説明

多光軸光電センサ及び多光軸光電センサの製造方法

【課題】ケースとカバーとの水密性を確保しつつ検出性能を確保することができる多光軸光電センサを提供する。
【解決手段】多光軸光電センサ1は、長尺状の樹脂製のケース12と、長手方向に沿って設けられた複数の検出用窓部13hを有しケース12の開口部12aを閉塞する長尺状の樹脂製のカバー13とからなる筐体11を備えている。筐体11の内部には、検出用窓部13hを通じて光軸を形成するように検出用窓部13hに対応して配置された複数の光電素子が収容されている。カバー13は、光透過性を有する樹脂材料にて形成されるとともに、該カバー13の外周縁に沿って設けられた溶着領域13gと検出用窓部13hとを除く範囲に粗面加工を施してなる粗面加工面13fを備える。ケース12は、開口部12aに沿って設けられ溶着領域13gと対向する溶接台12fを備え、溶接台12f及び溶着領域13gにおいてカバー13がレーザ溶着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺状の多光軸光電センサ及び該多光軸光電センサの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、長尺状の筐体の内部に複数の投光素子を配列してなる投光器と、これら複数の投光素子とそれぞれ対をなす複数の受光素子を長尺状の筐体の内部に配列してなる受光器とを備えた多光軸光電センサが知られている。この多光軸光電センサは、投光器と受光器とが所定の検出領域を挟んで対向するように配置されるとともに、該検出領域内を通過する物体を検出する。
【0003】
このような多光軸光電センサは、様々な場所で使用されるため、水等の液体が筐体の内部に浸入しないように構成することが要求されている。そして、特許文献1の多光軸光電センサでは、筐体を構成するケース(リアケース)とカバー(フロントケース)とをレーザ溶接により接合することによりケースとカバーとの間の水密性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−110887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ケースとカバーとをレーザ溶接で溶着するためには、ケース及びカバーの何れか一方がレーザ光を透過する必要がある。また、投光素子から投光された検出光は、投光器を構成するカバーを透過した後に、受光器を構成するカバーを透過して受光素子にて受光される。そのため、検出性能を確保するためには、投光器及び受光器の何れにおいても、カバーは検出光を透過するように構成される必要がある。その一方で、検出性能を確保するためには、検出光以外の外乱光(例えば、別の多光軸光電センサの検出光等)がカバーを透過して受光器の内部に入ることを抑制することも望まれる。そして、特許文献1には、レーザ溶着によってケースとカバーとの間の水密性を確保しつつ検出性能を確保する具体的な構成については何ら開示されていなかった。
【0006】
また、ケースとカバーとを超音波溶着により固着することが考えられる。超音波溶着によってケースとカバーとを固着した場合には、ケースとカバーとの間の水密性は確保することができる。しかしながら、多光軸光電センサは長尺状をなすため、超音波溶着を行うためのホーン等の装置が長尺状の多光軸光電センサに対応しきれないことがあった。従って、超音波溶着によってケースとカバーとを固着することは困難であった。
【0007】
また、ケースとカバーとを接着剤によって固着することが考えられる。この場合には、ケースとカバーとの間に接着剤を塗布した後に、該接着剤を硬化させるための時間を確保する必要があるため、多光軸光電センサの製造が煩雑となったり製造に時間がかかったりするという問題がある。また、適切な量の接着剤をケースとカバーとの間に塗布しないと、水密性が確保できなかったり、ケースとカバーとの間から接着剤がはみ出して多光軸光電センサの外観が損なわれたりする虞がある。
【0008】
更に、ケースとカバーとを熱かしめにより固着することも考えられるが、熱かしめでは、ケースとカバーとの水密性を確保することが困難であった。
これらのことから、ケースとカバーとの水密性を確保するためには、レーザ溶接によってケースとカバーとを固着することが望ましかった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ケースとカバーとの水密性を確保しつつ検出性能を確保することができる多光軸光電センサ及び該多光軸光電センサの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、長尺状の樹脂製のケースと、長手方向に沿って設けられた複数の検出用窓部を有し前記ケースの開口部を閉塞する長尺状の樹脂製のカバーとからなる筐体と、前記検出用窓部を通じて光軸を形成するように前記筐体の内部で前記検出用窓部に対応する位置に配置された複数の光電素子とを備えた多光軸光電センサであって、前記カバーは、光透過性を有する樹脂材料にて形成されるとともに、少なくとも前記カバーの外周縁に沿って該カバーの外周縁の全周に亘って設けられた溶着領域と前記検出用窓部とを除く範囲に粗面加工を施してなる粗面加工面を備え、前記ケースは、前記ケースの開口部に沿って設けられ前記溶着領域と対向するケース側溶着部を備え、前記ケース側溶着部及び前記溶着領域において前記カバーがレーザ溶着され、前記ケース及び前記カバーの何れか一方には、前記ケースと前記カバーとのレーザ溶着部分を除く部位に、電源ケーブルが水密状態で層通される挿通孔が形成されていることをその要旨としている。
