説明

塗装装置のシール構造

【課題】シール部材の溝部内で塗装用液剤が硬化するのを回避する。
【解決手段】軸受孔16には、一部を液剤流路15内に突出させた状態で軸状部材18が挿通され、軸受孔16における液剤流路15側の開口縁部には、リング状のシール部材25が取り付けられ、シール部材25には、液剤流路15側に開放された周方向の溝部26が形成されている。溝部26における液剤流路15側の開口部はリング状の閉塞部材27によって塞がれているので、液剤流路15内の塗装用液剤は溝部26内に浸入することがなく、塗装用液剤が溝部26の内部で硬化する虞はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装装置のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗装装置のシール構造として、特許文献1に記載されているものがある。この塗装装置は、塗料が流れる塗料流路と、前端部を塗料流路内に突出させた状態で軸受孔に挿通された軸状部材と、軸受孔における塗料流路側の開口縁部に取り付けられたリング状のシール部材とを備えており、シール部材により、塗料流路内の塗料は、軸受孔の内周と軸状部材の外周との隙間に浸入することを規制されている。
シール手段としては、Oリングを用いることも考えられるが、Oリングは、その表面の摩耗が進むと、軸受孔の内周と軸状部材の外周への密着力が低下するため、シール性能が低下する虞がある。
その点、上記特許文献1のものでは、シール部材が、塗料流路側に開放された周方向の溝部を有する形態であるため、溝部の溝幅を狭めるように弾性変形させた状態で取り付けておけば、シール部材の表面の摩耗が進んでも、シール部材自体に蓄勢されている弾性復元力により、シール部材は、溝部の溝幅を広げるように変形して、軸受孔の内周と軸状部材の外周とに強く密着した状態を保ち、高いシール性能を維持できるのである。
【特許文献1】特開2006−102692公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、溝部は塗料流路内に臨んでいるため、溝部内には塗料が溜まることになる。溝部内に溜まった塗料は、洗浄しても完全に除去されないため、溝部内で硬化し、硬化した塗料の一部が剥がれて塗料流路内の塗料中に混入する虞がある。塗料中に混入した塗料片は、塗装不良等の原因となるため、その対策が望まれている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール部材の溝部内で塗装用液剤が硬化するのを回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、塗料、主剤、硬化剤等の塗装用液剤が流れる液剤流路と、一部を前記液剤流路内に突出させた状態で軸受孔に挿通された軸状部材と、前記軸受孔における前記液剤流路側の開口縁部に取り付けられ、前記軸受孔の内周と前記軸状部材の外周との隙間への塗装用液剤の浸入を規制するリング状のシール部材とを備えており、前記シール部材が、前記液剤流路側に開放された周方向の溝部が形成された形態となっている塗装装置のシール構造において、前記溝部の開口部を塞ぐリング状の閉塞部材が設けられているところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記閉塞部材が、弾性を有するOリングからなっていて、前記軸受孔の内周面と前記軸状部材の外周面に密着しているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記軸受孔の前記液剤流路側の開口縁部には、前記閉塞部材に当接することで前記閉塞部材の前記液剤流路側への移動を規制する規制部材が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記軸状部材が軸線方向に移動するようになっているものであって、前記規制部材が、リング状をなすとともに、前記軸状部材の外周面に接触しているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記液剤流路を有するボディの内部には、前記液剤流路に連通する取付孔が形成され、前記取付孔内に対して組付可能な筒状部材の中心孔が前記軸受孔となっているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
<請求項1の発明>
