変速機およびその製造方法
【課題】組み立て性を低下させることなく製造コストの低減が可能な変速機を提供する。
【解決手段】変速機1は、第1ケース22と、第2ケース21と、入力シャフトユニット8と、カウンタシャフトユニット4と、リバースアイドラユニット6と、シフトフォーク52と、を備えている。リバースアイドラユニット6は、リバースアイドラギヤG18と、リバースアイドラシャフト61と、支持部材62と、を有している。支持部材62は、第1ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持している。シフトフォーク52は、組み付け時にリバースアイドラユニット6を仮置きできるように支持部材62と隙間Sを空けて軸方向に対向するように配置されている。
【解決手段】変速機1は、第1ケース22と、第2ケース21と、入力シャフトユニット8と、カウンタシャフトユニット4と、リバースアイドラユニット6と、シフトフォーク52と、を備えている。リバースアイドラユニット6は、リバースアイドラギヤG18と、リバースアイドラシャフト61と、支持部材62と、を有している。支持部材62は、第1ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持している。シフトフォーク52は、組み付け時にリバースアイドラユニット6を仮置きできるように支持部材62と隙間Sを空けて軸方向に対向するように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変速機およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変速機には、回転方向を切り換えるためにリバースアイドラギヤが設けられている。リバースアイドラギヤは、リバースアイドラシャフトにより回転可能に支持されており、入力シャフトのギヤおよびカウンタシャフトのギヤと噛み合っている。ケースにはリバースアイドラシャフトを支持する支持部材が固定されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−25857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の変速機では、リバースアイドラギヤの組み付けを考慮して、ケースがリバースアイドラギヤ周辺で分割されている。
しかし、このような構成であれば、ケースの分割数が多くなり、製造コストが増大する可能性がある。ケースの分割数を少なくすると、リバースアイドラギヤの組み付けが困難となる。
本発明の課題は、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減が可能な変速機およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る変速機は、第1ケースと、第2ケースと、第1シャフトユニットと、第2シャフトユニットと、リバースアイドラユニットと、仮置支持部材と、を備えている。第2ケースは第1ケースに固定されている。第1シャフトユニットは、第1ケースおよび第2ケースの少なくとも一方に回転可能に支持された第1シャフトと、第1シャフトに支持された第1ギヤと、を有している。第2シャフトユニットは、第1ケースおよび第2ケースに対して回転可能に設けられた第2シャフトと、第2シャフトに支持された第2ギヤと、を有している。リバースアイドラユニットは、リバースアイドラギヤと、支持部材と、を有している。リバースアイドラギヤは第1ギヤおよび第2ギヤと噛み合っている。支持部材は、第1ケースに対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラギヤを回転可能に支持している。仮置支持部材は、組み付け時にリバースアイドラユニットを仮置きできるように支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置されている。
【0006】
例えば、第1シャフトユニットおよび第2シャフトユニットは、立てた状態で(軸方向が鉛直方向に平行な状態)第2ケースに組み付けられる。仮置支持部材が支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置されているため、軸方向が鉛直方向に平行な状態では、支持部材を仮置支持部材上に仮置きすることができる。支持部材が仮置支持部材上に仮置きされている状態で、第1ケースを第2ケースに組み付けることができる。これにより、リバースアイドラギヤ周辺にケースの分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。
本発明に係る変速機の製造方法は、リバースアイドラギヤとリバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材とを有するリバースアイドラユニットに治具を装着する工程と、ギヤと前記ギヤを支持するシャフトとを有するシャフトユニットをシャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに組み付ける工程と、治具が装着されたリバースアイドラユニットを、シャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに支持される仮置支持部材上に仮置きする工程と、支持孔を有する第2ケースを、治具が支持孔を貫通するように下側ケースに組み付ける工程と、上側ケースの組み付け後に、治具を利用してリバースアイドラユニットを外側から所定の固定位置に導く工程と、リバースアイドラユニットを上側ケースに固定する工程と、を備えている。
【0007】
この製造方法では、リバースアイドラユニットが仮置支持部材上に仮置きされた後に、上側ケースの支持孔を治具が貫通するように上側ケースが下側ケースに組み付けられる。このため、上側ケースを下側ケースに組み付けた後に、外側から治具を用いてリバースアイドラユニットを所定の固定位置に導くことができる。これにより、リバースアイドラギヤ周辺にケースの分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明に係る変速機では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の斜視図
【図2】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の斜視図
【図3】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の概略断面図
【図4】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の側面図
【図5】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の上面図
【図6】図3のVI−VI断面図
【図7】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図
【図8】図7の部分拡大図
【図9】図8のIX−IX断面図
【図10】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図11】リバースアイドラユニットおよび治具の分解図
【図12】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図13】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図14】(A)および(B)組み立て時におけるリバースアイドラユニットの上面図
【図15】リバースアイドラユニットの概略平面図(他の実施形態)
【図16】図15のXVI−XVI断面図(他の実施形態)
【図17】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【図18】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【図19】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<変速機の全体構成>
図1〜図9を用いて変速機1について説明する。図1および図2はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の斜視図である。図3はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の概略断面図である。図4はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の側面図である。図5はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の上面図である。図6は第2ケース21が第1ケース22に装着されていない状態でのX軸方向負側から見た変速機1の正面図である。図7はリバースアイドラユニット6周辺の概略配置図である。図8は図7の部分拡大図である。図9は図8のIX−IX断面図である。
なお、図1〜図6に示すように、変速機1に対してX軸、Y軸およびZ軸を設定する。
【0011】
変速機1は、6段変速が可能な、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1〜図6に示すように、変速機1は、ケース2と、入力シャフトユニット8と、出力シャフトユニット3と、カウンタシャフトユニット4と、操作ユニット5と、リバースアイドラユニット6と、を備えている。
(1)ケース
図1〜図6に示すように、ケース2は、第1ケース22と、第1ケース22に固定された第2ケース21と、を有している。第1ケース22および第2ケース21によりギヤ室28が形成されている。ギヤ室28の下部には潤滑油を溜めることができる。図1〜図5に示すように、第1ケース22および第2ケース21の分割面は変速機1全体の概ね中央付近に位置している。
【0012】
図9に示すように、第2ケース21は、入力シャフト8aおよびカウンタシャフト4aを支持する側壁部21b(第1部分の一例)と、側壁部21bと一体形成された概ね筒状の周壁部21a(第2部分の一例)と、を有している。
側壁部21bは筒状の支持部21cを有している。支持部21cはX軸方向に貫通する支持孔21dを有している。支持孔21dには内側からリバースアイドラシャフト61の第1端部65が挿入されている。つまり、側壁部21bによりリバースアイドラシャフト61の第1端部65が支持されている。また、支持孔21dには支持部21cの外側(リバースアイドラユニット6と反対側)から蓋26(蓋部材の一例)が嵌め込まれている。
