップアンテナ104とヘリカルアンテナ106を支持する主ハウジングあるいは本体102を有する電話100が、示されている。アンテナ104は、一般的に、正しい動作に必要としないが、伸ばされたときにアンテナ106と共有する共通中心軸に取り付けられている。これらのアンテナは、関連する周波数、あるいは特定の無線機器に使用される周波数に合わせた長さで製造される。該特定の設計は、公知であり、関連する技術で理解される。
【0031】
ハウジングの前面102が、スピーカー110と、表示パネルあるいは画面112と、キーボード114と、マイクあるいはマイク開口部116と、またコネクタ118を支えて示されている。図2において、アンテナ104は、無線機器の使用時には伸ばされた位置にあるが、図1でのアンテナ104は、ハウジング102に引っ込まれた位置で示されている。
【0032】
図3(a)と図3(b)において、電話100と同じ方法で、ホイップアンテナ204とヘリカルアンテナ206を支持する主ハウジングあるいは本体202を有する電話200が示されている。ハウジングの前面200が、スピーカー210と、表示パネルあるいは画面212と、キーボード214と、マイクあるいはマイク開口部216と、またコネクタ118を支えて示されている。図3(a)において、アンテナ204は、伸ばされた位置にあるが、図3bでのアンテナ204は、ハウジング202に引っ込まれた位置で示されている。
【0033】
前記で解説されているとおり、ホイップアンテナ104と204には、いくつかの欠点がある、その一つは、使用のために伸ばされたときに、他の物品あるいは表面に引っ掛かって破損を受けやすいことである。該アンテナ104と204は、また、バッテリーのような電源を含む最新の特性と回路のための構成部品の配置が、制約されて、弾力性を減らすような方法で内部のスペースをとる。その上、該アンテナ104と204には、引っ込められたときに、容認できない程大きな最低限度の収納寸法が必要である。代案として、引っ込められたときにサイズを小さくするために、該アンテナ104と204を、伸縮自在の部分が付いた形態とすることができるが、一般的に、美観を損ね、より弱そうであるか不安定であるか、あるいは扱い難いようにユーザーから見られる可能性がある。アンテナ106と206も、また使用中に他の物品あるいは表面に引っ掛かって破損を受けやすく、電話のハウジング102と202の中にそれぞれ引っ込めることができない。
【0034】
本発明の利用は、分かり易くするための便宜上、例示としての無線電話の意味で説明されているが、これは、本発明を、該例示環境に限定することを意図するものではない。下記の説明を読んだ後で、当業者にとって、代案としての環境で、本発明を実施できる方法が、明らかとなるはずである。事実、本発明は、これらに限定されるわけではないが、ポケベル、携帯ファックス、無線通信機能が付いた携帯コンピュータのようなその他の無線通信機器に利用できることは明らかである。
【0035】
これらの電話の各々は、一般的に、種々の必要な機能を実施するための1枚あるいはそれ以上の回路基板により支えられている種々の構成部品を有している。図4から図6は、典型的な無線電話の一般的な内部の構造を図示するのに使用されている。図4は、ハウジング102の中の回路あるいは構成部品を支える方法を見るために、側面から見た図2の電話の断面図を示している。図5は、一般的にハウジング102の中にある回路と構成部品の関係を見るために、キーボードから背面、裏側から見た同じ電話の切取り断面図を示している。図6は、側面から見た図3(b)に示された電話の断面を示している。
【0036】
図4と図5において、回路基板302が、集積回路あるいはチップ304と、抵抗器とキャパシタのような離散構成部品306と、また種々のコネクタ308のような種々の構成部品を支えているハウジング102の内側に示されている。パネル表示装置とキーボードは、一般的に、回路基板302の裏側に取り付けられており、ワイヤーとコネクタ(図示されていない)が、スピーカー、マイク、あるいは同様の素子を回路基板302の回路に接続している。アンテナ104と106の位置は、一方の側に配置され、この目的のための特殊なワイヤーコネクタとクリップを使用して、回路基板302に接続されている。
【0037】
一般的に、ハウジングの中に回路基板と他の構成部品を取り付けるために、所定の数の支柱あるいは支持台310が、ハウジング102の中に使用される。射出成型プラスチックで成型するときのように、これらの支柱を、ハウジングの一部として形成したり、あるいは接着剤あるいは他の公知の機構で所定の場所に取り付けたりすることができる。更に、ハウジング102の一部を互いに固定するために、一般的に、ネジ、ボルト、あるいは同様のファスナー313を受け入れるために使用される1本あるいはそれ以上の固定柱312がある。即ち、ハウジング102は、多数の部品、あるいは主本体部分と電子部品を覆うカバーを使用して製造される。固定柱312は、ここで、ハウジング部分を互いに固定するための素子313を受け入れるために使用される。本発明は、各種の支柱310あるいは312を容易に受け入れるか、あるいはそれを見込みながら、なおかつ、非常に効率的な内部アンテナの設計を提供する。
【0038】
図5の拡大図の中で見ることができるように、回路基板302は、一般的に、複数の導電体と誘電体基板が交互接着されて、かなり複雑な回路の相互接続構造を形成する多層回路基板で製造されている。この基板は、公知の技術である。全体的な構造の一部として、基板302は、最も底の表面上に、あるいは中間位置で基板の中に埋め込まれた、少なくとも1枚、場合によってはそれ以上の接地層あるいは接地面を有している。
【0039】
出願人は、これが、いずれかのアンテナ104、106、204あるいは206と、無線機器に対する放射パターンを形成している接地面との相互作用であることを発見した。該アンテナは、有効に、接地面を励磁する。即ち、ホイップあるいはヘリカルアンテナの中の導電材と、また空中に放射されて通信信号を形成する電磁波を生成する接地面との間に向けられた電流がある。これが、無線機器により受信された着信信号を受信する組合せである。これと他の理由で、出願人は、大きくて役に立たないアンテナを、無線機器の接地面に対して位置が適切であることを条件として、より小さくてコンパクトなアンテナ素子に取り替えることができることを発見した。
【0040】
出願人以外の他の者が、内部のアンテナ位置を作り出すのに当たって、接地面上の、特に一定量のシールドを必要とするアンテナ放射素子を試みていることが分かっている。残念ながら、これは、アンテナに対する、通常のセルラとPCSに使用するために充分な作動用周波数帯域幅との低い損失の整合を作り出すことに失敗する結果となった。すなわち、結果として、該アンテナは、効率が大変低く、また利得が低く、しばしば利得を約6dBそこら減らす。
【0041】
本発明の実施形態の一つに従って構築され、また操作される基板400は、図7の(a)から(c)に示されている。図7(a)と図7(b)において、基板400は、導電トレース402、またストリップあるいは伸延された導電体として引用されるものと、誘電体支持基板404と、信号給電領域406とから成る。導電トレース402を、電気的に互いに直列に接続して、好ましいアンテナラジエータの構造を形成する2以上のトレースとして、製造したりあるいはみなすことができる。トレース402は、基板404の一端かそれに隣接する信号給電領域406の中の導電パッド408に電気的に接続されている。
【0042】
基板404は、使用に適していると知られている回路基板あるいは可撓材のような誘電材あるいは基板で製造されている。例えば、小型のガラス繊維をベースとするプリント配線基板(PCB)を、使用することができる。各種の材料を、該基板の製造のために入手することができる。一般的に市販の、ガラス繊維、フェニール、プラスチック、あるいはその他のプリント配線基板あるいは基板材料を、使用することができる。薄い基板を使用する必要は無いが、該基板は、変形性を有し、また所定の場所に取り付けることができると言う利点を提供する。非常に薄いガラス繊維で強化されたテフロン(登録商標)のシートを、大きく曲げたり撓めるために好ましい、非常に薄い基板に使用することができるが、そのような薄い材料は、アンテナの特性が、電話の運動で変化するのを防ぐのに充分な支持強度を提供しない恐れがある。電子機器とアンテナ設計の当業者は、好ましい誘電特性あるいはアンテナの周波数帯域幅特性を基礎とする、適切なアンテナ基板を入手することができる種々の製品について熟知している。
【0043】
基板は、ここではトレースであるアンテナラジエータ素子を、支持と、また他の導電面から間隔を空けるか、あるいは手あるいは他の放射吸収あるいは相互作用材料(ティッシューのような)から最少の間隔を提供する手段としての役割を果たす。
【0044】
該トレースは、例えば、アンテナ素子を製造するのに便利なものとして知られている、銅、真鍮、アルミ、銀あるいは金又は他の導電材料のような導電材料から製造される。該材料には、基板の役割を果たす、プラスチックあるいは導電エポキシに埋め込まれている導電材料が含まれる。
【0045】
トレース(複数を含む)を、これに限られるわけではないが、誘電あるいは絶縁基板の標準の導電材の光エッチング、メッキあるいは基板の上の他の導電体の蒸着、あるいは、接着剤のようなものによる支持基板の上の薄い金属のプレートのような導電材の配設ような、複数の既知の技術の一つを使用して蒸着させることができる。更に既知の塗布あるいは蒸着技術を、金属あるいは導電材料をプラスチック支持素子あるいは形状を変えることができる基板に蒸着するために使用できる。
【0046】
トレース402の長さは、一義的に基板アンテナ400の共振周波数を決める。該トレース402、あるいは一連の接続されているトレースのサイズは、特定の作動周波数に適するようになっている。アンテナを構成するために使用されるトレースは、関連する周波数に対して、約1/4有効波長(λ)である導電素子を提供するように蒸着される。当業者であれば、インピーダンスを対応する送信あるいは受信回路に整合させる目的で、λ/4より長さをやや小さくか、大きくする利点が分かるはずである。更に、下記に解説されている、露出しているケーブル、ワイヤーあるいはクリップのような接続素子は、アンテナの全長に影響を与えるので、公知のとおり、トレースの寸法を選ぶときに考慮に入れられる。
【0047】
2以上の周波数で通信できる無線機器に、基板アンテナ400が使用される場合は、トレース402の長さは、周波数の関係に基づいている。即ち、多重周波数が、波長の分数関係であることを条件に、多重周波数を受け入れることができる。例えば、1個の周波数のλ/4の長さが、第2の周波数に対して、3λ/4、あるいは2λ/2に対応している。多重周波数に対して単一のラジエータを使用するためのこのような関係は、公知の技術で良く理解される。
【0048】
トレース(複数を含む)402は、横断電流あるいはモードを最低限度に抑えるかあるいは予防して、最少アンテナサイズ(厚み)を維持するために、通常波長のおおよそ小さい分数である。選択された数値は、アンテナが、従来のアンテナ技術で公知のとおり、作動しなければならない周波数帯域幅を基礎とする。トレース(複数を含む)402の幅も、またより高次のモードが、励起されないために、誘電基板材料の中の波長位以下である。
