説明

報知装置

【課題】自動販売機に設置する際に全国に既に設置された自動販売機を交換、変更する必要がなく、災害時に停電が発生しても機能する報知装置を提供する。
【解決手段】報知ユニット1は、固定部4によって自動販売機9を両側から挟持することによって、自動販売機9の上部に固定されて、報知部3から災害情報を報知する。災害情報は地域のCATV放送から取得する。必要な電力は、ソーラーパネル5、その電力を充電するバッテリー、商用電源の3つを切替えて供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から自動販売機に表示部を設けて各種情報を表示することが行われている。表示部には通常、その自動販売機で販売される商品の情報や関連する広告情報が表示されるが、例えば下記特許文献1には、自動販売機の表示部で災害情報を表示する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−16561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし同文献の技術では、自動販売機が表示部や信号受信部を備えるとされている。その場合、全国に既に設置された、表示部や信号受信部を装備していない自動販売機を、それらを装備した自動販売機に交換するコストが膨大となる。また特許文献1の技術は、災害時に停電が発生すると機能しなくなると考えられる。すなわち機能しなければならない肝心な場合における電力供給の問題を考慮していない。
【0005】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、自動販売機に設置する際に全国に既に設置された自動販売機を交換、変更する必要がなく、災害時に停電が発生しても機能する報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明に係る報知装置は、情報を報知する報知部と、災害情報を受信して前記報知部においてその災害情報を報知するように制御する制御部と、太陽光を受光して発電し前記報知部及び制御部に電力を供給する発電部と、を備えた本体部と、その本体部を自動販売機の上部に固定するために前記本体部に備えられた固定部と、を備え、前記発電部は前記本体部から脱着可能であり、前記発電部を前記本体部から離脱した場合には、前記発電部を太陽光を受光可能な位置に配置して、前記発電部から前記本体部へ伝送線で電力を伝送することを特徴とする。
【0007】
これにより本発明に係る報知装置は、自動販売機の上部に固定される形態なので、既存の自動販売機を改良、変形する必要がなく、既存の自動販売機に固定されて、災害情報を街頭で報知できる。また太陽光発電を行う発電部を備えて、それにより得られた電力を用いて災害情報の報知処理を実行するので、災害発生時に停電となった場合にも災害情報の報知が行える。さらに発電部を脱着可能としたので、自動販売機が屋外に設置されている場合は発電部を装着状態として使用し、自動販売機が屋内に設置されている場合は発電部を離脱して発電部のみを屋外に設置すればよい。したがって自動販売機が屋内に設置されている場合にも、太陽光発電を用いて災害情報を報知できる。
【0008】
また前記報知部は、災害情報を受信したときにその災害情報を文字スクロール表示する文字表示部を備えるとしてもよい。
【0009】
これにより文字情報をスクロールして表示する文字表示部によって文字情報によって街頭で災害情報を報知できる。
【0010】
また前記報知部は、災害情報を受信したときに発光する発光部を備えるとしてもよい。
【0011】
これにより発光部を発光させることによって災害の発生を街頭で効果的に注意喚起して報知できる。
【0012】
また前記報知部は、災害情報を受信したときに災害を報知する音声を出力する音声出力部を備えるとしてもよい。
【0013】
これにより音声情報によって街頭で災害情報を報知できる。したがって文字スクロール表示と併用すれば視覚と聴覚の両方で災害情報を報知できるので、視覚あるいは聴覚に障害を有する人にも災害情報を報知できる。
【0014】
また前記発電部で発電した電力を貯蔵する蓄電池部と、電力を取得するために商用電力源に接続するための接続部と、前記発電部、蓄電池部、接続部から前記報知部、制御部への電力供給の切替を制御する電源切替部と、を備えたとしてもよい。
【0015】
これにより太陽光発電と、それを貯蔵した蓄電池と、商用電源と、の3つの電力供給源を用いて、これらを切替えて使用するので、災害情報の報知処理に必要な電力を安定して供給できる。
【0016】
