説明

基板接続用端子及び基板接続用端子を用いた基板用コネクタ

【課題】基板への固定のための半田を多く必要とすることのない基板接続用端子を提供する。
【解決手段】基板接続用端子30は基板用コネクタ10に固定されると共に、基板1に設けられた接地端子接続孔5に挿入され半田固定される。端子本体部31と、接地端子接続孔5に挿入される端部に、一面側から他面側へ打ち出した打ち出し部34と、先端部を折り返して重ねて端子本体部31より厚みが厚い折り曲げ部35とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板用コネクタを配線基板に接続するために用いられる基板接続用端子及びこの基板接続用端子が取り付けられる基板用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板に接続される基板用コネクタにおいては、接地端子である基板接続用端子を介して配線基板のグランドパターンに接続される。図7〜図14は、従来の基板接続用端子及びこの端子を取り付ける従来構造を示す。図7〜図14の構造は、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
図8に示すように従来構造では、配線基板(以下、基板)100と、基板用コネクタ130と、基板接続用端子150とを備えている。
【0004】
基板100は回路パターンが形成されると共に、コネクタ固定孔103、接地端子接続孔105及び端子接続孔107が貫通するように形成されている。コネクタ固定孔103は基板用コネクタ130を固定するための孔、接地端子接続孔105は基板接続用端子150を接続するための孔、端子接続孔107は接続端子140(図10及び図13参照)を挿通するための孔である。
【0005】
基板用コネクタ130は接続端子140及び基板接続用端子150が取り付けられるコネクタハウジング133と、コネクタハウジング133の片側に一体に形成されたフード部135とを備えている。コネクタハウジング133には、基板100のコネクタ固定孔103に圧入される基板固定突起137が基板100側の面(下面)に突出するように形成されている。又、コネクタハウジング133には、基板接続用端子150が圧入される接地端子圧入孔139が形成されている。フード部135は相手コネクタが嵌合するものである。
【0006】
基板接続用端子150は導電性金属薄板を打ち抜きすることにより形成されるものであり、図9に示すように、端子本体部151と、端子本体部151に一体に形成された係止突起153及び突き当て突部155とを備えている。係止突起153は端子本体部151の一方の端部(基端部)に一対となるように形成されており、一対の係止突起153を合わせた幅が端子本体部151の幅よりも大きくなっている。それぞれの係止突起153は基板用コネクタ130の接地端子圧入孔139に基板接続用端子150を圧入したとき、基板接続用端子150の内面に係止して圧入を停止するものである。突き当て突部155は端子本体部151の他方の端部(先端部)に形成されている。突き当て突部155は基板接続用端子150を基板100に固定するために基板100に半田付けされるものである。この半田付けによって基板接続用端子150は基板100のグランドパターンに接続される。
【0007】
以上の基板接続用端子150は基板用コネクタ130の接地端子圧入孔139及び基板100の接地端子接続孔105を貫通し且つ突き当て突部155が基板100の下面よりも延びる長さを有するように形成されている。
【0008】
従来の構造においては図10及び図13に示すように、接続端子140装着状態の基板用コネクタ130に対し、基板接続用端子150を装着する。基板接続用端子150はコネクタハウジング133の接地端子圧入孔139に圧入されて基板用コネクタ130に装着される。基板接続用端子150はその先端部がコネクタハウジング133の下面から突き出るようにコネクタハウジング133に装着される。
【0009】
次に、図11及び図14に示すように、コネクタハウジング133を基板100に装着する。この装着は基板固定突起137を基板100のコネクタ固定孔103に挿入することによりなされる。このとき、基板接続用端子150の突き当て突部155及び接続端子140の先端部は基板100の下面から突き出ており、基板100に対して半田付けを行うことにより基板100に固定される。この固定と同時に、基板接続用端子150は基板100のグランドパターンに接続され、接続端子140は基板100の配線パターンに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−170331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の基板接続用端子150は、基板用コネクタ130への圧入時における基板用コネクタ130の割れを防止するために、板厚が薄くなるように形成されている。