説明

塗布物被塗布材の製造方法および製造装置、表面マスク

【課題】 より高精度に塗布物が塗布された塗布物被塗布材の製造方法および製造装置、表面マスクを提供する。
【解決手段】 塗布物被塗布材の製造方法および製造装置は、塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法であって、前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布物被塗布材の製造方法および製造装置、表面マスク、特に塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物被塗布材の製造方法および製造装置、表面マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物被塗布材の製造方法が報告されている。
【0003】
例えば、塗布物被塗布材の製造方法としてノズルから噴射し、マスクを用いて、有機機能層を所定の形状に形成する技術は、下記特許文献1の他、下記特許文献2、下記特許文献3などにも開示される。
【0004】
下記特許文献2では、有機化合物の分散粒子を含む組成物を不活性ガスで噴射させ、マスクの開口部を通過させることにより、所定の形状の有機機能層を形成する技術が開示される。
【0005】
また、下記特許文献3には、真空雰囲気中で、高分子系EL材料を溶解した溶液をスプレー状に噴出する有機機能層の形成方法が開示される。同文献段落「0034」には画素塗り分けマスクを用いて赤色の発光層を形成した後、同マスクを所定量ずらし、順次、青色、緑色の発光層を形成する技術が記載される。
【特許文献1】特開2001−297876号公報
【特許文献2】特開2002−343566号公報
【特許文献3】特開2003−257631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、飛来した液滴が、マスク−基板間に浸入することを考慮しておらず、例えば上記特許文献2の図2に示されるように、マスクと基板を近接させて塗布を行った場合、本願図7のように、マスク−基板間に入射した液が毛管現象によって、マスク−基板間に浸入し、有機機能層のパターンの精度が悪くなる問題があった。特に、良好な膜を形成するために乾きにくい塗布液を使用した場合、この問題は顕著となった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より高精度に塗布物が塗布された塗布物被塗布材の製造方法および製造装置、表面マスクを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法であって、前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布することを特徴とする。
【0009】
本発明は、塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造装置であって、前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布することを特徴とする。
【0010】
本発明は、被塗布材表面を覆い、噴射ノズルから塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法に用いられ、前記塗布物が前記被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクであって、前記被塗布材表面と前記表面マスクの背面との間に、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成するように支持する支持体が設けられたことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態については、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではない。
【0012】
「有機EL素子の製造装置」
図1には、塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法であって、前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布する有機EL素子の製造装置が示される。
【0013】
図1の有機EL素子の製造装置は、基板表面上に配置された表面マスク、表面マスク上に配置され、スプレー噴射して塗布するノズル、塗布するノズルに塗布液を供給する溶液供給装置を含むものである。表面マスクには、塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通して開口部が形成されている。基板上にはこの開口部を通じてのみノズルから噴射(噴出した液滴)が基板に塗布された溶液として基板表面に塗布される。
【0014】
図1のように、マスクを用いてスプレー塗布をする際、マスクと基板間のギャップの厚さを、ノズルによって霧状に粉砕された液滴の直径以上の距離とする。つまり、図1において、ギャップg≧液滴直径a、となるようにする。
【0015】
その方法は、例えば、図3のように、マスク−基板間の一般的なギャップを制御する機構を設けるか、または、図4のように、パターンを形成するマスクの遮蔽部からスプレーの液滴の直径以上突出する凸部を有するように構成してマスクと基板間のギャップの厚さを液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成する。
【0016】
一般にスプレー法では、溶液の乾燥速度が速すぎると、膜にムラが生じてしまう。そこで、スプレーに用いる溶液の乾燥速度を遅くして、霧状になった溶液が基板に到達する時点でも乾かずに流動性を保つようにするのが望ましい。そうすることにより、溶液が基板上に到達した後、レベリングし、膜ムラの少ない均一な膜が得られやすい。
【0017】
よって、溶液に用いる溶媒は乾燥速度があまり早いものは好ましくない。霧状になった液滴の大きさ、塗布雰囲気、ノズルと基板間の距離、等により一概には言えないが、用いる溶液を構成する少なくとも1つの溶媒の揮発性が低いことが好ましく、具体的にその沸点を、少なくとも100℃、好適なのは150℃、最も好適なのは200℃とするのが望ましい。
【0018】
本発明で用いるマスクは、塗布液に溶解しない素材を用いるのが好ましい。例えば、ステンレスなどの金属、ポリイミドなどの樹脂が好適である。
