塵芥計量システムを備えた塵芥収集車、並びにこの塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システム
【課題】ICタグの情報を読み取る工程と、塵芥の質量を測定する工程とを同時に行うようにすることで、塵芥収集の時間を短縮して効率良く塵芥を収集することのできる塵芥計量システムを備えた塵芥収集車を提供する。
【解決手段】投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台6が底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台6もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグ8に書き込まれた情報を読取る読取り器7が設けられ、計測台6上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグ8の情報の読み取りとを行うように構成されている。
【解決手段】投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台6が底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台6もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグ8に書き込まれた情報を読取る読取り器7が設けられ、計測台6上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグ8の情報の読み取りとを行うように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車の塵芥計量システム、並びにこの塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥容器に収容された塵芥を塵芥収集車に投入する際に、塵芥容器に予め取付けられたICタグの情報を読取るとともに、投入する塵芥の質量を計測し、これによって塵芥の投入量(利用者が排出する量)に応じた課金収集を行うようにした計測システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3102616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来のような塵芥収集車における計測システムでは、ICタグに書き込んだ情報を読取る工程と、塵芥の質量を計測する工程とが別々であることから、各工程でそれに必要な時間がそれぞれかかり、このためこのようなシステムを採用していない収集に比べて収集に要する時間が大幅に長くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、課金収集を行う上でICタグの情報を読み取る工程と、塵芥の質量を測定する工程とを同時に行うようにすることで、塵芥収集の時間を短縮して効率良く塵芥を収集することのできる塵芥計量システムを備えた塵芥収集車、並びにこの塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、車体上に搭載された塵芥収容箱の後面開口部に塵芥投入箱が傾動自在に設けられ、この塵芥投入箱には、その後面に投入口が形成されるとともに、内部に積込装置が設けられ、投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、前記塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台が上記底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグに書き込まれた情報を読取る読取り器が設けられ、上記計測台上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグの情報とを読み取るように構成されたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記計測台の上面には、塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記計測台の上面適所には、当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の左右両側に読取り器が設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の下部で車両後端より突出しない位置に、読取り器が設けられたものである。
【0010】
請求項6に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の下端縁には、前記積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、前記読取り器が上記安全バーに配設されたものである。
【0011】
請求項7に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムは、請求項1、2、3、4、5又は6記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムであって、塵芥収集車にはGPSが搭載され、前記計測台による塵芥質量情報と読取り器による各種情報とともに、GPSによる塵芥収集車の位置情報を管理するようになされたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、計測台に塵芥容器を載置するだけで、塵芥の質量測定と、計測台もしくは計測台の近傍に設けた読取り器によるICタグの情報読取りとを同時に行うことができるため、これらに要する時間を大幅に短縮することができ、これによって各収集場において効率良く塵芥を収集することