説明

塗料層を形成する腐食保護剤およびその無電流塗装のための方法

本発明は、金属基板のための水性被覆剤に関し、前記被覆剤は基板の腐食の際に遊離した金属イオンおよび/または基板表面とキレートを形成する共有結合したリガンドAおよびそれ自体で、ポリマーPの相補的官能基B´および/または他の官能基Bおよび/またはB´と架橋剤V上で共有結合を形成できる架橋する官能基Bを有する水分散可能なおよび/または水溶性ポリマーPを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の金属基板を無電流腐食保護被覆するための方法および被覆剤は公知である。これらは電圧の印加が必要であるアノードまたはカソード浸漬塗装(ATLもしくはKTL)に比べて簡単で廉価な方法および短い処理時間の利点を提供する。特に無電流法を使用して、被覆される基板中の空間もしくは被覆される基板上の縁部を、電圧の印加が必要である方法より良好に被覆できる。
【0002】
ACC(Autophoretic Chemical Coating)法とも呼ばれる無電流腐食保護被覆において、一般にポリマー、例えばアニオン安定であるアクリレートまたはスチレン/ブタジエンを含有するエマルジョンポリマーを使用する。しかしACC法は前記ATL法およびKTL法に比べて、堆積した層が欠陥位置を有し、これが基板を明らかに腐食しやすくする欠点を有する。従ってACC法を使用して堆積したこれらの層は欠陥位置での腐食保護を改良するために、一般にクロム含有水性被覆剤での後洗浄により処理する。しかし近年クロム含有被覆剤が環境適合性で大きな問題を有し、高い程度の健康不安ありと等級付けされることが判明した。従って腐食保護被覆においてクロムを完全に交換することが求められる。
【0003】
クロム不含被覆剤の開発の結果として、ランタニド元素およびd元素の塩および有機被膜形成成分を含有するACC被覆剤が同様にきわめて良好な、クロム含有被覆剤に匹敵する腐食保護を保証することが更に判明した。
【0004】
WOA01/86016号にはバナジウム成分およびジルコン、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、およびセリウムの群から選択される少なくとも1種の金属を含有する他の成分を含有する腐食保護剤が記載される。変換保護剤の良好な安定性および腐食保護作用を保証するために、全部のバナジウム含量に対する三価バナジウムおよび四価バナジウムの所定の比を調節し、場合により有機化合物を添加しなければならない。有機化合物は第1に五価バナジウム化合物の還元に使用され、ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、およびポリエチレンイミンを含有できる。WOA01/86016号に記載された腐食保護剤の作用は主に全部のバナジウム含量に対する三価バナジウムおよび四価バナジウムの所定の比に関し、この比をかなり費用をかけて調節しなければならない。例えばこれは種々の酸化段階のバナジウムを有するバナジウム化合物の混合により達成される。WOA01/86016号による腐食保護剤の欠点は基板から形成される金属イオンが堆積した腐食保護層により移動する傾向であり、それはポリマーが不十分な被膜を形成するからである。
【0005】
WOA99/29927号は、成分としてチタン(IV)および/またはジルコン(IV)のヘキサフルオロアニオン、バナジウムイオン、遷移金属イオンおよび燐酸および/またはホスホン酸を含有するクロム不含水性腐食保護剤を記載する。有利な実施態様においてWOA99/29927号に記載された腐食保護剤は付加的に有機被膜形成剤を含有し、前記被膜形成剤は特にポリアクリレートをベースとし、有利に架橋可能である。架橋は被膜形成剤中で種々の反応性基自体によりまたは被膜形成剤上に堆積された硬化剤の添加により行うことができる。同じ処理工程で無機不活性層および有機ポリマー層の被覆が有利として記載され、その際十分な腐食保護が達成される。WOA99/29927号による腐食保護剤の欠点は、基板から形成される金属イオンが堆積した腐食保護層により移動する傾向であり、それはポリマーが不十分な被膜を形成するからであり、更に特にフッ化物のような生態的に問題のある物質の使用である。
【0006】
WOA96/10461号は、成分としてチタン、ジルコン、ハフニウム、珪素の群から選択される中心原子を有するアニオンおよびリガンドとして少なくとも4個のフッ素原子および有機ポリマー分散液を含有する水性腐食保護剤を記載する。発明の利点として特にクロムの不在および1工程の方法が明細書に記載される。
【0007】
