説明

外部記憶装置

【課題】持ち運びが容易な外部記憶装置に対しても、必要に応じてアプリケーション・ソフトウェアのインストールができるようにする。
【解決手段】外部記憶装置100は、データ格納部112と、属性記憶部114bと、それらを制御する制御部150とを備える。データ格納部112は、コンピュータ200から与えられるデータを格納する。属性記憶部114bは、外部記憶装置100の属性として、リムーバブル属性を表す第1の情報と、HDD属性を表す第2の情報と、の少なくとも一方を格納している。制御部150の属性返答部152は、コンピュータ200からの属性の問い合わせに対して、属性記憶部114bに格納された情報に基づいて、リムーバブル属性またはHDD属性の返答をする。外部記憶装置100のモード切替部153は、リムーバブル属性の返答をする第1の動作モードと、HDD属性の返答をする第2の動作モードと、を切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに対して容易に接続および取り外しが可能な外部記憶装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、持ち運びが容易な小型かつ安価なパーソナルコンピュータの中には、補助記憶装置の容量が著しく制限されたものがある。このようなパーソナルコンピュータには、補助記憶装置の容量の制限のため、限られたアプリケーション・プログラムしかインストールすることができない。
【0003】
一方で、このようなコンピュータもUSBコネクタを備えており、そのUSBコネクタを介して外付けハードディスクやリムーバブルメディアを接続することはできる。このため、このようなパーソナルコンピュータを購入したユーザは、後に、USBコネクタを介して接続した外部記憶装置に、アプリケーション・プログラムをインストールすることを希望することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3092721号公報
【特許文献2】特開2008−165489号公報
【特許文献3】特開2006−293760号公報
【特許文献4】特開2010−49779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外付けハードディスクには、アプリケーション・プログラムをインストールすることができる。しかし、外付けハードディスクにアプリケーション・プログラムをインストールした場合には、常にそのハードディスクをパーソナルコンピュータと共に持ち歩く必要が生じるため、システムの持ち運びの容易さが著しく損なわれる。一方、USBメモリは小型で持ち運びが容易である。しかし、USBメモリは、パーソナルコンピュータによって、「リムーバブル属性」を有する外部記憶装置として認識されている。このため、USBメモリにアプリケーション・プログラムをインストールすることはできない。このような問題は、USBメモリに限らず、アプリケーション・ソフトウェアのインストールが禁じられている属性が与えられた外部記憶装置であって、持ち運びが容易な外部記憶装置について、広く存在する。
【0006】
なお、外部記憶装置の属性は、SCSIなどの所定の規格にしたがって定められる。一つの規格に沿って複数の属性が定められる。複数の属性には、アプリケーション・ソフトウェアのインストールが許可されている属性と、禁じられている属性と、がある。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、持ち運びが容易な外部記憶装置に対しても、必要に応じてアプリケーション・ソフトウェアのインストールができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
コンピュータに接続されて使用される外部記憶装置であって、
前記コンピュータから与えられるデータを格納することができるデータ格納部と、
前記外部記憶装置の属性としてのリムーバブル属性を表す第1の情報と、前記外部記憶装置の属性としてのHDD属性を表す第2の情報と、の少なくとも一方を格納している属性記憶部と、
前記データ格納部および前記属性記憶部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記コンピュータからの属性の問い合わせに対して、前記属性記憶部に格納された情報に基づいて、前記リムーバブル属性または前記HDD属性の返答をする属性返答部を備え、
前記外部記憶装置は、さらに、
前記属性返答部が前記リムーバブル属性の前記返答をする第1の動作モードと、前記属性返答部が前記HDD属性の前記返答をする第2の動作モードと、を切り換えるためのモード切替部と、を備える、外部記憶装置。
【0010】
このような態様とすれば、モード切替部で動作モードを切り換えることにより、ユーザは、外部記憶装置を、必要に応じて、リムーバブル属性を有する外部記憶装置またはHDD属性を有する外部記憶装置として使い分けることができる。よって、持ち運びが容易な外部記憶装置を上記のような態様とすれば、必要に応じてアプリケーション・ソフトウェアのインストールをすることができる。
【0011】
なお、モード切替部は、ハードウェアとして構成されていてもよく、ソフトウェアとして構成されていてもよい。
【0012】
[適用例2]
適用例1の外部記憶装置であって、
前記属性記憶部は、前記第1の情報と前記第2の情報の両方を格納しており、
前記モード切替部は、ユーザに操作されるハードウェアスイッチであって、前記返答に際して前記属性返答部が参照する前記属性記憶部の部分を、前記第1の情報を格納した部分と前記第2の情報を格納した部分との間で切り換えることによって、前記動作モードの切換を行う、ハードウェアスイッチである、外部記憶装置。
【0013】
このような態様とすれば、ユーザは、直感的な操作で外部記憶装置の属性を、リムーバブル属性とHDD属性との間で切り換えることができる。
【0014】
[適用例3]
適用例1の外部記憶装置であって、
前記属性記憶部は、
前記第1の情報と前記第2の情報の両方を格納しており、さらに、
前記返答に際して前記属性返答部が参照すべき前記属性記憶部の部分を示す参照指示情報であって、前記第1の情報を格納した部分または前記第2の情報を格納した部分を示す参照指示情報を格納しており、
