変形可能な内側容器をもつ容器およびその製造方法
本発明は、少なくとも1つの分注開口(3)を有する比較的剛な外側容器(2)と、同じく分注開口(5)を有し,生産物で充填され,上記外側容器に収容される変形可能な内側容器(4)を備える。内側容器は、上記分注開口の近傍およびこの分注開口から離れた少なくとも一箇所で外側容器に連結される。この連結は、内側容器に連結された少なくとも1つの固定要素(10)を、外側容器に設けられた開口(8)に通して突出させることによって行われる。固定要素は、ピン状で端部の寸法が上記開口の寸法よりも大きい。また、本発明は、このような容器の製造方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器と、同じく分注開口を有し,生産物で充填され,上記外側容器に収容されるとともに,この分注開口の近傍およびこの分注開口から離れた少なくとも一箇所で上記外側容器に連結される変形可能な内側容器とを備えた分注すべき生産物のための容器に関する。このような容器は、米国公開第2005/0167433 A1号公報で知られている。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、国際公開第WO 2007/039158 A1号公報において、PET(ポリエチレンテレフタラート)の瓶である外側容器と、この外側容器に収容される、例えばPP(ポリプロピレン)の袋である内側容器からなる容器を提案した。この容器は、特に比較的濃いソースやアイスクリームなどの高粘度の生産物を分注することを企図している。この目的のため、上記容器は、押しのけ媒体を加圧して瓶と袋の間に送り込む手動ポンプからなる分注装置と組み合わせて用いられる。このような分注装置は、本出願人による先願である国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に開示されている。この分注装置内に、上記容器が横たえて収容され、瓶と袋の間の空間に上記手動ポンプが接続される。ポンプを操作すると、生産物は、容器の分注開口に向かって押され、分注開口の閉鎖部材を開くことによって外部へ分注される。
【0003】
しかし、上記容器は、実際には容器内に残る生産物が多すぎるという欠点がある。手動ポンプが、内側容器から総ての生産物を押し出すに十分な圧力を作れず、容器を完全に空にすることができない。これは、「ぺしゃんこ」になるときの内側容器の変形、つまり、内側容器の皺が生産物を囲んで拘束する空間を形成することに起因すると考えられる。
【0004】
従来例である上記米国公開第2005/0167433 A1号公報も、比較的剛なプラスチックの瓶と、分注すべき生産物を充填して上記瓶に収容される容易に変形するプラスチックの袋とからなる容器を開示する。この容器は、投与開口に接続されるポンプによって空にされるようになっている。ポンプによって袋が空にされる際の袋内と周囲の圧力差を補償するために、瓶の底部に通気開口が設けられている。瓶と袋は、共押出しで予成形され、次いでブロー成形用金型に挿入される。金型が閉じられると、底部に沿って突出するシームが形成され、このシームの箇所で袋の材料が瓶の材料の間にクランプされる。瓶と袋をブロー成形した後、継手が一部切断され、圧縮圧がシームの両側に沿って加えられて、瓶の片側が袋から離れ、シームが部分的に開かれる。こうして、通気開口が形成される。袋は、押し開かれていないシームの箇所で依然クランプされている。この方法は、多数のステップおよび対応する工具を必要として比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開第2005/0167433 A1号公報
【特許文献2】国際公開第WO 2007/039158 A1号公報
【特許文献3】国際公開第WO 2007/039167 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の問題が生じないか,生じても問題の程度がより少ない容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、次のような容器によって達成される。即ち、外側容器は、連結箇所に、内側容器に連結された少なくとも1つの固定要素を通して突出させる開口を有し、上記固定要素は、ピン状であり、上記開口の寸法よりも大きい寸法の端部を有するような容器である。内側容器と外側容器の間に追加の連結を設けることによって、内側容器は、分注開口から距離を隔ててしっかり固定される。こうして、内側容器は、ぺしゃんこになることが防がれ、生産物を囲む皺が生じないか,僅かに生じるだけになる。斯くて、内側容器は、殆ど完全に空にすることができる。開口を通って突出し,拡大された端部をもつピン状の固定要素を用いることによって、素早く簡単に連結することができる。
【0008】
この本発明の第1の態様の好ましい実施形態は、従属請求項2〜11に書かれている。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、請求項1の前提部に書かれた容器に、分注開口から内側容器内に延び出し,内側容器の崩れを防止する細長い部材を備えた容器が提供される。このような耐崩れ部材も、内側容器がぺしゃんこになることを防ぐ有効な手段である。しかし、耐崩れ部材は、内側容器内の流れ抵抗を増加させ過ぎないように具体化されなければならない。耐崩れ部材の存在は、別の面でそれ自体が、容器からの生産物の流出の障害になることもある。
【0010】
本発明によるこの第2の実施形態の変形例は、従属請求項13〜18に書かれている。
【0011】
本発明は、上述の容器に適用することを明らかに企図した外側容器,内側容器および耐崩れ部材にも関する。
【0012】
さらに、本発明は、このような容器を形成する方法に関する。既述の従来例である米国公開第2005/0167433 A1号公報から、次のような方法が既に知られている。即ち、少なくとも1つの分注開口をもつ比較的剛な外側容器を形成するステップと、同様に分注開口をもち,生産物で充填されるべき変形可能な内側容器を形成するステップと、上記外側容器内に内側容器を配置し,内側容器と外側容器を、上記分注開口の近傍およびこの分注開口から離れた少なくとも一箇所で互いに連結するステップを備えた方法である。
【0013】
本発明による方法は、上記従来例と次の点で差別化される。即ち、外側容器の連結箇所に、内側容器に連結された少なくとも1つのピン状の固定要素が挿通される開口を設け、開口に挿通した後の固定要素に、開口の寸法よりも大きい寸法の拡大された端部を設けるのである。
【0014】
この方法の好ましい変形例は、従属請求項23〜40に書かれている。
【0015】
これに追加し,あるいはこれに代えて、本発明による方法は、内側容器が崩れることを防ぐべく、細長い部材が分注開口から内側容器内に挿入されることで差別化される。
【0016】
この方法のさらなる変形例は、従属請求項42,43に書かれている。
【0017】
本発明を添付の図面を参照しつつ幾つかの実施形態に基づいて説明するが、図面中で対応する構成部材は、100ずつ増やした参照番号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、2成分射出成形後の本発明の第1実施形態による容器の半製品の断面図である。
【図2】図2は、最終形状にブロー成形した後の図1の容器の断面図である。
【図3】図3は、固定要素を圧入して内側容器と外側容器の間に空間が作られた後の図2の容器の分注開口と反対側の底部の詳細図である。
【図4】図4は、連結部材が容器の底部に連結される様子を示す詳細図である。
【図5】図5は、連結部材が容器の底部に連結される様子を示す詳細図である。
【図6】図6は、例えば空気などの押しのけ媒体が連結部材を経て内側容器と外側容器の間の空間に流入する様子を示す詳細図である。
【図7】図7は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図8】図8は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図9】図9は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図10】図10は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図11】図11は、内側容器内に収容される耐崩れ部材の斜視図である。
【図12】図12は、図11の耐崩れ部材を備えた容器の断面図である。
【図13】図13は、図12の容器を紙面に直交する面で切った断面図である。
【図14】図14は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図7に対応する図である。
【図15】図15は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図8に対応する図である。
【図16】図16は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図9に対応する図である。
【図17】図17は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図10に対応する図である。
