説明

塩、フォトレジスト組成物及びレジストパターンの製造方法

【課題】より優れた解像度及びフォーカスマージン(DOF)を有するパターンを形成することを目的とする。
【解決手段】式(I)で表される塩。


[式(I)中、Q及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基;Lは、*−CO−O−L−又は*−CH−O−L−を表す。*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す。L及びLは、互いに独立に、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい;Wは、炭素数2〜36の複素環を表し、該複素環に含まれる−CH−は−O−で置き換わっていてもよい;Z1+は有機対イオンを表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸発生剤用の塩、フォトレジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるフォトレジスト組成物は、酸発生剤を含有する。
特許文献1には、酸発生剤用の塩として、以下で表される塩が記載されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−214774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の塩を含有するフォトレジスト組成物では、得られるパターンのフォーカスマージン(DOF)が必ずしも満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(I)で表される塩。

[式(I)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、*−CO−O−L−又は*−CH−O−L−を表す。*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す。L及びLは、互いに独立に、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数2〜36の複素環を表し、該複素環に含まれる−CH−は、−O−で置き換わっていてもよい。
1+は、有機対イオンを表す。]
【0006】
〔2〕Lが、*−CO−O−L−(*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す。)である〔1〕記載の塩。
〔3〕Z1+が、アリールスルホニウムカチオンである〔1〕又は〔2〕記載の塩。
【0007】
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
〔5〕上記〔4〕記載の酸発生剤と樹脂とを含有するフォトレジスト組成物。
〔6〕樹脂が、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である〔5〕記載のフォトレジスト組成物。
〔7〕塩基性化合物を含有する〔5〕又は〔6〕記載のフォトレジスト組成物。
【0008】
〔8〕(1)上記〔5〕〜〔7〕のいずれか記載のフォトレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の塩によれば、該塩を含むフォトレジスト組成物を用いて、優れたフォーカスマージン(DOF)を有するパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、各置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。直鎖状、分岐状又は環状をとることができるものは、そのいずれをも含み、かつそれらが混在していてもよい。
各置換基は、結合部位によって一価又は二価以上の置換基となり得る。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。
また、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
【0011】
<式(I)で表される塩>
本発明の塩は、式(I)で表される。

式(I)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、*−CO−O−L−又は*−CH−O−L−を表す。*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す(以下同じ)。L及びLは、互いに独立に、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数2〜36の複素環を表し、該複素環に含まれる−CH−は、−O−で置き換わっていてもよい。
1+は、有機対イオンを表す。
【0012】
ペルフルオロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
【0013】
2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルキレン、分岐状アルキレン、単環式又は多環式の飽和環状炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基等の直鎖状アルキレン基;
直鎖状アルキレン基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基等の分岐状アルキレン基;
1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1−メチル−1,2−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2−シクロオクチレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基である単環式の飽和環状炭化水素基;
2,3−ノルボルニレン基、1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基、1,2−アダマンチレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環式の飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
また、これらの基の2種以上を組み合わせたものでもよいし、後述する1価の飽和環状炭化水素における任意の1つの水素原子を結合手としてものであってもよい。
【0014】
は、*−CO−O−L−又は*−CH−O−L−を表す。L及びLの2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
の2価の飽和炭化水素基における−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(L1−2)が好ましい。
【0015】

ここで、L及びLは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
【0016】
の2価の飽和炭化水素基における−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(L1−4)が好ましい。
【0017】

ここで、Lは、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
【0018】
*−CO−O−L−で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0019】

【0020】
式(L1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0021】
*−CH−O−L−で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0022】

【0023】
式(L1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0024】

【0025】
複素環は、窒素原子を1つ含有しているものであればよく、1以上の酸素原子を含有していてもよい。また、芳香族複素環であってもよいし、芳香性を有さないものであってもよく、単環式及び多環式のいずれであってもよい。
複素環を含む下記の基

としては、例えば、以下の基が挙げられる。なかでも、式(W1)、式(W2)または式(W3)で表される基が好ましい。

【0026】
式(I)で表される塩としては、例えば以下の塩が挙げられる。

【0027】

【0028】


【0029】

【0030】

【0031】

【0032】
1+としては、オニウムカチオン、例えばスルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
【0033】
1+としては、例えば、式(Z1)〜式(Z4)等が挙げられる。


