説明

壁パネル取付装置

【課題】段付き取付金具の溶接等を不要にし、且つ、ボルトの締付け作業を容易にして施工効率を向上させる。
【解決手段】建造物の梁7に固定された通しアングル6に押出成形セメント板1を段付き取付金具10等により取り付ける取付装置9であって、段付き取付金具10の上部背面に突部13が設けられ、該突部13に嵌まる嵌合孔26Aが当て板11に形成されている。該当て板11と段付き取付金具10上部は相互重合して押出成形セメント板1の外側に配置され、且つ、該当て板11及び段付き取付金具10の下部の間には通しアングル6が差し込まれる。該当て板11と段付き取付金具10の重合部分は、ボルト14により押出成形セメント板1に締結固定され、通しアングル6は当て板11と段付き取付金具10下部の間に挟着固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁パネル取付装置に関するものであり、特に、建造物の梁に固定された通しアングルに押出成形セメント等の壁パネルを建て込むときに使用される壁パネル取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル等の壁に中空状の壁パネルである押出成形セメント板を建て込むときは、先ず、床スラブ側梁の上部にピースアングルを介して、断面L型の通しアングルを水平に取り付けた後に、該通しアングルの水平部に押出成形セメント板を載置する。次に、該通しアングルの鉛直部に段付き取付金具(例えばZクリップ)の下部側を押し付けて、該段付き取付金具の中間傾斜部又は下部等を前記通しアングルの鉛直部に溶接すると共に、該段付き取付金具の上部を押出成形セメント板にボルトにて締結固定する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−090094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術は、前記段付き取付金具の中間傾斜部等を通しアングルに溶接し、且つ、該段付き取付金具の上部を押出成形セメント板にボルト締めしているが、この場合、該ボルトの弛みに伴う段付き取付金具の回転による脱落を防止するために、段付き取付金具を強固にボルト締めする必要があった。従って、段付き取付金具を所定値以上に締め過ぎたときは、押出成形セメント板にクラックが発生する欠点があった。
【0004】
又、通しアングルに当接する押出成形セメント板の端面は、該通しアングルに合わせて面取り加工を行う必要があり、特に、この面取り加工では粉塵が発生するために、作業者の健康を害する欠点があった。
【0005】
なお、上記欠点を除去すべく、本出願人は通しアングルを当て板と段付き取付金具下部の間に挟着固定する新規な壁パネル取付装置を提案している(特願2005−33939号。未公開。)。この壁パネル取付装置によれば、段付き取付金具の溶接が不要になり、溶接部の補修(防錆処理)を省略することにより、施工性(作業効率)が著しく改善される他、上記クラックの発生を防止できるが、例えば段付き取付金具等をボルトで締付ける際に、段付き取付金具及び当て板が相互に位置ずれを起こして、施工効率の低下を招く恐れがあった。特に、段付き取付金具及び当て板が相互に位置ずれしないように、手で押さえて保持しなければならないので、ボルト締め作業を片手で行うことができなかった。
【0006】
そこで、上記溶接及び面取り加工を不要にでき、且つ、段付き取付金具等のボルト締付け作業を容易にして施工効率を向上させるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、建造物の梁に固定された通しアングルに、押出成形セメント板等の中空状の壁パネルを段付き取付金具及び当て板により取り付ける壁パネル取付装置であって、前記段付き取付金具の一端側部分に突部又は嵌合孔が設けられていると共に、該突部又は嵌合孔に嵌まる嵌合孔又は突部が前記当て板に形成され、該当て板はその外側面に前記段付き取付金具の一端側部分を重合させた状態で前記壁パネルに当接配置され、且つ、該当て板と段付き取付金具の他端側部分との間に前記通しアングルが差し込まれるように構成され、前記当て板と段付き取付金具の一端側部分との重合部分をボルトで前記壁パネルに締着することにより、該段付き取付金具の他端側部分と当て板との間に前記通しアングルを挟着固定するように構成して成る壁パネル取付装置を提供する。
【0008】
この構成によれば、該当て板を壁パネルに当接配置し、前記突部を嵌合孔に嵌め込むことにより、該当て板と段付き取付金具が互いに位置ずれしないように重合させ、且つ、該当て板及び段付き取付金具の他端部分の間に通しアングルの鉛直部を差し込む。