【図18】図18は、本発明の択一的実施形態による外側容器の半製品の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の択一的実施形態による外側容器の半製品の断面図である。
【図20】図20は、分離して形成された内側容器の半製品の図18に対応する図である。
【図21】図21は、分離して形成された内側容器の半製品の図19に対応する図である。
【図22】図22は、既に一部互いに圧入された中間層の半製品の断面図である。
【図23】図23は、外側容器,中間層,内側容器の各半製品が互いに圧入される様子を示す断面図である。
【図24】図24は、組み立てられた状態の異なる半製品を示す断面図である。
【図25】図25は、内側容器の半製品を上げた状態で示した外側容器の半製品の断面図である。
【図26】図26は、外側容器に内側容器が圧入された半製品の断面図である。
【図27】図27は、ロック片を固定要素に溶接する様子を示す詳細斜視図である。
【図28】図28は、半製品の底部の断面図である。
【図29】図29は、図27の開口の周りに連結部材を配置した図であり、連結部材は断面図で分離して示している。
【図30】図30は、図28に連結部材を含めた図である。
【図31】図31は、連結部材を含んで組み立てられた半製品の側面図である。
【図32】図32は、最終形状にブロー成形された後の容器の側面図である。
【図33】図33は、基部と投与ヘッドが容器に取り付けられる様子を示す側面図である。
【図34】図34は、使う準備が整った容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例えばアイスクリームなどの生産物を分注するための容器1は、分注開口3をもつ比較的剛な外側容器2を備えている(図2)。外側容器2は、図示の実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの硬質プラスチックから作られる。さらに、容器1は、生産物を内部に最終的に収容して外側容器2内に収容される変形可能な内側容器4を備えている。例えばPP(ポリプロピレン)などのプラスチックから作られるこの内側容器4は、同様に分注開口5を有し、いずれの場合も分注開口3,5の箇所で外側容器2に連結される。内側容器4は、図示の実施形態では、その全表面に亘って外側容器2に連結されるように外側容器2と一体に形成される。内側容器4と外側容器2は、取扱い,搬送,貯蔵が容易なように比較的厚い壁厚で実質上円筒形の半製品(図1)として2成分射出成形によって形成される。この半製品は、最終的に加熱され、生産物で充填されなければならない容器1の箇所で比較的薄い壁厚の最終形状にブロー成形される。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、内側容器4は、分注開口3,5から離れた箇所6で外側容器2に更に連結される。これは、図示の実施形態では、機械的連結、より詳しくはスナップ連結またはクランプ連結であり、連結箇所6は、外側,内側容器2,4の分注開口3,5と正反対の箇所にある。外側容器2は、接続箇所6に位置する端壁7の突出部9に開口8を有する。この突出部9は、実際に射出成形の際のゲートを形成する。内側容器4に連結された固定要素10は、上記開口8を通って突出する。この固定要素10は、内側容器4,より詳しくは突出部14と一体に形成され、同様に射出成形の際のゲートを形成する。
【0021】
固定要素10は、図示の実施形態では、ピン状であり、端部11の寸法が開口8の寸法よりも大きくなるようにこの端部11を曲げたり,変形させたりして最終的に固定が実現される(図6)。外側容器2は、図示の実施形態では、内側容器4に直接連結されておらず、実際は内側容器4とより詳しく後述する連結部材12の間に挟まれている。
【0022】
内側容器4と外側容器2の間に空間13が区画され、この空間13に、内側容器4に収容された生産物を分注開口5を経て外部へ強制排出させる押しのけ媒体が導入される。この空間13は、図示の実施形態では、連結箇所6の位置に区画され、外側容器2の端壁7の開口8を経て大気に連通している。この目的のため、固定要素10が、部分的に外側容器2に再び押し込まれて、固定要素10に連結された内側容器4の部分が、外側容器2に拘束されずに自由に引き上げられ,外部容器2から或る距離だけ移動する(図3)。
【0023】
そして、上述の連結部材12が、開口8の位置で外側容器2に連結される。この連結部材12は、空間13を例えば国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に記載された手動ポンプなどの(図示しない)押しのけ媒体供給源に連通する役割を果たす。後述するように、連結部材12は、固定要素10によって外側容器2に連結される。
【0024】
連結部材12は、図示の実施形態では、平坦な基部15と外側容器16の端壁7に対応する椀状の上部16を有する環の形状をなす(図4)。この椀状の上部16は、接着によって外側容器2に連結される。連結部材12内には、更に円筒状の受容空間17が形成され、受容空間17の形状と寸法は、端壁7の突出部9の形状と寸法に正確に対応していて、突出部9を受容空間17に気密に収容できるようになっている(図5)。受容空間17の底部に開口18が形成され、開口の18の直径は、固定要素10の端部11の直径に対応している。斯くて、端部11は、開口18に気密に挿通される。
【0025】
ピン状の固定要素10は、段付きの形状をなし、2つの肩部19,20によって分離された直径の異なる3つの部分を有する。上部分は、外側容器の開口8と同じ直径を有し、射出成形の後に開口8を閉鎖する(図1,2)。中間部分は、固定要素10が押し込まれた後に固定要素の周りに環状通路ができるように僅かに小さな直径を有する(図3)。中間部分の直径は、連結部材12の開口18よりも大きく、肩部20が開口18の縁にストッパとして当接するようになっている(図5)。そして、端部11が加熱され,変形されると、受容空間17の底部は、肩部20と端部11の間に挟まれて、連結部材12が外側容器2に外れないように取り付けられる(図6)。
【0026】
連結部材12は、押しのけ媒体の供給源へ導く導管のための接続部21と、この接続部21と受容空間17の間に介設された弁22を有する。この弁22は、押しのけ媒体を空間13に向かう方向へのみ通過させ、押しのけ媒体の漏れを防止する。
【0027】
一旦、連結部材12が外側容器2に連結され、内側容器4が分注すべき生産物で満たされると、外側容器2の分注開口3の周りの首部に投与ヘッド23が装着される。この投与ヘッド23は、例えば国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に記載された種類のものであり、投与開口24をもつ球状のキャップと、このキャップに枢着され,ハンドル26で操作される同様に球状の閉鎖部材25とを有する。こうして、容器1は、いつでも使用できる状態となる(図7)。
【0028】
使用中に内側容器4と外側容器2の間の空間13は、ポンプを操作することによって毎回押しのけ媒体で充填され、それによって内側容器4内の生産物は、加圧される。そして、ハンドル26を動かして閉鎖部材25が操作されると、投与開口24が開き、生産物は投与開口を経て容器1の外へ流出する。内側容器4は、大気から気密に封止されているので、流出する生産物は外気で置き換えられないから、内側容器4は収縮する。これによって、外側容器2の内表面から引き離される内側容器4の外表面は益々増大する(図8,9,10)。しかし、内側容器4の後部側は、外側容器2の端壁7に機械的に固定されているので、内側容器は、或る程度引き延ばされ,引っ張られているので、生産物を取り囲む皺の形成が可能な限り避けられる。従って、内側容器4内の実質上総ての生産物が分注されることになる。
【0029】
択一的実施形態である容器101では、内側容器の後部側を内側容器104の端壁107に固定することに加えて,あるいはこれに代えて、内側容器104が崩れる,つまり,ぺしゃんこになることを防止するため耐崩れ部材127が用いられる。図示の例では、耐崩れ部材127は、細長くて分注開口105から内側容器104内へ延在する(図12,13)。内側容器104は、後部側を外側容器102に機械的に連結されているので、耐崩れ部材127は、分注開口103,105と内側容器104の端壁107の間の距離の半分よりも僅かに長く延びるだけで十分である。しかし、実質上端壁107まで延びる耐崩れ部材を用いることも考えられる。その場合、耐崩れ部材は、結局、内側容器104の後端側を端壁107の位置に不動に保持するので、内側容器104を外側容器102に別途固定する必要はない。
【0030】
この例では、耐崩れ部材127は、多数の開口128が形成された側壁をもつ管の形をしている。これらの開口128は、夫々管の略半円周に亘って延び、耐崩れ部材127の長手方向および円周方向にずらされている。これは、実際、2つの支持部129の間でかつ支持部129の両側に多数の半円の段130が突出する一種の梯子を形成する(図11)。支持部129は、連続した環131に頂部で更に連結され、この環131は、内側容器104の分注開口105に収容される。
【0031】
