説明

塩化ビニル系壁紙の製造方法

【課題】低沸点の希釈剤を使用しない場合でも、塗工速度を高く維持した状態で、良好な塗工性を保持する塩化ビニル系壁紙の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基材12上に塗工液を塗布するためのノズルヘッド14、及び基材12を支持するためのバックアップロール13を有し、かつ、これらの間隔の調整が可能な塗工液塗布装置を用い、ノズルヘッド14とバックアップロール13の間を移動する基材12上に、ノズルヘッド14で塩化ビニル系樹脂を含有するゾルを押し出しながら塗布して塩化ビニル系壁紙を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、塩化ビニル系壁紙の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系樹脂を含有するゾルを基材に塗工して塩化ビニル系壁紙を得る方法としては、ナイフコーターを用いる方法が、従来から行われている。
【0003】
前記ナイフコーターを用いる方法としては、図6に示す方法が例としてあげられる。これは、基材ロール1から引き出された基材2が回転するバックアップロール3の外周に沿って通る際に、ナイフコーター10(ゾルバンク用プレート4及びコンマナイフ5のみを図示)を構成するゾルバンク用プレート4とコンマナイフ5との間に供給された塩化ビニル系樹脂を含有するゾル6を基材2の表面上にのせ、そして、コンマナイフ5の先端刃7を通過する際に、所定厚みのゾル6からなる塗工層を形成させる方法である。この塗工層は、バックアップロール3から送り出された後、加熱器8を通すことによって加熱されて、ゲル化される。そして冷却後、得られた塩化ビニル系壁紙9が製品ロール11に巻き取られる。
【0004】
前記ナイフコーター10を用いた塗工機に使用されるゾル6は、そのままでは粘度が高いため、塗工ムラが生じたり、コンマナイフ5の先端刃7の裏側の部分7’にゾル6が回り込み、溜まったゾル6が基材2上に落下する、いわゆる刃モレ由来のダマが生じたりして、塗工不良となる場合がある。さらに、粘度が高い場合は、塗工そのものが困難となる場合がある。これを防ぐには、塗工速度を低下させる必要がある。
【0005】
これに対し、塗工速度を上げるため、脂肪族系、芳香族系炭化水素等の、常圧下での沸点が260℃未満のような低沸点の希釈剤で前記ゾル6を希釈し、粘度を1,000〜3,000mPa・s程度に下げる方法が行われている。そして、この希釈剤を、前記加熱器8で蒸発させている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記加熱器8での希釈剤の蒸発・揮散は、この加熱器8周辺の作業環境を悪化させることがあり、対策が必要となる場合がある。また、前記加熱器8で希釈剤のほとんどが蒸発してしまうものの、得られる塩化ビニル系壁紙9中には、微量の希釈剤が残存してしまう。この塩化ビニル系壁紙9を壁紙等に使用した場合、前記の残存した希釈剤は、近年問題となっている「シックハウス症候群」の原因と推測される揮発性有機化合物(以下、「VOC」と称する。)に該当するため問題となる場合がある。
【0007】
前記の問題を解決する方法としては、前記希釈剤の使用量をゼロとしたり、削減したりすることが考えられるが、そうすると、ゾル6の粘度が上昇し、前記の通り塗工不良や塗工困難となる場合が生じる。これに対し、前記希釈剤の使用量をゼロとするか、削減した上で、塗工速度を下げることにより、塗工ムラやダマの発生を防止することが考えられる。しかし、この場合は、生産性が低下するという問題を生じる。
【0008】
これらに対し、前記希釈剤の代わりに、高沸点の可塑剤を用いることにより、ゾル6の粘度を抑制し、塗工速度を高めに維持した状態で、良好な塗工性を保持することが考えられる。
しかし、この場合、多量の可塑剤が含まれることとなり、得られる塩化ビニル系壁紙9が過度に柔軟化してしまい、製品品質上、問題となる場合がある。
【0009】
そこで、この発明は、低沸点の希釈剤を使用しない場合においても、塗工速度を高く維持した状態で、良好な塗工性を保持する塩化ビニル系壁紙の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、基材上に塗工液を塗布するためのノズルヘッド、及び前記基材を支持するためのバックアップロールを有し、かつ、これらの間隔の調整が可能な塗工液塗布装置を用いて、前記のノズルヘッドとバックアップロールの間を移動する基材上に、前記ノズルヘッドで塩化ビニル系樹脂を含有するゾルを押し出しながら塗布することにより、前記課題を解決したのである。
【0011】