前記モード切替部は、前記コンピュータから与えられた指示に従って、前記参照指示情報を書き替えることによって、前記動作モードの切換を行う、外部記憶装置。
【0015】
このような態様とすれば、ユーザは、コンピュータを操作することにより、外部記憶装置の属性を、リムーバブル属性とHDD属性との間で切り換えることができる。
【0016】
[適用例4]
適用例2または3の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記コンピュータから前記外部記憶装置を取り外し再び前記コンピュータに前記外部記憶装置を接続すべきことを、前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記コンピュータの出力装置を介して、ユーザに対して促すためのユーザ誘導部を備える、外部記憶装置。
【0017】
このような態様とすれば、制御部の動作モードが切り換えられた後、ユーザは、指示に従って、コンピュータから外部記憶装置を取り外し、再びコンピュータに接続する。その結果、コンピュータは、新たに接続された外部記憶装置に対して、属性の問い合わせを行う。そして、属性返答部が、切り換え後の属性記憶部の部分を参照して、コンピュータに対して属性を返答する。よって、上記の態様とすれば、簡易な構成で、コンピュータに外部記憶装置の切り換え後の属性を認識させることができる。
【0018】
なお、ユーザ誘導部は、直接、コンピュータを制御して外部記憶装置の取り外しおよび接続を促させる機能を備えている態様であってもよいし、そのような機能を備えていない態様であってもよい。たとえば、ユーザ誘導部は、コンピュータが外部記憶装置の取り外しおよび接続を促すように指示を与える機能を有している態様とすることもできる。すなわち、コンピュータがユーザ誘導部から所定の情報を受け取ることで、ユーザに外部記憶装置の取り外しおよび接続を促すような態様とすることができる。
【0019】
[適用例5]
適用例2または3の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記外部記憶装置をリセットするリセット部と、
前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記リセット部に前記外部記憶装置をリセットさせるリセット指示部と、を備える、外部記憶装置。
【0020】
このような態様においては、制御部の動作モードが切り換えられた後、外部記憶装置はリセットされる。その結果、コンピュータは、リセットされた外部記憶装置に対して、再度、属性の問い合わせを行う。そして、属性返答部が、切り換え後の属性記憶部の部分を参照して、コンピュータに対して属性を返答する。よって、上記の態様とすれば、外部記憶装置の取り外しおよび接続を行うことなく、コンピュータに外部記憶装置の切り換え後の属性を認識させることができる。
【0021】
[適用例6]
適用例2または3の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記コンピュータから前記外部記憶装置への電力の供給を遮断することができる遮断スイッチと、
前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記遮断スイッチに前記電力の供給を遮断させる電力遮断部と、を備える、外部記憶装置。
【0022】
このような態様においては、制御部の動作モードが切り換えられた後、外部記憶装置は電力を遮断される。その結果、コンピュータは、外部記憶装置を認識できなくなり、その後、新たに、コンピュータに接続された外部記憶装置として、その外部記憶装置に対して、新たに属性の問い合わせを行う。そして、属性返答部が、切り換え後の属性記憶部の部分を参照して、コンピュータに対して属性を返答する。よって、上記の態様とすれば、外部記憶装置の取り外しおよび接続を行うことなく、コンピュータに外部記憶装置の切り換え後の属性を認識させることができる。
【0023】
[適用例7]
適用例2または3の外部記憶装置であって、
前記制御部は、
前記外部記憶装置をリセットさせるリセットコマンドを有しており、
前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記リセットコマンドにより前記外部記憶装置をリセットする、外部記憶装置。
【0024】
このような態様においては、制御部の動作モードが切り換えられた後、外部記憶装置はリセットされる。その結果、コンピュータは、リセットされた外部記憶装置に対して、再度、属性の問い合わせを行う。そして、属性返答部が、切り換え後の属性記憶部の部分を参照して、コンピュータに対して属性を返答する。よって、上記の態様とすれば、外部記憶装置の取り外しおよび接続を行うことなく、コンピュータに外部記憶装置の切り換え後の属性を認識させることができる。
【0025】
[適用例8]
適用例1の外部記憶装置であって、
前記属性記憶部は、前記第1の情報または前記第2の情報を格納しており、
前記モード切替部は、前記コンピュータから与えられた指示に従って、前記属性記憶部に格納されている前記第1の情報と前記第2の情報のうちの一方の情報を、前記第1の情報と前記第2の情報のうちの他方の情報に書き替えることによって、前記動作モードの切換を行う、外部記憶装置。
【0026】
このような態様とすれば、ユーザは、コンピュータを操作することにより、外部記憶装置の属性を、リムーバブル属性とHDD属性との間で切り換えることができる。
【0027】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、外部記憶装置および外部記憶装置の制御方法、外部記憶装置とその外部記憶装置を取りつけられるコンピュータの制御方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施例としてのUSBメモリ100aと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図。
【図2】USBメモリ100aを、パーソナルコンピュータ200に取りつける際のUSBメモリ100aおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2実施例としてのUSBメモリ100bと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図。
