塗布具
【課題】液状充填物の漏出による汚れの発生を防止し且つ液状充填物を良好に塗布する。
【解決手段】液状充填物Lの流路を、コア部材2に設けられ充填領域10aに連通し先端側に延びると共に軸線方向先端が閉じられた孔部2a、この孔部2aに連通し半径方向外側に向かい且つコア部材2の先端側の外周に設けられコア部材2の先端から後方側へ所定に延びる溝部2iのその内側の面を開口する連通孔2j、コア部材2の先端側と塗布部材3との間に画成される内部空間4を介して、塗布部材3の吐出孔3fに向かう流路とし、液状充填物Lが一挙に吐出孔3fへ向かわずに流れに抵抗を与え回り込むようにして吐出孔3fへ向かうようにする。これにより、衝撃等による液状充填物Lの漏出を防止すると共に、塗布時にあっては液状充填物Lの出過ぎを防止し吐出量を適量とする。
【解決手段】液状充填物Lの流路を、コア部材2に設けられ充填領域10aに連通し先端側に延びると共に軸線方向先端が閉じられた孔部2a、この孔部2aに連通し半径方向外側に向かい且つコア部材2の先端側の外周に設けられコア部材2の先端から後方側へ所定に延びる溝部2iのその内側の面を開口する連通孔2j、コア部材2の先端側と塗布部材3との間に画成される内部空間4を介して、塗布部材3の吐出孔3fに向かう流路とし、液状充填物Lが一挙に吐出孔3fへ向かわずに流れに抵抗を与え回り込むようにして吐出孔3fへ向かうようにする。これにより、衝撃等による液状充填物Lの漏出を防止すると共に、塗布時にあっては液状充填物Lの出過ぎを防止し吐出量を適量とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状充填物を塗布するための塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状化粧料を押し出して使用に供する液状化粧料押出容器として、液状化粧料が充填される充填領域を内部に備える本体筒と、この本体筒の後端部に相対回転自在に設けられる操作筒と、を備え、本体筒と操作筒が相対回転されると、充填領域に配設されるピストンが前進し、このピストンの前進により液状化粧料を先端側に押し出し、充填領域に連結される吐出経路であるパイプを通して、本体筒の先端に装着されている例えばブラシ等の塗布体に吐出し塗布を可能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−262324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この液状化粧料押出容器にあっては、容器の落下等による衝撃や振動等により、また、温度変化による液状化粧料の粘度変化等によって、液状化粧料が容器先端から漏出し、手や衣類等を汚す虞がある。
【0004】
また、この液状化粧料押出容器にあっては、液状化粧料の塗布時に液状化粧料が出過ぎてしまい、良好に塗布することが難い場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、液状化粧料を始めとした液状充填物の漏出に起因する汚れの発生が防止されると共に液状充填物が良好に塗布される塗布具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による塗布具は、内部の充填領域に充填された液状充填物を先端側に向かって押し出し可能に構成された容器本体のその先端部に対して装着され、充填領域に連通し軸線に沿って先端側に延びる孔部を備えるコア部材と、コア部材の先端側を覆うように装着される塗布部材と、を具備し、コア部材の先端側と塗布部材との間には内部空間が画成され、塗布部材は、その先端面に開口される吐出口と内部空間を連通する吐出孔を備え、コア部材の孔部は、軸線方向先端が閉じられ、コア部材の先端側の外周には、先端から後方側へ所定に延びる溝部が設けられると共に、コア部材の先端側には、孔部から半径方向外側に向かい溝部の内側の面を開口して内部空間に連通する連通孔が設けられ、充填領域の液状充填物は、孔部、連通孔を介し径方向外側に向かい回り込むようにして吐出孔に向かうことを特徴としている。
【0007】
このような塗布具によれば、液状充填物の流路が、コア部材に設けられ充填領域に連通し先端側に延びると共に軸線方向先端が閉じられた孔部、この孔部に連通し半径方向外側に向かい且つコア部材の先端側の外周に設けられコア部材の先端から後方側へ所定に延びる溝部のその内側の面を開口する連通孔、コア部材の先端側と塗布部材との間に画成される内部空間を介して、塗布部材の吐出孔に向かう流路とされる。このため、液状充填物は、一挙に吐出孔へ向かうことは無く流れに抵抗が与えられるが如く回り込むようにして吐出孔へ向かう。従って、容器の落下等による衝撃や振動を始めとして温度変化による液状充填物の粘度変化等が作用しても、液状充填物の漏出が防止されると共に、塗布時にあっては液状充填物の出過ぎが防止されて吐出量が適量とされる。
【0008】
ここで、溝部の内側の面と孔部の外周面とが重合することで、連通孔が溝部に開口される構成とするのが好ましい。このような構成を採用した場合、コア部材の外形に対応する外型と、コア部材の孔部に対応する中型とを用いてコア部材を成形する場合に、外型の溝部の連通孔に対応する部分を中型に接触する外型形状とすることで、連通孔に対応する中型が無くても連通孔が容易に形成される。
【発明の効果】
【0009】
このように本発明による塗布具によれば、手や衣類等に対する液状充填物の漏出による汚れの発生を未然に防止することが可能になると共に、液状充填物を良好に塗布することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による塗布具の好適な実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0011】
