説明

報知制御装置、計器、及び、報知制御方法

【課題】ユーザに燃料の消費量を的確に報知することが出来る報知制御装置、計器、及び、報知制御方法を提供する。
【解決手段】報知制御装置は、制御部17、記憶部16、報知部14を備える。制御部17は、ECU20から出力される燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報を取得する。そして、制御部17は、取得した噴射量情報に基づいて、燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に報知部14を制御して報知部14に報知を行わせる。また、制御部17は、積算値が所定値に達する毎に報知部14を所定の期間駆動して、報知部14に報知を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知制御装置、計器、及び、報知制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の報知制御装置として、例えば、特許文献1には、燃費や、アクセルの踏み込み量を表す所定の指標を表示部に表示する車両用燃費表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−168655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、車両走行時だけでなく、アイドリング時であっても燃料は消費されるし、エアコン等の車載電子機器の使用状況によっても燃料消費量は変化するため、燃費や、アクセルの踏み込み量等の実際の走行に伴って変化する指標を表示するだけでは、燃料の消費量をユーザに的確に報知することが出来なかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ユーザに燃料の消費量を的確に報知することが出来る報知制御装置、計器、及び、報知制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る報知制御装置は、
車両における燃料の噴射量を、報知部を介して報知する報知制御装置であって、
所定の装置から出力される、前記燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報を取得する噴射量情報取得手段と、
前記噴射量情報取得手段が取得した前記噴射量情報に基づいて、前記燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して前記報知部に報知を行わせる報知制御手段と、
を備える。
また、本発明の第2の観点に係る計器は、前記報知制御装置を備える。
【0007】
また、本発明の第3の観点に係る報知制御方法は、
車両における燃料の噴射量を、報知部を介して報知する報知制御方法であって、
所定の装置から出力される、前記燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報を取得する噴射量情報取得ステップと、
前記噴射量情報取得ステップで取得した前記噴射量情報に基づいて、前記燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して前記報知部に報知を行わせる報知制御ステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザに燃料の消費量を的確に報知することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る報知制御装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る報知制御装置が搭載される車両用計器の概観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る報知制御処理のフローチャートである。
【図4】(a)〜(c)は、報知制御処理において、報知期間を0.5秒とした場合の、燃料噴射量データの取得タイミングと発光素子の点灯間隔との関係を示した表を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の変形例に係る発光素子の点灯手法を示した表を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の変形例に係る報知部の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る報知制御装置100は、図1に示す車両1の車両用計器10に搭載される。報知制御装置100は、車両1のエンジンにおける燃料噴射量が一定量に達するタイミング毎に、報知部14を駆動制御し、報知を行わせる。