【0019】
マスク−基板間のギャップは、少なくとも基板に到達する直前の液滴の大きさ以上であればよい。ギャップが大きすぎると、マスクに斜めに入射した液滴によってパターンがぼけてしまい好ましくない。ギャップの大きさは、好ましくはマスク開口部の寸法の1/10以下もしくは1mm以下、最も好ましくはマスク開口部の寸法の1/100以下もしくは0.1mm以下とすることが望ましい。
【0020】
液滴の大きさは、例えば、レーザー光を用いて測定することができる。基板に到達する直前の液滴の大きさを測定するのは困難な場合が多いため、代わりに、ノズルから飛び出した直後の液滴の大きさを用いても差し支えない。ノズルから飛び出した液滴は、基板に到達するまでに乾燥し小さくなることはあっても、大きくなることはないからである。
【0021】
ノズルを飛び出した直後の液滴の大きさは、溶液の種類やスプレー条件により一概には言えないが、一般に、1〜1000μmである。ノズルを飛び出した直後の液滴の大きさは、小さすぎると液滴が基板に到達する時点で乾いて流動性を失ってしまい、レベリングが不十分となり、均一な膜が形成できなくなる。一方、ノズルを飛び出した直後の液滴の大きさが、大きすぎると、マスク−基板間のギャップを大きく取らなくてはならない。ノズルを飛び出した直後の液滴の大きさは、好ましくは10〜100μmとするのが望ましい。
【0022】
一般に、液滴の大きさは、一定の大きさではなく、ある幅を持って正規分布に近い分布を持つ。その際は、観測された液滴のうち最も大きいものを基準に、ギャップをそれ以上にするのが望ましい。ただし、液滴大きさの分布の、平均値+3σの値を基準として、ギャップをそれ以上にすることでも差し支えない。
【0023】
マスク−基板間のギャップを調整する方法は、任意で構わない。
【0024】
例えば、図3のようにマスクを保持し、上下に移動することのできる機構を設けることができる。図示していないが、マスク−基板間の距離をセンサーで感知し、ギャップが本発明の範囲になるよう、ギャップ調整機構によってマスクを上下する。マスク−基板間のギャップセンサーは任意でよいが、例えば、フォトレジストの露光装置でフォトマスク−基板間のギャップ測定によく用いられる、光学式のセンサなどを利用しても良い。
【0025】
図3では、マスクを上下しギャップの調整を行ったが、基板を上下しても、マスクと基板の両方を動かしてもよい。
【0026】
マスク−基板間のギャップを、液滴の直径以上としたので、飛来した液滴がマスク裏面と基板表面の両側に接触し、毛管現象でマスク−基板間に浸入することを防止できる。
【0027】
「有機EL素子」
図2に図1の製造装置により製造された有機EL素子の構造を示す。有機EL素子は、発光機能層が主に有機物からなり、陽極からホールが、陰極から電子が注入され、発光層で再結合し発光する。有機EL素子の有機機能層は通常、ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層など、それぞれの機能を持つ複数の層からなる。これら各々の有機機能層は通常、有機物からなり、更に、低分子の有機物からなる場合、高分子の有機物からなる場合がある。低分子の有機物からなる有機機能層は一般に蒸着法等のドライプロセス(真空プロセス)によって、高分子の有機物からなる有機機能層は一般にスピンコート法、ブレードコート法、ディップ法、スプレー法そして印刷法等のウエットプロセスによって、それぞれ形成されるのが一般的である。
【0028】
有機溶媒に可溶な有機物からなる有機機能層の例が、例えば、特開2003−74611に示されている。特開2003−7461、6頁「0023」〜「0024」には、有機機能層に用いる高分子材料として、PEDOT、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリアルキルフェニレン、ポリアセチレン誘導体、などが挙げられている。更に特開2003−7461、7頁「0031」によると、これらの高分子材料は、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラリン、キシレン、アニソール、ジクロロメタン、γブチロラクトン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、ジオキサンまたは、THF (テトラヒドロフラン)等の溶媒から選ばれた1種または複数種、に前駆体を溶解し、スピンコート法で成膜される。
【0029】
これら有機機能層は、既知のあらゆる成膜法を用いて形成することができる。特に可溶な有機物からなる有機機能層は、ウエットプロセスによって形成する事ができる。ウエットプロセスで形成する場合は、通常、材料を溶媒に溶解した塗布液を用いる。溶媒としては、前述の溶媒の他、PGME(propyleneglycol monomethyl ether)、PGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)、乳酸エチル、DMAc(N.N-dimethylacetamide)、MEK(methyl ethyl ketone)、MIBK(methyl isobutyl ketone)、IPA(iso propyl alcohol)、エタノール等、既知の溶剤を用いる事ができる。
【0030】
以上のように、従来の有機EL素子やそれを用いた表示パネルでは、有機機能層をウエットプロセスで形成することができる。
【0031】
ウエットプロセスのうち、特に簡便に成膜できる方法として、例えばスプレー法がある。スプレー法は、例えば特開2001−297876の図1に開示される通り、ノズルから溶液を霧状にして基板に吹き付けて成膜する方法である。一般に、有機機能層は所定の形状にパターニングする必要があるが、例えば、特開2001−297876の図2の様な方法を用いることができる。特開2001−297876の図2の方法では、同文献「0028」に記載されるように、赤、緑、青色の発光パターンに合わせたマスクや、それに限らず、発光色、発光形状による複数のマスクを交換して成膜できる技術が開示される。この方法では、発光形状の異なったマスクをマスク板収納室に備え、マスク板交換ロボットにより、適宜、パターンの違うマスクを交換することにより、様々なパターン表示が可能な有機EL素子を作製することが可能とされる。
【0032】