【図4】USBメモリ100bを、パーソナルコンピュータ200に取りつける際のUSBメモリ100bおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャート。
【図5】本発明の第3実施例としてのUSBメモリ100cと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図。
【図6】USBメモリ100cおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第4実施例としてのUSBメモリ100dと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図。
【図8】USBメモリ100dおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としてのUSBメモリ100aと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図である。USBメモリ100aは、フラッシュメモリ110と、USBフラッシュコントローラ150aと、ハードウェアスイッチ170とを備える。パーソナルコンピュータ200は、CPU210と、ディスプレイ220と、入力装置としてのキーボード230およびタッチパッド240と、USB機器を接続するためのUSBコネクタ250と、を備える。
【0030】
USBメモリ100aがパーソナルコンピュータ200のUSBコネクタ250に接続された状態において、USBフラッシュコントローラ150aおよびフラッシュメモリ110などのUSBメモリ100aの各部は、パーソナルコンピュータ200から電力の供給を受けて動作する。
【0031】
USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200からの指示に応じて、パーソナルコンピュータ200から受け取ったデータをフラッシュメモリ110に書き込む。また、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200からの指示に応じて、フラッシュメモリ110からデータを読み出して、パーソナルコンピュータ200に送出する。なお、USBフラッシュコントローラ150a自身も、フラッシュメモリ110に書き込まれているファームウェアやパラメータに基づいて動作する。
【0032】
フラッシュメモリ110は、データ格納部112と属性記憶部114とを備える。データ格納部112は、パーソナルコンピュータ200が書き込みを指示したデータを格納する。属性記憶部114は、外部記憶装置としてのUSBメモリ100aの属性を表す情報を格納している。具体的には、属性記憶部114は、リムーバブル属性を表すデータD1と、HDD(Hard Disk Drive)属性を表すデータD2と、を格納している。
【0033】
「HDD属性」、「リムーバブル属性」などの属性は、SCSI(Small Computer System Interface)の規格において定められている。SCSI規格に沿った外部記憶装置には、いずれかの属性が与えられている。外部記憶装置の接続先のコンピュータは、外部記憶装置の属性を認識し、その属性に応じて外部記憶装置を利用する。
【0034】
HDD属性を有すると認識されている外部記憶装置には、アプリケーション・ソフトウェアをインストールすることができる。また、HDD属性を有すると認識されている外部記憶装置には、キャッシュ領域が生成されうる。すなわち、HDD属性が与えられた外部記憶装置には、その外部記憶装置またはパーソナルコンピュータ内の補助記憶装置にインストールされたアプリケーション・ソフトウェアが動作する際に、暫定的に生成されたデータが格納され得る。HDD属性が与えられる外部記憶装置としては、外付けHDD(Hard Disk Drive)や外付けSSD(Flash Solid State Drive)などがある。
【0035】
これに対して、リムーバブル属性を有すると認識されている外部記憶装置には、キャッシュ領域が生成されない。そして、リムーバブル属性が与えられた外部記憶装置には、アプリケーション・ソフトウェアをインストールすることができない。リムーバブル属性が与えられる外部記憶装置としては、HDD属性が与えられる外部記憶装置よりも頻繁にパーソナルコンピュータへの接続および取り外しが行われる外部記憶装置が、想定されている。リムーバブル属性が与えられる外部記憶装置としては、USBメモリがある。
【0036】
ハードウェアスイッチ170は、ユーザによって操作されるハードウェアスイッチである。ハードウェアスイッチ170は、操作レバー172を備えており、操作レバー172の位置に応じて二つの状態P1,P2を取りうる。ハードウェアスイッチ170が状態P1にあるときと、状態P2にあるときとでは、USBフラッシュコントローラ150aがパーソナルコンピュータ200からの問い合わせに応じてパーソナルコンピュータ200にUSBメモリ100aの属性を返答する際に参照する領域が、異なる。
【0037】
ハードウェアスイッチ170の状態がP1であるとき、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200に属性を返答する際に、属性記憶部114のうちリムーバブル属性の情報D1が格納されている領域を参照する。その結果、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200に対して、USBメモリ100aの属性を「リムーバブル属性」として返答する。制御部としてのUSBフラッシュコントローラが、外部記憶装置としてのUSBメモリの属性を「リムーバブル属性」として返答する動作モードを、「第1の動作モード」と呼ぶ。
【0038】
一方、ハードウェアスイッチ170の状態がP2であるとき、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200に属性を返答する際に、属性記憶部114のうちHDD属性の情報D1が格納されている領域を参照する。その結果、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200に対して、USBメモリ100aの属性を「HDD属性」として返答する。制御部としてのUSBフラッシュコントローラが、外部記憶装置としてのUSBメモリの属性を「HDD属性」として返答する動作モードを、「第2の動作モード」と呼ぶ。
