説明

塗布、現像装置、その方法及び記憶媒体

【課題】一のロットAの基板と後続の他のロットBの基板との間で、第2の加熱ユニットの加熱処理温度を変更する場合に、スループットの向上を図ること。
【解決手段】温調ユニットCPL2、塗布ユニットBCT、加熱ユニットLHP2、温調ユニットCPL3、塗布ユニットCOT、加熱ユニットLHP3、冷却ユニットCOLの順にウエハWを搬送する場合に、ロットAの最後のウエハA10を加熱ユニットLHP3にて処理した後、当該ユニットLHP3の加熱温度を変更し、前記ロットBの先頭のウエハB1が温調ユニットCPL3に搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭のウエハB1に続く加熱ユニットLHP2にて加熱処理されたウエハBを退避ユニットBF2に順次満たしていき、また加熱ユニットLHP3の温度変更後においては、前記退避ユニットBF2内のウエハBを順次下流側のモジュールに搬送するようにウエハを搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハやLCD基板(液晶ディスプレイ用ガラス基板)等の基板に対してレジスト液の塗布処理や、露光後の現像処理等を行う塗布、現像装置、その方法及び塗布、現像方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスやLCD基板の製造プロセスにおいては、フォトリソグラフィと呼ばれる技術により、基板に対してレジストパターンの形成が行なわれている。この技術は、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)などの基板に、レジスト液を塗布して当該ウエハの表面に液膜を形成し、フォトマスクを用いて当該レジスト膜を露光した後、現像処理を行なうことにより所望のパターンを得る、一連の工程により行われている。
【0003】
このような処理は、一般にレジスト液の塗布や現像を行う塗布、現像装置に露光装置を接続したレジストパターン形成装置を用いて行われる。ここで前記レジストパターン形成装置としては例えば特許文献1に示す装置が提案されている。この装置では、例えば図15に示すように、多数枚のウエハWを収納したキャリア10がキャリアブロック1Aのキャリアステージ11に搬入され、キャリア10内のウエハは受け渡しアーム12により処理ブロック1Bに受け渡される。そして処理ブロック1B内においては、第1の温調ユニット→反射防止膜形成ユニット→第1の加熱ユニットの経路で搬送され、ウエハW表面に反射防止膜が形成される。
【0004】
次いでウエハWは第2の温調ユニット→塗布ユニット→第2の加熱ユニット→冷却ユニットの経路で搬送され、前記反射防止膜の表面にレジスト膜が形成され、この後インターフェイスブロック1Cを介して露光装置1Dに搬送される。露光処理後のウエハは、再び処理ブロック1Bに戻されて現像ユニット13Bにて現像処理が行われ、元のキャリア10内に戻されるようになっている。なお前記反射防止膜形成ユニットは図示されていないが、このユニットは例えば塗布ユニット13Aや現像ユニット13Bの下段側に設けられている。
【0005】
この際、前記第1及び第2の加熱ユニット、第1及び第2の温調ユニットや冷却ユニット、受け渡しステージ等は、棚ユニット14(14a〜14c)に多段に配列されており、ウエハWは処理ブロックBに設けられた2つの搬送手段15A,15Bにより、反射防止膜形成ユニットと塗布ユニット13Aと現像ユニット13と棚ユニット14A〜14Cの各部等の、処理ブロック1B内においてウエハWが置かれるモジュール間を搬送されるようになっている。ここでウエハWは上記の処理を施されるにあたり、特許文献1に記載されるように、処理予定の全てのウエハWについて、予め各々がどのタイミングでどのモジュールに搬送されるかを定めた搬送スケジュールに従って搬送される。
【0006】
ところで上述の装置において、一のキャリアから払い出された複数の同種のウエハの集合であるロットAのウエハAと、後続の他のロットBのウエハBとを、キャリアブロック1Aから処理ブロック1Bに連続して払い出して処理を行い、ロットAとロットBとの間で、前記第2の加熱ユニットにおける加熱処理温度が変更される場合がある。ここで前記加熱処理は、例えば所定の温度に調整された加熱プレート上にウエハを載置して行われ、前記加熱処理温度の変更は前記加熱プレートの設定温度を変更することにより行われる。
【0007】
この場合、従来では、第2の加熱ユニットにおける加熱処理温度を変更するにあたり、ロットAの最終ウエハA10をキャリアブロック1Aから処理ブロック1Bに払い出した後、ロットBの先頭ウエハB1のキャリアブロック1Aから処理ブロック1Bへの払い出しを停止し、
前記最終ウエハA10が第2の加熱ユニットにて処理され、次のユニットに搬送された後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度の変更を開始し、
当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度の変更が終了してから、前記ロットBの先頭ウエハB1のキャリアブロック1Aから処理ブロック1Bへの払い出しを開始するような搬送スケジュールに沿って、ウエハA及びウエハBの搬送が行なわれている。
【0008】
従って、ロットBのウエハBに対しては、第2の加熱ユニットの温度変更が終了するまで、処理ブロック1Bへの搬入が行われないので、第2の加熱ユニットの温度変更を行っている間は、前記ウエハBに対しては処理ブロック1Bにおける処理を行うことができないことになる。このため前記第2の加熱ユニットの熱処理温度変更に要する時間が長くなると、前記ウエハBが処理を行えずに待機している時間が長くなるので、スループットの低下を招いてしまう。
【0009】
ところで近年、露光装置のスループットが早くなってきており、塗布、現像装置においても露光装置のスループットに合わせた処理能力が求められている。このため本発明者らは、露光処理前のモジュールを収納するエリアと、露光処理後のモジュールを収納するエリアとを上下に配置し、夫々のエリアに搬送手段を設けることにより、搬送手段の負荷を軽減して、搬送効率を高め、これにより塗布、現像装置のスループットを高めることを検討している。このように、塗布処理を行うエリアと、現像処理を行うエリアを夫々上下に配置し、夫々のエリアに搬送手段を設ける構成は特許文献2に記載されている。
【0010】
しかしながらこのような構成においても、各エリア内では搬送手段により搬送スケジュールに沿ってウエハWの搬送が行われているので、前記ロットAとロットBとの間で、レジスト塗布後の加熱処理温度を変更する場合には、上述と同様の問題が発生するおそれがあるが、この点については特許文献2には何ら記載されていない。
【0011】
【特許文献1】特開2004-193597号公報
【特許文献2】特許第3337677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、一のキャリアから払い出された複数の同種のウエハの集合である一のロットの基板と、後続の他のロットの基板との間で、第2の塗布ユニットの後に搬送される第2の加熱ユニットの加熱処理温度を変更する場合に、スループットの向上を図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このため本発明の塗布、現像装置は、複数枚の基板を収納したキャリアが載置され、キャリアとの間で基板の受け渡しを行う受け渡し手段を備えたキャリアブロックと、前記受け渡し手段から受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行うための処理ブロックと、を有し、
処理ブロックでは、基板搬送手段により、第1の温度に基板を温調する第1の温調ユニット、第1の塗布液を基板に塗布する第1の塗布ユニット、基板を加熱処理する第1の加熱ユニット、第2の温度に基板を温調する第2の温調ユニット、第2の塗布液を基板に塗布する第2の塗布ユニット、基板を加熱処理する第2の加熱ユニット、基板を冷却する冷却ユニットの順に、基板を搬送し、
基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、予め設定した搬送スケジュールに基づいて、基板搬送手段により下流側のモジュール内の基板から順次一つ順番が後のモジュールに移し替えることにより、順番の小さい基板が順番の大きい基板よりも下流側のモジュールに位置する状態を形成し、これにより一つの搬送サイクルを実行し、当該搬送サイクルを終了した後、次の搬送サイクルを実行することで、基板の搬送が行われる塗布、現像装置において、