【0011】
同構成によれば、カバーの溶着領域には粗面加工面が形成されていないため、この溶着領域を介してケースにレーザ光を照射することにより、カバーをケースにレーザ溶着することができる。そして、ケース側溶着部及び溶着領域においてカバーをケースにレーザ溶着することにより、ケースとカバーとの間の水密性を確保することができる。また、検出用窓部には粗面加工面が形成されていないため、光電素子によって光軸を形成することができる。その一方で、カバーにおいて検出用窓部以外の部位からの外乱光の入射は、粗面加工面によって抑制することができる。従って、多光軸光電センサの検出性能を確保することができる。これらのことから、ケースとカバーとの水密性を確保しつつ検出性能を確保することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多光軸光電センサにおいて、前記ケースは、有底状をなすとともに、その底部が前記ケースの長手方向に沿って延びており、前記カバーは、平板状をなすことをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、ケースの内部に複数の光電素子を配置した後に、ケースの開口部にカバーを組付け、更にケースとカバーとをレーザ溶着する一連の多光軸光電センサの製造工程を、ケースの開口部を上側に向けたまま行うことができる。従って、多光軸光電センサの製造時に、ケースの開口部を下側に向ける等、ケースの向きを変えなくてもよいため、多光軸光電線センサの製造を容易に行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多光軸光電センサにおいて、前記カバーの外周縁には、前記ケースの開口端を被覆する被覆部が全周に亘って形成されていることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、カバーの外周縁に設けられた被覆部によってケースの開口端が被覆されるため、多光軸光電センサをカバー側から見た場合に、ケースとカバーとの合わせ目が見えにくくなる。また、ケースとカバーとをレーザ溶接したときに、溶融した樹脂材料がケースとカバーとの合わせ目からはみ出したとしても、はみ出た樹脂材料は、多光軸光電センサをカバー側から見た場合に見えにくい。これらのことから、多光軸光電センサをカバー側から見た場合に、同多光軸光電センサの外観品質が向上される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、前記カバーの外側面の外周縁は、傾斜面状若しくは円弧状の面取り形状をなすことをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、カバーの外側面は、外周縁が傾斜面状若しくは円弧状の面取り形状をなすため、カバーの外周縁に接触する物体を保護することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、前記ケースは、その長手方向の中央部に第1位置決め部を備え、前記カバーは、その長手方向の中央部に前記第1位置決め部と凹凸係合する第2位置決め部を備えたことをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、寸法誤差が筐体の長手方向の一方側に偏ることを抑制することができることから、発生する寸法誤差を小さく抑えることができる。従って、ケースとカバーとの溶接不良を抑制することができる。その結果、ケースとカバーとの間の水密性をより確実に確保することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された多光軸光電センサの製造方法であって、前記溶着領域を1周するように前記溶着領域を介して前記カバーにレーザ光を照射することにより、前記溶着領域において前記カバーを前記ケースに接合する溶接工程を備えたことをその要旨としている。
【0020】
同方法によれば、カバーの溶着領域には粗面加工面が形成されていないため、この溶着領域を介してケースにレーザ光を照射することにより、カバーをケースにレーザ溶着することができる。そして、溶着領域の全周に亘ってカバーはケースにレーザ溶着されるため、ケースとカバーとの間の水密性を確保することができる。また、形成された多光軸光電センサにおいては、検出用窓部には粗面加工面が形成されていないため、光電素子によって光軸を形成することができる。その一方で、カバーにおいて検出用窓部以外の部位からの外乱光の入射は、粗面加工面によって抑制することができる。従って、多光軸光電センサの検出性能を確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケースとカバーとの水密性を確保しつつ検出性能を確保することができる多光軸光電センサ及び該多光軸光電センサの製造方法をできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】多光軸光電センサの斜視図。