WOA96/10461号の発明の欠点は基板表面に腐食保護剤を堆積する際にポリマー分散液粒子が凝結し、表面に対して少ない接触面を形成することである。更にラテックス粒子が三次元に形成された基板から空間または縁部に拡散する際に分子分散分布ポリマーに比べて少ない移動速度を有する欠点を有する。更に1μm〜1mmの厚さの層を形成し、これが被覆される基板の単位面積当たりの相当する材料の需要を生じる。更に基板から形成される金属イオンが堆積した腐食保護層により移動する傾向、および特にフッ化物のような生態的に問題のある物質の使用が欠点である。
【0008】
ドイツ特許第3727382号はエポキシド上のカルボン酸およびイソシアネートの付加物のクロム不含水性分散液に関し、前記分散液は金属表面のオートフォレティック(autophoretic)被覆に適している。前記分散液は分散した形で300nm未満、有利に100〜250nmの粒子直径を有し、金属表面上に堆積後、60〜200℃の温度で架橋する。架橋のために、一般的なオートフォレティック堆積から知られた開始剤、例えば特にHF/FeF系を使用する。ドイツ特許第3727382号に記載される被覆は良好な腐食保護を有し、更になお溶剤安定である。
【0009】
これらのラテックス粒子も三次元に形成された基板から空間または縁部に拡散する際に分子分散分布ポリマーに比べて少ない移動速度を有することが欠点である。更に1μm〜1mmの厚さの層が形成され、これが被覆される基板の単位面積当たりの相当する材料の需要を生じる。更に基板から形成される金属イオンが堆積した腐食保護層により移動する傾向および特にフッ化物のような生態的に問題のある物質の使用が欠点である。
【0010】
課題と解決手段
前記の技術水準を考慮して、本発明の課題は、技術的に簡単に実施できる方法を使用して保護される基板に被覆することができる、生態的に広い範囲で問題のない腐食保護剤を見出すことである。特に前記腐食保護剤は基板から形成される金属イオンの移動が広い範囲で抑制され、基板の縁部および空間に良好に堆積すべきである。更に異種金属イオンの影響をできる限り少なく維持し、かなり少ない材料の使用を有して有効な腐食保護を達成するべきである。更に腐食保護剤はできるだけ多くの異なる金属基板で有効な保護を発揮し、被覆される基板のレドックス電位に広い範囲で依存しないべきである。
【0011】
前記課題に関して、意想外にも、基板の腐食の際に遊離した金属イオンおよび/または基板表面とキレートを形成する共有結合したリガンドAおよびそれ自体で、ポリマーPの他の官能基B´および/または他の官能基Bおよび/またはB´と架橋剤V上で共有結合を形成できる架橋する官能基Bを有する水分散可能なおよび/または水溶性ポリマーを含有するP良好な腐食保護を有する金属基板のための水性腐食保護剤が見出された。
【0012】
更に金属基板を腐食保護仕上げする方法が見出され、前記方法は基板を前記腐食保護剤の浴に浸漬し、その際腐食保護剤を無電流で堆積することを特徴とする。本発明の方法の他の有利な実施態様において、機版を本発明の腐食保護剤を堆積する前に他の前方に接続された処理工程で腐食保護剤Kを使用して前処理する。
【0013】
本発明の被覆剤
本発明による被覆剤の水分散可能なおよび/または水溶性ポリマーPは、基板の腐食の際に遊離した金属イオンとキレートを形成するリガンドAおよびそれ自体で、および/または他の官能基Cと架橋剤V上で共有結合を形成できる架橋する官能基Bを有する。
【0014】
本発明の範囲で水分散可能なまたは水溶性は、ポリマーPが水相中で、平均粒子直径50nm未満、有利に35nm未満、特に20nm未満を有する凝結物を形成するかもしくは分子分散溶解することを表す。従って、これらの凝結物は、例えばドイツ特許第3727382号またはWOA96/10461号に記載されるような分散液粒子とはその平均粒子直径が決定的に異なる。分子分散溶解したポリマーPは一般に100000ドルトン未満、有利に50000ドルトン未満、特に20000ドルトン未満の分子量を有する。
【0015】
ポリマーPからなる凝結物の大きさは自体公知方法で親水性基HGをポリマーPに導入することにより実施する。ポリマーP上の親水性基HGの数は基HGの溶媒和能力および滅菌可能性に依存し、当業者により自体公知方法で同様に調節できる。有利なポリマーP上の親水性基HGはスルフェート基、ホスフェート基、ホスホネート基、アミン基、アミド基、および/またはカルボキシレート基であり、特にアミン基および/またはホスホネート基である。
【0016】