前記処理ブロックに設けられ、複数枚の基板を退避することができる退避ユニットと、
一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロットの最後の基板が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更する手段と、 前記後続の他のロットの先頭の基板が第2の温調ユニットに搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭の基板に続く第1の加熱ユニットにて加熱処理された基板を退避ユニットに順次満たしていくように、また前記第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニット内の基板を順次下流側のモジュールに搬送するように、基板搬送手段を制御する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで前記先頭の基板に続く第1の加熱ユニットにて加熱処理された基板とは、第2の温調ユニットが複数設けられている場合には、これら第2の温調ユニットに振り分けられた基板の次の基板をいうものとする。
【0015】
前記処理ブロックは、前記第1の温調ユニットと、第1の塗布ユニットと、第1の加熱ユニットと、退避用ユニットと、これらの間で基板の受け渡しを行う基板搬送手段とを備えた第1の塗布膜形成用の単位ブロックと、
前記第2の温調ユニットと、第2の塗布ユニットと、第2の加熱ユニットと、これらの間で基板の受け渡しを行う基板搬送手段とを備え、前記第1の塗布膜形成用の単位ブロックに積層して設けられた第2の塗布膜形成用の単位ブロックと、
基板に対して現像処理を行なう現像ユニットと、基板を加熱処理する加熱ユニットと、基板を冷却する冷却ユニットと、これらの間で基板の受け渡しを行う基板搬送手段とを備え、前記第1の塗布膜形成用の単位ブロックと第2の塗布膜形成用の単位ブロックとに対して積層して設けられた現像処理用の単位ブロックと、
これら第1の塗布膜形成用の単位ブロックと、第2の塗布膜形成用の単位ブロックと、現像処理用の単位ブロックの各単位ブロックに設けられ、他の単位ブロックとの間で基板の受け渡しを行なうための受け渡し部と、各単位ブロックの受け渡し部同士の間で基板の受け渡しを行なう受け渡し手段と、を備えるものであってもよい。
【0016】
また前記退避ユニットは、第1の塗布膜形成用の単位ブロックの基板搬送手段と、前記処理ブロックに設けられた受け渡し手段と、により基板の受け渡しを行うように設けられるようにしてもよい。さらに前記後続の他のロットの2枚以上の基板が前記退避ユニットに退避しているときは、第1の温調ユニットからの基板の搬出を禁止するように、基板搬送手段を制御する手段を備えるようにしてもよいし、前記退避ユニットに退避していた前記後続の他のロットの基板の、当該退避ユニットの下流側のモジュールへの搬送が開始されたときに、第1の温調ユニットからの基板の搬出を開始するように、基板搬送手段を制御する手段を備えるようにしてもよい。
【0017】
ここで前記第1の塗布ユニットはレジスト液を塗布する前の基板に反射防止膜用の塗布液を塗布するユニットとし、前記第2の塗布ユニットは基板にレジスト液を塗布するユニットとすることができる。また前記第1の塗布ユニットは基板にレジスト液を塗布するユニットとし、前記第2の塗布ユニットはレジスト液が塗布された基板に反射防止膜用の塗布液を塗布するユニットとしてもよい。
【0018】
また本発明の塗布、現像方法は、処理ブロックにて、複数枚の基板を収納したキャリアが載置されるキャリアブロックから受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行うと共に、
基板搬送手段により、第1の温度に基板を温調する第1の温調ユニット、第1の塗布液を基板に塗布する第1の塗布ユニット、基板を加熱処理する第1の加熱ユニット、第2の温度に基板を温調する第2の温調ユニット、第2の塗布液を基板に塗布する第2の塗布ユニット、基板を加熱処理する第2の加熱ユニット、基板を冷却する冷却ユニットの順に、基板を搬送し、
基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、予め設定した搬送スケジュールに基づいて、基板搬送手段により下流側のモジュール内の基板から順次一つ順番が後のモジュールに移し替えることにより、順番の小さい基板が順番の大きい基板よりも下流側のモジュールに位置する状態を形成し、これにより一つの搬送サイクルを実行し、当該搬送サイクルを終了した後、次の搬送サイクルを実行することで、基板の搬送が行われる塗布、現像方法において、
一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロットに対して、前記予め設定した搬送スケジュールに基づいて基板を搬送して、塗布膜を形成する処理を行う工程と、
前記一のロットの最後の基板が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更する工程と、
前記後続の他のロットの先頭の基板が第2の温調ユニットに搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭の基板に続く第1の加熱ユニットにて加熱処理された基板を、前記処理ブロックに設けられ、複数枚の基板を退避することができる退避ユニットに順次満たしていくように、また前記第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニット内の基板を順次下流側のモジュールに搬送するように、前記搬送スケジュールを書き換える工程と、
前記他のロットに対して、書き換えられた搬送スケジュールに基づいて基板を搬送して、塗布膜を形成する処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
更に他の発明は、処理ブロックにて、複数枚の基板を収納したキャリアが載置されるキャリアブロックから受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行う塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記プログラムは、本発明の塗布、現像方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上において本発明では、一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロットの基板と、後続の他のロットの基板との間で、第2の塗布ユニットの後に搬送される第2の加熱ユニットの加熱処理温度を変更する場合に、スループットの向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
先ず本発明の塗布、現像装置の実施の形態に係るレジストパターン形成装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、前記装置の一実施の形態の平面図を示し、図2は同概略斜視図、図3は同概略側面図である。この装置は、基板であるウエハWが例えば13枚密閉収納されたキャリア20を搬入出するためのキャリアブロックS1と、複数個例えば4個の単位ブロックB1〜B4を縦に配列して構成された処理ブロックS2と、インターフェイスブロックS3と、露光装置S4と、を備えている。
【0022】
前記キャリアブロックS1には、前記キャリア20を複数個載置可能な載置台21と、この載置台21から見て前方の壁面に設けられる開閉部22と、開閉部22を介してキャリア20からウエハWを取り出すための受け渡し手段をなすトランスファーアームCとが設けられている。このトランスファーアームCは、後述する単位ブロックB2の温調ユニットCPL2と、単位ブロックB1の受け渡しステージTRS11,TRS12との間でウエハWの受け渡しを行うように、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、キャリア20の配列方向に移動自在に構成されている。
【0023】
