説明

変位計

【課題】 1台で最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶することができ、機器の設置作業を簡略化し、設置のコスト及びスペースの低減を図ることができる変位計を提供することを目的とする。
【解決手段】 被測定箇所に設置される測定部2によって、測定部2に対して軸方向に移動可能に設けられているとともに固定体に取り付けられる可動ロッド3の移動量を計測し、この移動量に基づいて被測定箇所の変位量を測定する変位計1において、測定部2には、可動ロッド3の最大移動量を計測することで被測定箇所の最大変位量を測定・記憶する最大変位量測定部4と、可動ロッド3の累積移動量を計測することで被測定箇所の累積変位量を測定・記憶する累積変位量測定部5とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶する変位計に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、建築構造物の地震・風応答の揺れを低減するべく、構造物の架構内に制震ダンパーが設置された構造物が多く見受けられる。制震ダンパーには、鋼材を塑性化させることで地震等のエネルギーを吸収するものがあり、このような制震ダンパーにおいては、その制震ダンパーの健全性(許容変形、累積疲労)を確保するべく、最大変形量や累積変形量をセンサ(変位計)で実際に測定し、その測定値から制震ダンパーの健全性を確かめる必要がある。
【0003】
従来、制震ダンパーの健全性を確かめる手段として、変位計や歪み計等の計測器によって鋼材の歪み(変位量)を常時計測し、その計測値を収録装置によって時系列的に記憶する手段がある。この手段によれば、制震ダンパーの健全性を常時監視することができるが、装置が非常に高価であることに加え、観測に電源が必要であり、装置の保守点検等のランニングコストもかかるという問題がある。
【0004】
また、近年では、制震ダンパーの最大変位量を測定するとともに、その測定値を記憶することができる最大値記憶型の変位計が提案されている。この変位計は、複数の導電体と、これらが接続されるプリント基板と、複数の導電体の導電性要素を段階的に切断する切断手段と、切断手段を導電体に対して相対的に移動させるスライダと、これらを収納するケースと、スライダに付設されてケースの外に突出されているロッド部材とから構成されている。ロッド部材の先端は固定体であるガセットプレート等に取り付けられ、スライダ等を収納したケースは被測定対象である制震ダンパーに取り付けられる。この変位計によれば、制震ダンパーの被測定箇所に変位が生じると、スライダが移動し、この移動量に応じて切断手段が導電体の導電性要素を順次切断する。導電性要素が切断されていくと、出力電圧は徐々に小さくなるため、電圧値を測ることで過去に生じた最大変形量の程度を知ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、制震ダンパーの累積変位量を測定するとともに、その測定値を記憶することができる累積変位量記憶型の変位計が提案されている。この変位計は、直線的に往復移動するロッド部材と、ロッド部材の直線運動を回転運動に変換するラック・ピニオン機構と、ラック・ピニオン機構によってロッド部材の移動に応じて軸回転する出力回転軸と、出力回転軸の回転を一方向のみに回転させるラチェットと、出力回転軸の回転を計測するカウンタとから構成されている。この変位計によれば、制震ダンパーの被測定箇所に変位が生じると、ロッド部材が移動し、この移動量に応じて出力回転軸が回転する。この出力軸の回転に対するロッド部材の変位量を予め算出しておき、カウンタで計測された出力軸の回転量に基づいて、累積変形量を測定することができる(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−96576号公報
【特許文献2】特開平11−125501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来の変位計では、最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶する場合、最大値記憶型および累積変位量記憶型の各変位計をそれぞれ設置しなければならないため、設置には相当の手間がかかり、コストが増大するとともに、スペースが限られた中で変位計を2つ設置するスペースを確保しなければならないという問題が存在する。
