説明

塗料組成物とこれを用いた複層塗膜形成方法および塗装物品

【課題】 これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性、具体的には、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられても耐えうるだけの耐擦傷性を備えた塗膜を形成するための塗料組成物を提供する。
【解決手段】 本発明の塗料組成物は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)とを含有するアクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)を必須とし、必要に応じてポリラクトンポリオール(B)をも含み、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価、アクリル樹脂(A)とポリラクトンポリオール(B)の固形分割合、ポリイソシアナートプレポリマー(C)の配合量が、それぞれ特定範囲である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車外装用部品等に高い耐擦傷性を付与しうる塗膜を形成するための塗料組成物と、これを用いた複層塗膜形成方法および塗装物品とに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂等から製造されたプラスチック成形品は、軽量で耐衝撃性も良好で、自動車用プラスチック材料などとして、多く用いられている。しかし、これらプラスチック成形品は、その表面の耐擦傷性が充分ではないので、他の硬い物との接触や摩擦、引っかき等によって表面に損傷を受けやすく、表面に発生した損傷が商品価値を著しく低下させたり、短期間で商品を使用不能にしたりするという欠点があった。そこで、プラスチック成形品に耐擦傷性を付与する手段として、通常、その表面に塗料を塗布して耐擦傷性を高めるための塗膜を形成することが行われている。そのため、自動車用途においては特に、塗膜の耐擦り傷性を高めることの要求が高い。塗膜の耐擦り傷性を高めることの要求は、プラスチック素材に限らず、金属素材を用いる個所、例えばボディなどの塗膜についても同様に存在する。
【0003】
ところで、プラスチック成形品に形成する塗膜としては、耐侯性や耐汚染性などの性能向上にも寄与する塗膜であることが望ましく、さらに充分な密着性を備えた塗膜でなければならない。このような条件を満たす塗膜としては、従来から、低温硬化が可能であり、密着性に優れ、耐侯性や耐汚染性などの諸性能も良好であり、かつコスト的にも有利である等の点から、イソシアネート硬化アクリルポリオール塗料による塗膜(アクリル−イソシアネート系塗膜)が好適であると考えられている。プラスチック成形品に耐擦傷性を高めるために形成する塗膜も、上記のような利点を有するアクリル−イソシアネート系塗膜であることが望ましいのであるが、一般にアクリル−イソシアネート系塗膜は耐擦傷性が高いものではない。したがって、アクリル−イソシアネート系塗膜において耐擦傷性を高めうる技術が求められている。
【0004】
そこで、耐擦傷性が高いアクリル−イソシアネート系塗膜を形成しうる塗料として、これまでに、ヒドロキシル価が特定範囲である含フッ素共重合体とヒドロキシル価が特定範囲であるアクリル共重合体と硬化剤としてのイソシアネートプレポリマーとを特定割合で配合してなるクリヤー塗料組成物(特許文献1参照)や、特定構造を有するウレタン化合物と特定構造のアクリル系の光重合性単量体と光重合開始剤とを含有してなる光硬化性樹脂組成物(特許文献2参照)等が提案されている。
他方、アクリル−イソシアネート系塗膜を形成すること以外に、塗装により耐擦傷性を向上させる手段として、ポリシロキサン系塗膜にポリカプロラクトンを導入して弾力性を高めることで耐擦傷性を向上させようとする技術が提案されている。具体的には、ポリジメチルシロキサン系共重合体とポリカプロラクトンとポリシロキサンとを含有する塗料組成物、ポリカプロラクトンおよびポリシロキサンが骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体を含有する塗料組成物、ポリカプロラクトンが骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体とポリシロキサンとを含有する塗料組成物、ポリシロキサンが骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体とポリカプロラクトンとを含有する塗料組成物(特許文献3、4参照)が提案されている。
【特許文献1】特開平5−32935号公報
【特許文献2】特開2000−297112号公報
【特許文献3】特開平11−228905号公報
【特許文献4】特開2001−11376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のアクリル−イソシアネート系塗膜やポリシロキサン系塗膜ではいずれも、ある程度の耐擦傷性は得られるものの、例えば自動車外装用部品等の用途においては、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられると、塗膜の表面部分が損傷を受けるだけでなく塗膜が内部にまで削り取られる、といった問題が起きることがあった。詳しくは、特許文献1に記載の塗料組成物は、アクリル共重合体を導入することで硬さを増し、耐擦傷性を向上させようとするものであり、特許文献2に記載の光硬化性樹脂組成物は、紫外線照射による光重合を促進する構造を導入して架橋密度を上げることで硬さを増し、耐擦傷性を向上させようとするものであるが、あまりに架橋密度が高いと硬化収縮時の歪みの増大により密着性が低下したりクラックが発生したりするという問題が生じる等の理由から、いずれの場合も硬さを上げることには限界があり、上述のように強い外力で塗膜表面がこすられたときに耐えうる(塗膜内部まで削り取られることがない)だけの硬さを達成させることは困難であった。