キャリアブロックS1の奥側には筐体24にて周囲を囲まれる処理ブロックS2が接続されている。処理ブロックS2は、この例では、下方側から、現像処理を行うための第1の単位ブロック(DEV層)B1、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜(以下「第1の反射防止膜」という)の形成処理を行うための第2の単位ブロック(BCT層)B2、レジスト膜の形成処理を行うための第3の単位ブロック(COT層)B3、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜(以下「第2の反射防止膜」という)の形成処理を行うための第4の単位ブロック(TCT層)B4として割り当てられており、これら各単位ブロックB1〜B4は夫々区画されている。前記第2〜第4の単位ブロックB2〜B4は、塗布膜形成用の単位ブロックに相当する。
【0024】
これら各単位ブロックB1〜B4は夫々同様に構成され、ウエハWに対して塗布液を塗布するための液処理ユニットと、前記液処理ユニットにて行なわれる処理の前処理及び後処理を行なうための加熱ユニットや温調ユニット等の各種の処理ユニットと、前記液処理ユニットと各種の処理ユニットとの間でウエハWの受け渡しを行うための専用の基板搬送手段であるメインアームA1〜A4と、を備えていて、各単位ブロックB1〜B4の間で、前記液処理ユニットと、加熱ユニットと、温調ユニットと、メインアームA1〜A4との配置レイアウトが同じになるように構成されている。ここで配置レイアウトが同じであるとは、各処理ユニットやメインアームA1〜A4におけるウエハWを載置する中心が同じという意味である。
【0025】
また、各単位ブロックB1〜B4のキャリアブロックS1と隣接する領域には、図1及び図3に示すように、トランスファーアームCと各メインアームA1〜A4がアクセスできる位置に棚ユニットU2が設けられている。この棚ユニットU2には、例えば単位ブロック毎に、他の単位ブロックとの間でウエハWの受け渡しを行なうための第1の受け渡し部が設けられており、進退自在及び昇降自在に構成された受け渡し手段をなす受け渡しアームDにより、棚ユニットU2に設けられた各受け渡し部に対してウエハWの受け渡しが行われるように構成されている。さらにまた、DEV層B1のインターフェイスブロックS3と隣接する領域には、図1及び図3に示すように、DEV層B1のメインアームA1がアクセスできる位置に棚ユニットU3が設けられて、この棚ユニットU3は後述するインターフェイスブロックS3との間でウエハWの受け渡しを行なうための第2の受け渡し部を備えている。
【0026】
一方、処理ブロックS2における棚ユニットU3の奥側には、インターフェイスブロックS3を介して露光装置S4が接続されている。インターフェイスブロックS3には、前記DEV層B1の棚ユニットU3の第2の受け渡し部と露光装置S4とに対してウエハWの受け渡しを行うための、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在に構成されたインターフェイスアームFが設けられている。
【0027】
続いて前記単位ブロックB1〜B4の構成について、先ずCOT層B3を例にして図3〜図5に基づいて説明する。このCOT層B3のほぼ中央には、COT層B3の長さ方向(図1中Y方向)にウエハWの搬送領域R1が形成されている。この搬送領域R1のキャリアブロックS1側から見た両側には、手前側(キャリアブロックS1側)から奥側に向かって右側に、前記液処理ユニットとして、レジスト液の塗布を行うための複数個の塗布処理部を備えた塗布ユニット31が設けられている。
【0028】
この塗布ユニット31は、この例では3個の塗布処理部32A〜32Cが共通の処理容器30の内部に、夫々が搬送領域R1に臨むようにY方向に配列された状態で収納されている。各塗布処理部32A〜32Cは、例えばスピンチャック上に水平に吸着保持されたウエハWに対して、共通の薬液ノズルから塗布液であるレジスト液を供給すると共に、ウエハWを回転させることによってレジスト液をウエハWの全面に行き渡らせ、こうしてウエハWの表面にレジスト液を塗布するように構成されている。また各塗布処理部32A〜32Cは、スピンチャック上に保持されたウエハWの周囲を囲むカップを夫々備えている。前記処理容器30は、各塗布処理部32A〜32Cに対応する位置にウエハWの搬送口33A〜33C(図5参照)を備えており、ウエハWは各々の搬送口33A〜33Cを介して対応する塗布処理部32A〜32CとメインアームA3との間で搬送されるようになっている。
【0029】
また、この塗布ユニット31の搬送領域R1の向い側には、処理ユニットを例えば2段×4列に設けた棚ユニットU1が設けられており、この図では塗布ユニット31にて行なわれる処理の前処理及び後処理を行なうための各種処理ユニットが設けられている。上述の各種処理ユニットの中には、レジスト液塗布後のウエハWに対して加熱処理を行う加熱ユニットLHP3や、前記加熱ユニットLHP3にて加熱処理された後のウエハWを所定温度に冷却するための冷却ユニットCOL3、ウエハWを所定の温度に温調する温調ユニットCPL3、疎水化処理ユニットADHや、周縁露光装置(WEE)等を備えている。
【0030】
前記加熱ユニットLHP3としては、例えばウエハWをその上に載置して加熱するための加熱プレート34と、搬送アームを兼用する冷却プレート35とを備え、メインアームA3と加熱プレート34との間のウエハWの受け渡しを冷却プレート35により行なう、つまり加熱冷却を1つのユニットにて行うことができる構成の装置が用いられる。また温調ユニットCPL3や冷却ユニットCOL3としては、例えば水冷方式にて冷却される冷却プレートを備える装置が用いられる。これら加熱ユニットLHP3や温調ユニットCPL3等の各ユニットは、図5に示すように、夫々処理容器36内に収納されており、各処理容器36の搬送領域R1に臨む面にはウエハ搬出入口37が形成されている。
【0031】
COT層B3の棚ユニットU2には、前記第1の受け渡し部として、複数枚のウエハWを退避させるための退避ユニットBF3と、ウエハ温度を所定温度に調整するための温調ユニットCPL3とが積層して設けられており、これら退避ユニットBF3と温調ユニットCPL3に対しては、COT層B3のメインアームA3と受け渡しアームDとがアクセスできるように構成されている。前記退避ユニットBF3は、この退避ユニットBF3が設けられている単位ブロックA3におけるウエハWの収容枚数に応じた枚数のウエハWを載置して収容するための、複数個例えば塗布処理部32A〜32Cよりも1個多い4個の載置ステージ41〜44を備えており、4枚のウエハWが退避できるようになっている。この例では各載置ステージ41〜44には、ウエハWの裏面側を保持する複数個例えば3個の突起が、メインアームA3と受け渡しアームDとが進入してきたときに、これらと干渉しない位置に形成されている。
【0032】
続いて前記搬送領域R1に設けられたメインアームA3について説明する。このメインアームA3は、当該COT層B3内の全てのモジュール(ウエハWが置かれる場所)、例えば棚ユニットU1の各処理ユニット、塗布ユニット31、棚ユニットU2の各受け渡し部との間でウエハの受け渡しを行うように構成されており、このために進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、Y軸方向に移動自在に構成されている。
【0033】
このメインアームA3は、図3〜図5に示すように、ウエハWの裏面側周縁領域を支持するための2本の保持アーム51,52を備えており、これら保持アーム51,52は基台53上を互いに独立して進退自在に構成されている。また基台53は、搬送基体55上に回転機構54を介して鉛直軸回りに回転自在に設けられている。図中56は、搬送領域R1の長さ方向(図1中Y方向)に伸びるガイドレール56、図中57は昇降用ガイドレールであり、前記搬送基体55は、この昇降用ガイドレール57に沿って昇降自在に構成されている。また前記昇降用ガイドレール57の下端部はガイドレール56の下方を潜って係止されており、昇降用ガイドレール57がガイドレール56に沿って横方向に移動することで、搬送基体55が搬送領域R1を横方向に移動できるようになっている。ここで昇降用ガイドレール57は、棚ユニットU1の各処理ユニットに対してウエハWの受け渡しを行うときに、保持アーム51,52と干渉しないように、保持アーム51,52が進退する位置からずれた位置において搬送基体55に設けられている。
【0034】