【0011】
(車両用計器10)
車両用計器10は、図1に示すように、スピードメータ11と、タコメータ12と、トリップ表示部13と、報知部14と、入力操作部15と、記憶部16と、制御部17と、を備える。
【0012】
スピードメータ11は、図2に示す車両用計器10の、向かって左側の位置に設けられる指針式の計器であり、制御部17の制御の下、回動する指針11aによって、車両1の走行速度を示す。
【0013】
タコメータ12は、図2に示す車両用計器10の、向かって右側の位置に設けられる指針式の計器であり、制御部17の制御の下、回動する指針12aによって、エンジンの回転数を示す。
【0014】
なお、スピードメータ11及びタコメータ12は、デジタル式のものであってもよい。
【0015】
トリップ表示部13は、図2に示す車両用計器10の、向かって略中央下側に設けられる表示部であり、液晶パネル等から構成され、制御部17の制御の下、燃料表示やODO表示(走行距離表示)等の所定の情報を表示する。
【0016】
報知部14は、発光部141と、音出力部142と、を含む。
【0017】
発光部141は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子から構成され、制御部17の制御の下、点灯し、燃料噴射量に係る情報をユーザに報知する。発光部141は、図2に示すように、タコメータ12の近傍に設けられる。
このように発光部141が設けられることにより、ユーザは、タコメータ12が示すエンジンの回転数と、発光部141が示す燃料噴射量に係る情報とを、一瞥して、一度に知ることができ、省エネ運転をするにあたり多面的な情報を得ることができる。
【0018】
音出力部142は、例えば、車両用計器10の内部に設けられブザーで構成され、制御部17の制御の下、適宜のタイミングで報知音(ブザー音)を発し、燃料噴射量に係る情報をユーザに報知する。
音出力部142は、このように車両用計器10に搭載される報知音発生のための専用装置でなくともよい。音出力部142は、車両1に一般的に搭載されているスピーカ等を含むものであってもよい。
【0019】
入力操作部15は、例えば、図2に示すように、トリップデータ表示部13の近傍に配置され、ユーザからの入力操作を受け付け、車両用計器10の各種設定変更を受け付けるものである。入力操作部15は、受け付けた入力操作を表す入力信号を制御部17に供給する。特に、本実施形態においては、入力操作部15は、発光部141と音出力部142のどちらに報知をさせるかの選択操作や後述する規定値の設定変更操作を受け付け、操作内容を示す入力信号を制御部17に供給する。
なお、入力操作部15は、物理的に単体で構成されるものに限られず、ソフトウェア的に実現され、トリップデータ表示部13や、カーナビゲーションシステム(図示せず)の表示部に、GUI(Graphical User Interface)として表示されるものであってもよい。
【0020】
記憶部16は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の適宜の組み合わせから構成され、i)後述の報知制御処理を実行するための動作プログラム、ii)報知制御処理において報知部14に報知させるタイミングを決定するために必要となる規定値データ、等が記憶される。
【0021】
規定値データは、車両1の燃料噴射量の積算値の閾値(以下、規定値という。)を示し、本実施形態で予め設定されている規定値は1.0ccである。なお、予め設定されている規定値は他の値であってもよい。また、本実施形態においては、ユーザが入力操作部15から設定を変更することで、適宜、他の値に変更が可能である。
【0022】
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、等を含むマイクロコンピュータ等から構成され、記憶部16に格納されている動作プログラムを実行し、処理を行う。具体的には、制御部17は、i)報知制御処理を実行して報知部14を制御したり、ii)入力操作部15からの入力信号に基づいて車両用計器10の各種設定を変更したり、iii)ECU(Electronic Control Unit)20から供給される信号(車両速度やエンジンの回転数等を表す信号)に基づいてスピードメータ11、タコメータ12、トリップ表示部13等を制御したり、する。
なお、制御部17と記憶部16の少なくとも一部とによって、ワンチップのマイクロコンピュータが構成されてもよい。また、制御部17は、車両1に搭載される他の車載装置の制御部(図示せず)と一体的に構成されてもよい。また、その少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の各種専用回路によって構成されてもよい。