【0039】
なお、パーソナルコンピュータ200からの問い合わせに応じて、上記のように属性を返答するUSBフラッシュコントローラ150aの機能部を、「属性返答部152」として図1に示す。
【0040】
パーソナルコンピュータ200は、小型のノート型パーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータ200は、CPU210、ディスプレイ220、キーボード230、タッチパッド240、USBコネクタ250のほか、図示しないRAM、ROM、および補助記憶装置としてのSSDを備える。CPU210は、ROMおよびSSDに格納されたオペレーティング・システム(以下、「OS」と表記する)、アプリケーション・ソフトウェア、ドライバなどをRAMにロードして実行することにより、各種の機能を実現することができる。
【0041】
図2は、USBメモリ100aを、パーソナルコンピュータ200に取りつける際のUSBメモリ100aおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャートである。ユーザは、まず、ステップS105で、USBメモリ100aをパーソナルコンピュータ200に取りつけるのに先立って、USBメモリ100aの操作レバー172(図1参照)を操作して、ハードウェアスイッチ170の状態を所望の状態(状態P1またはP2)に設定する。
【0042】
そして、ステップS110,S210で、ユーザは、外部記憶装置としてのUSBメモリ100aを、パーソナルコンピュータ200のUSBコネクタ250に挿入する。なお、USBメモリ100aのUSBコネクタ250への装着など、USBメモリ100aとパーソナルコンピュータ200において共通に生じる事象は、図2では、共通のブロックで示される。ただし、ステップに付される符号は、それぞれ与えられる。「ステップS110」は、USBメモリ100a側のステップとしての符号である。「ステップS210」は、パーソナルコンピュータ200側のステップとしての符号である。
【0043】
その後、ステップS220で、パーソナルコンピュータ200のOS(より具体的にはCPU210)は、USBコネクタ250へのUSB機器の挿入を検知し、電力の供給を含む所定の処理を経て、USB機器(ここではUSBメモリ100a)に対して属性を問い合わせる。より具体的には、OSは、USB機器に対してInquiryコマンドを送信する。
【0044】
ステップS120では、USBフラッシュコントローラ150aは、パーソナルコンピュータ200からのInquiryコマンドを受信して、Inquiry Dataコマンドを返信する。Inquiry Dataコマンド中には、USBメモリ100aの属性が含まれる。USBフラッシュコントローラ150aは、前述のように、ハードウェアスイッチ170の状態に応じて、リムーバブル属性の情報D1が格納されている領域またはHDD属性の情報D2が格納されている領域を参照して、属性を返信する。
【0045】
その後、パーソナルコンピュータ200のOSおよびアプリケーション・ソフトウェア(より具体的にはCPU210)は、OSが受けとった属性に応じてUSBメモリ100aを利用する。すなわち、リムーバブル属性の回答を受け取った場合には、USBメモリ100a上にキャッシュ領域を設けず、かつUSBメモリ100aへのアプリケーション・ソフトウェアのインストールを許可しない。一方、HDD属性の回答を受け取った場合には、必要に応じてUSBメモリ100a上にキャッシュ領域を設け、USBメモリ100aへのアプリケーション・ソフトウェアのインストールを許可する。それらの制限のもとで、フラッシュメモリ110へのデータの書き込みおよび読み出しが、パーソナルコンピュータ200からの指示に応じて行われる。
【0046】
なお、属性を問い合わせ、その返答を得て属性を認識するS220の処理を行うCPU210の機能部を、「属性認識部212」として図1に示す。
【0047】
図2のステップS230では、パーソナルコンピュータ200のOS(より具体的にはCPU210)は、ユーザから、入力装置230,240を介して、USBメモリ100aを取り外す旨の入力が行われたか否かを判定する。USBメモリ100aを取り外す旨の入力が行われていない場合には(S230:No)、USBメモリ100aを取り外す旨の入力が行われるまで、引き続き、パーソナルコンピュータ200からの指示に応じて、フラッシュメモリ110へのデータの書き込みおよび読み出しが、行われる。
【0048】
ステップS230において、USBメモリ100aを取り外す旨の入力が行われた場合には(S230:Yes)、パーソナルコンピュータ200側の処理としてのステップS240、およびUSBメモリ100a側の処理としてのステップS140で、USBメモリ100aを取り外すための前処理が行われる。言い換えれば、パーソナルコンピュータ200とUSBメモリ100aの接続を終了するための処理が行われる。その後、ステップS250,S150で、ユーザは、実際にUSBメモリ100aをUSBコネクタ250から取り外す。
【0049】
なお、図2においては、USBメモリ側の処理Aの後に処理Bが行われる場合であって、処理Aの完了が直接、処理Bの開始に繋がらない関係にある場合には、処理Aと処理Bとを破線で結んでいる(たとえば、ステップS120とS140)。以下の図面で示すフローチャートにおいても同様である。また、パーソナルコンピュータ側で行われる処理についても、同様に示す。
【0050】
ユーザは、USBメモリ100aをパーソナルコンピュータ200に接続して使用しているときに、動作モードを切り換えようとする場合には、まず、ステップS230で、
0aを取り外す旨の入力を行い、ステップS250,S150で、USBメモリ100aをパーソナルコンピュータ200から抜き取る。そして、ステップS105で、動作モードを切換え、ステップS210,S110で、再びUSBメモリ100aをパーソナルコンピュータ200に接続する。その後、ステップS120では、ステップS105で切り換えた動作モードでUSBメモリ100aが動作する。このため、ステップS220では、切換後の属性が認識される。
【0051】