なお他の単位ブロックについて簡単に説明すると、前記塗布膜形成用の単位ブロックB2〜B4はいずれも同様に構成されており、BCT層B2は、液処理ユニットとして、ウエハWに対して第1の反射防止膜形成用の塗布液を供給して、第1の反射防止膜を形成するための第1の反射防止膜形成ユニットBCTが設けられ、棚ユニットU1には、反射防止膜形成処理後のウエハWを加熱プレート上に載置して加熱処理を行う加熱ユニットLHP2と、ウエハWを所定温度に調整するための温調ユニットCPL2と冷却ユニットCOL2等を備えている。また棚ユニットU2には、第1の受け渡し部として、複数枚例えば4枚のウエハWを退避させる退避ユニットBF2と、ウエハWを所定温度に調整すると共に、キャリアブロックS1との間でのウエハWの受け渡しにも用いられる温調ユニットCPL2とが設けられ、これらモジュールの間でメインアームA2によりウエハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0035】
さらにTCT層B4は、液処理モジュールとして、ウエハWに対して第2の反射防止膜形成用の塗布液を供給して、第2の反射防止膜を形成するための第2の反射防止膜形成ユニットTCTが設けられ、棚ユニットU1には、反射防止膜形成処理後のウエハWを加熱プレート上に載置して加熱処理を行う加熱ユニットLHP4と、加熱後のウエハWを冷却する冷却ユニットCOL4と、ウエハWを所定温度に調整するための温調ユニットCPL4と、周縁露光装置WEE等を備えている。また棚ユニットU2には、第1の受け渡し部として、ウエハWの受け渡しステージTRS4と、温調ユニットCPL4とが設けられ、これらモジュールの間でメインアームA4によりウエハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0036】
またDEV層B1は、図1、図3及び図6に示すように、棚ユニットU1が3段×4列に構成され、棚ユニットU3を備えていて、シャトルアームEが設けられている以外は、上述のCOT層B3とほぼ同様に構成されており、液処理モジュールとして、ウエハWに対して現像処理を行うための現像ユニット32が2段に設けられ、棚ユニットU1には、露光後のウエハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PEB1)、この加熱ユニット(PEB1)における処理の後にウエハWを所定温度に調整するための冷却ユニット(COL1)、現像処理後のウエハWを水分を飛ばすために加熱処理するポストベーキングユニット等と呼ばれている加熱ユニット(POST1)、この加熱ユニット(POST1)における処理の後にウエハWを所定温度に調整するための温調ユニット(CPL1)等が含まれている。前記第1及び第2の反射防止膜形成ユニットや現像ユニット32は、塗布ユニット31とほぼ同様に構成されている。
【0037】
また棚ユニットU2には、第1の受け渡し部として、上段側に温調ユニットCPL11が設けられると共に、その下段側に例えば2個の受け渡しステージTRS11,12が設けられている。さらに棚ユニットU3には、第2の受け渡し部として、棚ユニットU2の温調ユニットCPL11と搬送領域R1を挟んで対向する位置に温調ユニットCPL12が設けられると共に、その下段側に例えば2個の受け渡しステージTRS13,TRS14が設けられている。前記棚ユニットU2の受け渡しステージTRS11,12は、キャリアブロックS1との間でのウエハWの受け渡しに用いられるものであり、棚ユニットU3の受け渡しステージTRS13,14はインターフェイスブロックS3との間でのウエハWの受け渡しに用いられるものである。
【0038】
前記シャトルアームEは、図1、図3及び図6に示すように、例えばDEV層B1内の上部空間において、棚ユニットU2の温調ユニットCPL11と、棚ユニットU3の温調ユニットCPL12との間でウエハWの搬送を行なうための専用の搬送手段である。このシャトルアームEは、図6に示すように、ウエハWの裏面側周縁領域を支持し、基台62に沿って進退するための1本の保持アーム61を備えており、前記基台62は、搬送基体64上に回転機構63を介して鉛直軸回りに回転自在に設けられている。前記搬送基体64は、例えば棚ユニットU1の上部側に、棚ユニットの長さ方向(図中Y方向)に沿って設けられた支持部材66の搬送領域R1に臨む面に、搬送領域R1の長さ方向に伸びるように設けられたガイドレール65に沿って、前記長さ方向に移動するように構成され、こうして前記棚ユニットU2の温調ユニットCPL11と棚ユニットU3の温調ユニットCPL12とにアクセスし、これらユニットの間でウエハWの搬送を行なうように構成されている。
【0039】
このようなこのレジストパターン形成装置において、塗布膜として、第1の反射防止膜とレジスト膜を形成する場合を例にして、図7を用いてウエハWの流れについて簡単に説明する。先ず外部からキャリアブロックS1に搬入されたキャリア20内のウエハWは、トランスファーアームCにより棚ユニットU2の温調ユニットCPL2を介してBCT層B2に受け渡され、メインアームA2→第1の反射防止膜形成ユニットBCT→メインアームA2→加熱ユニットLHP2の経路で搬送され、第1の反射防止膜が形成される。
【0040】
続いて加熱ユニットLHP2のウエハWは、メインアームA2により例えば棚ユニットU2の退避ユニットBF2の載置ステージ41→受け渡しアームD→棚ユニットU2の温調ユニットCPL3→COT層B3のメインアームA3→塗布ユニットCOT→メインアームA3→加熱ユニットLHP3→メインアームA3→冷却ユニットCOL3→メインアームA3→周縁露光装置WEEの経路で搬送され、第1の反射防止膜の上にレジスト膜が形成される。
【0041】
次いでウエハWは、棚ユニットU2の退避ユニットBF3の載置ステージ41→受け渡しアームD→棚ユニットU2の温調ユニットCPL11→シャトルアームE→棚ユニットU3の温調ユニットCPL12まで搬送される。次いでウエハWはインターフェイスブロックS3のインターフェイスアームFを介して露光装置S4に搬送されて、所定の露光処理が行われる。
【0042】
露光処理後のウエハWは、インターフェイスアームF→棚ユニットU3の受け渡しステージTRS13又はTRS14→メインアームA1の経路によりDEV層B1に搬送され、当該DEV層B1にて、加熱ユニットPEB1→冷却ユニットCOL1→現像ユニットDEV→加熱ユニットPOST1→温調ユニットCPL1の順序で搬送され、所定の現像処理が行われる。こうして現像処理が行われたウエハWは、棚ユニットU2の受け渡しステージTRS11又はTRS12を介してトランスファーアームCにより、キャリアブロックS1に載置されている元のキャリア20に戻される。
【0043】
この例では、温調ユニットCPL2が第1の温度にウエハWを温調する温調ユニット、第1の反射防止膜形成ユニットBCTが第1の塗布ユニット、加熱ユニットLHP2が第1の加熱ユニット、温調ユニットCPL3が第2の温度にウエハWを温調する温調ユニット、塗布ユニットCOTが第2の塗布ユニット、加熱ユニットLHP3が第2の加熱ユニット、冷却ユニットCOL3が冷却ユニットに夫々相当する。
【0044】
そして上述のレジストパターン形成装置は、各処理ユニットのレシピの管理や、ウエハWの搬送フロー(搬送経路)のレシピの管理や、各処理ユニットにおける処理や、メインアームA1〜A4、トランスファーアームC、受け渡しアームD、シャトルアームE、インターフェイスアームFの駆動制御を行うコンピュータからなる制御部100を備えている。この制御部100は、例えばコンピュータプログラムからなるプログラム格納部を有しており、プログラム格納部には、レジストパターン形成装置全体の作用、つまりウエハWに対して所定のレジストパターンを形成するための、各処理ユニットにおける処理やウエハWの搬送等が実施されるようにステップ(命令)群を備えた例えばソフトウェアからなるプログラムが格納される。そして、これらプログラムが制御部100に読み出されることにより、制御部100によってレジストパターン形成装置全体の作用が制御される。なおこのプログラムは、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に収納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0045】
図8はこの制御部100の構成を示すものであり、実際にはCPU(中央処理ユニット)、プログラム及びメモリなどにより構成されるが、本発明では塗布膜形成用の単位ブロックB2〜B4におけるウエハWの搬送に特徴があるので、ここではそれに関連する構成要素の一部をブロック化して説明するものとする。図8中70はバスであり、このバス70にレシピ格納部71、レシピ選択部72、加熱処理温度変更部73、搬送スケジュール変更部74、搬送制御部75、メインアームA1〜A4、トランスファーアームC、受け渡しアームD、第2の加熱ユニットが接続されている。