【0009】
この後、前記当て板と段付き取付金具の一端側部分との重合部分をボルトで壁パネルに締め付けて固定する。これにより、段付き取付金具の他端側部分にて通しアングルを当て板側に弾性的に押し付けるので、該当て板と段付き取付金具の他端側部分の間に通しアングルがバネ作用により挟み付けられて止着固定される。又、前記重合部分をボルトで締着する際、前記突部と嵌合孔との嵌合作用により、嵌段付き取付金具と当て板との位置ずれが効果的に抑止される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、前記通しアングルは当て板と段付き取付金具の間に挟着固定されるので、段付き取付金具の溶接および壁パネルの面取り加工が不要になる。
【0011】
又、当て板と段付き取付金具の重合部分をボルトで締着する際に、段付き取付金具と当て板が互いに位置ずれしないので、該段付き取付金具等に手を押し当てて保持する必要がなく、前記ボルトの締付け作業を片手で簡単に行うことができ、壁パネルの施工効率が従来に比べて著しく向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、上記溶接および面取り加工を不要にし、且つ、段付き取付金具等の位置ずれをなくし、ボルトの締付け作業を容易にして施工効率を向上させるという目的を、建造物の梁に固定された通しアングルに、押出成形セメント板等の中空状の壁パネルを段付き取付金具及び当て板により取り付ける壁パネル取付装置であって、前記段付き取付金具の一端側部分に突部又は嵌合孔が設けられていると共に、該突部又は嵌合孔に嵌まる嵌合孔又は突部が前記当て板に形成され、該当て板はその外側面に前記段付き取付金具の一端側部分を重合させた状態で前記壁パネルに当接配置され、且つ、該当て板と段付き取付金具の他端側部分との間に前記通しアングルが差し込まれるように構成され、前記当て板と段付き取付金具の一端側部分との重合部分をボルトで前記壁パネルに締着することにより、該段付き取付金具の他端側部分と当て板との間に前記通しアングルを挟着固定するように構成することにより実現した。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図14に従って説明する。図1において、1、2はそれぞれ中空状の壁パネルとしての上段側、下段側の押出成形セメント板であって、該押出成形セメント板1,2の内部には、複数の中空部が縦方向に形成されている。これら押出成形セメント板1,2は、上下方向及び左右方向に互いに隣接して複数枚配設することにより、建造物の外壁における縦張りパネル構造を形成している。
【0014】
図2及び図3に示すように、押出成形セメント板1,2同士の上下左右に隣接する適宜箇所には、シーリング材4、耐火材5等が介装されている。又、上段側の押出成形セメント板1は、長尺の下地鋼材から成る水平方向の通しアングル6を介して、下段側の押出成形セメント板2上に載置固定されている。
【0015】
前記通しアングル6は断面L形に形成され、パネル重量受け部である水平部6aと、該水平部6aの一側端に垂設された鉛直部6bとを有する。又、図2に示すように、押出成形セメント板1を支持する通しアングル6の鉛直部6bは、床スラブに固設したH形鋼製の梁7の上面に、ピースアングル8を介して連結固定されている。
【0016】
前記押出成形セメント板1は、通しアングル6に壁パネル用取付装置9によって連結固定されている。この壁パネル用取付装置9は、図4に示すように、前記通しアングル6の鉛直部6b外面に当接する段付き取付金具10と、該段付き取付金具10背面の上側部分に重合し、且つ、通しアングル6の鉛直部6b内面に当接する当て板11と、押出成形セメント板1の中空部側配置された板状の平ナット12と、該平ナット12のねじ孔12Aに螺合する締付け用のボルト14とから成る。このボルト14は、段付き取付金具10と当て板11の重合部分を押出成形セメント板1に締結固定している。
【0017】
図5及び図6に示すように、前記段付き取付金具10は、その上下方向中間部に斜面状段部15を有し、該斜面状段部15の上端側、下端側にそれぞれ上側鉛直部16、下側鉛直部17が連接されている。この上側鉛直部16には、図7に示すように、上下方向に延びるボルト貫通用長孔18が形成されている。又、段付き取付金具10の左右幅方向W両側には、図8(a)〜(c)に示すように、突起19,19が夫々形成されている。
【0018】
又、図9(a)に示すように、当て板11の上下方向中間部の左右両側には略U字状の切欠部20,20が夫々形成され、且つ、該当て板11の上側部分21の中央部には、上下方向に延びるボルト貫通用長孔26が形成されている。更に、当て板11の上側部分21における左右幅方向W両側には突起(立ち上がり部)23,23が夫々設けられ、各突起23,23の内側には、図7に示すように、前記段付き取付金具10両側の突起19,19が装着される。