また前記制御部は、テレビジョン放送を受信する受信部と、前記受信部で受信した放送から災害情報の存在を検出する検出部と、前記受信部で受信した放送から災害情報を抽出する抽出部と、を備え、前記制御部は、前記検出部が災害情報を検出した場合は、前記抽出部が抽出した災害情報を報知し、前記検出部が災害情報を検出しない場合は、前記報知部で災害情報以外の情報を報知するとしてもよい。
【0017】
これにより自動販売機の上部に設置された報知装置によって、既存のテレビジョン放送から災害情報を取得して、これを街頭から報知するので、既存のテレビジョン放送による災害情報の伝達範囲を各家庭内などから街頭へと拡大することができる。これによりテレビジョン放送による災害情報がより多くの住民に伝達できるので、災害による被害をより小さく抑えて災害に対して強い社会を構築することに寄与できる。
【0018】
また前記テレビジョン放送はCATV放送であり、前記検出部はCATV放送における緊急情報記述子を検出するとしてもよい。
【0019】
これにより既存のCATV放送網における具体的な緊急情報の放送システムを利用するので、CATV放送による災害情報をより多くの住民に伝達して、災害に対して強い社会を構築することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1の報知装置の斜視図。
【図2】報知装置の側面図。
【図3】報知装置の後方斜視図。
【図4】報知装置の正面図。
【図5】ソーラーパネルを離脱した状態を示す図。
【図6】報知装置の制御関係構成図。
【図7】通信部を示す図。
【図8】電力供給の制御に関するフローチャート。
【図9】報知部の制御に関するフローチャート。
【図10】実施例2の報知装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る報知ユニット1の実施例1における斜視図である。図2はその側面図、図3は斜め後方からの斜視図、図4は正面図である。
【0022】
報知ユニット1(報知装置)は主に、フレーム2、報知部3、固定部4、ソーラーパネル5、制御ユニット6を備えて、自動販売機9の上部に固定される。この報知ユニット1は自動販売機9とは別に製造されて、自動販売機9に後付けで一体に配置される。
【0023】
フレーム2は、第1フレーム21、第2フレーム22、第3フレーム23を備えて、例えば金属製として、自動販売機9の側方から見た場合に歪んだY字形状を有する。第1フレーム21は、自動販売機9の前方斜め上方へと向かって張り出して板状に形成されている。第2フレーム22は、自動販売機9の上端面と平行に、自動販売機9の後方へ向けて延設して形成されている。第2フレーム22の外周は自動販売機9の上端面の外周からはみださない、あるいは(ほぼ)一致するとすれば報知ユニット1の設置に好適である。第3フレーム23は、自動販売機9の上端部分から下方へと板状に延設するかたちで、自動販売機9の左右両側に一対形成されている。
【0024】
第1フレーム21には報知部3が装備される。第2フレーム22にはソーラーパネル5が装備される。第3フレーム23には固定部4が装備される。図2に示された、第1フレーム21と第2フレームの間の角度Aは、自動販売機9のユーザが報知部3を見易いように、90度以上180度未満、例えば100度から130度等の範囲内で設定すればよい。第1フレーム21の下端にねじ部を設けて、それを中心に第1フレーム21を回動可能とすることにより、角度Aを調節可能としてもよい。
【0025】
図3に示されているように第2フレーム22にはソーラーパネル5が挿入される形態で配置される。この挿入のために、第2フレーム22には、四角形状のソーラーパネル5の3辺が挿入される部位に溝部22a(図5参照)が形成されている。ソーラーパネル5を、自動販売機9の後方から、地面に平行に移動させて溝部22aに挿入すればよい。溝部22aは、ソーラーパネル5の3辺全てに対応して形成しなくともよく、部分的に形成されていればよい。
【0026】
図4に示されているように、第1フレーム21において、自動販売機9の前方に面した側には、表示パネル31、発光ダイオード32(LED)、スピーカ33が配置されている。表示パネル31は、例えばLEDがマトリクス状に間隔をつめて整列して配置されて、制御ユニット6からの指令で文字や図形等が左右方向や上下方向にスクロールして表示される。LED32は、図4の例では表示パネル31の周囲に間隔を置いて配置されて、制御ユニット6からの指令で発光あるいは消灯する。スピーカ33は、自動販売機9の前方に音声が伝わる位置に配置されて、制御ユニット6からの指令で音声を出力する。なお表示部3には表示パネル31、発光ダイオード32(LED)、スピーカ33のうちの少なくともいずれか1つを装備すればよい。
【0027】