また、特許文献3、4に記載の塗料組成物は、ポリカプロラクトンを導入することで弾力性を発現させることによって、塗膜に砂塵等が接触したときの衝撃を緩和させ、耐擦傷性を向上させようとするものであるが、硬さが不充分である(例えば、充分に硬化したときのアクリル−イソシアネート系塗膜に比べても明らかに低い)ので、上述したような強い外力で塗膜表面がこすられると、やはり塗膜が内部まで削り取られることがあった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性を備えた塗膜を形成するための塗料組成物と、これを用いた複層塗膜形成方法および塗装物品とを提供することにある。なお、本発明において達成しようとする耐擦傷性は、具体的には、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられても、傷が内部にまで達することがなく、この強い外力に十分に耐えうるだけの耐擦傷性である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。まず、その前提として、硬化膜中の幹となる架橋ポリマー構造については、低温硬化が可能であり、密着性に優れ、耐侯性や耐汚染性などの諸性能も良好であり、かつコスト的にも有利である等の利点を備えたアクリル−イソシアネート硬化系とすることにし、それ自身が発揮できる範囲内での無理のない硬さを発現させるとともに、それ自身では足りない耐擦傷性を別の工夫で補うことを考えた。その結果、上述したように緒性能に優れるアクリル−イソシアネート系塗膜について耐擦傷性を向上させるにあたり、従来のように硬さを高めることのみによるのではなく、充分な硬さに加えて高い弾力性をも付与するようにすれば、激しく接触する砂塵等の衝撃に直に反発するのではなく、いったん柔軟に凹んで衝撃を弱めたのちに優れた復元力で凹みを復元して元の塗膜表面状態に戻るようになり、これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性を実現することができるのではないかと考えた。そして、充分な硬さに加えて高い弾力性をも付与しうる具体的手段について種々検討を重ねた結果、ポリマーへの長側鎖ヒドロキシル基の導入が当該ポリマーに弾力性を付与することから、前述した種々の長所を有するアクリル−イソシアネート硬化系架橋ポリマー構造を硬化膜中の幹とし、この幹に長側鎖ヒドロキシル基を導入することにより、上記アクリル−イソシアネート硬化系架橋ポリマー構造に弾力性をも発揮させることができるようになること、さらに、必要に応じ、弾力性に富むポリカプロラクトンをも導入することにすれば、弾力性発揮部分の長さが長くなり(つまり、弾力性発揮部分が「長側鎖構造+ポリカプロラクトン構造+長側鎖構造」となり)、極めて優れた弾性力を発現させることができることを見出した。他方、上の構造のみを採用していると、弾力性は向上するものの、塗膜の強度、硬さ、耐候性などがやや劣る結果になることも分かり、この結果になることを避けるためには、側鎖として短側鎖ヒドロキシル基をも併せて導入すれば良いことを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明にかかる塗料組成物は、アクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)を必須とし、ポリラクトンポリオール(B)を、アクリル樹脂(A)とポリラクトンポリオール(B)の固形分割合が(A)/(B)=60/40以上(質量比)、100/0未満(質量比)となる範囲内で含むことがあり、前記アクリル樹脂(A)は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)を有していて、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の相互比率が(a1)/(a2)=3/1〜1/3(モル比)、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価が100〜200である樹脂であり、前記ポリイソシアナートプレポリマー(C)は、そのイソシアナート基量(c)の、前記アクリル樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の合計ヒドロキシル基量(a+b)に対する比率が(c)/(a+b)=1/0.3〜1/2.0(モル比)となるように配合されてなる。
【0009】
なお、本発明においては、炭素数6以上の側鎖を長側鎖、炭素数6未満の側鎖を短側鎖、と定義する。長側鎖の炭素数は、15以上が好ましく、短側鎖の炭素数は3以下が好ましい。また、長側鎖としては、特に弾力性を増しやすい構造であるε−ラクトン環を含むことが好ましい。
本発明にかかる複層塗膜形成方法は、ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜を形成する複層塗膜の形成方法において、前記クリヤー塗料として前記本発明の塗料組成物を用いる、ことを特徴とする。
本発明にかかる塗装物品は、ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜が形成されてなる塗装物品であって、前記クリヤー塗料として前記本発明の塗料組成物が用いられてなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性、具体的には、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられても耐えうるだけの耐擦傷性を備えた塗膜を形成するための塗料組成物と、これを用いた複層塗膜形成方法および塗装物品とを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明にかかる塗料組成物、複層塗膜形成方法および塗装物品について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔塗料組成物〕