【図2】多光軸光電センサの分解斜視図。
【図3】多光軸光電センサの断面図。
【図4】多光軸光電センサの部分拡大分解斜視図。
【図5】多光軸光電センサの製造装置の概略図。
【図6】(a)は押え板にて押えられた多光軸光電センサの側面図、(b)は押え板にて押えられた多光軸光電センサの平面図。
【図7】多光軸光電センサの製造方法を説明するための説明図。
【図8】多光軸光電センサの別の形態の製造方法を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は本実施形態の多光軸光電センサ1の斜視図を示す。多光軸光電センサ1は、投光器2及び受光器3を主体として構成されている。本実施形態では、投光器2を例に挙げて説明する。
【0024】
図2は投光器2の分解斜視図を示す。図2に示すように、投光器2を構成する筐体11は、箱状のケース12と、該ケース12の開口部12aを閉塞する平板状のカバー13とから構成されている。
【0025】
ケース12は、ポリカーボネートを主体とした該ポリカーボネートとポリエステルとのアロイ(混合樹脂)であってレーザ光を80%以上吸収する樹脂材料にて形成されるとともに、1つの部品から形成されている。そして、長尺状の箱状をなすケース12は、ケース12の長手方向に延びる略長方形状の底部12bと、該底部12bと一体に形成されるとともに該底部12bの周縁部から立設された略四角形の枠状をなす側壁部12cとを備えている。側壁部12cにおけるケース12の短手方向に互いに対向する2箇所には、透明の樹脂材料よりなる表示窓12dがそれぞれ設けられている。この表示窓12dは、インサート成形により側壁部12cに一体に形成されている。また、側壁部12cには、一対の位置決め突起12e(第1位置決め部)が突出形成されている。各位置決め突起12eは、側壁部12cにおけるケース12の開口部12a側の端部であって、同側壁部12cにおけるケース12の短手方向に互いに対向する部位の長手方向の中央部から、ケース12の内側に向かって突出している。また、図4に示すように、各位置決め突起12eは、直方体状をなしている。
【0026】
図2及び図3に示すように、ケース12には、側壁部12cから該ケース12の内側に向かって突出した溶接台12fが設けられている。溶接台12fは、ケース12の開口部12aに沿うとともに側壁部12cの内側を該側壁部12cに沿って1周するように形成されて略四角形の枠状をなしている。また、溶接台12fは、ケース12の底部12bからケース12の開口端(即ちケース12の側壁部12cの先端)の手前まで延びている。そして、溶接台12fにおけるケース12の開口部12a側の端面は、平坦なケース側接合面12gとされている。
【0027】
尚、本実施形態のケース12の幅W1(短手方向の外形寸法)は30.0[mm]に設定されるとともに、ケース12の短手方向に対向する側壁部12c間の間隔D1は29.0[mm]に設定されている。更に、溶接台12fの幅W2(ケース側接合面12gの幅に同じ)は1.6[mm]に設定されている。
【0028】
図2に示すように、ケース12の長手方向の一端部には、側壁部12cを厚さ方向に貫通した挿通孔12hが形成されている。因みに、ケース12は、この挿通孔12hと開口部12a以外に、ケース12の内部と外部とを連通する孔や隙間を備えていない。
【0029】
このようなケース12の内部には、長尺状の板状をなす基板21が収容されている。基板21は、ケース12の内部において同ケース12の長手方向の全域に亘る長さを有する。また、図3に示すように、基板21には、8個の投光素子22(光電素子)が長手方向に沿って所定ピッチ(所定間隔)で一列に配設されている。更に、基板21には、各投光素子22を覆うように8個の投光レンズ23が配設されている。また、図2に示すように、基板21の短手方向の両端部には、6対の表示灯24がそれぞれ配設されている。この表示灯24は、多光軸光電センサ1の作動中に点灯されて該多光軸光電センサ1が作動していることを示すために設けられるとともに、例えばLEDが使用される。そして、表示灯24の点灯時には、表示窓12dを介して該表示灯24の明りをケース12の外部から視認可能となっている。
【0030】
また、ケース12の内部には、基板21を補強する補強部材31が収容されている。補強部材31は、アルミニウム合金等の金属材料にて形成されている。この補強部材31は、基板21の長手方向に沿って延び該基板21の短手方向の両側及び厚さ方向の両側を略被覆する補強本体部32と、基板21の長手方向の両端部に装着される端部補強部33,34とから構成されている。補強本体部32は、6個の螺子35にて基板21に固定されるとともに、端部補強部33,34は、それぞれ補強本体部32の長手方向の両端部に固定されている。尚、図2では、6個の螺子35は、基板21に螺合された状態を図示しているが、実際は、補強本体部32に形成された6個の螺子挿通孔32aに挿通された後に基板21に螺合される。
【0031】
また、基板21には、該基板21に配設された回路素子(投光素子22等)に電源を供給するための電源ケーブル41が接続されるとともに、該電源ケーブル41は、前記挿通孔12hからケース12の外部に引き出されている。そして、ケース12には、電源ケーブル41の外周面と挿通孔12hの内周面との間をシールするようにパッキン42が装着されている。このパッキン42によって、挿通孔12hと電源ケーブル41との間の水密性が確保されている。