所定のゾルを基材上に押し出すので、ゾルと基材との密着性が向上し、ゾルが高粘度であっても、塗りムラや刃モレ由来のダマの発生を抑制でき、良好な塗工性を保持することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明にかかる製造方法を用いると、ゾルを基材上に押し出すので、ゾルと基材との密着性が向上し、ゾルが高粘度であっても、良好な塗工性を保持することができる。このため、低沸点の希釈剤を使用しない場合でも、塗工速度を高めに維持した状態で、塗りムラや刃モレ由来のダマの発生を抑制でき、良好な塗工性を保持することが可能となる。
【0013】
また、希釈剤の使用量が大幅に減少するか又はゼロとなるので、加熱器で希釈剤を蒸発させる量が大幅に減少するか又はゼロとなる。このため、加熱器での熱エネルギーの節減が可能となり、また、加熱器の通過速度を向上させることができ、塗工ラインの速度、すなわち、塗工速度をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる塩化ビニル系壁紙の製造方法は、所定の塗工液塗布装置を用い、塩化ビニル系樹脂を含有するゾルを基材上に押し出しながら塗布する方法である。
【0015】
前記の塗工液塗布装置の一例は、図1及び図2に示すように、基材12上に塗工液を塗布するためのノズルヘッド14、及び前記基材12を支持するためのバックアップロール13を有する装置である。
【0016】
前記ノズルヘッド14は、その内部に第1液溜め室15が設けられると共に、その上面に凹状の第2液溜め室16が設けられる。
【0017】
前記ノズルヘッド14は、ヘッド本体17の一側面に蓋体18がボルト19によって接合されたものである(図3参照)。そして、前記蓋体18の前記ヘッド本体17と対向する面には、凹部21が設けられ、第1液溜め室15が形成される。
【0018】
また、前記基材12の移動方向側(図1及び図2の矢印の方向)の端部に、縦断面が円弧状に膨らんだブレード部22が形成される。そして、このブレード部22の端部のうち、前記基材12の移動方向側の先端部が、前記バックアップロール13と最も近接する。なお、前記ブレード部22は、ドクターエッジと称される。
【0019】
さらに、前記第2液溜め室16は、前記基材12の移動方向と反対側の端部に、バックアップロール13に向かって、基材12が走行するための間隙を残して液溜め壁23が、ボルト24によって着脱自在に立設される。
【0020】
なお、前記第2液溜め室16の両側部は、図3に示すように、隔壁25によって形成される。この隔壁25は、ノズルヘッド14の上面とバックアップロール13の下周面との間を摺動自在に設けられている。なお、基材12への塗工液の塗布幅は、この隔壁25間の距離(図3のL)となるので、基材12の幅等にあわせて隔壁25の位置を調整することにより、塗布幅を調整することができる。
【0021】
前記バックアップロール13は、基材12を支持しながら、前記ノズルヘッド14の上面を移動させる回転可能なロールである。そして、このバックアップロール13は、前記のノズルヘッド14、具体的には、ブレード部22の先端部及び液溜め壁23のバックアップロール13側先端部の上方に、これらと平行、かつ、所定の距離を保持して設けられる。そして、この間隔は、調整可能である。なお、基材12は、所定の幅を有するので、バックアップロール13やブレード部22や液溜め壁23を含むノズルヘッド14も、前記基材12の幅に合わせて、所定の幅を有する。このため、前記の平行とは、バックアップロール13及びノズルヘッド14が幅方向全体にわたって平行であることをいう。
【0022】
前記の間隔の距離を保持することができるので、基材12への塩化ビニル系壁紙の塗布量を一定に保持することができる。また、ブレード部22の先端部及び液溜め壁23のバックアップロール13側先端部と、バックアップロール13とを平行に保持することができるので、基材12への塗布量が場所によってばらつきが生じるのを防止することができる。さらに、ノズルヘッド14とバックアップロール13との間隔の調整が可能であるので、使用する塗工液の粘度や、基材12への塗布量の変化に対応して、目的量の塗工液を基材12へ塗布することが可能となる。
【0023】
ノズルヘッド14とバックアップロール13との間隔の調整は、ヘッド本体17に設けられたスリット26及び調整ボルト27によって行われる。すなわち、このスリット26は、ヘッド本体17の上面であって、第2液溜め室16を形成する部分の外側であり、かつ、ブレード部22の近傍に、その開口部が幅方向にわたって設けられるように形成される。また、スリット26は、前記開口部から、蓋体18の方向に向かって、下方に傾斜して設けられる。そして、このスリット26には、スリット26と直交して貫通するように、複数本の調整ボルト27が幅方向にわたって、ヘッド本体17内に等間隔に設けられている。この調整ボルト27の先端部はヘッド本体17の蓋体18側の面と反対側の面に臨んでおり、この面から調整ボルト27の螺合具合を調整することが可能である。そして、この螺合具合の調整によって、スリット26の幅を調整することができる。そして、スリット26の幅を変化させることにより、ブレード部22の先端部が上下動し、上下にそれぞれ2μm〜3μmの幅で調整することができる。