蓋26は、蓋本体26aと、小径部26bと、ネジ部26cと、を有している。蓋本体26aは支持部21cの外側に配置されている。蓋本体26aの外径は支持孔21dよりも大きい。小径部26bは、支持部21cに嵌め込まれる円柱状の部分であり、蓋本体26aから突出している。小径部26bの外径は、蓋本体26aの外径よりも小さく、支持部21cの内径とほぼ同じである。ネジ部26cは、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61a(後述)に螺合する部分である。
【0013】
(2)入力シャフトユニット
図1〜図6に示すように、入力シャフトユニット8は、入力シャフト8aと、メインドライブギヤG7と、を有している。入力シャフト8aは、クラッチ装置(図示せず)を介してエンジン(図示せず)で発生した動力が伝達されるシャフトであり、第1回転軸A1を中心に回転可能なように、一端側(クラッチ装置側)が第2ケース21により支持されており、他端側(クラッチ装置側とは反対側)を後述する出力シャフト3aにより支持されている。例えば、入力シャフト8aには、メインドライブギヤG7、第1速メインギヤG1および第2速メインギヤG2が固定されている。
第1速メインギヤG1は、第1速走行時に使用されるギヤであり、第1速カウンタギヤG11(後述)と噛み合っている。第2速メインギヤG2は、第2速走行時に使用されるギヤであり、第2速カウンタギヤG12(後述)と噛み合っている。メインドライブギヤG7は、リバースアイドラギヤG18(後述)を介してリバースカウンタギヤG17(後述)と噛み合っている。メインドライブギヤG7は、入力シャフト8aの最もクラッチ装置側に配置されており、入力シャフト8aと一体回転する。
【0014】
また、入力シャフト8aは第3シンクロ機構S3を支持している。第3シンクロ機構S3は、後述するリダクションカウンタギヤG19を入力シャフト8aに連結するための機構であり、後述する操作ユニット5により操作される。リダクションカウンタギヤG19を入力シャフト8aに連結することにより、入力シャフト8aと出力シャフト3aとが直結状態となる。
(3)出力シャフトユニット
図1〜図6に示すように、出力シャフトユニット3は、出力シャフト3aと、リダクションカウンタギヤG19と、を有している。出力シャフト3aは、動力を出力するためのシャフトであり、第1回転軸A1を中心に回転可能に第1ケース22により支持されている。リダクションカウンタギヤG19は出力シャフト3aの前方側の端部に固定されている。出力シャフト3aの前方側の端部は、入力シャフト8aにより回転可能に支持されている。
【0015】
(4)カウンタシャフトユニット
図1〜図6に示すように、カウンタシャフトユニット4は、カウンタシャフト4aと、複数のギヤと、を有している。カウンタシャフト4aは、第2回転軸A2を中心に回転可能に第1ケース22および第2ケース21により支持されている。例えば、カウンタシャフト4aは、第1速カウンタギヤG11、第2速カウンタギヤG12およびリバースカウンタギヤG17を回転可能に支持している。第1速カウンタギヤG11は第1速メインギヤG1と噛み合っている。第2速カウンタギヤG12は第2速メインギヤG2と噛み合っている。
また、カウンタシャフト4aは第1シンクロ機構S1および第2シンクロ機構S2を支持している。第1シンクロ機構S1は、第1速カウンタギヤG11または第2速カウンタギヤG12をカウンタシャフト4aと連結するための機構であり、第2シンクロ機構S2は、リバースカウンタギヤG17をカウンタシャフト4aに連結するための機構である。第1シンクロ機構S1および第2シンクロ機構S2は後述する操作ユニット5により操作される。
【0016】
(5)操作ユニット
図1〜図6に示すように、操作ユニット5は、第1シンクロ機構S1および他のシンクロ機構を操作するためのユニットであり、操作シャフト51と、シフトフォーク52(仮置支持部材の一例)と、を有している。操作シャフト51は、シフトレバー(図示せず)と機械的に連結されており、第1ケース22および第2ケース21により回転可能、かつ、X軸方向に移動可能に支持されている。なお、操作シャフト51を回転させることにより、作動させるシンクロ機構を選択するためのセレクト操作が行われ、操作シャフト51をX軸方向に移動させることにより、シンクロ機構を作動する、あるいはシンクロ機構の作動を解除するためのシフト操作が行われる。
シフトフォーク52は、第2ケース21により回転可能に支持されており、操作シャフト51に選択的に連結される。また、シフトフォーク52の先端部は、第1シンクロ機構S1のスリーブに連結されている。このため、シフトフォーク52が選択された状態で操作シャフト51が軸方向に移動すると、シフトフォーク52は第2ケース21に支持されている部分23(図4参照)を中心に回転し、操作シャフト51の移動方向と反対方向に第1シンクロ機構S1のスリーブが移動する。
【0017】
図9に示すように、シフトフォーク52はリバースアイドラユニット6と隙間Sを空けてX軸方向に対向するように配置されているが、後述するように、変速機1の組み立て作業時において、リバースアイドラユニット6はシフトフォーク52上に仮置きされる。図7および図8に示すように、シフトフォーク52は、リバースアイドラギヤG18(後述)の第3回転軸A3の第2ケース21側(より詳細には、周壁部21a側)に配置されている。
シフトフォーク52は、シフトフォーク本体52aと、突起52bと、を有している。シフトフォーク本体52aは、シフトフォーク52の主要部を構成する板状の部材であり、X軸方向から見た場合に概ねU字形状を有している。突起52bは、シフトフォーク本体52aからX軸方向負側(リバースアイドラユニット6側)に突出している。
【0018】
<リバースアイドラユニットの構成>
ここで、図7〜図10を用いてリバースアイドラユニット6の構成について説明する。図10は組み立て時におけるリバースアイドラユニット6の仮置き状態を示している。
図10に示すように、リバースアイドラユニット6およびシフトフォーク52は、Y軸方向およびZ軸方向(軸方向に直交する第1方向の一例)への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である。具体的には、リバースアイドラユニット6は、第2ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラシャフト61と、リバースアイドラギヤG18と、支持部材62(シャフト支持部材の一例)と、を有している。リバースアイドラシャフト61および支持部材62により、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持する支持部材が形成されている。
【0019】
(1)リバースアイドラシャフト
リバースアイドラシャフト61は、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持している。図9に示すように、リバースアイドラシャフト61の第1端部65は第2ケース21(より詳細には、側壁部21bの支持部21c)により支持されている。リバースアイドラシャフト61の第2端部66には支持部材62が固定されている。支持部材62は、第2ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラシャフト61の第2端部66を第2ケース21に対して支持している。
図9および図10に示すように、リバースアイドラシャフト61は、第1端部65に形成されたネジ孔61aおよび溝61b(第1凹部の一例)を有している。ネジ孔61aは、治具7(後述)や蓋26を固定するための孔であり、治具7の固定ネジ72や蓋26のネジ部26cが螺合する。
【0020】
溝61bは十字形状を有している(図14(A)および(B)参照)。溝61bにより4つの突起61c(突出部の一例)が形成されている。図10に示すように、変速機1の組み付け作業時に、溝61bには治具7の治具本体71の突起71c(後述)が嵌め込まれる。
(2)リバースアイドラギヤ
図9に示すように、リバースアイドラギヤG18は、リバースアイドラシャフト61により回転可能に支持されている。具体的には、リバースアイドラギヤG18はニードルベアリング69を介してリバースアイドラシャフト61により回転可能に支持されている。リバースアイドラギヤG18の軸方向の両側にはスラストプレート63および64が配置されている。
【0021】
図7〜図9に示すように、リバースアイドラギヤG18はメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。図9に示すように、支持部材62とシフトフォーク52との軸方向間には、隙間Sが形成されている。図9および図10に示すように、この隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部はメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。このように隙間Sや各ギヤの寸法を決定することで、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52に仮置きしている状態で、シフトフォーク52だけでなくメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17もリバースアイドラユニット6を支持する。これにより、リバースアイドラユニット6の仮置き時の姿勢がさらに安定する。
(3)支持部材
図7〜図9に示すように、リバースアイドラシャフト61の第2端部66には、概ね扇形の支持部材62が、スナップリングSRと当接した状態で第2端部66に固定されている。支持部材62は、リバースアイドラシャフト61を支持するための部材であるが、変速機1の組み立て作業時にシフトフォーク52に仮置きされるための部材でもある。
【0022】
図8および図9に示すように、支持部材62は、本体部62aと、位置決め部62bと、を有している。本体部62aは、リバースアイドラシャフト61の第2端部66に固定される部分であり、第2ケース21に固定するためのネジ25が螺合するネジ孔62eを有している。ここで、支持部材62は、リバースアイドラシャフト61の第1端部65に形成された十字形状の溝61bのうちの1つの溝が延びる方向とネジ孔62eの向きとが概ね一致するように、リバースアイドラシャフト61に固定される(図14(A)および(B)参照)。
図8および図9に示すように、位置決め部62bは、組み立て時にシフトフォーク52に嵌め込まれる部分であり、シフトフォーク52を嵌め込み可能な溝62d(第2凹部の一例)と、溝62d内に設けられた孔62cと、を有している。なお、X軸方向から見た場合に、リバースアイドラユニット6の重心Gが、リバースアイドラギヤG18とメインドライブギヤG7との噛合部K1と、リバースアイドラギヤG18とリバースカウンタギヤG17との噛合部K2と、位置決め部62bと、で形成される四角形の領域H内に位置するように、位置決め部62bは配置される(図7および図8参照)。これにより、仮置き時にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすくなり、組み立て作業の途中でリバースアイドラユニット6が脱落するのを防止できる。