【0032】
前記カバー13は、ポリカーボネートを主体とした該ポリカーボネートとポリエステルとのアロイ(混合樹脂)にて形成されている。この樹脂材料は、光透過性を有し、少なくとも、レーザ溶接のためのレーザ光と、投光素子22からの検出光とを透過する。そして、カバー13は、1つの部品から形成されるとともに、ケース12の開口部12aを閉塞するような長尺状の板状をなしている。図3に示すように、カバー13の内側面13aには、カバー13の厚さ方向に突出する溶接突部13bが一体に形成されている。溶接突部13bは、カバー13の外周縁に沿って延びるとともに前記ケース12の開口部12aに対応した略四角形の枠状をなしている。また、溶接突部13bにおける内側面13aからの突出量は、ケース12の開口端とケース側接合面12gとの間の距離と略等しく形成されるとともに、溶接突部13bの先端面は、平坦なカバー側接合面13cとされている。そして、本実施形態では、カバー13の幅W3(短手方向の外形寸法)は、前記ケース12の幅W1と同じ30.0[mm]に設定されるとともに、カバー13の短手方向における溶接突部13bの外周面間の間隔D2は28.7[mm]に設定されている。更に、溶接突部13bの幅W4(カバー側接合面13cの幅に同じ)は、前記溶接台12fの幅W2と同じ1.6[mm]に設定されている。
【0033】
また、図4に示すように、溶接突部13bには、カバー13の短手方向の両側であってカバー13の長手方向の中央部に対応する2箇所に、位置決め凹部13d(第2位置決め部)がそれぞれ形成されている。各位置決め凹部13dは、前記ケース12に設けられた位置決め突起12eに対応した直方体状に凹設されている。そして、カバー13は、この位置決め凹部13d内に位置決め突起12eが挿入されるようにケース12の開口部12aに組付けられている。このように、位置決め凹部13dに位置決め突起12eが係合することにより、ケース12の長手方向の中央部とカバー13の長手方向の中央部とが一致するように、ケース12に対するカバー13の位置決めがなされる。
【0034】
また、カバー13の外周縁において、溶接突部13bよりもカバー13の外側となる部位は、被覆部13kとなっている。この被覆部13kは、カバー13がケース12に組み付けられた状態において、ケース12の開口端を全体的に被覆する。そのため、ケース12とカバー13との合わせ目は、投光器2の側方に現れることになる。更に、カバー13の外側面13eの外周縁は、円弧状の面取り形状をなしている。カバー13の外側面13eの外周縁が円弧状に形成されたことにより、カバー13の外周縁は、外周側に向かうに連れて厚さが薄くなるように形成されている。
【0035】
また、図2に示すように、カバー13の外側面13eには光の透過を阻止する粗面加工面13fが設けられている。この粗面加工面13fは、カバー13の外側面13eにおいて、カバー13の外周縁部に設けられた溶着領域13gと、8個の検出用窓部13hを除く範囲(図中、ドットが付された範囲)に形成されている。尚、溶着領域13gは、カバー13において同カバー13とケース12とのレーザ溶接を行うための領域であって、溶接突部13bの内周面よりも外周側の領域である。また、8個の検出用窓部13hは、カバー13の長手方向に沿って8個の前記投光素子22(図3参照)と同じ所定ピッチ(所定間隔)でカバー13に設けられるとともに、各検出用窓部13hは、カバー13の厚さ方向から見た形状が、前記投光レンズ23と略同じ大きさの円形状をなしている。
【0036】
そして、粗面加工面13fは、ケース12の外側面にシボ加工(粗面加工)を施して形成されている。シボ加工は、例えば、カバー13を成形するための成型金型(図示略)によって施される。詳述すると、カバー13を成形するための成形金型には、粗面加工面13fを形成する部位にサンドブラスト加工が施されることにより粗面が形成されている。そして、この成形金型に、カバー13を形成するための樹脂材料を充填した後に固化すると、カバー13の外側面13eに成形金型の粗面が転写されて粗面加工面13fが形成されるようになっている。
【0037】
このようなカバー13においては、溶着領域13g及び検出用窓部13h以外の部位からケース12の内部に外乱光(例えば、別の多光軸光電センサの検出光等)が入射することが粗面加工面13fによって抑制されている。その一方で、カバー13における溶着領域13gには粗面加工面13fが形成されないため、レーザ溶接のために照射されるレーザ光は、溶着領域13gを透過可能である。同様に、検出用窓部13hには粗面加工面が形成されないため、投光素子22からの検出光はカバー13を透過可能である。
【0038】
また、カバー13の外側面13eに粗面加工面13fが形成されたことにより、ケース12の内部に収容された基板21等の部品がカバー13を通して見えにくくなる。そのため、投光器2(多光軸光電センサ1)の外観品質、即ち美観の向上が図られている。更に、カバー13を透過する表示灯24の光は、粗面加工面13fによって拡散されるため、投光器2を正面から(即ちカバー13側から)見た場合に、表示灯24の明りを見やすくなる。
【0039】