図1〜図10は、本発明の実施形態に係る塗布具を示す各図であって、図1は、本発明の実施形態に係る塗布具を備えた液状化粧料押出容器を示す縦断面図、図2は、液状化粧料押出容器の塗布具を含む先端部の斜視図、図3及び図4は、図2の縦断面位置を90°異なる位置とした各縦断面図、図5〜図7は、塗布具を構成するコア部材を詳細に示す各図、図8〜図10は、塗布具を構成する塗布部材を詳細に示す各図であり、本実施形態の塗布具は、液状化粧料押出容器に適用されている。
【0012】
図1に示すように、液状化粧料押出容器20は、その先端部を構成する塗布具1以外の構成が特開2000−262324号公報に記載のものと同様とされている。具体的には、液状化粧料Lが充填される充填領域10aを内部に備える本体筒10と、この本体筒10の後端部に相対回転自在に設けられる操作筒11とを使用者が相対回転すると、容器20内に構成される押出機構としての螺合機構12及び回り止め機構16並びに一方向の回転を許容するラチェット機構13に従って、充填領域10aに配設されるピストン14が本体筒10の先端に向かって順次繰り出され、充填領域10aの液状化粧料Lを先端に向かって順次押し出す容器本体15としての構成を備えている。
【0013】
ここで、本実施形態では、容器本体15の充填領域10aには、クレンジングオイル等の洗浄液が充填されている。そして、容器本体15の先端部に装着されている塗布具1は、充填領域10aからピストン14により押し出される洗浄液を皮膚に塗布するためのものであり、皮膚の汚れ等を効果的に除去するものである。
【0014】
容器本体15を構成する本体筒10は、図2〜図4に示すように、その先端筒部10bに内嵌されて装着された円筒状の塗布具保持部材10cを備えている。この塗布具保持部材10cには、図3及び図4に示すように、その先端側の内周面に、コア部材2を装着するための環状突部10dが形成されている。
【0015】
塗布具1は、本体筒10に装着され充填領域10aからの洗浄液を先端側へ導くと共に洗浄液の流れを制御するコア部材2と、このコア部材2の先端側を覆うように装着され当該コア部材2からの洗浄液を塗布するための塗布部材3と、を備えている。
【0016】
コア部材2は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、その他のプラスチック材料より成形され、図3〜図7に示すように、外周に環状の突部及び溝部を備える段付きの略円柱状とされ、図3、図4及び図6に示すように、後端面から軸線に沿って先端側に延びる孔部2aを備えている。
【0017】
このコア部材2の外周面には、図3〜図6に示すように、その軸線方向中程の位置に、塗布部材3を装着するための環状突部2b及び環状溝部2cが形成されると共に、この環状突部2b及び環状溝部2cより後方側の位置に、塗布具保持体10cの環状突部10dが嵌入する環状溝部2dが形成され、さらに、後端位置に、外方に突出し塗布具保持体10cの後端面に当接する環状鍔部2eが形成されている。
【0018】
また、コア部材2は、図5及び図6に示すように、その先端部に、前方に向かって突出する突出部2fを備え、この突出部2fより後方側が当該突出部2fより大径の大径部2gとされている。この突出部2fは、洗浄液の流れを制御するためのもので、先細りの円錐状を成している。
【0019】
このコア部材2の大径部2gの外周には、当該大径部2gの先端から後方側へ所定に延び環状突部2bの近傍迄達する溝部2hを備えている。この溝部2hは、塗布部材3の回り止めとして機能するもので、図5及び図7に示すように、大径部2gの周方向の90°離間する位置に各々設けられている。
【0020】
また、図5及び図6に示すように、コア部材2の大径部2gの溝部2hの先端部には、さらに内側に凹設されて大径部2gの先端面に達する第二溝部(溝部)2iが形成されている。この第二溝部2iの内側の面は、図6に示すように、孔部2aの外周面と重合し、当該重合位置に、図5〜図7に示すように、孔部2aとコア部材2の外部とを連通する(孔部2aの先端から半径方向外側に向かいコア部材2の外部とを連通する)連通孔2jが開口されている。
【0021】
ここで、このような構成を有するコア部材2は、以下の製造方法で得られている。すなわち、コア部材2の外形に対応する外型と、コア部材2の孔部2aに対応する中型とを用い、この外型の第二溝部2iの連通孔2jに対応する部分を中型に接触する外型形状とし、外型内に所定の樹脂材を流し込み固化し離型することで、上記コア部材2を得ている。従って、連通孔2jに対応する中型が無くても連通孔2jが容易に形成され、製造コストの低減が図られている。
【0022】
塗布部材3は、例えばシリコンゴム等の軟質弾性材より成形され、図2〜図4、図8及び図9に示すように、略円筒状に構成されると共に、その先端面3aが塗布に好適な傾斜面とされている。この傾斜する先端面3aには、ブラシ機能を有する多数の突起群3bが一体成形で設けられている。
【0023】
この塗布部材3は、図3及び図4、図8及び図9に示すように、その後端面から凹設される凹部3cを備えている。この凹部3cは、図4に示すように、コア部材2の大径部2g(図5及び図6参照)の先端から環状溝部2c迄が嵌り込むように、当該大径部2gの先端から環状溝部2c迄の円形外形に対応する形状にされ、後端部の位置に、コア部材2の環状溝部2cに嵌入する環状突部3hを、この環状凸部3hの前側に隣接する位置に、コア部材2の環状突部2bが嵌入する環状溝部3iを各々備えている。
【0024】