ポリマーPのポリマー骨格としてそれ自体任意のポリマー、有利に1000〜50000ドルトンの分子量を有するポリマー、特に2000〜20000ドルトンの分子量を有するポリマーを使用できる。ポリマー骨格として有利にポリオレフィン、またはポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリアルキレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアルキレンイミン、ポリエーテル、ポリエステル、および特に部分アセタール化されたおよび/または部分エステル化されたポリアルコールを使用する。ポリマーPは直鎖状、分枝状および/または樹枝状に形成されていてもよい。特に有利なポリマー骨格はポリアルキレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアルコール、ポリ(メタ)アクリレート、および例えばWOA01/46296号に記載される過剰分枝ポリマーである。
【0017】
ポリマーPは有利に酸性pH範囲で、特に5未満のpH値で、特に有利に3未満のpH値で加水分解安定である。
【0018】
リガンドAとして、基板の腐食の際に遊離した金属イオンとキレートを形成できるすべての基または化合物が適している。一座および/または多座の可能なアニオンリガンドが有利である。特に有利なリガンドは、
場合により官能化された尿素および/またはチオ尿素、特にアシルチオ尿素、例えばベンゾイルチオ尿素、
場合により官能化されたアミンおよび/またはポリアミン、例えば特にEDTA、
場合により官能化されたアミド、特にカルボン酸アミド、
イミンおよびイミド、例えば特にイミン官能化ピリジン、
オキシム、有利に1,2−ジオキシム、例えば官能化ジアセチルジオキシム、
有機硫黄化合物、例えば特に場合により官能化されたチオール、例えばチオエタノール、チオカルボン酸、チオアルデヒド、チオケトン、ジチオカルバメート、スルホンアミド、チオアミド、特に有利にスルホネート、
有機燐化合物、例えば特にホスフェート、特に(メタ)アクリレートの燐酸エステル、およびホスホネート、特にビニルホスホン酸、およびヒドロキシ官能化、アミノ官能化およびアミド官能化ホスホネート、
場合により官能化されたポリアルコール、例えば特に炭水化物およびその誘導体およびキトサン、
場合により官能化された酸、例えば特に二官能性および/またはオリゴ官能性酸、または場合により官能化された(ポリ)カルボン酸、例えば特にイオン結合および/または配位結合により金属中心に結合できるカルボン酸、有利に酸基および/または二官能性またはオリゴ官能性酸を有する(ポリ)メタクリレート、
場合により官能化されたカルベン、
アセチルアセトネート、
場合により官能化されたアセチレン、および
フィチン酸およびその誘導体である。
【0019】
ポリマーP上の架橋する官能基Bとしてそれ自体で、および/または相補的官能基B´と共有結合を形成できる官能基が適している。共有結合は有利に熱および/または放射線の作用により形成される。特に有利に熱により共有結合が形成される。架橋する官能基BおよびB´はポリマーPの分子の間の分子内ネットワークの形成を生じる。
【0020】
放射線の作用下に架橋する官能基BもしくはB´は例えば炭素−水素単結合または二重結合、炭素−炭素単結合または二重結合、炭素−酸素単結合または二重結合、炭素−窒素単結合または二重結合、炭素−燐単結合または二重結合、または炭素−珪素単結合または二重結合のような活性化可能な結合を有する。この場合に特に炭素−炭素二重結合が有利である。基Bとして特に良好に適した炭素−炭素二重結合は
特に有利に(メタ)アクリレート基、
エチルアクリレート基
ビニルエーテル基およびビニルエステル基
クロトネート基およびシンナメート基
アリル基
ジシクロペンタジエニル基
ノルボルニル基およびイソプレニル基
イソプロペニル基またはブテニル基である。
【0021】
熱により架橋する官能基Bはそれ自体でまたは有利に相補的に架橋する官能基B´と熱エネルギーの作用下に共有結合を形成することができる。
【0022】
特に良好に適した熱により架橋する官能基BおよびB´は
特に有利にヒドロキシル基、
メルカプト基およびアミノ基、
アルデヒド基、
アジド基、
酸基、特にカルボン酸基、
酸無水物基、特にカルボン酸無水物基、
酸エステル基、特にカルボン酸エステル基、
エーテル基、
特に有利にカルバメート基、
尿素基、
エポキシ基、
特に有利に本発明の被覆剤の焼き付け温度でブロックが分解するおよび/またはブロックを分解せずに形成されるネットワークに導入するブロック剤と特に有利に反応したイソシアネート基である。
熱により架橋する基Bおよび相補的基B´からなる特に有利な組み合わせは
ヒドロキシル基とイソシアネート基および/またはカルバメート基、
アミノ基とイソシアネート基および/またはカルバメート基、
カルボン酸基とエポキシ基である。
【0023】
熱によりおよび/または放射線の作用により架橋する基Bおよび/またはB´を有する架橋剤Vとして、原則的にすべての当業者に知られた架橋剤が適している。分子量20000ドルトン未満、特に10000ドルトン未満を有する低分子またはオリゴマー架橋剤Vが有利である。架橋する基Bおよび/またはB´を有する架橋剤Vの骨格は直鎖状、分枝状および/または過剰分枝状に形成されていてもよい。分枝状および/または過剰分枝状構造、特に例えばWOA01/46296号に記載される構造が有利である。