第1実施例のUSBメモリ100aによれば、ユーザは、アプリケーション・ソフトウェアのインストールを希望せず、頻繁に抜き差しをする用途でUSBメモリ100aを使用する場合には、ハードウェアスイッチ170を状態P1の状態として(図2のステップS105参照)、USBメモリ100aを使用することができる。
【0052】
一方、アプリケーション・ソフトウェアのインストールを希望し、かつ、頻繁に抜き差しをしない用途でUSBメモリ100aを使用する場合には、ユーザは、ハードウェアスイッチ170を状態P2の状態として(図2のステップS105参照)、USBメモリ100aを使用することができる。このため、補助記憶装置の容量が小さい小型のノート型パーソナルコンピュータに対して、USBメモリ100aを装着して、外部記憶装置としてのUSBメモリ100aにアプリケーション・ソフトウェアをインストールすることができる。
【0053】
すなわち、第1実施例のUSBメモリ100aによれば、ユーザは、その使用目的に応じて、USBメモリ100aを使用することができる。
【0054】
また、第1実施例のUSBメモリ100aによれば、ユーザは、USBメモリ100aをパーソナルコンピュータ200からはずした状態で、パーソナルコンピュータ200を使うことなく、USBメモリ100aの動作モードを変更することができる。すなわち、操作レバー172を操作した後は、通常のUSBメモリの使用方法と同様の方法で、USBメモリを使用するだけで、使用目的に応じた態様でUSBメモリを使用することができる。
【0055】
なお、本実施例において、USBメモリ100aが、「課題を解決するための手段」における「外部記憶装置」に相当する。USBフラッシュコントローラ150aが、「制御部」に相当する。ハードウェアスイッチ170が、「モード切替部」に相当する。
【0056】
B.第2実施例:
図3は、本発明の第2実施例としてのUSBメモリ100bと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図である。USBメモリ100bは、ハードウェアスイッチ170(図1参照)を備えていない。そして、フラッシュメモリ110bの属性記憶部114bは、ハードウェアスイッチ170によって、USBフラッシュコントローラ150bに読み取られる部分を切り換えられることはない。USBメモリ100bのハードウェア構成の他の点は、USBメモリ100aと同じである。
【0057】
第2実施例における属性記憶部114bも、リムーバブル属性を表すデータD1と、HDD属性を表すデータD2と、を格納している。ただし、属性記憶部114bは、さらに、USBフラッシュコントローラ150bが属性をパーソナルコンピュータ200に返答する際に、データD1が格納されている領域と、データD2が格納されている領域とのいずれを読み取るべきかを表すフラグ(以下、「属性フラグ」と呼ぶ)を格納している。USBフラッシュコントローラ150bは、パーソナルコンピュータ200に属性を返答する際に、属性フラグを参照し、属性フラグの値に応じて、データD1が格納されている領域、またはデータD2が格納されている領域から、データを読みだす。そして、読み出したデータD1またはD2に基づいて、属性をパーソナルコンピュータ200に返答する。
【0058】
例えば、属性フラグが0であるときには、USBフラッシュコントローラ150bは、リムーバブル属性を表すデータD1が格納されている領域からデータを読み出す。その結果、パーソナルコンピュータには、リムーバブル属性が返答される。一方、属性フラグが1であるときには、USBフラッシュコントローラ150bは、HDD属性を表すデータD2が格納されている領域からデータを読み出す。その結果、パーソナルコンピュータには、HDD属性が返答される。なお、USBフラッシュコントローラ150bは、属性フラグを書き替えることができる。
【0059】
図4は、USBメモリ100bを、パーソナルコンピュータ200に取りつける際のUSBメモリ100bおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャートである。なお、図4と図2とにおいて、同じ符号が付されている処理は、同じ内容を表す。
【0060】
図4の処理においては、図2のステップS105の処理(スイッチ170の切り換え)は行われない。その後、ステップS110〜S150,S210〜S230の処理は、第1実施例の図2における対応する処理と同じである。ただし、ステップS230において、USBメモリ100bを取り外す旨の入力が行われていない場合には(S230:No)、処理は、ステップS260に進む。なお、図4においては、技術の理解を容易にするため、ステップS240,S140の表示を簡略化している。
【0061】
ステップS260では、パーソナルコンピュータ200のアプリケーション・ソフトウェア(より具体的にはCPU210)は、ユーザから入力装置230,240を介して、USBメモリ100bの動作モードを切り換える旨の入力が行われたか否かを判定する。USBメモリ100bの動作モードを切り換える旨の入力が行われていない場合には(S260:No)、処理はステップS230に戻る。
【0062】
ステップS260において、USBメモリ100bの動作モードを切り換える旨の入力が行われた場合には(S260:Yes)、パーソナルコンピュータ200のOSは、USBフラッシュコントローラ150bに、動作モードを切り換えるべき指示を送る。ステップS260の機能を奏するCPU210の機能部を、モード切替指示部214として図3に示す。
【0063】
ステップS160では、動作モードを切り換えるべき指示を受け取ったUSBフラッシュコントローラ150bは、上述の属性フラグを書き替える。たとえば、それまで属性フラグが0であった場合には、属性フラグを1にする。それまで属性フラグが1であった場合には、属性フラグを0にする。ステップS160の機能を奏するUSBフラッシュコントローラ150bの機能部を、「モード切替部153」として図3に示す。
【0064】