【0023】
また、溝62dは、Z軸方向に細長く形成されており、シフトフォーク52のシフトフォーク本体52aを嵌め込める程度の幅を有している。これにより、シフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6のX軸方向の位置決めが可能となる。
孔62cは位置決め部62bのZ軸方向の概ね中央付近に配置されており、仮置き時にはシフトフォーク52の突起52bが嵌り込む。位置決め部62bがシフトフォーク52に沿ってZ軸方向に長いため、リバースアイドラユニット6を仮置きした際にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすい。また、孔62cに突起52bが挿入されるため、シフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6のZ軸方向の位置決めが可能となる。
図9に示すように、ネジ孔62eは支持部材62を第2ケース21に固定する際に用いられる。第2ケース21にはネジ25が貫通する孔24が形成されており、ネジ孔62eに螺合するネジ25が貫通している。
【0024】
<治具の構成>
変速機1の組み立て作業では、治具7が用いられる。ここで、図10および図11を用いて治具7について説明する。図11はリバースアイドラユニット6および治具7の分解図である。
図10および図11に示すように、治具7は、治具本体71と、固定ネジ72と、を有している。治具本体71は、リバースアイドラユニット6を所定の固定位置まで移動させるための部材であり、小径部71aと、テーパ部71bと、を有している。小径部71aには、指標71eが形成されている。
図10および図11に示すように、テーパ部71bは、リバースアイドラユニット6を組み付ける際に、リバースアイドラシャフト61と小径部71aとの間に配置された部分であり、小径部71a側の端部が細くなるようなテーパ形状を有している。テーパ部71bのリバースアイドラシャフト61側の端部には突起71cが形成されている。突起71cは、X軸方向から見た場合に概ね十字形状を有しており(図14(A)および(B)参照)、リバースアイドラシャフト61の溝61bに嵌め込まれる。突起71cにより4つの凹部71gが形成されている(図9〜図13参照)。突起71cおよび溝62dにより治具本体71がリバースアイドラシャフト61と一体で回転するようになる。ここで、前述した指標71eは、X軸方向から見た場合に、十字形状に形成された突起71cの1つに形成されており、この指標71eがリバースアイドラユニット6のネジ孔62eの位置と概ね一致するように、治具本体71をリバースアイドラユニット6に組み付けることになる。こうして、指標71eにより第2ケース21内の支持部材62の向き(ネジ孔62eの位置)を作業員が認識することができる。
【0025】
治具本体71は貫通孔71fを有している。貫通孔71fには固定ネジ72が挿通される。固定ネジ72には、一端にフランジ72aが形成されているとともに、他端に雄ネジ部72bが形成されている。この雄ネジ部72bがリバースアイドラシャフト61のネジ孔61aに螺合されることにより、治具7がリバースアイドラユニット6に固定される。フランジ72aは、リバースアイドラユニット6を上側に引き上げる際にワイヤー等(図示せず)を引っ掛けるためにも用いられる。
<組み立て作業>
図9〜図14(B)を用いて変速機1の組み立て作業について説明する。
図10および図11に示すように、リバースアイドラユニット6の各部品が組み付けられた後、リバースアイドラシャフト61に治具7が組み付けられる。具体的には、突起71cが溝61bに嵌め込まれた状態で、固定ネジ72が貫通孔71fに挿通されてリバースアイドラシャフト61にねじ込まれる。このとき、第3回転軸A3を基準にして指標71eが支持部材62のネジ孔62eと同じ方向を向くように、リバースアイドラユニット6に対する治具本体71の取付角度が決定される。
【0026】
一方で、出力シャフトユニット3が組みつけられた第1ケース22を出力シャフト3aの軸方向が鉛直方向を向くよう開口を上にした状態とし、この状態に保持された第1ケース22に、入力シャフトユニット8やリバースアイドラユニット6および操作ユニット5を、第1回転軸A1および第2回転軸A2が鉛直方向を向く状態で組み付ける。
このとき、図10に示すように、リバースアイドラユニット6および治具7のアッセンブリがシフトフォーク52上に仮置きされる。具体的には、位置決め部62bの溝62dにシフトフォーク52のシフトフォーク本体52aが嵌め込まれ、孔62cに突起52bが嵌め込まれる。リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きした状態で、リバースアイドラギヤG18の一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。このため、仮置き時には、シフトフォーク52だけでなくメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17もリバースアイドラユニット6を倒れないように支持している。特に、図7および図8に示すように、X軸方向から見た場合に重心Gが領域H内に配置されているため、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定する。
【0027】
この状態で、第2ケース21が上側から第1ケース22に組み付けられる。図12に示すように、第2ケース21を第1ケース22に組み付ける際、治具7が第2ケース21の支持部21cに挿入される。治具本体71の小径部71aの外径が支持孔21dの径よりも小さいため、治具本体71は支持孔21dに挿入しやすくなっている。図12に示す状態は、第2ケース21の組み付けが完了した状態を示している。
次に、図13に示すように、治具7の治具本体71が上側へ引き上げられ、リバースアイドラユニット6が所定の固定位置に引き上げられる。治具7を引き上げる際、例えば固定ネジ72のフランジ72aが利用される。スラストプレート63が支持部21cに当たるまで、リバースアイドラユニット6が上側へ引き上げられる。ここで、治具本体71がテーパ部71bを有することにより、リバースアイドラシャフト61を支持孔21dにスムーズに挿入することができる。
【0028】
リバースアイドラユニット6の第3回転軸A3周りの位置(取付角度)は、ネジ孔62eと孔24とが合うように調整される。リバースアイドラユニット6が第2ケース21に覆われているため、外側からネジ孔62eの位置は確認できないが、図14(A)および(B)に示すように、上側から見た場合に指標71eが孔24の方を向くようにリバースアイドラユニット6の向きを調節することで、ネジ孔62eを孔24に合わせやすくなる。
支持部材62のネジ孔62eが孔24と合った状態(図14(B)に示す状態)で、ネジ25がネジ孔62eにねじ込まれる。これにより、支持部材62を第2ケース21に固定することができる。
支持部材62が第2ケース21に固定された状態で、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61aから固定ネジ72が取り外され、治具本体71がリバースアイドラシャフト61から取り外される。
【0029】
その後、支持部21cに蓋26が取り付けられる。具体的には、蓋26のネジ部26cがネジ孔61aにねじ込まれ、小径部26bが支持部21c内にはめ込まれる。この結果、蓋本体26aと、スナップリングSRでリバースアイドラシャフト61の第2端部66側へ抜けるのが防止された支持部材62と、の間に、第2ケース21の支持部21cを介してリバースアイドラギヤG18、スラストプレート63および64が挟み込まれる。これにより、第2ケース21に対するリバースアイドラユニット6のX軸方向の位置が安定する。
<特徴>
(1)
この変速機1では、シフトフォーク52がリバースアイドラユニット6と隙間Sを空けてX軸方向(軸方向)に対向するように配置されているため、第3回転軸A3が鉛直方向を向いた状態でリバースアイドラユニット6を組み付ける際に、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きすることができる。リバースアイドラユニット6がシフトフォーク52上に仮置きされている状態で、第2ケース21を第1ケース22に組み付けることができる。これにより、リバースアイドラギヤG18周辺にケース2の分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。つまり、この変速機1では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができる。
【0030】
(2)
図10に示すように、隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っているため、仮置きの状態からリバースアイドラユニット6を引き上げるだけで、リバースアイドラギヤG18をメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17に噛み合わせることができる。また、このような構成にすることで、仮置き時にリバースアイドラユニット6を支持する部分が増える。これにより、仮置き時にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすくなり、組み立て作業の途中でリバースアイドラユニット6が脱落するのを防止できる。
(3)
図12および図13に示すように、X軸方向に貫通した支持孔21dを第2ケース21が有しているため、第2ケース21を第1ケース22に組み付ける際に、仮置きされたリバースアイドラユニット6を支持孔21dから引っ張り上げることができる。さらに、組み付け終了後に、蓋本体26aをネジ部26cに当接させながら小径部26bを支持孔21dに嵌め込んで、支持孔21dを塞ぐため、蓋本体26aと支持部21cとの当接部や小径部26bと支持孔21dとの嵌合部とにより、変速機1の使用時に支持孔21dから潤滑油が流出するのを防止できる。これらの構成により、変速機1の性能を低下させることなく、変速機1の組み付け性を高めることができる。
【0031】
(4)
この変速機1では、第1端部65に形成されたネジ孔61aをリバースアイドラシャフト61が有しているため、ネジ孔61aを利用して第1端部65に治具7を固定することができる。これにより、組み立て時に治具7を操作してリバースアイドラユニット6を所定の固定位置に導くことができる。