【0034】
これらの式において、P〜Pは、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記飽和環状炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
及びPは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
及びPは、それぞれ独立に、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表す。
は、水素原子、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又はアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
及びP並びにP及びPは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環の−CH−は、−O−、−S−、−CO−で置き換わっていてもよい。
10〜P15は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
Eは、−S−又は−O−を表す。
i及びj、p、r、x及びyは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
qは0又は1を表す。
v及びwは、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
p、r、x、y、v及びwのいずれかが2であるとき、それぞれ、複数のP10〜P15のいずれかは互いに同一でも異なってもよい。
【0035】
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基等が挙げられる。
【0036】
飽和環状炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよい。
単環式の飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。なお、下記式において*は結合手を表す。
【0037】

【0038】
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、2−エチルヘキトキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基が芳香族炭化水素基である脂肪族炭化水素基(アラルキル基)としては、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、トリチル、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。なかでも、ベンジル基などが好ましい。
とP及びPとPが互いに結合して形成する3員環〜12員環としては、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
式(Z1)〜式(Z4)において、
〜Pの脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜36、より好ましくは炭素数4〜12である。
及びPが形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。P及びPが形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
なかでも、好ましい脂肪族炭化水素基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、及び2−エチルヘキシル基である。
好ましい飽和環状炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、及びイソボルニル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基である。
【0040】
式(Z1)〜式(Z4)で表されるカチオンの中でも、式(Z1)が好ましく、式(Z5)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(Z5)中、全てのzが0)がさらに好ましい。
【0041】

式(Z5)において、
〜Pは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
前記脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜36である。
前記脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記飽和環状炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
zは、それぞれ独立に、0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。zのいずれかが2以上のとき、それぞれ、複数のP〜Pは、互いに同一でも異なってもよい。
なかでも、P〜Pは、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。zは、それぞれ独立に、0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
【0042】
式(Z1)又は(Z5)で表されるカチオンとしては、以下のものが挙げられる。

【0043】

【0044】
カチオン(Z2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。


【0045】
カチオン(Z3)の具体例としては、以下のものが挙げられる。

【0046】


【0047】
カチオン(Z4)の具体例としては、以下のものが挙げられる。


【0048】


【0049】

【0050】


【0051】
式(I)で表される塩は、上述のアニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができるが、以下で表される塩が好ましい。以下の式においては、置換基の定義は上記と同じ意味である。
【0052】
式(I)で表される塩としては、以下の塩が挙げられる。

【0053】

【0054】

【0055】

【0056】

【0057】

【0058】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】
式(I)で表される塩は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。
例えば、式(Ib)で表される化合物と式(Ic)で表される塩とを触媒下で反応させることにより、式(Ia)で表される塩を得ることができる。以下の式における置換基の定義は、特に断りのない限り上記と同じ意味である。
用いる溶媒は、クロロホルム等が挙げられる。触媒としては、リチウムアミド等が挙げられる。
式(Ib)で表される化合物としては、4−(8−ヒドロキシオクチル)モルホリン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン等が挙げられる。
式(Ic)で表される塩は、例えば、特開2008−13551号公報に記載された方法で合成することができる。

【0066】
式(IIb)で表される化合物と式(IIc)で表される塩とを溶剤中で反応させることにより、式(IIa)で表される塩を得ることができる。
用いる溶媒は、クロロホルム等が挙げられる。

式中、Wは、2価の飽和環状炭化水素基を表す。
【0067】
式(IIb)で表される化合物は、式(IId)で表される化合物と式(IIe)で表される化合物とを反応させることにより、得ることができる。
式(IId)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(IIe)で表される化合物としては、1,2−エポキシシクロヘキサン等が挙げられる。

【0068】
式(IIc)で表される化合物は、式(IIf)で表される塩と式(IIg)で表される化合物とを反応させることにより、得ることができる。
式(IIf)で表される塩は、例えば、特開2008−13551号公報に記載された方法で合成することができる。

【0069】
本発明の酸発生剤は、式(I)で表される塩を含有する。式(I)で表される塩は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。
【0070】
本発明のレジスト組成物は、式(I)で表される塩を含有する酸発生剤と樹脂(A)とを含有する。
この場合の式(I)で表される塩の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上(より好ましくは0.2質量部以上)、好ましくは10質量部以下(より好ましくは5質量部以下)である。
また、本発明のレジスト組成物は、式(I)で表される塩と、樹脂(A)に加え、さらに、式(I)で表される塩とは異なる、複素環を含まない、他の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有していてもよい。
【0071】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。
非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、DNQ 4−スルホネート)、スルホン類(例えば、ジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。
イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
【0072】
酸発生剤(B)としては、レジスト分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物を使用することができる。例えば、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号や、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
【0073】
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(II)で表されるスルホン酸塩である。