架橋剤Vは有利に酸性pH範囲、特にpH5未満、特に有利にpH3未満で加水分解安定である。
【0024】
特に有利な架橋剤Vは、ポリマーPの架橋する基と共有結合を形成して反応する前記の架橋する基Bおよび/またはB´を有する。熱によりおよび場合により付加的に放射線の作用下で架橋する基Bおよび/またはB´を有する架橋剤Vが特に有利である。
【0025】
本発明の他の特に有利な実施態様において、架橋剤Vは架橋する基Bおよび/またはB´のほかに更にリガンドLを有し、このリガンドはポリマーPのリガンドLと同じであっても、異なっていてもよい。
【0026】
架橋剤Vに特に良好に適した架橋する官能基BおよびB´は
特にヒドロキシル基、
特にアルデヒド基、
アジド基、
酸無水物基、特にカルボン酸無水物基、
カルバメート基、
尿素基、
特に本発明の被覆剤の焼き付け温度でブロックが分解するおよび/またはブロックを分解せずに形成されるネットワークに導入するブロック剤と特に由利に反応したイソシアネート基、
(メタ)アクリレート基
ビニル基
またはこれらの組み合わせである。
【0027】
架橋剤Vとして、少なくとも部分的にブロックされ、付加的なリガンドLを有する分枝状および/または過剰分枝状ポリイソシアネートが特に有利である。
【0028】
本発明の他の実施態様において、架橋剤VはポリマーPのリガンドLと共有結合を形成できる基Bおよび/またはB´を有する。
【0029】
連続相として本発明の被覆剤に水、有利に脱イオン水および/または蒸留水を使用する。他の有利な成分として、少なくとも1種の、酸化の能力がある酸を、本発明の被覆剤のpH値が有利に1〜5、有利に2〜4であるような量で使用する。特に有利な酸は酸化する無機酸、例えば特に硝酸、亜硝酸、硫酸および/または亜硫酸の群から選択される。pH値の調節のために、必要な場合は、緩衝剤、例えば強塩基および弱酸の塩、たとえば特に酢酸アンモニウムを使用することができる。
【0030】
本発明の特に有利な実施態様において、本発明による被覆剤は付加的にカチオン成分としてランタニド金属カチオンおよび/またはd−金属カチオンを有する塩を含有する。
【0031】
有利なランタニド金属カチオンはランタンカチオン、セリウムカチオン、プラセオジムカチオン、ネオジムカチオン、プロメチウムカチオン、サマリウムカチオン、ユーロピウムカチオン、および/またはジスプロシウムカチオンである。特に有利にランタンカチオン、セリウムカチオン、およびプラセオジムカチオンである。ランタニド金属カチオンは一価、二価および/または三価の酸化段階で存在し、その際三価の酸化段階が有利である。
【0032】
有利なd−金属カチオンはチタンカチオン、バナジウムカチオン、マンガンカチオン、イットリウムカチオン、ジルコンカチオン、ニオブカチオン、モリブデンカチオン、タングステンカチオン、コバルトカチオン、ルテニウムカチオン、ロジウムカチオン、パラジウムカチオン、オスミウムカチオン、および/またはイリジウムカチオンである。d−元素カチオンとしてすべての酸化段階のクロムカチオンが排除される。特に有利にバナジウムカチオン、マンガンカチオン、タングステンカチオン、モリブデンカチオン、および/またはイットリウムカチオンである。d−元素カチオンは一価から六価までの酸化段階で存在してもよく、その際三価から六価までの酸化段階が有利である。
【0033】
本発明の被覆剤を被覆する方法
本発明の被覆剤を被覆する前に、本発明の有利な実施態様において、基板を特に油状および脂肪残留物から浄化し、その際有利に洗剤および/またはアルカリ洗浄剤を使用する。本発明の他の有利な実施態様において、洗剤および/またはアルカリ洗浄剤で浄化した後に、本発明の被覆剤を被覆する前に、もう一度水で後洗浄する。基板表面上の堆積物および/または化学的に形成された、特に酸化された層を除去するために、本発明の他の有利な実施態様において、後洗浄工程の前に、例えば研磨剤を使用する表面の機械的洗浄および/または例えば脱酸化洗浄剤を使用する表面層の科学的除去をなお行う。
【0034】
このように前処理された基板を本発明により被覆剤と接触する。これは有利に基板を、本発明の被覆剤を含有する浴中に浸漬するかまたは前記浴を通過することにより行う。本発明の被覆剤中の基板の滞留時間は有利に1秒〜15分、有利に10秒〜10分、特に30秒〜8分である。本発明の被覆剤を含有する浴の温度は有利に20〜90℃、特に25〜80℃、特に有利に30〜70℃である。
【0035】