(5)
図13、図14(A)および(B)に示すように、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61aに螺合するネジ部26cを蓋26が有しているため、蓋26を利用してリバースアイドラシャフト61の軸方向の位置決めを行うことができる。
(6)
図10および図11に示すように、第1端部65に形成された溝61bをリバースアイドラシャフト61が有しているため、治具本体71の突起71cをこの溝61bに嵌め込むことで、リバースアイドラシャフト61と一体回転可能な治具7をリバースアイドラシャフト61に装着することができる。この治具7を用いれば、リバースアイドラシャフト61を第2ケース21に対して回転させることができるため、組み立て作業時に第2ケース21に対するリバースアイドラユニット6の位置および向き(取付角度)を調整しやすくなる。
【0032】
(7)
図10に示すように、支持部材62およびシフトフォーク52は、X軸方向に直交する方向への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である。より具体的には、支持部材62がシフトフォーク52を嵌め込み可能な位置決め部62bを有している。シフトフォーク52が位置決め部62bに嵌め込まれている状態では、シフトフォーク52に対する支持部材62のX軸方向に直交する方向への移動が規制される。このため、仮置き時にシフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6の位置が安定し、組み付け作業がさらに容易となる。
(8)
図7に示すように、X軸方向から見た場合に、リバースアイドラユニット6の重心Gが、噛合部K1、噛合部K2および位置決め部62bで形成される領域H内に位置するように、位置決め部62bを配置するため、仮置き時のリバースアイドラユニット6の姿勢がさらに安定する。
【0033】
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
なお、前述の実施形態と実質的に同一の機能を有する構成については、同じ符号を使用し、詳細な説明は省略する。
(A)
前述の実施形態では、位置決め部62bが孔62cを有しており、シフトフォーク52が突起52bを有しているが、位置決め部62bおよびシフトフォーク52の構成は前述の構成に限定されない。
例えば図15および図16に示す支持部材162では、位置決め部162bは溝162dを有しているが、孔を有していない。図15に示すように、この溝162dはシフトフォーク152に沿って湾曲している。シフトフォーク152は突起を有していない。
【0034】
この場合であっても、リバースアイドラユニット106をシフトフォーク152に仮置きすることができる。さらに、溝162dが湾曲しているため、シフトフォーク152により支持部材162がY軸方向およびZ軸方向に移動するのが規制される。シフトフォーク152が湾曲している部分でリバースアイドラユニット106を支持するため、仮置き時にリバースアイドラユニット106の状態がより安定しやすくなる。
(B)
前述の実施形態では、支持部材62が位置決め部62bを有しているが、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きできるのであれば、本体部62aのみであってもよい。また、位置決め部62bが溝62dのみを有している場合であってもよい。
【0035】
(C)
前述の実施形態では、隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っているが、これらのギヤが仮置き状態で噛み合っていなくてもよい。この場合、図17に示すように、X軸方向から見た場合のリバースアイドラユニット6の重心Gが、位置決め部62bにより形成される領域H1内に位置するように位置決め部62bを配置することで、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定しやすくなる。
また、メインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17のうち少なくとも一方とリバースアイドラギヤG18が噛み合っている構成であってもよい。この場合、X軸方向から見た場合のリバースアイドラユニット6の重心Gが、噛合部K1および位置決め部62bにより形成される三角形の領域H2内(図18参照)、または、噛合部K2および位置決め部62bにより形成される三角形の領域H3内(図19参照)に位置するように、位置決め部62bを配置することで、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定しやすくなる。
【0036】
(D)
リバースアイドラシャフト61の溝61bおよび治具本体71の突起71cの形状は、前述の形状に限定されず、凹凸によってリバースアイドラシャフト61および治具本体71が一体回転するような構成であれば、他の形状であってもよい。また、リバースアイドラシャフト61および治具本体71を一体回転できるような構成であれば、リバースアイドラシャフト61の溝61bおよび治具本体71の突起71cの形状は、凹凸以外のいかなる構成であってもよい。
(E)
リバースアイドラユニット6を仮置きする仮置支持部材としてシフトフォーク52を例に説明しているが、仮置支持部材は他の部材であってもよい。
【0037】
(F)
支持部材62の位置決め部62bにシフトフォーク52を嵌め込む構成としているが、シフトフォーク52がリバースアイドラシャフト61の端部に嵌め込まれる構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る変速機およびその製造方法では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができるため、本発明は変速機の分野で有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 変速機
2 ケース
21 第2ケース
21a 周壁部(第2部分の一例)
21b 側壁部(第1部分の一例)
21c 支持部
21d 支持孔
22 第1ケース
3 出力シャフトユニット
3a 出力シャフト
4 カウンタシャフトユニット(第2シャフトユニットの一例)
4a カウンタシャフト(第2シャフトの一例)
5 操作ユニット
52 シフトフォーク(仮置支持部材の一例)
6 リバースアイドラユニット
61 リバースアイドラシャフト
61a ネジ孔
61b 溝(第1凹部の一例)
61c 突起(突出部の一例)
62 支持部材
62a 本体部
62b 位置決め部
62c 孔
62d 溝(第2凹部の一例)
62e ネジ孔
63 スラストプレート
7 治具
71 治具本体
71a 小径部
71b テーパ部
71c 突起
71e 指標
72 固定ネジ
8 入力シャフトユニット(第1シャフトユニットの一例)
8a 入力シャフト(第1シャフトの一例)
G7 メインドライブギヤ(第1ギヤの一例)
G17 カウンタドライブギヤ(第2ギヤの一例)
G18 リバースアイドラギヤ
S 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は変速機およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変速機には、回転方向を切り換えるためにリバースアイドラギヤが設けられている。リバースアイドラギヤは、リバースアイドラシャフトにより回転可能に支持されており、入力シャフトのギヤおよびカウンタシャフトのギヤと噛み合っている。ケースにはリバースアイドラシャフトを支持する支持部材が固定されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−25857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の変速機では、リバースアイドラギヤの組み付けを考慮して、ケースがリバースアイドラギヤ周辺で分割されている。
しかし、このような構成であれば、ケースの分割数が多くなり、製造コストが増大する可能性がある。ケースの分割数を少なくすると、リバースアイドラギヤの組み付けが困難となる。
本発明の課題は、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減が可能な変速機およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る変速機は、第1ケースと、第2ケースと、第1シャフトユニットと、第2シャフトユニットと、リバースアイドラユニットと、仮置支持部材と、を備えている。第2ケースは第1ケースに固定されている。第1シャフトユニットは、第1ケースおよび第2ケースの少なくとも一方に回転可能に支持された第1シャフトと、第1シャフトに支持された第1ギヤと、を有している。第2シャフトユニットは、第1ケースおよび第2ケースに対して回転可能に設けられた第2シャフトと、第2シャフトに支持された第2ギヤと、を有している。リバースアイドラユニットは、リバースアイドラギヤと、支持部材と、を有している。リバースアイドラギヤは第1ギヤおよび第2ギヤと噛み合っている。支持部材は、第1ケースに対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラギヤを回転可能に支持している。仮置支持部材は、組み付け時にリバースアイドラユニットを仮置きできるように支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置されている。
【0006】
例えば、第1シャフトユニットおよび第2シャフトユニットは、立てた状態で(軸方向が鉛直方向に平行な状態)第2ケースに組み付けられる。仮置支持部材が支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置されているため、軸方向が鉛直方向に平行な状態では、支持部材を仮置支持部材上に仮置きすることができる。支持部材が仮置支持部材上に仮置きされている状態で、第1ケースを第2ケースに組み付けることができる。これにより、リバースアイドラギヤ周辺にケースの分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。