図4に示されているように固定部4は、自動販売機9の左右両側に一対形成された第3フレーム23の両方に装備されて、自動販売機9を左右から挟持する形態で、報知ユニット1を自動販売機9に固定する。固定部4は例えばボルト式として、ボルトを締め付けることによって報知ユニット1を固定するとすればよい。この方式ならば、簡易な固定方法であるし、既存の自動販売機9を何ら変形、改良する必要もない。
【0028】
図5にはソーラーパネル5を第2フレーム22から離脱させた場合が示されている。この場合、ソーラーパネル5と報知ユニット1との間はケーブル50(伝送線)によって接続する。このケーブル50によってソーラーパネル5で発電された電力が報知ユニット1へ伝送される。ケーブル50は離脱させた場合にのみ装着するとしてもよく、常にケーブル50が装備されており、ソーラーパネル5を第2フレーム22に装着(挿入)した場合には折り畳まれて第2フレーム22の中に収容されるとしてもよい。
【0029】
図5ではソーラーパネル5に台座部51を装着して、これによりソーラーパネル5を立てた状態で太陽光を受光できる位置に配置する。台座部51はソーラーパネル5を第2フレーム22から離脱させた場合にのみ装着するとしてもよく、ソーラーパネル5に常に装備されており、ソーラーパネル5を第2フレーム22に装着(挿入)した場合には台座部51は折り畳まれるとしてもよい。台座部51でなくその他の形状でソーラーパネルを固定する固定部でもよい。
【0030】
図5のようにソーラーパネル5を脱着可能としたので、自動販売機9が太陽光を受光しない位置(例えば屋内)に配置されている場合でも、ソーラーパネル5のみを太陽光が受光できる位置(例えば屋外)に装着することで報知ユニット1にソーラーパネル5から電力を供給することができる。
【0031】
図6には、報知ユニット1の電力及び情報の処理に関係する部分の構成図が示されている。同図のとおり制御ユニット6は、CPU61、メモリ62、通信部63、電源切替部64を備える。さらにバッテリー65、商用電源コネクタ66、交流/直流変換器67(AC/DC変換器、AC/DC)を備える。また制御ユニット6は上述の報知部3、すなわち表示パネル31、LED32、スピーカ33に接続されて、それらに各種指令を発する。
【0032】
CPU61は各種情報処理を行い、メモリ62は各種情報を記憶する。メモリ62は、CPU61の作業領域として機能する揮発性の一時記憶部(RAM)と不揮発性の記憶部とを含むとすればよい。以下の詳細な説明であきらかにされるように、この制御ユニット6あるいはCPU61は、バッテリー65での充電の制御に係るいわゆるバッテリーコントローラや、CATVから受信する災害情報を処理する制御部とを含んで総合的な制御を司る。
【0033】
通信部63は、CATV放送局7およびCATV放送網70とケーブル71(伝送線)を介して接続される。CATV放送局7は、有線放送(あるいは共同受信アンテナテレビジョン、Community Anntenna Television)のための放送局であり、CATV放送網70を通じて放送を送信する。通信部63は、ケーブル71によりCATV放送網70と接続されて、CATV放送を受信する。通信部63を無線通信部として、CATV放送網70の無線通信局72から無線でCATV放送を受信するとしてもよい。
【0034】
電源切替部64は、ソーラーパネル5、バッテリー65、AC/DC変換器67と接続され、またAC/DC変換器67を介して商用電源コネクタ66と接続される。バッテリー65にはソーラーパネル5で発電された電力が充電される。バッテリー65は、例えば第1フレーム21内やソーラパネル5の裏面側に板状に形成すれば効率的に空間を利用できる。商用電源コネクタ66は、自動販売機9へ電力を供給する商用電源に接続される。それにより商用電力がAC/DC変換器67によって直流に変換されたうえで、報知ユニット1に電力を供給する。ソーラーパネル5、バッテリー65、商用電力からの電力供給をどのように切替えて制御するかは後述する。
【0035】
次に図7には通信部63の内部構成が示されている。同図のとおり通信部63には、チューナ63a、デジタル復調器63b、誤り符合訂正回路63c(誤り訂正回路)、デマルチプレクサ63dを備える。こうした構成によってCATV放送から災害情報のみを抽出する。その詳細を以下で説明する。
【0036】
今日CATV放送では通常、テレビ放送サービスにデータサービスが多重化されたトランスポートストリーム(TS)が生成されて、これが一般家庭などの受信者まで送信される。受信者側では受信機を操作することによってテレビ番組を見るのみでなく、各種データを取得できるようになっている。データサービスとして代表的な形式がPSI/SIである。以下ではCATV放送のシステムとして代表的なMPEG2 Systemによるデジタル放送システムに関して説明する。
【0037】
