説明

塩素化ポリオレフィンを含有するエネルギー硬化性コーティング/接着剤組成物

(a)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分;(b)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィン;を含む、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物であって、その少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である、コーティング組成物が、その組成物で基材をコーティングするプロセスと共に記述されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2004年4月19日出願の米国特許仮出願第60/563,383号の35U.S.C.§119(e)の下で優先権を請求する。
【0002】
自動車部品および付属品、容器、家庭電化製品、および他の工業用品などの多くの用途において有用である、熱可塑性オレフィン(TPO)などのプラスチック材料が開発されている。かかるプラスチック材料から製造された物品を有機コーティング組成物でコーティングして、それらを装飾するか、または太陽光、湿気、熱さおよび寒さなどの大気の風化条件にさらされる場合には、プラスチック材料を劣化から保護することが望まれる場合が多い。寿命の長い、耐久性の高い部品を得るためには、プラスチックの表面にしっかりとコーティングを付着させることが必要である。
【0003】
様々な可塑性および熱硬化性プラスチック材料から製造されたプラスチック基材は、表面張力、粗さおよび可撓性などの多種多様な表面特性を有し、その特性のために、特にプラスチック材料が老化した後または環境曝露後に、かかる材料に有機コーティングを適切に付着させることが難しくなる。この問題は、装飾用および保護用コーティングがプラスチック基材に十分に付着する必要があることに加えて、達成するのが困難な他の要求条件がある、自動車用途において特に難しい。熱可塑性ポリオレフィン基材の利用に関して、これらの要求条件としては、最終的にコーティングされた部品の有機溶媒、特にガソリンに対する高度な耐性、および硬化されたコーティングの湿気に対する高度な耐性が挙げられる。
【発明の開示】
【0004】
付着性の問題を克服するために、炎またはコロナによる前処理から、プラスチックポリオレフィン基材への塩素化ポリオレフィンを含有する種々の溶剤型プライマー組成物の塗布まで、多くの提案がなされている。かかる技術は、付着性の問題に関してまずまずの成功を収めているが、様々な不利点が残っており、例えば、優れた付着性、特にガソリンに対する耐溶剤性、耐湿性の所望の組み合わせを達成する目標が依然として到達できそうにない。
【0005】
さらに、溶剤型配合物は、環境上の理由から好ましくない。したがって、エネルギー硬化性成分をベースとする無溶剤コーティング/接着剤配合物が一般に広まってきている。
既存のエネルギー硬化接着技術では一般に、種々の基材に付着性を提供するために、アクリル、酸性または芳香族官能性材料が使用される。残念ながら、低表面エネルギー基材に対する硬化性コーティング配合物の付着性もまた問題がある。一部の塩素化ポリオレフィンは、溶剤型用途において優れた接着性向上剤であると特定されているが、その有用性は、それらが水性または極性配合物中で使用される場合には限定されている。大部分のハロゲン化ポリオレフィンには、極性媒体における溶解性の問題がある。この事実によって、エネルギー硬化性配合物において見られるエチレン性不飽和化合物と配合する場合には、その有用性が制限される。
【0006】
したがって、この技術分野において、環境に優しくない溶媒を含まないことから恩恵を受け、さらにプラスチックおよび他の低表面エネルギー基材に対する優れた付着性を保持する、エネルギー硬化性コーティング配合物を提供する必要がある。
【0007】
発明の簡単な概要
本発明は、低表面エネルギー基材に対する優れた付着性を有するエネルギー硬化性コーティング配合物に関する。さらに具体的には、本発明は、エネルギー硬化性モノマーと、そのモノマーに少なくとも一部可溶性である塩素化ポリオレフィンと、を含むエネルギー硬化性コーティング配合物に関する。本発明によるコーティング配合物は、優れた湿潤性を有し、安定性の均一な配合物である。さらに、その配合物には、環境に優しくない溶媒は必要ない。硬化すると、本発明によるコーティング配合物は、優れた付着性を有し、基材に優れた保護を提供し、可撓性が残っている、低表面エネルギー基材コーティングを提供する。
【0008】
本発明の一実施形態は、(a)少なくとも1種類のエネルギー硬化性モノマー成分;(b)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィン;を含むコーティング組成物であって、その少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である、コーティング組成物を含む。本発明の他の実施形態は、(a)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分;(b)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィン;を含むラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物であって、その少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である、コーティング組成物を含む。
【0009】
本発明の他の実施形態は、(a)コーティングされる基材を提供する段階;(b)(i)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分と、(ii)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンとを含む、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物を提供する段階であって、その少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である段階;(c)基材の少なくとも一部にコーティング組成物を塗布する段階;(d)コーティングされた基材を放射エネルギーにさらす段階;を含む、基材をコーティングするプロセスを含む。
【0010】
本発明の詳細な説明