本発明に係る変速機の製造方法は、リバースアイドラギヤとリバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材とを有するリバースアイドラユニットに治具を装着する工程と、ギヤと前記ギヤを支持するシャフトとを有するシャフトユニットをシャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに組み付ける工程と、治具が装着されたリバースアイドラユニットを、シャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに支持される仮置支持部材上に仮置きする工程と、支持孔を有する第2ケースを、治具が支持孔を貫通するように下側ケースに組み付ける工程と、上側ケースの組み付け後に、治具を利用してリバースアイドラユニットを外側から所定の固定位置に導く工程と、リバースアイドラユニットを上側ケースに固定する工程と、を備えている。
【0007】
この製造方法では、リバースアイドラユニットが仮置支持部材上に仮置きされた後に、上側ケースの支持孔を治具が貫通するように上側ケースが下側ケースに組み付けられる。このため、上側ケースを下側ケースに組み付けた後に、外側から治具を用いてリバースアイドラユニットを所定の固定位置に導くことができる。これにより、リバースアイドラギヤ周辺にケースの分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明に係る変速機では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の斜視図
【図2】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の斜視図
【図3】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の概略断面図
【図4】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の側面図
【図5】ケースを半分だけ省略した場合の変速機の上面図
【図6】図3のVI−VI断面図
【図7】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図
【図8】図7の部分拡大図
【図9】図8のIX−IX断面図
【図10】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図11】リバースアイドラユニットおよび治具の分解図
【図12】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図13】組み立て時におけるリバースアイドラユニットの断面図
【図14】(A)および(B)組み立て時におけるリバースアイドラユニットの上面図
【図15】リバースアイドラユニットの概略平面図(他の実施形態)
【図16】図15のXVI−XVI断面図(他の実施形態)
【図17】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【図18】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【図19】リバースアイドラユニット周辺の概略配置図(他の実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<変速機の全体構成>
図1〜図9を用いて変速機1について説明する。図1および図2はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の斜視図である。図3はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の概略断面図である。図4はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の側面図である。図5はケース2を半分だけ省略した場合の変速機1の上面図である。図6は第2ケース21が第1ケース22に装着されていない状態でのX軸方向負側から見た変速機1の正面図である。図7はリバースアイドラユニット6周辺の概略配置図である。図8は図7の部分拡大図である。図9は図8のIX−IX断面図である。
なお、図1〜図6に示すように、変速機1に対してX軸、Y軸およびZ軸を設定する。
【0011】
変速機1は、6段変速が可能な、FR(Front Engine Rear Drive)車用の手動変速機である。具体的には図1〜図6に示すように、変速機1は、ケース2と、入力シャフトユニット8と、出力シャフトユニット3と、カウンタシャフトユニット4と、操作ユニット5と、リバースアイドラユニット6と、を備えている。
(1)ケース
図1〜図6に示すように、ケース2は、第1ケース22と、第1ケース22に固定された第2ケース21と、を有している。第1ケース22および第2ケース21によりギヤ室28が形成されている。ギヤ室28の下部には潤滑油を溜めることができる。図1〜図5に示すように、第1ケース22および第2ケース21の分割面は変速機1全体の概ね中央付近に位置している。
【0012】
図9に示すように、第2ケース21は、入力シャフト8aおよびカウンタシャフト4aを支持する側壁部21b(第1部分の一例)と、側壁部21bと一体形成された概ね筒状の周壁部21a(第2部分の一例)と、を有している。
側壁部21bは筒状の支持部21cを有している。支持部21cはX軸方向に貫通する支持孔21dを有している。支持孔21dには内側からリバースアイドラシャフト61の第1端部65が挿入されている。つまり、側壁部21bによりリバースアイドラシャフト61の第1端部65が支持されている。また、支持孔21dには支持部21cの外側(リバースアイドラユニット6と反対側)から蓋26(蓋部材の一例)が嵌め込まれている。
蓋26は、蓋本体26aと、小径部26bと、ネジ部26cと、を有している。蓋本体26aは支持部21cの外側に配置されている。蓋本体26aの外径は支持孔21dよりも大きい。小径部26bは、支持部21cに嵌め込まれる円柱状の部分であり、蓋本体26aから突出している。小径部26bの外径は、蓋本体26aの外径よりも小さく、支持部21cの内径とほぼ同じである。ネジ部26cは、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61a(後述)に螺合する部分である。
【0013】
(2)入力シャフトユニット
図1〜図6に示すように、入力シャフトユニット8は、入力シャフト8aと、メインドライブギヤG7と、を有している。入力シャフト8aは、クラッチ装置(図示せず)を介してエンジン(図示せず)で発生した動力が伝達されるシャフトであり、第1回転軸A1を中心に回転可能なように、一端側(クラッチ装置側)が第2ケース21により支持されており、他端側(クラッチ装置側とは反対側)を後述する出力シャフト3aにより支持されている。例えば、入力シャフト8aには、メインドライブギヤG7、第1速メインギヤG1および第2速メインギヤG2が固定されている。
第1速メインギヤG1は、第1速走行時に使用されるギヤであり、第1速カウンタギヤG11(後述)と噛み合っている。第2速メインギヤG2は、第2速走行時に使用されるギヤであり、第2速カウンタギヤG12(後述)と噛み合っている。メインドライブギヤG7は、リバースアイドラギヤG18(後述)を介してリバースカウンタギヤG17(後述)と噛み合っている。メインドライブギヤG7は、入力シャフト8aの最もクラッチ装置側に配置されており、入力シャフト8aと一体回転する。
【0014】
また、入力シャフト8aは第3シンクロ機構S3を支持している。第3シンクロ機構S3は、後述するリダクションカウンタギヤG19を入力シャフト8aに連結するための機構であり、後述する操作ユニット5により操作される。リダクションカウンタギヤG19を入力シャフト8aに連結することにより、入力シャフト8aと出力シャフト3aとが直結状態となる。
(3)出力シャフトユニット
図1〜図6に示すように、出力シャフトユニット3は、出力シャフト3aと、リダクションカウンタギヤG19と、を有している。出力シャフト3aは、動力を出力するためのシャフトであり、第1回転軸A1を中心に回転可能に第1ケース22により支持されている。リダクションカウンタギヤG19は出力シャフト3aの前方側の端部に固定されている。出力シャフト3aの前方側の端部は、入力シャフト8aにより回転可能に支持されている。
【0015】
(4)カウンタシャフトユニット
図1〜図6に示すように、カウンタシャフトユニット4は、カウンタシャフト4aと、複数のギヤと、を有している。カウンタシャフト4aは、第2回転軸A2を中心に回転可能に第1ケース22および第2ケース21により支持されている。例えば、カウンタシャフト4aは、第1速カウンタギヤG11、第2速カウンタギヤG12およびリバースカウンタギヤG17を回転可能に支持している。第1速カウンタギヤG11は第1速メインギヤG1と噛み合っている。第2速カウンタギヤG12は第2速メインギヤG2と噛み合っている。
また、カウンタシャフト4aは第1シンクロ機構S1および第2シンクロ機構S2を支持している。第1シンクロ機構S1は、第1速カウンタギヤG11または第2速カウンタギヤG12をカウンタシャフト4aと連結するための機構であり、第2シンクロ機構S2は、リバースカウンタギヤG17をカウンタシャフト4aに連結するための機構である。第1シンクロ機構S1および第2シンクロ機構S2は後述する操作ユニット5により操作される。
【0016】
(5)操作ユニット
図1〜図6に示すように、操作ユニット5は、第1シンクロ機構S1および他のシンクロ機構を操作するためのユニットであり、操作シャフト51と、シフトフォーク52(仮置支持部材の一例)と、を有している。操作シャフト51は、シフトレバー(図示せず)と機械的に連結されており、第1ケース22および第2ケース21により回転可能、かつ、X軸方向に移動可能に支持されている。なお、操作シャフト51を回転させることにより、作動させるシンクロ機構を選択するためのセレクト操作が行われ、操作シャフト51をX軸方向に移動させることにより、シンクロ機構を作動する、あるいはシンクロ機構の作動を解除するためのシフト操作が行われる。
シフトフォーク52は、第2ケース21により回転可能に支持されており、操作シャフト51に選択的に連結される。また、シフトフォーク52の先端部は、第1シンクロ機構S1のスリーブに連結されている。このため、シフトフォーク52が選択された状態で操作シャフト51が軸方向に移動すると、シフトフォーク52は第2ケース21に支持されている部分23(図4参照)を中心に回転し、操作シャフト51の移動方向と反対方向に第1シンクロ機構S1のスリーブが移動する。
【0017】
図9に示すように、シフトフォーク52はリバースアイドラユニット6と隙間Sを空けてX軸方向に対向するように配置されているが、後述するように、変速機1の組み立て作業時において、リバースアイドラユニット6はシフトフォーク52上に仮置きされる。図7および図8に示すように、シフトフォーク52は、リバースアイドラギヤG18(後述)の第3回転軸A3の第2ケース21側(より詳細には、周壁部21a側)に配置されている。