【0049】
トレース402の全長は、約λ/4であるが、トレースを、元々やってきた方向に沿って伸ばして戻すために、折り畳まれたり、曲げられたり、そうでなければ、方向を変えたりすることがあり、そのためにアンテナ構造物が、λ/4よりずっと短くなることに留意しなければならない。比較的薄い支持基板と組み合わされた薄い導体の寸法と、λ/4以下の長さで、従来のストリップあるいはパッチアンテナと比較して、アンテナの全体の大幅なダウンサイジングが可能であり、該構造で、個人通信機器の使用に対して好ましいものとすることができる。例えば、該寸法を、一般的に、正常に作動させるために少なくともλ/4の寸法としている、従来のマイクロストリップ・アンテナの接地面と比較する。
【0050】
図7(a)と図7(c)の中で示されているとおり、導電パッド408の位置は、信号給電領域406の中にあり、トレース402に電気的に接続されている。一般的に、パッド408とトレース402は、必ずしも必要とするわけではないが、同じ製造技術を使用して、同じ材料で、場合によっては、単体あるいは単一構造物として形成される。パッド408は、信号を転送するために、アンテナのインピーダンスあるいは性能に悪影響を与えないで、単に電気的にトレース402と接触させるだけで済む。
【0051】
いくつかの構造において、トレースが、回路基板と信号源あるいは受信機に対面しており、他の構造において、基板から離されて面していることもある。後者の状況の中で、導電パッド408の位置は、基板の回りに伸ばされているワイヤーあるいは他の導体を必要とせずに、回路基板から直接受け入れることができるようにするために、基板の裏側にある。多くの適用の中で、より複雑な接続と設置手続きを必要とするので、これは好ましくない。従って、図7(c)に示されているとおり、第2接触パッド410を、基板の裏側に使用し(図8の中で見られるように)また基板を経由して信号を転送するために導体バイアスを使用することができる。
【0052】
信号転送給電装置は、パッド408(と410)を使用して、基板アンテナ400に接続されている。導電パッド408(と410)を使用することで、アンテナを設置して、従来の技術の“スプリングタイプ”あるいはスプリング圧がかかった接触子あるいはクリップ経由して、便利な電気的接続と信号転送を提供する方法で操作することができる。この構造で、別注のコネクタによる手作業による設置、あるいは手で接触構造物の中にアンテナを挿入することを省くことで、無線機器の構築と製造を簡素化する。該タイプの電気的接続は、また、必要に応じて、あるいは修理のために、あるいは無線装置のグレードアップあるいは他の周波数に変更するために、アンテナを、再ハンダ付け、あるいは特別のコネクタ、その他を必要としないで、容易に交換できることを意味する。前記に解説されているとおり、スプリング接触は、アンテナあるいはアンテナラジエータ(トレース)の全長に寄与し、またトレースの寸法を選択するときに考慮に入れなければならない。
【0053】
信号給電装置は、信号処理装置、あるいは回路基板302上の回路(特に図示されてない)から信号を、基板アンテナ400に接続する。“回路”が、全て公知の、一般的に、受信機と、送信器と、増幅器と、フィルターと、トランシーバ等を含む公知の信号処理回路により提供される機能を指すように使用されていることに留意しなければならない。
【0054】
図8と図9において、アンテナ104と106は、基板アンテナ400に置き替えられている。回路基板302は、多重層基板あるいはプリント配線基板(PCB)技術として呼ばれている形成されている銅とガラス繊維のような導電と誘電材料の多重層から成るものとして図8に示されている。これは、金属導体層508の次、あるいは金属導体層508を支えている誘電材層506の次の金属導体層504の頂上のあるいは金属導体層504の次の誘電材層502として図示されている。導体バイアス(図示されていない)が、各種の層あるいはレベルの上で各種の導体を、外側の表面に構成部品と相互接続するために使用されている。全ての所定層上のエッチングされたパターンは、該層のための相互接続パターンを決める。該形態の中で、層504あるいは508の何れかを、一般的に公知の技術として、基板302を指す接地層あるいは面に形成させることができる。
【0055】
アンテナ400は、回路基板302に隣接して取り付けられているが、接地面(GP)からずらされおり、接地面(GP)にほぼ垂直に基板404と共に配置されている。該配設は、アンテナ400に対して非常に薄いプロファイルを提供しているので、該アンテナを、非常に制約されたスペースに、またハウジング102の表面に隣接して置くことができる。例えば、アンテナ400の位置を、従来のマイクロストリップ・アンテナ設計を使用しては達成できない、ファスナーあるいは取付柱およびハウジング102の側面(上面)の間の所とすることができる。
【0056】
オプションとして、該柱を、ここでアンテナ400を、追加の支持機構あるいは取付器具無しで、自動的に位置決めして支えるのに使用できる。基板の所定の位置を決めるために、いくつかの支持手段が必要であり、この構造で、アンテナの設置のためのコストを削減して、自動化された組立を行うことができる簡単な取付機構を提供することができる。基板を所定の位置に取り付ける方法の性質から、基板を単にハウジングの上に置くだけで済む。回路基板を、ハウジングの中の孔あるいは通路を経由して篏合される表示パネルあるいはコネクタ118の押し込み篏合を使用して、単にハウジングの上に置くことができる。
【0057】
代案の中で、基板404を、小さなブラケット、支柱、隆起、リッジ、スロット、チャンネル、支持押し出し、突出のようなものを使用して、無線機器の中の所定の場所に取り付けることができるか、あるいはハウジング102の壁を製造するために使用された材料で成型された同様のものを、基板を置くのに使用することができる。即ち、該支持は、成型されるか、あるいは、製造されるときに装置のハウジングの壁に、射出成型のようなもので成型することができる。該支持素子で、電話を組み立てる間に、それ等の間あるいはそれ等の内側に挿入するときに、基板404を所定の場所に保持するか、あるいはファスナーを使用して該素子に取り付けることができる。ハウジング(あるいは支柱)の壁の中に形成されているリッジあるいはタブを、基板の縁の回りにスナップ止めして、所定の位置に保持することを助けることができる。
【0058】
他の取り付けのための手段は、基板を側壁あるいは他の部分あるいは素子を無線機器に保持するための接着剤あるいはテープの使用である。
【0059】
図9の中で見られるとおり、基板404を、ハウジングの形にできるだけ整合させるか、あるいは他の素子、一部、あるいは構成部品を無線機器の中に収納するために、カーブさせるか曲げることができる。該基板を、設置する間に該形状かあるいは変形されて製造することができる。薄い基板を使用することで、取り付けるときに基板を固定させたりあるいは曲げることができ、該基板を、該基板により圧力で隣接する面に押し付けて所定の位置に置くことができる。該圧力は、ネジあるいは他のタイプのファスナー無しで、一般的に基板を所定の位置に固定するのに役立たせることができる。
【0060】
しかし、当業者であれば、本発明を正しく運用するために、製造あるいは設置の間に、基板を変形させたり曲げたりする必要が無いことが直ちに分かるはずである。直線の平面の基板は、基本的形状として、良好な機能を発揮する。他の形態も、種々の取付条件で収納する利点を有しているが、本発明の運用を変えない。
【0061】
全ての部品等が、所定の位置に置かれたら、ハウジングの裏のカバーあるいはプレートを、ネジ、ボルトあるいは他の方法で所定の場所に固定する。これは、単に、所定の場所に固定されている隣接する回路基板とカバーあるいはハウジングを取り付けるだけで、アンテナあるいは基板を、ハウジングの中に「捉える」形式で、達成される。追加のファスナーあるいは固定素子は、この取り組みでのアンテナのために必要としない。一組のタブ、あるいは同様の突起を、一定の部分の所でカバーと接面させるように使用して、所定の場所にアンテナを保持するのに必要なネジの数を減らすことができる。
【0062】
導電パッド408は、スプリング、スプリング接触子あるいはクリップ510を使用して、基板302に隣接しまた電気的に接続される位置に置かれる。該スプリング接触子あるいはクリップ510は、ハンダ付けあるいは導電接着のような公知の技術を使用して、回路基板の上に取り付けられる。クリップ510は、その一端が適切な導電体あるいは導電バイアスに電気的に接続され、信号を、無線機器の中の希望する1個あるいはそれ以上の回路に、あるいはまた回路から転送したりし、該回路は、アンテナ400に接続される。クリップ510の他端は、一般的に固定されないで浮いており、回路基板302から、アンテナ400が置かれるべき場所に向けて伸びている。より具体的には、クリップ510は、トレース402の端に隣接した、接触パッド408が置かれる所に置かれる。各図に示されているとおり、クリップ510は、アンテナから離れて円形に曲げられてから、該クリップがアンテナに向けられて戻るまで弧になる。該円形の弧により、基板への作業をより弾力的で簡単なものにするが、図11の中で見られる他のタイプのクリップも、有用であることが知られており、本発明は、これに限定されない。スプリング接触子あるいはクリップ510は、一般的に、銅あるいは真鍮のような金属材料から製造されるが、公知の技術のとおり、信号の減衰あるいは他の好ましい接触特性を条件として、この適用のために知られている全ての変形可能な導電材料を使用することができる。
【0063】
アンテナ400が、層504のような接地面の上を覆って、すなわち並行に、かつ直接に相接しては置かれないので、アンテナは、充分に大きな放射抵抗を有するか維持する。これは、大きなロスを受けないで、即ちアンテナが、良好な整合インピーダンスを有して、アンテナ400に対する適切な整合を提供することが可能であることを意味する。この効率は、アンテナ400が、回路基板302の一方の側へ様々なずらされた位置に動かされても、即ち、該アンテナが横方向に動かされても、基板302に近付かない限り維持される。このアンテナの設計は、性能に妥協しないで、接地面(GP)を励磁するために非常に効率的な手段の役割を果たす。
【0064】
接地面に垂直の基板は必要ないが、本発明の主な特徴は、小さいサイズで、最少のスペースを利用できることである。基板が、接地面と同じ面にまた並行して置かれた場合は、ハウジングと接地面の間で、より大きなスペースを占めることは明らかである。これは、好ましいことではないが、基板の方向は、アンテナを操作する邪魔にはならない。従来のパッチアンテナを使用しなければならず、これが、該アンテナが、大きなスペースを必要とする理由である。本発明は、該アンテナが、無線機器中の小さな横方向のスペースを使用できる点で異なっている。
【0065】
アンテナの場所を、ハウジングに対して、接地面(GP)の付近とし、かつ接地面(GP)の端を超えさせることで、アンテナは、従来のホイップアンテナより非常に全方向性のパターンを提供する。アンテナのこの位置は、また結果として生ずる放射パターンが、殆どの無線通信機器にとって好ましい、ほぼ垂直に分極されることを意味する。
【0066】