本発明の被覆剤で基板を処理した後に有利に基板および被覆剤からなる複合体の乾燥を約30〜200℃、特に100〜180℃の温度で行い、その際本発明の被覆剤の有利な作用のために乾燥装置は広い範囲で重要でないと判断できる。架橋する基Bおよび/またはB´が少なくとも部分的に放射線硬化されている場合は、場合により熱処理のほかに、本発明の被覆剤からなる層を、有利に問う業者に知られた方法で化学線および/または電子線で照射する。
【0036】
本発明の被覆剤は意想外にも広い範囲の基板に使用することができ、基板のレドックス電位に広い範囲で依存しない。有利な基板材料は亜鉛、鉄、マグネシウムおよびアルミウムおよびその合金であり、その際前記金属は有利に少なくとも20質量%合金に存在する。有利に基板は、例えば自動車工業、建築工業および機械部品工業に使用されるように、板片として形成されている。本発明の被覆剤で被覆された板片は特に形材板および板のベルト被覆(コイルコーティング)に使用される。
【0037】
本発明の特に有利な実施態様において、本発明の被覆剤を前記板片の断面縁部の封止に、特にすでに被覆された板片の断面縁部の封止に使用する。
【0038】
本発明の他の実施態様において、すでに記載された基板を、本発明の被覆剤を堆積する前に、他の同様に無電流で堆積可能な腐食保護剤で被覆する。本発明の被覆剤からなる層に、および被覆されていない基板に良好な付着を有する無機成分を有する腐食保護剤が有利である。これらの無機腐食保護剤は例えば欧州特許第1217094号、欧州特許第0534120号、米国特許第5221371号、およびWOA0/86016号に記載されている。
【0039】
本発明の特に有利な実施態様において、本発明の被覆剤を被覆する前に、別の工程で、カチオンとしてランタニド金属および/またはカチオンとしてクロムを除くd−元素金属および/またはアニオンとしてクロム含有金属を除くd−元素メタラートを有する少なくとも1種の化合物AAおよび燐含有酸および/またはクロム含有酸を除く少なくとも酸化の能力がある酸BBを有するpH値1〜5を有する水性腐食保護剤Kを被覆する。
【0040】
成分AAを形成する塩はカチオン成分としてランタニド金属カチオンおよび/またはd−金属カチオンを有する。有利なランタニド金属カチオンはランタンカチオン、セリウムカチオン、プラセオジムカチオン、ネオジムカチオン、プロメチウムカチオン、サマリウムカチオン、ユーロピウムカチオン、および/またはジスプロシウムカチオンである。特に有利にランタンカチオン、セリウムカチオン、およびプラセオジムカチオンである。ランタニド金属カチオンは一価、二価および/または三価の酸化段階で存在してもよく、その際三価の酸化段階が有利である。
【0041】
有利なd−金属カチオンはチタンカチオン、バナジウムカチオン、マンガンカチオン、イットリウムカチオン、ジルコンカチオン、ニオブカチオン、モリブデンカチオン、タングステンカチオン、コバルトカチオン、ルテニウムカチオン、ロジウムカチオン、パラジウムカチオン、オスミウムカチオン、および/またはインジウムカチオンである。d−元素カチオンとしてすべての酸化段階のクロムカチオンが排除される。特に有利にバナジウムカチオン、バナジウムカチオン、マンガンカチオン、タングステンカチオン、モリブデンカチオンおよび/またはイットリウムカチオンである。d−元素カチオンは一価から六価までの酸化段階で存在してもよく、その際三価から六価までの酸化段階が有利である。
【0042】
成分AAの前記カチオンの塩は有利に水にきわめて良好に溶解する。特に有利に溶解生成物LP=[カチオン]n・[アニオン]m>10−8・モル(n+m)/l(n+m)を有する塩[カチオン]n[アニオン]m(n、mは1であるかまたはそれより大きい)であり、特に溶解生成物LP>10−6・モル(n+m)/l(n+m)を有する塩である。本発明の特に有利な実施態様において、腐食保護剤中の塩(A)の濃度は10−1〜10−4モル/l、特に5×10−1〜10−3モル/lである。
【0043】
d−元素カチオンと塩AAを形成するアニオンは有利に溶解生成物LPに関する前記の条件が与えられるように選択される。元素周期表のVI、VIIおよびVIII副族の元素の酸化する酸のアニオンおよび燐およびクロムの酸化する酸のアニオンを除く元素周期表のVおよびVI主族の元素の酸化する酸のアニオン、例えば特に硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、および/または硫酸塩が有利である。更にアニオンとしてハロゲン化物、例えば特に塩化物および臭化物が有利である。
【0044】