式(II)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、置換基を有していてもよい炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
2+は、有機対イオンを表す。
【0074】
及びQとしては、Q及びQと同じものが挙げられる。
の2価の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基などが挙げられる。
の2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(L2−1)〜式(L2−6)のいずれか、好ましくは式(L2−1)〜式(L2−4)のいずれか、より好ましくは式(L2−1)又は式(L2−2)で表される基が挙げられる。式(L2−1)〜式(L2−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(L2−1)〜式(L2−6)の具体例も同様である。
【0075】


ここで、Lは、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
は、炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。但し、L及びLの炭素数上限は13以下である。
は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
及びLは、それぞれ独立に、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但し、L+Lの炭素数上限は16以下である。
は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
及びLは、それぞれ独立に、炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。但し、L+Lの炭素数上限は12以下である。
ここでの飽和炭化水素基としては、直鎖及び分岐のアルキレン基が好ましいが、直鎖、分岐、環状の飽和炭化水素基が混在していてもよい。
なかでも、式(L2−1)で表される2価の基が好ましく、Lが単結合、−CH2−である式(L2−1)で表される2価の基がより好ましい。
【0076】
式(L2−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0077】
式(L2−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0078】
式(L2−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0079】
式(L2−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0080】
式(L2−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0081】
式(L2−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。

【0082】
における脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、オキソ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2−O−CO−Ra基(式中、Raは、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。mは、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。なお、これらYの置換基である脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、オキソ基、グリシジルオキシ基、シアノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
の脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基における−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、エーテル結合又は環状エーテル基(−CH−が−O−で置き換わった基)、オキソ基を有する飽和環状炭化水素基(−CH−が−CO−で置き換わった基)、スルトン環基(隣り合う2つの−CH−が、それぞれ、−O−又は−SO−で置き換わった基)又はラクトン環基(隣り合う2つの−CH−が、それぞれ、−O−又は−CO−で置き換わった基)等が挙げられる。
【0083】
特に、Yの飽和環状炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y26)で表される基が挙げられる。

【0084】
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
【0085】
脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0086】
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0087】
芳香族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0088】
−(CH2−O−CO−Ra基が置換された飽和環状炭化水素基であるYとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0089】
は、好ましくは置換基(例えば、オキソ基等)を有していてもよいアダマンチル基であり、より好ましくはアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
【0090】
式(II)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、例えば、置換基Lが式(L2−1)である以下の式(IIa)〜式(IIi)で表されるアニオンが挙げられる。
以下の式においては、置換基の定義は上記と同じ意味であり、置換基Rは、それぞれ独立にC1〜C4脂肪族炭化水素基(好ましくは、メチル基)を表す。

【0091】
脂肪族炭化水素基又は無置換の飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオン又は脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0092】


【0093】


【0094】

【0095】
−(CH2−O−CO−Ra基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
【0096】

【0097】
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0098】

【0099】


【0100】

【0101】
芳香族炭化水素基又はアラルキル基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0102】
環状エーテルであるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0103】
ラクトン環であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0104】


【0105】
オキソ基を有する飽和環状炭化水素であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0106】
スルオン環であるYと式(L2−1)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。


【0107】
脂肪族炭化水素基又は無置換の飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオン又は脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。


【0108】

【0109】


【0110】

【0111】


【0112】

【0113】
−(CH2−O−CO−Ra基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0114】
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0115】

【0116】
芳香族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0117】
環状エーテルであるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0118】
ラクトン環であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0119】
オキソ基を有するYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0120】
スルオン環であるYと式(L2−2)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0121】
脂肪族炭化水素基又は無置換の飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−3)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオン又は脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−3)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0122】

【0123】
アルコキシ基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−3)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0124】
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−3)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0125】
オキソ基を有するYと式(L2−3)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0126】
脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−4)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0127】
アルコキシ基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−4)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0128】
ヒドロキシ基又はヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基が置換された飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−4)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0129】
オキソ基を有する飽和環状炭化水素基であるYと式(L2−4)で表される2価の基とを含むスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。