操作の実施例以外に、または別段の指定がない限り、本明細書で使用される成分の量または反応条件を表す数字すべては、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されたい。
【0011】
本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分を含有する。本発明による組成物において使用される、適切なエチレン性不飽和モノマー成分としては、アクリル、メタクリル、アリル、およびビニル官能性を有する化合物が挙げられる。かかる化合物としては、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、かかる化合物のホモポリマー、ならびにかかる化合物の2種類以上のコポリマー、ブロックコポリマー、ターポリマーおよびブロックターポリマーが挙げられる。
【0012】
本発明の特定の好ましい実施形態において、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分は、アクリレートまたはメタクリレートを含む。適切な(メタ)アクリレート(つまり、アクリレートまたは相当するメタクリレート)としては、限定されないが、直鎖状および分岐状アルキルアクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、アクリル酸イソオクチル、ヒドロキシアルキルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−メチルピロリドンアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジオールジアクリレート、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリオールアクリレートおよびポリグリコールアクリレート、例えばプロポキシル化ネオペンチルグリコールモノメチルエーテルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびトリプロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。
【0013】
本発明の特定の好ましい実施形態において、アクリレートは、多官能性アクリレートを含む。適切な多官能性アクリレートとしては、ジオールジアクリレート、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリオールアクリレートおよびポリグリコールアクリレート、例えばプロポキシル化ネオペンチルグリコールモノメチルエーテルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびトリプロピレングリコールジアクリレートが挙げられる。本発明の特定の好ましい実施形態において、多官能性アクリレートは、ジアクリレートを含む、好ましいジアクリレートは、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートである。
【0014】
本発明の特定の好ましい実施形態において、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が多官能性アクリレートを含む場合、コーティング組成物はさらに、単官能性アクリレート接着性向上剤を含む。適切な単官能性アクリレート接着性向上剤としては、限定されないが、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−メチルピロリドンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールモノメチルエーテルアクリレートおよびその混合物が挙げられる。
【0015】
本発明によるコーティング組成物は、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンも含有する。一般に、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分に少なくとも多少の溶解性を示す、いずれかの塩素化ポリオレフィンを本発明による組成物において使用することができる。少なくとも多少の溶解性とは、無視できる程度を超える溶解度、例えばモノマー成分の重量に対して少なくとも約1重量%の溶解度を意味する。本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンは、少なくとも1種類のモノマー成分中で、モノマー成分の重量に対して少なくとも約5重量%の溶解度を有する。本発明のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分中で、モノマー成分の重量に対して少なくとも約10重量%の溶解度を有する。本発明の他のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分中で、モノマー成分の重量に対して少なくとも約15重量%の溶解度を有する。本発明の他のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分中で、モノマー成分の重量に対して少なくとも約20重量%の溶解度を有する。本発明の最も好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分中で、モノマー成分の重量に対して少なくとも約25重量%、さらに好ましくは約30重量%の溶解度を有する。
【0016】
本明細書で使用される、「ポリオレフィン」という用語は、オレフィン性一価不飽和および多価不飽和両方のオレフィンから誘導されるポリマーを意味し、ポリオレフィンとしては、限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、ならびにそのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0017】
本発明で使用するのに適している、特定の好ましい塩素化ポリオレフィンは、オレフィンモノマー、ポリオレフィンモノマー、共役ジエンモノマー、ジエンブロックホモポリマーおよびジエンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種類の成分を重合し、塩素化することによって製造することができる。本発明の特定の他の好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンは、オレフィンモノマー、ポリオレフィンモノマー、共役ジエンモノマー、ジエンブロックホモポリマーおよびジエンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも2種類の成分を重合し、塩素化することによって製造することができる。