【0019】
更に、当て板11の下側部分22の左右幅方向W中央部には膨出部24が設けられ、該膨出部24は通しアングル6と直交する上下方向に延伸している。この膨出部24の横断面形状は円弧状に湾曲して形成され、該膨出部24の円弧状湾曲部には、通しアングル6の鉛直部6bが線接触、即ち、横断面視では点接触している(図7参照)。
【0020】
更に又、当て板11の切欠部20,20の下側縁部には突片25,25が設けられ、該突片25,25は、図9(a)〜(d)に示すように、前記段付き取付金具10側に直角に折曲して形成されている。この突片25,25に段付き取付金具10側の斜面状段部15が当たることで、当て板11の回転が規制され、更に、突起23,23が段付き取付金具10と嵌合することにより、段付き取付金具10全体の動きが規制されている。
【0021】
特に、本実施例では、段付き取付金具10背面におけるボルト貫通用長孔18の上側近傍には、図8(a)〜(c)に示すように、円形の突部13が突設されている。又、該突部13と対応する当て板11の左右幅方向W中央部には、図9(a)に示すように、嵌合孔26Aが開穿され、該嵌合孔26Aは本実施例では、当て板11のボルト貫通用長孔26上端に連続して形成されている。更に、この嵌合孔26Aは突部13と対応する円弧部を有し、該嵌合孔26Aに段付き取付金具10側の突部13が着脱自在に嵌合している。図示例では、嵌合孔26Aはボルト貫通用長孔26に連続して形成しているが、これに限定せられるべきではない。
【0022】
而して、前記段付き取付金具10側の突部13が当て板11側の嵌合孔26Aに嵌合することにより、該段付き取付金具10と当て板11は互いに自動的に位置決め固定され、且つ、両者の相対的な位置ずれが阻止される。尚、段付き取付金具10の突部13の長さは嵌合孔26Aの深さ、即ち、当て板11の板厚よりも若干小に形成されている。
【0023】
次に、通しアングル6に押出成形セメント板1を建て込む際の施工例について、図10乃至図15に基づいて説明する。尚、通しアングル6の上側には押出成形セメント板1が配置されて、且つ、該押出成形セメント板1の所定箇所には、ボルト貫通用孔27が予め開穿されているものとする。
【0024】
まず、図10に示すように、押出成形セメント板1の外側に当て板11を上下方向(縦方向)に配置して、該当て板11を押出成形セメント板1外面に押し当てる。又、押出成形セメント板1の中空部内側面には、平ナット12を押出成形セメント板1に押し当ててセットする。そして、当て板11の上側部分に段付き取付金具10を配置して装着する。この場合、本実施例では、クリップ10を水平方向(横方向)に配置して装着するが、勿論これに限定されない。
【0025】
つぎに、段付き取付金具10の長孔18と当て板11の長孔26(図5参照)にボルト14を順次挿通して、該ボルト14を平ナット12のねじ孔12Aに螺合させることで、図11に示すように、取付装置9を押出成形セメント板1に仮固定する。然る後、上段の押出成形セメント板1を下段の押出成形セメント板2側に徐々に下降させることで、上段の押出成形セメント板1を通しアングル6の水平部6a上に載置すると共に、当て板11を通しアングル6の鉛直部6bに当接させた状態にセットする。
【0026】
そして、段付き取付金具10を下側に90度回転させて垂直方向(下方向)に配置し、段付き取付金具10の下側鉛直部17と当て板11の膨出部24間の空間部Sに、通しアングル6の鉛直部6bを差し込んだのち、ボルト14を回動させて所定位置まで締め付ける。この場合、段付き取付金具10側の突部13が当て板11側の嵌合孔26Aに嵌合するために、当て板11の上側部分と段付き取付金具10の上側部分が相互重合した状態で、該段付き取付金具10は当て板11に対して自動的に位置決め固定される。
【0027】
これにより、図12及び図13に示すように、段付き取付金具10の上部と当て板11の上部との重合部分が押出成形セメント板1に締着固定される。この場合、段付き取付金具10と当て板11の重合部分をボルト14で締め付ける際、図14(a)に示すように、段付き取付金具10の下側鉛直部17より通しアングル6の鉛直部6aに向かって、ボルト締め付け力の大きさに応じた弾性的な圧接力(バネ力)Fが作用する。
【0028】
このため、段付き取付金具10の下側鉛直部17の圧接力により、通しアングル6の鉛直部6bが当て板11の膨出部24側に強固に押し付けられる。図14(b)は取付装置9により押出成形セメント板1を取り付け後の状態を示し、図示の如く、押出成形セメント板1は当て板11の面接触した状態で強固に取り付けられる。