溝部における液剤流路側の開口部は、リング状の閉塞部材で塞がれているので、液剤流路内の塗装用液剤は溝部内に浸入することがない。したがって、塗装用液剤が溝部の内部で硬化する虞はない。
<請求項2の発明>
シール部材だけでなく、閉塞部材もシール手段として機能するので、高いシール性能が発揮される。
<請求項3の発明>
閉塞部材は、規制部材によって液剤流路側への移動を規制されているので、溝部の開口部を閉塞する状態に確実に保持される。
【0008】
<請求項4の発明>
軸状部材が軸線方向に移動する際には、軸状部材の外周面に付着している塗装用液剤が規制部材によって除去される。即ち、規制部材は、閉塞部材が溝部の開口縁部から離間するのを防止する機能に加えて、軸状部材の外周面に付着している塗装用液剤を除去するスクレーパとしての機能も発揮する。
【0009】
<請求項5の発明>
液剤流路を有するボディに直接、軸受孔を形成した場合、シール部材と閉塞部材の取付け位置は、液剤流路の奥方となるため、比較的小さいサイズであるシール部材と閉塞部材の組付けは困難となる。これに対し、本発明では、ボディとは別に設けた筒状部材の中心孔を軸受孔としているので、ボディから外した筒状部材に対してシール部材と閉塞部材を組み付けることができ、組付けの作業がし易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1及び図2を参照して説明する。本実施形態1の塗装装置は、図示しない塗装ガンにバルブユニット10を取り付けたものであり、バルブユニット10は、開閉弁11とエアシリンダ20とをユニット化したものである。バルブユニット10を構成するボディ12(複数の部品を組み付けて構成されている)の中心孔は、その前端側(図1における左端側)から順に並ぶ流出口13、シート面14、液剤流路15、軸受孔16とによって構成されている。この流出口13、シート面14、液剤流路15、軸受孔16の断面形状は、いずれも円形であって、互いに同軸状に位置している。また、ボディ12には、液剤流路15に連通する流入孔17が形成され、塗装用液剤(塗料や洗浄液)は、流入孔17を通って液剤流路15内に流入するようになっている。
【0011】
軸受孔16には、円形断面の軸状部材18が前後方向に貫通して挿通されている。軸状部材18は、エアシリンダ20を構成するピストン21から前方へ突出させたものであり、エアシリンダ20への作動エアの供給により、軸線方向(前後方向)に往復移動するようになっている。軸状部材18の前端部には、軸状部材18と同心の円形断面をなす弁体22が固着され、弁体22は、シート面14に当接する閉弁位置と、シート面14に対して後方へ離間する開弁位置との間で軸状部材18と一体に移動するようになっている。シート面14と弁体22と軸状部材18は開閉弁11を構成し、弁体22が閉弁位置にある状態では、液剤流路15内の塗装用液剤は流出口13への移動を規制され、弁体22が開弁位置にある状態では、液剤流路15内の塗装用液剤は流出口13への移動を許容されるようになっている。
【0012】
次に、軸受孔16と軸状部材18との間のシール(防水)構造について説明する。
軸受孔16の略前半部分は、軸受孔16と同心の円形断面であって軸受孔16よりも内径の大きい取付溝23となっており、この取付溝23は液剤流路15内に臨むような形態となっている。また、取付溝23の内周前端部(開口側の端部)には、段差状に縮径した形態の係止部24が全周に亘って連続して形成されている。取付溝23内には、その最も後端(奥端)に位置するようにリング状のシール部材25が収容され、シール部材25の前方にはリング状の閉塞部材27が収容され、シール部材25の前方にはリング状の規制部材28が収容されている。
【0013】
シール部材25は、弾性を有するゴム材料又は合成樹脂材料からなり、シール部材25には、シール部材25と同心の円形をなすととも、前方(即ち、液剤流路15側)に開口した形態の溝部26が全周に亘って連続して形成されている。シール部材25の外周面は、取付溝23の内周面に対して全周に亘って連続して面接接触状態で弾性的に密着し、シール部材25の内周面は、軸状部材18の外周面に対して全周に亘って連続して面接接触状態で弾性的に密着している。このシール部材25により、取付溝23(軸受孔16)の内周と軸状部材18の外周との隙間がシールされ、液剤流路15内の塗装用液剤が軸受孔16を通ってエアシリンダ20側へ漏出することが防止されている。
【0014】