PSI(プログラム固有情報、Program Specific Information)は、MPEG2 System(ISO/IEC13818−1、ITU−TH.222.0)で規定されており、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、NIT(Network Information Table)、CAT(Conditional Access Table)の4つのテーブルからなる。
【0038】
SI(サービス情報、Service Information)は、ARIB STD−B10で規定され、SDT(Service Descriptor Table)、EIT(Event Information Table)、BIT(Broadcast Information Table)、TOT(Time Offset Table)等から構成される。
【0039】
PSIは所要の番組を選択するために必要な情報で、SIには番組内容やサービス情報が記述されている。例えばEPG(電子番組ガイド、Electronic Program Guide)と呼ばれるサービスは、PSI/SIを構成するテーブルが含む情報を用いて提供される。
【0040】
CATV放送局7に対して地域の自治体などから災害情報を伝達するシステムが構築されているとする。災害情報とは、地震などの災害が発生した情報、あるいは発生することを予知した情報、津波が到達する可能性があるとの情報、どこへ避難すればよいかの情報、台風の予想される進路や被害の大きさの情報等の緊急の情報を含むとすればよい。また災害発生後の、どこで救助が受けられるか、どこで食料などの物資が入手できるか、等の情報も含むとすればよい。
【0041】
日本CATV技術協会JCTEA STD−003−1.1によれば、緊急放送時には、CATV放送局は、PSIにおけるNIT又はPMT内で緊急情報記述子(EID:Emergency Information Descriptor)を伝送するように規定されている。
【0042】
本発明では、災害情報の放送時にEIDを伝送するチャンネルが設定してあり、報知ユニット1には予めその情報が与えられている(例えば不揮発性のメモリ62に記憶されている)とする。図7に示された通信部63におけるチューナ63aでは、災害情報の放送時にEIDを伝送するチャンネルを常に選局する。
【0043】
そしてデジタル復調器63bでは、デジタル変調に対応したデジタル復調が実行される。ここではCATVで代表的な64QAMのデジタル復調とすればよい。そして誤り符合訂正回路63cでTSパケットで誤りがあればそれを検出し、訂正する。そしてデマルチプレクサ63dで、TSデータからPSIさらには、EIDを抽出する。
【0044】
EIDにはstart_end_flag、area_code、service_id等の項目ごとに情報が記述されている。start_end_flagが1のときは緊急放送が放送中である。その場合area_codeが示す地域に自動販売機9が属するか否かを判定する。属する場合には、次にservice_idが示すチャンネル番号に緊急放送が放送されているので、これを受信する。以上の処理によってCATV放送から災害情報のみが抽出される。
【0045】
図8、9には、以上の構成のもとでの報知ユニット1の動作が示されている。図8は報知ユニット1への電力供給の制御に関するフローチャートであり、図9は報知ユニット1の報知部3における報知処理を示すフローチャートである。これらのフローチャートはプログラム化して予めメモリ62に記憶しておき、CPU61が自動的に呼び出して実行すればよい。CPU61はこれらのフローチャートを予め設定された周期で周期的に常時実行すればよい。まず図8から説明する。
【0046】
図8の処理では、ソーラーパネル5、バッテリー65、商用電力の順で優先順位を付けて、報知ユニット1へ電力を供給する。具体的にはまず手順S10でCPU61は、優先順位第1位であるソーラーパネル5から報知ユニット1へ電力を供給する。
【0047】
次にS20でCPU61は、報知ユニット1へ電力供給が充分であるか否かを判断する。CPU61は、電力供給が充分な場合(S20:YES)はS30へ進み、天候の影響、あるいは夜間であることなどの理由で電力供給が充分でない場合(S20:NO)はS40へ進む。
【0048】
S30では、CPU61は、ソーラーパネル5から供給されて報知ユニット1で消費されても、まだ余った余剰電力をバッテリー65に充電する。S40でCPU61は、ソーラーパネル5からの電力供給では不足する分を優先順位第2位のバッテリー65から供給する。
【0049】