基板を、無線機器の中の電子部品に対して、接地面(GP)の「上」あるいは「下」に置いてはならない。上記で解説しているとおり、その理由は、該位置の中では、インピーダンスが、性能に悪影響をあたえることがあるからである。アンテナを、接地面の上にしてはならないことは、重要である。これを、幾つかの方法で、明らかにすることができる。例えば、接地面の上面に体積あるいはスペースがあり、これが、接地面端(縁で囲まれている)まで占める。この体積は、基板にとって排除領域あるいは面積である。トレースをこの体積中に置くことは、接地面の上に置かれることを意味する。もう一つの観点から、接地面の面と基板アンテナとの位置の間の、全ての上昇あるいはオフセット角は、該接地面の面から90度以上にすることはできない。事実、90度より大幅に小さくして、接地面から、適切な、あるいは充分な分離を確保しなければならない。
【0067】
アンテナ、従って基板に着目するもう一つの方法は、位置決めが、該設計で作り出される利点に着目することである。このアンテナを、無線機器の頂上の部分に近い、接地面(GP)と側壁(視点によってはあるいは頂上あるは底の壁)の間に取り付けることができる。折り畳み式電話の場合、アンテナを、2個の、m部分の間の、ヒンジあるいは回転あるいはピボット接続点の近くに取り付けることができる。これによって、電話を開く方法と接続位置の性質のために、使用中にユーザーの頭のようなユーザーから更に離されたアンテナの位置を提供することになる。これは、頭の吸収等の意味で明確な利点である。「バー」型電話あるいは無線機器に対して、基板アンテナを、希望に応じて上面あるいは側面に取り付けることができる。
【0068】
本発明は、該空間あるいは領域を使用することができる形態を有している最初の発明である。本発明は、この意味で、回路基板に隣接しハウジングの次にあり、接地面(GP)からずらされている無線機器のスペース、体積あるいは領域を利用する新しい方法である。接地面(GP)に横に直ちに隣接している領域の中に取付可能な新しいタイプの内部アンテナである。
【0069】
本発明の利点は、取り付けるべきかあるいは所定の位置に置かれるべき基板の取外し部分を必要としないことである。大きなパッチアンテナあるいは素子は、取り外された回路基板、あるいは取り外された回路の部品を取り付けるための場所を持たせるために必要な大きな面積あるいは領域を必要とする。該アンテナのもう一つの態様は、該アンテナが、一般的に丸い平面の面に揃えられて取り付けられることである。即ち、アンテナ放射装置は、平面の形状で形成され(たとえ該放射装置が曲がっていても)、またその平面軸は、その接地面(GP)の平面軸に揃えられ、内蔵アンテナを使用する目的の一部に失敗するスペースの喪失である、アンテナによるスペースの乱用を招く。
【0070】
図7から図9の中に示されているトレース402が、有効共振長の変化に対して影響を受けやすいものであると見なされるものと解釈されなければならない。この部分は、無線機器のユーザーの手あるいは頭の存在からアンテナの共振の最も変化を表しやすい部分である。無線機器中のアンテナ400の作動に影響を与える主な三つのエネルギーロスがある。それらは、ユーザーの手と、ユーザーの頭の吸収と、またユーザーの手の吸収の誘電負荷が原因である、インピーダンスの不整合ロスである。該エネルギーの吸収あるいは不整合ロスが、性能を劣化させる可能性がある。例えば、手あるいは頭の吸収が、無線機器により使用されている信号を著しく減衰させて、性能を劣化させる可能性がある。
【0071】
アンテナ400の最もこれらの影響を受けやすい部分は、アンテナ402の開かれている端と、非給電と、隣接する曲がった部分である。ユーザーの手が、最も触れ難いようにするか、手から充分な間隔を取るように、アンテナの該点を、電話のハウジングの中にすることができる。このアンテナの設計で、手の吸収を最低限度に抑えるために、また更に重要なのは、アンテナに隣接する手あるいは他の物品の存在により作り出される不整合ロスを減らすために(このようなシフトを希望する時を除いて)、無線機器中の設置場所の弾力性を持たせることができる。
【0072】
小さなアンテナのサイズと設置場所の弾力性のもう一つの態様は、機器のユーザーに近くに存在する、エネルギーレベルに対して与える可能性がある影響である。アンテナのより小さいサイズと弾力性がある形態は、機器の外の特定の場所で受ける放射レベルに大きく影響を与える可能性があるハウジング内のアンテナの設置位置に影響を与える。
【0073】
更にアンテナのダウンサイジング、あるいはハウジング102の中の設定位置に弾力性を与えることを支援するために、アンテナを、導電材料をハウジングの上に、あるいは無線機器の表面の中に配置させあるいは蒸着させることで形成させることができる。即ち、ハウジングの側壁に沿って明確な通路がある場合の適用のために、トレースを、壁のすぐ上に蒸着あるいは成型させることができる。これは、図11の断面図の中に示されている。図11の中で、トレース(複数を含む)は、直接支持基板の役割を果たすハウジングの上に配設されている。これで、最少限度のスペースを活用できる。
【0074】
使用されるハウジングの壁の部分は、金属でコーティングされるか、あるいは金属あるいは他の電気的導電材料で製造され、中間の絶縁材料の層を、ハウジングとトレース402の間に使用できる。この形状の中で、好ましいトレース形態を有する金属層を、ハウジングの側面に対して単に押し付けるだけで、無線機器の中に簡単に配置できる裏に接着材料を有する材料の薄い層の上に形成させることができる。この方法を、公知の「取り上げて置く」機械を使用して、自動化することさえできる。この実施形態あるいは他の実施形態において、トレースを、更に、公知の技術で、表面保護のためのコーティングのようなものに使用することができる。
【0075】
しかし、接地面(GP)に対するアンテナあるいは導電材料の相対的配置が、接地面(CP)の上であってはならない意味で、前記に解説されているものと同じでなければならないことは、当業者にとって明らかである。
【0076】
図12は、本発明のアンテナの形成に当たっての、トレースに対する複数の代案としての実施形態を示している。図12(a)において、トレース402は、基板404(図示されていない)の長さに沿って伸びており、また丸い接触子408の一端の上に接続されているか、あるいはそれに合わせて形成されている単体の薄い導電ストリップとして示されている。図12(b)において、トレース402は、接触パッド408に接続されており、非接触端の上に形成されている拡大されたかあるいは丸くなっている部分を有する薄い単体の導電ストリップである。このトレースは、「犬の骨」の外観を有している。図12(c)において、トレース402は、より長く、より角張った接触パッド408に接続されているかそれに成型されている薄い導電ストリップである。ここで、該ストリップは、基板404の長さに沿って伸びており、遠い非接触端の付近で折り畳まれているか曲げられているので、接触パッドの方向に戻されて向け直されている。これによって、アンテナの全長を、λ/4の長さの素子を形成するために使用されるトレースの長さより短くすることができる。前記で述べられているとおり、種々のパターンあるいは形態を、種々の方向に沿って、トレースの方向を直すためあるいは折り畳むために使用できるものと解釈されなければならない。例えば、方形の隅、円形のバンド、あるいは他の形態を、この機能のために使用できる。該トレースは、また折り畳まれた部分が、他の部分より広い。図7(b)の中で示されているように、増大した幅は、一部の応用に対して有用な、アンテナに対して、「上面の負荷」あるいは改善された周波数幅を提供するが、該余分の幅は、本発明で、要求されていない。
【0077】
図12(d)において、トレース402が、基板404の長さに沿って伸びている接触パッド408に接続されている導電ストリップとして再び示されている。この実施形態の中で、トレースは、一方の端に沿ったタブあるいは突起と対応する差込みあるいは反対側の端に窪みを付けて製造された基板の縁に沿ってより複雑な形態を呈している。該トレースは、トレースが接触端に向けて折り畳まれている基板の最も遠い端に到達する前に、2回角をなして回される。折り畳まれた後のトレースの最後の部分は、また該トレースの当初の長さよりやや大きい。
【0078】
基板の長さに沿ったタブと他のアングルと窪みは、無線機器ハウジングの特徴と種々の支持素子の側面と接面するための役割を果たす。即ち、基板404の縁を、ハウジングと篏合するように種々の形とすることができる。該縁の形を、ハウジングの壁の中の対応する変形に整合するか配置して、ハウジングの壁の表面からの種々のバンプ,突起、不規則あるいは既知の突起を避けるようにしたり、無線機器の中に配置する必要があるワイヤーと、導体とケーブルのための空間を残すことさえできる。この目的のために基板の側面あるいは縁に、種々の丸い、角張った、あるいは他の形を使用することができる。該縁で、アンテナを、これまでマイクロストリップ・アンテナに適さなかった空間に取り付けることができる。
【0079】
更に、トレース402あるいは基板アンテナ400を、また3次元の意味で変化させることができる。即ち、トレースが、一般的に平面の表面で形成される一方で、トレースを支える基板あるいは基板の表面を、カーブさせるか曲げて、種々の取付形状にすることができる。即ち、基板が、一般的に薄いが強靭な性格であるので、それを、取り付ける間に、カーブしているか曲がっている構造、可変表面、あるいは端に変形可能に製造することができる。これは、基板の上面図、長さに対して横断してカーブした基板404を示している図12(e)の中に示されている。当業者にとって、種々のカーブあるいは曲がりを、この特徴の中で使用できることは明らかである。例えば、基板表面を、ある種の「曲がった」パターンにまた形成することができる。
【0080】
構築され試験された本発明の好ましい実施形態は、図12(f)から図12(h)の側面と前面図に示されている。ここでは、基板402は、全長約52ミリで、トレースは、約1ミリに作られている。トレースは、折り畳まれる部分の端702に近い所で、広げられて1.5ミリに近付く。接触パッド408と410は、双方とも、基板を経由して2枚を接続する適切な導体バイアス(vias)を付けて導体約6.75ミリ平方に作られた。約1ミリの厚みのガラス繊維基板とが使用され、トレースとパッドの厚みは、約0.01ミリであった。折り畳まれているトレースの端と基板の端の間のスペース704に留意すること。オプションとしての端に付いたスペースあるいは間隙は、トレースの裏を設定して、アンテナの端に近付くかあるいは触れた手の影響を更に減らすのに役立つ。
【0081】
当業者にとって、これに限られるわけではないが、円形、楕円、放物線、曲がっているか、正方形のC型、L型あるいはV型折り畳みジョイントと端のような各種の形態を、トレースと基板のために使用することができることは明らかである。外の端(非給電部分)に向けて幅を広くしたり狭くしたりするために、先細り、カーブ、段階で変化させるように電導体の幅を、長さに沿って変更することができる。当業者であれば、分かるように、複数のこれらの効果あるいは形を、単体のアンテナ構造物に組み合わせることができる。例えば、後で他の寸法に沿ってカーブさせられる、曲げられた、段階的なストリップが、可能である。
【0082】
ホイップアンテナ104と螺旋アンテナ106を取り除いた結果は、本発明を使用する図2の電話を示している図10の側面図の中で明らかである。