これに対し、基板100の接地端子接続孔105は図7、図12、図14に示すように円形状となっている。このような円形状の接地端子接続孔105に対して基板接続用端子150を挿入すると、接地端子接続孔105と基板接続用端子150との間に隙間Gが多く発生する(図7及び図14参照)。このように多くの隙間Gを発生した状態に対して半田により固定を行う場合には、隙間Gを埋めるだけの大量の半田が必要となっている。これに対し、半田の使用量が不足する場合には、確実な固定ができないものとなる。さらに、接地端子接続孔105との間の隙間を少なくするような厚い板厚や形状を有した基板接続用端子150を形成する場合には、基板接続用端子150の加工が面倒となる問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、基板への固定のための半田を多く必要とすることなく、しかも接地端子接続孔との間の隙間を簡単な構造で少なくすることが可能な基板接続用端子及びこの基板接続用端子を用いた基板用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の発明は、基板用コネクタに固定されると共に、基板に設けられた接地端子接続孔に挿入され半田固定される基板接続用接地端子であって、端子本体部と、前記接地端子接続孔に挿入される端部に、一面側から他面側へ打ち出した打ち出し部と、先端部を折り返して重ねて前記端子本体部より厚みが厚い折り曲げ部とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板接続用端子であって、前記打ち出し部及び折り返し部は前記端子本体部における同じ位置で重なっていることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の基板接続用端子であって、前記接地端子接続孔は円形状で、該円形状の接地端子接続孔に対して前記打ち出し部と折り曲げ部とが挿通されることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の基板接続用端子を用いた基板用コネクタであって、前記基板接続用端子が圧入される接地端子圧入孔を有するコネクタハウジングと、相手コネクタが嵌合されるフード部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の基板接続用端子によれば、基板の接地端子接続孔に挿入される端部に、打ち出し部が形成されると共に先端部を折り返した折り曲げ部が形成されている。しかも打ち出し部は一面側から他面側へ打ち出されることにより厚みが厚くなっていると共に、折り曲げ部は先端部を折り返して重ねることにより厚みが厚くなっている。これらにより基板の接地端子接続孔内における基板接続用端子の体積が大きくなり、接地端子接続孔と基板接続用端子との間の隙間が少なくなる。これにより、隙間を埋めるために必要な半田量を少なくすることができる。又、半田量が不足することがないため、基板接続用端子を確実に固定することができる。さらに、打ち出し部及び折り曲げ部の形成は、基板接続用端子を成形する際にプレスを行うだけ可能であり、簡単な加工で形成することができ、基板接続用端子を安価に作製することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、打ち出し部及び折り返し部が前記端子本体部における同じ位置で重なっていることにより、打ち出し部及び折り返し部が重なった部位では体積がさらに大きくなる。このため、重なり部位においては、接地端子接続孔内における隙間をさらに少なくすることができ、隙間を埋めるための必要な半田量をさらに少なくすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、基板の接地端子接続孔が円形状となっており、この場合においても、基板接続用端子の打ち出し部及び折り曲げ部が接地端子接続孔に挿通されることにより接地端子接続孔と基板接続用端子との間に隙間を少なくすることができる。このため固定のための半田量を少なくすることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、基板用コネクタに対して基板接続用端子を用いるため、基板接続用端子を基板に半田固定することにより基板用コネクタを基板に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に用いる基板用コネクタを示し、(a)は全体断面図、(b)は部分拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いる基板接続用端子を示す斜視図である。