上記のカバー13は、位置決め凹部13d内に位置決め突起12eが係合されるようにケース12に対して配置されると、カバー側接合面13cがケース側接合面12gと対向するとともに当接する。そして、カバー13の外周縁を1周するように溶着領域13gにレーザ光が照射されてカバー側接合面13c及びケース側接合面12gが溶着されることにより、カバー13はケース12に対して固着されている。このように、ケース12の開口部12aを閉塞するカバー13をレーザ溶接によってカバー13に固着することにより、ケース12とカバー13との間の水密性が確保されている。
【0040】
尚、図1に示すように、上記の投光器2と共に多光軸光電センサ1を構成する受光器3は、投光器2を構成する筐体11と同じ筐体11を備えるとともに、投光器2における投光素子22(図3参照)に代えて光電素子としての受光素子(図示略)を備えている。そして、投光器2及び受光器3は、互いの間に検出領域が介在されるように対向して配置されるとともに、ケース12に対して螺子止めされた取付け金具43を介して取付け箇所に固定される。そして、投光素子22から投光された検出光は、投光器2の検出用窓部13h、受光器3の検出用窓部13hを通って受光素子にて受光される。即ち、投光素子22は、対向する受光素子との間に検出用窓部13hを通じて光軸を形成する。
【0041】
そして、多光軸光電センサ1においては、対向配置された投光器2と受光器3との間に物体が存在すると、その物体によって投光器2から出射され受光器3に向かう光が遮られるため、物体が存在しないときに比べて受光器3での受光量レベルが低下する。従って、受光器3での受光量レベルを測定することにより、検出領域内を通過する物体(作業者の手等)の有無を検出することが可能である。
【0042】
次に、上記の多光軸光電センサ1の製造方法を説明する。
図5に示すように、まず、ケース12及び該ケース12に組み付けられたカバー13を製造装置61に対して配置する配置工程が行われる。
【0043】
ここで、製造装置61について説明する。製造装置61を構成する基台62の上面には、互いに組付けられたケース12及びカバー13が配置される載置台63が設けられている。また、基台62の上面には、載置台63を囲うように箱状の加工室64が設けられている。そして、加工室64の側方には、開閉扉65が設けられている。また、加工室64の天井部には、レーザ光Lを照射するレーザ照射部66が吊下されるとともに、このレーザ照射部66は、図示しないロボットアームによって、略四角形の枠状をなす前記溶着領域13g(図2参照)に沿った軌道を描くように移動可能となっている。また、レーザ照射部66の側方には、載置台63上のケース12及びカバー13に向けて空気を送り出すエアー送出ノズル67が設けられている。更に、加工室64における開閉扉65と対向する側壁には、吸気ダクト68が接続されるとともに、該吸気ダクト68の内部には図示しない吸気ファンが設けられている。従って、吸気ファンを作動させることにより、加工室64内の空気を吸気ダクト68から加工室64の外部に排出可能となっている。
【0044】
そして、配置工程では、内部に基板21及び補強部材31を収容したケース12、及び該ケース12の開口部12aを閉塞するようにケース12に組み付けられたカバー13が、カバー13を上側にして載置台63上に配置される。このとき、載置台63上に配置されたケース12及びカバー13は、位置決め凹部13d及び位置決め突起12e(図4参照)が互いに係合されることにより、これらの位置決め凹部13d及び位置決め突起12eによって互いの位置決めがなされている。また、互いに組付けられたケース12及びカバー13においては、ケース12の溶接台12fとカバー13の溶接突部13bとが対向するとともに、ケース側接合面12gとカバー側接合面13cとが当接している(図3参照)。
【0045】
次いで、押え板配置工程において、図6(a)及び図6(b)に示すように、カバー13の外側面13eに平板状の押え板71が押し付けられる。押え板71は、前記製造装置61(図5参照)に備えられるとともに、カバー13における溶着領域13gの内側を覆う板状をなしている。そして、この押え板71は、図示しない駆動装置にて駆動される棒状の押圧部材72を介してカバー13側に押圧される。そのため、押え板71と載置台63との間にケース12及びカバー13が挟持される。その結果、ケース12及びカバー13は、反り、捻れ等の変形が矯正された状態で載置台63上に配置されることになる。
【0046】
尚、図7に示すように、本実施形態の押え板71の側面71aは、前記レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lを回避するように傾斜している。詳述すると、レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lは、ケース側接合面12gにおいて最小のスポット径となるように収束されるため、レーザ照射部66からケース側接合面12gに向かうに連れて縮径される円錐形状をなしている。そこで、レーザ光Lの形状に合わせて、レーザ光Lの中心軸Xとレーザ光Lの外周縁とのなす角度θだけ、押え板71の外周面を傾斜させている。尚、角度θは、例えば1°である。
【0047】