また、上記した累積変位量記憶型の変位計では、機械的に複雑な機構によるガタツキや、振動を受けた場合のガタツキによって、測定される累積変位量に誤差が生じる虞があるという問題が存在する。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、1台で最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶することができ、機器の設置作業を簡略化し、設置のコスト及びスペースの低減を図ることができる変位計を提供することを目的としている。
また、ガタツキの生じ難い構成とし、測定値の誤差を低減させることができる変位計を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、被測定箇所または固定体のうちの何れか一方に設置される測定部によって、測定部に対して軸方向に移動可能に設けられているとともに被測定箇所または固定体のうちの何れか他方に取り付けられる可動ロッドの移動量を計測し、該移動量に基づいて被測定箇所の変位量を測定する変位計において、前記測定部には、可動ロッドの最大移動量を計測することで被測定箇所の最大変位量を測定・記憶する最大変位量測定部と、可動ロッドの累積移動量を計測することで被測定箇所の累積変位量を測定・記憶する累積変位量測定部とが備えられていることを特徴としている。
【0009】
このような特徴により、被測定箇所に変位が生じると、可動ロッドが移動し、可動ロッドの移動量は測定部によって測定される。このとき、最大変位量測定部によって、被測定箇所の最大変位量が測定・記録されるとともに、累積変位量測定部によって、被測定箇所の累積変位量が測定・記録される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の変位計において、前記累積変位量測定部には、外周面に形成された溝内に可動ロッドを嵌合させたプーリーと、プーリーを可動ロッドに押し付ける付勢手段と、プーリーの回転量を計測する回転量計測手段と、プーリーの回転のうち、一定方向の回転力のみを回転量計測手段に伝達する一方向クラッチとが備えられていることを特徴としている。
【0011】
このような特徴により、被測定箇所に変位が生じて可動ロッドが移動すると、付勢手段によって可動ロッドに押し付けられたプーリーは回転する。プーリーの回転量は回転量計測手段によって計測される。このとき、一方向クラッチによって、プーリーは一定方向へのみ回転させられるため、回転量計測手段では一方向の回転量のみが計測され、この回転量に基づいて被測定箇所の累積変位量が測定される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の変位計によれば、変位計の測定部には、最大変位量測定部と累積変位量測定部とが備えられているため、1台で最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶することができ、機器の設置作業を簡略化することができるとともに、設置にかかるコスト及び設置スペースの低減を図ることができる。
また、請求項2記載の変位計によれば、累積変位量測定部が、プーリーと付勢手段と一方向クラッチと回転量計測手段とから構成されているため、ガタツキの生じ難い構成となり、測定される累積変位量値の誤差を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る変位計の実施の形態について、図面に基いて説明する。
【0014】
図1は変位計1の設置状況を表す図である。変位計1は、例えば、図1に示すように、鋼構造体50の架構51内に設置された制震ダンパー52に取り付けられて、当該制震ダンパー52の最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定し、制震ダンパー52の健全性を検査するものである。
【0015】
図2は変位計1を表す図である。図1,図2に示すように、変位計1は、被測定箇所である制震ダンパー52に設置された測定部2と、固定体であるガセットプレート53に取り付けられた可動ロッド3とから構成されている。
可動ロッド3は、一端がガセットプレート53に固定された棒状の部材であり、測定部2に貫設されており、測定部2に対して軸方向に移動可能に設けられている。
【0016】