次にS50でCPU61は、報知ユニット1へ電力供給が充分であるか否かを再度判断する。CPU61は、電力供給が充分な場合(S50:YES)は図8の処理を終了する。ソラーパネル5及びバッテリー65からの電力供給の合計でもまだ電力供給が充分でない場合(S50:NO)はS60へ進む。
【0050】
S60でCPU61は、商用電力が使用可能であるか否かを判断する。CPU61は、商用電力が使用可能な場合(S60:YES)はS70へ進み、停電の影響など、あるいはコネクタ66の不具合などの影響で商用電力が使用可能でない場合(S60:NO)はS80へ進む。
【0051】
S70でCPU61は、電力の不足分を優先順位第3位の商用電力から供給する。S80でCPU61は、省電力モードに切り替える。具体的に省電力モードでは、例えば後述のS140商品情報の報知を削除する、すなわち災害情報を報知するとき以外は報知部3に電力を供給しないオフ状態(切状態)とする。
【0052】
次に図9を説明する。図9の処理では、災害情報の送信を検出したら災害情報を報知し、それ以外のときは商品情報を報知する。
【0053】
具体的にはまず手順S110で、CPU61はCATV放送を受信する。そしてS120でCPU61は、新たなEIDが検出されたか否かを判断する。新たなEIDが検出された場合(S120:YES)はS130へ進み、新たなEIDが検出されていない場合(S120:NO)はS140へ進む。
【0054】
S130では、CPU61は新たなEIDが検出されたので上記方法で災害情報を抽出して報知部3で報知する。具体的には、例えば表示パネル31で緊急情報を文字で表示する。LED32は、周辺の人々に緊急性を伝達するために例えば赤色LEDの点滅発光を実行する。またスピーカ33からは警報音声(例えばブザー音やサイレン)を発する。あるいは緊急情報を音声で伝える。
【0055】
S140ではCPU61は新たなEIDが検出されていないので、例えば自動販売機9で販売されている商品に関する情報を報知部3で報知する。この商品情報は予め不揮発性のメモリ62に記憶しておけばよい。商品情報に加えてその他の情報、例えば企業情報やイベント情報等でもよい。また気象情報を報知してもよい。以上のように、地域のCATVから送信される災害情報を報知するので、地域の状況に即したきめ細かい災害情報が報知できる。
【0056】
次に実施例2を説明する。実施例2ではソーラーパネル5を太陽光線の方向に応じて傾斜して装備することができる。これにより発電効率を向上できる。実施例2の報知ユニット1bは図10に示されている。図10において実施例1の同一の部分は同一符号としてある。以下で実施例1と異なる部分を説明する。
【0057】
報知ユニット1bでは、報知ユニット1における第2フレーム22が第2フレーム24に変更される。第2フレーム24は中央部が中空とされた四角形の形状とされている。この四角形形状が自動販売器9の上面の四角形の4辺にほぼ重なる大きさとすればよい。第2フレーム24の上面には複数の孔部24aが形成されている。孔部24aは、第2フレーム24の四角形状の4辺のそれぞれに一対ずつ形成されて、合計孔部24aは8個である。
【0058】
ソーラーパネル5の裏面5aには、第2フレーム22における孔部24aの位置関係と同様に、合計8個の孔部54が形成されている。また長さが長い一対の棒部材52(長棒)、長さが短い一対の棒部材53(短棒)が備えられている。
【0059】
図10に示されているように、第2フレーム24における、一対の孔部24aに長棒52を挿入し、それと平行に形成された一対の孔部24aに短棒53を挿入する。そしてソーラーパネル5を上方に配置して長棒52、短棒53に対向する位置にある孔部52に長棒52、短棒53を挿入する。これによりソーラーパネル5が傾斜された形態で報知ユニット1bに固定される。
【0060】
図10はソーラーパネル5が自動販売機9の前方に傾斜させた場合が示されているが、容易に理解されるように、長棒52、短棒53の位置を変更することによって、ソーラーパネル5を自動販売機9の後方、右方、左方にも傾斜させて配置することもできる。なお図10のソーラーパネル5も、図5のように報知ユニット1bから離脱して配置してもよい。
【0061】
上記実施例ではCATV放送から災害情報を取得したが、これを地域の一斉同報に対応するように変更してもよい。一斉同報では、地域ごとに例えば役所(役場)等から各地に設置された街頭のスピーカに無線で各種情報を送信し、スピーカから音声でその情報を付近住民に伝達する。本発明で一斉同報に対応する場合、通信部6にその地域の一斉同報の受信機能を持たせて、受信した情報をスピーカ33から出力すればよい。
【0062】
また本発明を、いわゆるJ−ALARTから災害情報を取得できるように変更してもよい。J−ALART(全国瞬時警報システム)では、消防庁が、気象庁から緊急地震速報や地震・津波警報、火山の噴火警報、気象警報等を受信する。また消防庁は内閣官房から有事関係の緊急情報も受信する。消防庁は受信したこれらの緊急情報を人工衛星に送信する。