【図3】(a)、(b)は基板接続用端子を加工する手順を示す斜視図である。
【図4】基板接続用端子を装着した状態を示す基板用コネクタの斜視図である。
【図5】基板用コネクタを基板に装着した状態を示し、(a)は斜視図、(b)は部分拡大斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態の基板接続用端子を基板の接地端子接続孔に挿入した状態を示す底面図及び部分拡大図である。
【図7】従来の基板接続用端子を基板の接地端子接続孔に挿入した状態を示す底面図及び部分拡大図である。
【図8】従来の基板接続用端子を用いた接続構造を示す分解斜視図である。
【図9】従来の基板接続用端子を示す斜視図である。
【図10】従来の基板接続用端子を基板用コネクタに装着した状態を示す断面図である。
【図11】従来の基板接続用端子装着状態の基板用コネクタを基板に装着した状態を示す断面図である。
【図12】従来構造の基板用コネクタを基板に装着した状態を示し、(a)は側面図、(b)は底面図、(c)は部分拡大底面図である。
【図13】従来の基板接続用端子を装着した基板用コネクタの斜視図である。
【図14】従来の基板用接続端子装着状態の基板用コネクタを基板に装着した状態を示し、(a)は斜視図、(b)は部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1〜図6は本発明の一実施形態を示し、図1は一実施形態に用いる基板用コネクタ10の断面図、図2は一実施形態に用いる基板接続用端子30の斜視図、図3は基板接続用端子30を加工する手順を示す斜視図、図4は基板接続用端子装着状態の基板用コネクタ10の斜視図、図5は基板用コネクタ10を基板1に装着した状態を示す斜視図、図6は一実施形態の基板接続用端子30を基板1の接地端子接続孔5に挿入した状態を示す底面図である。
【0023】
この実施形態は、基板(配線基板)1と、基板用コネクタ10と、基板接続用端子30とを備えている。
【0024】
基板1は基板用コネクタ10が装着されるものであり、回路パターンが形成されており、回路パターンには接地のためのグランドパターンが含まれる。図5に示すように、基板1は回路パターン(図示省略)に加えて、コネクタ固定孔3、接地端子接続孔5及び端子挿通孔7が板厚方向に貫通するように形成されている。コネクタ固定孔3は基板用コネクタ10を固定するための孔であり、基板1に対して2箇所に形成されている。接地端子接続孔5は基板接続用端子30を接続するための孔であり、基板1に対して2箇所に形成されている。接地端子接続孔5は円形状に形成されている。端子挿通孔7は接続端子40を挿通するための孔であり、接続端子40に合わせた数が形成されている。
【0025】
図1に示すように、基板用コネクタ10はコネクタハウジング11とフード部13とを備えており、全体が絶縁性樹脂により形成されている。フード部13はコネクタハウジング11の片側に一体に形成されており、相手コネクタが挿入されて嵌合する。接続端子40はフード部13に嵌合した相手コネクタの相手端子と接触することにより相手端子と電気的に接続される。
【0026】
コネクタハウジング11には接続端子40が装着されると共に、基板接続用端子30が装着される。接続端子40はフード部13からコネクタハウジング11に引き出されて端子挿通孔7に挿通され、その先端部がコネクタハウジング11の下面11aから抜き出ている。基板接続用端子30は接地端子圧入孔17に圧入されることによりコネクタハウジング11に装着される。
【0027】
コネクタハウジング11には基板固定突起15が形成されている。基板固定突起15はコネクタハウジング11の下面11aから基板1の方向に突出しており、基板1のコネクタ固定孔3に圧入される。この圧入により基板用コネクタ10が基板1に位置決め状態で取り付けられる。
【0028】
基板接続用端子30を装着するための接地端子圧入孔17は基板1の接地端子接続孔5に対応するようにコネクタハウジング11に対して2箇所に形成されている(図4参照)。接地端子圧入孔17は基板接続用端子30が圧入される形状に形成されるものであり、基板接続用端子30の端子本体部31が圧入される貫通孔17aと、貫通孔17aと連続するように形成された係止凹部17bとを有している(図1参照)。貫通孔17aは基板接続用端子30の圧入方向に沿って形成されており、係止凹部17bは貫通孔17aにおける基板接続用端子30の圧入方向の基端部に形成されている。係止凹部17bは貫通孔17aの左右両側を幅方向に広げることにより一対が形成されている。この係止凹部17bには、貫通孔17aに圧入される基板接続用端子30の係止突起33が係止し、この係止により基板接続用端子30の圧入が停止する。