本発明の他の有利な実施態様において、d−元素カチオンは一座および/または多座の可能なアニオンリガンドを有する錯体として存在してもよい。有利なリガンドは場合により官能化されたテルピリジン、場合により官能化された尿素、および/またはチオ尿素、場合により官能化されたアミン、および/またはポリアミン、例えば特にDETA、イミン、例えば特にイミン官能化ピリジン、有機硫黄化合物、例えば特に場合により官能化されたチオール、リオカルボン酸、チオアルデヒド、チオケトン、ジチオカルバメート、スルホンアミド、チオアミド、および特に有利にスルホネート、場合により官能化された有機ホウ素化合物、例えば特にホウ酸エステル、場合により官能化されたポリアルコール、例えば特に炭水化物およびその誘導体、およびキトサン、場合により官能化された酸、例えば特に二官能性酸および/またはオリゴ官能性酸、場合により官能化されたカルベン、アセチルアセトネート、場合により官能化されたアセチレン、場合により官能化されたカルボン酸、例えば特にイオン結合および/または共有結合により金属中心に結合できるカルボン酸およびフィチン酸およびその誘導体である。
【0045】
特に有利にリガンドとしてフィチン酸、その誘導体、および場合により官能化されたスルホネートである。
【0046】
本発明の他の実施態様において、塩AAは、d−元素カチオンと一緒にまたは単独に塩AAを形成できるアニオンとしてd−元素メタラートを含有する。メタラートのための有利なd−元素はバナジウム、マンガン、ジルコン、ニオブ、モリブデン、および/またはタングステンである。特に有利にバナジウム、マンガン、タングステン、および/またはモリブデンである、d−元素メタラートとしてすべての酸化段階のクロムが排除される。特に有利なd−元素メタラートはオキソアニオン、例えば特にタングステン酸塩、過マンガン酸塩、バナジン酸塩および/またはモリブデン酸塩である。d−元素メタラートが単独に、すなわちランタニド金属カチオンおよび/またはd−金属カチオンなしに塩AAを形成する場合は、この塩の有利な溶解生成物LPに関して前記のことが該当する。この塩の有利なカチオンは場合により有機基で置換されたアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、および/またはスルホニウムイオン、アルカリ金属カチオン、例えばリチウム、ナトリウムおよび/またはカリウム、アルカリ土類金属カチオン、例えば特にマグネシウムおよび/またはカルシウムである。場合により有機基で置換されたアンモニウムイオンおよび塩AAの特に高い溶解生成物LPを保証するアルカリ金属カチオンが特に有利である。
【0047】
腐食保護剤Kの成分BBとして少なくとも1種の酸化の能力のある酸を、腐食保護剤のpH値が1〜5、有利に2〜4であるように使用する。有利な酸BBは酸化する無機酸、例えば特に硝酸、亜硝酸、硫酸および/または亜硫酸の群から選択される。pH値の調節のために、必要な場合は、緩衝剤、例えば強塩基および弱酸の塩、例えば特に酢酸アンモニウムを使用することができる。
【0048】
連続相として、本発明の被覆剤に水、有利に脱イオン水および/または蒸留水を使用する。
【0049】
腐食保護剤Kを被覆する前に、本発明の有利な実施態様において、基板を、特に油状および脂肪残留物から浄化し、その際有利に洗剤および/またはアルカリ洗浄剤を使用する。本発明の他の有利な実施態様において、洗剤および/またはアルカリ洗浄剤で浄化した後に、腐食保護剤Kを被覆する前に、もう一度水で後洗浄する。基板の表面上の堆積物および/または化学的に変性された、特に酸化された層を除去するために、本発明の他の有利な実施態様において、後洗浄工程の前になお例えば研磨剤を使用する表面の機械的洗浄および/または脱酸化洗浄剤を使用する表面層の化学的除去を行う。
【0050】
こうして前処理された基板を腐食保護剤Kと接触する。これは有利に腐食保護剤Kを含有する浴中の基板の浸漬または前記浴の基板の通過により行う。腐食保護剤K中の基板の滞留時間は有利に1秒〜10分、有利に10秒〜8分、特に30秒〜6分である。腐食保護剤Kを含有する浴の温度は25〜90℃、有利に30〜80℃、特に35〜70℃である。
【0051】
本発明の腐食保護剤で基板を処理した後に、有利に基板および腐食保護剤からなる複合体の乾燥を乾式吹き付けまたは約30〜200℃の温度での乾燥により実施し、その際乾燥温度および乾燥の種類もしくは乾燥装置は腐食保護剤Kの有利な作用に関して広い範囲で重要でないとみなすことができる。
【0052】
有利な方法の第2工程において、腐食保護剤Kで被覆された基板を本発明の被覆剤で被覆する。これは有利に被覆された基板を本発明の被覆剤を含有する浴に浸漬するかまたは前記浴を通過することにより行う。本発明の被覆剤中の基板の滞留時間は有利に1秒〜15分、特に10秒〜10分、特に有利に30秒〜8分である。本発明の被覆剤を含有する浴の温度は有利に20〜90℃、特に25〜80℃、特に有利に30〜70℃である。
【0053】