本発明の塗料組成物は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)とを含有するアクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)を必須とし、必要に応じて、ポリラクトンポリオール(B)をも含む。以下、それぞれについて詳しく説明する。
【0012】
前記アクリル樹脂(A)としては、例えば、(1)(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ) アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ基を有するエチレン性モノマー、(2)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基を有するエチレン性モノマー、(3)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の前記モノマー(1)および(2)と共重合可能なエチレン性モノマー、並びにε−カプロラクトン、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等を共重合させて得られた共重合体が好ましく挙げられる。アクリル樹脂(A)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
【0013】
前記アクリル樹脂(A)において、前記短側鎖ヒドロキシル基(a1)は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルに由来する基であり、前記長側鎖ヒドロキシル基(a2)は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物に由来する基であることが、耐擦り傷性と耐候性を両立させる点で、好ましい。このような短側鎖ヒドロキシル基(a1)および長側鎖ヒドロキシル基(a2)を有するアクリル樹脂(A)は、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物を含むモノマー成分を共重合することによって得ることができる。
前記アクリル樹脂(A)において、前記長側鎖ヒドロキシル基(a2)は(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物に由来する基である場合、さらに、前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロラクトン2〜5モルを付加してなるものであることが、耐擦り傷性発現の点で、好ましい。
【0014】
前記アクリル樹脂(A)は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率が(a1)/(a2)=3/1〜1/3(モル比)であることが重要である。好ましくは、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率は(a1)/(a2)=2/1〜1/2(モル比)である。長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率が前記範囲よりも少ないと、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなり、一方、長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率が前記範囲よりも多いと、加水分解が起きやすく耐侯性が低下する。
【0015】
前記アクリル樹脂(A)は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価が100〜200であることが重要である。好ましくは、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価は120〜180である。短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価が100未満であると、光劣化が生じやすく耐侯性が低下することになり、一方、200を超えると、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
前記アクリル樹脂(A)は、ガラス転移温度が5〜50℃であることが好ましく、より好ましくは10〜40℃である。アクリル樹脂(A)のガラス転移温度が5℃未満であると、耐侯性が低下し、耐汚染性も悪くなる傾向があり、一方、50℃を超えると、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下する恐れがある。なお、上記ガラス転移温度は、前記アクリル樹脂(A)を合成する際に得られた、該アクリル樹脂(A)を含む樹脂ワニスから溶剤を減圧下で留去した後、示差走査熱量計(DSC)(熱分析装置SSC/5200H、セイコー電子社製)にて以下の3つの昇温および降温工程を行い、その第3工程の昇温時に測定した値である。
【0016】
第1工程:20℃→100℃(昇温速度10℃/min)
第2工程:100℃→−50℃(降温速度10℃/min)
第3工程:−50℃→100℃(昇温速度10℃/min)
前記アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、特に制限されないが、6,000〜20,000であることが好ましい。
前記ポリラクトンポリオール(B)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物のような2官能ポリカプロラクトンジオール類、下記一般式(2)で表される化合物のような3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(B)は1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
【0017】
【化1】