【0130】
なかでも、式(L2−1)で表される2価の基を有する以下のスルホン酸アニオンが好ましい。

【0131】
酸発生剤(B)に含まれるカチオンは、オニウムカチオン、例えば、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
【0132】
式(II)中のZ2+は、好ましくは、上記式(Z1)〜(Z4)で表されるカチオンと同様のものが挙げられ、特に式(Z1)が好ましく、式(Z5)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(Z5)中、全てのzが0)がさらに好ましい。
これら式で示される具体的なカチオンも上記と同様のものが挙げられる。
【0133】
式(II)で表される塩は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができるが、式(IIa)〜式(IIi)で表されるアニオンのいずれかと式(Z5)で表されるカチオンとの組合せ、並びに式(IIc)〜(IIe)で表されるアニオンのいずれかと式(Z3)で表されるカチオンとの組合せが好ましい。
【0134】
好ましい酸発生剤(B1)は、式(B1−1)〜式(B1−18)で表されるものであり、なかでも、トリフェニルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤(B1−1)、(B1−2)、(B1−6)、(B1−11)、(B1−12)、(B1−13)及び(B1−14)がより好ましい。
【0135】

【0136】

【0137】

【0138】

【0139】

【0140】
式(B1)で表される塩は、当該分野で公知の方法によって製造することができる。
他の酸発生剤である酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは30質量部以下(より好ましくは25質量部以下)である。
【0141】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂である。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマー(以下「酸に不安定な基を有するモノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造でき、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0142】
〈酸に不安定な基を有するモノマー(a1)〉
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、−O−が3級炭素原子と結合した式(1)で表されるアルコキシカルボニル基が挙げられる。以下、式(1)で表される基を「酸に不安定な基」という場合がある。
【0143】

式(1)中、
a1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の飽和環状炭化水素基を表すか或いはRa1及びRa2は互いに結合して炭素数3〜20の環を形成する。*は結合手を表す(以下同じ)。
【0144】
脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
飽和環状炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。

式(1)では、飽和環状炭化水素基の炭素数は、好ましくは炭素数1〜16である。
【0145】
a1及びRa2が互いに結合して環を形成する場合、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)基としては、下記の基が挙げられる。環の炭素数は、好ましくは炭素数3〜12である。

【0146】
酸に不安定な基としては、例えば、
1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、
2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び
1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
【0147】
酸に不安定な基を有するモノマー(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0148】
酸に不安定な基を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、炭素数5〜20の飽和環状炭化水素基を有するものが好ましい。飽和環状炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマーを重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。
なお、飽和環状炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
【0149】
酸に不安定な基と飽和環状炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、式(a−1)で表されるアダマンチル基を有するモノマー又は式(a−2)で表されるシクロへキシル基を有するモノマーが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0150】

式(a−1)及び式(a−2)中、
Mは、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。ただし、Mで列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a−1)及び式(a−2)の−CO−と結合し、右側でアダマンチル基又はシクロへキシル基と結合することを意味する。
4は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の飽和環状炭化水素基を表し、
sは0〜14の整数を表し、tは0〜10の整数を表す。
【0151】
Mは、好ましくは、−O−又は−O−(CH2f−CO−O−であり(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
は、好ましくはメチル基である。
の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数6以下である。飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは炭素数6以下である。
sは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。tは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0152】
アダマンチル基を有するモノマー(a−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。これらの中でも、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及び2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0153】

【0154】

【0155】

【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】

【0161】

【0162】
シクロへキシル基を有するモノマー(a−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。

【0163】
樹脂(A)における式(a−1)又は式(a−2)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0164】
酸に不安定な基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、式(a−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマーが挙げられる。ノルボルネン環を有するモノマー(a−3)に由来する構造単位を有する樹脂は、嵩高い構造を有するので、レジストの解像度を向上させることができる。また、樹脂の主鎖に剛直なノルボルナン環が導入されているため、レジストのドライエッチング耐性を向上させることができる。
【0165】

式(a−3)中、
は、水素原子、置換基(例えば、ヒドロキシ基)を有していてもよいC1〜C3脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基又は基−COORを表す。Rは、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜20の飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の飽和環状炭化水素基を表すか、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
【0166】
ここで、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基又は2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0167】
〜Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ヒドロキシシクロへキシル基、オキソシクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。R、R及びこれらが結合する炭素が形成する飽和環状炭化水素基としては、シクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
【0168】
ノルボルネン環を有するモノマー(a−3)としては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0169】
樹脂(A)における式(a−3)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0170】
酸に不安定な基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、式(a−4)で表されるモノマーが挙げられる。