測定部2は、可動ロッド3の最大移動量を計測することで制震ダンパー52の最大変位量を測定・記憶する最大変位量測定部4と、可動ロッド3の累積移動量を計測することで制震ダンパー52の累積変位量を測定・記憶する累積変位量測定部5とから構成されている。
【0017】
最大変位量測定部4は、周知の最大変位記録センサと同様な構成からなるものであり、例えば、図示せぬ直線ポテンショメータを利用した構成からなるものであり、可動ロッド3の移動方向(軸方向)に沿って表記された目盛り6と、制震ダンパー52の現在の変位量(現在値)を示す第1の受動部7と、伸側(図2における右側)への最大変位量(伸び最大値)を示す第2の受動部8と、縮側(図2における左側)への最大変位量(縮み最大値)を示す第2の受動部9とが備えられた構成からなっている。第1の受動部7は、制震ダンパー52が変形し、最大変位量測定部4と可動ロッド3との相対的な位置関係に変位が生じると、可動ロッド3に従動して目盛り6に沿って動き、現在値を示す。また、第2の受動部8は、制震ダンパー52が変形して可動ロッド3が最大変位量測定部4に対して相対的に伸側に最大に移動すると、可動ロッド3に従動して目盛り6に沿って動き、伸び最大値を示すとともに、当該伸び最大値の位置で記憶保持される。また、第3の受動部9は、制震ダンパー52が変形して可動ロッド3が最大変位量測定部4に対して相対的に縮側に最大に移動すると、可動ロッド3に従動して目盛り6に沿って動き、縮み最大値を示すとともに、当該縮み最大値のところで記憶保持される。
【0018】
図3は累積変位量測定部5の断面を表す図である。図2,図3に示すように、累積変位量測定部5は、制震ダンパー52の伸側への累積変位量(伸び累積値)を測定する第1の累積変位量測定部5aと、縮側への累積変位量(縮み累積値)を測定する第2の累積変位量測定部5bとから構成されており、第1,第2の累積変位量測定部5a,5bは、外周面に形成された溝16a,16b内に可動ロッド3を嵌合させたプーリー10a,10bと、プーリー10a,10bを可動ロッド3に押し付ける付勢手段である板バネ11a,11bと、プーリー10a,10bの回転量を計測する回転量計測手段である回転ポテンショメータ12a,12bと、一定方向の回転力のみを回転ポテンショメータ12a,12bに伝達する一方向クラッチ13a,13bとからそれぞれ構成されている。
【0019】
2つのプーリー10a,10bは可動ロッド3を挟んで横並びに配設されており、可動ロッド3を2つのプーリー10a,10bで両側から挟持する構成となっている。プーリー10a,10bを可動ロッド3に押し付ける板バネ11a,11bは、回転ポテンショメータ12a,12bの側方にそれぞれ配置されており、一体に組み立てられたプーリー10a,10bと一方向クラッチ13a,13bと回転ポテンショメータ12a,12bとの全体を付勢するものである。この板バネ11a,11bによって押し付けられることで、測定部2と可動ロッド3とが相対的に移動したときに、プーリー10a,10bの溝16a,16bの内面と可動ロッド3の外周面との間に摩擦力が生じ、プーリー10a,10bが回転する。
【0020】
プーリー10a,10bの中央部には、プーリー回転軸14a,14bがそれぞれ垂直に設けられており、このプーリー回転軸14a,14bは一方向クラッチ12a,12bを介して一方向回転軸15a,15bに接続されている。2つの一方向クラッチ12a,12bは、プーリー回転軸14a,14bの回転のうち、互いに反対の方向への回転のみを一方向回転軸15a,15bに伝達するものである。つまり、伸側の一方向クラッチ12aは、可動ロッド3が伸側に移動したときに連動して回転する伸側回転方向(図2における反時計周り方向、図3における左側)への回転のみを許容し、伸側回転方向と反対側(図2における時計周り方向、図3における右側)への回転を規制するものである。一方、縮側の一方向クラッチ12bは、可動ロッド3が縮側に移動したときに連動して回転する縮側回転方向(図2における時計周り方向、図3における右側)への回転のみを許容し、縮側回転方向と反対側(図2における反時計周り方向、図3における左側)への回転を規制するものである。
【0021】
図4は回転ポテンショメータ12a,12bの電気回路図である。図3,図4に示すように、回転ポテンショメータ12a,12bは、回転角度を抵抗値(電圧)変化のアナログ量で検出する可変抵抗器であり、回転ポテンショメータ12a,12bによって一方向回転軸15a,15bの回転に比例する電圧が出力される。また、回転ポテンショメータ12a,12bは、板バネ11a,11bによる押し付けを解除することで、一方向回転軸15a,15bが逆回転され、初期位置に戻される。これによって、累積変位のリセットが行われる。