【0018】
(式(1)中、Rは、C、COC、C(CH(CHのいずれかであり、mおよびnは4〜35の整数である。)
【0019】
【化2】

【0020】
(式(2)中、Rは、CHCHCH、CHC(CH、CHCHC(CHのいずれかであり、l+m+nは3〜30の整数である。)
前記ポリラクトンポリオール(B)は、官能基数が2〜5であることが好ましく、より好ましくは3〜4である。ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が2未満(すなわち1官能)であると、耐侯性が低下し、耐汚染性も悪くなる傾向があり、一方、ポリラクトンポリオール(B)の官能基数が5を超えると、復元力が不十分となり、衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず、耐擦傷性が低下する恐れがある。
本発明の塗料組成物において、前記アクリル樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の固形分割合は(A)/(B)=60/40〜100/0(質量比)であることが重要である。ポリラクトンポリオール(B)は、配合しなくても良いのであるが、配合する場合は、その固形分割合が前記(A)/(B)=60/40の割合を超えて多くなると、加水分解が起きやすく耐侯性が低下するので、(A),(B)の合計固形分量に対し40質量%を超えないようにすることが大事である。
【0021】
前記ポリイソシアナートプレポリマー(C)は、特に制限されるものではなくが、例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等が好ましく用いられる。ポリイソシアナートプレポリマー(C)は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
本発明の塗料組成物において、前記ポリイソシアナートプレポリマー(C)は、そのイソシアナート基量(c)の、前記アクリル樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の合計ヒドロキシル基量(a+b)に対する比率が(c)/(a+b)=1/0.3〜1/2.0(モル比)となるように配合されてなることが重要である。好ましくは、(c)/(a+b)=1/0.5〜1/1.5(モル比)である。イソシアナート基量(c)が前記範囲よりも少ないと、光劣化が生じやすく耐侯性が低下することになり、一方、イソシアナート基量(c)が前記範囲よりも多いと、復元力が不充分になり衝撃で生じた凹みを元の塗膜表面状態に戻すことができず耐擦傷性が低下することとなる。
【0022】
本発明の塗料組成物における樹脂成分も、分子構造中に一般にソフトセグメントと呼ばれる構造単位−(CH−が含まれているが、このソフトセグメントが多すぎると、塗膜の硬さや耐候性、耐薬品性が低下するおそれがあるので、その含有割合は、アクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)の固形分全量に対して25質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0023】
本発明の塗料組成物は、例えば自動車外装用部品等に塗装して耐擦傷性を向上させるためのクリヤー塗料もしくはその中間体として好適に用いられる。
〔複層塗膜形成方法〕
本発明の複層塗膜形成方法は、ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜を形成する複層塗膜の形成方法において、前記クリヤー塗料として前記本発明の塗料組成物を用いるものである。具体的には、例えば、i)金属基材に、必要に応じて、表面処理、電着塗膜形成、中塗り塗膜形成等を施したのち、上塗りとしてベース塗料を用いてベース塗膜を形成し、その上に本発明の塗料組成物からなるクリヤー塗料を塗装し、塗膜化(硬化)させる方法、ii)プラスチック基材に、必要に応じて、
基材成形時のひずみを除去するための熱処理(アニール)、プライマー塗膜形成等を施したのち、上塗りとしてベース塗料を用いてベース塗膜を形成し、その上に本発明の塗料組成物からなるクリヤー塗料を塗装し、塗膜化(硬化)させる方法、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の複層塗膜形成方法において用いうるベース塗料としては、特に制限はないが、例えば、ラッカー型塗料、アクリル−メラミン焼付型塗料、2液硬化型ウレタン塗料などの溶剤型塗料や水性塗料等を好ましく用いることができる。
本発明の複層塗膜形成方法においては、クリヤー塗料として本発明の塗料組成物を用いること以外は、制限はなく、従来公知の塗膜形成方法を適用することができる。
本発明の複層塗膜形成方法において、ベース塗料やクリヤー塗料の塗装方法は、特に制限はなく、例えば、スプレー塗装、浸漬塗装、シャワーコート塗装、ロールコーター塗装、回転ベル塗装等の公知の塗装方法を採用すればよい。なお、スプレー塗装や回転ベル塗装の場合は、静電塗装であってもよい。塗装の際の膜厚は、適宜設定すればよいのであるが、例えば、通常、ベース塗料は乾燥膜厚10〜20μmとなるように、クリヤー塗料は乾燥膜厚20〜40μmとなるように、塗装される。
【0025】
本発明の複層塗膜形成方法において、ベース塗膜およびクリヤー塗膜の形成は、各塗料を塗装したのち、通常の方法で乾燥、塗膜化することにより行えばよい。乾燥、塗膜化する方法は、特に限定されず、例えば、常温乾燥、強制乾燥、常温硬化、焼き付け硬化、紫外線照射による光硬化等を挙げることができる。乾燥、塗膜化は、各塗料を塗装したのち各塗膜ごとにそれぞれ行ってもよいし、各塗料をウエット・オン・ウエットで塗装したのち一気に行うようにしても良い。
〔塗装物品〕
本発明の塗装物品は、ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜が形成されてなる塗装物品であって、前記クリヤー塗料として前記本発明の塗料組成物が用いられてなるものである。このような本発明の塗装物品は、これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性、具体的には、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられても耐えうるだけの耐擦傷性を有するものである。本発明の塗装物品は、例えば、前述した本発明の複層塗膜形成方法により容易に得ることができる。
【実施例】
【0026】
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「質量部」を単に「部」と、「質量%」を単に「%」と記すものとする。

