説明

塵芥収集車

【課題】塵芥収容箱に収容された塵芥の重量値を得ることができる塵芥収集車を提供する。
【解決手段】本体収容箱2と、本体収容箱2に連設し積込装置4を内蔵した補助収容箱3とを有する塵芥収容箱Bと、前記塵芥収容箱Bを支持する計量装置1とを有し、前記補助収容箱3に投入された塵芥D1を前記積込装置4により前記本体収容箱2に押込むように構成された塵芥収集車Gにおいて、前記計量装置1が計量した重量値から前記塵芥収容箱Bに収容された塵芥Dの重量値を得る制御装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥を収容して運搬するとともに、収容した塵芥を計量する塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥を収容して運搬する塵芥収集車は特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−49524
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、塵芥の運搬においては塵芥の重量に基づき塵芥を廃棄した者から運搬手数料を徴収するようにしている。しかしながら、前記特許文献1記載の塵芥収集車は、車体に荷重検出器(本願の計量装置に相当)を設け、前記荷重検出器により塵芥を収める容器(本体収容箱)を支持し、前記容器に連設したパッカ(補助収容箱)とパッカ内に設けられた押込装置(積込装置)とを有し、パッカに投入された塵芥を押込装置により容器に積み込むようになっている。そのため、前記荷重検出器は容器やパッカに収容された塵芥そのものの重量を計量することができない。
【0005】
そこで本発明は、塵芥車に収容された塵芥の重量を得ることができる塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1記載の塵芥収集車では、本体収容箱と、本体収容箱に連設し積込装置を内蔵した補助収容箱とを有する塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱を支持する計量装置とを有する塵芥収集車において、計量装置が計量した重量値から前記塵芥収容箱に収容された塵芥の重量値を得る制御装置を備えたことを特徴としている。
これにより、制御装置は、計量装置が計量した重量値から塵芥収容箱に収容された塵芥の重量値を得るため、容易に塵芥収容箱内に収容された塵芥の重量値を知ることができる。
【0007】
請求項2記載の塵芥収集車では、計量操作部を備え、前記制御装置は、計量操作部への操作により積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴としている。これにより、計量する際には計量のための操作により積込装置を停止させた状態で計量するため、塵芥の重量値の精度を向上することができる。
【0008】
請求項3記載の塵芥収集車では、前記積込装置は、サイクル動作により前記補助収容箱に投入された塵芥を塵芥収容箱に収容するように構成され、前記積込装置のサイクル動作の終了位置を検知する検知手段を備え、前記制御装置は、前記積込装置の動作中に前記計量操作部への操作が行われた場合には動作を継続し、前記検知手段が積込装置のサイクル動作の終了位置を検知したときに、積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴としている。これにより、サイクル動作の終了位置で積込装置を停止させた状態で計量するため、塵芥の重量値の精度を向上することができる。
【0009】
請求項4記載の塵芥収集車では、前記制御装置は、計量操作部への操作を受けるとすぐに積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴としている。これにより、積込装置4を直ちに停止し計量するため、計量操作部へ操作を行うとすぐに塵芥の重量値を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
制御装置を、計量装置が計量した重量値から収容された塵芥の重量値を得るようにしたため、容易に塵芥の重量値を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の塵芥収集車の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】本発明の塵芥収集車における押込板、プッシュシリンダおよびプレスシリンダの動作説明図である。
【図3】上記プッシュシリンダおよびプレスシリンダに関する油圧回路図である。
【図4】本発明の塵芥収集車の背面図である。
【図5】計量装置の取付構造を示す要部拡大図である。
【図6】本発明の塵芥収集車の模式図である。