【0029】
基板接続用端子30は導電性金属薄板を打ち抜き及びプレスすることにより形成される。図2に示すように、基板接続用端子30は端子本体部31と、係止突起33と、打ち出し部34と、折り曲げ部35、突き当て突部36とを備えている。基板接続用端子30は基板1の接地端子接続孔5に挿入され(図5及び図6参照)、この挿入状態で半田付けされることにより基板1に接続される。
【0030】
端子本体部31は基板用コネクタ10の接地端子圧入孔17に圧入されるものである。係止突起33は端子本体部31の基端部に左右一対となって形成されている。それぞれの係止突起33は、基板接続用端子30を基板用コネクタ10の接地端子圧入孔17に圧入したとき、同圧入孔17の係止凹部17bに係止する。この係止により基板接続用端子30の圧入が停止する。
【0031】
打ち出し部34は端子本体部31の一部を一面側31aから他面側31bに向かって打ち出すことにより形成されている。この打ち出しにより端子本体部31における打ち出し部34の形成部位の板厚が厚くなっている。
【0032】
折り曲げ部35は端子本体部31における打ち出し部34よりもさらに先端部を折り返して端子本体部31に重ねることにより形成されている。先端部の折り返しは、打ち出し部34の打ち出し方向と反対方向に向かって行われるものであり、このため他面側31bから一面側31aに向かうように折り返しが行われる。そして折り返された折り曲げ部35が端子本体部31に重ねられる。このことにより端子本体部31における折り曲げ部35の重ね合わせ部位の板厚が厚くなる。
【0033】
このように打ち出し部34及び折り曲げ部35の板厚が厚くなることにより、打ち出し部34及び折り曲げ部35の形成部位では、基板接続用端子30の体積が大きくなる。従って、打ち出し部34及び折り曲げ部35を基板1の接地端子接続孔5内に位置させることにより、基板接続用端子30と基板1の接地端子接続孔5との間の隙間G(図5及ぶ図6参照)を少なくすることができ、後述するように基板接続用端子30を基板1に固定するための半田の量を少なくすることができる。
【0034】
図2に示すように、折り曲げ部35及び打ち出し部34は端子本体部31の長さ方向における同じ位置に設けられる。従って、打ち出し部34及び折り曲げ部35は端子本体部31における同じ位置で表裏側で相互に重なり合うようになっている。このように打ち出し部34及び折り曲げ部35が同じ位置で重なり合うことにより、これらの重なり部位における板厚がさらに厚くなり、重なり部位における体積が大きくなる。従って、打ち出し部34及び折り曲げ部35の重なり部位を基板1の接地端子接続孔5内に位置させることにより、基板接続用端子30と基板1の接地端子接続孔5との間の隙間がさらに小さくなり、基板接続用端子30を基板1に固定するための半田の量をさらに少なくすることができる。
【0035】
突き当て突部36は端子本体部31を折り返して折り曲げ部35を形成することにより端子本体部31の先端部に形成される。突き当て突部36は基板接続用端子30を基板1に固定するために基板1に半田付けされるものである。
【0036】
以上の基板接続用端子30は基板用コネクタ10の接地端子圧入孔17及び基板1の接地端子接続孔5を貫通し且つ突き当て突部36が基板1の下面よりも延びる長さを有するように形成される。
【0037】
図3は基板接続用端子30を加工する手順を示す。
【0038】
図3(a)は、原板としての導電性金属薄板から打ち出した1次加工品37を示し、一対の係止突起33を基端部に有した細板状の端子本体部31が形成されている。この1次加工品37においては、延設部39が端子本体部31から先端方向に延びた状態となっている。
【0039】
図3(b)は、1次加工品37をプレスした2次加工品38を示す。1次加工品37の端子本体部31に対してプレスすることにより、一面側31aから他面側31bに打ち出された打ち出し部34が2次加工品に形成される。
【0040】
次に、2次加工品38に対し、プレスによる曲げ加工を行う。プレスによる曲げ加工は延設部39を折り返す加工であり、延設部39の折り返しは打ち出し部34の打ち出し方向と反対方向に向かって行われる。すなわち、端子本体部31の他面側31bから一面側31aに向かうように延設部39を折り返すものであり、この折り返しにより折り曲げ部35が形成される。折り曲げ部35は端子本体部31の一面側31aに重ねられる。これにより打ち出し部34及び折り曲げ部35が形成された図2に示す基板接続用端子30を形成することができる。
【0041】
このような加工では、基板接続用端子30を成形する際にプレスを行うだけで打ち出し部34及び折り曲げ部35を形成することができる。従って、簡単な加工で基板接続用端子30を成形することができ、安価に作成することが可能となる。