また、塗布部材3は、コア部材2の大径部2gの先端の外形に対応する部分がさらに先端側に延び凹部3cの底面3dを形成する構成とされている。
【0025】
この凹部3cの先端側の周面には、図4、図8及び図9に示すように、周方向の180°離間する位置に、凹部3cの底面3d側から後方側へ所定に延びると共に内側に向かって突出し、コア部材2の4個の溝部2hのうちの2個の溝部2hに進入して嵌り込む突条3eが形成されている。
【0026】
また、塗布部材3は、凹部3cの底面3dに比して小径とされ当該底面3dと先端面3aとを連通する吐出孔3fを備えている。この吐出孔3fは、円形横断面に構成されて、吐出孔3fの先端面3aでの開口が、図1、図8〜図10に示すように、吐出口3gとされ、この吐出口3gの周囲に上記多数の突起群3bが設けられている。
【0027】
なお、塗布部材3は、圧縮成形法によるシリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム等の他、射出成形法によるLDPEや熱可塑性エラストマー等、多種素材の中から適宜選択しても差し支えなく、例えばナイロンネットと発泡させた多孔質のポリウレタンシートとを積層して切り抜いたものを取り付けたり、ポリエステル繊維から成るブラシやヘアーコーム等を取り付けることもできる。
【0028】
そして、この塗布部材3及び上記コア部材2、塗布具保持体10cは、組立体として組み立てられ、充填領域10aに洗浄液が充填されてから本体筒10に装着されている。
【0029】
すなわち、コア部材2は、図3及び図4を参照すれば、その先端側が塗布具保持部材10cの後端の開口から内挿され、その環状鍔部2eが塗布具保持部材10cの後端面に突き当てられ、その環状溝部2dに塗布具保持部材10cの環状突部10dが係合することで、塗布具保持部材10cに装着され、塗布部材3は、その後端側がコア部材2の先端側を覆うように外挿され、その後端面が塗布具保持体10cの先端面に突き当てられ、その環状突部3hがコア部材2の環状溝部2cに、その環状溝部3iがコア部材2の環状突部2bに各々係合すると共に、その2個の突条3eがコア部材2の溝部2hに各々係合し回り止めが構成されて、コア部材2に装着され、これにより、塗布部材3、コア部材2、塗布具保持部材10cを有する組立体が構成され、この組立体を構成する塗布具保持部材10cが本体筒10の先端筒部10bに内嵌されることで、コア部材2の環状鍔部2eが本体筒10の内周面に対して気密に接合された状態で、当該組立体が本体筒10に装着されている。
【0030】
この状態で、コア部材2の孔部2aは、充填領域10aに連通されている。
【0031】
また、この状態で、塗布部材3の凹部3cの底面3d側とコア部材2の先端部との間、詳しくは、塗布部材3の凹部3cの底面3d側とコア部材2の突出部2f及び第二溝部2iとの間に、所定の内部空間4が画成されている。この内部空間4には、コア部材2の第二溝部2iに開口される連通孔2jが連通されていると共に、塗布部材3の吐出孔3fの凹部3c側(内部空間4側)の開口3kが連通されている。
【0032】
また、この状態で、コア部材2の突出部2fは、塗布部材3の吐出孔3fに向かって突出し、突出部2fの先端部が吐出孔3fに進入した状態とされていると共に、当該先端部の外面が吐出孔3fに所定の隙間を有して近接する状態とされている。
【0033】
そして、このようなコア部材2及び塗布部材3を有する塗布具1は、図1に示すように、本体筒10の先端筒部10bに着脱可能に装着されるキャップ50により覆われ保護されている。
【0034】
次に、このような塗布具1を備える液状化粧料押出容器20を用い洗浄液を塗布する場合について図3及び図4を参照しながら説明する。使用者の操作に従って充填領域10aから洗浄液が押し出されると、この洗浄液の流路は、コア部材2の孔部2a、連通孔2j、内部空間4を介して、塗布部材3の吐出孔3fに向かう流路とされるため、洗浄液は一挙に吐出孔3fへ向かうことは無く流れに抵抗が与えられるが如く図に矢印で示すように大きく回り込むようにして吐出孔3fへ向かうと共に、コア部材2の突出部2fの外面が吐出孔3fに近接する構成のため、当該吐出孔3fは絞られる。
【0035】
このため、塗布時の洗浄液の出過ぎが防止されて吐出量が適量とされ、洗浄液は良好に塗布される。
【0036】
この時、塗布部材3の吐出口3gの周囲には、ブラシ機能を有する多数の突起群3bがあるため、これらの突起群3b及び洗浄液により、皮膚、特に毛穴の汚れが効果的に除去される。しかも、突起群3bは、塗布部材3の軸線方向に対して傾斜する方向に突出している(傾斜する先端面3aに対して垂設されている)ため、汚れが一層効果的に除去される。
【0037】
また、この時、塗布部材3の突条3e及びコア部材2の溝部2hにより、当該塗布部材3の回り止めが構成されているため、塗布の際に塗布部材3は回ることがなく、洗浄液は一層良好に塗布される。
【0038】
また、このような塗布具1を備える液状化粧料押出容器20に対して、落下等による衝撃や振動が作用したり、温度変化による洗浄液の粘度変化等が作用しても、前述のように、吐出孔3fが絞られていると共に洗浄液の流路が大きく回り込む流路とされているため、洗浄液の漏出が防止され、手や衣類等を汚すことが未然に防止されている。
【0039】
なお、コア部材2の突出部2fの外面と吐出孔3fとの間の隙間は、例えば洗浄液の粘度等により調整される。
【0040】
なお、上記実施形態においては、洗浄液の漏出を防止するのに特に有効であるとして、コア部材2の突出部2fが塗布部材3の吐出孔3fに進入するようにしているが、突出部2fは吐出孔3fに進入していなくても良い。