【0083】
好ましい実施形態に対する前記の説明は、当業者が、本発明を利用できるようにする。これらの実施形態に対する種々の改造が、中で使用されているタイプの無線機器のタイプのような技術に精通している当業者にとって明らかであり、本明細書の中で定義されている包括的な原理を、発明的才能を使用しないで、他の実施形態に応用することができる。従って、本発明は、本明細書の中に示されている実施形態に限定されることなく、本明細書の中で開示されている原理と新規の特徴と一致する最も広い範囲に適用されるものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線装置のアンテナに関し、特に、基板に取り付けられているアンテナに関する。本発明は、更に、特に改善された寸法と、接続と、周波数帯と、また放射特性を有する無線装置用の内部アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナは、無線通信機器とシステムの重要な構成部品である。アンテナは色々な形とサイズで利用できるが、各々は、同じ電磁波原理に基づいて作動する。アンテナは、導波と自由空間波との間或いはその反対の間の遷移分野を結合する構造物である。一般原則として、開かれている送信線に沿って移動する導波は、電磁波として知られる自由空間波として放射される。
【0003】
近年、携帯と移動セルラと個人通信サービス(PSC)電話のような個人無線通信機器の増加とともに、このような通信装置のための便利な小型アンテナに対する需要が増大している。集積回路とバッテリー技術の最近の発展で、過去数年間に、このような通信装置のサイズと重量を大幅に減らすことができるようになった。サイズの縮小が求められている一つの分野は、通信装置のアンテナである。これは、アンテナのサイズが、装置のサイズを減らす面で重要な役割を果たしているという事実によるものである。更に、アンテナのサイズと形は、装置の美観と製造コストに影響を与える。
【0004】
無線通信機器のためのアンテナを設計するのに当たって考慮を払わなければならない重要な一つの要素は、アンテナの放射パターンである。一般の適用に当たって、通信装置は、他のそのような装置あるいは基地局、ハブ、あるいは装置からどんな方向にも置くことができる衛星と通信できなければならない。従って、このような無線通信機器のためのアンテナが、ほぼ全方向放射パターンか、あるいは現地の水平線から上に伸びるパターンを有していることが不可欠である。
【0005】
無線通信機器のためのアンテナの設計に当たって、考慮に入れなければならない重要な要素は、アンテナの周波数帯域幅である。例えば、PCS通信システムと共に使用される電話のような無線装置は、1.85−1.99GHzの周波数帯域で操作されるので、使用できる周波数帯域幅の7.29パーセントが必要である。一般的なセルラ通信システムのために使用される電話は、8.14パーセントの帯域を必要とする824−894MHzの周波数帯域を超えて動作する。従って、これらのタイプの無線装置で使用されるアンテナは、適切な帯域の必要条件を満たすように設計する必要があり、そうでないと、通信信号は、著しく減衰する。
【0006】
無線通信機器に一般的に使用されているタイプのアンテナが、ホイップアンテナであり、このアンテナは、使用していないときは、装置の中に引っ込めることができる。しかし、ホイップアンテナにはいくつかの欠点がある。しばしば、ホイップアンテナは、使用するために伸ばした時や、又は引っ込められているときでさえ、物や、人やあるいは表面に当たって破損することがある。この様な破損を最小限度にするために、ホイップアンテナを引っ込み式に設計しても、装置の全体の寸法わたることになり、最新技術の特徴や装置の一部の回路の設置に影響を及ぼす。また引っ込められたときの最少限度の装置を納めるための、望ましいものより大きいハウジングが必要となる。
【0007】
ホイップアンテナは、しばしば短いヘリカルアンテナと共に使用され、このヘリカルアンテナは、ホイップアンテナが電話に引っ込められたときに、起動させられる。ヘリカルアンテナは、よりコンパクトな空間で、同じ放射長を有し、適切な放射カプリング特性を保っている。ヘリカルアンテナは、更に短くなっているが、それでも無線装置の表面からかなり突起しており、美観を損ね、他の物体と接触する。この様なアンテナを無線装置の中に納めるには、大きな体積を要し、好ましいことではない。
【0008】
無線通信機器に適当と思われるもう一つのタイプのアンテナは、コンフォーマルアンテナアンテナである。一般的に、コンフォーマルアンテナは該アンテナが取り付けられる表面の形をなぞり、一般的に姿を殆ど表さないアンテナである。コンフォーラムアンテナには、パッチや、マイクロストリップや、ストリップラインアンテナのような種々の異なるタイプがある。マイクロストリップ・アンテナは、特に最近個人用通信機器に使用されている。
【0009】
例えば、無線通信機器に使用するのに適していると思われるアンテナのタイプの一つは、「逆F型」アンテナであるが、該アンテナには、いくつかの欠点がある。該アンテナは、サイズが、望んでいるものより大幅に大きくなり、また周波数帯域幅が低くなり、また好ましい全方向放射パターンが不足している。
【0010】
用語が示唆しているとおり、マイクロストリプ・アンテナは、パッチあるいはマイクロストリップ・素子から成り、該アンテナは、一般的に、ラジエータパッチを指す。マイクロストリップ・素子の長さは、たとえば800MHzあるいは1900MHzのような関連する周波数に整合するように選択される共振周波数f0に連動する波長λ0に比例して設定される。一般的に使用されているマイクロストリップ・素子の長さは、半波長(λ0/2)と四分の一波長(λ0/4)である。一部の限られたタイプのマイクロストリップ・アンテナが、無線通信機器に最近使用されているが、いくつかの分野で、更なる改善が求められている。更なる改善が求められている一方は、全体的なダウンサイジングである。大幅な改善が求められている他方は、周波数帯域幅である。現行のパッチあるいはマイクロストリップ・アンテナの設計は、大部分の実用的サイズの通信システムを使用するのに必要な、好ましい7.29から8.14パーセントあるいはそれ以上の周波数帯域幅特性を得ているとは思われない。
【0011】
従来のパッチとストリップ・アンテナは、更に、大部分の無線機機の中で、広い接地面付近に置かれたときに現れる問題を抱えている。接地面は、共振周波数を変えることがあり、製造された設計を反復できない可能性がある。更に、“手に乗せられた”、即ち、ユーザーの手の位置が、アンテナに近いと、共振周波数とアンテナの性能を劇的に変える。
【0012】
放射パターンは、前記で説明されているとおり、通信リンクを確立するためのみならず、無線機器ユーザーに対する政府の放射基準に関連して非常に重要である。放射パターンは、最少限度の放射量を機器のユーザーにより吸収できるように制御されるかあるいは調整されるようにしなければならない。無線機器ユーザーの付近で許される放射量に対して設定された政府の基準がある。これらの規則の一つの影響は、ユーザーが理論的な放射に曝されるので、内部アンテナを無線機機の中の多数の場所に置くことができないと言うことである。しかし、前記のとおり、他の場所で現行のアンテナを使用するとき、接地面と他の構造物が、しばしばアンテナの有効的な使用を妨害する。
【0013】
従って、最終ユーザーに対する、最新の放射必要条件をより多く満たす放射パターンを有する無線機器内部アンテナの構造を達成するためには、アンテナを製造するための新しいアンテナ構造と技術が必要になる。同時に、内蔵に対してより導電性を大きくして、無線機器の中で、より弾力性のある構成部品の位置決めと、大幅に改善された美観と、また現在以上のアンテナの破損防止策を提供しながら、アンテナを、最新通信システムの周波数帯域幅とカップリング効率に対する要求に答えるようにする必要がある。
【発明の概要】
【0014】
無線機器の内部アンテナに関する技術の中で発見された前記と他の問題に鑑み、本発明の第1の目的は、ダウンサイズされ、無線機器により弾力的に内蔵することができるアンテナを提供することである。
【0015】
本発明の第2の目的は、性能を低下させることになる、無線機器のユーザーとアンテナの間の相互作用を減らすことである。
【0016】
本発明の一つの利点は、無線機器の中に内蔵できるように、物理的に変形可能な支持基板を提供していることである。
【0017】
その他の利点は、無線機器の中でアンテナを接続して設置するための手作業と時間を削減し、また該目的に必要なケーブルとコネクタの数を削減することである。
【0018】
これおよびその他の目的、目標と利点は、所定の厚みを有する誘電基板の上に支えられている1本あるいはそれ以上の導電線から成る、無線機器で使用するための基板アンテナを実現することである。無線機器に対する関連する波長と、割り当てられた空間に基づくトレースの長さと幅に応じて、適切な寸法が選択される。該支持基板は、アンテナを使用するための機器の中の回路と構成部品に関連している接地面からずらされてまた接地面に対して垂直に取り付けられている。即ち、該基板は、接地面端に隣接して取り付けられており、接地面から90度未満ずらされている面を有している。該基板の位置は、接地面の直接上でも下でもない。
【0019】
トレースは、該トレースの一方の端で電気的に導電パッドに接続されており、該一方の端は、アンテナのための信号給電装置に接合されている。導電パッドが、使用されているので、信号給電装置は、導電のスプリング圧が掛けられているか、スプリングか、あるいはクリップ・タイプの装置から成り、該装置で、該導電パッドに対する圧力をとおして電気的接触が形成されている。該構造で、ボードが、無線機器の中に設置されときに、ケーブルあるいは手によるコネクタのようなものの設置無しで、アンテナに対して自動的な接触を行うことができる。
【0020】
基板アンテナには、非常に薄くてコンパクトな構造が使用されており、該構造が、適切な周波数帯域幅を提供している。アンテナのコンパクト性とより多様な使い易い形態で、基板アンテナを、無線機器の内部アンテナとして非常に効率的に利用することができる。ハウジングの中の、多数の起こる可能性がある干渉特性あるいは構造にもかかわらず、該アンテナを、機器のハウジングの中の有利な所に置いて、スペースを活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の斜視図。
【図2】ホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の側面図。
【図3】もう一つのホイップ形式とヘリカルアンテナを有する携帯用無線電話の斜視図と側面図。
【図4】例としての内部回路を有する図2の電話の側面図。
【図5】例としての内部回路を有する図2の電話の後面断面図。
【図6】例としての内部回路を有する図3の電話の側面断面図。
【図7】本発明の実施形態の一つに従った基板アンテナ。
【図8】本発明を使用している図2の電話の側面断面図。
【図9】本発明を使用している図2の電話の後面図。
【図10】本発明を使用している図2の電話の側面図。
【図11】本発明の代案としての実施形態の図8の電話の側面断面図。