その後、ステップS170では、USBフラッシュコントローラ150bは、属性フラグの書換が完了した旨を、パーソナルコンピュータ200に通知する。通知を受け取ったパーソナルコンピュータ200のアプリケーション・ソフトウェア(より具体的にはCPU210)は、ステップS270において、ディスプレイ220に、「USBメモリを抜き差ししてください」というメッセージを表示する。ステップS170において、属性フラグの書換が完了した旨をパーソナルコンピュータ200に通知することにより、USBメモリを抜き差しすべき旨のメッセージが表示されるきっかけを与えるUSBフラッシュコントローラ150bの機能部を、「ユーザ誘導部154」として図3に示す。
【0065】
USBメモリを抜き差しすべき旨のメッセージを見たユーザは、ステップS280,S180で、実際に、USBメモリ100aをUSBコネクタ250から取り外し、再度、取りつける。その後、処理は、S220,S120に戻る。
【0066】
第1実施例においては、USBメモリ100aの動作モードを切り換えるためには、ユーザは、入力装置を介した終了指示の入力(図2のステップS230参照)と、USBメモリの抜き差し(同、ステップS250,S150,S210,S110参照)と、ハードウェアスイッチ170の切換(同、ステップS105参照)と、の3個の動作を行う必要がある。これに対して、第2実施例においては、ユーザは、パーソナルコンピュータ200に対する入力操作(図4のステップS260参照)と、USBメモリの抜き差し(同、ステップS280,S180参照)と、の2個の動作で、USBメモリ100bの動作モードを切り換えることができる。このため、第2実施例によれば、第1実施例に比べて、USBメモリの動作モードを切り換える際のユーザの煩雑さを低減することができる。
【0067】
また、第2実施例においては、ハードウェアスイッチ170の操作レバー172の位置とUSBメモリの動作モードとの関係を知らない場合にも、ユーザは、アプリケーション・ソフトウェアがディスプレイ220上に示すメニューやメッセージに従って、処理を行うことによって、USBメモリ100bの動作モードを切り換えることができる。
【0068】
なお、本実施例において、USBメモリ100bが、「課題を解決するための手段」における「外部記憶装置」に相当する。USBフラッシュコントローラ150bが、「制御部」に相当する。モード切替部153が、「モード切替部」に相当する。
【0069】
C.第3実施例:
図5は、本発明の第3実施例としてのUSBメモリ100cと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図である。USBメモリ100cのUSBフラッシュコントローラ150cは、リセット端子とGPIO端子を備えている。リセット端子とGPIO端子を図5において、それぞれ「Reset」、「GPIO」として示す。そして、GPIO端子は、リセット端子に接続されている(図5の破線参照)。USBメモリ100cのハードウェア構成の他の点は、第2実施例のUSBメモリ100bと同じである。
【0070】
「リセット端子」は、その端子に所定の電気信号が入力されると、USBメモリ100cがリセットされる端子である。ここでいう「リセット」とは、USBメモリ100cに電源が投入されたときに行われる一連の処理のうちの少なくとも一部の複数の処理が、再度、開始されるようにする処理を意味する。
【0071】
USBメモリ100cにおいてリセットが行われると、USBメモリ100cがUSBコネクタ250に挿入されたときと同様の処理が開始される。リセット端子に入力された信号に応じてリセットを行うUSBフラッシュコントローラ150cの機能部を、「リセット部155」として、図5に示す。
【0072】
「GPIO(Gneneral Purpose Input/Output)端子」は、部品としてのUSBフラッシュコントローラ150cを購入した製品メーカが、USBフラッシュコントローラ150cに実行させる制御の内容に応じて、その端子から任意の出力をし、または外部からその端子へ任意の入力を受け取るように設定できる端子である。本実施例において、GPIO端子は、リセット端子に入力される信号を出力する(図5の破線参照)。
【0073】
なお、上記第1および第2実施例では説明しなかったが、第1実施例におけるUSBフラッシュコントローラ150a(図1参照)および第2実施例におけるUSBフラッシュコントローラ150b(図3参照)も、リセット端子およびGPIO端子を有している。
【0074】
図6は、USBメモリ100cおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャートである。なお、図6と図4とにおいて、同じ符号が付されている処理は、同じ内容を表す。
【0075】
図6の処理においては、ステップS110〜S160,S210〜S260の処理は、第2実施例の図4における対応する処理と同じである。ただし、ステップS160において、属性フラグが書き替えられた後、処理はステップS172に進む。
【0076】
ステップS172では、USBフラッシュコントローラ150cは、GPIO端子からリセット端子にリセットを開始すべき信号(以下、「リセット信号」という)を入力することにより、リセットを行う。その結果、USBフラッシュコントローラ150cにおいて、電源投入時、すなわち、USBメモリ100cがUSBコネクタ250に挿入され、USBコネクタ250から電力の供給が開示された際の処理と同じ処理が開示される。リセット端子にリセット信号を入力して、機能部としてのリセット部155にリセットを行わせるUSBフラッシュコントローラ150cの機能部を、「リセット指示部156」として図5に示す。
【0077】
USBフラッシュコントローラ150cにおいて電源投入時の処理と同じ処理が開示されると、パーソナルコンピュータ200のOS(より具体的にはCPU210)は、ステップS272において、USBメモリ100cにおけるそれらの処理の開始を認識する。そして、パーソナルコンピュータ200のOSにおける処理は、USBメモリ100cがUSBコネクタ250に挿入された際に実行されるステップS220の処理に戻る。すなわち、InquiryコマンドがUSBメモリ100cに対して発行される。以下の各工程における処理は、第1および第2実施例で説明したとおりである。
【0078】
第3実施例においては、ユーザは、パーソナルコンピュータ200に対する入力操作(図6のステップS260参照)を行うだけで、USBメモリ100cの動作モードを切り換えることができる。すなわち、USBメモリ100cをパーソナルコンピュータ200のUSBコネクタ250に対して抜き差しすることなく、USBメモリ100cの動作モードを切り換えることができる。このため、第3実施例の態様は、第1および第2実施例に比べて、USBメモリの動作モードを切り換える際のユーザの煩雑さをより低減することができる。