【0041】
また、上記実施形態においては、特に製造が容易であると共に洗浄液の流れの制御が容易であるとして、塗布部材3の吐出孔3fの形状を円形(この時の吐出口3gの形状を楕円形)とし、コア部材2の突出部2fの形状を円錐状に各々しているが、例えば、吐出孔3fの形状を楕円形(この時の吐出口3gの形状を円形)や、その他矩形等にしても良く、また、突出部2fの形状を例えば角錐状等にしても良い。
【0042】
また、上記実施形態においては、塗布部材3をコア部材2に装着するようにしているが、例えば本体筒10等に直接装着することも可能である。
【0043】
因みに、上記実施形態においては、特に好適であるとして、液状充填物を洗浄液としているが、洗浄液に限定されるものではなく、美容液、ネールケア溶液、ネールリムーバー、マスカラ、アンチエイジング、ヘアーカラー、頭髪用化粧料、オーラルケア、マッサージオイル、角栓ゆるめ液、マーキングペン等の筆記用具等のインク、液状の医薬品、泥状物、靴墨等の液状充填物としても良い。
【0044】
図11〜図13は、図1の液状化粧料押出容器に適用される他の塗布具31,41,51を示す各斜視図であり、これらの塗布具31,41,51を構成するコア部材は図1のものと同様とされている。
【0045】
図11に示す塗布具31にあっては、塗布部材33の先端面33aが、塗布部材33の軸線に対して垂直面とされると共に図示縦長の長円形に構成され、さらに、この先端面33aの吐出口33gが、先端面33aに相似形で小径の長円形とされると共に複数個が(図示は2個)開口され、さらに、これらの吐出口33g,33gの周囲の突起群33bが、長尺のくし状とされている。
【0046】
また、図12に示す塗布具41にあっては、塗布部材43の先端面43aに、吐出口を覆う大径のスポンジ状の塗布体43cが装着されると共に、この塗布体43cの周囲に、疣状の突起群43bが環状に配設されている。
【0047】
また、図13に示す塗布具51にあっては、塗布部材53の先端面53aが細幅となるように当該塗布部材53が先端側に行くに従い絞られ、細幅の先端面53aの長手方向に、長尺のくし状とされる突起群53bが並列されると共に、この突起群53bが吐出口の周囲に位置するように設けられている。この突起群53bは、塗布部材53の軸線方向に対して傾斜する方向に突出するように設けられている。
【0048】
そして、このような図11〜図13に示す構成の塗布具31,41,51を、上記種々の液状充填物に応じて適宜選択することで、最適な使用に供することが可能である。因みに、突起群が、図13に示すように、塗布部材の軸線方向に対して傾斜する方向に突出していると、突起群の機能の多様化が図れるという利点がある。
【0049】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記種々の液状充填物を押し出し使用に供する液状充填物押出容器の押出機構は、前述した回転式に限定されるものではなく、例えばノック式の押出機構等でも良く、さらには、チューブやソフトボトル等の単純なスクイーズ式の液状充填物押出容器に対しても上記種々の塗布具1,31,41,51の適用が可能であり、これらの塗布具1,31,41,51を、種々の容器の形態(押し出しの形態)、種々の液状充填物に応じて適宜選択することで、最適な使用に供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る塗布具を備えた液状化粧料押出容器を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す液状化粧料押出容器の塗布具を含む先端部の斜視図である。
【図3】図2の縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図3及び図4中のコア部材を示す斜視図である。
【図6】図5に示すコア部材の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視図である。
【図8】図3中の塗布部材を示す縦断面図である。
【図9】図8のIX−IX矢視図である。
【図10】図8のX−X矢視図である。
【図11】図1の液状化粧料押出容器に適用される他の塗布具を示す斜視図である。
【図12】図1の液状化粧料押出容器に適用されるさらに他の塗布具を示す斜視図である。
【図13】図1の液状化粧料押出容器に適用されるさらに他の塗布具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1,31,41,51…塗布具、2…コア部材、2a…孔部、2i…第二溝部(溝部)、2j…連通孔、3,33,43,53…塗布部材、3f…吐出孔、3g,33g…吐出口、4…内部空間、10a…充填領域、15…容器本体、20…液状化粧料押出容器、L…液状化粧料(液状充填物)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状充填物を塗布するための塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状化粧料を押し出して使用に供する液状化粧料押出容器として、液状化粧料が充填される充填領域を内部に備える本体筒と、この本体筒の後端部に相対回転自在に設けられる操作筒と、を備え、本体筒と操作筒が相対回転されると、充填領域に配設されるピストンが前進し、このピストンの前進により液状化粧料を先端側に押し出し、充填領域に連結される吐出経路であるパイプを通して、本体筒の先端に装着されている例えばブラシ等の塗布体に吐出し塗布を可能とするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−262324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この液状化粧料押出容器にあっては、容器の落下等による衝撃や振動等により、また、温度変化による液状化粧料の粘度変化等によって、液状化粧料が容器先端から漏出し、手や衣類等を汚す虞がある。