【図12】本発明の複数の代案としての実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、別添の図を引用して説明されており、該諸図面の中で、同じ参照符号が、一般的に同じか、機能的に同様か、あるいは構造的に同様に素子を示しており、該図面の中で、初めに記載されている素子が、参照番号の左の端の桁で示されている。
【0023】
逆F型のアンテナのような従来のマイクロストリップ・アンテナは、個人通信機器を使用不能にする可能性が潜在するようなある種の特性を有している一方で、セルラとPCS電話のような無線通信機器の中で、このタイプのアンテナを便利にするために、この分野で、まだこれ以上の改善が必要である。更に改善が求められている分野は、周波数帯域幅である。一般的にセルラ電話では、満足がいくように動作するためには、実用的なサイズのマイクロストリップ・アンテナで得られるより大きな周波数帯域幅を必要とする。
【0024】
更に改善が求められるもう一つの分野は、マイクロストリップ・アンテナのサイズである。例えば、マイクロストリップ・アンテナのダウンサイジングで、無線通信機器の使用に当たって、よりコンパクトで、美観を持たせたものとすることができる。事実、このことは、該アンテナを無線通信機器に使用できるかできないかを左右する可能性がある。従来のマイクロストリップ・アンテナのダウンサイジングは、使用されている誘電体基板の厚みを減らすか、あるいは比誘電率の数値を増やして、必要な長さを短縮することで行うことができるかもしれない。しかしこれは、アンテナの周波数帯域幅を減らし、その結果、無線通信機器にあまり向かないという好ましくない効果を有する。
【0025】
その上、更に、パッチラジエータのような従来のマイクロストリップ・アンテナの磁界のパターンは、一般的に指向性である。大部分のパッチラジエータは、アンテナの現地の水平に対して上半球でのみ放射する。このパターンは、機器の運動と共に移動するか、あるいは回転して、送受信電波到達範囲の中で、好ましくない穴を作り出す可能性がある。従って、マイクロストリップ・アンテナは、多数の無線通信機器の使用に当たって、好ましいものではなかった。
【0026】
本発明は、前記と他の問題の解決を提供する。本発明は、無線通信機器の使用に当たって好ましい他の特性を保持しながら、他のアンテナ設計より優れた周波数帯域幅とダウンサイジングを提供する基板アンテナに的を絞っている。本発明の該基板アンテナを、携帯電話のような無線あるいは個人通信機器の助面の近くに構築するか、無線機器の中のI/O回路や、キーボードなどのような他の素子に隣接するかその後ろ側に取り付けることができる。該基板アンテナを、またハウジングのプラスチック成型のときに埋め込むか、あるいは無線機器の表面に直接構築することができる。
【0027】
ホイップあるいは外部のヘリカルアンテナとは異なり、本発明の基板アンテナは、物体あるいは表面に当たることによる破損の影響を受けない。このアンテナは、最新の機能と回路に必要な内部の空間を喰わず、また引っ込められたときの大きなハウジングの寸法を必要としない。本発明の該基板アンテナを、オートメーションと最少の手作業で製造することができるので、コストダウンと信頼性の向上が可能である。更に、該基板アンテナは、ほぼ全方向のパターンを放射するので、多くの無線通信機器に適している。
【0028】
広義には、本発明を、個人通信機器、無線電話、無線モデム、ファックス装置、携帯コンピュータ、ポケベル、メッセージ同報受信機等のような如何なる種類の無線機器にも使用できる。このような環境の一つが、セルラPCSあるいは他の商用通信サービスのために使用される携帯無線電話である。該当する種々のハウジングの形態を有する各種の該無線電話は、公知の技術である。
【0029】
図1から図3は、前記で解説されているセルラとPCSシステムのような無線通信システムに使用される典型的な無線電話を示している。図1と図2の中で示されている電話は、「クラムシェル」型あるいは折り畳み式タイプの電話であるのに対して、図3(a)と図3(b)の中で示されている電話は、典型的な長方形あるいは「バー」型電話である。これらの電話は、前記で解説されているとおり、セルラとPCSシステムのような無線通信システムに使用される典型的な無線電話である。これらの電話は、多数の種類の無線機器と電話があるので、図示を目的として使用されたものであり、本発明が使用することがある、これらと他のタイプあるいはスタイルから成る関連する物理的形状は、下記の解説から明らかとなる。
【0030】
図1と図2に、ホイップアンテナ104とヘリカルアンテナ106を支持する主ハウジングあるいは本体102を有する電話100が、示されている。アンテナ104は、一般的に、正しい動作に必要としないが、伸ばされたときにアンテナ106と共有する共通中心軸に取り付けられている。これらのアンテナは、関連する周波数、あるいは特定の無線機器に使用される周波数に合わせた長さで製造される。該特定の設計は、公知であり、関連する技術で理解される。
【0031】
ハウジングの前面102が、スピーカー110と、表示パネルあるいは画面112と、キーボード114と、マイクあるいはマイク開口部116と、またコネクタ118を支えて示されている。図2において、アンテナ104は、無線機器の使用時には伸ばされた位置にあるが、図1でのアンテナ104は、ハウジング102に引っ込まれた位置で示されている。
【0032】
図3(a)と図3(b)において、電話100と同じ方法で、ホイップアンテナ204とヘリカルアンテナ206を支持する主ハウジングあるいは本体202を有する電話200が示されている。ハウジングの前面200が、スピーカー210と、表示パネルあるいは画面212と、キーボード214と、マイクあるいはマイク開口部216と、またコネクタ118を支えて示されている。図3(a)において、アンテナ204は、伸ばされた位置にあるが、図3bでのアンテナ204は、ハウジング202に引っ込まれた位置で示されている。
【0033】
前記で解説されているとおり、ホイップアンテナ104と204には、いくつかの欠点がある、その一つは、使用のために伸ばされたときに、他の物品あるいは表面に引っ掛かって破損を受けやすいことである。該アンテナ104と204は、また、バッテリーのような電源を含む最新の特性と回路のための構成部品の配置が、制約されて、弾力性を減らすような方法で内部のスペースをとる。その上、該アンテナ104と204には、引っ込められたときに、容認できない程大きな最低限度の収納寸法が必要である。代案として、引っ込められたときにサイズを小さくするために、該アンテナ104と204を、伸縮自在の部分が付いた形態とすることができるが、一般的に、美観を損ね、より弱そうであるか不安定であるか、あるいは扱い難いようにユーザーから見られる可能性がある。アンテナ106と206も、また使用中に他の物品あるいは表面に引っ掛かって破損を受けやすく、電話のハウジング102と202の中にそれぞれ引っ込めることができない。
【0034】
本発明の利用は、分かり易くするための便宜上、例示としての無線電話の意味で説明されているが、これは、本発明を、該例示環境に限定することを意図するものではない。下記の説明を読んだ後で、当業者にとって、代案としての環境で、本発明を実施できる方法が、明らかとなるはずである。事実、本発明は、これらに限定されるわけではないが、ポケベル、携帯ファックス、無線通信機能が付いた携帯コンピュータのようなその他の無線通信機器に利用できることは明らかである。
【0035】
これらの電話の各々は、一般的に、種々の必要な機能を実施するための1枚あるいはそれ以上の回路基板により支えられている種々の構成部品を有している。図4から図6は、典型的な無線電話の一般的な内部の構造を図示するのに使用されている。図4は、ハウジング102の中の回路あるいは構成部品を支える方法を見るために、側面から見た図2の電話の断面図を示している。図5は、一般的にハウジング102の中にある回路と構成部品の関係を見るために、キーボードから背面、裏側から見た同じ電話の切取り断面図を示している。図6は、側面から見た図3(b)に示された電話の断面を示している。
【0036】
図4と図5において、回路基板302が、集積回路あるいはチップ304と、抵抗器とキャパシタのような離散構成部品306と、また種々のコネクタ308のような種々の構成部品を支えているハウジング102の内側に示されている。パネル表示装置とキーボードは、一般的に、回路基板302の裏側に取り付けられており、ワイヤーとコネクタ(図示されていない)が、スピーカー、マイク、あるいは同様の素子を回路基板302の回路に接続している。アンテナ104と106の位置は、一方の側に配置され、この目的のための特殊なワイヤーコネクタとクリップを使用して、回路基板302に接続されている。
【0037】
一般的に、ハウジングの中に回路基板と他の構成部品を取り付けるために、所定の数の支柱あるいは支持台310が、ハウジング102の中に使用される。射出成型プラスチックで成型するときのように、これらの支柱を、ハウジングの一部として形成したり、あるいは接着剤あるいは他の公知の機構で所定の場所に取り付けたりすることができる。更に、ハウジング102の一部を互いに固定するために、一般的に、ネジ、ボルト、あるいは同様のファスナー313を受け入れるために使用される1本あるいはそれ以上の固定柱312がある。即ち、ハウジング102は、多数の部品、あるいは主本体部分と電子部品を覆うカバーを使用して製造される。固定柱312は、ここで、ハウジング部分を互いに固定するための素子313を受け入れるために使用される。本発明は、各種の支柱310あるいは312を容易に受け入れるか、あるいはそれを見込みながら、なおかつ、非常に効率的な内部アンテナの設計を提供する。
【0038】
図5の拡大図の中で見ることができるように、回路基板302は、一般的に、複数の導電体と誘電体基板が交互接着されて、かなり複雑な回路の相互接続構造を形成する多層回路基板で製造されている。この基板は、公知の技術である。全体的な構造の一部として、基板302は、最も底の表面上に、あるいは中間位置で基板の中に埋め込まれた、少なくとも1枚、場合によってはそれ以上の接地層あるいは接地面を有している。
【0039】
出願人は、これが、いずれかのアンテナ104、106、204あるいは206と、無線機器に対する放射パターンを形成している接地面との相互作用であることを発見した。該アンテナは、有効に、接地面を励磁する。即ち、ホイップあるいはヘリカルアンテナの中の導電材と、また空中に放射されて通信信号を形成する電磁波を生成する接地面との間に向けられた電流がある。これが、無線機器により受信された着信信号を受信する組合せである。これと他の理由で、出願人は、大きくて役に立たないアンテナを、無線機器の接地面に対して位置が適切であることを条件として、より小さくてコンパクトなアンテナ素子に取り替えることができることを発見した。
【0040】
出願人以外の他の者が、内部のアンテナ位置を作り出すのに当たって、接地面上の、特に一定量のシールドを必要とするアンテナ放射素子を試みていることが分かっている。残念ながら、これは、アンテナに対する、通常のセルラとPCSに使用するために充分な作動用周波数帯域幅との低い損失の整合を作り出すことに失敗する結果となった。すなわち、結果として、該アンテナは、効率が大変低く、また利得が低く、しばしば利得を約6dBそこら減らす。
【0041】