この容器101の実施形態の操作は、第1実施形態の操作と殆ど同じである。生産物は、内側容器104と外側容器102の間の空間113が加圧された押しのけ媒体で充填され、閉鎖部材125が開かれたとき、内側容器104から分注される。そのとき、耐崩れ部材127は、図示の実施形態では固定要素110と組み合わさって、内側容器104が崩れたり,ぺしゃんこになったりしないことを保証して、殆ど完全に内側容器を空にすることができる(図14〜17)。最大の残留体積は、耐崩れ部材127の体積に等しい。耐崩れ部材127は、比較的開かれた形状なので、生産物の流出を妨げない。また、耐崩れ部材127の表面積が比較的小さいので、生産物は、耐崩れ部材127に殆ど付着しない。
【0032】
更に他の実施形態の容器201では、内側容器204と外側容器204は、互いに別々に形成され、次いで一体に連結される。内側容器204と外側容器202は、比較的厚い壁で実質上管状の半製品として形成され(図18〜21)、連結された後に、比較的薄い壁の最終形状にブロー成型される。内側容器204と外側容器202を互いに連結するために、分注開口203,205の位置で内側容器に屈曲端縁232が設けられ、この屈曲端縁232は、外側容器202のカラー233にスナップ連結することができる。
【0033】
外側容器202が例えば射出成形によって別に形成されるので、開口208を共モールドで直接作る代わりに、開口208を後で機械加工によって作ることも可能である。従って、簡素な金型を用いることができる。
【0034】
内側容器204と外側容器202を別々に形成する他の利点は、夫々の容器の製造過程を最適化できることである。内側容器204よりも厚い外側容器202の射出成形に要する比較的長いサイクル時間は、例えばより多数のモールドキャビティをもつ金型を用いることによって相殺できる。製造過程のパラメータも、外側容器202および内側容器204に用いられる異なった材料に最適に適合させることができる。
【0035】
内側容器204と外側容器202を別々に形成すると、両容器間に追加の層235,236を配置することも比較的簡単になる。これらの中間層235,236は、同様に射出成形によって形成でき、内側容器204および外側容器202の形状に対応する形状をもつ(図22)。この場合、中間層235,236は、内側容器204と外側容器202が互いに押し込まれてスナップ固定されると、両容器の間に挟まれる(図23)。しかし、内側容器が外側容器202に押し込まれてスナップ固定される前に、内側容器204の周りに巻き付けた膜で形成された1つ以上の中間層235,236も考えられる。
【0036】
中間層235,236は、厚さが内側容器204の厚さよりも小さいか略同じで、内側容器204と中間層235,236が実際に一体として挙動するように内側容器と同様に容易に変形できる。多層内側容器204は、実際このようにして形成される(図24)。従って、この実施形態では、押しのけ媒体が流入できる内側容器204と外側容器202の間の空間は、外側容器202と外側の中間層235の間に区画される。
【0037】
中間層235,236は、容器201の障壁(バリア)性能を改善するために役立ち、容器内に収容する生産物の品質を保証する。中間層235,236は、内側容器204の補強や化学物質に対する耐性改善にも役立つことができる。中間層235,236を用いる必要があるか否か、中間層にどのような材料を使うべきかは、分注すべき生産物の性質に依存する。
【0038】
中間層235,236は、他に共射出成形または共押出し成形によって内側容器204と一体に形成することができる。内側容器204と外側容器202の間に層を一体化する他の可能性の第1は、所謂インモールド・ラベリングであり、この方法では、内側容器204が射出成形される前に、まず印刷された膜が射出成形金型に置かれる。第2の可能性は、所謂スリービングであり、この方法では、射出成形後の内側容器204の周りにスリーブを配置し、次に型押し付けによってスリーブを内側容器の周りに固く押し付ける。インモールド・ラベリングは、内側容器204の物理的特性の改善に加えて、特に魅力ある容器が得られるという利点がある。外側容器202は通常透明,あるいは少なくとも半透明であるので、内側容器204の様子が外部から見える。内側容器204のインモールド・ラベリングによって、魅力的な視覚効果が達成される。
【0039】
本発明の更なる他の実施形態では、多層の内側容器304と外側容器302は、例えばPETなどの同じまたは類似のプラスチックで別々に作られ、次いで一体に圧入される(図25)。内側容器304は、その外側に例えばシリコンからなる非接着層335を有する。これは、使用中に押しのけ媒体が内側層と外側層の間の空間313に導入されたとき、内側層が外側層から容易に離れるという効果を奏する。
【0040】
内側容器304は、射出成形の際にゲートを形成し、固定要素310の役割を果たす突出部314を有する。この突出部314は、外側容器302の基部の開口308を通って突出する(図26)。この突出部314は、先の実施形態と違って変形されたり,曲げられたりせず、それに代えてロック片337が固定される。このロック片337は、図示の実施形態では、内側容器304と同じまたは類似のプラスチックからなり、突出部に溶接される。図示の実施形態では、固定要素の端部にスピン溶接が行われる。即ち、ロック片337を高速で回転させて突出部314に押し付け、摩擦熱で溶接するのである(図27)。しかし、他の溶接や接着などの他の接合方法も勿論考えられる。
【0041】
さらに、内側容器304と外側容器302の間の空間313に、押しのけ媒体を導入できるよう、外側容器302に連結部材312が取り付けられる。この実施形態では、内側容器304は、突出部314の近傍で外側容器302よりも幾分狭く,かつ,短く作られ、突出部314上のリブ341(図25)が適切な位置決めを行って、空間313が形成される。図示の実施形態では、連結部材312は、外側容器302と同じまたは類似のプラスチックからなり、端壁307の突出部309にスピン溶接によって取り付けられる。連結部材312を外側容器302に連結する前に、連結部材内に弁322が配置される(図29)。
【0042】
ロック片337と連結部材312が、内側容器304と外側容器302に取り付けられた後(図31)、半製品は、最終形状にブロー成型される(図32)。そして、投与ヘッド323が、分注開口303を囲む首部に取り付けられ、椀状の上部316をもつ基部338が、容器301の端壁307に取り付けられる(図33)。この基部は、連結部材312を収容する受容空間317を有する。連結部材312および基部338には、協働してバイオネット継手を形成するラグ339および開口340が設けられる(図34)。
【0043】
本発明は、幾つかの実施形態に基づいて述べてきたが、これらの実施形態に限定されないことは明らかである。他の箇所で内側容器を外側容器に連結することもできる。さらに、固定要素は、長手方向および横断面方向における寸法と形状を異ならせることも、複数の固定要素を用いることもできる。外側容器および内側容器の形状および材料も、勿論変更することができる。さらに、押しのけ媒体は、連結箇所以外の箇所から容器に導入することもできる。また、押しのけ媒体の供給源が一定圧に加圧されていれば、弁を用いなくても良い。
【0044】
従って、本発明の範囲は、次の請求の範囲のみによって定義される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器と、同じく分注開口を有し,生産物で充填され,上記外側容器に収容されるとともに,この分注開口の近傍およびこの分注開口から離れた少なくとも一箇所で上記外側容器に連結される変形可能な内側容器とを備えた分注すべき生産物のための容器に関する。このような容器は、米国公開第2005/0167433 A1号公報で知られている。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、国際公開第WO 2007/039158 A1号公報において、PET(ポリエチレンテレフタラート)の瓶である外側容器と、この外側容器に収容される、例えばPP(ポリプロピレン)の袋である内側容器からなる容器を提案した。この容器は、特に比較的濃いソースやアイスクリームなどの高粘度の生産物を分注することを企図している。この目的のため、上記容器は、押しのけ媒体を加圧して瓶と袋の間に送り込む手動ポンプからなる分注装置と組み合わせて用いられる。このような分注装置は、本出願人による先願である国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に開示されている。この分注装置内に、上記容器が横たえて収容され、瓶と袋の間の空間に上記手動ポンプが接続される。ポンプを操作すると、生産物は、容器の分注開口に向かって押され、分注開口の閉鎖部材を開くことによって外部へ分注される。
【0003】
しかし、上記容器は、実際には容器内に残る生産物が多すぎるという欠点がある。手動ポンプが、内側容器から総ての生産物を押し出すに十分な圧力を作れず、容器を完全に空にすることができない。これは、「ぺしゃんこ」になるときの内側容器の変形、つまり、内側容器の皺が生産物を囲んで拘束する空間を形成することに起因すると考えられる。
【0004】