上記で示されるように本実施形態では、従来技術では、マスク−基板間のギャップについて、全く注意を払っていないのに対し、本発明では、マスク−基板間のギャップを、スプレーによって霧化された液滴の直径以上となるよう、積極的かつ精密に制御する。
【0033】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0034】
「他のギャップ調整機構」
図5のように、本発明による有機EL製造装置に、マスク−基板間に挿入するスペーサーを具備していても良い。ギャップの調整は、厚さの異なる複数種のスペーサーを用意しておけばよい。スペーサーを挿入するだけなので、機構が単純であり、装置のコストを安くできる。
【0035】
「液滴観察装置」
図6のように、本発明による有機EL製造装置に、液滴を観察する装置を具備しても良い。
【0036】
液滴の入れ替えや、スプレー条件の変更により、液滴の大きさが変わってしまう。よって、液滴を観察する装置があれば、マスク−基板間のギャップを迅速に決定できる。
【0037】
リアルタイムで液滴を観察し液滴の直径を測定、測定した結果に応じて、マスク−基板間のギャップを最も小さくできるよう、ギャップ調整機構により制御することにより、更に、パターン精度の高い塗布を行うことができる。ギャップをリアルタイムに必要最小限に制御できるので、パターン精度良く有機機能層を形成できる。
【0038】
「スプレー用マスクの改良」
図3のように、マスク側にギャップの調整機能を具備させることもできる。図3のマスクは、液滴の直径よりも大きく突出する凸部を有している。凸部は基板に突き当たるように形成すれば、どの位置にあっても良い。例えば、図のように、マスクの遮蔽部の一部に形成しても良い。従来のスプレー用マスクは、単純な平板形状。それに対し、本発明によるスプレー用マスクは凸部を有している。それにより、塗布装置にギャップの調整機構を具備する必要がなくなる。
【0039】
前記ギャップの厚さを、前記貫通した部分の最も短い開口径の1/10以下とすると好適であるがこれに限られない。
【0040】
また、本実施形態では、前記ギャップの厚さを、前記貫通した部分の最も短い開口径の1/100以下とすると好適であるがこれに限られない。前記ギャップの厚さを、1mm以下とすると好適であるがこれに限られない。前記ギャップの厚さを、0.1mm以下とすると好適であるがこれに限られない。
【0041】
本実施形態では、前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の略最大値を用いると好適であるがこれに限られない。前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の平均値+3σの値を用いると好適であるがこれに限られない。前記液滴の直径を測定し、測定結果に基づき前記ギャップの厚さを調整すると好適であるがこれに限られない。
【0042】
本実施形態では、前記被塗布材が半導体基板、有機トランジスタ基板、有機EL素子構成層のうち少なくとも一つであると好適であるがこれに限られない。前記有機EL素子構成層は、基板、陽極、有機機能層の各層、陰極、基板側の保護バリア膜、封止膜のうち少なくとも1層であると好適であるがこれに限られない。前記塗布物が揮発性の低い溶媒成分を含む(乾燥しにくい)と好適であるがこれに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。
【図2】本実施形態における有機EL素子の断面図である。
【図3】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。
【図4】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。
【図5】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。
【図6】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。
【図7】本実施形態における塗布物被塗布材の製造装置を模式的に説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法であって、
前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、
前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布する塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記ギャップの厚さを、前記貫通した開口部の最も短い開口径の1/10以下とする塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記ギャップの厚さを、前記貫通した開口部の最も短い開口径の1/100以下とする塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記ギャップの厚さを、1mm以下とする塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記ギャップの厚さを、0.1mm以下とする塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の略最大値を用いる塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の平均値+3σの値を用いる塗布物表面塗布材の製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記液滴の直径を測定し、測定結果に基づき前記ギャップの厚さを調整する塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記被塗布材が半導体基板、有機トランジスタ基板、有機EL素子構成層のうち少なくとも一つである塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記有機EL素子構成層は、基板、陽極、有機機能層の各層、陰極、基板側の保護バリア膜、