本発明の実施形態の一つに従って構築され、また操作される基板400は、図7の(a)から(c)に示されている。図7(a)と図7(b)において、基板400は、導電トレース402、またストリップあるいは伸延された導電体として引用されるものと、誘電体支持基板404と、信号給電領域406とから成る。導電トレース402を、電気的に互いに直列に接続して、好ましいアンテナラジエータの構造を形成する2以上のトレースとして、製造したりあるいはみなすことができる。トレース402は、基板404の一端かそれに隣接する信号給電領域406の中の導電パッド408に電気的に接続されている。
【0042】
基板404は、使用に適していると知られている回路基板あるいは可撓材のような誘電材あるいは基板で製造されている。例えば、小型のガラス繊維をベースとするプリント配線基板(PCB)を、使用することができる。各種の材料を、該基板の製造のために入手することができる。一般的に市販の、ガラス繊維、フェニール、プラスチック、あるいはその他のプリント配線基板あるいは基板材料を、使用することができる。薄い基板を使用する必要は無いが、該基板は、変形性を有し、また所定の場所に取り付けることができると言う利点を提供する。非常に薄いガラス繊維で強化されたテフロン(登録商標)のシートを、大きく曲げたり撓めるために好ましい、非常に薄い基板に使用することができるが、そのような薄い材料は、アンテナの特性が、電話の運動で変化するのを防ぐのに充分な支持強度を提供しない恐れがある。電子機器とアンテナ設計の当業者は、好ましい誘電特性あるいはアンテナの周波数帯域幅特性を基礎とする、適切なアンテナ基板を入手することができる種々の製品について熟知している。
【0043】
基板は、ここではトレースであるアンテナラジエータ素子を、支持と、また他の導電面から間隔を空けるか、あるいは手あるいは他の放射吸収あるいは相互作用材料(ティッシューのような)から最少の間隔を提供する手段としての役割を果たす。
【0044】
該トレースは、例えば、アンテナ素子を製造するのに便利なものとして知られている、銅、真鍮、アルミ、銀あるいは金又は他の導電材料のような導電材料から製造される。該材料には、基板の役割を果たす、プラスチックあるいは導電エポキシに埋め込まれている導電材料が含まれる。
【0045】
トレース(複数を含む)を、これに限られるわけではないが、誘電あるいは絶縁基板の標準の導電材の光エッチング、メッキあるいは基板の上の他の導電体の蒸着、あるいは、接着剤のようなものによる支持基板の上の薄い金属のプレートのような導電材の配設ような、複数の既知の技術の一つを使用して蒸着させることができる。更に既知の塗布あるいは蒸着技術を、金属あるいは導電材料をプラスチック支持素子あるいは形状を変えることができる基板に蒸着するために使用できる。
【0046】
トレース402の長さは、一義的に基板アンテナ400の共振周波数を決める。該トレース402、あるいは一連の接続されているトレースのサイズは、特定の作動周波数に適するようになっている。アンテナを構成するために使用されるトレースは、関連する周波数に対して、約1/4有効波長(λ)である導電素子を提供するように蒸着される。当業者であれば、インピーダンスを対応する送信あるいは受信回路に整合させる目的で、λ/4より長さをやや小さくか、大きくする利点が分かるはずである。更に、下記に解説されている、露出しているケーブル、ワイヤーあるいはクリップのような接続素子は、アンテナの全長に影響を与えるので、公知のとおり、トレースの寸法を選ぶときに考慮に入れられる。
【0047】
2以上の周波数で通信できる無線機器に、基板アンテナ400が使用される場合は、トレース402の長さは、周波数の関係に基づいている。即ち、多重周波数が、波長の分数関係であることを条件に、多重周波数を受け入れることができる。例えば、1個の周波数のλ/4の長さが、第2の周波数に対して、3λ/4、あるいは2λ/2に対応している。多重周波数に対して単一のラジエータを使用するためのこのような関係は、公知の技術で良く理解される。
【0048】
トレース(複数を含む)402は、横断電流あるいはモードを最低限度に抑えるかあるいは予防して、最少アンテナサイズ(厚み)を維持するために、通常波長のおおよそ小さい分数である。選択された数値は、アンテナが、従来のアンテナ技術で公知のとおり、作動しなければならない周波数帯域幅を基礎とする。トレース(複数を含む)402の幅も、またより高次のモードが、励起されないために、誘電基板材料の中の波長位以下である。
【0049】
トレース402の全長は、約λ/4であるが、トレースを、元々やってきた方向に沿って伸ばして戻すために、折り畳まれたり、曲げられたり、そうでなければ、方向を変えたりすることがあり、そのためにアンテナ構造物が、λ/4よりずっと短くなることに留意しなければならない。比較的薄い支持基板と組み合わされた薄い導体の寸法と、λ/4以下の長さで、従来のストリップあるいはパッチアンテナと比較して、アンテナの全体の大幅なダウンサイジングが可能であり、該構造で、個人通信機器の使用に対して好ましいものとすることができる。例えば、該寸法を、一般的に、正常に作動させるために少なくともλ/4の寸法としている、従来のマイクロストリップ・アンテナの接地面と比較する。
【0050】
図7(a)と図7(c)の中で示されているとおり、導電パッド408の位置は、信号給電領域406の中にあり、トレース402に電気的に接続されている。一般的に、パッド408とトレース402は、必ずしも必要とするわけではないが、同じ製造技術を使用して、同じ材料で、場合によっては、単体あるいは単一構造物として形成される。パッド408は、信号を転送するために、アンテナのインピーダンスあるいは性能に悪影響を与えないで、単に電気的にトレース402と接触させるだけで済む。
【0051】
いくつかの構造において、トレースが、回路基板と信号源あるいは受信機に対面しており、他の構造において、基板から離されて面していることもある。後者の状況の中で、導電パッド408の位置は、基板の回りに伸ばされているワイヤーあるいは他の導体を必要とせずに、回路基板から直接受け入れることができるようにするために、基板の裏側にある。多くの適用の中で、より複雑な接続と設置手続きを必要とするので、これは好ましくない。従って、図7(c)に示されているとおり、第2接触パッド410を、基板の裏側に使用し(図8の中で見られるように)また基板を経由して信号を転送するために導体バイアスを使用することができる。
【0052】
信号転送給電装置は、パッド408(と410)を使用して、基板アンテナ400に接続されている。導電パッド408(と410)を使用することで、アンテナを設置して、従来の技術の“スプリングタイプ”あるいはスプリング圧がかかった接触子あるいはクリップ経由して、便利な電気的接続と信号転送を提供する方法で操作することができる。この構造で、別注のコネクタによる手作業による設置、あるいは手で接触構造物の中にアンテナを挿入することを省くことで、無線機器の構築と製造を簡素化する。該タイプの電気的接続は、また、必要に応じて、あるいは修理のために、あるいは無線装置のグレードアップあるいは他の周波数に変更するために、アンテナを、再ハンダ付け、あるいは特別のコネクタ、その他を必要としないで、容易に交換できることを意味する。前記に解説されているとおり、スプリング接触は、アンテナあるいはアンテナラジエータ(トレース)の全長に寄与し、またトレースの寸法を選択するときに考慮に入れなければならない。
【0053】
信号給電装置は、信号処理装置、あるいは回路基板302上の回路(特に図示されてない)から信号を、基板アンテナ400に接続する。“回路”が、全て公知の、一般的に、受信機と、送信器と、増幅器と、フィルターと、トランシーバ等を含む公知の信号処理回路により提供される機能を指すように使用されていることに留意しなければならない。
【0054】
図8と図9において、アンテナ104と106は、基板アンテナ400に置き替えられている。回路基板302は、多重層基板あるいはプリント配線基板(PCB)技術として呼ばれている形成されている銅とガラス繊維のような導電と誘電材料の多重層から成るものとして図8に示されている。これは、金属導体層508の次、あるいは金属導体層508を支えている誘電材層506の次の金属導体層504の頂上のあるいは金属導体層504の次の誘電材層502として図示されている。導体バイアス(図示されていない)が、各種の層あるいはレベルの上で各種の導体を、外側の表面に構成部品と相互接続するために使用されている。全ての所定層上のエッチングされたパターンは、該層のための相互接続パターンを決める。該形態の中で、層504あるいは508の何れかを、一般的に公知の技術として、基板302を指す接地層あるいは面に形成させることができる。
【0055】
アンテナ400は、回路基板302に隣接して取り付けられているが、接地面(GP)からずらされおり、接地面(GP)にほぼ垂直に基板404と共に配置されている。該配設は、アンテナ400に対して非常に薄いプロファイルを提供しているので、該アンテナを、非常に制約されたスペースに、またハウジング102の表面に隣接して置くことができる。例えば、アンテナ400の位置を、従来のマイクロストリップ・アンテナ設計を使用しては達成できない、ファスナーあるいは取付柱およびハウジング102の側面(上面)の間の所とすることができる。
【0056】
オプションとして、該柱を、ここでアンテナ400を、追加の支持機構あるいは取付器具無しで、自動的に位置決めして支えるのに使用できる。基板の所定の位置を決めるために、いくつかの支持手段が必要であり、この構造で、アンテナの設置のためのコストを削減して、自動化された組立を行うことができる簡単な取付機構を提供することができる。基板を所定の位置に取り付ける方法の性質から、基板を単にハウジングの上に置くだけで済む。回路基板を、ハウジングの中の孔あるいは通路を経由して篏合される表示パネルあるいはコネクタ118の押し込み篏合を使用して、単にハウジングの上に置くことができる。
【0057】
代案の中で、基板404を、小さなブラケット、支柱、隆起、リッジ、スロット、チャンネル、支持押し出し、突出のようなものを使用して、無線機器の中の所定の場所に取り付けることができるか、あるいはハウジング102の壁を製造するために使用された材料で成型された同様のものを、基板を置くのに使用することができる。即ち、該支持は、成型されるか、あるいは、製造されるときに装置のハウジングの壁に、射出成型のようなもので成型することができる。該支持素子で、電話を組み立てる間に、それ等の間あるいはそれ等の内側に挿入するときに、基板404を所定の場所に保持するか、あるいはファスナーを使用して該素子に取り付けることができる。ハウジング(あるいは支柱)の壁の中に形成されているリッジあるいはタブを、基板の縁の回りにスナップ止めして、所定の位置に保持することを助けることができる。
【0058】
他の取り付けのための手段は、基板を側壁あるいは他の部分あるいは素子を無線機器に保持するための接着剤あるいはテープの使用である。
【0059】
図9の中で見られるとおり、基板404を、ハウジングの形にできるだけ整合させるか、あるいは他の素子、一部、あるいは構成部品を無線機器の中に収納するために、カーブさせるか曲げることができる。該基板を、設置する間に該形状かあるいは変形されて製造することができる。薄い基板を使用することで、取り付けるときに基板を固定させたりあるいは曲げることができ、該基板を、該基板により圧力で隣接する面に押し付けて所定の位置に置くことができる。該圧力は、ネジあるいは他のタイプのファスナー無しで、一般的に基板を所定の位置に固定するのに役立たせることができる。