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、計測台の上面に塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されていることから、計測台上での塵芥容器の位置が決まっているので、確実に情報を読み取ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、計測台の上面適所に当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことで、ICタグを塵芥容器の底面に設ければよく、これによりICタグの破損や劣化を少なくすることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、投入口の左右両側に読取り器が設けられているので、複数個の塵芥容器からの情報を同時に読み取ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、投入口の下部で車両後端より突出しない位置に読取り器が設けられているので、この読取り器の破損や劣化を少なくすることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、投入口の下端縁に積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、読取り器が上記安全バーに配設されているので、装置全体をコンパクトに納めることができる。
【0018】
請求項7に係る発明によれば、GPSを塵芥収集車に搭載して各種情報に加えて車両の位置情報も基地局で管理することで、詳細な運行管理データを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の全体構成を示している。
【0021】
図1において、1は塵芥収集車で、車体1a上に塵芥収容箱2が載置されている。この塵芥収容箱2の後方開口部21には、その上方で枢支31された塵芥投入箱3が連接されている。この塵芥投入箱3は、塵芥収容箱2と塵芥投入箱3との間に装設された傾動シリンダ(図示省略)により枢支31を以て上方に傾動自在に構成されている。
【0022】
さらに、塵芥投入箱3の後部には投入口32が開口されるとともに、その内部には積込装置4が装備されている。
【0023】
この積込装置4は、塵芥投入箱3内の塵芥を圧縮して塵芥収容箱2内に詰め込んで回収するもので、以下、この積込装置4の構成について説明する。
【0024】
塵芥投入箱3の両側壁には溝型鋼で形成された案内溝部材33が補強枠を兼ねて前方上部より後方下部に向かって敷設されている。
【0025】
また、塵芥投入箱3内にはその横幅一杯に広がる摺動板41が収容され、この摺動板41の両側縁の上下には案内ローラ42が軸着され、これらの案内ローラ42は前記案内溝部材33の内壁に沿って摺動自在に嵌合されている。
【0026】
前記摺動板41の背面上部にはブラケットを介して枢軸43が軸支されており、この枢軸43は前記案内溝部材33の背面に沿うとともに、摺動板41の摺動距離に合致して塵芥投入箱3の側壁に形成された図示しない切欠きを越えて塵芥投入箱3の外側に突出するようになっている。
【0027】
そして、塵芥投入箱3の側壁を越えて外側に突出した枢軸43と塵芥投入箱3の下部間には、塵芥投入箱3の外側に設けられる昇降シリンダ45が案内溝部材33の傾斜方向に沿って、かつ、その上方に偏位して連結され、この昇降シリンダ45の伸縮作動によって摺動板41(即ち、後述する圧縮板46)を案内溝部材33に沿って斜め上下に往復移動(昇降)させることができる。
【0028】
また、前記摺動板41の下端には、塵芥投入箱3の横幅一杯に広がる圧縮板46が前後に揺動自在に軸支されている。
【0029】
前記圧縮板46の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。そして、前記圧縮板46の背面に突設した突片47と前記摺動板41の背面上部に設けられた枢軸43間には、揺動シリンダ48が連結され、この揺動シリンダ48の伸縮作動によって前記圧縮板46を前後に揺動させることができる。
【0030】
前記圧縮板46の前面には、後述する圧縮工程において塵芥をより強固に圧縮するための圧縮部材49が設けられている。
【0031】
一方、塵芥収容箱2の底面下方には基端が枢支された固縛シリンダ5が配設されており、その先端が塵芥収容箱2の後端下部に枢支した固縛爪51に連結されている。そして、通常は固縛シリンダ5を介して固縛爪51を塵芥投入箱3の前面に固設したUボルト52に係合させることによって、塵芥投入箱3を塵芥収容箱2側に固縛している。
【0032】
さらに、前記塵芥収容箱2内には排出板35が前後方向に摺動自在に配設されている。排出板35は、塵芥収容箱2の横幅及び上下高さと略同じ大きさに形成された板状体であり、図示しない排出シリンダの伸縮動作により塵芥収容箱2内を前後に摺動するように構成されている。
【0033】
次に、このように構成された積込装置4による塵芥の積込動作について説明する。
【0034】
まず、図1に示すように昇降シリンダ45及び揺動シリンダ48が共に伸長した状態で揺動シリンダ48を縮退作動させて圧縮板46を塵芥投入箱3内の上部において後方に揺動させる(反転工程:図2(a)→(b)参照)。
【0035】
続いて、昇降シリンダ45を縮退作動させることで、摺動板41を介して圧縮板46を塵芥投入箱3内において下降させる(下降工程:図2(b)→(c)参照)。
【0036】
この後に、揺動シリンダ48を伸長作動させることで、圧縮板46を塵芥投入箱3内の底部において前方に揺動させ、これにより投入口32から塵芥投入箱3内に投入した塵芥を当該塵芥投入箱3の底部において圧縮する(圧縮工程:図2(c)→(d)参照)。
【0037】
そして、次に昇降シリンダ45を伸長作動させることで、摺動板41を介して圧縮板46を塵芥投入箱3内において上昇させて上記圧縮した塵芥を塵芥収容箱2に詰め込む(上昇工程:図2(d)→(a)参照)。