式(a−4)中、
10は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1〜C6アルキル基を表す。
11は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
hは0〜4の整数を表す。hが2以上の整数である場合、複数のR11は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
【0171】
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基、ペルヨードメチル基などが挙げられる。
アルキル基、アルコキシ基等の置換基は、上記と同様のものが例示される。
【0172】
式(a−4)では、R10及びR11におけるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
11におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
及びYの基に置換されていてもよい基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、好ましくはヒドロキシ基である。
【0173】
モノマー(a−4)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。

【0174】

【0175】

【0176】

【0177】

【0178】

【0179】
樹脂(A)における式(a−4)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0180】
樹脂(A)は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)が酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。またアダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位を、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)100モル%に対して15モル%以上とすることが好ましい。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
【0181】
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基(b)又はラクトン環(c)を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー又はラクトン環を含有する酸安定モノマーに由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
【0182】
<ヒドロキシ基(b)を有する酸安定モノマー>
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線又はEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとして、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性水酸基を有する酸安定モノマー(b−1)を使用することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとして、式(b−2)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0183】
フェノール性水酸基を有するモノマーとして、式(b−1)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーが挙げられる。

式(b−1)中、
14は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
15は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
bは0〜4の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のR15は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
【0184】
14におけるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜2のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0185】
このようなフェノール性水酸基を有するモノマー(b−1)に由来する構造単位を有する共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン、及びスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
フェノール性水酸基を有するモノマー(b−1)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0186】

【0187】

【0188】

【0189】
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
【0190】
樹脂(A)における式(b−1)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜90モル%であり、好ましくは10〜85モル%であり、より好ましくは15〜80モル%である。
【0191】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとしては、式(b−2)で表されるモノマーが挙げられる。

式(b−2)中、
は、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。
16は、水素原子又はメチル基を表す。
17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
cは、0〜10の整数を表す。
【0192】
は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f−CO−O−であり(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
16は、好ましくはメチル基である。
17は、好ましくは水素原子である。
18は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
cは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0193】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0194】

【0195】

【0196】

【0197】

【0198】
樹脂(A)における式(b−2)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常3〜45モル%であり、好ましくは5〜40モル%であり、より好ましくは5〜35モル%である。
【0199】
<ラクトン環(c)を有する酸安定モノマー>
酸安定モノマーが有するラクトン環(c)は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0200】
ラクトン環を有する酸安定モノマーは、例えば、式(c−1)、式(c−2)又は式(c−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

式(c−1)〜式(c−3)中、
は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。
19は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
20は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、
dは0〜5の整数を表す。
21及びR22は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、e及びgは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
d、e又はgが2以上のとき、それぞれ、複数のR20、R21又はR22は、互いに同一でも異なってもよい。
【0201】
は、それぞれ独立に、−O−、−O−(CH2)f−CO−O−であることが好ましく(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。但し、Mで列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(c−1)〜式(c−3)の−CO−と結合し、右側でラクトン環と結合することを意味する。
19は、好ましくはメチル基である。
20は、好ましくはメチル基である。
21及びR22は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
d、e及びgは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
【0202】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0203】

【0204】

【0205】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば、以下のものが挙げられる。

【0206】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0207】

【0208】

【0209】

【0210】

【0211】

【0212】

【0213】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば、以下のものが挙げられる。

【0214】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−3)としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0215】

【0216】

【0217】

【0218】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有するモノマー(c−3)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば以下のものが挙げられる。

【0219】
ラクトン環(c)を有する酸安定モノマーの中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0220】
樹脂(A)における式(c−1)、式(c−2)又は式(c−3)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
【0221】
<その他の酸安定モノマー>
その他の酸安定モノマーとしては、例えば、式(d−1)で表される無水マレイン酸、式(d−2)で表される無水イタコン酸、又は式(d−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマーなどが挙げられる。
【0222】