従来例である上記米国公開第2005/0167433 A1号公報も、比較的剛なプラスチックの瓶と、分注すべき生産物を充填して上記瓶に収容される容易に変形するプラスチックの袋とからなる容器を開示する。この容器は、投与開口に接続されるポンプによって空にされるようになっている。ポンプによって袋が空にされる際の袋内と周囲の圧力差を補償するために、瓶の底部に通気開口が設けられている。瓶と袋は、共押出しで予成形され、次いでブロー成形用金型に挿入される。金型が閉じられると、底部に沿って突出するシームが形成され、このシームの箇所で袋の材料が瓶の材料の間にクランプされる。瓶と袋をブロー成形した後、継手が一部切断され、圧縮圧がシームの両側に沿って加えられて、瓶の片側が袋から離れ、シームが部分的に開かれる。こうして、通気開口が形成される。袋は、押し開かれていないシームの箇所で依然クランプされている。この方法は、多数のステップおよび対応する工具を必要として比較的複雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国公開第2005/0167433 A1号公報
【特許文献2】国際公開第WO 2007/039158 A1号公報
【特許文献3】国際公開第WO 2007/039167 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の問題が生じないか,生じても問題の程度がより少ない容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、次のような容器によって達成される。即ち、外側容器は、連結箇所に、内側容器に連結された少なくとも1つの固定要素を通して突出させる開口を有し、上記固定要素は、ピン状であり、上記開口の寸法よりも大きい寸法の端部を有するような容器である。内側容器と外側容器の間に追加の連結を設けることによって、内側容器は、分注開口から距離を隔ててしっかり固定される。こうして、内側容器は、ぺしゃんこになることが防がれ、生産物を囲む皺が生じないか,僅かに生じるだけになる。斯くて、内側容器は、殆ど完全に空にすることができる。開口を通って突出し,拡大された端部をもつピン状の固定要素を用いることによって、素早く簡単に連結することができる。
【0008】
この本発明の第1の態様の好ましい実施形態は、従属請求項2〜11に書かれている。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、請求項1の前提部に書かれた容器に、分注開口から内側容器内に延び出し,内側容器の崩れを防止する細長い部材を備えた容器が提供される。このような耐崩れ部材も、内側容器がぺしゃんこになることを防ぐ有効な手段である。しかし、耐崩れ部材は、内側容器内の流れ抵抗を増加させ過ぎないように具体化されなければならない。耐崩れ部材の存在は、別の面でそれ自体が、容器からの生産物の流出の障害になることもある。
【0010】
本発明によるこの第2の実施形態の変形例は、従属請求項13〜18に書かれている。
【0011】
本発明は、上述の容器に適用することを明らかに企図した外側容器,内側容器および耐崩れ部材にも関する。
【0012】
さらに、本発明は、このような容器を形成する方法に関する。既述の従来例である米国公開第2005/0167433 A1号公報から、次のような方法が既に知られている。即ち、少なくとも1つの分注開口をもつ比較的剛な外側容器を形成するステップと、同様に分注開口をもち,生産物で充填されるべき変形可能な内側容器を形成するステップと、上記外側容器内に内側容器を配置し,内側容器と外側容器を、上記分注開口の近傍およびこの分注開口から離れた少なくとも一箇所で互いに連結するステップを備えた方法である。
【0013】
本発明による方法は、上記従来例と次の点で差別化される。即ち、外側容器の連結箇所に、内側容器に連結された少なくとも1つのピン状の固定要素が挿通される開口を設け、開口に挿通した後の固定要素に、開口の寸法よりも大きい寸法の拡大された端部を設けるのである。
【0014】
この方法の好ましい変形例は、従属請求項23〜40に書かれている。
【0015】
これに追加し,あるいはこれに代えて、本発明による方法は、内側容器が崩れることを防ぐべく、細長い部材が分注開口から内側容器内に挿入されることで差別化される。
【0016】
この方法のさらなる変形例は、従属請求項42,43に書かれている。
【0017】
本発明を添付の図面を参照しつつ幾つかの実施形態に基づいて説明するが、図面中で対応する構成部材は、100ずつ増やした参照番号を付している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、2成分射出成形後の本発明の第1実施形態による容器の半製品の断面図である。
【図2】図2は、最終形状にブロー成形した後の図1の容器の断面図である。
【図3】図3は、固定要素を圧入して内側容器と外側容器の間に空間が作られた後の図2の容器の分注開口と反対側の底部の詳細図である。
【図4】図4は、連結部材が容器の底部に連結される様子を示す詳細図である。
【図5】図5は、連結部材が容器の底部に連結される様子を示す詳細図である。
【図6】図6は、例えば空気などの押しのけ媒体が連結部材を経て内側容器と外側容器の間の空間に流入する様子を示す詳細図である。
【図7】図7は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図8】図8は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図9】図9は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図10】図10は、連結部材および分注開口に投与ヘッドを取り付けた容器から、生産物を分注する各段階を示す断面図である。
【図11】図11は、内側容器内に収容される耐崩れ部材の斜視図である。
【図12】図12は、図11の耐崩れ部材を備えた容器の断面図である。
【図13】図13は、図12の容器を紙面に直交する面で切った断面図である。
【図14】図14は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図7に対応する図である。
【図15】図15は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図8に対応する図である。
【図16】図16は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図9に対応する図である。
【図17】図17は、図12,13の容器から生産物を分注する各段階を示す図10に対応する図である。
【図18】図18は、本発明の択一的実施形態による外側容器の半製品の斜視図である。
【図19】図19は、本発明の択一的実施形態による外側容器の半製品の断面図である。
【図20】図20は、分離して形成された内側容器の半製品の図18に対応する図である。
【図21】図21は、分離して形成された内側容器の半製品の図19に対応する図である。
【図22】図22は、既に一部互いに圧入された中間層の半製品の断面図である。
【図23】図23は、外側容器,中間層,内側容器の各半製品が互いに圧入される様子を示す断面図である。
【図24】図24は、組み立てられた状態の異なる半製品を示す断面図である。
【図25】図25は、内側容器の半製品を上げた状態で示した外側容器の半製品の断面図である。
【図26】図26は、外側容器に内側容器が圧入された半製品の断面図である。
【図27】図27は、ロック片を固定要素に溶接する様子を示す詳細斜視図である。
【図28】図28は、半製品の底部の断面図である。
【図29】図29は、図27の開口の周りに連結部材を配置した図であり、連結部材は断面図で分離して示している。
【図30】図30は、図28に連結部材を含めた図である。
【図31】図31は、連結部材を含んで組み立てられた半製品の側面図である。
【図32】図32は、最終形状にブロー成形された後の容器の側面図である。
【図33】図33は、基部と投与ヘッドが容器に取り付けられる様子を示す側面図である。
【図34】図34は、使う準備が整った容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例えばアイスクリームなどの生産物を分注するための容器1は、分注開口3をもつ比較的剛な外側容器2を備えている(図2)。外側容器2は、図示の実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの硬質プラスチックから作られる。さらに、容器1は、生産物を内部に最終的に収容して外側容器2内に収容される変形可能な内側容器4を備えている。例えばPP(ポリプロピレン)などのプラスチックから作られるこの内側容器4は、同様に分注開口5を有し、いずれの場合も分注開口3,5の箇所で外側容器2に連結される。内側容器4は、図示の実施形態では、その全表面に亘って外側容器2に連結されるように外側容器2と一体に形成される。内側容器4と外側容器2は、取扱い,搬送,貯蔵が容易なように比較的厚い壁厚で実質上円筒形の半製品(図1)として2成分射出成形によって形成される。この半製品は、最終的に加熱され、生産物で充填されなければならない容器1の箇所で比較的薄い壁厚の最終形状にブロー成形される。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、内側容器4は、分注開口3,5から離れた箇所6で外側容器2に更に連結される。これは、図示の実施形態では、機械的連結、より詳しくはスナップ連結またはクランプ連結であり、連結箇所6は、外側,内側容器2,4の分注開口3,5と正反対の箇所にある。外側容器2は、接続箇所6に位置する端壁7の突出部9に開口8を有する。この突出部9は、実際に射出成形の際のゲートを形成する。内側容器4に連結された固定要素10は、上記開口8を通って突出する。この固定要素10は、内側容器4,より詳しくは突出部14と一体に形成され、同様に射出成形の際のゲートを形成する。