【0023】
本実施形態に係る報知制御装置100は、以上の、報知部14、入力操作部15、記憶部16、制御部17の各部から構成される。
【0024】
ECU20は、公知の一般的な処理(車両速度やエンジンの回転数等を表す信号を制御部17に供給する処理等)を行う。特に、ECU20は、車両1の運転状況に応じて、車両1の図示しない各種装置から供給される信号に基づいて、燃料噴射量を算出し、算出した燃料噴射量で噴射が行われるように、エンジンの燃料噴射装置(図示せず)を駆動制御する。これによって、最適な空燃比を実現される。また、ECU20は、算出した燃料噴射量を積算し、燃料噴射量が0.2ccに達すると、この燃料噴射量(0.2cc)を示す燃料噴射量データを、CAN(Controller Area Network)通信で、制御部17に供給する。ECU20は、これを繰り返し行う。これによって、燃料噴射量が0.2ccになるごとに、つまり、0.2ccの燃料が噴射によって消費されるごとに、燃料噴射量データが制御部17に供給される。
なお、燃料噴射量の閾値は0.2ccに限られず、他の値であってもよい。
【0025】
(動作)
次に、報知制御装置100の動作を、図3等を参照して説明する。報知制御装置100の制御部17は、報知制御処理を実行する。この処理は、例えば、車両1のイグニッション・オンにより車両用計器10が起動されたことを契機として、開始される。
【0026】
まず、制御部17は、ECU20から供給される、燃料噴射量データを取得する(ステップS101)。燃料噴射量データは、前述の通り、燃料噴射量が0.2ccに達する毎にECU20から送信されるため、結果的に制御部17は、燃料噴射量が0.2ccに達するタイミングで燃料噴射量データを取得することになる。
【0027】
制御部17は、取得した燃料噴射量データに基づいて、このデータが示す燃料噴射量を記憶部16(制御部17内のRAMであってもよい。以下同じ。)が記憶する燃料噴射量に加算する(ステップS102)。記憶部16が記憶する燃料消費量は、本処理開始時及び後述のリセット直後は0(ゼロ)であり、その他の場合には、前回のステップS102の処理において加算された後の燃料噴射量である。つまり、記憶部16が記憶する燃料噴射量は、ステップS102において積算された燃料消費量であり、以下では、記憶部16に記録されている燃料噴射量の値を燃料噴射量積算値という。
【0028】
制御部17は、記憶部16に記録されている現在の燃料噴射量積算値が、予め記憶部16に記憶されている規定値1.0ccに達しているか否かを判別する(ステップS103)。
燃料噴射量積算値が規定値に達していなかった場合(ステップS103;NO)、制御部17は、燃料噴射量積算値が規定値に達するまでステップS101及びS102の処理を繰り返して実行する。ステップS101及びS102の処理の繰り返しによって、記憶部16に記録されている燃料噴射量は積算される。
一方、燃料噴射量積算値が規定値に達している場合(ステップS103;YES)、制御部17は、ステップS104の処理を実行する。
【0029】
ステップS104において、制御部17は、報知部14(発光部141又は音出力部142)の制御を開始する。制御部17は、所定の期間(以下、報知期間Tとする。)の間、報知部14が報知を行うように、報知部14を制御する。これによって、報知部14は、燃料消費量が前記規定値に達したことを報知する。例えば、制御部17は、ステップS104において、制御信号(High信号)の送信を開始し、その後は、ステップS105以降の処理と並行して報知期間Tだけ制御信号を供給し続ける。報知部14は、制御信号が供給される報知期間T中、報知を行う。つまり、直前のステップS103では、制御部17は、報知部14に報知させるタイミングであるか否かを判別し、ステップS104以降では、制御部17は、報知部14を制御して燃料噴射量積算値が規定値に達したことを報知期間Tの間ユーザに報知する。
入力操作部15により発光部141が選択されていた場合、制御部17は制御信号を発光部141に供給し、発光部141は報知期間T(予め設定されている期間)の間点灯する。
入力操作部15により音出力部142が選択されていた場合、制御部17は制御信号を音出力部142に供給し、音出力部142は報知期間Tの間報知音を発する。
このようにして、報知部14は、ユーザに燃料噴射量積算値が規定値に達したことを報知する。
【0030】
制御部17は、ステップS104で報知部14に所定の制御信号を送信すると、記憶部16に一時的に記憶した燃料噴射量積算値をリセットし(ステップS105)、ステップS101の処理を実行する。以後、制御部17は、同様の処理を繰り返し実行する。このような処理によって、燃料噴射量積算値が規定値に達するごとに、報知部14は報知を繰り返し行う。