式(d−3)中、
23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基(例えば、ヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、シアノ基、カルボキシ基又は基−COOR25を表すか、R23及びR24は互いに結合して−CO−O−CO−を形成し、R25は、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の飽和環状炭化水素基を表し、脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。但し−COOR25が酸不安定基となるものは除く(即ちR25は、3級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
【0223】
23及びR24の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
25の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜36、より好ましくは炭素数4〜12である。R25としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0224】
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(d−3)としては、例えば、2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0225】
樹脂における式(d−1)、式(d−2)又は式(d−3)で表されるモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常2〜40モル%であり、好ましくは3〜30モル%であり、より好ましくは5〜20モル%である。
【0226】
好ましい樹脂(A)は、少なくとも、酸に不安定な基を有するモノマー(a)、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(b)及び/又はラクトン環を有する酸安定モノマー(c)を重合させた共重合体である。この好ましい共重合体において、酸に不安定な基を有するモノマー(a)は、より好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a−1)及びシクロへキシル基を有するモノマー(a−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a−1))であり、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(b)は、好ましくはヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(b−2)であり、ラクトン環を有する酸安定モノマー(c)は、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)の少なくとも1種である。
樹脂(A)は、公知の重合法(例えば、ラジカル重合法)によって製造することができる。
【0227】
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
【0228】
樹脂(A)の含有量は、組成物の固形分中80質量%以上であることが好ましい。なお本明細書において「組成物中の固形分」とは、溶剤を除いた組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0229】
<塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していてもよい。塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%程度であることが好ましい。
【0230】
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物(例えばアミン)である。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香族環にアミノ基が結合したものや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C)として、式(C2)で表される芳香族アミン、特に式(C2−1)で表されるアニリンが挙げられる。
【0231】

式(C2)及び式(C2−1)中、
Arは、芳香族炭化水素基を表す。
及びTは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基)、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基、前記飽和環状炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記アミノ基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
前記脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、前記飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数5〜10程度であり、前記芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6〜10程度である。
は、脂肪族炭化水素基(好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基)、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。前記脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の水素原子は、上記と同様の置換基を有していてもよい。
oは0〜3の整数を表す。oが2以上のとき、複数のTは、互いに同一でも異なってもよい。Tの脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は、上記と同じであり、Tのアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。
【0232】
芳香族アミン(C2)としては、例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンなどが挙げられる。
アニリン(C2−1)としては、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの中でもジイソプロピルアニリン(特に、2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
【0233】
また、塩基性化合物(C)としては、式(C3)〜式(C11)で表される化合物が挙げられる。

式(C3)〜式(C11)中、
、T、T及びoは、上記と同じ意味である。
は、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基又はアルカノイル基を表す。脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜6程度であり、アルカノイル基は、好ましくは炭素数2〜6程度である。
uは0〜8の整数を示す。o又はuが2以上の整数であるとき、複数のT又はTは、それぞれ互いに同一でも異なってもよい。
Aは、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、−CO−、−C(=NH)−、−C(=NR36)−、−S−、−S−S−又はこれらの組合せを表す。2価の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。R36は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ここで、アルカノイル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、ヘプチルカルボニル基等が挙げられる。
【0234】
化合物(C3)としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
【0235】
化合物(C4)としては、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン、及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
【0236】
<溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、溶剤(E)を含有していてもよい。溶剤(E)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(E)の含有量は、組成物中90質量%以上(好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上)、99.9質量%以下(好ましくは99質量%以下)である。溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などを挙げることができる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0237】
<その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料などを利用できる。
【0238】
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のフォトレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
【0239】
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させることにより行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。この際、液浸露光機を用いてもよい。
通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
【0240】
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
【0241】
<用途>
本発明の組成物は、レジスト組成物、特に、化学増幅型フォトレジスト組成物に有用であり、半導体の微細加工、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程等、広範な用途に好適に利用することができる。特に、ArFやKrFなどのエキシマレーザリソグラフィならびにArF液浸露光リソグラフィ、EB露光リソグラフィ、EUV露光リソグラフィに好適な化学増幅型フォトレジスト組成として用いることができる。また、液浸露光のほか、ドライ露光などにも用いることができる。さらに、ダブルイメージング用にも用いることができ、工業的に有用である。
【実施例】
【0242】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0243】
実施例1:式(B1)で表される塩の合成

【0244】
式(B1−b)で表される塩を、特開2008−13551号公報に記載された方法で合成した。
式(B1−b)で表される化合物10.00部、クロロホルム60.00部、式(B1−a)で表される化合物5.71部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を6回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル100部を添加して溶解し、濃縮した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル200部を加えて攪拌し、30分間攪拌し、ろ過することにより、式(B1)で表される塩6.64部を得た。
【0245】
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 372.1
【0246】
実施例2:式(B2)で表される塩の合成