【0021】
固定要素10は、図示の実施形態では、ピン状であり、端部11の寸法が開口8の寸法よりも大きくなるようにこの端部11を曲げたり,変形させたりして最終的に固定が実現される(図6)。外側容器2は、図示の実施形態では、内側容器4に直接連結されておらず、実際は内側容器4とより詳しく後述する連結部材12の間に挟まれている。
【0022】
内側容器4と外側容器2の間に空間13が区画され、この空間13に、内側容器4に収容された生産物を分注開口5を経て外部へ強制排出させる押しのけ媒体が導入される。この空間13は、図示の実施形態では、連結箇所6の位置に区画され、外側容器2の端壁7の開口8を経て大気に連通している。この目的のため、固定要素10が、部分的に外側容器2に再び押し込まれて、固定要素10に連結された内側容器4の部分が、外側容器2に拘束されずに自由に引き上げられ,外部容器2から或る距離だけ移動する(図3)。
【0023】
そして、上述の連結部材12が、開口8の位置で外側容器2に連結される。この連結部材12は、空間13を例えば国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に記載された手動ポンプなどの(図示しない)押しのけ媒体供給源に連通する役割を果たす。後述するように、連結部材12は、固定要素10によって外側容器2に連結される。
【0024】
連結部材12は、図示の実施形態では、平坦な基部15と外側容器16の端壁7に対応する椀状の上部16を有する環の形状をなす(図4)。この椀状の上部16は、接着によって外側容器2に連結される。連結部材12内には、更に円筒状の受容空間17が形成され、受容空間17の形状と寸法は、端壁7の突出部9の形状と寸法に正確に対応していて、突出部9を受容空間17に気密に収容できるようになっている(図5)。受容空間17の底部に開口18が形成され、開口の18の直径は、固定要素10の端部11の直径に対応している。斯くて、端部11は、開口18に気密に挿通される。
【0025】
ピン状の固定要素10は、段付きの形状をなし、2つの肩部19,20によって分離された直径の異なる3つの部分を有する。上部分は、外側容器の開口8と同じ直径を有し、射出成形の後に開口8を閉鎖する(図1,2)。中間部分は、固定要素10が押し込まれた後に固定要素の周りに環状通路ができるように僅かに小さな直径を有する(図3)。中間部分の直径は、連結部材12の開口18よりも大きく、肩部20が開口18の縁にストッパとして当接するようになっている(図5)。そして、端部11が加熱され,変形されると、受容空間17の底部は、肩部20と端部11の間に挟まれて、連結部材12が外側容器2に外れないように取り付けられる(図6)。
【0026】
連結部材12は、押しのけ媒体の供給源へ導く導管のための接続部21と、この接続部21と受容空間17の間に介設された弁22を有する。この弁22は、押しのけ媒体を空間13に向かう方向へのみ通過させ、押しのけ媒体の漏れを防止する。
【0027】
一旦、連結部材12が外側容器2に連結され、内側容器4が分注すべき生産物で満たされると、外側容器2の分注開口3の周りの首部に投与ヘッド23が装着される。この投与ヘッド23は、例えば国際公開第WO 2007/039167 A1号公報に記載された種類のものであり、投与開口24をもつ球状のキャップと、このキャップに枢着され,ハンドル26で操作される同様に球状の閉鎖部材25とを有する。こうして、容器1は、いつでも使用できる状態となる(図7)。
【0028】
使用中に内側容器4と外側容器2の間の空間13は、ポンプを操作することによって毎回押しのけ媒体で充填され、それによって内側容器4内の生産物は、加圧される。そして、ハンドル26を動かして閉鎖部材25が操作されると、投与開口24が開き、生産物は投与開口を経て容器1の外へ流出する。内側容器4は、大気から気密に封止されているので、流出する生産物は外気で置き換えられないから、内側容器4は収縮する。これによって、外側容器2の内表面から引き離される内側容器4の外表面は益々増大する(図8,9,10)。しかし、内側容器4の後部側は、外側容器2の端壁7に機械的に固定されているので、内側容器は、或る程度引き延ばされ,引っ張られているので、生産物を取り囲む皺の形成が可能な限り避けられる。従って、内側容器4内の実質上総ての生産物が分注されることになる。
【0029】
択一的実施形態である容器101では、内側容器の後部側を内側容器104の端壁107に固定することに加えて,あるいはこれに代えて、内側容器104が崩れる,つまり,ぺしゃんこになることを防止するため耐崩れ部材127が用いられる。図示の例では、耐崩れ部材127は、細長くて分注開口105から内側容器104内へ延在する(図12,13)。内側容器104は、後部側を外側容器102に機械的に連結されているので、耐崩れ部材127は、分注開口103,105と内側容器104の端壁107の間の距離の半分よりも僅かに長く延びるだけで十分である。しかし、実質上端壁107まで延びる耐崩れ部材を用いることも考えられる。その場合、耐崩れ部材は、結局、内側容器104の後端側を端壁107の位置に不動に保持するので、内側容器104を外側容器102に別途固定する必要はない。
【0030】
この例では、耐崩れ部材127は、多数の開口128が形成された側壁をもつ管の形をしている。これらの開口128は、夫々管の略半円周に亘って延び、耐崩れ部材127の長手方向および円周方向にずらされている。これは、実際、2つの支持部129の間でかつ支持部129の両側に多数の半円の段130が突出する一種の梯子を形成する(図11)。支持部129は、連続した環131に頂部で更に連結され、この環131は、内側容器104の分注開口105に収容される。
【0031】
この容器101の実施形態の操作は、第1実施形態の操作と殆ど同じである。生産物は、内側容器104と外側容器102の間の空間113が加圧された押しのけ媒体で充填され、閉鎖部材125が開かれたとき、内側容器104から分注される。そのとき、耐崩れ部材127は、図示の実施形態では固定要素110と組み合わさって、内側容器104が崩れたり,ぺしゃんこになったりしないことを保証して、殆ど完全に内側容器を空にすることができる(図14〜17)。最大の残留体積は、耐崩れ部材127の体積に等しい。耐崩れ部材127は、比較的開かれた形状なので、生産物の流出を妨げない。また、耐崩れ部材127の表面積が比較的小さいので、生産物は、耐崩れ部材127に殆ど付着しない。
【0032】
更に他の実施形態の容器201では、内側容器204と外側容器204は、互いに別々に形成され、次いで一体に連結される。内側容器204と外側容器202は、比較的厚い壁で実質上管状の半製品として形成され(図18〜21)、連結された後に、比較的薄い壁の最終形状にブロー成型される。内側容器204と外側容器202を互いに連結するために、分注開口203,205の位置で内側容器に屈曲端縁232が設けられ、この屈曲端縁232は、外側容器202のカラー233にスナップ連結することができる。
【0033】
外側容器202が例えば射出成形によって別に形成されるので、開口208を共モールドで直接作る代わりに、開口208を後で機械加工によって作ることも可能である。従って、簡素な金型を用いることができる。
【0034】
内側容器204と外側容器202を別々に形成する他の利点は、夫々の容器の製造過程を最適化できることである。内側容器204よりも厚い外側容器202の射出成形に要する比較的長いサイクル時間は、例えばより多数のモールドキャビティをもつ金型を用いることによって相殺できる。製造過程のパラメータも、外側容器202および内側容器204に用いられる異なった材料に最適に適合させることができる。
【0035】
内側容器204と外側容器202を別々に形成すると、両容器間に追加の層235,236を配置することも比較的簡単になる。これらの中間層235,236は、同様に射出成形によって形成でき、内側容器204および外側容器202の形状に対応する形状をもつ(図22)。この場合、中間層235,236は、内側容器204と外側容器202が互いに押し込まれてスナップ固定されると、両容器の間に挟まれる(図23)。しかし、内側容器が外側容器202に押し込まれてスナップ固定される前に、内側容器204の周りに巻き付けた膜で形成された1つ以上の中間層235,236も考えられる。
【0036】
中間層235,236は、厚さが内側容器204の厚さよりも小さいか略同じで、内側容器204と中間層235,236が実際に一体として挙動するように内側容器と同様に容易に変形できる。多層内側容器204は、実際このようにして形成される(図24)。従って、この実施形態では、押しのけ媒体が流入できる内側容器204と外側容器202の間の空間は、外側容器202と外側の中間層235の間に区画される。
【0037】