【図7】本発明の塵芥収集車における制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】制御装置において実行される処理を示すフローチャートの一部であり、図9とともに一つのフローチャートを構成している。
【図9】制御装置において実行される処理を示すフローチャートの他部であり、図8とともに一つのフローチャートを構成している。
【図10】本発明の第2の実施形態おける制御装置において実行される処理を示すフローチャートの一部であり、図11とともに一つのフローチャートを構成している。
【図11】第2の実施形態おける制御装置において実行される処理を示すフローチャートの他部であり、図10とともに一つのフローチャートを構成している。
【図12】回転板式の積込装置を備えた塵芥収集車を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0012】
図1は、本発明に係る塵芥収集車Gの第1の実施形態の断面を現したものである。
【0013】
塵芥収集車Gは、車体フレームG1上に設けられた計量装置1を介して搭載された塵芥収容箱Bを備えている。前記塵芥収容箱Bは計量装置1によって支持された本体収容箱2と、前記本体収容箱2の車両後方側に連設された補助収容箱3と、補助収容箱3内に設けられ補助収容箱3内に投入した塵芥を本体収容箱2に積込む積込装置4とを備えている。補助収容箱3の後部には、塵芥が投入される投入口3aが設けられており、該投入口3aを開閉するカバー3bが設けられている。
【0014】
前記積込装置4はスライダ41と、スライダ41にピン43aを介して回動可能に設けられた押込板43とを備えている。補助収容箱3の左右一対の両側壁3cには、斜め上下方向に延びるガイドレール45が設けられており、前記スライダ41の左右両側面に設けられた上下一対のローラ41aを案内し、スライダ41を斜め上下方向に移動することができるようになっている。
【0015】
スライダ41を上下移動させるプッシュシリンダ5のシリンダ側端部はピン5aにより両側壁3cに取り付けられており、ピストン側端部はピン5bによりスライダ41の上部に取り付けられている。そして、押込板43を車両前後方向に回動させるプレスシリンダ6のシリンダ側端部はピン6aにより押込板43に取り付けられており、ピストン側端部はピン6bによりスライダ41に取り付けられている。スライダ41は押込板43と共に、プッシュシリンダ5の伸長動作により斜め上方に上昇し、収縮動作により斜め下方に下降する。また、押込板43は、プレスシリンダ6の伸長動作によりピン43aを中心として時計回り方向に回動し、収縮動作により反時計回り方向に回動する。
【0016】
図2の(a)は、図1から押込板43、プッシュシリンダ5およびプレスシリンダ6のみを抜き出した動作説明図である(但し、図面を見やすくするため、プッシュシリンダ5の位置を少しずらして表している)。押込板43は、(a)に示す押込板43の先端部43bが位置する押込終了位置Pを原位置として、プレスシリンダ6が収縮動作することにより押込板43が反時計回り方向に回動し(反転行程)、(b)に示す状態となる。次に押込板43は、プッシュシリンダ5が収縮動作することによりスライダ41と共に下降し(一次圧縮行程)、(d)に示す状態となる。続いて押込板43は、プレスシリンダ6が伸長動作することにより時計回り方向に回動し(二次圧縮行程)、(c)に示す状態となる。最後に押込板43は、プッシュシリンダ5が伸長動作することによりスライダ41と共に上昇し(押込行程)、先端部43bが(a)に示す押込終了位置Pに位置する状態に戻る。このようにしてプッシュシリンダ5及びプレスシリンダ6が交互に動作することにより、押込板43は1サイクルの行程動作を行う。押込板43の先端部43bは、図示のように動作軌跡が4点を結ぶ閉じた形状を描く。
【0017】
上記プッシュシリンダ5及びプレスシリンダ6の近傍には、それらの伸縮動作が伸長端および収縮端に達したことをそれぞれ検知する近接スイッチLS1,LS2,LS3,LS4が設けられている。第1近接スイッチLS1は、プッシュシリンダ5の動作が伸長端に達したことを検知する。第2近接スイッチLS2は、プレスシリンダ6に取り付けられたドグ6cを検知することにより、その動作が収縮端に達したことを検知する。第3近接スイッチLS3は、プッシュシリンダ5の動作が収縮端に達したことを検知する。そして、第4近接スイッチLS4は、ドグ6cを検知することによりプレスシリンダ6の動作が伸長端に達したことを検知する。第1近接スイッチLS1は押込終了位置を検知するとともに、サイクル動作の終了位置を検知する検知手段を兼用している。なお第1近接スイッチLS1及び第3近接スイッチLS3は補助収容箱3に固定されており、第2近接スイッチLS2及び第4近接スイッチLS4はスライダ41に取り付けられており、プッシュシリンダ5の伸縮動作に伴って移動する。
【0018】