【0038】
従って、上述した動作を1サイクルとして積込装置4を作動させることで、塵芥を塵芥収容箱2に順次詰め込んで行く。
【0039】
ところで、このようにして塵芥を収集する塵芥収集車において、塵芥投入箱3の底部には計測台6が設けられている。この計測台6は、その上面に塵芥を収容した塵芥容器A(図7参照)を載置することで塵芥を含む塵芥容器の質量を計測するものであり、図3及び図4に示すように塵芥投入箱3の底部に連設されたカバー材61内に前後にスライド自在に設けられている。
【0040】
具体的には、背面から見てU字状に形成されたカバー材61の左右両側面には前後方向にスライドレール62が設けられており、このスライドレール62に沿ってスライド台63が前後にスライド自在に設けられている。そして、スライド台63上に計測台6が載置されており、スライド台63を介して計測台6を前後にスライドさせることで、計測台6をカバー材61内に収容して塵芥投入箱3の底部下方に格納する格納位置と、カバー材61から後方に引き出して塵芥投入箱3の底部下方から後方に突出配置する計測位置とに配置するようにしている。そして、これら各位置に配置された計測台6は、適宜な固縛装置64によって当該各位置で安定的な状態で固縛保持されるようになされている。
【0041】
また、上記計測台6の上面である載置面6aには、図5及び図6に示すように適数個(図示例では2個)凹部65が車両の幅方向に所定間隔を隔て形成されている。各凹部65は、質量計測の際に当該凹部65内に塵芥容器Aの底部を挿入配置するためのもので、塵芥容器Aの大きさに合わせて形成されている。この凹部65の周面には、読取り器7が例えば等間隔で4カ所に設けられている。これら読取り器7は、図7に示す塵芥容器Aに取付けられたICタグ8に書き込まれた情報を読取るためのものである。従って、ICタグ8は、読取り器7に対応するように塵芥容器Aの底部周面適所に取付けられている。
【0042】
このように凹部65に複数の読取り器7を配置したことで、塵芥容器Aを凹部65内に載置すればいずれかの読取り器7によってICタグ8の情報を読取ることができる。なお、読取り器7の数は、当該読取り器7の精度に応じて適宜に決定すればよい。
【0043】
また、ICタグ8には、利用者(塵芥排出者)や収集地区などの他、塵芥の種類や塵芥容器Aの種別など後述する管理に必要な情報が予め書き込まれている。
【0044】
従って、塵芥収集車1に塵芥を投入する際には、計測位置に配置した計測台6の凹部65内に塵芥容器Aを載置することで、塵芥容器Aの質量測定とICタグ8の情報の読み取りとを同時に行い、この後に塵芥容器A内の塵芥を投入口32を通じて塵芥投入箱3内に投入すればよい。
【0045】
図8は、上記計測した質量とICタグの情報に基づいて処理する塵芥計測システムの制御系を示すブロック図である。
【0046】
計測台6で計測された塵芥を収容した塵芥容器Aの質量、並びに読取り器7で読み取ったICタグ8の情報は制御装置9の処理部91に入力され、処理部91ではICタグ8の情報に基づいて塵芥容器A内の塵芥の質量を算出する。即ち、ICタグ8の情報のうち塵芥容器Aの種別から当該塵芥容器A自体の質量を予めメモリ92に記録しているデータから割り出し、計測した質量から塵芥容器A自体の質量を減算することで算出する。
【0047】
そして、算出した塵芥の質量とともに、読み込んだICタグ8の利用者情報、塵芥の種類(例えば不燃物か可燃物などの種類)や投入した日時などをメモリ92に記録する。また、必要に応じてはこれら情報をプリンタ93によってプリントアウトする。
【0048】
なお、制御装置9やプリンタ93などは例えば運転席内に設けている。
【0049】
このように計測台6の凹部65内に塵芥容器Aを載置するだけで、塵芥の質量測定とICタグ8の情報読取りとを同時に行うことができるため、これらに要する時間を大幅に短縮することができ、これによって各収集場において効率良く塵芥を収集することができるとともに、得られた投入塵芥の質量などの各情報に基づいて課金収集を行うことができる。
【0050】
なお、塵芥の種類は、塵芥の種類ごとの収集日が決まっている場合には日時からでも判別可能である。つまり、塵芥の種類ごとの収集日を予めメモリ92に記録しておくことで、ICタグ8に書き込まなくても判別することができる。
【0051】
また、上述のようにしてメモリ92に記録した塵芥投入時に得られた塵芥の質量などの情報を基地局95で一括管理することで、例えばこれからの各塵芥収集車の運行スケジュールの設定などの運行管理に寄与することができる。
【0052】
この場合、塵芥投入時に得られた上述した各情報を基地局95で管理するには、磁気ディスク系や光ディスク系などの記録媒体を用いて行ってもよいし、図8に示すように前記制御装置9から基地局95へ発信器94を通じて送信するようにしてもよい。
【0053】
さらに、GPSを各塵芥収集車に搭載して上記した各種情報に加えて車両の位置情報も基地局95で管理することでさらに細かな運行管理データを得ることができる。
【0054】
図9は、読取り器を配置する他の例を示している。
【0055】
図9に示す読取り器7は、計測台6の上面に略面一となるように埋設する形で車両の幅方向に所定間隔を隔てて複数個設けたものであり、ICタグ8はこれに対応して塵芥容器の底面に設ければよい。
【0056】
また、読取り器7を計測台6ではなく図4に二点鎖線で示すように投入口32の両側に設けてもよく、ICタグ8はこれに対応して塵芥容器Aの上部周面に設ければよい。
【0057】
このように読取り器7を設けるともにそれに対応してICタグ8を設けることによっても、前述したのと同様に計測台6での塵芥容器Aの質量測定と同時にICタグ8の情報を読取ることができ、前述と同様な効果を得ることができるとともに、基地局95での処理も同様に行うことができる。
【0058】
図10は、読取り器を配置するさらに他の例を示している。
【0059】