【0079】
なお、本実施例において、USBメモリ100cが、「課題を解決するための手段」における「外部記憶装置」に相当する。USBフラッシュコントローラ150cが、「制御部」に相当する。
【0080】
D.第4実施例:
図7は、本発明の第4実施例としてのUSBメモリ100dと、パーソナルコンピュータ200と、を示すブロック図である。USBメモリ100dのUSBフラッシュコントローラ150dは、スイッチ120を備える。スイッチ120は、USBコネクタ250を介したパーソナルコンピュータ200からの電力の供給を遮断することができる。スイッチ120は、具体的には、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。そして、第4実施例においては、GPIO端子は、リセット端子ではなく、スイッチ120に接続されている(図7の破線参照)。GPIO端子から所定の信号を入力されると、スイッチ120は、パーソナルコンピュータ200からの電力の供給を遮断する。USBメモリ100dのハードウェア構成の他の点は、第3実施例のUSBメモリ100cと同じである。
【0081】
図8は、USBメモリ100dおよびパーソナルコンピュータ200における処理を示すフローチャートである。なお、図8と、図6および図4とにおいて、同じ符号が付されている処理は、同じ内容を表す。
【0082】
図8の処理においては、ステップS110〜S160,S210〜S260の処理は、第2実施例の図4における対応する処理と同じである。ただし、ステップS160において、属性フラグが書き替えられた後、処理はステップS174に進む。
【0083】
ステップS174では、USBフラッシュコントローラ150dは、GPIO端子からスイッチ120に電力を遮断すべき信号(以下、「電力遮断信号」という)を入力する。その結果、USBメモリ100cに供給されている電力がスイッチ120によって遮断され、USBメモリ100cのすべての機能は停止する。スイッチ120に電力遮断信号を入力して、USBメモリ100cに供給されている電力を遮断させるUSBフラッシュコントローラ150dの機能部を、「電力遮断部157」として図7に示す。
【0084】
USBフラッシュコントローラ150dの機能が停止すると、パーソナルコンピュータ200のOS(より具体的にはCPU210)は、ステップS274において、外部記憶装置としてのUSBメモリ100dを認識できなくなる。そして、パーソナルコンピュータ200のOSにおける処理は、ステップS220に戻る。
【0085】
ステップS220では、パーソナルコンピュータ200のOS(より具体的にはCPU210)は、USBコネクタ250にUSB機器が接続されていることを検知し、電力の供給を含む所定の処理を経て、USB機器(ここではUSBメモリ100a)に対して属性を問い合わせる。
【0086】
一方、USBメモリ100dにおいては、ステップS174で電力が遮断された結果、スイッチ120(図7参照)は電力を遮断する機能を奏さなくなる。このため、その後、ステップS220でパーソナルコンピュータ200から電力を供給されると、USBメモリ100dは、通常どおり機能する。すなわち、パーソナルコンピュータ200からの属性の問い合わせに対して、ステップS120で、Inquiry Dataコマンドで返答をする。その際、返答される属性は、直前のステップS160で切り換えられた属性である。ステップS220,S120以下の処理は、第1および第2実施例で説明したように行われる。
【0087】
第4実施例においても、ユーザは、USBメモリ100dをパーソナルコンピュータ200のUSBコネクタ250に対して抜き差しすることなく、USBメモリ100dの動作モードを切り換えることができる。このため、第4実施例によれば、第1および第2実施例に比べて、USBメモリの動作モードを切り換える際のユーザの煩雑さをより低減することができる。
【0088】
なお、本実施例において、USBメモリ100dが、「課題を解決するための手段」における「外部記憶装置」に相当する。USBフラッシュコントローラ150dが、「制御部」に相当する。スイッチ120が、「遮断スイッチ」に相当する。
【0089】
E.変形例:
E1.変形例1:
上記第2〜第4実施例では、USBメモリの動作モードを切り換えるのは、USBフラッシュコントローラ150b〜dのモード切替部153である。しかし、モード切替部153ではなく、ハードウェアスイッチ170がUSBメモリの動作モードを切り換える第1実施例のような態様において(図1参照)、ユーザ誘導部154(図3参照)、リセット部155およびリセット指示部156(図5参照)、または、スイッチ120および電力遮断部157(図7参照)を備える態様とすることもできる。そのような態様においては、USBメモリ100aがパーソナルコンピュータ200に接続された状態において、ユーザがハードウェアスイッチ170の状態を切り換えたことを検知して、ユーザ誘導部154、リセット指示部156または電力遮断部157が、それぞれ処理を開始する態様とすることが好ましい。
【0090】
E2.変形例2:
上記第3実施例では、GPIO端子とリセット端子が接続されることにより、USBフラッシュコントローラ150cによるリセットが実現されている。しかし、外部記憶装置のリセットを行う態様は、他の態様とすることもできる。たとえば、制御部としてのUSBフラッシュコントローラを、リセットコマンドを有している態様で構成し、そのリセットコマンドを発行することにより、制御部が外部記憶装置をリセットする態様とすることもできる。
【0091】
E3.変形例3:
上記第2〜第4実施例では、属性フラグを書き替えることにより、外部記憶装置としてのUSBメモリの動作モードの切換えが行われる。しかし、USBメモリの動作モードの切換えは、他の態様で行うこともできる。たとえば、属性記憶部が第1の情報と第2の情報とを選択的に格納するように構成されている態様においては、モード切替部は、属性記憶部が記憶している第1または第2の情報自体を書き替えることにより、動作モードを切り換える態様とすることもできる。
【0092】