【0046】
レシピ格納部71は記憶部に相当する部位であり、例えばウエハWの搬送経路が記録されている搬送レシピや、この搬送レシピに基づき、ロット内の全てのウエハWについてどのタイミングでどのユニットに搬送するかといった内容のスケジュール、例えばウエハWに順番を割り当て、ウエハWの順番と各モジュールとを対応づけて搬送サイクルを指定した搬送サイクルデータを時系列に並べて作成された搬送スケジュールや、ウエハWに対して行う処理条件などが記録された複数のレシピが格納されている。レシピ選択部72はレシピ格納部71に格納されたレシピから適当なものを選択する部位であり、例えばウエハの処理枚数やレジストの種類、加熱処理時の温度などの入力もできるようになっている。
【0047】
加熱処理温度変更部73は、一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロット(以下「ロットA」という)の最後のウエハA10が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を、後続の他のロット(以下「ロットB」という)のウエハBに応じた温度に変更する手段であり、例えば第2の加熱ユニットに対して、ロットAの最後のウエハA10の当該加熱ユニットにおける加熱処理が終了した後に加熱プレート34の温度変更を行う指令を出力する。
【0048】
搬送スケジュール変更部74は、前記ロットAのウエハAと、後続のロットBのウエハBに対して処理を連続して行う場合であって、ロットBの第2の加熱ユニットの加熱処理温度を、ロットAの第2の加熱ユニットの加熱処理温度から変更するときに、後述するように搬送スケジュールを変更する手段である。
【0049】
搬送制御部75は、前記搬送スケジュールを参照し、搬送サイクルデータに書き込まれているウエハを、そのウエハに対応するモジュールに搬送するように、トランスファーアームC、メインアームA1〜A4、受け渡しアームDを制御し、これにより搬送サイクルを実行する部位であり、基板搬送手段を制御する手段に相当する。
【0050】
続いて本実施の形態の作用説明を行う。先ず基板であるウエハWに対する処理を開始するのに先立ち、オペレータがレシピの選択を行うが、ここでは既述のように、塗布膜として、第1の反射防止膜を形成し、この上にレジスト膜を形成する場合を例にして説明する。この場合、BCT層B2とCOT層B3との間のウエハWの搬送経路に特徴があるので、以下ではBCT層B2とCOT層B3のウエハWの搬送経路に着目して説明する。
【0051】
この際ウエハWは、BCT層B2とCOT層B3においては、図7に示すように、キャリアブロックS1→第1の温調ユニットCPL2→第1の反射防止膜ユニットBCT(第1の塗布ユニット)→第1の加熱ユニットLHP2→退避ユニットBF2→第2の温調ユニットCPL3→塗布ユニットCOT(第2の塗布ユニット)→第2の加熱ユニットLHP3→冷却ユニットCOL3→周縁露光装置WEEの経路で搬送される。
【0052】
そして図9に示すように、先ずオペレータは第1の反射防止膜とレジスト膜とを備えた塗布膜を形成する場合のレシピを、ロットAの10枚のウエハA1〜A10と、後続のロットBの10枚のウエハB1〜B10とに対して連続して処理を行うように選択する(ステップS1)。ここでロットAのウエハAと、後続のロットBのウエハBとに対して連続して処理を行うとは、キャリアブロックS1から第1の温調ユニットCPL2へのウエハの払い出しを、ロットAの最後のウエハA10に引き続いてロットBの最初のウエハB1に対して行うことをいう。
【0053】
このレシピが選択されると、ロットAについては図10のロットAの搬送スケジュールが選択され、制御部100はこの搬送スケジュールを参照しながら各部に指示を出力し、ウエハAに対する処理が実行される(ステップS2)。この搬送スケジュールでは、ロットAのウエハAは、既述の経路にて、第1の加熱ユニットLHP2における第1の加熱処理が終了した後、退避ユニットBF2の載置ステージ41を介してBCT層B2からCOT層B3に搬送されるようになっている。ここでメインアームA1〜A4は2本以上のアームを備えているので、メインアームA2,A3は、下流側のモジュール内のウエハから順次一つ順番が後のモジュールに移し替えることにより、順番の小さいウエハが順番の大きいウエハよりも下流側のモジュールに位置する状態を形成し、これにより一つの搬送サイクルを実行し、当該搬送サイクルを終了した後、次の搬送サイクルに移行し、各搬送サイクルを順次実行することにより、既述の経路で順番にウエハAが順次搬送されて所定の処理が行われる。
【0054】
一方ステップ3においては、ロットBの第2の加熱ユニットLHP3における加熱処理温度がロットAの第2の加熱ユニットLHP3における加熱処理温度と同じであるかどうかを問い合わせ、同じである場合にはステップ4に進んで、ウエハAと同じ搬送スケジュールに沿ってウエハBが搬送されて処理が行われ、異なる場合にはステップS5に進む。ステップS5では、加熱処理温度変更部73により、ロットAの最後のウエハA10に対する第2の加熱ユニットLHP3における加熱処理が終了した後、当該第2の加熱ユニットLHP3の加熱処理温度をロットBのウエハBに応じた温度に変更し、次いでステップS6に進んで、搬送スケジュール変更部74により、後述するように搬送スケジュールの書き換えを行い、以降はこの書き換えられた搬送スケジュールに沿ってロットBのウエハBの搬送を行なって、処理を実行する(ステップS7)。
【0055】
続いて前記搬送スケジュールの書き換えについて具体的に説明すると、図10のロットBの搬送スケジュールに示すように、前記ロットBの先頭のウエハB1が第2の温調ユニットCPL3に搬送された搬送サイクル15の次の搬送サイクル16から、当該先頭のウエハB1に続く第1の加熱ユニットLHP2にて加熱処理されたウエハB2を退避ユニットBF2の載置ステージ41〜44に順次満たしていくように、また前記第2の加熱ユニットLHP3の加熱処理温度をロットBのウエハBに応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニットBF2内のウエハB2〜B5を順次下流側のモジュールに搬送するように、搬送スケジュールを書き換える。この際、前記先頭のウエハBに続く第1の加熱ユニットLHP2にて加熱処理されたウエハBとは、第2の温調ユニットCPL3が複数設けられている場合には、これら第2の温調ユニットCPL3に振り分けられたウエハBの次のウエハBをいうものとする。
【0056】
さらに具体的には、
(1)ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットCOTに搬送しないように、第2の塗布ユニットCOTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL3からの前記ウエハB1の搬出を停止し、
(2)第2の温調ユニットCPL3が一つであるときには、第1の加熱ユニットLHP2にて処理されたロットBの2枚目のウエハB2以降のウエハB2〜B5の搬送先を、退避ユニットBF2の各載置ステージ41〜44に変更し、
(3)前記退避ユニットBF2の載置ステージ41〜44に2枚以上のウエハBが退避しているときに、第1の塗布ユニットBCTにウエハBを搬送しないように、第1の塗布ユニットBCTの一つ上流側のモジュールである第1の温調ユニットCPL2からのウエハB6の搬出を停止し、
(4)第2の加熱ユニットLHP3の加熱処理温度の変更が終了した後、ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットCOTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL3から搬出して、第2の塗布ユニットCOTへの搬送を開始し、
(5)退避ユニットBF2に退避されていたウエハB2〜B5が減り始めたら、第1の温調ユニットCPL2からのウエハB6の搬出を再開し、
(6)(3)において第1の温調ユニットCPL2に払い出された最後のウエハB6以降のウエハB6〜B10に対しては、ウエハAの搬送スケジュールと同じスケジュールに沿って、第1の加熱ユニットLHP2→退避ユニットBF2の載置しステージ41→第2の温調ユニットCPL3に搬送するように、搬送スケジュールの書き換えを行う。
【0057】