【0004】
また、この液状化粧料押出容器にあっては、液状化粧料の塗布時に液状化粧料が出過ぎてしまい、良好に塗布することが難い場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、液状化粧料を始めとした液状充填物の漏出に起因する汚れの発生が防止されると共に液状充填物が良好に塗布される塗布具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による塗布具は、内部の充填領域に充填された液状充填物を先端側に向かって押し出し可能に構成された容器本体のその先端部に対して装着され、充填領域に連通し軸線に沿って先端側に延びる孔部を備えるコア部材と、コア部材の先端側を覆うように装着される塗布部材と、を具備し、コア部材の先端側と塗布部材との間には内部空間が画成され、塗布部材は、その先端面に開口される吐出口と内部空間を連通する吐出孔を備え、コア部材の孔部は、軸線方向先端が閉じられ、コア部材の先端側の外周には、先端から後方側へ所定に延びる溝部が設けられると共に、コア部材の先端側には、孔部から半径方向外側に向かい溝部の内側の面を開口して内部空間に連通する連通孔が設けられ、充填領域の液状充填物は、孔部、連通孔を介し径方向外側に向かい回り込むようにして吐出孔に向かうことを特徴としている。
【0007】
このような塗布具によれば、液状充填物の流路が、コア部材に設けられ充填領域に連通し先端側に延びると共に軸線方向先端が閉じられた孔部、この孔部に連通し半径方向外側に向かい且つコア部材の先端側の外周に設けられコア部材の先端から後方側へ所定に延びる溝部のその内側の面を開口する連通孔、コア部材の先端側と塗布部材との間に画成される内部空間を介して、塗布部材の吐出孔に向かう流路とされる。このため、液状充填物は、一挙に吐出孔へ向かうことは無く流れに抵抗が与えられるが如く回り込むようにして吐出孔へ向かう。従って、容器の落下等による衝撃や振動を始めとして温度変化による液状充填物の粘度変化等が作用しても、液状充填物の漏出が防止されると共に、塗布時にあっては液状充填物の出過ぎが防止されて吐出量が適量とされる。
【0008】
ここで、溝部の内側の面と孔部の外周面とが重合することで、連通孔が溝部に開口される構成とするのが好ましい。このような構成を採用した場合、コア部材の外形に対応する外型と、コア部材の孔部に対応する中型とを用いてコア部材を成形する場合に、外型の溝部の連通孔に対応する部分を中型に接触する外型形状とすることで、連通孔に対応する中型が無くても連通孔が容易に形成される。
【発明の効果】
【0009】
このように本発明による塗布具によれば、手や衣類等に対する液状充填物の漏出による汚れの発生を未然に防止することが可能になると共に、液状充填物を良好に塗布することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による塗布具の好適な実施形態について図1〜図10を参照しながら説明する。
【0011】
図1〜図10は、本発明の実施形態に係る塗布具を示す各図であって、図1は、本発明の実施形態に係る塗布具を備えた液状化粧料押出容器を示す縦断面図、図2は、液状化粧料押出容器の塗布具を含む先端部の斜視図、図3及び図4は、図2の縦断面位置を90°異なる位置とした各縦断面図、図5〜図7は、塗布具を構成するコア部材を詳細に示す各図、図8〜図10は、塗布具を構成する塗布部材を詳細に示す各図であり、本実施形態の塗布具は、液状化粧料押出容器に適用されている。
【0012】
図1に示すように、液状化粧料押出容器20は、その先端部を構成する塗布具1以外の構成が特開2000−262324号公報に記載のものと同様とされている。具体的には、液状化粧料Lが充填される充填領域10aを内部に備える本体筒10と、この本体筒10の後端部に相対回転自在に設けられる操作筒11とを使用者が相対回転すると、容器20内に構成される押出機構としての螺合機構12及び回り止め機構16並びに一方向の回転を許容するラチェット機構13に従って、充填領域10aに配設されるピストン14が本体筒10の先端に向かって順次繰り出され、充填領域10aの液状化粧料Lを先端に向かって順次押し出す容器本体15としての構成を備えている。
【0013】
ここで、本実施形態では、容器本体15の充填領域10aには、クレンジングオイル等の洗浄液が充填されている。そして、容器本体15の先端部に装着されている塗布具1は、充填領域10aからピストン14により押し出される洗浄液を皮膚に塗布するためのものであり、皮膚の汚れ等を効果的に除去するものである。
【0014】
容器本体15を構成する本体筒10は、図2〜図4に示すように、その先端筒部10bに内嵌されて装着された円筒状の塗布具保持部材10cを備えている。この塗布具保持部材10cには、図3及び図4に示すように、その先端側の内周面に、コア部材2を装着するための環状突部10dが形成されている。
【0015】
塗布具1は、本体筒10に装着され充填領域10aからの洗浄液を先端側へ導くと共に洗浄液の流れを制御するコア部材2と、このコア部材2の先端側を覆うように装着され当該コア部材2からの洗浄液を塗布するための塗布部材3と、を備えている。
【0016】