【0022】
次に、上記した構成からなる変位計1の使用方法について説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、変位計1を所定位置に設置する。このとき、測定部2を制震ダンパー52に取り付けるとともに、可動ロッド3の先端をガセットプレート53に取り付ける。このとき、地震エネルギーなどによって制震ダンパー52が伸縮(変形)すると予想される方向(制震ダンパー52の変位方向)に沿って可動ロッド3が延在するように変位計1を配置する。
【0024】
次に、最大変位量測定部4によって、制震ダンパー52の変位量を継続的に測定し、測定期間における伸側および縮側への最大変位量をそれぞれ記録するとともに、累積変位量測定部5によって、制震ダンパー52の変位量を継続的に測定し、測定期間における制震ダンパー52の伸側および縮側への累積変位量をそれぞれ記録する。
【0025】
具体的には、最大変位量測定部4においては、予め、制震ダンパー52に変位が生じていない状態における第1の受動部7が指す基準値を目盛り6から読み取っておく。そして、制震ダンパー52の健全性の検査時に、第1の受動部7が指す値を目盛り6から読み取って、その値と前記基準値とを比較して現在値を検出する。また、現在値の検出と同様に、第2,第3の受動部8.9が指す値をそれぞれ読み取って、その値と前記基準値とを比較して伸び最大値および縮み最大値をそれぞれ検出する。なお、最大変位量測定部4は図示せぬ直線ポテンショメータを利用しているため、電圧値による現在値、最大値、最小値をそれぞれ読み取り、現在値、伸び最大値および縮み最大値にそれぞれ換算することもできる。
【0026】
また、累積変位量測定部5においては、予め、2つの回転ポテンショメータ12a,12bによって出力された電圧値を変位量にそれぞれ換算する換算係数をそれぞれ求めておく。そして、伸側および縮側の回転ポテンショメータ12a,12bからそれぞれ出力された電圧値をそれぞれ読み取り、これらの電圧値と上記した換算係数とによって伸側および縮側の累積変位量をそれぞれ算定する。
【0027】
図5(a)は制震ダンパー52の現在値変化の例を時系列的に示した表である。図5(a)において、右上がり部分が、制震ダンパー52が伸側に変位していることを表しており、右下がりの部分が、制震ダンパー52が縮側に変位していることを表している。また、山部分の頂点が、制震ダンパー52の伸び最大値を表しており、谷部分の底点が、制震ダンパー52の縮み最大値を表している。
【0028】
図5(b)は図5(a)に示すような状況における最大変位量測定部4から出力された出力値を示した表であり、図5(c)は図5(a)に示すような状況における累積変位量測定部5から出力された出力値を示した表である。
最大変位量測定部4によって測定・記憶される伸び最大値および縮み最大値は図5(b)に示すような記録値としてそれぞれ保持される。また、累積変位量測定部5によって測定・記憶される伸び累積値および縮み累積値は図5(c)に示すような記録値としてそれぞれ保持される。
上記した記録値に基づいて、制震ダンパーの健全性を推定し、制震ダンパー52の交換時期等を検討する。
【0029】
上記した構成からなる変位計1によれば、制震ダンパー52に変位が生じ、可動ロッド3が最大変位量測定部4に対して相対的に一方(伸側或いは縮側)に移動すると、累積変位量測定部5の2つのプーリー10a,10bがそれぞれ回転し、このうち可動ロッド3の移動方向に相当する一方のプーリー10a,10bの回転力のみがプーリー回転軸14a,14b、一方向クラッチ13a,13bおよび一方向回転軸15a,15bを介して回転ポテンショメータ12a,12bに伝達される。また、可動ロッド3が伸側或いは縮側に最大に移動すると、最大変位量測定部4の第2の受動部8或いは第3の受動部9が目盛り6に沿って伸側或いは縮側に動き、所定位置で記憶保持される。そして、検査時に、2つの回転ポテンショメータ12a,12bからそれぞれ出力された電圧値に基づいて、伸び累積値および縮み累積値がそれぞれ算定されるとともに、第2の受動部8及び第3の受動部9が示す値から、伸び最大値および縮み最大値がそれぞれ検出される。このように、1台で最大変位量および累積変位量をそれぞれ測定・記憶することができ、機器の設置作業を簡略化することができるとともに、設置にかかるコスト及び設置スペースの低減を図ることができる。