【0060】
しかし、当業者であれば、本発明を正しく運用するために、製造あるいは設置の間に、基板を変形させたり曲げたりする必要が無いことが直ちに分かるはずである。直線の平面の基板は、基本的形状として、良好な機能を発揮する。他の形態も、種々の取付条件で収納する利点を有しているが、本発明の運用を変えない。
【0061】
全ての部品等が、所定の位置に置かれたら、ハウジングの裏のカバーあるいはプレートを、ネジ、ボルトあるいは他の方法で所定の場所に固定する。これは、単に、所定の場所に固定されている隣接する回路基板とカバーあるいはハウジングを取り付けるだけで、アンテナあるいは基板を、ハウジングの中に「捉える」形式で、達成される。追加のファスナーあるいは固定素子は、この取り組みでのアンテナのために必要としない。一組のタブ、あるいは同様の突起を、一定の部分の所でカバーと接面させるように使用して、所定の場所にアンテナを保持するのに必要なネジの数を減らすことができる。
【0062】
導電パッド408は、スプリング、スプリング接触子あるいはクリップ510を使用して、基板302に隣接しまた電気的に接続される位置に置かれる。該スプリング接触子あるいはクリップ510は、ハンダ付けあるいは導電接着のような公知の技術を使用して、回路基板の上に取り付けられる。クリップ510は、その一端が適切な導電体あるいは導電バイアスに電気的に接続され、信号を、無線機器の中の希望する1個あるいはそれ以上の回路に、あるいはまた回路から転送したりし、該回路は、アンテナ400に接続される。クリップ510の他端は、一般的に固定されないで浮いており、回路基板302から、アンテナ400が置かれるべき場所に向けて伸びている。より具体的には、クリップ510は、トレース402の端に隣接した、接触パッド408が置かれる所に置かれる。各図に示されているとおり、クリップ510は、アンテナから離れて円形に曲げられてから、該クリップがアンテナに向けられて戻るまで弧になる。該円形の弧により、基板への作業をより弾力的で簡単なものにするが、図11の中で見られる他のタイプのクリップも、有用であることが知られており、本発明は、これに限定されない。スプリング接触子あるいはクリップ510は、一般的に、銅あるいは真鍮のような金属材料から製造されるが、公知の技術のとおり、信号の減衰あるいは他の好ましい接触特性を条件として、この適用のために知られている全ての変形可能な導電材料を使用することができる。
【0063】
アンテナ400が、層504のような接地面の上を覆って、すなわち並行に、かつ直接に相接しては置かれないので、アンテナは、充分に大きな放射抵抗を有するか維持する。これは、大きなロスを受けないで、即ちアンテナが、良好な整合インピーダンスを有して、アンテナ400に対する適切な整合を提供することが可能であることを意味する。この効率は、アンテナ400が、回路基板302の一方の側へ様々なずらされた位置に動かされても、即ち、該アンテナが横方向に動かされても、基板302に近付かない限り維持される。このアンテナの設計は、性能に妥協しないで、接地面(GP)を励磁するために非常に効率的な手段の役割を果たす。
【0064】
接地面に垂直の基板は必要ないが、本発明の主な特徴は、小さいサイズで、最少のスペースを利用できることである。基板が、接地面と同じ面にまた並行して置かれた場合は、ハウジングと接地面の間で、より大きなスペースを占めることは明らかである。これは、好ましいことではないが、基板の方向は、アンテナを操作する邪魔にはならない。従来のパッチアンテナを使用しなければならず、これが、該アンテナが、大きなスペースを必要とする理由である。本発明は、該アンテナが、無線機器中の小さな横方向のスペースを使用できる点で異なっている。
【0065】
アンテナの場所を、ハウジングに対して、接地面(GP)の付近とし、かつ接地面(GP)の端を超えさせることで、アンテナは、従来のホイップアンテナより非常に全方向性のパターンを提供する。アンテナのこの位置は、また結果として生ずる放射パターンが、殆どの無線通信機器にとって好ましい、ほぼ垂直に分極されることを意味する。
【0066】
基板を、無線機器の中の電子部品に対して、接地面(GP)の「上」あるいは「下」に置いてはならない。上記で解説しているとおり、その理由は、該位置の中では、インピーダンスが、性能に悪影響をあたえることがあるからである。アンテナを、接地面の上にしてはならないことは、重要である。これを、幾つかの方法で、明らかにすることができる。例えば、接地面の上面に体積あるいはスペースがあり、これが、接地面端(縁で囲まれている)まで占める。この体積は、基板にとって排除領域あるいは面積である。トレースをこの体積中に置くことは、接地面の上に置かれることを意味する。もう一つの観点から、接地面の面と基板アンテナとの位置の間の、全ての上昇あるいはオフセット角は、該接地面の面から90度以上にすることはできない。事実、90度より大幅に小さくして、接地面から、適切な、あるいは充分な分離を確保しなければならない。
【0067】
アンテナ、従って基板に着目するもう一つの方法は、位置決めが、該設計で作り出される利点に着目することである。このアンテナを、無線機器の頂上の部分に近い、接地面(GP)と側壁(視点によってはあるいは頂上あるは底の壁)の間に取り付けることができる。折り畳み式電話の場合、アンテナを、2個の、m部分の間の、ヒンジあるいは回転あるいはピボット接続点の近くに取り付けることができる。これによって、電話を開く方法と接続位置の性質のために、使用中にユーザーの頭のようなユーザーから更に離されたアンテナの位置を提供することになる。これは、頭の吸収等の意味で明確な利点である。「バー」型電話あるいは無線機器に対して、基板アンテナを、希望に応じて上面あるいは側面に取り付けることができる。
【0068】
本発明は、該空間あるいは領域を使用することができる形態を有している最初の発明である。本発明は、この意味で、回路基板に隣接しハウジングの次にあり、接地面(GP)からずらされている無線機器のスペース、体積あるいは領域を利用する新しい方法である。接地面(GP)に横に直ちに隣接している領域の中に取付可能な新しいタイプの内部アンテナである。
【0069】
本発明の利点は、取り付けるべきかあるいは所定の位置に置かれるべき基板の取外し部分を必要としないことである。大きなパッチアンテナあるいは素子は、取り外された回路基板、あるいは取り外された回路の部品を取り付けるための場所を持たせるために必要な大きな面積あるいは領域を必要とする。該アンテナのもう一つの態様は、該アンテナが、一般的に丸い平面の面に揃えられて取り付けられることである。即ち、アンテナ放射装置は、平面の形状で形成され(たとえ該放射装置が曲がっていても)、またその平面軸は、その接地面(GP)の平面軸に揃えられ、内蔵アンテナを使用する目的の一部に失敗するスペースの喪失である、アンテナによるスペースの乱用を招く。
【0070】
図7から図9の中に示されているトレース402が、有効共振長の変化に対して影響を受けやすいものであると見なされるものと解釈されなければならない。この部分は、無線機器のユーザーの手あるいは頭の存在からアンテナの共振の最も変化を表しやすい部分である。無線機器中のアンテナ400の作動に影響を与える主な三つのエネルギーロスがある。それらは、ユーザーの手と、ユーザーの頭の吸収と、またユーザーの手の吸収の誘電負荷が原因である、インピーダンスの不整合ロスである。該エネルギーの吸収あるいは不整合ロスが、性能を劣化させる可能性がある。例えば、手あるいは頭の吸収が、無線機器により使用されている信号を著しく減衰させて、性能を劣化させる可能性がある。
【0071】
アンテナ400の最もこれらの影響を受けやすい部分は、アンテナ402の開かれている端と、非給電と、隣接する曲がった部分である。ユーザーの手が、最も触れ難いようにするか、手から充分な間隔を取るように、アンテナの該点を、電話のハウジングの中にすることができる。このアンテナの設計で、手の吸収を最低限度に抑えるために、また更に重要なのは、アンテナに隣接する手あるいは他の物品の存在により作り出される不整合ロスを減らすために(このようなシフトを希望する時を除いて)、無線機器中の設置場所の弾力性を持たせることができる。
【0072】
小さなアンテナのサイズと設置場所の弾力性のもう一つの態様は、機器のユーザーに近くに存在する、エネルギーレベルに対して与える可能性がある影響である。アンテナのより小さいサイズと弾力性がある形態は、機器の外の特定の場所で受ける放射レベルに大きく影響を与える可能性があるハウジング内のアンテナの設置位置に影響を与える。
【0073】
更にアンテナのダウンサイジング、あるいはハウジング102の中の設定位置に弾力性を与えることを支援するために、アンテナを、導電材料をハウジングの上に、あるいは無線機器の表面の中に配置させあるいは蒸着させることで形成させることができる。即ち、ハウジングの側壁に沿って明確な通路がある場合の適用のために、トレースを、壁のすぐ上に蒸着あるいは成型させることができる。これは、図11の断面図の中に示されている。図11の中で、トレース(複数を含む)は、直接支持基板の役割を果たすハウジングの上に配設されている。これで、最少限度のスペースを活用できる。
【0074】
使用されるハウジングの壁の部分は、金属でコーティングされるか、あるいは金属あるいは他の電気的導電材料で製造され、中間の絶縁材料の層を、ハウジングとトレース402の間に使用できる。この形状の中で、好ましいトレース形態を有する金属層を、ハウジングの側面に対して単に押し付けるだけで、無線機器の中に簡単に配置できる裏に接着材料を有する材料の薄い層の上に形成させることができる。この方法を、公知の「取り上げて置く」機械を使用して、自動化することさえできる。この実施形態あるいは他の実施形態において、トレースを、更に、公知の技術で、表面保護のためのコーティングのようなものに使用することができる。
【0075】
しかし、接地面(GP)に対するアンテナあるいは導電材料の相対的配置が、接地面(CP)の上であってはならない意味で、前記に解説されているものと同じでなければならないことは、当業者にとって明らかである。
【0076】
図12は、本発明のアンテナの形成に当たっての、トレースに対する複数の代案としての実施形態を示している。図12(a)において、トレース402は、基板404(図示されていない)の長さに沿って伸びており、また丸い接触子408の一端の上に接続されているか、あるいはそれに合わせて形成されている単体の薄い導電ストリップとして示されている。図12(b)において、トレース402は、接触パッド408に接続されており、非接触端の上に形成されている拡大されたかあるいは丸くなっている部分を有する薄い単体の導電ストリップである。このトレースは、「犬の骨」の外観を有している。図12(c)において、トレース402は、より長く、より角張った接触パッド408に接続されているかそれに成型されている薄い導電ストリップである。ここで、該ストリップは、基板404の長さに沿って伸びており、遠い非接触端の付近で折り畳まれているか曲げられているので、接触パッドの方向に戻されて向け直されている。これによって、アンテナの全長を、λ/4の長さの素子を形成するために使用されるトレースの長さより短くすることができる。前記で述べられているとおり、種々のパターンあるいは形態を、種々の方向に沿って、トレースの方向を直すためあるいは折り畳むために使用できるものと解釈されなければならない。例えば、方形の隅、円形のバンド、あるいは他の形態を、この機能のために使用できる。該トレースは、また折り畳まれた部分が、他の部分より広い。図7(b)の中で示されているように、増大した幅は、一部の応用に対して有用な、アンテナに対して、「上面の負荷」あるいは改善された周波数幅を提供するが、該余分の幅は、本発明で、要求されていない。