この読取り器7は、塵芥投入箱3の投入口32の下端縁に沿って設けられた安全バー10の一側方に近接して設けられている。
【0060】
安全バー10は、前記積込装置4の作動を緊急停止するためのもので、投入口32の下端縁にその両端部寄りに連結された取付アーム11をそれぞれ介して上下方向に回動自在に設けられている。そして、安全バー10を作業者が故意に又は塵芥容器などが当接して回動させると上述した積込装置4の作動を緊急停止するようにしており、これによって作業者が積込装置4に挟まれる事故などの発生を回避して作業を安全に行えるようにしている。
【0061】
上記読取り器7は、上述したように配設された安全バー10の一側方且つ前記計測台6に望む上方位置に設けられており、前述したICタグ8をこの読取り器7に対応して塵芥容器Aの周面適所に設けれている(図12参照)。
【0062】
このように読取り器7等を設けたことで、前述したような読取り器7、並びに塵芥容器AにICタグ8を設けたものと同様な効果を奏することができる。
【0063】
また、塵芥投入箱3内には投入口32の下端部に臨んで作業台15が回動自在に設けられており、この作業台15を外方に且つ水平に配置することによって塵芥の投入作業に利用するようにしている。
【0064】
なお、読取り器7は、安全バー10に近接して設けたものに限らず、安全バー10の適所に直接設けてもよく、また読取り器7の設置数も2個以上であってもよい。
【0065】
また、図11及び図12は塵芥容器Aの他の例を示している。
【0066】
この塵芥容器Aは、上面A1が開閉自在な六面体の箱状に形成されたもので、周面A2及び上面A1がメッシュで、底面が例えばシートで構成されている。上面A1は、図12に示すようにその一辺A1aを基準にして開閉自在に設けられており、上記一辺と反対側に設けた面ファスナA1bなどによって上面A1を閉塞した状態で固縛するようにしている。
【0067】
また、塵芥容器Aの各角部には棒状の芯材(図示省略)が配設けられており、この芯材によって展開した解きには上述した六面体の形状を維持するようにしている。
【0068】
このように塵芥容器Aを構成することで、使用しない場合には上述のようにメッシュやシートで構成された塵芥容器Aの持つ柔軟性によってコンパクトに折り畳むことができ、使用しない場合の保管などが便利であるとともに、収容する塵芥が見えやすく分別収集する上で便利である。
【0069】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内において種々設計変更可能である。
【0070】
例えば、積込装置4は、上述したような摺動板41や圧縮板46などから構成したものに限らず、例えば塵芥投入箱3の底部に水平軸回りに回転自在に設けた回転板と、この回転板の上方に前後に揺動自在に設けた揺動板とを備え、これら回転板と揺動板との協働動作によって塵芥を塵芥収容箱2に詰め込んでいくタイプのものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の全体構成を示す側面図である。
【図2】積込装置の動作を示す図である。
【図3】塵芥投入箱の底部下方に設けられた計測台を示す側面図である。
【図4】同じく計測台を示す背面図である。
【図5】計測台の形状及び読取り器の配置を示す平面図である。
【図6】同じく計測台の形状及び読取り器の配置を示す図5のX−X断面図である。
【図7】塵芥容器を示す側面図である。
【図8】塵芥計測システムの制御系を示すブロック図である。
【図9】計測台への読取り器の他の取付例を示す平面図である。
【図10】読取り器のさらに他の取付例を示す斜視図である。
【図11】計測台上に載置した他の塵芥容器を示す斜視図である。
【図12】同じく塵芥容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 塵芥収集車
1a 車体
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
32 投入口
4 積込装置
6 計測台
65 凹部
7 読取り器
8 ICタグ
9 制御装置
10 安全バー
A 塵芥容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車の塵芥計量システム、並びにこの塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥容器に収容された塵芥を塵芥収集車に投入する際に、塵芥容器に予め取付けられたICタグの情報を読取るとともに、投入する塵芥の質量を計測し、これによって塵芥の投入量(利用者が排出する量)に応じた課金収集を行うようにした計測システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3102616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来のような塵芥収集車における計測システムでは、ICタグに書き込んだ情報を読取る工程と、塵芥の質量を計測する工程とが別々であることから、各工程でそれに必要な時間がそれぞれかかり、このためこのようなシステムを採用していない収集に比べて収集に要する時間が大幅に長くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、課金収集を行う上でICタグの情報を読み取る工程と、塵芥の質量を測定する工程とを同時に行うようにすることで、塵芥収集の時間を短縮して効率良く塵芥を収集することのできる塵芥計量システムを備えた塵芥収集車、並びにこの塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、車体上に搭載された塵芥収容箱の後面開口部に塵芥投入箱が傾動自在に設けられ、この塵芥投入箱には、その後面に投入口が形成されるとともに、内部に積込装置が設けられ、投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