【0063】
人口衛星は緊急情報を、衛星信号受信施設を備えた各都道府県庁や市町村役所(役場)へ送信する。各都道府県庁や市町村役所(役場)は緊急情報を、コミュニティーFMを通じて放送したり、街頭に設置された同報スピーカへ無線で送信して音声で付近住民に伝達したりする。J−ALARTでは以上の情報伝達を全て自動的に行うことによって、災害や有事などの緊急事態の発生から瞬時で国民に緊急情報を伝達する。
【0064】
本発明をJ−ALARTに対応させる場合、通信部6を、各都道府県庁や市町村役所(役場)からJ−ALARTで送信された緊急情報の受信機能を持たせて、受信した情報を報知部3から報知するように変更すればよい。
【0065】
また上記実施例では報知ユニット1、1bを自動販売機9の上部に設置したが、屋外に設置された他の機器、例えば写真撮影ボックス、バス停留所、広告塔等の上部に設置してもよい。またバッテリー65は商用電源コネクタ66、AC/DC67を通じて商用電力を直流に変換して充電してもよい。
【0066】
上記実施例において、制御ユニット6が制御部を構成する。ソーラーパネル5が発電部を構成する。フレーム2が本体部を構成する。表示パネル31が文字表示部を構成する。LED32が発光部を構成する。スピーカ33が音声出力部を構成する。バッテリー65が蓄電池部を構成する。商用電源コネクタ66が接続部を構成する。通信部63が受信部を構成する。S120の手順とCPU61が検出部を構成する。S130の手順とCPU61が抽出部を構成する。
【符号の説明】
【0067】
1 報知ユニット(報知装置)
2 フレーム(本体部)
3 報知部
4 固定部
5 ソーラーパネル(発電部)
6 制御ユニット(制御部)
9 自動販売機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を報知する報知部と、
災害情報を受信して前記報知部においてその災害情報を報知するように制御する制御部と、
太陽光を受光して発電し前記報知部及び制御部に電力を供給する発電部と、
を備えた本体部と、
その本体部を自動販売機の上部に固定するために前記本体部に備えられた固定部と、を備え、
前記発電部は前記本体部から脱着可能であり、
前記発電部を前記本体部から離脱した場合には、前記発電部を太陽光を受光可能な位置に配置して、前記発電部から前記本体部へ伝送線で電力を伝送することを特徴とする報知装置。
【請求項2】
前記報知部は、災害情報を受信したときにその災害情報を文字スクロール表示する文字表示部を備える請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
前記報知部は、災害情報を受信したときに発光する発光部を備える請求項1又は2に記載の報知装置。
【請求項4】
前記報知部は、災害情報を受信したときに災害を報知する音声を出力する音声出力部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の報知装置。
【請求項5】
前記発電部で発電した電力を貯蔵する蓄電池部と、
電力を取得するために商用電力源に接続するための接続部と、
前記発電部、蓄電池部、接続部から前記報知部、制御部への電力供給の切替を制御する電源切替部と、
を備えた請求項1ないし4のいずれか1項に記載の報知装置。
【請求項6】
前記制御部は、
テレビジョン放送を受信する受信部と、
前記受信部で受信した放送から災害情報の存在を検出する検出部と、
前記受信部で受信した放送から災害情報を抽出する抽出部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部が災害情報を検出した場合は、前記抽出部が抽出した災害情報を報知し、前記検出部が災害情報を検出しない場合は、前記報知部で災害情報以外の情報を報知する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の報知装置。
【請求項7】
前記テレビジョン放送はCATV放送であり、
前記検出部はCATV放送における緊急情報記述子を検出する請求項6に記載の報知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−22684(P2011−22684A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165393(P2009−165393)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(503147468)ジェット・NEKO株式会社 (13)
【Fターム(参考)】