コア部材2は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、その他のプラスチック材料より成形され、図3〜図7に示すように、外周に環状の突部及び溝部を備える段付きの略円柱状とされ、図3、図4及び図6に示すように、後端面から軸線に沿って先端側に延びる孔部2aを備えている。
【0017】
このコア部材2の外周面には、図3〜図6に示すように、その軸線方向中程の位置に、塗布部材3を装着するための環状突部2b及び環状溝部2cが形成されると共に、この環状突部2b及び環状溝部2cより後方側の位置に、塗布具保持体10cの環状突部10dが嵌入する環状溝部2dが形成され、さらに、後端位置に、外方に突出し塗布具保持体10cの後端面に当接する環状鍔部2eが形成されている。
【0018】
また、コア部材2は、図5及び図6に示すように、その先端部に、前方に向かって突出する突出部2fを備え、この突出部2fより後方側が当該突出部2fより大径の大径部2gとされている。この突出部2fは、洗浄液の流れを制御するためのもので、先細りの円錐状を成している。
【0019】
このコア部材2の大径部2gの外周には、当該大径部2gの先端から後方側へ所定に延び環状突部2bの近傍迄達する溝部2hを備えている。この溝部2hは、塗布部材3の回り止めとして機能するもので、図5及び図7に示すように、大径部2gの周方向の90°離間する位置に各々設けられている。
【0020】
また、図5及び図6に示すように、コア部材2の大径部2gの溝部2hの先端部には、さらに内側に凹設されて大径部2gの先端面に達する第二溝部(溝部)2iが形成されている。この第二溝部2iの内側の面は、図6に示すように、孔部2aの外周面と重合し、当該重合位置に、図5〜図7に示すように、孔部2aとコア部材2の外部とを連通する(孔部2aの先端から半径方向外側に向かいコア部材2の外部とを連通する)連通孔2jが開口されている。
【0021】
ここで、このような構成を有するコア部材2は、以下の製造方法で得られている。すなわち、コア部材2の外形に対応する外型と、コア部材2の孔部2aに対応する中型とを用い、この外型の第二溝部2iの連通孔2jに対応する部分を中型に接触する外型形状とし、外型内に所定の樹脂材を流し込み固化し離型することで、上記コア部材2を得ている。従って、連通孔2jに対応する中型が無くても連通孔2jが容易に形成され、製造コストの低減が図られている。
【0022】
塗布部材3は、例えばシリコンゴム等の軟質弾性材より成形され、図2〜図4、図8及び図9に示すように、略円筒状に構成されると共に、その先端面3aが塗布に好適な傾斜面とされている。この傾斜する先端面3aには、ブラシ機能を有する多数の突起群3bが一体成形で設けられている。
【0023】
この塗布部材3は、図3及び図4、図8及び図9に示すように、その後端面から凹設される凹部3cを備えている。この凹部3cは、図4に示すように、コア部材2の大径部2g(図5及び図6参照)の先端から環状溝部2c迄が嵌り込むように、当該大径部2gの先端から環状溝部2c迄の円形外形に対応する形状にされ、後端部の位置に、コア部材2の環状溝部2cに嵌入する環状突部3hを、この環状凸部3hの前側に隣接する位置に、コア部材2の環状突部2bが嵌入する環状溝部3iを各々備えている。
【0024】
また、塗布部材3は、コア部材2の大径部2gの先端の外形に対応する部分がさらに先端側に延び凹部3cの底面3dを形成する構成とされている。
【0025】
この凹部3cの先端側の周面には、図4、図8及び図9に示すように、周方向の180°離間する位置に、凹部3cの底面3d側から後方側へ所定に延びると共に内側に向かって突出し、コア部材2の4個の溝部2hのうちの2個の溝部2hに進入して嵌り込む突条3eが形成されている。
【0026】
また、塗布部材3は、凹部3cの底面3dに比して小径とされ当該底面3dと先端面3aとを連通する吐出孔3fを備えている。この吐出孔3fは、円形横断面に構成されて、吐出孔3fの先端面3aでの開口が、図1、図8〜図10に示すように、吐出口3gとされ、この吐出口3gの周囲に上記多数の突起群3bが設けられている。
【0027】
なお、塗布部材3は、圧縮成形法によるシリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム等の他、射出成形法によるLDPEや熱可塑性エラストマー等、多種素材の中から適宜選択しても差し支えなく、例えばナイロンネットと発泡させた多孔質のポリウレタンシートとを積層して切り抜いたものを取り付けたり、ポリエステル繊維から成るブラシやヘアーコーム等を取り付けることもできる。
【0028】
そして、この塗布部材3及び上記コア部材2、塗布具保持体10cは、組立体として組み立てられ、充填領域10aに洗浄液が充填されてから本体筒10に装着されている。
【0029】
すなわち、コア部材2は、図3及び図4を参照すれば、その先端側が塗布具保持部材10cの後端の開口から内挿され、その環状鍔部2eが塗布具保持部材10cの後端面に突き当てられ、その環状溝部2dに塗布具保持部材10cの環状突部10dが係合することで、塗布具保持部材10cに装着され、塗布部材3は、その後端側がコア部材2の先端側を覆うように外挿され、その後端面が塗布具保持体10cの先端面に突き当てられ、その環状突部3hがコア部材2の環状溝部2cに、その環状溝部3iがコア部材2の環状突部2bに各々係合すると共に、その2個の突条3eがコア部材2の溝部2hに各々係合し回り止めが構成されて、コア部材2に装着され、これにより、塗布部材3、コア部材2、塗布具保持部材10cを有する組立体が構成され、この組立体を構成する塗布具保持部材10cが本体筒10の先端筒部10bに内嵌されることで、コア部材2の環状鍔部2eが本体筒10の内周面に対して気密に接合された状態で、当該組立体が本体筒10に装着されている。