式(B2−a)で表される化合物46.60部、イオン交換水27.54部及び式(B2−b)で表される化合物50.00部を仕込み、105℃で2時間加熱還流した後、23℃まで冷却した。得られた反応液に、飽和水酸化ナトリウム水溶液450部及びtert−ブチルメチルエーテル400部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に硫酸マグネシウム5.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を減圧蒸留し、沸点が、104〜107℃/2〜3mmHg範囲の液体を分留することにより、式(B2−c)で表される化合物62.69部を得た。
【0247】

式(B2−d)で表される塩を、特開2008−127367号公報に記載された方法で合成した。
式(B2−d)で表される塩10.00部及びアセトニトリル60.00部を仕込み、40℃で30分間攪拌した後、式(B2−e)で表される化合物4.34部を仕込み、50℃で2時間攪拌した。得られた反応物を23℃まで冷却した後、ろ過することにより、式(B2−f)で表される化合物を含む溶液を得た。式(B2−c)で表される化合物3.78部及びクロロホルム7.57部を仕込み、23℃で1時間攪拌した後、先に得られた式(B2−f)で表される化合物を含む溶液を仕込み、23℃で1時間攪拌した。得られた反応物を濃縮後、濃縮物にクロロホルム60部及びイオン交換水30部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を6回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル100部を添加して溶解し、濃縮した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル200部を加えて攪拌し、30分間攪拌し、ろ過することにより、式(B2)で表される塩6.03部を得た。
【0248】
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 342.1
【0249】
実施例3:式(B3)で表される塩の合成


リチウムアルミニウムハイドライド10.4部、無水テトラヒドロフラン120部を仕込み23℃で30分間攪拌した。次いで、式(B3−a)で表される化合物62.2部を無水THF900部に溶かした溶液を氷冷下で滴下し、23℃で5時間攪拌した。反応マスに酢酸エチル50.0部、6N塩酸50.00部を添加、攪拌し、分液を行った。有機層を濃縮し、カラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(B3−b)で表される化合物を84.7g(純度60%)を得た。
式(B3−c)で表される化合物3.85部、無水THF75部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。次いで、カルボニルジイミダゾール2.89部、無水THF50部の混合溶液を23℃で滴下し、23℃で4時間攪拌した。得られた反応液を、式(B3−b)で表される化合物6.04部(純度60%)、無水THF50部の混合液中に65℃で、25分間かけて滴下し、さらに、65℃で18時間加熱し、冷却後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(B3−d)で表される化合物2.58部を得た。
【0250】


(B3−d)で表される化合物1.27部を含む溶液に、クロロホルム5.00部及び(B3−e)で表される化合物1.00部を添加した。得られた混合物を、23℃で15時間撹拌し、イオン交換水で洗浄した。得られた混合物に活性炭1.00部を加えて攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(B3)で表される塩1.82部を得た。
【0251】
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 358.1
【0252】
実施例4:式(B4)で表される塩の合成

【0253】
式(B4−b)で表される化合物10.00部、クロロホルム60.00部、式(B4−a)で表される化合物7.15部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(B4)で表される塩5.29部を得た。
【0254】
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 426.2
【0255】
実施例5:式(B5)で表される塩の合成

【0256】
式(B5−b)で表される化合物10.00部、クロロホルム60.00部、式(B5−a)で表される化合物5.29部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(B5)で表される塩4.19部を得た。
【0257】
MS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 356.1
【0258】
実施例6:式(B6)で表される塩の合成

【0259】
式(B6−b)で表される化合物10.93部、クロロホルム60.00部、式(B6−a)で表される化合物5.71部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を6回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた濃縮物に、アセトニトリル100部を添加して溶解し、濃縮した。得られた残渣にtert−ブチルメチルエーテル200部を加えて攪拌し、30分間攪拌し、ろ過することにより、式(B6)で表される塩6.72部を得た。
【0260】
MS(ESI(+)Spectrum):M 305.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 372.1
【0261】
実施例7:式(B7)で表される塩の合成