図3は、塵芥収集車Gの油圧回路を示している。当該油圧回路は、タンク71、油圧ポンプ72、背圧弁73、プッシュシリンダ用電磁弁74a、プレスシリンダ用電磁弁74b、リリーフ弁75a,75b、減圧弁76、逆止弁77a,77b,77c,77d、及びフィルタ78a,78bを図示のように接続して構成されている。押込板43が原位置(図2(a))に停止しているとき、各シリンダ5,6は伸長状態にあり、各電磁弁74a,74bは中立位置にある。
【0019】
前述の1サイクルの行程動作を油圧回路構成要素の動作として説明すると、プレスシリンダ用電磁弁74bのソレノイド74b1が励磁されると、プレスシリンダ6はポート6sに油圧が供給されることにより収縮動作し、押込板43が反時計回りに回動し、反転行程が行われる。第2近接スイッチの検知により反転行程が終了したことを検知するとソレノイド74b1が消磁され、プレスシリンダ用電磁弁74bは中立位置に戻り、プレスシリンダ6の両ポート6e,6sは封止された状態となる。次に、プッシュシリンダ用電磁弁74aのソレノイド74a1が励磁されると、プッシュシリンダ5はポート5sに油圧が供給されることにより収縮動作し、一次圧縮行程が行われる。第3近接スイッチの検知により一次圧縮行程の終了が検知されると、ソレノイド74a1は消磁され、プッシュシリンダ用電磁弁74aは中立位置に戻り、プッシュシリンダ5の両ポート5e,5sは封止された状態となる。
【0020】
続いて、プレスシリンダ用電磁弁74bのソレノイド74b2が励磁されると、プレスシリンダ6はポート6eに油圧が供給されることにより伸長動作し、二次圧縮の動作が行われる。第4近接スイッチLS4の検知による二次圧縮の終了後、ソレノイド74b2は消磁され、プレスシリンダ用電磁弁74bは中立位置に戻り、再びプレスシリンダ6の両ポート6e,6sは封止された状態となる。最後に、プッシュシリンダ用電磁弁74aのソレノイド74a2が励磁されると、プッシュシリンダ5のポート5eに油圧が供給されることにより伸長動作し、押込行程が行われる。第1近接スイッチLS1が押込行程の完了を検知すると、ソレノイド74a2は消磁され、プッシュシリンダ用電磁弁74aは中立位置に戻り、プッシュシリンダ5の両ポート5e,5sは封止された状態となる。
【0021】
図4は塵芥収集車Gの車両後方から見た図である。図4において、補助収容箱3の左右両側壁3cの後部には、それぞれスイッチボックスSB1,SB2が設けられている。スイッチボックスSB1の側面には、押込板43の動作として「連続サイクル」または「単サイクル」のどちらかの動作モードに選択する操作指令を出力するための動作選択スイッチ91が、正面には上記各動作モードで動作を開始させる操作指令を出力するための開始スイッチ92、連続サイクル動作を押込板43が上記押込終了位置で停止させる操作指令を出力する停止操作手段としての停止スイッチ93がそれぞれ設けられている。
【0022】
スイッチボックスSB2には前記計量装置1にて計量する操作指令を出力するための計量操作部としての計量スイッチ94と、前部ロードセル11および後部ロードセル,12をリセットする操作指令を出力するためのリセットスイッチ95と、前後部ロードセルにより計量した重量値を表示するための表示部96とが設けられている。
【0023】
図5は前部ロードセル11および後部ロードセル12の取り付け構造を示している。図6において、前部ロードセル11および後部ロードセル12は、軸方向を水平方向にしてボルト81により台座部82を介して車体フレームG1に固定されている。前部ロードセル11および後部ロードセル12の自由端側である小径部11a,12aは、球面軸受け83を介して主桁2aに固定されたブラケット84に取り付けられている。これにより、前部ロードセル11及び後部ロードセル12は片持ち状態(片持ち梁の状態)で車体フレームG1に支持され、自由端側において径方向(車両上下方向)に作用する塵芥収容箱Bの荷重により微小な曲げ変形を生じ、応荷重信号(荷重に応じた電圧値)をケーブル11b,12bから出力する。
【0024】
図6は図1を模式的に表した図である。車体フレームG1と、本体収容箱2の底面に固定されている主桁2aとの間には塵芥収容箱Bを支持する計量装置1が設けられている。車体フレームG1は車両前後方向に延びた左右一対のフレームからなっている。前記計量装置1は前記車体フレームG1の前側に設けられた左右一対の前部ロードセル11と、車体フレームG1の後部に設けられた左右一対の後部ロードセル12とを備えている。前部ロードセル11及び後部ロードセル12はビーム(梁)型の計量装置である。これにより、計量装置1は塵芥収容箱B及び収容された塵芥Dの重量を計量することができる。なお、塵芥収容箱Bは本体収容箱2、補助収容箱3及び積込装置4のみを指すのではなく、前記スイッチボックスSB1,SB2や必要により塵芥収容箱Bに設けられた工具箱(図示せず)など、塵芥収容箱Bに設けられることにより計量装置により間接的に支持されているものを含む。また、前部ロードセル11及び後部ロードセル12は、塵芥収容箱と、塵芥収容箱Bに収容された塵芥D(塵芥収容箱Bに投入された塵芥D1と積込装置4により塵芥収容箱B内に押込まれた塵芥D2)とを合計した重量を計量する。