【0030】
この状態で、コア部材2の孔部2aは、充填領域10aに連通されている。
【0031】
また、この状態で、塗布部材3の凹部3cの底面3d側とコア部材2の先端部との間、詳しくは、塗布部材3の凹部3cの底面3d側とコア部材2の突出部2f及び第二溝部2iとの間に、所定の内部空間4が画成されている。この内部空間4には、コア部材2の第二溝部2iに開口される連通孔2jが連通されていると共に、塗布部材3の吐出孔3fの凹部3c側(内部空間4側)の開口3kが連通されている。
【0032】
また、この状態で、コア部材2の突出部2fは、塗布部材3の吐出孔3fに向かって突出し、突出部2fの先端部が吐出孔3fに進入した状態とされていると共に、当該先端部の外面が吐出孔3fに所定の隙間を有して近接する状態とされている。
【0033】
そして、このようなコア部材2及び塗布部材3を有する塗布具1は、図1に示すように、本体筒10の先端筒部10bに着脱可能に装着されるキャップ50により覆われ保護されている。
【0034】
次に、このような塗布具1を備える液状化粧料押出容器20を用い洗浄液を塗布する場合について図3及び図4を参照しながら説明する。使用者の操作に従って充填領域10aから洗浄液が押し出されると、この洗浄液の流路は、コア部材2の孔部2a、連通孔2j、内部空間4を介して、塗布部材3の吐出孔3fに向かう流路とされるため、洗浄液は一挙に吐出孔3fへ向かうことは無く流れに抵抗が与えられるが如く図に矢印で示すように大きく回り込むようにして吐出孔3fへ向かうと共に、コア部材2の突出部2fの外面が吐出孔3fに近接する構成のため、当該吐出孔3fは絞られる。
【0035】
このため、塗布時の洗浄液の出過ぎが防止されて吐出量が適量とされ、洗浄液は良好に塗布される。
【0036】
この時、塗布部材3の吐出口3gの周囲には、ブラシ機能を有する多数の突起群3bがあるため、これらの突起群3b及び洗浄液により、皮膚、特に毛穴の汚れが効果的に除去される。しかも、突起群3bは、塗布部材3の軸線方向に対して傾斜する方向に突出している(傾斜する先端面3aに対して垂設されている)ため、汚れが一層効果的に除去される。
【0037】
また、この時、塗布部材3の突条3e及びコア部材2の溝部2hにより、当該塗布部材3の回り止めが構成されているため、塗布の際に塗布部材3は回ることがなく、洗浄液は一層良好に塗布される。
【0038】
また、このような塗布具1を備える液状化粧料押出容器20に対して、落下等による衝撃や振動が作用したり、温度変化による洗浄液の粘度変化等が作用しても、前述のように、吐出孔3fが絞られていると共に洗浄液の流路が大きく回り込む流路とされているため、洗浄液の漏出が防止され、手や衣類等を汚すことが未然に防止されている。
【0039】
なお、コア部材2の突出部2fの外面と吐出孔3fとの間の隙間は、例えば洗浄液の粘度等により調整される。
【0040】
なお、上記実施形態においては、洗浄液の漏出を防止するのに特に有効であるとして、コア部材2の突出部2fが塗布部材3の吐出孔3fに進入するようにしているが、突出部2fは吐出孔3fに進入していなくても良い。
【0041】
また、上記実施形態においては、特に製造が容易であると共に洗浄液の流れの制御が容易であるとして、塗布部材3の吐出孔3fの形状を円形(この時の吐出口3gの形状を楕円形)とし、コア部材2の突出部2fの形状を円錐状に各々しているが、例えば、吐出孔3fの形状を楕円形(この時の吐出口3gの形状を円形)や、その他矩形等にしても良く、また、突出部2fの形状を例えば角錐状等にしても良い。
【0042】
また、上記実施形態においては、塗布部材3をコア部材2に装着するようにしているが、例えば本体筒10等に直接装着することも可能である。
【0043】
因みに、上記実施形態においては、特に好適であるとして、液状充填物を洗浄液としているが、洗浄液に限定されるものではなく、美容液、ネールケア溶液、ネールリムーバー、マスカラ、アンチエイジング、ヘアーカラー、頭髪用化粧料、オーラルケア、マッサージオイル、角栓ゆるめ液、マーキングペン等の筆記用具等のインク、液状の医薬品、泥状物、靴墨等の液状充填物としても良い。
【0044】
図11〜図13は、図1の液状化粧料押出容器に適用される他の塗布具31,41,51を示す各斜視図であり、これらの塗布具31,41,51を構成するコア部材は図1のものと同様とされている。
【0045】
図11に示す塗布具31にあっては、塗布部材33の先端面33aが、塗布部材33の軸線に対して垂直面とされると共に図示縦長の長円形に構成され、さらに、この先端面33aの吐出口33gが、先端面33aに相似形で小径の長円形とされると共に複数個が(図示は2個)開口され、さらに、これらの吐出口33g,33gの周囲の突起群33bが、長尺のくし状とされている。
【0046】
また、図12に示す塗布具41にあっては、塗布部材43の先端面43aに、吐出口を覆う大径のスポンジ状の塗布体43cが装着されると共に、この塗布体43cの周囲に、疣状の突起群43bが環状に配設されている。
【0047】
また、図13に示す塗布具51にあっては、塗布部材53の先端面53aが細幅となるように当該塗布部材53が先端側に行くに従い絞られ、細幅の先端面53aの長手方向に、長尺のくし状とされる突起群53bが並列されると共に、この突起群53bが吐出口の周囲に位置するように設けられている。この突起群53bは、塗布部材53の軸線方向に対して傾斜する方向に突出するように設けられている。
【0048】