次いで、ケース12とカバー13とをレーザ溶接する溶接工程が行われる。図5及び図7に示すように、レーザ照射部66からのレーザ光Lは、溶着領域13g(溶接突部13b)を透過して(介して)ケース側接合面12gに照射される。本実施形態では、ケース側接合面12gにおけるレーザ光Lのスポット径は、0.87[mm]に設定されている。そして、レーザ照射部66が、レーザ光Lを照射しながら、図示しないロボットアームによって溶着領域13gを1周する軌道(図5中、矢印α参照)に沿って移動されることにより、ケース側接合面12gとカバー側接合面13cとが接合されていく。このとき、エアー送出ノズル67から、ケース12及びカバー13におけるレーザ光Lの照射部位に向かって空気が送りだされる。そのため、レーザ溶接に伴って生じた煙(ヒューム)は、エアー送出ノズル67からの空気によって吹き飛ばされる。更に、吹き飛ばされた煙は、吸気ファンの作用により吸気ダクト68から加工室64の外部に排出される。そして、レーザ照射部66が溶着領域13gに沿った軌道に沿って1周すると、ケース側接合面12gとカバー側接合面13cとがカバー13の開口部12aの全周に亘って接合される。本実施形態では、ケース側接合面12g及びカバー側接合面13cにおけるレーザ溶接による溶着部分の幅は、1.1[mm]となる。
【0048】
次いで、押え板71の押圧を解除する解除工程が行われる。解除工程では、押え板71が、押圧部材72と共に上方に移動されることにより、押え板71によるカバー13及びケース12の押圧が解除される。そして、完成した多光軸光電センサ1(投光器2若しくは受光器3)が加工室64から取り出される。
【0049】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)カバー13の外周縁に沿って設けられた溶着領域13gには粗面加工面13fが形成されていないため、この溶着領域13gを介してケース12のケース側接合面12gにレーザ光Lを照射することにより、溶接台12f及び溶接突部13bにおいてカバー13をケース12にレーザ溶着することができる。そして、溶着領域13gの全周に亘ってカバー13はケース12にレーザ溶着されるため、ケース12とカバー13との間の水密性を確保することができる。また、多光軸光電センサ1においては、検出用窓部13hには粗面加工面13fが形成されていないため、投光素子22及び受光素子によって光軸を形成することができる。その一方で、カバー13において検出用窓部13h以外の部位からの外乱光の入射は、粗面加工面13fによって抑制することができる。従って、多光軸光電センサ1の検出性能を確保することができる。
【0050】
(2)ケース12は、有底状をなすとともに、その底部12bが同ケース12の長手方向に沿って延びている。そして、カバー13は、平板状をなしている。そのため、ケース12の内部に複数の投光素子22が配設された基板21を配置した後に、ケース12の開口部12aにカバー13を組付け、更にケース12とカバー13とをレーザ溶着する一連の投光器2(多光軸光電センサ1)の製造工程を、ケース12の開口部12aを上側に向けたまま行うことができる。従って、投光器2(多光軸光電センサ1)の製造時に、ケース12の開口部12aを下側に向ける等、ケース12の向きを変えなくてもよいため、投光器2(多光軸光電センサ1)の製造を容易に行うことができる。
【0051】
(3)カバー13の外周縁に設けられた被覆部13kによってケース12の開口端が被覆されるため、投光器2(多光軸光電センサ1)をカバー13側(正面から)から見た場合に、ケース12とカバー13との合わせ目が見えにくくなる。また、ケース12とカバー13とをレーザ溶接したときに、溶融した樹脂材料がケース12とカバー13との合わせ目からはみ出したとしても、はみ出た樹脂材料は、投光器2(多光軸光電センサ1)をカバー13側から見た場合に見えにくい。これらのことから、投光器2(多光軸光電センサ1)をカバー13側から見た場合に、投光器2(多光軸光電センサ1)の外観品質が向上される。
【0052】
(4)カバー13の外側面13eは、その外周縁が円弧状の面取り形状をなすため、カバー13の外周縁に接触する物体を保護することができる。
(5)位置決め突起12eは、ケース12の長手方向の中央部に設けられている。また、位置決め凹部13dは、カバー13の長手方向の中央部に設けられている。従って、位置決め突起12e及び位置決め凹部13dによって位置決めをして互いに組付けられたケース12及びカバー13においては、その長手方向の両端部における寸法誤差を小さく抑えることができる。即ち、寸法誤差が筐体11の長手方向の一方側に偏ることを抑制することができる。そのため、ケース12にカバー13を組み付けたときに、ケース側接合面12gとカバー側接合面13cとがカバー13及びケース12の長手方向の一端側でずれることが抑制される。その結果、ケース12とカバー13との溶接不良を抑制することができる。従って、ケース12とカバー13との間の水密性をより確実に確保することができる。
【0053】
(6)溶接工程では、レーザ溶接に伴って発生する煙(ヒューム)は、エアー送出ノズル67によって吹き飛ばされるとともに、吸気ダクト68から加工室64の外部に排出される。従って、レーザ溶接に伴って発生する煙によってレーザ光Lが減衰する等、レーザ照射部66からのレーザ光Lが変化することを抑制できるため、加工品質の低下を抑制することができる。