【0029】
すなわち、通しアングル6は、当て板11の膨出部24と段付き取付金具10の下側鉛直部17とにより強く挟持固定して連結される。尚、上記取付装置9により下段側の押出成形セメント板2を取り付ける場合は、通しアングル6の下側に取付装置9を配置することで、上記同様に施工することができる(図2参照)。
【0030】
このように、通しアングル6は段付き取付金具10と当て板11の間に所要の挟着力で連結固定されるので、通しアングル6を溶接する必要はない。また、段付き取付金具10をボルト14で強く締め付けなくとも、段付き取付金具10の下側鉛直部17のバネ力により押出成形セメント板1を確実に固定できるので、従来のようにボルト14の締付け力により押出成形セメント板1にクラックが発生する恐れもない。更に、押出成形セメント板1の通しアングル6に当接する端面は、通しアングル6に合わせて面取り加工を行う必要もない。
【0031】
本実施例では、段付き取付金具10の突部13を当て板11の嵌合孔26Aに嵌め込むだけで、該当て板11に対する段付き取付金具10の位置決め固定が自動的に行われるので、押出成形セメント板1の建て込みが容易になり、施工効率が著しく向上する。特に、当て板11と段付き取付金具10の重合部分をボルト14で締め付ける際、前記突部13及び嵌合孔26Aの嵌合効果により、段付き取付金具10と当て板11は互いに位置ずれする恐れがない。斯くして、段付き取付金具10と当て板11を位置ずれしないように手で押える必要がないため、ボルト14の締付け作業を片手で容易かつ迅速に行うことができる。
【0032】
上記実施例では、段付き取付金具10背面上部における左右幅方向の中央部に円形の突部13及び嵌合孔26Aをそれぞれ1個形成したが、突部13等の個数及び位置は、特にこれに限定せられるべきではない。例えば、突部13等の形状は角形等でもよい。又、突部13等の個数は複数でもよく、突部13等の個数が偶数の場合は、段付き取付金具10等の左右幅方向両側に設けることも可能である。
【0033】
図15ないし図17は本発明の他の実施形態を示すものであり、本実施形態は、前記実施例とは段付き取付金具10及び当て板11を上下逆に配置して施工する点が相違する。即ち、当て板11及び段付き取付金具10の上部の間に、図15に示すように、通しアングル(下地鋼材)6の下側鉛直部分6bを差し込んで、当て板11と段付き取付金具10の下側重合部分をボルト14により押出成形セメント板1に締め付けて固定し、同時に、この締め付け力に伴って段付き取付金具10の上部に発生するバネ力で通しアングル6を押し付け、これにより、当て板11と段付き取付金具10の上部の間に通しアングル6を挟着固定するように構成したものである。なお、前記実施例と同一の部材にはそれと同一の符号を付している。
【0034】
図16に示すように、当て板11におけるボルト貫通用長孔26の下端中央に嵌合孔26Aが設けられていると共に、該嵌合孔26Aに嵌合する突部13が、段付き取付金具10におけるボルト貫通用長孔18の直下に設けられている。
【0035】
この構成によれば、押出成形セメント板1を通しアングル6に取り付ける際は、段付き取付金具10側の突部13を当て板11側の嵌合孔26Aに嵌め込むことにより、当て板11と段付き取付金具10が互いに位置ずれしないように重合させて、ボルト14で仮締めして固定し、且つ、この状態のまま当て板11を押出成形セメント板1の外側面に当接配置すると共に、当て板11及び段付き取付金具10の上部の間に通しアングル6の鉛直部分6bを差し込む。
【0036】
この後、当て板11と段付き取付金具10の重合部分をボルト14で本締めすることにより、当て板11と段付き取付金具10を押出成形セメント板1に締結固定する。このとき、図17に示すように、ボルト14の締付け力により、段付き取付金具10の上側部分17に弾性的なバネ力Fが発生して、通しアングル6に対して押圧力(挟み付け力)が作用するため、通しアングル6は当て板11の膨出部24と段付き取付金具10の上側部分17との間に強固に挟着固定される。
【0037】
これにより、段付き取付金具10の溶接および押出成形セメント板1の面取り加工が不要になる。加えて、段付き取付金具10と当て板11は、突部13を嵌合孔26Aに嵌め込むだけで、相互の位置ずれが抑制されるので、押出成形セメント板1の建て込み作業が非常に容易になり、従来に比べて施工効率が著しく向上する。
【0038】
特に、当て板11と段付き取付金具10の重合部分をボル14トにより締め付ける際に、段付き取付金具10と当て板11が互いに位置ずれしないので、ボルト14の締付け作業を片手で簡単かつ迅速に行うことができる。