このようなレジストパターン形成装置では、ロットAのウエハA1〜A10と、後続のロットBのウエハB1〜B10とに対して処理ブロックS2において連続して処理を行う場合であり、ロットAのウエハA1〜A10に対する処理と、ロットBのウエハB1〜B10に対する処理との間で、第2の加熱ユニットLHP3における加熱処理温度が変更した場合であっても、ロットBのウエハBに対しては、第1の加熱ユニットLHP2の次の搬送先を退避用ユニットBF2に書き換え、第2の加熱ユニットLHP3において加熱処理温度を変更した後、直ちに第2の塗布ユニット(塗布ユニットCOT)に搬送するようにしているので、前記第2の加熱ユニットLHP3の加熱処理温度変更が終了してから、ロットBのウエハBに対してキャリアブロックS1からの払い出しを行っていた従来の搬送スケジュールに比べて、処理時間が短縮され、スループットの向上を図ることができる。
【0058】
つまり図11に、図15に示す塗布、現像装置にて行われていた処理の際の、従来の搬送スケジュールを示すが、このように従来では、前記第2の加熱ユニットLHP3の加熱処理温度の変更が終了してから、搬送サイクル28にてロットBのウエハB1〜B10に対してキャリアブロックS1から第1の温調ユニットCPL2への払い出しを行っているので、第2の加熱ユニットLHP3の温度変更時間に加えて、温度変更後に第2の加熱ユニットLHP3にロットBのウエハBが搬送されない時間が加算されてしまい、ロットBの先頭のウエハB1が温度変更後の第2の加熱ユニットLHP3に搬送されるまでの待ち時間が5サイクルにもなり、周縁露光装置WEEに搬送されるまでのトータルの搬送サイクル数が44になってしまう。
【0059】
これに対して本発明では、図10の搬送スケジュールにより明らかなように、ロットBの先頭のウエハB1が温度変更後の第2の加熱ユニットLHP3に搬送されるまでの待ち時間が1サイクルになっている。このように本発明では、第2の加熱ユニットLHP3の温度変更を行っている間に、ロットBのウエハBに対しては、第2の塗布ユニットLHP3の上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL3の処理までを済ませておくことができる。このためロットBのウエハBに対して何ら処理を行わずに、前記第2の加熱ユニットLHP3の温度変更の終了を待つといった無駄な時間の発生が抑えられ、周縁露光装置WEEに搬送されるまでのトータルの搬送サイクル数は41となるので、従来に比べて搬送サイクル数3に相当する時間分、処理時間が短縮され、その分スループットの向上を図ることができる。
【0060】
この際、本発明では、第1の加熱ユニットLHP2にて加熱処理された後のウエハWを退避ユニットBF2にて待機させているが、この退避中にウエハWの温度が降温し、次の第2の温調ユニットCPL3での温調処理に要する時間が短縮できるという効果がある。一方第2の温調ユニットCPL3にて温調処理されたウエハBを退避ユニットBF2に待機させようとすると、当該退避中に一旦温度調整されたウエハBの温度が変化してしまうので、得策ではない。
【0061】
以上において、本発明では、第1の塗布ユニットにて、ウエハWにレジスト液を塗布する処理を行ない、第2の塗布ユニットにて、ウエハWに第2の反射防止膜を形成するための塗布液を塗布する処理を行う場合にも適用できる。この場合のウエハWの流れについて図12を用いて簡単に説明すると、ウエハWはトランスファーアームCによりキャリアブロックS1から棚ユニットU2の温調ユニットCPL2→受け渡しアームD→第1の温調ユニットCPL3を介してCOT層B3に受け渡され、メインアームA3→第1の塗布ユニットCOT→メインアームA3→第1の加熱ユニットLHP3の経路で搬送され、レジスト膜が形成される。
【0062】
続いてウエハWは、メインアームA3→棚ユニットU2の退避ユニットBF3の載置ステージ41→受け渡しアームD→棚ユニットU2の第2の温調ユニットCPL4に受け渡され、次いでTCT層B4のメインアームA4→第2の反射防止膜形成ユニットTCT(第2の塗布ユニット)→メインアームA4→第2の加熱ユニットLHP4→メインアームA4→冷却ユニットCOL4→メインアームA4→周縁露光装置WEEの経路で搬送され、レジスト膜の上に第2の反射防止膜が形成される。次いでウエハWは、棚ユニットU2の受け渡しステージTRS4を介して受け渡しアームDにより棚ユニットU2の温調ユニットCPL11に搬送され、以降は既述の経路で露光装置S4→DEV層B1→キャリアブロックS1の経路で搬送される。
【0063】
そしてこの場合においても、ロットAの10枚のウエハA1〜A10と、後続のロットBの10枚のウエハB1〜B10とに対して連続して処理を行う場合であって、ロットBの第2の加熱ユニットLHP4の加熱処理温度をロットAの第2の加熱ユニットLHP4の加熱処理温度から変更するときには、加熱処理温度変更部73により、ロットAの最後のウエハA10が第2の加熱ユニットLHP4にて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットLHP4の加熱処理温度をロットBのウエハBに応じた温度に変更し、さらに搬送スケジュール変更部74により前記ロットBの先頭のウエハB1が第2の温調ユニットCPL4に搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭のウエハB1に続く第1の加熱ユニットLHP3にて加熱処理されたウエハB2を退避ユニットBF3に順次満たしていくように、また前記第2の加熱ユニットLHP4の加熱処理温度をロットBのウエハBに応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニットBF3内のウエハBを順次下流側のモジュールに搬送するように、搬送スケジュールを書き換え、以降は書き換えられた搬送スケジュールに沿ってメインアームA2,A3により、ウエハWの搬送を行なう。
【0064】
具体的な搬送スケジュールの書き換えは、
(1)ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットTCTに搬送しないように、第2の塗布ユニットTCTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL4からの前記ウエハB1の搬出を停止し、
(2)第1の加熱ユニットLHP3にて処理されたロットBの2枚目のウエハB2以降のウエハB2〜B5の搬送先を、COT層B3の退避ユニットBF3の各載置ステージ41〜44に変更し、
(3)前記退避ユニットBF3の載置ステージ41〜44に2枚以上のウエハBが退避しているときに、第1の塗布ユニットCOTにウエハBを搬送しないように、第1の塗布ユニットCOTの一つ上流側のモジュールである第1の温調ユニットCPL3からのウエハB6の搬出を停止し、
(4)第2の加熱ユニットLHP4の加熱処理温度の変更が終了した後、ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットTCTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL4から搬出して、第2の塗布ユニットTCTへの搬送を開始し、
(5)退避ユニットBF3に退避されていたウエハB2〜B5が減り始めたら、第1の温調ユニットCPL3からのウエハB6の搬出を再開し、
(6)(3)において第1の温調ユニットCPL3に払い出された最後のウエハB6以降のウエハB6〜B10に対しては、ウエハAの搬送スケジュールと同じスケジュールに沿って、第1の加熱ユニットLHP3→退避ユニットBF3の載置しステージ41→第2の温調ユニットCPL4に搬送するように、搬送スケジュールの書き換えを行う。
【0065】
さらに本発明は、第2の塗布ユニットのカップを洗浄する場合にも適用できる。この例について、第1の塗布ユニットとして第1の反射防止膜形成ユニットBCT、第2の塗布ユニットとして塗布ユニットCOTを用い、図7に示す経路にてウエハWを搬送する場合を例にして説明する。そしてこの場合において、ロットAの10枚のウエハA1〜A10と、後続のロットBの10枚のウエハB1〜B10とに対して連続して処理を行う場合であって、第2の塗布ユニットCOTにてロットAの全てのウエハA1〜A10に対して処理を行った後、第2の塗布ユニットCOTのカップの洗浄を行なうときには、ロットAの最後のウエハA10に対して第2の塗布ユニットCOTにて塗布処理を行なった後、当該第2の塗布ユニットCOTのカップの洗浄処理を開始する。
【0066】
そして搬送スケジュールは、図13に示すように、