本発明の被覆剤で基板を処理した後に、有利に基板および腐食保護剤Kからなる層および本発明の被覆剤からなる複合体の乾燥を約30〜200℃、特に100〜180℃の温度で実施し、その際乾燥装置は本発明の被覆剤の有利な作用に関して広い範囲で重要でないとみなすことができる。架橋する基Bおよび/またはB´が少なくとも部分的に放射線硬化される場合は、場合により熱処理のほかに、更に本発明の被覆剤からなる層を、有利に当業者に知られた方法で、化学線および/または電子線で照射する。
【0054】
本発明を以下に示される実施例により詳細に説明する。
【0055】
実施例
例1:腐食保護剤Kを有する第1の水槽の製造
水1リットルにモリブデン酸アンモニウム四水和物1.77g(0.01モル)を溶解する。溶液を硝酸を使用してpH2.5に調節する。場合により前記pH値の調節のためにアンモニア水溶液を加えて緩衝する。
【0056】
例2a:本発明の被覆剤のためのポリマー成分Pの合成
平均分子量Mw=800g/モルを有するポリエチレンイミン(LupasolFG、BASF社、第一級アミノ基;第二級アミノ基;第三級アミノ基の比1:0.9:0.5)5g(6.25×10−3モル)を窒素雰囲気下にエタノール100gに予め入れ、75℃で45分以内で、エタノール86gに溶解したベンゾイルイソチオシアネート10.7g(0.066モル)と混合する。この温度でなお4時間攪拌し、生成物を更に精製せずに使用する。
【0057】
例2b:本発明の被覆剤のための架橋剤Vの合成
塩化セリウム(III)七水和物3.1g(0.008モル)を水50mlに予め入れる。水50ml中の4−ヒドロキシ桂皮酸4.1g(0.025モル)および苛性ソーダ1g(0.025モル)からなる溶液を製造し、塩酸でpH=7.9にする。この溶液を徐々にセリウム溶液に、セリウム溶液のpH値が6を上回らないように添加する。沈殿物をエタノールおよび水で洗浄する。このセリウム錯体1.7g(0.003モル)を、酢酸エチル80.1g中のジメチルピラゾールで75%ブロックされた分枝状ポリイソシアネート(BayhydurVPLS2319、Bayer社)9.1g(NCO含量2.5%)およびOH官能性ジプロピレントリアミン(Jeffcat−ZR50、Huntsmann)0.7gと一緒に40℃で5時間反応させる。生成物は更に精製せずに使用する。
【0058】
例2:本発明の被覆剤を有する第2の水槽の製造
水1リットルに、例2aによるポリマー成分P3gおよび例2bによる架橋剤V2gを溶解する。溶液を硝酸を使用してpH=2.5に調節する。場合により前記pH値の調節のために、アンモニア水溶液を加えて緩衝する。
【0059】
例3:腐食保護剤Kおよび本発明の被覆剤を使用する基板の被覆
基板(亜鉛メッキ鋼からなる板片)を洗浄溶液(RidolineC72、Henkel)中55℃で5分間洗浄し、その後蒸留水で洗浄する。
【0060】
引き続き蒸留水で洗浄した板片を直ちに例1による腐食保護剤Kの第1の水槽に45℃で4分浸漬する。その後被覆された板片を蒸留水で洗浄し、窒素で乾式吹き付けする。引き続き板片を直ちに、例2による本発明の腐食保護剤の第2の水槽に35℃で5分浸漬する。その後被覆された板片を蒸留水で洗浄し、窒素で乾式吹き付けする。その後板片を150℃で30分乾燥する。こうして被覆した板片および以下に記載する参考試料を、すべての板片上に自由な端部を得るために、板片はさみで切断する。
【0061】
本発明の参考としてGardobond95854(Chemetall社、燐酸処理し、六フッ化ジルコニウム溶液で後洗浄した亜鉛メッキした鋼板)を使用する。
【0062】
例4:例3により被覆した基板上の3%水性塩化ナトリウム溶液での高速腐食試験
完全脱塩水中の3%塩化ナトリウムの溶液を使用する。基板としてここで鋼、亜鉛メッキした鋼または亜鉛合金を使用できる。アルミニウムおよびその合金に関して塩化ナトリウム溶液を付加的に酢酸と一緒にpH=3に調節する。試料(3×3cm)をこの溶液170mlに浸漬し、デシケーター中でほぼ100%の水分で保存する。湿った雰囲気を脂肪不含圧縮空気により製造し、圧縮空気が完全脱塩水を有する2つの洗浄容器を通過し、引き続きデシケーターを貫流する。この構造により一定の空気湿度および一定の二酸化炭素含量が保証され、その際25℃に温度を維持する。試料を浸漬の前に分析用天秤で計量する。未処理の参考板片(鋼、亜鉛メッキ鋼)をエタノール中で超音波浴中で5分洗浄する。24時間保存後、板片を溶液から取り出し、計量ピペットを使用してビーカー上で負荷された3%塩化ナトリウム溶液で洗浄する(試料側で塩化ナトリウム溶液約10ml)、引き続き板片を窒素で乾式吹き付けし、50℃で15分乾燥し、計量する。板片を引き続き再び同じ濃度の新鮮な塩化ナトリウム溶液中に懸垂する。使用した塩化ナトリウム溶液を32%塩酸1mlと混合し、場合により存在する沈殿物を溶解する。得られた透明な溶液をICP−OES(高周波誘導結合プラズマ、発光分光分析)により基板金属(Zn、Fe、Al、Mg)の含量を測定する。