【0262】
式(B7−b)で表される化合物10.39部、クロロホルム60.00部、式(B7−a)で表される化合物5.71部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を6回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮した後、得られた濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(B7)で表される塩4.88部を得た。
【0263】
MS(ESI(+)Spectrum):M 281.0
MS(ESI(−)Spectrum):M 372.1
【0264】
実施例8:式(B8)で表される塩の合成

【0265】
式(B8−b)で表される化合物8.76部、クロロホルム60.00部、式(B8−a)で表される化合物5.71部、モレキュラーシーブ(商品名:モレキュラーシーブ 5A 和光純薬製)14.00部及びリチウムアミド0.33部を仕込み、80℃で24時間加熱還流し、ろ過した。得られたろ液に、3.6%シュウ酸水溶液15部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水15部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を6回行った。得られた有機層に活性炭1.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、酢酸エチル100部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮した後、得られた濃縮物をカラム(メルク シリカゲル60−200メッシュ 展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)分取することにより、式(B8)で表される塩2.86部を得た。
【0266】
MS(ESI(+)Spectrum):M 207.1
MS(ESI(−)Spectrum):M 372.1
【0267】
合成例1:樹脂A1の合成
モノマーE、モノマーF、モノマーB、モノマーC及びモノマーDを、モル比30:14:6:20:30の割合で仕込んだ。次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%との割合で添加し、これを73℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8.1×10である共重合体を収率65%で得た。得られた共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とした。
【0268】

【0269】
合成例2:樹脂A2の合成
モノマーA、モノマーB及びモノマーCを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(3:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約8.0×10である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とした。
【0270】

【0271】
実施例及び比較例
表1に示すように、以下の各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することにより、化学増幅型フォトレジスト組成物を調製した。
【0272】
【表1】

【0273】
<樹脂>
樹脂A1〜A2
<酸発生剤>
酸発生剤B1〜B8:式(B1)で表される塩〜式(B8)で表される塩
酸発生剤X1:

酸発生剤X2:

酸発生剤X3:

【0274】
<塩基性化合物:クエンチャー>
クエンチャーC1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
【0275】
(レジストパターン1の形成及び評価)
12インチのシリコン製ウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
レジスト組成物を塗布して得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。
得られたウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行った。
さらに、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
【0276】
各レジスト膜において、50nmのラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量となる露光量を実効感度とした。
【0277】
フォーカスマージン評価(DOF):実効感度において、フォーカスを振った場合、線幅が50nm±5%の幅にある範囲(47.5〜52.5nm)を線幅指標とし、DOFが0.15μm以上であるものを○(なかでも、DOFが0.17μm以上であるものを◎)、0.15μm未満であるものを×とした。
これらの結果を表2に示す。
【0278】
【表2】

【0279】
(レジストパターン2の形成及び評価)
シリコンウェハ上に、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を、乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
レジスト組成物を塗布して得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜を形成した。
得られたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)を用いて、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。
次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
【0280】
各レジスト膜において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした。
フォーカスマージン(DOF)評価:実効感度において、ホール径が52.2nm以上57.7nm以下を保持するフォーカス範囲をDOFとし、DOFが0.15μmより大きい場合を○(なかでも、DOFが0.17μm以上であるものを◎)、DOFが0.15μm未満の場合を×として判断した。
これらの結果を表3に示す。
【0281】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0282】
本発明の塩によれば、該塩を含むフォトレジスト組成物を用いて、優れたフォーカスマージン(DOF)を有するパターンを形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される塩。

[式(I)中、
及びQは、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
は、*−CO−O−L−又は*−CH−O−L−を表す。*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す。L及びLは、互いに独立に、2価の炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、炭素数2〜36の複素環を表し、該複素環に含まれる−CH−は、−O−で置き換わっていてもよい。
1+は、有機対イオンを表す。]
【請求項2】
が、*−CO−O−L−(*は−C(Q)(Q)−との結合手を表す。)である請求項1記載の塩。
【請求項3】
1+が、アリールスルホニウムカチオンである請求項1又は2記載の塩。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の塩を含有する酸発生剤。
【請求項5】
請求項4記載の酸発生剤と樹脂とを含有するフォトレジスト組成物。
【請求項6】
樹脂が、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用してアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である請求項5記載のフォトレジスト組成物。
【請求項7】
塩基性化合物を含有する請求項5又は6記載のフォトレジスト組成物。
【請求項8】
(1)請求項5〜7のいずれか記載のフォトレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。

【公開番号】特開2012−6908(P2012−6908A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1782(P2011−1782)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】