【0024】
前記の第1液溜め室15と第2液溜め室16とは、連結路28によって連結される。さらに、この連結路28は、第1液溜め室15から第2液溜め室16に向かって伸びて、ブレード部22の後端部と液溜め壁23との間に出口が設けられている。また、この連結路28は、ノズルヘッド14の幅方向に所定の幅の有する。そして、前記連結路28の容積より、前記第2液溜め室16の容積がより大きくなるように形成される。
【0025】
次に、前記ノズルヘッド14は、図1又は図3に示すように、ノズルヘッド14の中央下方に設けられた保持部材31で保持される。この保持部材31には、両ロッド型のエアシリンダー32が上下運動自在に配され、このエアシリンダー32は、そのシリンダチューブの上端においてノズルヘッド14のヘッド本体17の下面に螺合される。
【0026】
また、前記保持部材31内部の下方に配されるスケール保持部材33は、その内部に磁気式の変位計測用スケール34(例えば、マグネスケール(商品名)等)が配される。この変位計測用スケール34の頂部は、エアシリンダー32のピストンロッドの下端部に当接しており、このピストンロッドの上下方向の変位を検出することができる。この保持部材31のエアシリンダー32の上下動によりノズルヘッド14の撓みが上下にそれぞれ20μm〜30μmの幅で調整することができる。
【0027】
次に、前記塗工液塗布装置を用いて、基材12に塗工液を塗布する方法について説明する。
まず、図5に示すように、基材ロール41から引き出された基材12がバックアップロール13の外周に沿って通る。このバックアップロール13には、上記したようにノズルヘッド14が取り付けられており、これから塗工液が押し出され、基材12に塗布される。次いで、得られた塗工層42は、加熱器43を通ることによって、塗工層42を構成するゾルが加熱されてゲル化される。これによって、基材12とゲル化された塗工層42’とからなる塩化ビニル系壁紙44が得られ、冷却後、製品ロール45に巻き取られる。
【0028】
前記のノズルヘッド14による塗布工程の一例について、図1〜図4を用いて、より詳細に説明する。まず、調整ボルト27及びエアシリンダー32を用いて、ノズルヘッド14のブレード部22先端部とバックアップロール13との間の距離を調整する。
【0029】
そして、例えば、ポンプや押出機等の圧送装置(図1〜図3に図示せず)によって、塗工液供給口35から塗工液を第1液溜め室15に送り込む。第1液溜め室15に送り込まれた塗工液は、連結路28を経由して、第2液溜め室16に送られる。この第2液溜め室16のブレード部22の先端部に、塗工液塗布装置の開口部を有する。また、このブレード部22は縦断面円弧型であるため、その先端部に接近するほど第2液溜め室16の容積が次第に小さくなり、それにともなって基材12にかかる圧力は次第に高くなる。このため、ブレード部22の先端部で、塗工液は、基材12に押し出されながら塗布されることとなる。このとき、基材12の移動に伴う塗工液の同伴流と、連結路28からの塗工液の流入する流れは同じ方向の旋回流となって不安定な流れになることがない。
【0030】
前記の塗工液を第1液溜め室15に送る量は、図4に示す制御方法によって制御される。すなわち、制御装置51からの動作信号DSでポンプ52が稼働し、塗工液を、第1液溜め室15に圧送し、連結路28を経由して第2液溜め室16に送る(図2参照)。第2液溜め室16の壁の一部を構成する液溜め壁23には、第2液溜め室16の内圧を測定するセラミックセンサー等の圧電素子よりなる圧力計53が設けられている。この圧力計53で第2液溜め室16内の圧力を測定し、このデータを圧力信号ASとして制御装置51に送る。そして、制御装置51においては、圧力信号ASを受け、その圧力が所定値未満の場合、ポンプ52へ動作信号DSを送り、また、圧力が所定値を超えた場合、ポンプ52への動作信号DSは送られない。このようにして、第2液溜め室16の圧力を所定範囲内にすることができる。このとき、調整される圧力は、塗工液が第2液溜め室16を満した状態でかつ液溜め壁23とバックアップロール13との間隙からオーバーフローしないように設定するのが好ましい。
【0031】
これにより、第2液溜め室16内の圧力が保持されるので、基材12への塗布ムラを防止できる。さらに、第2液溜め室16が陽圧状態で保持されるので、この第2液溜め室16に空気が浸入するのを防止でき、基材12への塗布層に気泡が混入するのを抑制できる。
【0032】
また、塗工液が塗布された塩化ビニル系壁紙の厚みは、図1に示すように、塗布後の基材12の走行路に設けられた厚み測定装置36で測定される。この厚み測定装置36としては、β線厚み計、赤外線厚み計等を用いることができる。そして、この厚み測定装置36で塩化ビニル系壁紙の厚みを測定することにより、塗工材の塗布厚を算出し、目的の厚みとなっていない場合や、幅方向や流れ方向で厚みのぶれが生じている場合は、前記したエアシリンダー32や調整ボルト27を調整することにより、ノズルヘッド14の位置を調整したり、第2液溜め室16の圧力を調整したりして、所定の塗布厚とするように調整することができる。