【0018】
本発明の特定のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンは、共役ジエンモノマーを重合し、塩素化することによって製造することができる。好ましい共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。最も好ましい共役ジエンモノマーはイソプレンである。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンは、塩素化ゴム、さらに好ましくは塩素化ポリイソプレンを含む。
本発明の特定の好ましい実施形態において、少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが塩素化ゴムを含む場合には、塩素化ゴムは、室温で濃度18.5重量%にてトルエン中で粘度約1〜約40000センチポイズを有する。測定方法は、DIN 53015による方法である。さらに好ましくは、その粘度は、3〜10000センチポイズである。またさらに好ましくは、粘度は、5〜1000センチポイズである。またさらに好ましくは、粘度は、5〜300センチポイズである。最も好ましくは、粘度は、5〜100センチポイズである。
【0020】
本発明の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は一般に、ポリオレフィンに対して1〜75重量%である。本発明の好ましい実施形態において、塩素含有率は、50〜75重量%である。本発明のさらに好ましい実施形態において、塩素含有率は、60〜75重量%である。本発明の最も好ましい実施形態において、塩素含有率は、65〜75重量%である。
【0021】
本発明の特定の好ましい実施形態で使用するのに適している塩素化ポリオレフィンとしては、商品名PERGUT(登録商標)でBayer社から市販されている塩素化ゴムが挙げられる。かかる塩素化ゴムとしては、PERGUT(登録商標)S5、PERGUT(登録商標)S10、PERGUT(登録商標)S20、およびPERGUT(登録商標)S40が挙げられる。
【0022】
少なくとも1種類のエネルギー硬化性モノマー成分および少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンを、本発明の組成物においていずれかの量で合わせることができる。塩素化ポリオレフィンが、モノマー成分中でのその溶解限度の量で、またはその付近の量で存在するような量で、塩素化ポリオレフィンとモノマー成分を合わせることが好ましい。
【0023】
本発明によるコーティング組成物はさらに、アクリル化オリゴマー添加剤、反応性希釈剤、光開始剤、界面活性剤、顔料、その他の接着性向上剤、艶消し剤、安定剤および他の通常の添加剤および助剤を含有し得る。
【0024】
本発明は、基材をコーティングするプロセスも含む。本発明のプロセスに従って、いずれかの基材をコーティングすることができる。本発明の好ましい実施形態において、基材は、低表面エネルギー基材である。40ダイン/cm以下の表面エネルギーを有する基材は、本発明の目的では「低表面エネルギー」とみなされる。いずれかの適切な手段によって、本発明によるコーティング組成物を基材に塗布することができる。紫外線の形態で、または電子ビーム衝撃によって、基材上のコーティング組成物に放射エネルギーを供給することができる。
【0025】
本発明は、以下の具体的な、非制限的な実施例を参照することによって、さらに詳細に説明されるだろう。
【実施例】
【0026】
実施例1〜60において、塩素化ポリオレフィンとエネルギー硬化性モノマーとの60種の異なる混合物を調製し、溶解性について評価した。4種の塩素化ポリオレフィン(すなわち、REROUT(登録商標)S5、PERGUT(登録商標)S20、Eternal 6314−100およびCP 164−1)のそれぞれを異なる3通りの量で(エネルギー硬化性モノマーに対して2、4および10重量%)、5種類の異なるエネルギー硬化性モノマーと合わせた。混合した後、混合物を数時間静置し、混合物の安定性を確保した。溶解性(目に見える沈殿/分離が存在しない)は、表の最後の列に「あり」または「なし」によって示す。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
【表4】

【0031】
濃度10重量%で溶解性を示した混合物、すなわち実施例3、6、9、18、21、24、33、36および39をそれぞれ、付着性について試験した。混合物の試料を低表面エネルギー基材(熱可塑性オレフィン)上に延伸した。紫外線を照射することによって、それぞれの試料コーティングを硬化させた。テープ剥離(tape pull)によって付着性を試験した。実施例3、6、9、18、21および24は優れた付着性を示した。塩素化イソプレンではなく、塩素化ポリエステルをベースとする実施例33、36および39はそれぞれ、優れた溶解性を示したが、湿潤性が乏しく、良い付着性を示さなかった。
【0032】
本発明の広い概念から逸脱することなく、上述の実施形態に変更を加えることができることは、当業者によって理解されるだろう。したがって、本発明は開示される特定の実施形態に制限されないが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内で修正を網羅することが意図されることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分;(b)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィン;を含む、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物であって、前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、前記の少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である、組成物。
【請求項2】