[樹脂の製造例]
−アクリルポリオール樹脂A1の製造−
攪拌機、温度計、還流管、滴下ロート、窒素導入管およびサーモスタット付き加熱装置を備えた反応容器に、酢酸ブチルとキシレンが質量比で1:3の混合溶剤(S)を30部仕込み、攪拌しながら、内部溶剤温度を120℃まで昇温した。次いで、ヒドロキシル基短鎖モノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)21.58部、ヒドロキシル基長鎖モノマーとしてε−カプロラクトン基が3個ついたプラクセルFM3(ダイセル化学社製)39.53部、イソボロニルメタクリレート(IBX)24.5部、n−ブチルメタクリレート(nBMA)12.85部、メタクリル酸(MAA)1.53部からなるモノマー混合溶液と、パーオキサイド系重合開始剤「カヤエステルO(日本化薬社製)」6部と上記混合溶剤(S)32部とからなる重合開始剤溶液をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、反応容器内部を攪拌しながら、それぞれ、3時間かけて滴下し、重合反応を行った。反応中は、常に内部溶液を攪拌しながら、液温度を120℃に保持した。次いで、上記パーオキサイド系重合開始剤「カヤエステルO」0.5部と上記混合溶媒(S)9部からなる重合開始剤溶液を、攪拌しながら液温を120℃に保持している反応容器内に、1時間かけて滴下し、アクリルポリオール樹脂A1の製造を終えた。
【0027】
樹脂A1の特性は、短鎖ヒドロキシル基/長鎖ヒドロキシル基のモル比が2/1、計算OH価(OHV)が140、実測ガラス転移温度(Tg)が20℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定による重量平均分子量が12,000、樹脂固形分(NV)が60%であった。
−アクリルポリオール樹脂A2〜A12の製造−
樹脂A1の製造と同じ手順により、表1に示す配合でもって、アクリルポリオール樹脂A2〜A12を製造した。樹脂A2〜A12の特性を、樹脂A1の特性と併せて、後に示す表3のアクリルポリオール項に示す。樹脂A2〜A12のすべての重量平均分子量と樹脂固形分(NV)も、樹脂A1と同じで、重量平均分子量が12,000、樹脂固形分(NV)が60%であった。
【0028】
なお、上記12個の樹脂製造例で用いた商品名「プラクセル」なる化合物は、ダイセル化学工業社の製品であって、2−ヒドロキシエチルメタクリレートにε−ラクトン基が付加されたヒドロキシル基含有モノマーであり、品番FM1、FM2、FM3およびFM5が持つ数字はそれぞれにおけるε−ラクトン基の付加数1個、2個、3個および5個を表している。
【0029】
【表1】