、前記塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台が上記底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグに書き込まれた情報を読取る読取り器が設けられ、上記計測台上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグの情報とを読み取るように構成されたことを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記計測台の上面には、塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記計測台の上面適所には、当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の左右両側に読取り器が設けられたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の下部で車両後端より突出しない位置に、読取り器が設けられたものである。
【0010】
請求項6に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車は、前記投入口の下端縁には、前記積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、前記読取り器が上記安全バーに配設されたものである。
【0011】
請求項7に係る発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムは、請求項1、2、3、4、5又は6記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムであって、塵芥収集車にはGPSが搭載され、前記計測台による塵芥質量情報と読取り器による各種情報とともに、GPSによる塵芥収集車の位置情報を管理するようになされたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、計測台に塵芥容器を載置するだけで、塵芥の質量測定と、計測台もしくは計測台の近傍に設けた読取り器によるICタグの情報読取りとを同時に行うことができるため、これらに要する時間を大幅に短縮することができ、これによって各収集場において効率良く塵芥を収集することができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、計測台の上面に塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されていることから、計測台上での塵芥容器の位置が決まっているので、確実に情報を読み取ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、計測台の上面適所に当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことで、ICタグを塵芥容器の底面に設ければよく、これによりICタグの破損や劣化を少なくすることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、投入口の左右両側に読取り器が設けられているので、複数個の塵芥容器からの情報を同時に読み取ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、投入口の下部で車両後端より突出しない位置に読取り器が設けられているので、この読取り器の破損や劣化を少なくすることができる。
【0017】
請求項6に係る発明によれば、投入口の下端縁に積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、読取り器が上記安全バーに配設されているので、装置全体をコンパクトに納めることができる。
【0018】
請求項7に係る発明によれば、GPSを塵芥収集車に搭載して各種情報に加えて車両の位置情報も基地局で管理することで、詳細な運行管理データを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の全体構成を示している。
【0021】
図1において、1は塵芥収集車で、車体1a上に塵芥収容箱2が載置されている。この塵芥収容箱2の後方開口部21には、その上方で枢支31された塵芥投入箱3が連接されている。この塵芥投入箱3は、塵芥収容箱2と塵芥投入箱3との間に装設された傾動シリンダ(図示省略)により枢支31を以て上方に傾動自在に構成されている。
【0022】
さらに、塵芥投入箱3の後部には投入口32が開口されるとともに、その内部には積込装置4が装備されている。
【0023】
この積込装置4は、塵芥投入箱3内の塵芥を圧縮して塵芥収容箱2内に詰め込んで回収するもので、以下、この積込装置4の構成について説明する。
【0024】
塵芥投入箱3の両側壁には溝型鋼で形成された案内溝部材33が補強枠を兼ねて前方上部より後方下部に向かって敷設されている。
【0025】
また、塵芥投入箱3内にはその横幅一杯に広がる摺動板41が収容され、この摺動板41の両側縁の上下には案内ローラ42が軸着され、これらの案内ローラ42は前記案内溝部材33の内壁に沿って摺動自在に嵌合されている。
【0026】
前記摺動板41の背面上部にはブラケットを介して枢軸43が軸支されており、この枢軸43は前記案内溝部材33の背面に沿うとともに、摺動板41の摺動距離に合致して塵芥投入箱3の側壁に形成された図示しない切欠きを越えて塵芥投入箱3の外側に突出するようになっている。
【0027】
そして、塵芥投入箱3の側壁を越えて外側に突出した枢軸43と塵芥投入箱3の下部間には、塵芥投入箱3の外側に設けられる昇降シリンダ45が案内溝部材33の傾斜方向に沿って、かつ、その上方に偏位して連結され、この昇降シリンダ45の伸縮作動によって摺動板41(即ち、後述する圧縮板46)を案内溝部材33に沿って斜め上下に往復移動(昇降)させることができる。