【0025】
図7は、塵芥収集車Gの制御の構成を示すブロック図である。制御装置100はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の一部であって、CPU101や記憶部102等を有する。前述の第1〜第4近接スイッチLS1〜LS4の出力は、前記制御装置100に入力される。また、スイッチボックスSB1の動作選択スイッチ91、開始スイッチ92および停止スイッチ93の操作指令と、スイッチボックスSB2の計量スイッチ94及びリセットスイッチ95の操作指令とが制御装置100に入力される。プッシュシリンダ用電磁弁74aおよびプレスシリンダ用電磁弁74bの各ソレノイド74a1,74a2,74b1,74b2は、制御装置100によって励磁される。前部ロードセル11および後部ロードセル12の出力は、制御装置100に入力される。制御装置100は、内部に、前部ロードセル11および後部ロードセル,12によって計量された重量値のデータを記憶する記憶部102を備えている。前記記憶部102は、塵芥Dを収容していない状態の塵芥収容箱Bの重量値を記憶する収容箱重量記憶手段と、収容された塵芥Dの重量値を記憶する塵芥重量記憶手段と、計量スイッチへの操作が行われたか否かを記憶する操作記憶手段との機能を発揮している。スイッチボックスSB2の表示部96には制御装置100の記憶部102に記憶されている重量値(収容された塵芥Dの重量値)が制御装置によって表示される。なお、塵芥収容箱Bの重量値は、塵芥Dを収容していない状態(例えば収集作業が完了し、ごみ処分場で排出作業が完了した状態)で図示しない記憶スイッチの操作により前後部ロードセルにて重量値を計量し、記憶部102の収容箱重量記憶手段に記憶する。
【0026】
制御装置100側から見た全体的動作について、図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。なお、図8及び図9に丸で囲んだ文字A,Bはそれぞれ同じ記号同士で繋がっている。
【0027】
図示しないメインスイッチがONに操作されることにより処理が開始される。図8において、処理開始により制御装置100のCPU101(以下単にCPU101という)は、開始スイッチ92がONになるのを待ち(ステップS1)、ONになると操作記憶手段にOFFを記憶させた後(ステップS2)、プレスシリンダ6が収縮する方向にプレスシリンダ用電磁弁74bを励磁して押込板43の反転行程を開始させる(ステップS3)。押込板43の反転行程中に計量スイッチ94への操作が行われた場合には(ステップS4のYES)、記憶部102の操作記憶手段にONを記憶させる(ステップS5)。なお、押込板43の動作中に計量スイッチ94への操作が行われていない場合には(ステップS4のNO)、操作記憶手段はOFFを記憶したまま処理を続行する。そして、制御装置100は第2近接スイッチLS2がONになるまで反転行程を継続する(ステップS3〜S6の繰り返し)。第2近接スイッチLS2がONになると、CPU101は反転動作を停止させる(ステップS7)。続いてCPU101は、プッシュシリンダ5が収縮する方向にプッシュシリンダ用電磁弁74aを励磁して押込板43に一次圧縮の行程を行わせる(ステップS8)。そして、押込板43の一次圧縮行程中に計量スイッチ94への操作が行われた場合には(ステップS9のYES)、記憶部102の操作記憶手段にONを記憶させ(ステップS10)、第3近接スイッチLS3がONになるまで反転行程を継続する(ステップS8〜S11の繰り返し)。第3近接スイッチLS3がONになると、CPU101は一次圧縮動作を停止させる(ステップS12)。
【0028】
次にCPU101は、プレスシリンダ6が伸長する方向にプレスシリンダ用電磁弁74bを励磁して押込板43の二次圧縮行程を開始させ(ステップS13)、押込板43の二次圧縮行程中に計量スイッチ94への操作が行われた場合には(ステップS14のYES)、記憶部102の操作記憶手段にONを記憶させ(ステップS15)、第4近接スイッチLS4がONになるまで二次圧縮行程を継続する(ステップS13〜S16の繰り返し)。第4近接スイッチLS4がONになると、CPU101は二次圧縮動作を停止させる(ステップS17)。続いてCPU101は、プッシュシリンダ5が伸長する方向にプッシュシリンダ用電磁弁74aを励磁して押込板43に押込の行程を行わせ(ステップS18)、押込板43の押込行程中に計量スイッチ94への操作が行われた場合には(ステップS19のYES)、記憶部102の操作記憶手段にONを記憶させ(ステップS20)、第1近接スイッチLS1がONになるまで押込行程を継続する(ステップS18,S21の繰り返し)。第1近接スイッチLS1がONになると、CPU101は押込み動作を停止させる(ステップS22)。