【0077】
図12(d)において、トレース402が、基板404の長さに沿って伸びている接触パッド408に接続されている導電ストリップとして再び示されている。この実施形態の中で、トレースは、一方の端に沿ったタブあるいは突起と対応する差込みあるいは反対側の端に窪みを付けて製造された基板の縁に沿ってより複雑な形態を呈している。該トレースは、トレースが接触端に向けて折り畳まれている基板の最も遠い端に到達する前に、2回角をなして回される。折り畳まれた後のトレースの最後の部分は、また該トレースの当初の長さよりやや大きい。
【0078】
基板の長さに沿ったタブと他のアングルと窪みは、無線機器ハウジングの特徴と種々の支持素子の側面と接面するための役割を果たす。即ち、基板404の縁を、ハウジングと篏合するように種々の形とすることができる。該縁の形を、ハウジングの壁の中の対応する変形に整合するか配置して、ハウジングの壁の表面からの種々のバンプ,突起、不規則あるいは既知の突起を避けるようにしたり、無線機器の中に配置する必要があるワイヤーと、導体とケーブルのための空間を残すことさえできる。この目的のために基板の側面あるいは縁に、種々の丸い、角張った、あるいは他の形を使用することができる。該縁で、アンテナを、これまでマイクロストリップ・アンテナに適さなかった空間に取り付けることができる。
【0079】
更に、トレース402あるいは基板アンテナ400を、また3次元の意味で変化させることができる。即ち、トレースが、一般的に平面の表面で形成される一方で、トレースを支える基板あるいは基板の表面を、カーブさせるか曲げて、種々の取付形状にすることができる。即ち、基板が、一般的に薄いが強靭な性格であるので、それを、取り付ける間に、カーブしているか曲がっている構造、可変表面、あるいは端に変形可能に製造することができる。これは、基板の上面図、長さに対して横断してカーブした基板404を示している図12(e)の中に示されている。当業者にとって、種々のカーブあるいは曲がりを、この特徴の中で使用できることは明らかである。例えば、基板表面を、ある種の「曲がった」パターンにまた形成することができる。
【0080】
構築され試験された本発明の好ましい実施形態は、図12(f)から図12(h)の側面と前面図に示されている。ここでは、基板402は、全長約52ミリで、トレースは、約1ミリに作られている。トレースは、折り畳まれる部分の端702に近い所で、広げられて1.5ミリに近付く。接触パッド408と410は、双方とも、基板を経由して2枚を接続する適切な導体バイアス(vias)を付けて導体約6.75ミリ平方に作られた。約1ミリの厚みのガラス繊維基板とが使用され、トレースとパッドの厚みは、約0.01ミリであった。折り畳まれているトレースの端と基板の端の間のスペース704に留意すること。オプションとしての端に付いたスペースあるいは間隙は、トレースの裏を設定して、アンテナの端に近付くかあるいは触れた手の影響を更に減らすのに役立つ。
【0081】
当業者にとって、これに限られるわけではないが、円形、楕円、放物線、曲がっているか、正方形のC型、L型あるいはV型折り畳みジョイントと端のような各種の形態を、トレースと基板のために使用することができることは明らかである。外の端(非給電部分)に向けて幅を広くしたり狭くしたりするために、先細り、カーブ、段階で変化させるように電導体の幅を、長さに沿って変更することができる。当業者であれば、分かるように、複数のこれらの効果あるいは形を、単体のアンテナ構造物に組み合わせることができる。例えば、後で他の寸法に沿ってカーブさせられる、曲げられた、段階的なストリップが、可能である。
【0082】
ホイップアンテナ104と螺旋アンテナ106を取り除いた結果は、本発明を使用する図2の電話を示している図10の側面図の中で明らかである。
【0083】
好ましい実施形態に対する前記の説明は、当業者が、本発明を利用できるようにする。これらの実施形態に対する種々の改造が、中で使用されているタイプの無線機器のタイプのような技術に精通している当業者にとって明らかであり、本明細書の中で定義されている包括的な原理を、発明的才能を使用しないで、他の実施形態に応用することができる。従って、本発明は、本明細書の中に示されている実施形態に限定されることなく、本明細書の中で開示されている原理と新規の特徴と一致する最も広い範囲に適用されるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に組み込まれている回路に対する接地面を有する無線通信機器における使用のための基板アンテナにおいて、
所定の厚みと長さを有する非導電体支持基板と、
少なくとも所定の一つの周波数で、電磁エネルギーの能動放射装置として作動するように選択された長さを有する前記支持基板の上に形成された導電トレースを備え、
前記支持基板が、前記無線機器の中に、前記接地面端の付近に、かつ超えて配設されていることを特徴とする基板アンテナ。
【請求項2】
前記トレースが、誘電材料の上に金属材料を堆積することによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項3】
前記トレースの給電端に接続されている導電パッドを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項4】
前記導電パッドが、スプリングタイプの信号給電と接続されていることを特徴とする請求項3に記載の基板アンテナ。
【請求項5】
前記トレースの長さと幅が、前記基板アンテナが、824MHzから894MHzの周波数幅を有する信号を送受信可能であるようなサイズであることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項6】
トレースの長さと幅が、前記基板アンテナが、1.85GHzから1.99GHzの周波数幅を有する信号を送受信可能であるようなサイズであることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項7】
前記基板が、前記接地面端に隣接して配置され、前記接地面から90度未満の角度でオフセットされていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項8】
前記基板が、前記接地面端に並行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項9】
前記基板が、更に前記接地面を含む平面に対してほぼ垂直に配置された平面内にあることを特徴とする請求項8に記載の基板アンテナ。
【請求項10】
前記基板が、前記接地面の直接上あるいは下に配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項11】
前記基板が、前記接地面端と前記無線機器用のハウジングの壁との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項1】
内部に組み込まれている回路に対する接地面を有する無線通信機器における使用のための基板アンテナにおいて、
所定の厚みと長さを有する非導電体支持基板と、
少なくとも所定の一つの周波数で、電磁エネルギーの能動放射装置として作動するように選択された長さを有する前記支持基板の上に形成された導電トレースを備え、
前記支持基板が、前記無線機器の中に、前記接地面端の付近に、かつ超えて配設されていることを特徴とする基板アンテナ。
【請求項2】
前記トレースが、誘電材料の上に金属材料を堆積することによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項3】
前記トレースの給電端に接続されている導電パッドを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項4】
前記導電パッドが、スプリングタイプの信号給電と接続されていることを特徴とする請求項3に記載の基板アンテナ。
【請求項5】
前記トレースの長さと幅が、前記基板アンテナが、824MHzから894MHzの周波数幅を有する信号を送受信可能であるようなサイズであることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項6】
トレースの長さと幅が、前記基板アンテナが、1.85GHzから1.99GHzの周波数幅を有する信号を送受信可能であるようなサイズであることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項7】
前記基板が、前記接地面端に隣接して配置され、前記接地面から90度未満の角度でオフセットされていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項8】
前記基板が、前記接地面端に並行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項9】
前記基板が、更に前記接地面を含む平面に対してほぼ垂直に配置された平面内にあることを特徴とする請求項8に記載の基板アンテナ。
【請求項10】
前記基板が、前記接地面の直接上あるいは下に配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【請求項11】
前記基板が、前記接地面端と前記無線機器用のハウジングの壁との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の基板アンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−205678(P2011−205678A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−116910(P2011−116910)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2008−238516(P2008−238516)の分割
【原出願日】平成11年2月18日(1999.2.18)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116910(P2011−116910)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【分割の表示】特願2008−238516(P2008−238516)の分割
【原出願日】平成11年2月18日(1999.2.18)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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