閉塞部材27は、ゴム製のOリングからなり、取付溝23の内周と軸状部材18の外周との間で弾性的に潰れ変形させられた状態で取り付けられている。これにより、閉塞部材27は、取付溝23の内周面と軸状部材18の外周面に対し、全周に亘って連続し且つ面接接触状態で弾性的に密着しており、この閉塞部材27により、取付溝23(軸受孔16)の内周と軸状部材18の外周との隙間がシールされている。かかる閉塞部材27は、シール手段としてだけでなく、シール部材25の溝部26への塗装用液剤の浸入を規制する手段としても機能する。即ち、閉塞部材27は、シール部材25の前端面(溝部26の開口縁部)に対して弾性的に密着しており、これにより、溝部26の開口部がその全領域に亘って閉塞されている。これにより、溝部26内は液密状に密閉された空間となっている。
【0015】
規制部材28は、シール部材25や閉塞部材27よりは弾性変形し難いが、若干の弾性変形が可能な合成樹脂材からなる。規制部材28の外周面と内周面は、取付溝23の内周面と軸状部材18の外周面に対し、全周に亘って連続し且つ面接接触状態で当接している。また、規制部材28の後端面は閉塞部材27に押し付けられており、この押圧作用によって閉塞部材27がシール部材25の前端面に対して弾性的に当接されている。規制部材28の外周前端部には段差状に縮径した逃がし部29が形成され、この逃がし部29が取付溝23の係止部24に嵌合している。係止部24の後面に対して逃がし部29の後面が係止することにより、規制部材28はボディ12に対して前方(液剤流路15側)への移動を規制されている。尚、規制部材28の組付けの際には、軸状部材18を軸受孔16から抜き取った状態で、規制部材28を僅かに縮径するように弾性変形させつ液剤流路15側から取付溝23内に嵌め入れる。また、規制部材28の後端部には、その貫通孔30の開口縁を軸状部材18の外周面に沿って後方へ突出させた形態の突起部31が、全周に亘って形成されている。この突起部31は、閉塞部材27に対して斜め内側前方から当接している。
【0016】
本実施形態においては、シール部材25の溝部26における液剤流路15側の開口部が、リング状の閉塞部材27で塞がれているので、液剤流路15内の塗装用液剤が溝部26内に浸入する虞がない。特に、閉塞部材27は弾性を有するOリングからなっていて、この閉塞部材27が溝部26の開口縁部(シール部材25の前端面)に対して弾性的に密着しているので、溝部26の開口縁部と閉塞部材27の間に隙間が生じることがなく、溝部26内への塗装用液剤の浸入が確実に防止されている。さらに、閉塞部材27の前方には規制部材28が存在しているので、この規制部材28によっても塗装用液剤の溝部26への浸入が防止されている。また、閉塞部材27は、規制部材28により、溝部26の開口部を塞ぐ状態に保持されているので、溝部26への浸入防止効果が高い。
【0017】
また、閉塞部材27は、溝部26への塗装用液剤の浸入防止手段に加えて、液剤流路15内の塗装用液剤がエアシリンダ20側へ漏出するのを防止するシール手段としても機能する。
また、軸状部材18は軸線方向に移動するようになっているのであるが、規制部材28は、リング状をなしていて、軸状部材18の外周面に接触しているので、軸状部材18が軸線方向に移動する際には、軸状部材18の外周面に付着している塗装用液剤が規制部材28によって除去される。即ち、規制部材28は、閉塞部材27が溝部26の開口縁部から離間するのを防止する機能に加えて、軸状部材18の外周面に付着している塗装用液剤を除去するスクレーパとしての機能も発揮する。
【0018】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図3ないし図8を参照して説明する。塗装ガンのボディ40内の前端部に常閉式の塗料用開閉弁41を内蔵するとともに、ボディ40内の後端部に塗料用開閉弁41と同軸状に常閉式のエア用開閉弁42を内蔵したものであり、トリガ43を後方へ引くことにより、2つの開閉弁41,42が開弁して、塗料と霧化用エアとパターン用エアがノズル44から吐出され、高電圧発生装置45により静電印加された塗料が霧化用エアにより霧化されるとともに、その霧化された塗料に対してパターン用エアが吹き付けられるようになっている。
【0019】
次に、塗料用開閉弁41について説明する。ボディ40の内部には、前後方向に細長い円形断面の取付孔46が形成されているとともに、取付孔46よりも前方の部分に液剤流路47が形成されている。また、液剤流路47よりも前方の位置には、シート面48が設けられているとともに、シート面48の前方に弁口49が形成されている。
【0020】