【0030】
また、上記した構成からなる変位計1によれば、板バネ11a,11bによってそれぞれ押し付けられたプーリー10a,10bが直接可動ロッド3に接しているため、ガタツキの生じ難い構成となり、測定される累積変位量値の誤差を低減させることができる。
【0031】
以上、本発明に係る変位計の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、制震ダンパー52の最大変位量および累積変位量を測定・記録するために変位計1を使用しているが、本発明に係る変位計は、その他の用途にも使用することができ、例えば、地震や風などによる柱や梁の変位量を測定する場合や、橋桁の移動量、構造物の継ぎ目などの変形を計測管理する場合にも使用することができる。
【0032】
また、上記した実施の形態では、目盛り6を読み取る方式の最大変位量測定部4が使用されているが、本発明は、最大変位量を電圧値等として出力し、この電圧値に基づいて最大変位量を算定する最大変位量測定部でもよい。
【0033】
また、上記した実施の形態では、回転量計測手段として回転ポテンショメータ12a,12bが使用されているが、本発明は、回転量計測手段として計数カウンタを使用してもよく、回転量を計測できる手段であれば如何なる機器でもよい。
【0034】
また、上記した実施の形態では、付勢部材として板バネ11a,11bが使用されているが、本発明は、付勢部材としてスプリングを使用してもよく、如何なる付勢部材でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための変位計の設置状況を表す図である。
【図2】本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための変位計を表す図である。
【図3】本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための累積変位量測定部の断面を表す図である。
【図4】本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための累積変位量測定部の変形記憶回路を表す図である。
【図5】(a)は本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための変位量の時系列的変化に示した表であり、(b)は本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための最大変位量の時系列的変化に示した表であり、(c)は本発明に係る変位計の実施の形態を説明するための累積変位量の時系列的変化に示した表である。
【符号の説明】
【0036】
1 変位計
2 測定部
3 可動ロッド
4 最大変位量測定部
5 累積変位量測定部
16a,16b 溝
10a,10b プーリー
11a,11b 板バネ(付勢手段)
12a,12b 回転ポテンショメータ(回転量計測手段)
13a,13b 一方向クラッチ
52 制震ダンパー(被測定箇所)
53 ガセットプレート(固定体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定箇所または固定体のうちの何れか一方に設置される測定部によって、測定部に対して軸方向に移動可能に設けられているとともに被測定箇所または固定体のうちの何れか他方に取り付けられる可動ロッドの移動量を計測し、該移動量に基づいて被測定箇所の変位量を測定する変位計において、
前記測定部には、可動ロッドの最大移動量を計測することで被測定箇所の最大変位量を測定・記憶する最大変位量測定部と、可動ロッドの累積移動量を計測することで被測定箇所の累積変位量を測定・記憶する累積変位量測定部とが備えられていることを特徴とする変位計。
【請求項2】
請求項1記載の変位計において、
前記累積変位量測定部には、外周面に形成された溝内に可動ロッドを嵌合させたプーリーと、プーリーを可動ロッドに押し付ける付勢手段と、プーリーの回転量を計測する回転量計測手段と、プーリーの回転のうち、一定方向の回転力のみを回転量計測手段に伝達する一方向クラッチとが備えられていることを特徴とする変位計。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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