中間層235,236は、容器201の障壁(バリア)性能を改善するために役立ち、容器内に収容する生産物の品質を保証する。中間層235,236は、内側容器204の補強や化学物質に対する耐性改善にも役立つことができる。中間層235,236を用いる必要があるか否か、中間層にどのような材料を使うべきかは、分注すべき生産物の性質に依存する。
【0038】
中間層235,236は、他に共射出成形または共押出し成形によって内側容器204と一体に形成することができる。内側容器204と外側容器202の間に層を一体化する他の可能性の第1は、所謂インモールド・ラベリングであり、この方法では、内側容器204が射出成形される前に、まず印刷された膜が射出成形金型に置かれる。第2の可能性は、所謂スリービングであり、この方法では、射出成形後の内側容器204の周りにスリーブを配置し、次に型押し付けによってスリーブを内側容器の周りに固く押し付ける。インモールド・ラベリングは、内側容器204の物理的特性の改善に加えて、特に魅力ある容器が得られるという利点がある。外側容器202は通常透明,あるいは少なくとも半透明であるので、内側容器204の様子が外部から見える。内側容器204のインモールド・ラベリングによって、魅力的な視覚効果が達成される。
【0039】
本発明の更なる他の実施形態では、多層の内側容器304と外側容器302は、例えばPETなどの同じまたは類似のプラスチックで別々に作られ、次いで一体に圧入される(図25)。内側容器304は、その外側に例えばシリコンからなる非接着層335を有する。これは、使用中に押しのけ媒体が内側層と外側層の間の空間313に導入されたとき、内側層が外側層から容易に離れるという効果を奏する。
【0040】
内側容器304は、射出成形の際にゲートを形成し、固定要素310の役割を果たす突出部314を有する。この突出部314は、外側容器302の基部の開口308を通って突出する(図26)。この突出部314は、先の実施形態と違って変形されたり,曲げられたりせず、それに代えてロック片337が固定される。このロック片337は、図示の実施形態では、内側容器304と同じまたは類似のプラスチックからなり、突出部に溶接される。図示の実施形態では、固定要素の端部にスピン溶接が行われる。即ち、ロック片337を高速で回転させて突出部314に押し付け、摩擦熱で溶接するのである(図27)。しかし、他の溶接や接着などの他の接合方法も勿論考えられる。
【0041】
さらに、内側容器304と外側容器302の間の空間313に、押しのけ媒体を導入できるよう、外側容器302に連結部材312が取り付けられる。この実施形態では、内側容器304は、突出部314の近傍で外側容器302よりも幾分狭く,かつ,短く作られ、突出部314上のリブ341(図25)が適切な位置決めを行って、空間313が形成される。図示の実施形態では、連結部材312は、外側容器302と同じまたは類似のプラスチックからなり、端壁307の突出部309にスピン溶接によって取り付けられる。連結部材312を外側容器302に連結する前に、連結部材内に弁322が配置される(図29)。
【0042】
ロック片337と連結部材312が、内側容器304と外側容器302に取り付けられた後(図31)、半製品は、最終形状にブロー成型される(図32)。そして、投与ヘッド323が、分注開口303を囲む首部に取り付けられ、椀状の上部316をもつ基部338が、容器301の端壁307に取り付けられる(図33)。この基部は、連結部材312を収容する受容空間317を有する。連結部材312および基部338には、協働してバイオネット継手を形成するラグ339および開口340が設けられる(図34)。
【0043】
本発明は、幾つかの実施形態に基づいて述べてきたが、これらの実施形態に限定されないことは明らかである。他の箇所で内側容器を外側容器に連結することもできる。さらに、固定要素は、長手方向および横断面方向における寸法と形状を異ならせることも、複数の固定要素を用いることもできる。外側容器および内側容器の形状および材料も、勿論変更することができる。さらに、押しのけ媒体は、連結箇所以外の箇所から容器に導入することもできる。また、押しのけ媒体の供給源が一定圧に加圧されていれば、弁を用いなくても良い。
【0044】
従って、本発明の範囲は、次の請求の範囲のみによって定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注すべき生産物のための容器であって、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器と、同じく分注開口を有し,上記生産物で充填され,上記外側容器に収容されるとともに,上記分注開口の近傍の箇所およびこの分注開口から離れた少なくとも1つの箇所で上記外側容器に連結される変形可能な内側容器を備えた容器において、
上記外側容器は、上記連結箇所に、上記内側容器に連結された少なくとも1つの固定要素を通して突出させる開口を有し、上記固定要素は、ピン状であり、上記開口の寸法よりも大きい寸法の端部を有することを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、上記端部は、上記固定要素の例えば曲げによって変形させられた部分からなることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器において、上記端部は、上記固定要素に取り付けられたロック片からなることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の容器において、上記固定要素は、上記内側容器に一体に形成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器は、上記分注開口と実質上正反対に位置する箇所で上記外側容器に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の容器において、押しのけ媒体のための空間が、上記内側容器と上記外側容器の間に区画されることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項6に記載の容器において、上記空間は、上記連結箇所の位置に区画され、開口を介して大気に連通することを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器において、上記空間は、上記固定要素によって上記外側容器から距離を隔てて保持された上記内側容器の部分によって区画されることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器と上記外側容器の間に非接着層が配置されていることを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1つに記載の容器において、押しのけ媒体の供給源のための接続部材が、上記外側部材の上記開口の位置に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器において、上記連結部材は、上記固定要素によって上記外側容器に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の容器または請求項1の前提部に記載の容器において、上記分注開口から上記内側容器内に延び、内側容器の崩れを防止する細長い部材(耐崩れ部材)を備えたことを特徴とする容器。
【請求項13】
請求項12に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、上記分注開口とこれと反対側の容器の端壁の間の距離の半分以上に亘って上記内側容器内に延在することを特徴とする容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、実質上上記端壁まで延在することを特徴とする容器。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1つに記載の容器において、上記耐崩れ部材は、少なくとも1つの開口が形成された側壁をもつ管の形をなすことを特徴とする容器。
【請求項16】
請求項15に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、上記管の略半円周に亘って延び、耐崩れ部材の長手方向および円周方向にずらされた多数の開口を有することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、少なくとも部分的にプラスチックで作られていることを特徴とする容器。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、複数の層で作られていることを特徴とする容器。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる外側容器。
【請求項20】
請求項1乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる内側容器。
【請求項21】
請求項12乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる耐崩れ部材。
【請求項22】