取付孔46内には円形断面の筒状をなす筒状部材50が相対移動を規制された状態に組み付けられ、この筒状部材50の中心孔における前端に近い位置には、筒状部材50と同心円形の軸受孔51が形成されている。筒状部材50内には、シャフト52が前後方向への移動可能に挿通されている。シャフト52は、円形断面の軸状部材53と、軸状部材53と同心の円形をなす軸部54とからなり、軸状部材53は軸部54の前端部に固着されている。軸状部材53は、軸受孔51に対して径方向のガタ付きなく嵌合されている。軸状部材53の前端部には、先端が先細り状となった弁体55が形成されている。この弁体55と上記したシート面48と弁口49は、ニードル弁と称される塗料用開閉弁41を構成する。軸状部材53の弁体55が前方へ移動してシート面48に当接した閉弁状態では、液剤流路47から弁口49側への塗装用液剤の流動が規制される。弁体55が、後方へ移動してシート面48から離間した開弁状態では、液剤流路47から弁口49側への塗装用液剤の流動が許容される。
【0021】
次に、軸受孔51と軸状部材53との間のシール(防水)構造について説明する。
筒状部材50の前端部には、軸受孔51と同心の円形断面であって軸受孔51よりも内径の大きい取付溝56が形成されている。この取付溝56は液剤流路47内に臨むような形態となっている。取付溝56内には、その最も後端(奥端)に位置するようにリング状のシール部材57が収容され、シール部材57の前端部にはリング状の閉塞部材60が取り付けられ、シール部材57の前方にはリング状の規制部材61が収容されている。
【0022】
シール部材57は、弾性を有するゴム材料又は合成樹脂材料からなり、シール部材57には、シール部材57と同心の円形をなすととも、前方(即ち、液剤流路47側)に開口した形態の溝部58が全周に亘って連続して形成されている。また、溝部58の内部にはリンク状のスプリング59が収容されている。スプリング59は、略V字形又は略U字形の断面をなしていて、シール部材57に対し溝部58の溝幅を拡大するような付勢力を付与している。このスプリング59の付勢力により、シール部材57の外周面は、取付溝56の内周面に対して全周に亘って連続して面接接触状態で弾性的に密着し、シール部材57の内周面は、軸状部材53の外周面に対して全周に亘って連続して面接接触状態で弾性的に密着している。そして、このシール部材57により、取付溝56(軸受孔51)の内周と軸状部材53の外周との隙間がシールされ、液剤流路47内の塗装用液剤が軸受孔51を通って後方へ漏出することが防止されている。
【0023】
閉塞部材60は、ゴム製のOリングからなり、シール部材57の溝部58内の前端(開口端)に近い位置に収容されている。尚、スプリング59は、溝部58の前端よりも後方(奥方)に配置されている。この閉塞部材60は、溝部58内において弾性的に潰れ変形させられた状態で取り付けられ、溝部58の内側の内周面と外側の内周面に対し、全周に亘って連続し且つ面接接触状態で弾性的に密着している。この閉塞部材60により、溝部58の開口部が全周に亘って閉塞され、溝部58内は液密状に密閉された空間となっている。また、閉塞部材60と溝部58の内周面との接触領域は、閉塞部材60の弾性復元力とシール部材57の弾性復元力により、確実に密着状態に保持される。
【0024】
規制部材61は、シール部材57や閉塞部材60よりは弾性変形し難いが、若干の弾性変形が可能な合成樹脂材からなり、圧入によって取付溝56内に嵌入されている。そして、規制部材61の外周面は、取付溝56の内周面に対し全周に亘って連続し且つ面接接触状態で当接している。また、規制部材61は、その後端面をシール部材57の前端面に押し付けるとともに、溝部58の開口部を塞ぐように配置されている。
【0025】
本実施形態2においては、シール部材57の溝部58における液剤流路47側の開口部が、リング状の閉塞部材60で塞がれているので、液剤流路47内の塗装用液剤が溝部58内に浸入する虞がない。特に、閉塞部材60は弾性を有するOリングからなっていて、この閉塞部材60が溝部58の内周面に対して弾性的に密着しているので、溝部58の内周面と閉塞部材60との間に隙間が生じることがなく、溝部58内への塗装用液剤の浸入が確実に防止されている。さらに、閉塞部材60は、規制部材61が溝部58の開口部を塞いでいるので、溝部58内の閉塞部材60が液剤流路47側へ離脱する虞はない。
【0026】
また、液剤流路47を有するボディ40に直接、軸受孔51を形成した場合、シール部材57と閉塞部材60の取付け位置は、液剤流路47の奥方となるため、比較的小さいサイズであるシール部材57と閉塞部材60の組付けは困難となる。これに対し、本実施形態では、ボディ40とは別に設けた筒状部材50の中心孔を軸受孔51としているので、ボディ40から外した筒状部材50に対してシール部材57と閉塞部材60を組み付けることができ、組付けの作業がし易くなっている。