(1)ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットCOTに搬送しないように、第2の塗布ユニットCOTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL3からの当該ウエハB1の搬出を停止し、
(2)第1の加熱ユニットLHP2にて処理されたロットBの2枚目のウエハB2以降のウエハB2〜B5の搬送先をBCT層B2の退避ユニットBF2の各載置ステージ41〜44に変更し、
(3)前記退避ユニットBF2の載置ステージ41〜44に2枚以上のウエハBが退避しているときに、第1の塗布ユニットBCTにウエハBを搬送しないように、第1の塗布ユニットBCTの一つ上流側のモジュールである第1の温調ユニットCPL32からのウエハB6の搬出を停止し、
(4)第2の塗布ユニットCOTのカップ洗浄が終了した後、ロットBの最初のウエハB1を第2の塗布ユニットCOTの一つ上流側のモジュールである第2の温調ユニットCPL3から搬出して、当該第2の塗布ユニットCOTへの搬送を開始し、
(5)退避ユニットBF2に退避されていたウエハB2〜B5が減り始めたら、第1の温調ユニットCPL2からのウエハB6の搬出を再開し、
(6)(3)において第1の温調ユニットCPL2に払い出された最後のウエハB6以降のウエハB6〜B10に対しては、ウエハAの搬送スケジュールと同じスケジュールに沿って、第1の加熱ユニットLHP2→退避ユニットBF2の載置しステージ41→第2の温調ユニットCPL3に搬送するように、搬送スケジュールの書き換えを行い、以降は書き換えられた搬送スケジュールに沿ってウエハBの搬送を行なう。
【0067】
このように洗浄処理を行う場合であっても、前記ロットBの先頭のウエハB1が第2の温調ユニットCPL3に搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭のウエハB1に続く第1の加熱ユニットLHP2にて加熱処理されたウエハBを退避ユニットBF2に順次満たしていくように、第1の加熱ユニットLHP2の次の搬送先を退避用ユニットBF2に書き換え、第2の塗布ユニットCOTにおいて洗浄処理が終了した後、ロットBの先頭のウエハB1を直ちに第2の塗布ユニットCOTに搬送するようにしているので、前記第2の塗布ユニットCOTの洗浄処理が終了してから、ロットBのウエハBに対してキャリアブロックS1からの払い出しを行っていた従来の搬送スケジュール(図14参照)に比べて、周縁露光装置WEEに搬送するまでのトータルの搬送サイクル数が3サイクル分減少し、この分処理時間が短縮され、スループットの向上を図ることができる。
【0068】
以上において本発明では、処理ブロック内に、第1の温調ユニットと、第1の塗布ユニットと、第1の加熱ユニットと、第2の温調ユニットと、第2の塗布ユニットと、第2の加熱ユニットと、冷却ユニットと、退避ユニットとを備えた装置にも適用でき、また第1の温調ユニット→第1の塗布ユニット→第1の加熱ユニット→退避ユニット→第2の温調ユニット→第2の塗布ユニット→第2の加熱ユニット→冷却ユニットの経路でウエハが搬送できれば、これら各ユニット(モジュール)の個数や種類、レイアウトは上述の実施の形態には限られない。
【0069】
また上述の例では、BCT層B2とCOT層B3との間、又はCOT層B3とTCT層B4との間のウエハWの受け渡しを、夫々退避ユニットBF2,BF3の一つの載置ステージを介して行っていたが、退避ユニットBF2,BF3とは別個にBCT層B2とCOT層B3との間、又はCOT層B3とTCT層B4との間のウエハWの受け渡しを行うための受け渡しステージを設けるようにしてもよい。
【0070】
さらに各単位ブロックの積層数や積層の順番は上述の例に限られず、現像処理用の単位ブロックを2層としてもよいし、塗布膜形成用の単位ブロックを、下方側から上方側に向かって順番にTCT層、COT層、BCT層となるように配列してもよい。また塗布膜形成用の単位ブロックを下方側に配置し、その上に現像処理用の単位ブロックを配置するようにしてもよい。また本発明は半導体ウエハのみならず液晶ディスプレイ用のガラス基板(LCD基板)といった基板を処理する塗布、現像装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る塗布、現像装置の実施の形態を示す平面図である。
【図2】前記塗布、現像装置を示す斜視図である。
【図3】前記塗布、現像装置を示す側部断面図である。
【図4】前記塗布、現像装置におけるCOT層B3の単位ブロックを示す平面図である。
【図5】前記COT層B3の塗布ユニットと棚ユニットとメインアームA3と退避ユニットを示す斜視図である。
【図6】前記塗布、現像装置におけるDEV層B1の単位ブロックの、現像ユニットと棚ユニットとメインアームA1とシャトルアームEとを示す斜視図である。
【図7】前記塗布、現像装置におけるウエハWの流れを説明するための側面図である。
【図8】前記塗布、現像装置における制御部の一例を示す構成図である。
【図9】前記塗布、現像装置の作用を説明するためのフロー図である。
【図10】搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図11】従来の搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図12】前記塗布、現像装置におけるウエハWの流れを説明するための側面図である。
【図13】搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図14】従来の搬送スケジュールの一例を示す説明図である。
【図15】従来の塗布、現像装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0072】
W 半導体ウエハ
20 キャリア
S1 キャリアブロック
S2 処理ブロック
S3 インターフェイスブロック
S4 露光装置
A1〜A4 メインアーム
C トランファーアーム
D 受け渡しアーム
E シャトルアーム
F インターフェイスアーム
BCT 第1の反射防止膜形成ユニット
COT 塗布ユニット
TCT 第2の反射防止膜形成ユニット
DEV 現像ユニット
BF2,BF3 退避ユニット
41〜44 載置ステージ
100 制御部
73 加熱処理変更部
74 搬送スケジュール変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を収納したキャリアが載置され、キャリアとの間で基板の受け渡しを行う受け渡し手段を備えたキャリアブロックと、前記受け渡し手段から受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行うための処理ブロックと、この処理ブロックにおける前記キャリアブロックとは反対側に設けられ、露光装置に接続されるインターフェイスブロックと、を有し、
処理ブロックでは、基板搬送手段により、第1の温度に基板を温調する第1の温調ユニット、第1の塗布液を基板に塗布する第1の塗布ユニット、基板を加熱処理する第1の加熱ユニット、第2の温度に基板を温調する第2の温調ユニット、第2の塗布液を基板に塗布する第2の塗布ユニット、基板を加熱処理する第2の加熱ユニット、基板を冷却する冷却ユニットの順に、基板を搬送し、
基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、予め設定した搬送スケジュールに基づいて、基板搬送手段により下流側のモジュール内の基板から順次一つ順番が後のモジュールに移し替えることにより、順番の小さい基板が順番の大きい基板よりも下流側のモジュールに位置する状態を形成し、これにより一つの搬送サイクルを実行し、当該搬送サイクルを終了した後、次の搬送サイクルを実行することで、基板の搬送が行われる塗布、現像装置において、
前記第1の温調ユニット、第1の塗布ユニット、第1の加熱ユニット、及び前記キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に直線的に伸びる搬送路に沿ってこれらユニット間で基板を搬送するための単位ブロック用の基板搬送手段を備えた前段単位ブロックと、
前記第2の温調ユニット、第2の塗布ユニット、第2の加熱ユニット、及び前記キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に直線的に伸びる搬送路に沿ってこれらユニット間で基板を搬送するための単位ブロック用の基板搬送手段を備えると共に、前記前段単位ブロックに対して積層された後段単位ブロックと、