シフトフォーク52は、シフトフォーク本体52aと、突起52bと、を有している。シフトフォーク本体52aは、シフトフォーク52の主要部を構成する板状の部材であり、X軸方向から見た場合に概ねU字形状を有している。突起52bは、シフトフォーク本体52aからX軸方向負側(リバースアイドラユニット6側)に突出している。
【0018】
<リバースアイドラユニットの構成>
ここで、図7〜図10を用いてリバースアイドラユニット6の構成について説明する。図10は組み立て時におけるリバースアイドラユニット6の仮置き状態を示している。
図10に示すように、リバースアイドラユニット6およびシフトフォーク52は、Y軸方向およびZ軸方向(軸方向に直交する第1方向の一例)への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である。具体的には、リバースアイドラユニット6は、第2ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラシャフト61と、リバースアイドラギヤG18と、支持部材62(シャフト支持部材の一例)と、を有している。リバースアイドラシャフト61および支持部材62により、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持する支持部材が形成されている。
【0019】
(1)リバースアイドラシャフト
リバースアイドラシャフト61は、リバースアイドラギヤG18を回転可能に支持している。図9に示すように、リバースアイドラシャフト61の第1端部65は第2ケース21(より詳細には、側壁部21bの支持部21c)により支持されている。リバースアイドラシャフト61の第2端部66には支持部材62が固定されている。支持部材62は、第2ケース21に対して取り外し可能に装着されており、リバースアイドラシャフト61の第2端部66を第2ケース21に対して支持している。
図9および図10に示すように、リバースアイドラシャフト61は、第1端部65に形成されたネジ孔61aおよび溝61b(第1凹部の一例)を有している。ネジ孔61aは、治具7(後述)や蓋26を固定するための孔であり、治具7の固定ネジ72や蓋26のネジ部26cが螺合する。
【0020】
溝61bは十字形状を有している(図14(A)および(B)参照)。溝61bにより4つの突起61c(突出部の一例)が形成されている。図10に示すように、変速機1の組み付け作業時に、溝61bには治具7の治具本体71の突起71c(後述)が嵌め込まれる。
(2)リバースアイドラギヤ
図9に示すように、リバースアイドラギヤG18は、リバースアイドラシャフト61により回転可能に支持されている。具体的には、リバースアイドラギヤG18はニードルベアリング69を介してリバースアイドラシャフト61により回転可能に支持されている。リバースアイドラギヤG18の軸方向の両側にはスラストプレート63および64が配置されている。
【0021】
図7〜図9に示すように、リバースアイドラギヤG18はメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。図9に示すように、支持部材62とシフトフォーク52との軸方向間には、隙間Sが形成されている。図9および図10に示すように、この隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部はメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。このように隙間Sや各ギヤの寸法を決定することで、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52に仮置きしている状態で、シフトフォーク52だけでなくメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17もリバースアイドラユニット6を支持する。これにより、リバースアイドラユニット6の仮置き時の姿勢がさらに安定する。
(3)支持部材
図7〜図9に示すように、リバースアイドラシャフト61の第2端部66には、概ね扇形の支持部材62が、スナップリングSRと当接した状態で第2端部66に固定されている。支持部材62は、リバースアイドラシャフト61を支持するための部材であるが、変速機1の組み立て作業時にシフトフォーク52に仮置きされるための部材でもある。
【0022】
図8および図9に示すように、支持部材62は、本体部62aと、位置決め部62bと、を有している。本体部62aは、リバースアイドラシャフト61の第2端部66に固定される部分であり、第2ケース21に固定するためのネジ25が螺合するネジ孔62eを有している。ここで、支持部材62は、リバースアイドラシャフト61の第1端部65に形成された十字形状の溝61bのうちの1つの溝が延びる方向とネジ孔62eの向きとが概ね一致するように、リバースアイドラシャフト61に固定される(図14(A)および(B)参照)。
図8および図9に示すように、位置決め部62bは、組み立て時にシフトフォーク52に嵌め込まれる部分であり、シフトフォーク52を嵌め込み可能な溝62d(第2凹部の一例)と、溝62d内に設けられた孔62cと、を有している。なお、X軸方向から見た場合に、リバースアイドラユニット6の重心Gが、リバースアイドラギヤG18とメインドライブギヤG7との噛合部K1と、リバースアイドラギヤG18とリバースカウンタギヤG17との噛合部K2と、位置決め部62bと、で形成される四角形の領域H内に位置するように、位置決め部62bは配置される(図7および図8参照)。これにより、仮置き時にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすくなり、組み立て作業の途中でリバースアイドラユニット6が脱落するのを防止できる。
【0023】
また、溝62dは、Z軸方向に細長く形成されており、シフトフォーク52のシフトフォーク本体52aを嵌め込める程度の幅を有している。これにより、シフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6のX軸方向の位置決めが可能となる。
孔62cは位置決め部62bのZ軸方向の概ね中央付近に配置されており、仮置き時にはシフトフォーク52の突起52bが嵌り込む。位置決め部62bがシフトフォーク52に沿ってZ軸方向に長いため、リバースアイドラユニット6を仮置きした際にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすい。また、孔62cに突起52bが挿入されるため、シフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6のZ軸方向の位置決めが可能となる。
図9に示すように、ネジ孔62eは支持部材62を第2ケース21に固定する際に用いられる。第2ケース21にはネジ25が貫通する孔24が形成されており、ネジ孔62eに螺合するネジ25が貫通している。
【0024】
<治具の構成>
変速機1の組み立て作業では、治具7が用いられる。ここで、図10および図11を用いて治具7について説明する。図11はリバースアイドラユニット6および治具7の分解図である。
図10および図11に示すように、治具7は、治具本体71と、固定ネジ72と、を有している。治具本体71は、リバースアイドラユニット6を所定の固定位置まで移動させるための部材であり、小径部71aと、テーパ部71bと、を有している。小径部71aには、指標71eが形成されている。
図10および図11に示すように、テーパ部71bは、リバースアイドラユニット6を組み付ける際に、リバースアイドラシャフト61と小径部71aとの間に配置された部分であり、小径部71a側の端部が細くなるようなテーパ形状を有している。テーパ部71bのリバースアイドラシャフト61側の端部には突起71cが形成されている。突起71cは、X軸方向から見た場合に概ね十字形状を有しており(図14(A)および(B)参照)、リバースアイドラシャフト61の溝61bに嵌め込まれる。突起71cにより4つの凹部71gが形成されている(図9〜図13参照)。突起71cおよび溝62dにより治具本体71がリバースアイドラシャフト61と一体で回転するようになる。ここで、前述した指標71eは、X軸方向から見た場合に、十字形状に形成された突起71cの1つに形成されており、この指標71eがリバースアイドラユニット6のネジ孔62eの位置と概ね一致するように、治具本体71をリバースアイドラユニット6に組み付けることになる。こうして、指標71eにより第2ケース21内の支持部材62の向き(ネジ孔62eの位置)を作業員が認識することができる。
【0025】
治具本体71は貫通孔71fを有している。貫通孔71fには固定ネジ72が挿通される。固定ネジ72には、一端にフランジ72aが形成されているとともに、他端に雄ネジ部72bが形成されている。この雄ネジ部72bがリバースアイドラシャフト61のネジ孔61aに螺合されることにより、治具7がリバースアイドラユニット6に固定される。フランジ72aは、リバースアイドラユニット6を上側に引き上げる際にワイヤー等(図示せず)を引っ掛けるためにも用いられる。
<組み立て作業>
図9〜図14(B)を用いて変速機1の組み立て作業について説明する。
図10および図11に示すように、リバースアイドラユニット6の各部品が組み付けられた後、リバースアイドラシャフト61に治具7が組み付けられる。具体的には、突起71cが溝61bに嵌め込まれた状態で、固定ネジ72が貫通孔71fに挿通されてリバースアイドラシャフト61にねじ込まれる。このとき、第3回転軸A3を基準にして指標71eが支持部材62のネジ孔62eと同じ方向を向くように、リバースアイドラユニット6に対する治具本体71の取付角度が決定される。
【0026】
一方で、出力シャフトユニット3が組みつけられた第1ケース22を出力シャフト3aの軸方向が鉛直方向を向くよう開口を上にした状態とし、この状態に保持された第1ケース22に、入力シャフトユニット8やリバースアイドラユニット6および操作ユニット5を、第1回転軸A1および第2回転軸A2が鉛直方向を向く状態で組み付ける。
このとき、図10に示すように、リバースアイドラユニット6および治具7のアッセンブリがシフトフォーク52上に仮置きされる。具体的には、位置決め部62bの溝62dにシフトフォーク52のシフトフォーク本体52aが嵌め込まれ、孔62cに突起52bが嵌め込まれる。リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きした状態で、リバースアイドラギヤG18の一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っている。このため、仮置き時には、シフトフォーク52だけでなくメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17もリバースアイドラユニット6を倒れないように支持している。特に、図7および図8に示すように、X軸方向から見た場合に重心Gが領域H内に配置されているため、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定する。