そして、このような図11〜図13に示す構成の塗布具31,41,51を、上記種々の液状充填物に応じて適宜選択することで、最適な使用に供することが可能である。因みに、突起群が、図13に示すように、塗布部材の軸線方向に対して傾斜する方向に突出していると、突起群の機能の多様化が図れるという利点がある。
【0049】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記種々の液状充填物を押し出し使用に供する液状充填物押出容器の押出機構は、前述した回転式に限定されるものではなく、例えばノック式の押出機構等でも良く、さらには、チューブやソフトボトル等の単純なスクイーズ式の液状充填物押出容器に対しても上記種々の塗布具1,31,41,51の適用が可能であり、これらの塗布具1,31,41,51を、種々の容器の形態(押し出しの形態)、種々の液状充填物に応じて適宜選択することで、最適な使用に供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る塗布具を備えた液状化粧料押出容器を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す液状化粧料押出容器の塗布具を含む先端部の斜視図である。
【図3】図2の縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図3及び図4中のコア部材を示す斜視図である。
【図6】図5に示すコア部材の縦断面図である。
【図7】図6のVII−VII矢視図である。
【図8】図3中の塗布部材を示す縦断面図である。
【図9】図8のIX−IX矢視図である。
【図10】図8のX−X矢視図である。
【図11】図1の液状化粧料押出容器に適用される他の塗布具を示す斜視図である。
【図12】図1の液状化粧料押出容器に適用されるさらに他の塗布具を示す斜視図である。
【図13】図1の液状化粧料押出容器に適用されるさらに他の塗布具を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1,31,41,51…塗布具、2…コア部材、2a…孔部、2i…第二溝部(溝部)、2j…連通孔、3,33,43,53…塗布部材、3f…吐出孔、3g,33g…吐出口、4…内部空間、10a…充填領域、15…容器本体、20…液状化粧料押出容器、L…液状化粧料(液状充填物)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の充填領域に充填された液状充填物を先端側に向かって押し出し可能に構成された容器本体のその先端部に対して装着され、前記充填領域に連通し軸線に沿って先端側に延びる孔部を備えるコア部材と、
前記コア部材の先端側を覆うように装着される塗布部材と、を具備し、
前記コア部材の先端側と前記塗布部材との間には内部空間が画成され、
前記塗布部材は、その先端面に開口される吐出口と前記内部空間を連通する吐出孔を備え、
前記コア部材の前記孔部は、軸線方向先端が閉じられ、
前記コア部材の先端側の外周には、先端から後方側へ所定に延びる溝部が設けられると共に、前記コア部材の先端側には、前記孔部から半径方向外側に向かい前記溝部の内側の面を開口して前記内部空間に連通する連通孔が設けられ、
前記充填領域の前記液状充填物は、前記孔部、前記連通孔を介し径方向外側に向かい回り込むようにして前記吐出孔に向かうことを特徴とする塗布具。
【請求項2】
前記溝部の内側の面と前記孔部の外周面とが重合することで、前記連通孔が前記溝部に開口されていることを特徴とする請求項1記載の塗布具。
【請求項1】
内部の充填領域に充填された液状充填物を先端側に向かって押し出し可能に構成された容器本体のその先端部に対して装着され、前記充填領域に連通し軸線に沿って先端側に延びる孔部を備えるコア部材と、
前記コア部材の先端側を覆うように装着される塗布部材と、を具備し、
前記コア部材の先端側と前記塗布部材との間には内部空間が画成され、
前記塗布部材は、その先端面に開口される吐出口と前記内部空間を連通する吐出孔を備え、
前記コア部材の前記孔部は、軸線方向先端が閉じられ、
前記コア部材の先端側の外周には、先端から後方側へ所定に延びる溝部が設けられると共に、前記コア部材の先端側には、前記孔部から半径方向外側に向かい前記溝部の内側の面を開口して前記内部空間に連通する連通孔が設けられ、
前記充填領域の前記液状充填物は、前記孔部、前記連通孔を介し径方向外側に向かい回り込むようにして前記吐出孔に向かうことを特徴とする塗布具。
【請求項2】
前記溝部の内側の面と前記孔部の外周面とが重合することで、前記連通孔が前記溝部に開口されていることを特徴とする請求項1記載の塗布具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−297084(P2006−297084A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109066(P2006−109066)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【分割の表示】特願2003−326695(P2003−326695)の分割
【原出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【分割の表示】特願2003−326695(P2003−326695)の分割
【原出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】
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