【0063】
前記方法を24時間後、72時間後、96時間後、168時間後に繰り返す。
【0064】
測定は二重測定により確認する。
【0065】
腐食試験の評価
a)浸漬溶液のICP−OESデータ
ICP−OESデータは試料の面積に規格化される。このデータは線状の経過が得られる。腐食動力学の線形性により種々の被覆をグラフの上昇により比較できる。ICP−OESデータは面積および時間あたりの基板の分解を表し、それぞれの被覆で可能な腐食速度の直接的尺度である。
b)試料の計量
計量は更に被覆が表面の不活性化をどれだけ可能にするかまたはしないかの可能性に関する情報を与える。このためにモル濃度で質量損失を換算し、試料の面積に規格化する。アルカリのみで洗浄したそれぞれの基板を腐食動力学の比較に使用する。零参考値(純粋基板)およびほかの参考値と比べてICP−OESデータからの上昇が示される。
【0066】
表1;腐食試験の結果
基板 ICP−OESデータ(10−4・モル/l・h・cm
亜鉛メッキ鋼板(被覆せず) 8.136
亜鉛メッキ鋼板
例3により被覆 4.580
Gardbond95854(参考) 6.171
腐食試験の結果は従来の腐食保護(参考)に比較して本発明の被覆剤の卓越性を明らかに示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基板のための水性被覆剤であり、前記被覆剤が水分散可能なおよび/または水溶性ポリマーPを含有し、前記ポリマーが、基板の腐食の際に遊離した金属イオンおよび/または基板表面とキレートを形成する共有結合したリガンドAおよびそれ自体で、ポリマーPの他の相補的官能基B´および/または他の官能基Bおよび/またはB´と架橋剤V上で共有結合を形成できる架橋する官能基Bを有する金属基板のための水性被覆剤。
【請求項2】
架橋剤Vが共有結合したリガンドAを有する請求項1記載の水性被覆剤。
【請求項3】
リガンドAが、尿素、アミン、アミド、イミン、イミド、ピリジン、有機硫黄化合物、有機燐化合物、有機ホウ素化合物、オキシム、アセチルアセトネート、ポリアルコール、酸、フィチン酸、アセチレンおよび/またはカルベンの群から選択される請求項1または2記載の水性被覆剤。
【請求項4】
ポリマーPおよび架橋剤Vが、熱および/または放射線により架橋可能である架橋する基Bおよび/またはB´を含有する請求項1から3までのいずれか1項記載の水性被覆剤。
【請求項5】
ポリマーPが、ポリマー骨格としてポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアミン、およびポリアルキレンイミンから選択される1種以上の成分を含有する請求項1から4までのいずれか1項記載の水性被覆剤。
【請求項6】
金属基板を腐食保護仕上げする方法において、基板を、20〜90℃の温度で1秒〜15分の時間の間、請求項1から5までのいずれか1項記載の被覆剤の浴に浸漬することを特徴とする金属基板を腐食保護仕上げする方法。
【請求項7】
金属基板を腐食保護仕上げする二工程の方法において、
(a)第1工程において、基板を、基板上で変換を生じる腐食保護剤Kの浴に浸漬し、
(b)第2工程において、工程(a)により処理した基板を、20〜90℃の温度で1秒〜15分の時間の間、請求項1から5までのいずれか1項記載の被覆剤の浴に浸漬する
ことを特徴とする、金属基板を腐食保護仕上げする二工程の方法。
【請求項8】
第1工程(a)において、カチオンとしてランタニド金属および/またはカチオンとしてクロムを除くd−元素金属および/またはアニオンとしてクロム含有メタラートを除くd−元素メタラートを有する少なくとも1種の化合物ならびに燐含有酸および/またはクロム含有酸を除く少なくとも1種の酸化可能な酸を含有する水性腐食保護剤を使用する請求項7記載の方法。
【請求項9】
基板を、被覆剤の堆積後に50〜200℃の温度で熱によりおよび/または照射により後処理する請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
基板がFe、Alおよび/またはZnから選択される少なくとも20質量%の金属を含有する請求項6から10までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2008−545827(P2008−545827A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512709(P2008−512709)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003545
【国際公開番号】WO2006/125498
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】