E4.変形例4:
上記各実施例において、外部記憶装置は、フラッシュメモリを備えるUSBメモリである。しかし、外部記憶装置は、他の構成とすることもできる。たとえば、USB(Universal Serial Bus)以外の規格でコンピュータに接続される外部記憶装置とすることができる。ただし、外部記憶装置は、コンピュータにその属性を認識された上で、属性に応じた態様でコンピュータに利用される外部記憶装置であることが好ましい。そして、その属性は、任意のアプリケーション・ソフトウェアをインストールできる属性と、少なくとも一部のアプリケーション・ソフトウェアをインストールすることができない属性と、を含むことが好ましい。
【0093】
E5.変形例5:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1、図3,図5、および図7のUSBフラッシュコントローラ150a〜dの機能は、論理回路を有するハードウェア回路によって実現してもよいし、ソフトウェアで実現してもよい。また、それらの機能は、ハードウェア回路とソフトウェアとによって分担して実現してもよい。
【0094】
本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0095】
以上では、本願発明をその好ましい例示的な実施例を参照して詳細に説明した。しかし、本願発明は、以上で説明した実施例や構成に限定されるものではない。そして、本願発明は、様々な変形や均等な構成を含むものである。さらに、開示された発明の様々な要素は、様々な組み合わせおよび構成で開示されたが、それらは例示的な物であり、各要素はより多くてもよく、また少なくてもよい。そして、要素は一つであってもよい。さらには、各実施例において示された一部または全部の構成は、他の実施例の一部または全部の構成と組み合わせることができる。それらの態様は本願発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
100a〜100d…USBメモリ
110,110b…フラッシュメモリ
112…データ格納部
114,114b…属性記憶部
120…スイッチ
150a〜150d…USBフラッシュコントローラ
152…属性返答部
153…モード切替部
154…ユーザ誘導部
155…リセット部
156…リセット指示部
157…電力遮断部
170…ハードウェアスイッチ
172…操作レバー
200…パーソナルコンピュータ
210…CPU
212…属性認識部
214…モード切替指示部
220…ディスプレイ
230…キーボード(入力装置)
240…タッチパッド(入力装置)
250…USBコネクタ
P1…ハードウェアスイッチ170の第1の状態
P2…ハードウェアスイッチ170の第2の状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに接続されて使用される外部記憶装置であって、
前記コンピュータから与えられるデータを格納することができるデータ格納部と、
前記外部記憶装置の属性としてのリムーバブル属性を表す第1の情報と、前記外部記憶装置の属性としてのHDD属性を表す第2の情報と、の少なくとも一方を格納している属性記憶部と、
前記データ格納部および前記属性記憶部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記コンピュータからの属性の問い合わせに対して、前記属性記憶部に格納された情報に基づいて、前記リムーバブル属性または前記HDD属性の返答をする属性返答部を備え、
前記外部記憶装置は、さらに、
前記属性返答部が前記リムーバブル属性の前記返答をする第1の動作モードと、前記属性返答部が前記HDD属性の前記返答をする第2の動作モードと、を切り換えるためのモード切替部と、を備える、外部記憶装置。
【請求項2】
請求項1記載の外部記憶装置であって、
前記属性記憶部は、前記第1の情報と前記第2の情報の両方を格納しており、
前記モード切替部は、ユーザに操作されるハードウェアスイッチであって、前記返答に際して前記属性返答部が参照する前記属性記憶部の部分を、前記第1の情報を格納した部分と前記第2の情報を格納した部分との間で切り換えることによって、前記動作モードの切換を行う、ハードウェアスイッチである、外部記憶装置。
【請求項3】
請求項1記載の外部記憶装置であって、
前記属性記憶部は、
前記第1の情報と前記第2の情報の両方を格納しており、さらに、
前記返答に際して前記属性返答部が参照すべき前記属性記憶部の部分を示す参照指示情報であって、前記第1の情報を格納した部分または前記第2の情報を格納した部分を示す参照指示情報を格納しており、
前記モード切替部は、前記コンピュータから与えられた指示に従って、前記参照指示情報を書き替えることによって、前記動作モードの切換を行う、外部記憶装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記コンピュータから前記外部記憶装置を取り外し再び前記コンピュータに前記外部記憶装置を接続すべきことを、前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記コンピュータの出力装置を介して、ユーザに対して促すためのユーザ誘導部を備える、外部記憶装置。
【請求項5】
請求項2または3記載の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記外部記憶装置をリセットするリセット部と、
前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記リセット部に前記外部記憶装置をリセットさせるリセット指示部と、を備える、外部記憶装置。
【請求項6】
請求項2または3記載の外部記憶装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記コンピュータから前記外部記憶装置への電力の供給を遮断することができる遮断スイッチと、
前記モード切替部が前記動作モードの切換を行った後、前記遮断スイッチに前記電力の供給を遮断させる電力遮断部と、を備える、外部記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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