【0054】
(7)押え板配置工程でケース12及びカバー13を押え板71にて載置台63側に押圧した状態で、溶接工程においてケース12とカバー13とのレーザ溶接を行うため、ケース12及びカバー13の反り、捻れ等の変形が矯正された状態でレーザ溶接が行われる。従って、溶着領域13gを介してケース側接合面12gに良好にレーザ光Lを照射することができるため、ケース12とカバー13との間の水密性を更に確実に確保することができる。
【0055】
(8)押え板71の側面71aは、レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lを回避するように傾斜している。そのため、溶接工程において、溶着領域13gに向けて照射されるレーザ光Lが押え板71に照射されることを抑制することができる。
【0056】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・開閉扉65に代えて、上下方向に開閉される開閉シャッターを加工室64に設けてもよい。
【0057】
・投光器2に、(8×n)個(nは正の整数)の投光素子22が備えられる場合には、押え板配置工程において、上記の押え板71をn枚使用してケース12及びカバー13を載置台63側に押圧してもよい。このようにすると、1種類の押え板71によって、複数種類の投光器2の製造を行うことができる。従って、製造装置61にかかるコストを低減させることができる。
【0058】
・上記実施形態では、押え板71の側面71aを傾斜させることにより、レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lが押え板71に照射されることを回避している。しかしながら、図8に示すように、押え板71の側面71aは、カバー13の外側面13eと直交するように形成し、その一方で、レーザ光Lの中心軸Xを側面71aから離間するように角度θだけ傾斜させることにより、レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lが押え板71に照射されることを回避してもよい。また、押え板71の側面71aを傾斜させるとともに、レーザ光Lの中心軸Xを側面71aから離間するように傾斜させることにより、レーザ照射部66から照射されるレーザ光Lが押え板71に照射されることを回避してもよい。
【0059】
・上記実施形態では、ケース12に位置決め突起12eが形成され、カバー13に位置決め凹部13dが形成されている。しかしながら、ケース12に位置決め凹部13dを形成し、この位置決め凹部13dに凹凸係合する位置決め突起12eをカバー13に形成してもよい。このようにしても上記実施形態の(5)と同様の作用効果が得られる。
【0060】
・上記実施形態では、溶接台12fの幅W2と溶接突部13bの幅W4とは、同じ値に設定されている。しかしながら、溶接台12fの幅W2と溶接突部13bの幅W4とは異なる値に設定されてもよい。このとき、溶接台12fの幅W2を溶接突部13bの幅W4よりも大きくすると、寸法誤差によってケース側接合面12gとカバー側接合面13cとが当接しなくなることを抑制することができる。
【0061】
・カバー13は、必ずしも被覆部13kを備えなくても良い。また、カバー13の外側面13eの外周縁は、円弧状でなくてもよい。例えば、カバー13の外側面13eの外周縁は、傾斜面状の面取り形状をなすように形成されてもよい。また、例えば、カバー13の外側面13eの外周縁は、平面状に形成されてもよい。
【0062】
・上記実施形態では、溶接台12fのケース側接合面12gと溶接突部13bのカバー側接合面13cとにおいてレーザ溶接が行われる。しかしながら、側壁部12cの先端面(側壁部12cにおけるケース12の開口部12a側の端面)と、カバー13の内側面13aにおける外周縁部とをレーザ溶着することにより、ケース12とカバー13とを一体化してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、粗面加工面13fは、外側面13eに形成されているが、内側面13aに形成されてもよい。
・上記実施形態では、粗面加工面13fは、サンドブラスト加工が施された成形金型に樹脂材料を充填することにより、カバー13に形成される。しかしながら、粗面加工面13fを形成するために成形金型に形成される粗面は、放電加工によって形成されてもよい。また、粗面加工面13fは、カバー13に直接サンドブラスト加工を施すことにより形成してもよい。また、粗面加工面13fは、レーザ光によってカバー13に描画して形成してもよい。
【0064】
・粗面加工面13fの上に暗色(黒色等)の印刷(塗装)を施してもよい。また、粗面加工面13fの上に銘板を貼り付けてもよい。この銘板は、投光器2(多光軸光電センサ1)の正面からの見映えを良くしたり、機種情報や製品情報等をユーザに認知させたりする用途に用いられるものである。また、カバー13の内側面13aにおいて、外側面13eに設けられた粗面加工面13fに対応する領域に銘板を設けてもよい。このようにすると、溶着領域13g及び検出用窓部13h以外の部位からケース12の内部に外乱光が入射することをより抑制することができる。
【0065】