【0028】
また、前記摺動板41の下端には、塵芥投入箱3の横幅一杯に広がる圧縮板46が前後に揺動自在に軸支されている。
【0029】
前記圧縮板46の先端は前方に向かって若干屈折形成されている。そして、前記圧縮板46の背面に突設した突片47と前記摺動板41の背面上部に設けられた枢軸43間には、揺動シリンダ48が連結され、この揺動シリンダ48の伸縮作動によって前記圧縮板46を前後に揺動させることができる。
【0030】
前記圧縮板46の前面には、後述する圧縮工程において塵芥をより強固に圧縮するための圧縮部材49が設けられている。
【0031】
一方、塵芥収容箱2の底面下方には基端が枢支された固縛シリンダ5が配設されており、その先端が塵芥収容箱2の後端下部に枢支した固縛爪51に連結されている。そして、通常は固縛シリンダ5を介して固縛爪51を塵芥投入箱3の前面に固設したUボルト52に係合させることによって、塵芥投入箱3を塵芥収容箱2側に固縛している。
【0032】
さらに、前記塵芥収容箱2内には排出板35が前後方向に摺動自在に配設されている。排出板35は、塵芥収容箱2の横幅及び上下高さと略同じ大きさに形成された板状体であり、図示しない排出シリンダの伸縮動作により塵芥収容箱2内を前後に摺動するように構成されている。
【0033】
次に、このように構成された積込装置4による塵芥の積込動作について説明する。
【0034】
まず、図1に示すように昇降シリンダ45及び揺動シリンダ48が共に伸長した状態で揺動シリンダ48を縮退作動させて圧縮板46を塵芥投入箱3内の上部において後方に揺動させる(反転工程:図2(a)→(b)参照)。
【0035】
続いて、昇降シリンダ45を縮退作動させることで、摺動板41を介して圧縮板46を塵芥投入箱3内において下降させる(下降工程:図2(b)→(c)参照)。
【0036】
この後に、揺動シリンダ48を伸長作動させることで、圧縮板46を塵芥投入箱3内の底部において前方に揺動させ、これにより投入口32から塵芥投入箱3内に投入した塵芥を当該塵芥投入箱3の底部において圧縮する(圧縮工程:図2(c)→(d)参照)。
【0037】
そして、次に昇降シリンダ45を伸長作動させることで、摺動板41を介して圧縮板46を塵芥投入箱3内において上昇させて上記圧縮した塵芥を塵芥収容箱2に詰め込む(上昇工程:図2(d)→(a)参照)。
【0038】
従って、上述した動作を1サイクルとして積込装置4を作動させることで、塵芥を塵芥収容箱2に順次詰め込んで行く。
【0039】
ところで、このようにして塵芥を収集する塵芥収集車において、塵芥投入箱3の底部には計測台6が設けられている。この計測台6は、その上面に塵芥を収容した塵芥容器A(図7参照)を載置することで塵芥を含む塵芥容器の質量を計測するものであり、図3及び図4に示すように塵芥投入箱3の底部に連設されたカバー材61内に前後にスライド自在に設けられている。
【0040】
具体的には、背面から見てU字状に形成されたカバー材61の左右両側面には前後方向にスライドレール62が設けられており、このスライドレール62に沿ってスライド台63が前後にスライド自在に設けられている。そして、スライド台63上に計測台6が載置されており、スライド台63を介して計測台6を前後にスライドさせることで、計測台6をカバー材61内に収容して塵芥投入箱3の底部下方に格納する格納位置と、カバー材61から後方に引き出して塵芥投入箱3の底部下方から後方に突出配置する計測位置とに配置するようにしている。そして、これら各位置に配置された計測台6は、適宜な固縛装置64によって当該各位置で安定的な状態で固縛保持されるようになされている。
【0041】
また、上記計測台6の上面である載置面6aには、図5及び図6に示すように適数個(図示例では2個)凹部65が車両の幅方向に所定間隔を隔て形成されている。各凹部65は、質量計測の際に当該凹部65内に塵芥容器Aの底部を挿入配置するためのもので、塵芥容器Aの大きさに合わせて形成されている。この凹部65の周面には、読取り器7が例えば等間隔で4カ所に設けられている。これら読取り器7は、図7に示す塵芥容器Aに取付けられたICタグ8に書き込まれた情報を読取るためのものである。従って、ICタグ8は、読取り器7に対応するように塵芥容器Aの底部周面適所に取付けられている。
【0042】
このように凹部65に複数の読取り器7を配置したことで、塵芥容器Aを凹部65内に載置すればいずれかの読取り器7によってICタグ8の情報を読取ることができる。なお、読取り器7の数は、当該読取り器7の精度に応じて適宜に決定すればよい。
【0043】
また、ICタグ8には、利用者(塵芥排出者)や収集地区などの他、塵芥の種類や塵芥容器Aの種別など後述する管理に必要な情報が予め書き込まれている。
【0044】
従って、塵芥収集車1に塵芥を投入する際には、計測位置に配置した計測台6の凹部65内に塵芥容器Aを載置することで、塵芥容器Aの質量測定とICタグ8の情報の読み取りとを同時に行い、この後に塵芥容器A内の塵芥を投入口32を通じて塵芥投入箱3内に投入すればよい。
【0045】
図8は、上記計測した質量とICタグの情報に基づいて処理する塵芥計測システムの制御系を示すブロック図である。
【0046】
計測台6で計測された塵芥を収容した塵芥容器Aの質量、並びに読取り器7で読み取ったICタグ8の情報は制御装置9の処理部91に入力され、処理部91ではICタグ8の情報に基づいて塵芥容器A内の塵芥の質量を算出する。即ち、ICタグ8の情報のうち塵芥容器Aの種別から当該塵芥容器A自体の質量を予めメモリ92に記録しているデータから割り出し、計測した質量から塵芥容器A自体の質量を減算することで算出する。
【0047】
そして、算出した塵芥の質量とともに、読み込んだICタグ8の利用者情報、塵芥の種類(例えば不燃物か可燃物などの種類)や投入した日時などをメモリ92に記録する。また、必要に応じてはこれら情報をプリンタ93によってプリントアウトする。