【0039】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。例えば、上記実施例とは異なり、段付き取付金具側に嵌合孔を設け、かつ、この嵌合孔に嵌合する突起を当て板に形成することも可能である。
【0040】
本発明は、嵌合孔および嵌合孔の形態または構造は特に限定されず、要は、当て板と段付き取付金具の重合部分をボルトで締め付けることにより、当て板と段付き取付金具を壁パネルに締結固定し、このとき、ボルトの締付け力によって、段付き取付金具を介して弾性的な圧接力(バネ力)を通しアングルに作用させて、通しアングルを当て板と段付き取付金具の間に挟着固定するものは、全て本発明の技術的範囲に含まれる。又、上記実施例では壁パネルを用いて縦張りパネル構造を形成するものに適用したが、本発明は、壁パネルを用いて横張りパネル構造を形成するものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例を示し、壁パネル用取付装置の使用状態を説明する全体斜視図。
【図2】図1の部分断面側面図。
【図3】図1の壁パネル用取付装置を説明する平面図。
【図4】同上壁パネル用取付装置を示す分解側面図。
【図5】同上壁パネル用取付装置を示す分解斜視図。
【図6】同上壁パネル用取付装置の段付き取付金具を示す斜視図。
【図7】同上壁パネル用取付装置のボルト締結状態を示す斜視図。
【図8】同上壁パネル用取付装置の段付き取付金具を示し、(a)は段付き取付金具の正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図。
【図9】同上壁パネル用取付装置の当て板を示し、(a)は当て板の正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図、(d)は(a)の下面図。
【図10】同上壁パネル用取付装置を押出成形セメント板に仮固定して通しアングルに連結する前の状態を示す要部正面図。
【図11】同上壁パネル用取付装置を押出成形セメント板に仮固定して通しアングルに連結する前の状態を示す一部断面側面図。
【図12】同上壁パネル用取付装置に通しアングルを挟着連結した後の状態を示す要部正面図。
【図13】同上壁パネル用取付装置に通しアングルを挟着連結した後の状態を示す一部断面側面図。
【図14】本発明の実施態様を示し、(a)は同上壁パネル用取付装置のボルト締め付け途中の要部断面図。(b)は同上壁パネル用取付装置のボルト締め付け完了後の要部断面図。
【図15】本発明の他の実施態様を示し、壁パネル用取付装置の分解側面図。
【図16】本発明の他の実施態様を示し、壁パネル用取付装置の分解斜視図。
【図17】本発明の他の実施態様を示し、壁パネル用取付装置のボルト締め付け完了後の要部断面図。
【符号の説明】
【0042】
1 上段側の押出成形セメント板(中空状の壁パネル)
6 通しアングル(下地鋼材)
7 梁
8 ピースアングル(連結金具)
9 壁パネル用取付装置
10 段付き取付金具
11 当て板
12 平ナット
13 突部
14 ボルト
24 膨出部
26A嵌合孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造物の梁に固定された通しアングルに、押出成形セメント板等の中空状の壁パネルを段付き取付金具及び当て板により取り付ける壁パネル取付装置であって、
前記段付き取付金具の一端側部分に突部又は嵌合孔が設けられていると共に、該突部又は嵌合孔に嵌まる嵌合孔又は突部が前記当て板に形成され、
該当て板はその外側面に前記段付き取付金具の一端側部分を重合させた状態で前記壁パネルに当接配置され、且つ、該当て板と段付き取付金具の他端側部分との間に前記通しアングルが差し込まれるように構成され、
前記当て板と段付き取付金具の一端側部分との重合部分をボルトで前記壁パネルに締着することにより、該段付き取付金具の他端側部分と当て板との間に前記通しアングルを挟着固定するように構成したことを特徴とする壁パネル取付装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−57138(P2008−57138A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232691(P2006−232691)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000176718)三菱マテリアル建材株式会社 (20)
【出願人】(505436232)有限会社ヒラヤマ工業 (2)
【Fターム(参考)】