【0027】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1において、閉塞部材は、軸受孔の内周面と軸状部材の外周面に密着しない形態であってもよい。
(2)実施形態2において、閉塞部材が、軸受孔の内周面と軸状部材の外周面に密着する形態であってもよい。
(3)規制部材を設けず、閉塞部材を軸受孔の開口縁部に係止させることによって、閉塞部材が溝部の開口縁部から離間するのを規制してもよい。
(4)実施形態1において、規制部材は、軸状部材の外周面と非接触の形態であってもよい。
(5)実施形態2において、規制部材は、軸状部材の外周面と接触してスクレーパとしての機能を発揮する形態であってもよい。
(6)規制部材は、全周に亘って連続しない非リング状であってもよい。
(7)閉塞部材は、弾性を有しないものであってもよい。
(8)閉塞部材は、Oリングに限らず、V字パッキン、U字パッキン等であってもよい。
(9)実施形態1において、実施形態2のように溝部内にスプリングを設けてもよい。
(10)実施形態2において、溝部内にスプリングを設けない形態としてもよい。
(11)塗装用液剤としては塗料や洗浄液に限らず、塗料が主剤と硬化剤を混合して得られるもの(例えば、二液ウレタン塗料等)である場合には、主剤や硬化剤が塗装用液剤であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態1の断面図
【図2】図1の部分拡大断面図
【図3】実施形態2の断面図
【図4】部分拡大水平断面図
【図5】一部を省略した水平断面図
【図6】筒状部材の断面図
【図7】図6の部分拡大図
【図8】図7において閉塞部材と規制部材を外した状態をあらわす断面図
【符号の説明】
【0029】
15…液剤流路
16…軸受孔
18…軸状部材
25…シール部材
26…溝部
27…閉塞部材
28…規制部材
40…ボディ
46…取付孔
47…液剤流路
50…筒状部材
51…軸受孔
53…軸状部材
57…シール部材
58…溝部
60…閉塞部材
61…規制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料、主剤、硬化剤等の塗装用液剤が流れる液剤流路と、
一部を前記液剤流路内に突出させた状態で軸受孔に挿通された軸状部材と、
前記軸受孔における前記液剤流路側の開口縁部に取り付けられ、前記軸受孔の内周と前記軸状部材の外周との隙間への塗装用液剤の浸入を規制するリング状のシール部材とを備えており、
前記シール部材が、前記液剤流路側に開放された周方向の溝部を有する形態となっている塗装装置のシール構造において、
前記溝部の開口部を塞ぐリング状の閉塞部材が設けられていることを特徴とする塗装装置のシール構造。
【請求項2】
前記閉塞部材が、弾性を有するOリングからなっていて、前記軸受孔の内周面と前記軸状部材の外周面に密着していることを特徴とする請求項1記載の塗装装置のシール構造。
【請求項3】
前記軸受孔の前記液剤流路側の開口縁部には、前記閉塞部材に当接することで前記閉塞部材の前記液剤流路側への移動を規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の塗装装置のシール構造。
【請求項4】
前記軸状部材が軸線方向に移動するようになっているものであって、
前記規制部材が、リング状をなすとともに、前記軸状部材の外周面に接触していることを特徴とする請求項3記載の塗装装置のシール構造。
【請求項5】
前記液剤流路を有するボディの内部には、前記液剤流路に連通する取付孔が形成され、
前記取付孔内に対して組付可能な筒状部材の中心孔が前記軸受孔となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗装装置のシール構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−73649(P2008−73649A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−257873(P2006−257873)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000117009)旭サナック株式会社 (194)
【Fターム(参考)】