前記の少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が、アクリレートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記の少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が、多官能性アクリレートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記の少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が、ジアクリレートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記の少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が、直鎖状ジアクリレートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記の少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分が、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
単官能性アクリレート接着性向上剤をさらに含む、請求項3に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記接着性向上剤が、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−メチルピロリドンアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールモノメチルエーテルアクリレートおよびその混合物からなる群から選択される、請求項7に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、オレフィンモノマー、ポリオレフィンモノマー、共役ジエンモノマー、ジエンブロックホモポリマーおよびジエンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも1種類の成分を重合し、塩素化することによって製造された塩素化ポリマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、オレフィンモノマー、ポリオレフィンモノマー、共役ジエンモノマー、ジエンブロックホモポリマーおよびジエンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも2種類の成分を重合し、塩素化することによって製造された塩素化コポリマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、共役ジエンモノマーを重合し、塩素化することによって製造された塩素化ポリマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、イソプレンを重合し、塩素化することによって製造された塩素化ポリマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、1つまたは複数のエチレン性不飽和を有する塩素化ポリマーを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、塩素化ゴムを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記塩素化ゴムが、塩素化ポリイソプレンを含む、請求項14に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、室温で濃度18.5重量%にてトルエン中で粘度約1〜約40000センチポイズを有する、請求項14に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、塩素含有率約1〜約70重量%を有する、請求項14に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー中で、少なくとも約5重量%の溶解度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
(a)コーティングされる基材を提供する段階;
(b)(i)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分と、(ii)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンとを含む、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物を提供する段階であって、前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である段階;
(c)基材の少なくとも一部にコーティング組成物を塗布する段階;
(d)コーティングされた基材を放射エネルギーにさらす段階;を含む、基材をコーティングするプロセス。
【請求項20】
前記基材が、低表面エネルギープラスチックを含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項21】
前記放射エネルギーが、紫外線および電子ビーム放射線からなる群から選択される放射線を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項22】
(a)少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー成分;(b)少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィン;を含む、コーティング組成物であって、前記の少なくとも1種類の塩素化ポリオレフィンが、前記の少なくとも1種類のモノマー成分に少なくとも一部可溶性である、コーティング組成物。
【請求項23】
(a)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;(b)前記1,6−ヘキサンジオールジアクリレートに対して約10〜約25重量%の量の塩素化ゴム化合物;を含む、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物であって、前記塩素化ゴムが、塩素化ゴムに対して少なくとも約60重量%の塩素含有率を有する、ラジカル、エネルギー硬化性コーティング組成物。

【公表番号】特表2007−532755(P2007−532755A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508393(P2007−508393)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/011714
【国際公開番号】WO2005/104681
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】