【0048】
なお、制御装置9やプリンタ93などは例えば運転席内に設けている。
【0049】
このように計測台6の凹部65内に塵芥容器Aを載置するだけで、塵芥の質量測定とICタグ8の情報読取りとを同時に行うことができるため、これらに要する時間を大幅に短縮することができ、これによって各収集場において効率良く塵芥を収集することができるとともに、得られた投入塵芥の質量などの各情報に基づいて課金収集を行うことができる。
【0050】
なお、塵芥の種類は、塵芥の種類ごとの収集日が決まっている場合には日時からでも判別可能である。つまり、塵芥の種類ごとの収集日を予めメモリ92に記録しておくことで、ICタグ8に書き込まなくても判別することができる。
【0051】
また、上述のようにしてメモリ92に記録した塵芥投入時に得られた塵芥の質量などの情報を基地局95で一括管理することで、例えばこれからの各塵芥収集車の運行スケジュールの設定などの運行管理に寄与することができる。
【0052】
この場合、塵芥投入時に得られた上述した各情報を基地局95で管理するには、磁気ディスク系や光ディスク系などの記録媒体を用いて行ってもよいし、図8に示すように前記制御装置9から基地局95へ発信器94を通じて送信するようにしてもよい。
【0053】
さらに、GPSを各塵芥収集車に搭載して上記した各種情報に加えて車両の位置情報も基地局95で管理することでさらに細かな運行管理データを得ることができる。
【0054】
図9は、読取り器を配置する他の例を示している。
【0055】
図9に示す読取り器7は、計測台6の上面に略面一となるように埋設する形で車両の幅方向に所定間隔を隔てて複数個設けたものであり、ICタグ8はこれに対応して塵芥容器の底面に設ければよい。
【0056】
また、読取り器7を計測台6ではなく図4に二点鎖線で示すように投入口32の両側に設けてもよく、ICタグ8はこれに対応して塵芥容器Aの上部周面に設ければよい。
【0057】
このように読取り器7を設けるともにそれに対応してICタグ8を設けることによっても、前述したのと同様に計測台6での塵芥容器Aの質量測定と同時にICタグ8の情報を読取ることができ、前述と同様な効果を得ることができるとともに、基地局95での処理も同様に行うことができる。
【0058】
図10は、読取り器を配置するさらに他の例を示している。
【0059】
この読取り器7は、塵芥投入箱3の投入口32の下端縁に沿って設けられた安全バー10の一側方に近接して設けられている。
【0060】
安全バー10は、前記積込装置4の作動を緊急停止するためのもので、投入口32の下端縁にその両端部寄りに連結された取付アーム11をそれぞれ介して上下方向に回動自在に設けられている。そして、安全バー10を作業者が故意に又は塵芥容器などが当接して回動させると上述した積込装置4の作動を緊急停止するようにしており、これによって作業者が積込装置4に挟まれる事故などの発生を回避して作業を安全に行えるようにしている。
【0061】
上記読取り器7は、上述したように配設された安全バー10の一側方且つ前記計測台6に望む上方位置に設けられており、前述したICタグ8をこの読取り器7に対応して塵芥容器Aの周面適所に設けれている(図12参照)。
【0062】
このように読取り器7等を設けたことで、前述したような読取り器7、並びに塵芥容器AにICタグ8を設けたものと同様な効果を奏することができる。
【0063】
また、塵芥投入箱3内には投入口32の下端部に臨んで作業台15が回動自在に設けられており、この作業台15を外方に且つ水平に配置することによって塵芥の投入作業に利用するようにしている。
【0064】
なお、読取り器7は、安全バー10に近接して設けたものに限らず、安全バー10の適所に直接設けてもよく、また読取り器7の設置数も2個以上であってもよい。
【0065】
また、図11及び図12は塵芥容器Aの他の例を示している。
【0066】
この塵芥容器Aは、上面A1が開閉自在な六面体の箱状に形成されたもので、周面A2及び上面A1がメッシュで、底面が例えばシートで構成されている。上面A1は、図12に示すようにその一辺A1aを基準にして開閉自在に設けられており、上記一辺と反対側に設けた面ファスナA1bなどによって上面A1を閉塞した状態で固縛するようにしている。
【0067】
また、塵芥容器Aの各角部には棒状の芯材(図示省略)が配設けられており、この芯材によって展開した解きには上述した六面体の形状を維持するようにしている。
【0068】
このように塵芥容器Aを構成することで、使用しない場合には上述のようにメッシュやシートで構成された塵芥容器Aの持つ柔軟性によってコンパクトに折り畳むことができ、使用しない場合の保管などが便利であるとともに、収容する塵芥が見えやすく分別収集する上で便利である。
【0069】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内において種々設計変更可能である。
【0070】
例えば、積込装置4は、上述したような摺動板41や圧縮板46などから構成したものに限らず、例えば塵芥投入箱3の底部に水平軸回りに回転自在に設けた回転板と、この回転板の上方に前後に揺動自在に設けた揺動板とを備え、これら回転板と揺動板との協働動作によって塵芥を塵芥収容箱2に詰め込んでいくタイプのものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の全体構成を示す側面図である。
【図2】積込装置の動作を示す図である。
【図3】塵芥投入箱の底部下方に設けられた計測台を示す側面図である。
【図4】同じく計測台を示す背面図である。
【図5】計測台の形状及び読取り器の配置を示す平面図である。
【図6】同じく計測台の形状及び読取り器の配置を示す図5のX−X断面図である。
【図7】塵芥容器を示す側面図である。
【図8】塵芥計測システムの制御系を示すブロック図である。
【図9】計測台への読取り器の他の取付例を示す平面図である。