【0033】
前記の塗工液としては、塩化ビニル系樹脂を含有するゾルがあげられる。この塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル系重合体からなる樹脂、又は塩化ビニル系重合体を主成分とする樹脂である。前記塩化ビニル系重合体としては、塩化ビニルの単独重合体や、塩化ビニルを主成分とする共重合体等があげられる。この共重合体を構成する塩化ビニル以外の共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、塩化ビニリデン等があげられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
【0034】
また、前記塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニル系重合体以外に、必要に応じて、ポリ塩化ビニリデン、アクリル樹脂等の塩化ビニル系重合体以外の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
【0035】
前記塩化ビニル系樹脂を含有するゾルとは、前記塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂を可塑剤や有機溶剤などの分散媒に分散させたものであり、ここで用いられる塩化ビニル系樹脂としては、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)単独であってもよく、また、これに混合用塩化ビニル系樹脂(B)(いわゆる、ブレンド用樹脂)を加えたものであってもよい。このゾル中の塩化ビニル系樹脂、特にペースト用塩化ビニル系樹脂(A)の粒径としては、0.05〜50μmがよく、0.2〜35μmが好ましい。0.05μmより小さいものは、製造するのが困難な場合があり、一方、50μmより大きいと、製品を塩化ビニル系壁紙としたとき、表面にざらつきが生じる場合がある。
【0036】
このようなゾルに用いるペースト用塩化ビニル系樹脂(A)は、乳化重合、微細懸濁重合等によって製造することができる。この乳化重合は、水、又は水を主成分とし、これに水溶性有機溶媒を混合した水性媒体中に、塩化ビニルを主成分とする単量体や、乳化剤、水溶性重合開始剤等を加えて重合する方法である。
【0037】
また、前記微細懸濁重合は、前記水性媒体中に、塩化ビニルを主成分とする単量体や、乳化剤、油溶性重合開始剤等を加えて、機械的剪断力を加えて微分散、均質化した後、重合する方法である。
【0038】
また、前記の乳化剤、水溶性重合開始剤、油溶性重合開始剤としては、一般の乳化重合や懸濁重合に使用されているものを、特に制限なく使用することができる。
【0039】
前記混合用塩化ビニル系樹脂(B)の平均粒子径は、10〜100μmがよく、20〜50μmが好ましい。10μmより小さいと、粘度を低下させる効果が小さくなる。一方、100μmより大きいと、製品を塩化ビニル系壁紙としたとき、表面にざらつきが生じることがある。
【0040】
前記混合用塩化ビニル系樹脂(B)は、特殊懸濁重合法によって製造される。具体的には、塩化ビニルモノマーをラインミキサーや高速撹拌等により、水中に細かく分散させ、これに、ゼラチンやヒドロキシプロピルメチルセルロース等の懸濁剤、及び必要に応じて乳化剤を加え、さらに、油溶性のラジカル発生剤を加えて懸濁重合することにより製造される。
【0041】
前記のペースト用塩化ビニル系樹脂(A)と混合用塩化ビニル系樹脂(B)とは、任意の方法で混合することにより、前記ゾルを製造することができる。これらの混合比は、重量比で、(A)/(B)で99/1〜50/50がよく、90/10〜60/40が好ましい。混合用塩化ビニル系樹脂(B)が1重量%より少ないと、粘度を低下させる効果が十分でない場合がある。一方、50重量%を超えて多くなると、塗工材表面にブツが発生したり、粘度が逆に上昇したりすることがある。
【0042】
前記可塑剤とは、ペースト用塩化ビニル系樹脂を分散させつつ、可塑効果(柔軟性の調整・加工性の改良)を付与するものであり、例として、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、トリメット酸エステル類等があげられる。
【0043】
このような可塑剤を分散媒として用いたゾルをプラスチゾルといい、ゾル状態では、可塑剤が分散媒として、加熱・ゲル化後は軟化剤として働くので、実用上、好ましく用いられる。
【0044】
前記フタル酸エステル類の具体例としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート等があげられる。また、前記アジピン酸エステル類としては、ジイソノニルアジペート等があげられる。さらに、前記トリメット酸エステル類としては、トリイソノニルトリメリテート等があげられる。