【0031】
ところで、制御部17は、報知部14に所定の制御信号を送信する(ステップS104)と燃料噴射量積算値をリセットし(ステップS105)、再度燃料噴射量を積算するため(ステップS101乃至ステップS103)、報知部14が報知期間Tの間、報知をしている最中であっても、上記処理は繰り返し実行される。そのため、報知部14が報知しはじめるタイミング(燃料噴射量積算値が規定値に達するタイミング)と報知期間Tのいかんによっては、報知部14は、途切れなく報知を続けたりする。
【0032】
ここで、報知部14として発光部141(ここでは、LED)を選択し、報知期間Tを0.5秒とした場合の点灯タイミングの具体例を図4(a)〜(c)を参照して説明する。
図4(a)〜(c)は、制御部17が、仮に、燃料噴射量データを一定のタイミングで取得した場合の、LEDの発光状態の具体例を示すものであり、それぞれ、燃料噴射量データを、0.8秒毎に取得した場合(図4(a))、0.4秒毎に取得した場合(図4(b))、0.1秒毎に取得した場合(図4(c))である。つまり、図4(a)、(b)、(c)の順に、単位時間あたりの燃料噴射量は増加している。
【0033】
図4(a)及び(b)を参照すると、燃料噴射量積算値が1.0ccに達する毎に、発光部141が報知期間T(0.5秒間)点灯することがわかる。また、図4(a)の状態よりも単位時間あたりの燃料噴射量が多い図4(b)の状態のほうが短い間隔で、発光部141が点灯・消灯を繰り返す(点滅を繰り返す)ことがわかる。
このように、単位時間当たりの燃料噴射量の大小と同期するように発光部141の点滅間隔(点滅周期)が変化する。ここでは、単位時間当たりの燃料噴射量が大きければ大きいほど、点滅間隔が短くなる。
【0034】
燃料噴射量は、燃料を噴射した量であり、燃料を消費した量である。本実施形態では、燃料噴射量に応じた報知を行うことによって、燃料消費量の報知を行うことができるため、ユーザに燃料の消費量を的確に報知することが出来る。特に、上記のように、燃料消費量の大小に応じて点滅周期を変化させることによって、点滅周期によって、燃料消費量の大小が分かるので、ユーザは直感的に、燃料消費量の大小を把握することが出来る。ユーザは、これを受けて、省エネ運転(車載電子機器のスイッチを切る、アクセルを踏みすぎない等の運転)に反映することができる。
【0035】
一方、図4(a)及び(b)よりも単位時間あたりの燃料噴射量が多い図4(c)を参照すると、0.1秒毎という短いタイミングで燃料噴射量データを取得しているため、発光部141は、点灯し続ける(発光し続ける)。
このように、適切な報知期間Tを設定すれば、単位時間あたりの燃料噴射量が多い状態(燃料消費量が多い状態)が継続する場合、発光部141が点滅を繰り返さず、目障りとならない。
また、発光部141が点灯を続けていることにより、現在の燃料噴射量(つまり、燃料消費量)が比較的多い状態であることをユーザに知らせることができる。ユーザは、これを受けて、省エネ運転に反映することができる。
【0036】
なお、実際は、単位時間あたりの燃料噴射量(制御部17が燃料噴射量データを取得するタイミング)は常に一定ではないため、発光部141は、上記条件に従って、点滅したり、点灯し続けたり、することになる。このため、ユーザは、そのときそのときの燃焼消費量の大小を把握することができる。
【0037】
報知期間Tと点灯間隔との関係を述べれば、燃料噴射量積算値が規定値に達するまでに要する時間が、報知期間T以下の状態が継続する場合、発光部141は点灯し続け(発光し続け)、報知期間Tより長い状態が継続する場合、発光部141は所定の間隔で点滅する(点灯・消灯を繰り返す)。
なお、上記具体例では、報知部14として発光部141を選択した場合を説明したが、音出力部142を選択した場合も同様である。
【0038】
本実施形態では、上記の構成(処理)によって、報知部報知制御装置100は、車両における燃料の噴射量を、報知部を介して報知する。そして、本実施形態では、上記の構成(処理)によって、制御部17は、所定の装置(ECU20)から出力される、燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報(燃料噴射量データ)を取得する噴射量情報取得手段(ステップS101)と、噴射量情報取得手段が取得した噴射量情報に基づいて、燃料の噴射量の積算値(燃料噴射量積算値)が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して報知部14に報知を行わせる報知制御手段(ステップS102乃至S105)と、として機能する。