【0029】
続いてCPU101は、操作記憶手段がONであるか否かを判断することにより、押込板43の動作中に計量スイッチ94への操作が行われたか否かを判断する(ステップS23)。操作記憶手段がONの場合には(ステップS23のYES)、ステップS24に移動する。ステップS24において、CPU101は、前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値を取得する。次に、CPU101は記憶部102に記憶された塵芥収容箱Bの重量値を取得して前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値から塵芥収容箱Bの重量値を減算する(ステップS25)。これにより塵芥収容箱Bに収容された塵芥Dの重量値を得ることができる。その後、CPU101はステップS16で得られた塵芥Dの重量値を制御装置100の記憶部102に記憶するとともに、スイッチボックスSB2の表示部96に表示する(ステップS26)。
【0030】
ステップS23において操作記憶手段がOFFの場合にはステップS27に移動し、動作選択スイッチ91からの指令が「単サイクル」か否かを判断する。「単サイクル」と指令されている場合には、制御を終了する。「連続サイクル」と指令されている場合には停止スイッチ93がONか否かを判断し(ステップS28)、ONの場合には動作を終了する。ステップS19において停止スイッチが押されていない場合には(ステップS28のNO)、ステップS3に戻り押込板43の反転動作をふたたび開始する。
【0031】
このように、制御装置100は前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値から塵芥収容箱Bの重量値を減算するため、塵芥収容箱Bに収容された塵芥Dそのものの重量値を得ることができる。また、前部ロードセル11および後部ロードセル,12は本体収容箱2を直接支持しつつ、本体収容箱2に支持された補助収容箱3及び補助収容箱3内に設けられた積込装置4を支持している。したがって、補助収容箱3に投入された塵芥D1を、積込装置4により本体収容箱2に押込む際、積込装置が掻きあげずに補助収容箱に残っている塵芥D1の重量値や、本体収容箱から押し返されて補助収容箱に戻ってしまった塵芥D1の重量値もあわせて計量することができる。
また、計量スイッチ94の操作が行われると押込板43の動作が停止してから、前部ロードセル11および後部ロードセル,12により重量値を計量するようにしたため(ステップS15)、積込装置4の動作により生じる振動により計量する重量値の精度が低下してしまうことを防止することができる。そして、押込板の停止操作を計量スイッチ94に連動しているため、操作を簡素化することができる。
【0032】
さらに、計量スイッチ94を操作した際には押込板43の動作を継続し、サイクル動作の終了位置に達したことを検知してから前部ロードセル11および後部ロードセル12により重量値を計量するようにしたので、車両の走行時に本体収容箱に収容された塵芥D2が再び補助収容箱に落下することを防止するため、本体収容箱を閉鎖する位置まで押込板をふたたび動作させる必要がなく、重量値の計量が終了すると塵芥Dの収容作業を完了することができる。
【0033】
図10、図11は本発明の第2の実施形態の制御装置が処理するフローチャートを示している。なお、塵芥収集車Gのハードウェア構成は第1の実施形態と同一であり、その説明を省略するとともに符号を統一して表記している。
【0034】
制御装置100側から見た全体的動作について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。なお、図10及び図11にまるで囲んだ文字A,B,Cはそれぞれ同じ記号同士で繋がっている。
【0035】
図示しないメインスイッチがONに操作されることにより処理が開始される。図10において、処理開始により制御装置100のCPU101(以下単にCPU101という)は、開始スイッチ92がONになるのを待ち(ステップS101)、ONになるとプレスシリンダ6が収縮する方向にプレスシリンダ用電磁弁74bを励磁して押込板43の反転行程を開始させる(ステップS102)。反転行程中に計量スイッチ94がONになると(ステップS103のYes)、電磁弁74bを消磁させることにより反転行程を終了させ(ステップS104)、ステップS125に移動する。計量スイッチ94への操作が行われていない場合には(ステップS103のNo)、第2近接スイッチLS2がONになるまで反転行程を継続する(ステップS102,S103,S105の繰り返し)。