【0045】
前記可塑剤の添加量は、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、30〜110重量部が好ましく、40〜80重量部がより好ましい。30重量部より少ないと、塩化ビニル系壁紙製造時の加工性が悪化する傾向がある。一方、110重量部より多いと、得られる製品である塩化ビニル系壁紙が過度に軟化する傾向がある。
【0046】
また、前記ゾルには、前記塩化ビニル系樹脂以外に、充填剤、希釈剤等を加えることができる。
【0047】
前記充填剤の例としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー等があげられる。この充填剤の添加量は、用途にもよるが、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、10〜500重量部が好ましく、30〜150重量部がより好ましい。10重量部より少ないと、得られる製品である塩化ビニル系壁紙が過度に軟化したり、べたつき感が生じたりする場合がある。一方、500重量部より多いと、ゾルの粘度が上昇してしまい、塗工性が悪化する傾向がある。
【0048】
前記希釈剤としては、脂肪族系、芳香族系、非芳香族系の炭化水素等の、常圧下での沸点が260℃未満のような低沸点の有機溶剤があげられる。この希釈剤は、製品である塩化ビニル系壁紙に残存しやすいため、使用量はできるだけ少ない方が好ましく、前記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、10重量部以下が好ましく、3重量部以下がより好ましく、0重量部が最も好ましい。10重量部より多いと、製品である塩化ビニル系壁紙への残存量が増加し、好ましくなく、また、加熱による除去のため、大きな装置を要し、経済的でない。
【0049】
前記希釈剤をはじめ、沸点が260℃未満の揮発性有機化合物(VOC)となる成分を含まないことが、この発明の方法の特徴を生かすことができ、環境上の利点も大きい。
【0050】
具体的には、前記ゾル中の全揮発性有機化合物(TVOC)の含有量は、例えば、このゾル100〜300g/mが塗布された試験片を用い、JIS A 1901−2003に記載の方法にしたがった測定法で測定でき、400μg/m以下とすることが可能である。さらに、検出限界以下とすることがより好ましい。
【0051】
ところで、粘度調整の必要に応じ、前記のゾルには、所定の高沸点希釈剤(C)を、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)や、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)と混合用塩化ビニル系樹脂(B)との混合物中に含有させることができる。
【0052】
前記の所定の高沸点希釈剤(C)の沸点は、260℃以上であることが必要であり、300℃以上が好ましい。沸点が260℃未満だと、製品中に揮発性有機化合物(VOC)が残存する可能性が高い。一方、高沸点希釈剤の沸点の上限は、通常380℃程度である。これを超えて沸点が高くなると、常温で固体の性状となり取り扱い性が悪化したり、それ自体の粘度が高くなって減粘効果が不十分になることがある。
【0053】
このような所定の高沸点希釈剤(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ノルマルパラフィン塩化物、アルキルベンゼン類、長鎖α−オレフィン類、高級アルコール類、エステル系やエーテル系の高沸点有機溶剤をあげることができ、具体例としては、三菱化学(株)製:ダイアレン168(沸点301℃)、ダイアレン208(沸点380℃)、ABA−SH(沸点範囲330〜345℃)、ダイアレン30(沸点450℃)、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−LPR 20008、BYK−LPR 20386(いずれも沸点260℃以上)等があげられる。
【0054】
このような所定の高沸点希釈剤(C)中には、製造上の理由その他の原因で沸点が260℃未満の低沸点成分を含有することがあるが、その場合、その含有割合は、5重量%以下であることが望ましく、2重量%以下、特に1重量%以下であるのが好ましい。なお、この低沸点成分は、ない場合が最も好ましいので、下限は0重量%である。
【0055】
前記所定の高沸点希釈剤(C)の含有量は、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)と混合用塩化ビニル系樹脂(B)との合計量(A+B)100重量部あたり、1〜20重量部を含有させてもよく、2〜8重量部含有させるのが好ましい。また、混合用塩化ビニル系樹脂(B)を用いない場合、前記所定の高沸点希釈剤(C)の含有量は、(A)成分100重量部あたり1〜20重量部を含有させてもよく、2〜13重量部含有させるのが好ましい。