【0030】
[クリヤー塗料組成物の製造例]
−実施例1の塗料組成物−
攪拌機のついた反応容器に、アクリルポリオール樹脂(A1)を125部、ポリカプロラクトン「プラクセル308」(B1;固形分100%、官能基数3、ダイセル化学工業社製)を25部、硬化剤としてのイソシアヌレート化合物「デュラネートTHA100(C1;固形分75%、旭化成社製)」を70部、を攪拌しながら順次仕込み、十分混合させたのち、反応容器内に、「チヌビン900」(紫外線吸収剤;チバスペシャリティケミカルズ社製)2部、「チヌビン292」(光酸化防止剤;チバスペシャリティケミカルズ社製)1部、「BYK306」(表面調整剤;ビックケミー社製)1部、キシレン/酢酸ブチル=50/50の混合溶媒(S)96部からなる添加剤溶液(D)50部を追加仕込みして十分に攪拌して、実施例1に用いるクリヤー塗料組成物を製造した。
−実施例2〜17、比較例1〜5の塗料組成物−
表3に示す樹脂配合により、上記と同様にして、実施例2〜17のクリヤー塗料組成物と比較例1〜5のクリヤー塗料組成物を製造した。
【0031】
なお、上記実施例と比較例に用いたポリカプロラクトンのB2、B3と硬化剤としてのビュレット型イソシアネート化合物C2について、それぞれの内容と製造者名と商品名は以下のとおりである。
ポリカプロラクトンB2;商品名「プラクセル208」、固形分100%、官能基数2、ダイセル化学工業社製
ポリカプロラクトンB3;商品名「プラクセル408」、固形分100%、官能基数4、ダイセル化学工業社製
ビュレット型イソシアネート化合物C2;「デュラネート24A−100」、固形分75%、旭化成社製。なお、イソシアネート型イソシアネート化合物C1も、そして、このビュレット型イソシアネート化合物C2も、商品形態としては、それ自身75部に対してキシレン/酢酸ブチル=50/50の溶剤25部を加えた溶液の形となっている。
【0032】

上記クリヤー塗料組成物における、樹脂成分中のソフトセグメントの含有割合は下記表2に示すとおりである。
【0033】
【表2】



【0034】
[複層塗膜の形成例]
−プラスチック素材への塗装−<実施例1〜13、実施例15〜17、比較例1〜5>
上述の製造例で得られた各クリヤー塗料組成物100部に対し上記混合溶剤(S)40部の割合で、各クリヤー塗料組成物を混合溶剤(S)で希釈しておいた。
市販のポリプロピレン素材(70mm×150mm×3mm;東プラ産業社製NB42)に、プライマーとして日本ビー・ケミカル社製「RB111CDプライマー」をスプレーガン(「W−71」アネスト岩田社製)を用いて、乾燥膜厚が10μmになるように塗装し、室温で1分間放置し、次いで、ベース塗料(日本ビー・ケミカル社製;「R305Dブラック」)を上記スプレーガンを用いて、乾燥膜厚が15μmになるように塗装したのち、室温で1分間放置し、直ちに、希釈しておいた上記各クリヤー塗料組成物を用いて、上記スプレーガンで乾燥膜厚がいずれも30μmになるように塗装し、室温で10分間放置後、乾燥機を用いて120℃の温度雰囲気で20分間乾燥・硬化させて、プラスチック素材の塗装物(複層塗膜試験片)を得た。
【0035】
各塗装物について、後述の評価方法で評価した結果は表3に示すとおりであった。
−金属素材素材への塗装−<実施例14>
電着された塗装鉄板(日本ルートサービス社製)に、中塗り塗料(OP2中塗り;日本ペイント社製)を上記スプレーガンを用いて乾燥膜厚が30μmになるように塗装した後、室温で1分間放置し、ついで、乾燥機を用いて140℃の雰囲気温度で20分間乾燥・硬化させた。塗装物を取り出し、室温放置した。次いで、ベース塗料(「AR2200ブラック水性ベース」;日本ペイント社製)を上記スプレーガンを用いて、乾燥膜厚が15μmになるように塗装した後、80℃の雰囲気温度の乾燥機を用いて4分間乾燥させた。ついで塗装物を取りだし室温にしてから、本発明のクリヤー塗料組成物100質量部に対し上記混合溶剤(So)40質量部で希釈して、上記スプレーガンにて乾燥膜厚が30μmになるように塗装し、室温で10分間放置後、140℃雰囲気温度の乾燥機に20分間入れて乾燥硬化して、鉄素材塗装物ならびに試験片を得た。
【0036】
この塗装物について、後述の評価方法で評価した結果は表3に示すとおりであった。
【0037】
【表3】