第2近接スイッチLS2がONになると、CPU101は反転動作を停止させる(ステップS106)。続いてCPU101は、プッシュシリンダ5が収縮する方向にプッシュシリンダ用電磁弁74aを励磁して押込板43に一次圧縮の行程を行わせる(ステップS107)。一次圧縮行程中に計量スイッチ94がONになると(ステップS108のYes)、電磁弁74aを消磁させることにより一次圧縮行程を終了させ(ステップS109)、ステップS125に移動する。一次圧縮行程中に計量スイッチ94への操作が行われていない場合には(ステップS108のNo)、第3近接スイッチLS3がONになるまで一次圧縮行程を継続する(ステップS107,S108,S110の繰り返し)。第3近接スイッチLS3がONになると、CPU101は一次圧縮動作を停止させる(ステップS111)。
【0036】
次にCPU101は、プレスシリンダ6が伸長する方向にプレスシリンダ用電磁弁74bを励磁して押込板43の二次圧縮行程を開始させる(ステップS112)。二次圧縮行程中に計量スイッチ94がONになると(ステップS113のYes)、電磁弁74bを消磁させることにより反転行程を終了させ(ステップS114)、ステップS125に移動する。計量スイッチ94への操作が行われていない場合には(ステップS113のNo)、第4近接スイッチLS4がONになるまで二次圧縮行程を継続する(ステップS112,S113,S115の繰り返し)。第4近接スイッチLS4がONになると、CPU101は二次圧縮動作を停止させる(ステップS116)。続いてCPU101は、プッシュシリンダ5が伸長する方向にプッシュシリンダ用電磁弁74aを励磁して押込板43に押込の行程を行わせる(ステップS117)。押込行程中に計量スイッチ94がONになると(ステップS118のYes)、電磁弁74aを消磁させることにより押込行程を終了させ(ステップS119)、ステップS125に移動する。押込行程中に計量スイッチ94への操作が行われていない場合には(ステップS118のNo)、第1近接スイッチLS1がONになるまで押込行程を継続する(ステップS117,S118,S120の繰り返し)。第1近接スイッチLS1がONになると、CPU101は押込み動作を停止させる(ステップS121)。
【0037】
続いてCPU101は、動作選択スイッチ91からの指令が「単サイクル」か否かを判断する(ステップS122)。「単サイクル」と指令されている場合には、ステップS124に移動する。「連続サイクル」と指令されている場合には停止スイッチ93がONか否かを判断し(ステップS123)、ONの場合にはステップS124に進む。ステップS123において停止スイッチが押されていない場合には(ステップS123のNo)、ステップS102に戻り押込板43の反転動作をふたたび開始する。
【0038】
CPU101は、計量スイッチ94への操作が行われたか否かを判断し(ステップS124)、計量スイッチ94への操作が行われていた場合にはステップS125に移動する(ステップS124のYes)。ステップS125において、CPU101は、前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値を取得する。次に、CPU101は記憶部102に記憶された塵芥収容箱Bの重量値を取得して前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値から塵芥収容箱Bの重量値を減算する(ステップS126)。これにより塵芥収容箱Bに収容された塵芥Dの重量値を得ることができる。その後、CPU101はステップS126で得られた塵芥Dの重量値を制御装置100の記憶部102に記憶するとともに、スイッチボックスSB2の表示部96に表示する(ステップS127)。
【0039】
このように、第1の実施形態と同様に制御装置100は前部ロードセル11および後部ロードセル,12が計量した重量値から塵芥収容箱Bの重量値を減算するため、塵芥収容箱Bに収容された塵芥Dそのものの重量値を得ることができる。また、前部ロードセル11および後部ロードセル,12は本体収容箱2を直接支持しつつ、本体収容箱2に支持された補助収容箱3及び補助収容箱3内に設けられた積込装置4を支持している。したがって、補助収容箱3に投入された塵芥D1を、積込装置4により本体収容箱2に押込む際、積込装置が掻きあげずに補助収容箱に残っている塵芥D1の重量値や、本体収容箱から押し返されて補助収容箱に戻ってしまった塵芥D1の重量値もあわせて計量することができる。
また、計量スイッチ94の操作が行われると直ちに押込板43の動作を停止させ(ステップS104,S109,S114,S119)、その後、前部ロードセル11および後部ロードセル,12により重量値を計量するようにしたため、積込装置4の動作により生じる振動により計量する重量値の精度が低下してしまうことを防止することができる。また、積込装置4を直ちに停止し計量するため、計量操作部へ操作を行うとすぐに塵芥Dの重量値を得ることができる。そして、押込板の停止操作を計量スイッチ94に連動しているため、操作を簡素化することができる。