【0056】
前記所定の高沸点希釈剤(C)の使用量が、1重量部未満では、添加による粘度低減の効果が十分得られないことがあり、一方20重量部を超えて使用すると、プラスチゾルのゲル化・溶融を遅らせて、加工速度が遅くなってしまうことがある。
【0057】
ところでまた、前記ゾルには、発泡剤を樹脂成分の合計量(A+B)100重量部あたり、1〜10重量部含有させてもよく、2〜7重量部含有させるのが好ましい。これによって、塗工後に加熱することによって発泡した成形品を得ることができる。
【0058】
前記発泡剤の使用量が1重量部未満では、発泡倍率が不十分で、発泡剤を添加した効果が十分得られないことがある。一方、使用量が10重量部を超えると、発泡セルが粗大となって、表面凹凸の著しい、不均一な発泡体しか得られないことがある。
【0059】
前記発泡剤としては、特に制限がなく、塩化ビニル系プラスチゾル組成物において用いることができる発泡剤を用いることができる。例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ水素化ナトリウム等の無機系発泡剤、各種のイソシアネート化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジ化合物、ジニトロペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、トリアゾール化合物等の有機系発泡剤が挙げられる。またこれらの発泡剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。更に、必要に応じて酸化亜鉛等の分解促進剤を添加することも可能である。
【0060】
この発明において用いられるゾルは、これらの配合剤を容器中に秤取した後、ディスパー、三本ロール等の混合・分散機を用いて調製することができる。
【0061】
前記ゾルの分散媒として有機溶媒を用いると、このゾルはオルガノゾルとなり、分散媒として可塑剤を用いた場合は、前記ゾルはプラスチゾルとなる。製品の柔軟性の調整や加熱時の加工性等の点で、前記ゾルとしては、プラスチゾルを用いるのがより好ましい。
【0062】
なお、オルガノゾルとして用いる場合の分散媒としては、前述の高沸点希釈剤のような、揮発性有機化合物(VOC)とならない、沸点260℃以上のものを用いるのが好ましい。
【0063】
前記ゾルの粘度は、5,000〜50,000mPa・sが好ましく、5,000〜20,000mPa・sがより好ましい。配合にもよるが、5,000mPa・sより小さいゾルを、希釈剤量をゼロにして得ることは、通常困難である。一方、50,000mPa・sより大きいと、前記の押し出しながら塗工する方法によっても、ゾルの供給が困難となったり、塗工ムラや刃モレ由来のダマが生じたりする場合がある。さらに、塗工速度をあげた場合、紙の巻き出し、巻き取りのテンションが不足して紙切れが発生しやすい。
【0064】
前記ゾルの粘度は、ブルックフィールド型B8H型回転粘度計((株)トキメック製)を用い、ゾルを調製してから23℃の恒温室中で2時間熟成後、23℃で50rpmにて測定した値を用いる。
【0065】
前記基材とは、前記ゾルを塗工するためのシートをいい、離型紙、壁紙用難燃紙・非難燃紙、ガラスペーパー等の紙、不織布、織布等や、各種のプラスチックフィルムやプラスチックシート等があげられる。
【0066】
また、基材上への塗布厚としては、目的・用途に応じて調整すればよいが、通常、0.05〜50mmがよく、0.07〜40mmが好ましい。0.05mmより薄いと、厚みムラが生じやすく、一方、50mmを超えると、塗工後のゲル化工程で問題が起こることがある。壁紙又はその原反を製造する際の通常の塗布厚は、0.05〜0.2mm程度である。
【0067】
本発明の製造方法によって得られる塩化ビニル系壁紙は、VOCの発生が少ないビニル壁紙として特に好適に用いられる。即ち、本発明によれば、壁紙の製造において50〜500m/分のような高い加工速度を維持しつつ、壁紙製品としてVOCの低減されたものを得ることができる。
【0068】
具体的には、塗工厚が100〜200μm程度で、例えば70〜250m/分のような高速で製造されたビニル壁紙について、VOCを1日後に50μg/m2・h(JIS A1901−2003による)以下のような低い値とすることができる。
【0069】
このような低VOC壁紙を得るためには、安定剤としてBa−Zn系又はCa−Zn系を使用し、その溶剤として可塑剤であるDOP、DINP等や前記の高沸点希釈剤を用いた安定剤を使用することが好ましい。
【0070】