分注すべき生産物のための容器を作る方法であって、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器を形成し、同じく分注開口を有し,上記生産物で充填される変形可能な内側容器を形成し、上記外側容器内に上記内側容器を配置し、上記内側容器と上記外側容器を上記分注開口の近傍の箇所およびこの分注開口から離れた少なくとも1つの箇所で連結する方法において、
上記外側容器の上記連結箇所に開口を設け、この開口に上記内側容器に連結された少なくとも1つのピン状の固定要素を挿通し、挿通した固定要素の端部を上記開口の寸法よりも大きい寸法に拡張することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、上記固定要素の自由端は、拡張端部をなすように例えば曲げで変形させられることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法において、拡張端部を成すように、上記固定要素にロック片が取り付けられることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22乃至24のいずれか1つに記載の方法において、上記固定要素は、上記内側容器と一体に形成されることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項22乃至25のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記分注開口と実質上正反対に位置する箇所で上記外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項22乃至26のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記外側容器内に形成されることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項22乃至26のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記外側容器と別に形成され、次いで外側容器内に配置されて連結されることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項27または28に記載の方法において、上記内側容器および外側容器は、比較的厚い壁の実質上管状の半製品として形成され、両容器を連結した後に比較的薄い壁の最終形状にブロー成形されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項22乃至29のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、少なくとも部分的にプラスチックで作られていることを特徴とする方法
【請求項31】
請求項29または30に記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器は、(共)射出成形によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項29または30に記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器は、(共)押出成形によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項30乃至32のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、複数の層で作られていることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項22乃至33のいずれか1つに記載の方法において、押しのけ媒体のための空間は、上記内側容器と上記外側容器の間に区画されることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、上記空間は、上記連結箇所の位置に区画され、開口を介して大気に連通することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、上記空間は、上記固定要素を少なくとも一部上記外側容器内に押し込んで、上記固定要素に連結する上記内側容器の一部を、上記外側容器から引き離すことによって区画されることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項30乃至32のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器と上記外側容器の間に非接着層が配置されることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項35乃至37のいずれか1つに記載の方法において、押しのけ媒体の供給源のための連結部材が、上記外側容器の上記開口の位置に連結されることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法において、上記連結部材は、上記固定要素によって上記外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項29および38または39に記載の方法において、上記連結部材は、上記内側容器と上記外側容器が最終形状にブロー成形される前に外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項22乃至40のいずれか1つに記載の方法または請求項22の前提部に記載の方法において、上記内側容器の崩れを防止するために、細長い部材(耐崩れ部材)が上記分注開口から上記内側容器内に挿入されることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、上記耐崩れ部材は、少なくとも部分的にプラスチックから作られることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、上記耐崩れ部材は、射出成形または押出し成形によって作られることを特徴とする方法。
【請求項1】
分注すべき生産物のための容器であって、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器と、同じく分注開口を有し,上記生産物で充填され,上記外側容器に収容されるとともに,上記分注開口の近傍の箇所およびこの分注開口から離れた少なくとも1つの箇所で上記外側容器に連結される変形可能な内側容器を備えた容器において、
上記外側容器は、上記連結箇所に、上記内側容器に連結された少なくとも1つの固定要素を通して突出させる開口を有し、上記固定要素は、ピン状であり、上記開口の寸法よりも大きい寸法の端部を有することを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、上記端部は、上記固定要素の例えば曲げによって変形させられた部分からなることを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1に記載の容器において、上記端部は、上記固定要素に取り付けられたロック片からなることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の容器において、上記固定要素は、上記内側容器に一体に形成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器は、上記分注開口と実質上正反対に位置する箇所で上記外側容器に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の容器において、押しのけ媒体のための空間が、上記内側容器と上記外側容器の間に区画されることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項6に記載の容器において、上記空間は、上記連結箇所の位置に区画され、開口を介して大気に連通することを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器において、上記空間は、上記固定要素によって上記外側容器から距離を隔てて保持された上記内側容器の部分によって区画されることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器と上記外側容器の間に非接着層が配置されていることを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1つに記載の容器において、押しのけ媒体の供給源のための接続部材が、上記外側部材の上記開口の位置に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器において、上記連結部材は、上記固定要素によって上記外側容器に連結されていることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の容器または請求項1の前提部に記載の容器において、上記分注開口から上記内側容器内に延び、内側容器の崩れを防止する細長い部材(耐崩れ部材)を備えたことを特徴とする容器。
【請求項13】