互いに積層された前記前段単位ブロック及び後段単位ブロックのうち、下段側の単位ブロックの上方に位置する上段側の単位ブロックの床部と、
前記前段単位ブロック及び後段単位ブロックの各搬送路の端部に隣接する領域同士の間で積層して設けられ、各単位ブロックに対応する高さ位置に配置されているステージ群についてはその単位ブロックの基板搬送手段により基板の受け渡しが行われるステージ群と、
前記ステージ群のステージ同士の間で基板の受け渡しを行なうために設けられ、昇降自在な移載機構と、
前記ステージ群の一部を構成し、複数枚の基板を退避することができる退避ユニットと、
一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロットの最後の基板が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更する手段と、
前記一のロットの最後の基板が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更する場合には、前記加熱処理温度の変更が終了するまでは、前記後続の他のロットの先頭の基板が第2の温調ユニットに搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭の基板に続く第1の加熱ユニットにて加熱処理された基板を退避ユニットに順次満たしていくように、また第1の温調ユニットからの基板の搬出を禁止すると共に第1の塗布ユニットに存在する基板については第1の塗布ユニットにて塗布処理を終了した後、第1の加熱ユニットにて加熱処理を行ってから前記退避ユニットに搬送するように、そしてまた前記第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニット内の基板を順次下流側のモジュールに搬送するように、基板搬送手段を制御する手段と、を備え、
前記第2の温調ユニットは、前記ステージ群の一部を構成すると共に後段単位ブロックに対応する高さ位置に配置されることを特徴とする塗布、現像装置。
【請求項2】
前記退避ユニットは、前段単位ブロックに対応する高さ位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の塗布、現像装置。
【請求項3】
前記退避ユニットに退避していた前記後続の他のロットの基板について、当該退避ユニットから下流側のモジュールへの搬送が開始されたときに、第1の温調ユニットからの基板の搬出を開始するように、基板搬送手段を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布、現像装置。
【請求項4】
前記第1の塗布ユニットはレジスト液を塗布する前の基板に反射防止膜用の塗布液を塗布するユニットであり、前記第2の塗布ユニットは基板にレジスト液を塗布するユニットであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗布、現像装置。
【請求項5】
前記第1の塗布ユニットは基板にレジスト液を塗布するユニットであり、前記第2の塗布ユニットはレジスト液が塗布された基板に反射防止膜用の塗布液を塗布するユニットであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塗布、現像装置。
【請求項6】
複数枚の基板を収納したキャリアが載置され、キャリアとの間で基板の受け渡しを行う受け渡し手段を備えたキャリアブロックと、前記受け渡し手段から受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行うための処理ブロックと、この処理ブロックにおける前記キャリアブロックとは反対側に設けられ、露光装置に接続されるインターフェイスブロックと、を有し、
処理ブロックでは、基板搬送手段により、第1の温度に基板を温調する第1の温調ユニット、第1の塗布液を基板に塗布する第1の塗布ユニット、基板を加熱処理する第1の加熱ユニット、第2の温度に基板を温調する第2の温調ユニット、第2の塗布液を基板に塗布する第2の塗布ユニット、基板を加熱処理する第2の加熱ユニット、基板を冷却する冷却ユニットの順に、基板を搬送し、
基板が置かれる個所をモジュールと呼ぶとすると、予め設定した搬送スケジュールに基づいて、基板搬送手段により下流側のモジュール内の基板から順次一つ順番が後のモジュールに移し替えることにより、順番の小さい基板が順番の大きい基板よりも下流側のモジュールに位置する状態を形成し、これにより一つの搬送サイクルを実行し、当該搬送サイクルを終了した後、次の搬送サイクルを実行することで、基板の搬送が行われる塗布、現像装置であって、
前記第1の温調ユニット、第1の塗布ユニット、第1の加熱ユニット、及び前記キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に直線的に伸びる搬送路に沿ってこれらユニット間で基板を搬送するための単位ブロック用の基板搬送手段を備えた前段単位ブロックと、
前記第2の温調ユニット、第2の塗布ユニット、第2の加熱ユニット、及び前記キャリアブロック側からインターフェイスブロック側に直線的に伸びる搬送路に沿ってこれらユニット間で基板を搬送するための単位ブロック用の基板搬送手段を備えると共に、前記前段単位ブロックに対して積層された後段単位ブロックと、
互いに積層された前記前段単位ブロック及び後段単位ブロックのうち、下段側の単位ブロックの上方に設けられた、上段側の単位ブロックの床部と、
前記前段単位ブロック及び後段単位ブロックの各搬送路の端部に隣接する領域同士の間で積層して設けられ、各単位ブロックに対応する高さ位置に配置されているステージ群についてはその単位ブロックの基板搬送手段により基板の受け渡しが行われるステージ群と、
前記ステージ群のステージ同士の間で基板の受け渡しを行なうために設けられ、昇降自在な移載機構と、
前記ステージ群の一部を構成し、複数枚の基板を退避することができる退避ユニットと、を備え
前記第2の温調ユニットは、前記ステージ群の一部を構成すると共に後段単位ブロックに対応する高さ位置に配置された塗布、現像装置を用い、
一のキャリアから払い出された複数の同種の基板の集合である一のロットに対して、前記予め設定した搬送スケジュールに基づいて基板を搬送して塗布膜を形成する処理を行う工程と、
前記一のロットの最後の基板が第2の加熱ユニットにて加熱処理を終了した後、当該第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更する工程と、
前記加熱処理温度の変更が終了するまでは、前記後続の他のロットの先頭の基板が第2の温調ユニットに搬送された搬送サイクルの次の搬送サイクルから、当該先頭の基板に続く第1の加熱ユニットにて加熱処理された基板を、前記退避ユニットに順次満たしていくように、また第1の温調ユニットからの基板の搬出を禁止すると共に第1の塗布ユニットに存在する基板については第1の塗布ユニットにて塗布処理を終了した後、第1の加熱ユニットにて加熱処理を行ってから前記退避ユニットに搬送するように、そしてまた前記第2の加熱ユニットの加熱処理温度を後続の他のロットの基板に応じた温度に変更した後においては、前記退避ユニット内の基板を順次下流側のモジュールに搬送するように、前記搬送スケジュールを書き換える工程と、
前記他のロットに対して、書き換えられた搬送スケジュールに基づいて基板を搬送して塗布膜を形成する処理を行う工程と、を含むことを特徴とする塗布、現像方法。
【請求項7】
処理ブロックにて、複数枚の基板を収納したキャリアが載置されるキャリアブロックから受け取った基板に塗布膜を形成すると共に、露光後の基板に対する現像を行う塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは、請求項6に記載された塗布、現像方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−109607(P2012−109607A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31066(P2012−31066)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2006−208806(P2006−208806)の分割
【原出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】