本実施形態では、燃料噴射量積算値)が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して前記報知部に報知を行わせるので、実際の燃料の消費量と直接関係する燃料噴射量のみによって、燃料消費量の報知を行うことができるため、ユーザに燃料の消費量を的確に報知することが出来る。
【0039】
また、本実施形態では、上記の構成(処理)によって、制御部17(報知制御手段)は、燃料噴射量積算値が所定値に達する毎に前記報知部を所定の期間駆動して、前記報知部14に報知を行わせている。
これにより、本実施形態では、報知の周期は燃料消費量の大小に応じて周期を変化するので、ユーザは直感的に、燃料消費量の大小を把握することが出来る。ユーザは、これを受けて、省エネ運転に反映することができる。特に、燃料噴射量が多い状態(或る期間における単位時間当たりの燃料噴射量が所定の基準よりも多い状態)が継続する場合、報知が行われ続け(点灯し続けたり、報知音が鳴り続けたりする)、燃料噴射量が多い状態を把握し易い。或る期間における単位時間当たりの燃料噴射量が所定の基準よりも多い状態とは、ここでは、燃料噴射量積算値が規定値に達するまでに要する時間が、報知期間T以下の状態が或る期間において続く状態である。
【0040】
(変形例)
以上の実施形態では、報知制御処理において、予め設定された規定値は燃料噴射量積算値の閾値(1.0cc)であり、燃料噴射量積算値がこの規定値に達したか否かによって報知部14に制御信号を送信するタイミングを判別した(ステップS103参照)が、これに限られない。
規定値として、制御部17が、噴射量情報を取得した回数の閾値を予め設定してもよい。この場合、制御部17に、ステップS102で、噴射量情報を取得した回数をカウントさせ、ステップS103で、噴射量情報を取得した回数に達したか否かを判別させればよい。
例えば、規定値を5回とすれば、制御部17は、燃料噴射量が0.2ccに達する毎に噴射量情報を取得する場合、結局、燃料噴射量が1.0ccに達する毎に制御信号を報知部14に送信する(ステップS104参照)ということになるので、このように判別手法を変更しても、同様に、報知部14を制御できる。つまり、制御部17は、燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に報知部14を制御することになる。
なお、この場合の噴射量情報は、燃料の噴射量を特定可能な情報であればよく、燃料噴射量データの他、例えば、燃料噴射量積算値がこの規定値に達したことを示す信号(パルス信号等)であってもよい。
【0041】
また、前述の報知制御処理においては、所定の制御信号を受信した報知部14は、報知期間Tの間報知するとしたが(ステップS104参照)、これに限られない。
図5(a)及び(b)に示すように、報知部14は、制御信号を1回受信したことにおける動作において、点灯→消灯→点灯と動作してもよい。
具体的には、報知部14は、制御信号を1回受信したことによって、図示するように、点灯(0.2秒)→消灯(0.1秒)→点灯(0.2秒)と動作する例が挙げられる。
【0042】
また、以上の実施形態においては、報知部を、車両用計器10が備える報知部14(発光部141又は音出力部142)としたが、これに限られない。
車両1が備えるヘッドアップディスプレイ装置、カーナビゲーション装置等の車載装置の表示部を報知部としてもよい。この場合、表示部は、例えば、図6(a)に示すような複数の領域に分割されたバー状の表示画像214a、図6(b)に示すような複数の領域に分割された円環状の表示画像214b、図6(c)に示すような複数の図形(ここでは、液滴の図形)を含む表示画像214cのいずれかを表示部に表示する。
報知制御処理のステップS104において、制御部17は、所定の制御信号を車載装置に送信する。そして、制御信号を取得した車載装置は、表示画像の領域又は図形の色彩等を変化させる等して、表示画像を変化させる。
具体的には、車載装置の制御部(図示せず)は、制御信号の回数等に応じて、表示画像の領域又は図形の色彩等を変化させる。例えば、図6(a)〜(c)では、制御部は、制御信号の取得回数に応じて、分割した領域又は図形を塗りつぶしていき(ハッチングされた領域又は図形参照)、全て塗りつぶした場合には、全ての塗りつぶしと取得回数とをリセットし、再度制御信号の取得回数に応じて、分割した領域又は図形を塗りつぶす。
車載装置がヘッドアップディスプレイ装置である場合、車載装置は、図6(a)〜(c)に示す表示画像(表示枠及び指標)を、車両1のフロントガラスの車両用計器10の近傍に表示することになる。