【0027】
この状態で、第2ケース21が上側から第1ケース22に組み付けられる。図12に示すように、第2ケース21を第1ケース22に組み付ける際、治具7が第2ケース21の支持部21cに挿入される。治具本体71の小径部71aの外径が支持孔21dの径よりも小さいため、治具本体71は支持孔21dに挿入しやすくなっている。図12に示す状態は、第2ケース21の組み付けが完了した状態を示している。
次に、図13に示すように、治具7の治具本体71が上側へ引き上げられ、リバースアイドラユニット6が所定の固定位置に引き上げられる。治具7を引き上げる際、例えば固定ネジ72のフランジ72aが利用される。スラストプレート63が支持部21cに当たるまで、リバースアイドラユニット6が上側へ引き上げられる。ここで、治具本体71がテーパ部71bを有することにより、リバースアイドラシャフト61を支持孔21dにスムーズに挿入することができる。
【0028】
リバースアイドラユニット6の第3回転軸A3周りの位置(取付角度)は、ネジ孔62eと孔24とが合うように調整される。リバースアイドラユニット6が第2ケース21に覆われているため、外側からネジ孔62eの位置は確認できないが、図14(A)および(B)に示すように、上側から見た場合に指標71eが孔24の方を向くようにリバースアイドラユニット6の向きを調節することで、ネジ孔62eを孔24に合わせやすくなる。
支持部材62のネジ孔62eが孔24と合った状態(図14(B)に示す状態)で、ネジ25がネジ孔62eにねじ込まれる。これにより、支持部材62を第2ケース21に固定することができる。
支持部材62が第2ケース21に固定された状態で、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61aから固定ネジ72が取り外され、治具本体71がリバースアイドラシャフト61から取り外される。
【0029】
その後、支持部21cに蓋26が取り付けられる。具体的には、蓋26のネジ部26cがネジ孔61aにねじ込まれ、小径部26bが支持部21c内にはめ込まれる。この結果、蓋本体26aと、スナップリングSRでリバースアイドラシャフト61の第2端部66側へ抜けるのが防止された支持部材62と、の間に、第2ケース21の支持部21cを介してリバースアイドラギヤG18、スラストプレート63および64が挟み込まれる。これにより、第2ケース21に対するリバースアイドラユニット6のX軸方向の位置が安定する。
<特徴>
(1)
この変速機1では、シフトフォーク52がリバースアイドラユニット6と隙間Sを空けてX軸方向(軸方向)に対向するように配置されているため、第3回転軸A3が鉛直方向を向いた状態でリバースアイドラユニット6を組み付ける際に、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きすることができる。リバースアイドラユニット6がシフトフォーク52上に仮置きされている状態で、第2ケース21を第1ケース22に組み付けることができる。これにより、リバースアイドラギヤG18周辺にケース2の分割部分を設けなくても、組み立て作業を行うことができる。つまり、この変速機1では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができる。
【0030】
(2)
図10に示すように、隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っているため、仮置きの状態からリバースアイドラユニット6を引き上げるだけで、リバースアイドラギヤG18をメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17に噛み合わせることができる。また、このような構成にすることで、仮置き時にリバースアイドラユニット6を支持する部分が増える。これにより、仮置き時にリバースアイドラユニット6の姿勢が安定しやすくなり、組み立て作業の途中でリバースアイドラユニット6が脱落するのを防止できる。
(3)
図12および図13に示すように、X軸方向に貫通した支持孔21dを第2ケース21が有しているため、第2ケース21を第1ケース22に組み付ける際に、仮置きされたリバースアイドラユニット6を支持孔21dから引っ張り上げることができる。さらに、組み付け終了後に、蓋本体26aをネジ部26cに当接させながら小径部26bを支持孔21dに嵌め込んで、支持孔21dを塞ぐため、蓋本体26aと支持部21cとの当接部や小径部26bと支持孔21dとの嵌合部とにより、変速機1の使用時に支持孔21dから潤滑油が流出するのを防止できる。これらの構成により、変速機1の性能を低下させることなく、変速機1の組み付け性を高めることができる。
【0031】
(4)
この変速機1では、第1端部65に形成されたネジ孔61aをリバースアイドラシャフト61が有しているため、ネジ孔61aを利用して第1端部65に治具7を固定することができる。これにより、組み立て時に治具7を操作してリバースアイドラユニット6を所定の固定位置に導くことができる。
(5)
図13、図14(A)および(B)に示すように、リバースアイドラシャフト61のネジ孔61aに螺合するネジ部26cを蓋26が有しているため、蓋26を利用してリバースアイドラシャフト61の軸方向の位置決めを行うことができる。
(6)
図10および図11に示すように、第1端部65に形成された溝61bをリバースアイドラシャフト61が有しているため、治具本体71の突起71cをこの溝61bに嵌め込むことで、リバースアイドラシャフト61と一体回転可能な治具7をリバースアイドラシャフト61に装着することができる。この治具7を用いれば、リバースアイドラシャフト61を第2ケース21に対して回転させることができるため、組み立て作業時に第2ケース21に対するリバースアイドラユニット6の位置および向き(取付角度)を調整しやすくなる。
【0032】
(7)
図10に示すように、支持部材62およびシフトフォーク52は、X軸方向に直交する方向への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である。より具体的には、支持部材62がシフトフォーク52を嵌め込み可能な位置決め部62bを有している。シフトフォーク52が位置決め部62bに嵌め込まれている状態では、シフトフォーク52に対する支持部材62のX軸方向に直交する方向への移動が規制される。このため、仮置き時にシフトフォーク52に対するリバースアイドラユニット6の位置が安定し、組み付け作業がさらに容易となる。
(8)
図7に示すように、X軸方向から見た場合に、リバースアイドラユニット6の重心Gが、噛合部K1、噛合部K2および位置決め部62bで形成される領域H内に位置するように、位置決め部62bを配置するため、仮置き時のリバースアイドラユニット6の姿勢がさらに安定する。
【0033】
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
なお、前述の実施形態と実質的に同一の機能を有する構成については、同じ符号を使用し、詳細な説明は省略する。
(A)
前述の実施形態では、位置決め部62bが孔62cを有しており、シフトフォーク52が突起52bを有しているが、位置決め部62bおよびシフトフォーク52の構成は前述の構成に限定されない。
例えば図15および図16に示す支持部材162では、位置決め部162bは溝162dを有しているが、孔を有していない。図15に示すように、この溝162dはシフトフォーク152に沿って湾曲している。シフトフォーク152は突起を有していない。
【0034】
この場合であっても、リバースアイドラユニット106をシフトフォーク152に仮置きすることができる。さらに、溝162dが湾曲しているため、シフトフォーク152により支持部材162がY軸方向およびZ軸方向に移動するのが規制される。シフトフォーク152が湾曲している部分でリバースアイドラユニット106を支持するため、仮置き時にリバースアイドラユニット106の状態がより安定しやすくなる。
(B)
前述の実施形態では、支持部材62が位置決め部62bを有しているが、リバースアイドラユニット6をシフトフォーク52上に仮置きできるのであれば、本体部62aのみであってもよい。また、位置決め部62bが溝62dのみを有している場合であってもよい。
【0035】
(C)
前述の実施形態では、隙間Sの範囲内で、リバースアイドラギヤG18の少なくとも一部がメインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17と噛み合っているが、これらのギヤが仮置き状態で噛み合っていなくてもよい。この場合、図17に示すように、X軸方向から見た場合のリバースアイドラユニット6の重心Gが、位置決め部62bにより形成される領域H1内に位置するように位置決め部62bを配置することで、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定しやすくなる。
また、メインドライブギヤG7およびリバースカウンタギヤG17のうち少なくとも一方とリバースアイドラギヤG18が噛み合っている構成であってもよい。この場合、X軸方向から見た場合のリバースアイドラユニット6の重心Gが、噛合部K1および位置決め部62bにより形成される三角形の領域H2内(図18参照)、または、噛合部K2および位置決め部62bにより形成される三角形の領域H3内(図19参照)に位置するように、位置決め部62bを配置することで、リバースアイドラユニット6の仮置き状態が安定しやすくなる。
【0036】
(D)
リバースアイドラシャフト61の溝61bおよび治具本体71の突起71cの形状は、前述の形状に限定されず、凹凸によってリバースアイドラシャフト61および治具本体71が一体回転するような構成であれば、他の形状であってもよい。また、リバースアイドラシャフト61および治具本体71を一体回転できるような構成であれば、リバースアイドラシャフト61の溝61bおよび治具本体71の突起71cの形状は、凹凸以外のいかなる構成であってもよい。
(E)
リバースアイドラユニット6を仮置きする仮置支持部材としてシフトフォーク52を例に説明しているが、仮置支持部材は他の部材であってもよい。
【0037】
(F)