【図10】読取り器のさらに他の取付例を示す斜視図である。
【図11】計測台上に載置した他の塵芥容器を示す斜視図である。
【図12】同じく塵芥容器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 塵芥収集車
1a 車体
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
32 投入口
4 積込装置
6 計測台
65 凹部
7 読取り器
8 ICタグ
9 制御装置
10 安全バー
A 塵芥容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体上に搭載された塵芥収容箱の後面開口部に塵芥投入箱が傾動自在に設けられ、この塵芥投入箱には、その後面に投入口が形成されるとともに、内部に積込装置が設けられ、投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、
前記塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台が上記底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグに書き込まれた情報を読取る読取り器が設けられ、上記計測台上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグの情報の読み取りとを行うように構成されたことを特徴とする塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項2】
前記計測台の上面には、塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項3】
前記計測台の上面適所には、当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項4】
前記投入口の左右両側に読取り器が設けられたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項5】
前記投入口の下部で車両後端より突出しない位置に、読取り器が設けられたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項6】
前記投入口の下端縁には、前記積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、前記読取り器が上記安全バーに配設されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムであって、
塵芥収集車にはGPSが搭載され、前記計測台による塵芥質量情報と読取り器による各種情報とともに、GPSによる塵芥収集車の位置情報を管理するようになされたことを特徴とする塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システム。
【請求項1】
車体上に搭載された塵芥収容箱の後面開口部に塵芥投入箱が傾動自在に設けられ、この塵芥投入箱には、その後面に投入口が形成されるとともに、内部に積込装置が設けられ、投入口から塵芥投入箱内に投入された塵芥を積込装置によって塵芥収容箱に積込むようになされた塵芥収集車において、
前記塵芥投入箱の底部下方に、投入口を通じて塵芥投入箱内に投入しようとする塵芥の質量を計測する計測台が上記底部下方に格納される格納位置と、底部下方から後方に突出配置される計測位置とで出没自在に設けられ、この計測台もしくは計測台の近傍に、塵芥容器に取付けられたICタグに書き込まれた情報を読取る読取り器が設けられ、上記計測台上へ塵芥容器を載置した際に塵芥の質量測定とICタグの情報の読み取りとを行うように構成されたことを特徴とする塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項2】
前記計測台の上面には、塵芥容器の底部が挿入可能な凹部が設けられ、この凹部の周面適所に読取り器が配置されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項3】
前記計測台の上面適所には、当該上面と略面一な状態で読取り器が配置されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項4】
前記投入口の左右両側に読取り器が設けられたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項5】
前記投入口の下部で車両後端より突出しない位置に、読取り器が設けられたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項6】
前記投入口の下端縁には、前記積込装置の作動を緊急停止するための安全バーが設けられ、前記読取り器が上記安全バーに配設されたことを特徴とする請求項1記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6記載の塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システムであって、
塵芥収集車にはGPSが搭載され、前記計測台による塵芥質量情報と読取り器による各種情報とともに、GPSによる塵芥収集車の位置情報を管理するようになされたことを特徴とする塵芥計量システムを備えた塵芥収集車の管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−63014(P2007−63014A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14087(P2006−14087)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
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