この発明の塩化ビニル系壁紙の製造方法において、基材12の送り速度、すなわち、基材12への前記ゾルの塗工速度は、50〜500m/分が好ましく、100〜500m/分がより好ましい。50m/分より遅いと、生産性がかなり悪化する傾向となるので好ましくない。送り速度は、速いほど生産性の面では好ましいが、ゲル化のための加熱器の能力によっても限界がある。送り速度が500m/分より速いと、基材に大きな張力がかかり、破断等の強度上の問題が出ることがある。特に、100〜500m/分の範囲とすると、生産性の点でより好ましい。
【0071】
この発明の製造方法によって得られる塩化ビニル系壁紙は、印刷やエンボス加工を施すことにより、前述のように、壁紙として利用することができる。また、この塩化ビニル系壁紙は、さらにロータリースクリーン加工等を行うための壁紙原反として利用することもできる。
【0072】
このようにして得られる塩化ビニル系壁紙は、厚生労働省の暫定目標値である、JIS A 1901−2003によるTVOC:400μg/m以下を達成することも可能である。
【実施例】
【0073】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。まず、試験方法、評価方法及び原材料を下記に示す。
(試験方法)
[粘度]
ブルックフィールド型B8H型回転粘度計((株)トキメック製)を用いて、ゾルを調製してから23℃の恒温室中で2時間熟成後、23℃で回転数50rpmにて測定した。
【0074】
(評価試験)
[塗工性評価]
各実施例に記載の方法にしたがってゾルの塗工を行ったときの状態を観察し、下記の基準で評価した。
○:塗工面にムラが認められなかった。
△:塗工面に少しムラが認められた。
×:塗工面にかなりのムラが認められた。
【0075】
(原材料)
[塩化ビニル系樹脂]
・ペースト用塩化ビニル系樹脂…ヴイテック(株)製:P454(以下、「PVC1」と称する。)
・混合用塩化ビニル系樹脂…ヴイテック(株)製:80BX(平均粒子径:28μm、以下、「PVC2」と称する。)
【0076】
[可塑剤]
・ジイソノニルフタレート…(株)ジェイプラス製:DINP(以下、「DINP」と略する。)
[発泡剤]
・大塚化学(株)製:ユニフォームAZH25(以下、「AZH」と略する。)
【0077】
[安定剤]
・旭電化工業(株)製:アデカスタブQL467(以下、「QL467」と略する。)
[高沸点希釈剤]
・重質アルべン…三菱化学(株)製:ABA−SH(以下、「ABA」と略する。)
【0078】
[その他]
・炭酸カルシウム…東洋ファインケミカル(株)製:ホワイトンH
・酸化チタン…テイカ(株)製:JR600A
・基材…塗工紙(非難燃紙、65g/m2 、日本製紙(株)製:MNI65T)
【0079】
(実施例1〜3)
表1に示す各成分を表1に示す量ずつ混練し、原料ゾルを調合した。得られた原料ゾルを、図1〜図5の構成を有するリップダイレクト(ヒラノテクシード(株)製)を用いて基材に塗工した。得られた塩化ビニル系壁紙を用いて前記の評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1中の「塗工液圧」は、第2液溜め室の液圧をいう。
【0080】
(比較例1〜3)
図6に示すような、コンマナイフ式のコーティングヘッドを有するナイフコーター(本体:平野機械製作所(株)製、ヘッド部:石田鉄工(株)製)を用いて、実施例1に記載の原料ゾルと同様の原料ゾルを基材に塗工した。得られた塩化ビニル系壁紙を用いて前記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】この発明にかかる塗工液塗布装置の例を示す模式図
【図2】図1の部分拡大断面図
【図3】図2のI−I断面図
【図4】塗工液の圧入の制御システムの例を示す模式図
【図5】塩化ビニル系壁紙製造ラインの例を示す模式図
【図6】従来のナイフコーターを用いた塩化ビニル系壁紙製造ラインの例を示す模式図
【符号の説明】
【0083】
1 基材ロール
2 基材
3 バックアップロール
4 ゾルバンク用プレート
5 コンマナイフ
6 ゾル
7 先端刃
7’ 刃の裏側部分
8 加熱器
9 塩化ビニル系壁紙
10 ナイフコーター
11 製品ロール
【0084】
12 基材
13 バックアップロール
14 ノズルヘッド
15 第1液溜め室
16 第2液溜め室
17 ヘッド本体
18 蓋体
19 ボルト
【0085】
21 凹部
22 ブレード部
23 液溜め壁
24 ボルト
25 隔壁
26 スリット
27 調整ボルト
28 連結路
【0086】
31 保持部材
32 エアシリンダー
33 スケール保持部材
34 変位計測用スケール
35 塗工液供給口
36 厚み測定装置
【0087】
41 基材ロール
42 塗工層
42’ ゲル化された塗工層
43 加熱器
44 塩化ビニル系壁紙
45 製品ロール
51 制御装置
52 ポンプ
53 圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に塗工液を塗布するためのノズルヘッド、及び前記基材を支持するためのバックアップロールを有し、かつ、これらの間隔の調整が可能な塗工液塗布装置を用い、