支持部材62の位置決め部62bにシフトフォーク52を嵌め込む構成としているが、シフトフォーク52がリバースアイドラシャフト61の端部に嵌め込まれる構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る変速機およびその製造方法では、組み立て性を低下させることなく製造コストの低減を図ることができるため、本発明は変速機の分野で有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 変速機
2 ケース
21 第2ケース
21a 周壁部(第2部分の一例)
21b 側壁部(第1部分の一例)
21c 支持部
21d 支持孔
22 第1ケース
3 出力シャフトユニット
3a 出力シャフト
4 カウンタシャフトユニット(第2シャフトユニットの一例)
4a カウンタシャフト(第2シャフトの一例)
5 操作ユニット
52 シフトフォーク(仮置支持部材の一例)
6 リバースアイドラユニット
61 リバースアイドラシャフト
61a ネジ孔
61b 溝(第1凹部の一例)
61c 突起(突出部の一例)
62 支持部材
62a 本体部
62b 位置決め部
62c 孔
62d 溝(第2凹部の一例)
62e ネジ孔
63 スラストプレート
7 治具
71 治具本体
71a 小径部
71b テーパ部
71c 突起
71e 指標
72 固定ネジ
8 入力シャフトユニット(第1シャフトユニットの一例)
8a 入力シャフト(第1シャフトの一例)
G7 メインドライブギヤ(第1ギヤの一例)
G17 カウンタドライブギヤ(第2ギヤの一例)
G18 リバースアイドラギヤ
S 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケースと、
前記第1ケースに固定された第2ケースと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくとも一方に回転可能に支持された第1シャフトと、前記第1シャフトに支持された第1ギヤと、を有する第1シャフトユニットと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースに対して回転可能に設けられた第2シャフトと、前記第2シャフトに支持された第2ギヤと、を有する第2シャフトユニットと、
前記第1ギヤおよび前記第2ギヤと噛み合うリバースアイドラギヤと、前記第1ケースに対して取り外し可能に装着され前記リバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材と、を有するリバースアイドラユニットと、
組み付け時に前記リバースアイドラユニットを仮置きできるように前記支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置された仮置支持部材と、
を備えた変速機。
【請求項2】
前記リバースアイドラギヤの少なくとも一部は、前記隙間の範囲内で前記第1ギヤおよび前記第2ギヤのうち少なくとも一方と噛み合っている、
請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記第1ケースは、前記軸方向に貫通し前記支持部材の第1端部が挿入される支持孔と、前記支持部材と反対側から前記支持孔を覆う蓋部材と、を有している、
請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記支持部材は、前記第1端部を有し前記リバースアイドラギヤを回転可能に支持するリバースアイドラシャフトと、前記第1ケースに対して取り外し可能に装着され前記リバースアイドラシャフトを支持するシャフト支持部材と、を有しており、
前記リバースアイドラシャフトは、前記第1端部に形成されたネジ孔を有している、
請求項3に記載の変速機。
【請求項5】
前記蓋部材は、前記ネジ孔に螺合するネジ部を有している、
請求項4に記載の変速機。
【請求項6】
前記リバースアイドラシャフトは、前記第1端部に形成された第1凹部または突出部を有している、
請求項3から5のいずれかに記載の変速機。
【請求項7】
前記第1ケースは、前記リバースアイドルシャフトの前記第1端部を支持する第1部分と、前記第1部分と一体形成された部分であって前記支持部材が固定され前記第1部分から前記軸方向に延びる筒状の第2部分と、を有している、
請求項1から6のいずれかに記載の変速機。
【請求項8】
前記支持部材および前記仮置支持部材は、前記軸方向に直交する第1方向への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である、
請求項1から7のいずれかに記載の変速機。
【請求項9】
前記支持部材および前記仮置支持部材のうち一方は、前記支持部材および前記仮置支持部材のうち他方を嵌め込み可能な第2凹部を有している、
請求項1から8のいずれかに記載の変速機。
【請求項10】
前記仮置支持部材は、前記リバースアイドラギヤの回転軸の前記第1ケース側に配置されている、
請求項1から9のいずれかに記載の変速機。
【請求項11】
前記仮置支持部材は、シフトフォークである、
請求項1から10のいずれかに記載の変速機。
【請求項12】
リバースアイドラギヤとリバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材とを有するリバースアイドラユニットに、治具を装着する工程と、
ギヤと前記ギヤを支持するシャフトとを有するシャフトユニットを、前記シャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに組み付ける工程と、
前記治具が装着された前記リバースアイドラユニットを、前記シャフトの軸方向を鉛直方向としながら前記第1ケースに支持される仮置支持部材上に仮置きする工程と、
支持孔を有する第2ケースを、前記治具が支持孔を貫通するように前記下側ケースに組み付ける工程と、
前記上側ケースの組み付け後に、前記治具を利用して前記リバースアイドラユニットを外側から所定の固定位置に導く工程と、
前記リバースアイドラユニットを前記上側ケースに固定する工程と、
を備えた変速機の製造方法。
【請求項1】
第1ケースと、
前記第1ケースに固定された第2ケースと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースの少なくとも一方に回転可能に支持された第1シャフトと、前記第1シャフトに支持された第1ギヤと、を有する第1シャフトユニットと、
前記第1ケースおよび前記第2ケースに対して回転可能に設けられた第2シャフトと、前記第2シャフトに支持された第2ギヤと、を有する第2シャフトユニットと、
前記第1ギヤおよび前記第2ギヤと噛み合うリバースアイドラギヤと、前記第1ケースに対して取り外し可能に装着され前記リバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材と、を有するリバースアイドラユニットと、
組み付け時に前記リバースアイドラユニットを仮置きできるように前記支持部材と隙間を空けて軸方向に対向するように配置された仮置支持部材と、
を備えた変速機。
【請求項2】
前記リバースアイドラギヤの少なくとも一部は、前記隙間の範囲内で前記第1ギヤおよび前記第2ギヤのうち少なくとも一方と噛み合っている、
請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記第1ケースは、前記軸方向に貫通し前記支持部材の第1端部が挿入される支持孔と、前記支持部材と反対側から前記支持孔を覆う蓋部材と、を有している、
請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記支持部材は、前記第1端部を有し前記リバースアイドラギヤを回転可能に支持するリバースアイドラシャフトと、前記第1ケースに対して取り外し可能に装着され前記リバースアイドラシャフトを支持するシャフト支持部材と、を有しており、
前記リバースアイドラシャフトは、前記第1端部に形成されたネジ孔を有している、
請求項3に記載の変速機。
【請求項5】
前記蓋部材は、前記ネジ孔に螺合するネジ部を有している、
請求項4に記載の変速機。
【請求項6】
前記リバースアイドラシャフトは、前記第1端部に形成された第1凹部または突出部を有している、
請求項3から5のいずれかに記載の変速機。
【請求項7】
前記第1ケースは、前記リバースアイドルシャフトの前記第1端部を支持する第1部分と、前記第1部分と一体形成された部分であって前記支持部材が固定され前記第1部分から前記軸方向に延びる筒状の第2部分と、を有している、
請求項1から6のいずれかに記載の変速機。
【請求項8】
前記支持部材および前記仮置支持部材は、前記軸方向に直交する第1方向への相対移動が規制されるように互いに嵌め込み可能である、
請求項1から7のいずれかに記載の変速機。
【請求項9】
前記支持部材および前記仮置支持部材のうち一方は、前記支持部材および前記仮置支持部材のうち他方を嵌め込み可能な第2凹部を有している、
請求項1から8のいずれかに記載の変速機。
【請求項10】
前記仮置支持部材は、前記リバースアイドラギヤの回転軸の前記第1ケース側に配置されている、
請求項1から9のいずれかに記載の変速機。
【請求項11】
前記仮置支持部材は、シフトフォークである、
請求項1から10のいずれかに記載の変速機。
【請求項12】
リバースアイドラギヤとリバースアイドラギヤを回転可能に支持する支持部材とを有するリバースアイドラユニットに、治具を装着する工程と、
ギヤと前記ギヤを支持するシャフトとを有するシャフトユニットを、前記シャフトの軸方向を鉛直方向としながら第1ケースに組み付ける工程と、
前記治具が装着された前記リバースアイドラユニットを、前記シャフトの軸方向を鉛直方向としながら前記第1ケースに支持される仮置支持部材上に仮置きする工程と、
支持孔を有する第2ケースを、前記治具が支持孔を貫通するように前記下側ケースに組み付ける工程と、
前記上側ケースの組み付け後に、前記治具を利用して前記リバースアイドラユニットを外側から所定の固定位置に導く工程と、
前記リバースアイドラユニットを前記上側ケースに固定する工程と、
を備えた変速機の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−190289(P2010−190289A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34181(P2009−34181)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(390009896)愛知機械工業株式会社 (190)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(390009896)愛知機械工業株式会社 (190)
【Fターム(参考)】
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