封止膜のうち少なくとも1層である塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記塗布物が揮発性の低い溶媒成分を含む塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記被塗布材表面上の前記表面マスクについて、前記ギャップを形成するように支持する塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記支持は、前記表面マスクの背面に設けられた凸部が前記被塗布材表面と接することで支持される塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造方法であって、
前記ギャップは、その厚さが調整可能な塗布物被塗布材の製造方法。
【請求項15】
塗布物が被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクで被塗布材表面を覆い、前記表面マスクを通じて噴射ノズルから前記塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造装置であって、
前記被塗布材表面から前記表面マスクの背面との間を離すことで、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成し、
前記ギャップの形成後、前記塗布物を噴射し、塗布する塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項16】
請求項15に記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記ギャップの厚さを、前記貫通した開口部の最も短い開口径の1/10以下とする塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項17】
請求項16に記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記ギャップの厚さを、前記貫通した開口部の最も短い開口径の1/100以下とする塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記ギャップの厚さを、1mm以下とする塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項19】
請求項15から18のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記ギャップの厚さを、0.1mm以下とする塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項20】
請求項15から19のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の略最大値を用いる塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項21】
請求項15から19のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記液滴の直径の値として、前記液滴の直径の平均値+3σの値を用いる塗布物表面塗布材の製造装置。
【請求項22】
請求項15から21のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記液滴の直径を測定し、測定結果に基づき前記ギャップの厚さを調整する塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項23】
請求項15から22のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記被塗布材が半導体基板、有機トランジスタ基板、有機EL素子構成層のうち少なくとも一つである塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項24】
請求項23に記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記有機EL素子構成層は、基板、陽極、有機機能層の各層、陰極、基板側の保護バリア膜、封止膜のうち少なくとも1層である塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項25】
請求項15から24のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記塗布物が揮発性の低い溶媒成分を含む塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項26】
請求項15から25のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記被塗布材表面上の前記表面マスクについて、前記ギャップを形成するように支持する塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項27】
請求項26に記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記支持は、前記表面マスクの背面に設けられた凸部が前記被塗布材表面と接することで支持される塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項28】
請求項15から27のいずれか1つに記載の塗布物被塗布材の製造装置であって、
前記ギャップは、その厚さが調整可能な塗布物被塗布材の製造装置。
【請求項29】
被塗布材表面を覆い、噴射ノズルから塗布物を噴射し、塗布してなる塗布物表面塗布材の製造方法に用いられ、前記塗布物が前記被塗布材表面に塗布される対応箇所が貫通し、被塗布材表面に塗布されることを防止する対応箇所が非貫通してなるマスクパターンが形成された表面マスクであって、
前記被塗布材表面と前記表面マスクの背面との間に、前記噴射される塗布物の液滴の直径よりも大きな厚さのギャップを形成するように支持する支持体が設けられた表面マスク。
【請求項30】
請求項29に記載の表面マスクであって、
前記支持体は、前記表面マスクの背面に設けられた凸部である表面マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−104894(P2008−104894A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36907(P2005−36907)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】