【0040】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。第1の実施形態においてサイクル動作が終了するまで動作を継続し、サイクル動作の終了位置を検知してから塵芥Dの重量値を得るように構成しているが、各行程が終了したことを検知するLS1〜LS4の検知により各行程が終了すると押込板43の動作を停止させ、計量装置1による計量及び制御装置による演算を行なうことで収容された塵芥Dの重量値を得るように制御してもよい。また、第2の実施形態において、計量スイッチ94の操作が行われるとすぐに押込板43の動作を停止するように構成しているが、一定時間経過するのを待った後に押込板を停止し、塵芥Dの重量値を得るように制御してもよい。
また、上記各実施形態では、押込板43を停止するとすぐに計量装置1による計量を行うように構成しているが、押込板43を停止し一定時間経過するのを待った後に計量装置1による計量を行うように制御してもよい。このとき、押込板43の動作による塵芥収集車の揺れが小さくなるのを待って計量装置1により計量するため、さらに精度良く計量することができる。
【0041】
上記各実施形態では、積込装置4を押込板43により塵芥を積込むプレス式の積込装置で説明したが、図12に示すように回転板46の回転軸46a回りの回動と、押込板47のピン47aを中心とした揺動との協動により積み込む回転板式の積込装置でもよい。当該回転板式の積込装置は、原位置(図12の実線で示した姿勢)から回転板46を時計回り方向に回動させ、回転板46が12時の位置に至ると押込板47を図12の一点鎖線で示した姿勢まで後方揺動し、回転板46が9時の位置に至ると回転板46を停止し、押込板47を図12の実線で示した姿勢まで前方揺動することによりサイクル動作を行い、補助収容箱3内の塵芥を掻上げながら本体収容箱2に押込むように構成されている。このとき、計量スイッチを操作した際、原位置までサイクル動作させた後に停止させ、計量装置による計量及び制御装置による演算を行なうことで収容された塵芥Dの重量値を得るように制御してもよく、計量スイッチの操作が行われた後、直ちに積込装置を停止させて収容された塵芥Dの重量値を得るように制御してもよい。
また、上記各実施形態では、近接スイッチLS1〜LS4の検知により各行程の終了を検知しているが、これに替えて、上記PLCに備えられているタイマにより各行程の所要時間が経過したことを検知し終了するようにしても良い。
【符号の説明】
【0042】
G 塵芥収集車
1 計量装置
B 塵芥収容箱
2 本体収容箱
3 補助収容箱
4 積込装置
100 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体収容箱と、本体収容箱に連設し積込装置を内蔵した補助収容箱とを有する塵芥収容箱と、前記塵芥収容箱を支持する計量装置とを有する塵芥収集車において、
計量装置が計量した重量値から前記塵芥収容箱に収容された塵芥の重量値を得る制御装置を備えたことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記制御装置は、計量操作部への操作を受けると積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴とする請求項1記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記積込装置は、サイクル動作により前記補助収容箱に投入された塵芥を本体収容箱に収容するように構成され、
前記積込装置のサイクル動作の終了位置を検知する検知手段を備え、
前記制御装置は、前記積込装置の動作中に前記計量操作部への操作が行われた場合には動作を継続し、前記検知手段が積込装置のサイクル動作の終了位置を検知したときに、積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴とする請求項2記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記制御装置は、計量操作部への操作を受けるとすぐに積込装置を停止させた後に塵芥の重量値を得ることを特徴とする請求項2記載の塵芥収集車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−241553(P2010−241553A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91769(P2009−91769)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【Fターム(参考)】