【0042】
次に、この実施形態の組み立てを説明する。
【0043】
まず、図1に示す基板用コネクタ10に対し基板接続用端子30を装着する。基板接続用端子30は、コネクタハウジング11の接地端子圧入孔17に圧入することにより装着される。この装着においては、係止突起33が接地端子圧入孔17の係止凹部17bに係止することにより圧入が停止する。コネクタハウジング11に装着された基板接続用端子30は、図4に示すように、打ち出し部34、折り曲げ部35及び突き当て突部36がコネクタハウジング11の下面11aから突出した状態となる。
【0044】
図5は、基板接続用端子30が装着された基板用コネクタ10を基板1に装着する状態を示す。基板用コネクタ10は、基板固定突起15を基板1のコネクタ固定孔3に挿入することにより位置決め状態で基板1に装着される。この装着においては、接続端子40が基板1の下面1aから抜き出される。基板接続用端子30においては図5(b)で示すように、打ち出し部34及び折り曲げ部35が基板1の接地端子接続孔5内に位置し、突き当て突部36が接地端子接続孔5から下方に抜き出される。基板用コネクタ10を基板1に装着した後、基板1の下面1aに半田付けを行う。この半田付けにより接続端子40が基板1の回路パターンと電気的に接続される。又、基板接続用端子30は回路パターンのグランドパターンに電気的に接続される。
【0045】
上述した半田付けにおいては、基板1の接地端子接続孔5内に半田が充填されることにより基板接続用端子30が基板1に半田固定される。この実施形態において、円形状の接地端子接続孔5内には、基板接続用端子30の打ち出し部34及び折り曲げ部35が挿入されることにより、接地端子接続孔5内における基板接続用端子30の板厚が厚くなっている。ことから、接地端子接続孔5内の基板接続用端子30の体積が大きくなっている。このため、接地端子接続孔5が円形状であっても、接地端子接続孔5と基板接続用端子30との間の隙間Gを少なくすることができ、接地端子接続孔5内に充填される半田の量を少なくすることができる。又、半田量が不足することがないため、基板接続用端子30を基板1に確実に固定することができる。
【0046】
上記実施形態では、基板接続用端子30の打ち出し部34及び折り曲げ部35を端子本体部31における同じ位置に設けているが、打ち出し部34及び折り曲げ部35が基板1の接地端子接続孔5内に位置するものであればこれらがずれた位置であっても良い。又、基板接続用端子30の折り曲げ部35は、打ち出し部34の打ち出し方向と反対に折り返されているが、打ち出し部34の打ち出し方向と同じ方向に折り返しても良い。これらの場合においても、上記実施形態と同様に作用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 基板
3 コネクタ固定孔
5 接地端子接続孔
10 基板用コネクタ
11 コネクタハウジング
13 フード部
17 接地端子接続孔
30 基板接続用端子
31 端子本体部
34 打ち出し部
35 折り曲げ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板用コネクタに固定されると共に、基板に設けられた接地端子接続孔に挿入され半田固定される基板接続用接地端子であって、
端子本体部と、前記接地端子接続孔に挿入される端部に、一面側から他面側へ打ち出した打ち出し部と、先端部を折り返して重ねて前記端子本体部より厚みが厚い折り曲げ部とを有することを特徴とする基板接続用端子。
【請求項2】
請求項1記載の基板接続用端子であって、
前記打ち出し部及び折り返し部は前記端子本体部における同じ位置で重なっていることを特徴とする基板接続用端子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の基板接続用端子であって、
前記接地端子接続孔は円形状で、該円形状の接地端子接続孔に対して前記打ち出し部と折り曲げ部とが挿通されることを特徴とする基板接続用端子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の基板接続用端子を用いた基板用コネクタであって、
前記基板接続用端子が圧入される接地端子圧入孔を有するコネクタハウジングと、相手コネクタが嵌合されるフード部とを有することを特徴とする基板用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−133979(P2012−133979A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284430(P2010−284430)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】