請求項12に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、上記分注開口とこれと反対側の容器の端壁の間の距離の半分以上に亘って上記内側容器内に延在することを特徴とする容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、実質上上記端壁まで延在することを特徴とする容器。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1つに記載の容器において、上記耐崩れ部材は、少なくとも1つの開口が形成された側壁をもつ管の形をなすことを特徴とする容器。
【請求項16】
請求項15に記載の容器において、上記耐崩れ部材は、上記管の略半円周に亘って延び、耐崩れ部材の長手方向および円周方向にずらされた多数の開口を有することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、少なくとも部分的にプラスチックで作られていることを特徴とする容器。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1つに記載の容器において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、複数の層で作られていることを特徴とする容器。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる外側容器。
【請求項20】
請求項1乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる内側容器。
【請求項21】
請求項12乃至18のいずれか1つに記載の容器に用いられる耐崩れ部材。
【請求項22】
分注すべき生産物のための容器を作る方法であって、少なくとも1つの分注開口を有する比較的剛な外側容器を形成し、同じく分注開口を有し,上記生産物で充填される変形可能な内側容器を形成し、上記外側容器内に上記内側容器を配置し、上記内側容器と上記外側容器を上記分注開口の近傍の箇所およびこの分注開口から離れた少なくとも1つの箇所で連結する方法において、
上記外側容器の上記連結箇所に開口を設け、この開口に上記内側容器に連結された少なくとも1つのピン状の固定要素を挿通し、挿通した固定要素の端部を上記開口の寸法よりも大きい寸法に拡張することを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、上記固定要素の自由端は、拡張端部をなすように例えば曲げで変形させられることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法において、拡張端部を成すように、上記固定要素にロック片が取り付けられることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22乃至24のいずれか1つに記載の方法において、上記固定要素は、上記内側容器と一体に形成されることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項22乃至25のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記分注開口と実質上正反対に位置する箇所で上記外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項22乃至26のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記外側容器内に形成されることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項22乃至26のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器は、上記外側容器と別に形成され、次いで外側容器内に配置されて連結されることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項27または28に記載の方法において、上記内側容器および外側容器は、比較的厚い壁の実質上管状の半製品として形成され、両容器を連結した後に比較的薄い壁の最終形状にブロー成形されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項22乃至29のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、少なくとも部分的にプラスチックで作られていることを特徴とする方法
【請求項31】
請求項29または30に記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器は、(共)射出成形によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項29または30に記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器は、(共)押出成形によって形成されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項30乃至32のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器および上記外側容器の少なくとも一方は、複数の層で作られていることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項22乃至33のいずれか1つに記載の方法において、押しのけ媒体のための空間は、上記内側容器と上記外側容器の間に区画されることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、上記空間は、上記連結箇所の位置に区画され、開口を介して大気に連通することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、上記空間は、上記固定要素を少なくとも一部上記外側容器内に押し込んで、上記固定要素に連結する上記内側容器の一部を、上記外側容器から引き離すことによって区画されることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項30乃至32のいずれか1つに記載の方法において、上記内側容器と上記外側容器の間に非接着層が配置されることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項35乃至37のいずれか1つに記載の方法において、押しのけ媒体の供給源のための連結部材が、上記外側容器の上記開口の位置に連結されることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法において、上記連結部材は、上記固定要素によって上記外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項29および38または39に記載の方法において、上記連結部材は、上記内側容器と上記外側容器が最終形状にブロー成形される前に外側容器に連結されることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項22乃至40のいずれか1つに記載の方法または請求項22の前提部に記載の方法において、上記内側容器の崩れを防止するために、細長い部材(耐崩れ部材)が上記分注開口から上記内側容器内に挿入されることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、上記耐崩れ部材は、少なくとも部分的にプラスチックから作られることを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項42に記載の方法において、上記耐崩れ部材は、射出成形または押出し成形によって作られることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14−17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2010−540359(P2010−540359A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525775(P2010−525775)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/NL2008/000207
【国際公開番号】WO2009/041809
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(509103532)ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/NL2008/000207
【国際公開番号】WO2009/041809
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(509103532)ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
【Fターム(参考)】
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