説明

外壁洗浄剤

【課題】従来用いられてきた化審法の規制対象となる毒劇物を含まない、安全で環境に優しい無機系洗 浄剤の開発。
【解決手段】化審法の規制対象外の非毒劇物であるフッ化物の中性塩を用いて、有機酸である弱酸との錯化合物を形成せしまたものを無機系洗浄剤とすることにより、洗浄力の優れた、人体に優しくかつ環境も汚染しない優れた洗浄剤の開発に成功した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経年、長時間風雨に晒され風化し、汚れた外壁やタイル、歩道、構造物の外壁家屋の便所、風呂場、キッチンなどの汚れやすいところの、清掃剤に関する。従来の洗浄剤は通常の洗剤、すなわち界面活性剤では無機物沈着、付着による頑固な汚れを除去することが出来なかった。無機系洗浄剤としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸などの鉱酸系に洗浄剤が用いられていた。本願発明はそれら鉱酸に変わるもっとマイルドで環境と人間に優しい、洗浄剤に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤としては石油系炭化水素を主体とした有機系界面活性剤が圧倒的に使用されているが、無機系汚染物に対しては、鉱酸系の洗浄剤が主体であった。外壁タイルのメジのアク、便器の尿席、墓石などの風化による汚れ、台所や風呂場のカビの繁殖、アカによる頑固な汚染などは有機系洗剤では洗浄不可能である。これらの汚れを落とすのに鉱酸系の洗浄剤が用いられてきた。鉱酸系の洗浄剤は塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸などが主体でそれらは劇毒物に属し、それらを使用することは人体や環境に良いとは言えなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は今まで使用されてきた毒劇物である鉱酸を使用することなく、もっと、人体及び環境に優しい化学物質を用いて、化学品毒劇物を使用することなく、従来よりも、高性能な洗浄剤を開発することにある。外壁洗浄の際、周りに飛散しても、今までのように、植物を枯らしたり、劇物による汚染や被害を防ぎ、人体に付着による障害、損傷を防止出来た。従来の洗浄剤はアルミサッシ、ガラス、金属、プラスチックスなどに接触すると変色したり、剥げたり、腐食したり、変質したりしてクレームが耐えなかった。
【0004】
従来、用いられてきた塩酸、硫酸、塩酸、フッ酸、酸性フッ化アンモンは化学品毒物劇物に指定され取り扱いに法律的な規制対象となり、その取り扱いには厳重な注意が必要であった。この取り扱いを容易にしたのが本願発明である。本願発明はこの法令で定める化学品の指定毒劇物を使用する事無く、洗浄力を上げ、問題解決を図るものである。
【発明を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、まず指定毒物劇物使用する事無く、中性塩と、有機酸を主体する弱酸の混合物から成る。そこで洗浄剤剤の主成分となるのは非毒劇物で、中性塩のクリソナイト(別名:ボーキサイト)、フッ化ソーダ(別名:フッ化ナトリウム)、フッ化リチュウム、中性フッ化アンモニウム、フッ化カリウムなどである。水に溶けにくいフッ化物の塩も多いが多価カルボン酸と加熱しながら錯化合物かすれば溶かすことが出来る。また中性フッ化アンモニアとはフッ酸をアンモニアで中和してPHを7にしたものである。アンモニア添加により錯化合物化が容易になることがある。
【0006】
さらに、洗浄効果を高めるため、クエン酸、酒石酸、コハク酸、りんご酸、ヒロキシ酢酸、アジピン酸、アミノスルホン酸、スルファミン酸、等の弱酸もしくは有機酸を加えて酸性にするこたにより洗浄効果を高めることが出来る。とくに中性のフッ化物と水酸基を有する多カルボン酸との組み合わせはフッ化物との錯化合物を形成するので効果は抜群である。ここで言うkで弱酸とは、スルファミン酸や、弱アルカリで中和した燐酸アンモニウム塩のようなものを指す。この錯体は弱酸性示し、と特に洗浄力も強く、人体にも優しく、環境も汚染することは無い。またこの洗浄剤は水系溶剤であるため、簡単に調合でき、手軽に扱うことが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の洗浄液により、外壁洗浄の際、周りに飛散しても、今までのように、植物を枯らしたり、劇物による汚染や被害を防ぎ、人体に付着による障害、損傷を防止出来た。従来の洗浄剤はアルミサッシ、ガラス、金属、プラスチックスなどに接触すると変色したり、剥げたり、腐食したり、変質したりしてクレームが耐えなかった。この諸々の深刻な問題を解決したのが本願発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願発明はまず、毒劇物は使用を避けることが必定である、まず主剤はクリソナイト、フッ化リチュウム、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化カリウムなどを水に溶かし、多少水に溶けないのでクエン酸、りんご酸、ヒドロキシ酢酸などの有機酸加えれば解ける、それでも溶けないときは多少加熱すればとける。とくに、カルボン酸を2個以上持つ有機酸とフッ化物の塩は錯体を形成するために、洗浄効果が良い。
【0009】
使用する、原料のフッ化物の塩は3〜15%で、有機酸は5〜20%程度いずれも水に溶かして調合すればよい。また中性フッ化アンモニウムを3〜5%触媒的に加えるとさらに効果が上がる。かくして、調合して得られた洗浄液は非常にマイルドで環境を汚染する事無く、人体に優しく、従来のような刺激臭もなく、洗浄力の優れたクリニング溶液となる。
【0010】
以下、実施例をもって具体的に説明する。ただし本願発明はここに記された事項のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
クリソナイト(NaF・AlF)50gとリンゴ酸100gを1リトルの水に溶かし、80〜90℃に加熱して溶かす。さらにクエン酸50gを溶かした溶液はメジ垢が沈着した古い外壁タイルの頑固な汚れを落とすことが出来た。
【実施例2】
【0012】
1リットルの水にフッ化ナトリウム60g、酒石酸60g、ヒドロキシ酢酸20g60℃に加温して溶かし、たれ止めとしてカルボキシセルロース3gを加え、均一に攪拌して得られた溶液は、汚れた外壁洗浄剤として優れた洗浄効果を示した。
【実施例3】
【0013】
1リットルの水にフッ化カリウム60g、スルファミン酸50g、イタコン酸20gを加えて得られた洗浄剤は汚れたペーブメントの清掃にはさいてきだった。
【実施例4】
【0014】
1リットルの水にボーキサイト60g、第2燐酸アンモニウム60g、イタコン酸50gを加えて加熱処理して得られた洗浄液は汚れたアクリルリシン塗料の汚れ落しに最適であった。
【実施例5】
【0015】
1リットルの水にクリソナイト45g、フッ化カリ30g、28%のアンモニア水35g、65gのスルファミン酸を加え11時間加熱攪拌して得られた溶液は良好な洗浄力をしめした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化審法における非毒劇物のフッ化物の塩を主体とする化合物を2種類以上の混合物もしくは単独物を3乃至20%含む水溶液を主剤とし、それに有機酸主体とする弱酸性化合物を3ないし15%含む水溶液から成ることをを特徴とする洗浄剤。
【請求項2】
化審法における非毒劇物のフッ化物の塩からなる混合物もしくは単独物を3乃至20%含むものを主剤とし、弱酸性化合物を3乃至15%を含むことを特徴とする無機系洗浄剤。

【公開番号】特開2009−57529(P2009−57529A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250150(P2007−250150)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(391065884)株式会社サンケン (5)
【Fターム(参考)】