【0038】
<耐擦り傷性評価法>
上で作製したプラスチック素材複層塗膜試験片と鉄素材複層塗膜試験片の各クリヤー膜の表面の明度を変角色差計(スガ試験機社製)で測定し、Lを求めた。明度の測定は、光の入射をクリヤー膜測定面に垂直とし、その反射光の受光角を光入射から10度ずれたところとした。各試験片のクリヤー膜側にそれぞれ試験用ダスト水(JIS Z8901規定の20%水溶液)0.5ccをピペットを用いて落し、つぎに、刷毛を用いて該ダスト水を試験片のクリヤー膜全面に広げた(ダスト水塗布)。そして、ミニ洗車機(日本ペイント社製)の水平台上に、ダスト水塗布後の各試験片を、クリヤー膜を上にして置き、ミニ洗車機に水を4リットル/分の量速で流し、ミニ洗車機の回転速度を150rpmに設定してミニ洗車機を10秒間運転して、各試験片の表面(クリヤー膜表面)を洗った。試験用ダスト水塗布とミニ洗車機での洗浄を1サイクルとし、5回のサイクルを行った後、イソプロピルアルコールを含ませた脱脂綿で試験片表面を軽く拭き取った。そして、1時間放置後にL測定に用いたのと同じ色差計で、クリヤー膜表面の明度(L)を測定し、上記試験前のLとの明度色差(△L=L−L)を求めて、下記の基準で評価した。
【0039】
○:△L=5以下
×:△L=6以上

<耐候性評価方法>
JIS K5600−7−7によるキセノンウェザーメーターに各試験片を1000時間曝した後のクリヤー塗膜面の外観を目視で観察して、下記の基準で評価した。
○:水シミのないもの
×:少しでも水シミが観察されたもの

<密着性評価方法>
各試験片のクリヤー塗膜に2mm間隔で碁盤目状に、基材に達するまでの切り込みを入れて、100個の桝目を作成し、その上に粘着テープを貼り付け、該テープを一気に剥がし、塗膜の剥離状態をルーペ(10倍率)で観察して、下記の基準で評価した。
【0040】
○:全く剥離が認められない
△:碁盤目状の切り込みに沿って僅かに剥離が認められる
×:桝目1個以上の剥離が認められる

【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明にかかる塗料組成物は、これまで達成し得なかった極めて高い耐擦傷性、具体的には、洗車の際や走行中に飛んでくる砂塵等により強い外力で塗膜表面がこすられても耐えうるだけの耐擦傷性を備えた塗膜を形成することができるものであり、例えば、自動車外装用のプラスチック材料など、表面に損傷を受けやすい成形品に好適に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)を必須とし、ポリラクトンポリオール(B)を、アクリル樹脂(A)とポリラクトンポリオール(B)の固形分割合が(A)/(B)=60/40以上(質量比)、100/0未満(質量比)となる範囲内で含むことがあり、
前記アクリル樹脂(A)は、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)を有していて、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の相互比率が(a1)/(a2)=3/1〜1/3(モル比)、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価が100〜200である樹脂であり、
前記ポリイソシアナートプレポリマー(C)は、そのイソシアナート基量(c)の、前記アクリル樹脂(A)と前記ポリラクトンポリオール(B)の合計ヒドロキシル基量(a+b)に対する比率が(c)/(a+b)=1/0.3〜1/2.0(モル比)となるように配合されてなる、
塗料組成物。
【請求項2】
前記短側鎖ヒドロキシル基(a1)が(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルに由来する基であり、前記長側鎖ヒドロキシル基(a2)が(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物に由来する基である、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンの付加物は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル1モルに対してε−カプロラクトン2〜5モルを付加させてなるものである、請求項2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記アクリル樹脂(A)は、そのガラス転移温度が5〜50℃である、請求項1から3までのいずれかに記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記ポリラクトンポリオール(B)は、その官能基数が2〜5である、請求項1から4までのいずれかに記載の塗料組成物。
【請求項6】
ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜を形成する複層塗膜の形成方法において、前記クリヤー塗料として請求項1から5までのいずれかに記載の塗料組成物を用いる、ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
【請求項7】
ベース塗料により形成されたベース塗膜の上にクリヤー塗料によりクリヤー塗膜が形成されてなる塗装物品であって、前記クリヤー塗料として請求項1から5までのいずれかに記載の塗料組成物が用いられてなる、ことを特徴とする塗装物品。

【公開番号】特開2007−31690(P2007−31690A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148689(P2006−148689)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(593135125)日本ビー・ケミカル株式会社 (52)
【Fターム(参考)】