・上記実施形態では、電源ケーブル41が挿通される挿通孔12hは、ケース12に設けられている。しかしながら、挿通孔12hは、カバー13に設けられても良い。但し、挿通孔12hは、ケース12とカバー13とのレーザ溶着部分を除く部位に設けられる。また、挿通孔12hと電源ケーブル41との間を水密状態に維持する部材は、パッキン42に限らず、例えば、挿通孔12hと電源ケーブル41との間に充填される樹脂材料であってもよい。
【0066】
・投光器2に備えられる投光素子22の数、及び受光器3に備えられる受光素子の数は8個に限らず、適宜変更してもよい。
上記実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
【0067】
(イ)請求項6に記載の多光軸光電センサの製造方法において、前記溶接工程の前に、前記カバーにおける前記溶着領域の内側の部位を平板状の押え板によって押圧する押え板配置工程を備え、前記押え板の側面は、前記溶接工程において前記溶着領域に照射される前記レーザ光を回避するように傾斜していることを特徴とする多光軸光電センサの製造方法。同方法によれば、溶接工程において、溶着領域に向けて照射されるレーザ光が押え板に照射されることを抑制することができる。
【0068】
(ロ)請求項6及び前記(イ)に記載の多光軸光電センサの製造方法において、前記溶接工程の前に、前記カバーにおける前記溶着領域の内側の部位を平板状の押え板によって押圧する押え板配置工程を備え、前記溶接工程では、前記溶着領域に照射される前記レーザ光が前記押え板に照射されることを回避するように前記レーザ光の中心軸を傾斜させることを特徴とする多光軸光電センサの製造方法。同方法によれば、溶接工程において、溶着領域に向けて照射されるレーザ光が押え板に照射されることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…多光軸光電センサ、11…筐体、12…ケース、12a…開口部、12b…底部、12e…第1位置決め部としての位置決め突起、12f…ケース側溶着部としての溶接台、12h…挿通孔、13…カバー、13f…粗面加工面、13d…第2位置決め部としての位置決め凹部、13e…外側面、13g…溶着領域、13h…検出用窓部、13k…被覆部、22…光電素子としての投光素子、41…電源ケーブル、L…レーザ光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の樹脂製のケースと、長手方向に沿って設けられた複数の検出用窓部を有し前記ケースの開口部を閉塞する長尺状の樹脂製のカバーとからなる筐体と、
前記検出用窓部を通じて光軸を形成するように前記筐体の内部で前記検出用窓部に対応する位置に配置された複数の光電素子と
を備えた多光軸光電センサであって、
前記カバーは、光透過性を有する樹脂材料にて形成されるとともに、少なくとも前記カバーの外周縁に沿って該カバーの外周縁の全周に亘って設けられた溶着領域と前記検出用窓部とを除く範囲に粗面加工を施してなる粗面加工面を備え、
前記ケースは、前記ケースの開口部に沿って設けられ前記溶着領域と対向するケース側溶着部を備え、前記ケース側溶着部及び前記溶着領域において前記カバーがレーザ溶着され、
前記ケース及び前記カバーの何れか一方には、前記ケースと前記カバーとのレーザ溶着部分を除く部位に、電源ケーブルが水密状態で層通される挿通孔が形成されていることを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記ケースは、有底状をなすとともに、その底部が前記ケースの長手方向に沿って延びており、
前記カバーは、平板状をなすことを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記カバーの外周縁には、前記ケースの開口端を被覆する被覆部が全周に亘って形成されていることを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記カバーの外側面の外周縁は、傾斜面状若しくは円弧状の面取り形状をなすことを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の多光軸光電センサにおいて、
前記ケースは、その長手方向の中央部に第1位置決め部を備え、前記カバーは、その長手方向の中央部に前記第1位置決め部と凹凸係合する第2位置決め部を備えたことを特徴とする多光軸光電センサ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された多光軸光電センサの製造方法であって、
前記溶着領域を1周するように前記溶着領域を介して前記カバーにレーザ光を照射することにより、前記溶着領域において前記カバーを前記ケースに接合する溶接工程を備えたことを特徴とする多光軸光電センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−216372(P2011−216372A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84483(P2010−84483)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000106221)パナソニック電工SUNX株式会社 (578)
【Fターム(参考)】