上記のような場合であっても、制御部17は、噴射量情報に基づいて、燃料噴射量積算値が予め設定された所定値に達する毎に報知部を制御して報知部に報知を行わせることなる。
ここでも、上記実施形態と同様の効果が適宜得られる。また、ここでは、単位時間当たりの燃料消費量が多ければ多いほど、表示画像がめまぐるしく変化するので、ユーザは直感的に、単位時間当たりの燃料消費量の大小を把握できる。
また、上記のように表示画像を表示することにより、ユーザは、タコメータ12が示すエンジンの回転数と、表示画像が示す燃料噴射量に係る情報とを、一瞥して、一度に知ることができ、省エネ運転をするにあたり多面的な情報を得ることができる。
なお、ECU20からの燃料噴射量データを車両用計器10の制御部17を介して、車載装置が取得する必要はなく、車載装置がECU20から、直接、燃料噴射量データを取得してもよい。この場合、図3のフローチャートに示す報知制御処理を、車載装置の制御部に実行させればよい。この場合、制御部が、報知制御装置になる。また、表示部は、車両用計器10の表示部(例えば、トリップ表示部13)であってもよい。この場合、制御部17が表示画像を変化させるように、表示部を制御する。
【0043】
また、発光部141は、車両用計器20に搭載されるものとしたが、これに限られない。ユーザが車両1を運転する際に、視点を前方方向から大きくそらさずにすむ範囲内であれば、その設置場所は任意である。例えば、発光素子を車両1のフロントパネルや、ステアリングホイールに設置してもよい。
【0044】
また、本発明に係る報知制御装置は、車両の他、船舶等の他の乗り物に使用されるものであってもよい。
【0045】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…車両
10…車両用計器
11…スピードメータ(11a…指針)
12…タコメータ(12a…指針)
13…トリップ表示部
14…報知部(141…発光部、142…音出力部)
15…入力操作部
16…記憶部
17…制御部
100…報知制御装置
20…ECU
214a〜c…表示画像(INa〜c…指標)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における燃料の噴射量を、報知部を介して報知する報知制御装置であって、
所定の装置から出力される、前記燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報を取得する噴射量情報取得手段と、
前記噴射量情報取得手段が取得した前記噴射量情報に基づいて、前記燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して前記報知部に報知を行わせる報知制御手段と、
を備えることを特徴とする報知制御装置。
【請求項2】
前記報知制御手段は、前記積算値が所定値に達する毎に前記報知部を所定の期間駆動して、前記報知部に報知を行わせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の報知制御装置。
【請求項3】
前記報知部は、発光部を含み、
前記報知制御手段は、前記積算値が所定値に達する毎に前記発光部を点灯させることで前記報知を行わせる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の報知制御装置。
【請求項4】
前記報知部は、表示部であり、
前記報知制御手段は、前記積算値が所定値に達する毎に前記表示部の表示を変更させることで前記報知を行わせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の報知制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の報知制御装置を備える計器。
【請求項6】
車両における燃料の噴射量を、報知部を介して報知する報知制御方法であって、
所定の装置から出力される、前記燃料の噴射量を特定可能な噴射量情報を取得する噴射量情報取得ステップと、
前記噴射量情報取得ステップで取得した前記噴射量情報に基づいて、前記燃料の噴射量の積算値が予め設定された所定値に達する毎に前記報知部を制御して前記報知部に報知を行わせる報知制御ステップと、
を備えることを特徴とする報知制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−117865(P2012−117865A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266276(P2010−266276)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】