前記のノズルヘッドとバックアップロールの間を移動する基材上に、前記ノズルヘッドで塩化ビニル系樹脂を含有するゾルを押し出しながら塗布する塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項2】
前記ノズルヘッドの上方に、このノズルヘッドと平行、かつ、所定の距離を保持して前記バックアップロールを設け、
圧送された塗工液を、前記ノズルヘッドから前記基材に塗布する請求項1に記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項3】
前記ノズルヘッドの内部に、第1液溜め室を設けると共に、前記ノズルヘッドの上面に凹状の第2液溜め室を設け、
前記第2液溜め室のうち、前記基材の移動方向側の端部に、縦断面が円弧状に膨らんだブレード部が形成されると共に、前記ブレード部の端部のうち、前記基材の移動方向側の先端部が、前記バックアップロールと最も近接し、
前記第2液溜め室のうち、前記基材の移動方向と反対側の端部に、バックアップロールに向かって、基材が走行するための間隙を残して液溜め壁が立設され、
前記第1液溜め室と第2液溜め室との間を流出路で連結し、
前記第2液溜め室の容積は、前記流出路の容積より大きい装置を用いる請求項1又は2に記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項4】
前記ゾルの粘度が5,000〜50,000mPa・sである請求項1乃至3のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項5】
前記ゾルは、プラスチゾルである請求項1乃至4のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項6】
前記ゾルには、可塑剤及び/又は充填剤を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項7】
前記ゾルに含まれる塩化ビニル系樹脂が、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)と、平均粒子径10〜60μmの混合用塩化ビニル系樹脂(B)とを、重量比率で、(A)/(B)=99/1〜50/50で混合したものである請求項1乃至6のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項8】
前記ゾルは、沸点が260℃以上の高沸点希釈剤(C)を、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)100重量部あたり、1〜20重量部含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項9】
前記ゾルは、沸点が260℃以上の高沸点希釈剤(C)を、ペースト用塩化ビニル系樹脂(A)と混合用塩化ビニル系樹脂(B)との合計量(A+B)100重量部あたり、1〜20重量部含有する請求項1乃至7のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項10】
前記ゾルは、発泡剤を樹脂成分の合計量(A+B)100重量部あたり、1〜10重量部含有する請求項1乃至9のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項11】
前記塗工液塗布装置が、ダイコーターである請求項1乃至10のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項12】
前記基材への塗工速度が50〜500m/分である請求項11に記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項13】
前記塗工液塗布装置が、前記第1液溜め室へ塗工液を圧送するための塗工液供給手段、及び前記第2液溜め室内に、塗工液の塗布圧力を検出するための圧力検出手段が設けられており、かつ、この塗布圧力が10,000〜40,000Paである請求項3乃至12のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。
【請求項14】
前記ノズルヘッドと、前記バックアップロールとの間隙を100〜300μmとする請求項2乃至13のいずれかに記載の塩化ビニル系壁紙の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−112003(P2006−112003A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300557(P2004−300557)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(500280076)ヴイテック株式会社 (8)
【出願人】(000240341)株式会社ヒラノテクシード (58)
【Fターム(参考)】