説明

多原色表示装置及び液晶表示装置

【課題】 多原色を用いた画像表示により色再現範囲を拡大するうえで、高色再現範囲と高輝度とを実現しつつデータ数の増加及び開口率の減少を抑制し、しかも視覚上の弊害を軽減することができる表示装置及びそれにより構成されてなる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 n色(nは、4以上の整数を表す。)の原色を用いてサブピクセルを含む画素により画像が構成される表示装置であって、該表示装置を構成する画素は、1画素あたりm色(mは、3以上の整数を表し、m<nである。)のサブピクセルを含んで構成され、n色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画素により表示画面が構成される表示装置及び液晶表示装置に関する。より詳しくは、多原色により画像を構成することにより、液晶テレビ、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electroluminescent)、FED(Field Emission Display)等の各種のディスプレイに適用することができる多原色表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置としては、画素(ピクセル)により画像を形成する各種のディスプレイが情報や映像の表示手段として広く普及しているが、例えば、図14に示されるように、1つの画素が赤(R)、緑(G)及び青(B)からなる3原色のサブピクセルによって構成され、これによりカラー表示するものが一般的である。このようなカラー表示の技術において、近年では表示品位を向上するために色再現範囲を拡大することが検討されている。例えば、RGBの3原色の色純度を濃くする、色度図において色再現範囲が拡張されることになるが、この場合、輝度の低下をともなうことになる。
【0003】
一方、これらの3原色の組み合わせ以外の色を表現することは原理的にできないものとなっており、例えば、CIE(国照明学会;Commission Internationale ed I’Eclairage)1931色度図上の3つの頂点からなる領域以外の色を表現する、すなわちRGBの三角形外の色を表現するためには、RGBの三角形の領域を広げるか、あるいは/かつ、この三角形の領域以外の色を用いることが必要となる。さらには色再現範囲を拡大しつつ輝度を補償する方法として、(多角形)領域内の色(例えばW)を用いる方法がある。
【0004】
そこで、3原色以外の新たな色を用いて原色数を4原色、5原色又は6原色等と増加させることにより、色度図上の領域を拡大する技術が開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、別の方法として、例えば、行方向には赤色、青色、緑色及び白色の各画素が配置されていて、列方向には同一色の画素だけが配置された液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この液晶表示装置では、RGBの3原色にWを追加することで、輝度と、色再現範囲を向上する方法が提案されている。また、ストライプ配列とマトリクス配列との2つの色配列が提案されているが、テレビ等の大型ディスプレイのアプリケーションには、画像とのマッチング性からストライプ配列を採用することが一般的である。この液晶表示装置におけるストライプ配列の実施の形態を図15に示す。ここではR、G、B、Wの順に配列されて1つの画素が形成されている。このような多原色のディスプレイでは、色再現範囲の点において有利な設計が可能となり、また、色純度を濃くすることなく色再現範囲を拡張することから、この点で輝度の低下させることがないが、単純に1画素を原色数分のサブピクセルに分割するのみでは、分割数に応じてデータ数が増加し、データドライバ数や開口率が充分なものとはならないため、この点において工夫の余地があった。また、カラーフィルターを形成する微細フィルターがR−G軸とB−Y軸に対応した4色を有する液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この液晶表示装置においても、多原色化にともなうデメリットを解消するための工夫の余地があった。
【0005】
ところで、少なくとも4つの原色のサブピクセルを用いてカラー表示を行う液晶表示装置に関し、RGYBCの5つの原色を順に4つのサブピクセルにRGYB、CRGY、BCRG、YBCR、GYBCと配列させることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この液晶表示装置においては、RGYBCの5つの原色を用いて4つのサブピクセルで表示を行うに際し、単に5つの原色を順番にずらしてサブピクセルを配置しているだけであり、このような配置パターンでは実効的な解像度の低下や視覚上の弊害が生じ得ることになる。また、赤、緑、青、白、黒の5色のうち、考えられる4色の組み合せ表示可能色とした5種類の4色表示用磁気反転素子を備えた大画面表示装置が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。この表示装置においても、5色のうちから任意に4色が組み合わされて構成されることになり、表示品位の向上が求められることになる。
したがって、高色再現範囲及び高輝度といった特性を発揮することができるようにしたうえで、優れた表示品位が要求される液晶テレビ等のディスプレイにおいて更に基本性能を高めるための工夫の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−102292号公報(第1、2、22頁)
【特許文献2】特開2001−209047号公報(第1、2、6頁)
【特許文献3】国際公開第02/101644号パンフレット(第1、2、図面9頁)
【特許文献4】特開平5−143005号公報(第1頁)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「SID速報」、[online]、平成16年5月26日、日経ビジネスパブリケーションズ、[平成16年8月18日検索]、インターネット<URL:http://ne.nikkeibp.co.jp/members/NEWS/20040526/103584/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、多原色を用いた画像表示により色再現範囲を拡大するうえで、高色再現範囲と高輝度とを実現しつつデータ数の増加及び開口率の減少を抑制することができる表示装置及びそれにより構成されてなる液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、表示装置の色再現範囲の拡大について種々検討したところ、1つの画素を構成するサブピクセル数を増やして多原色化し、4色又はそれ以上とすることが色再現範囲を拡大するとともに高輝度を実現するために有効であり、原色数(n)よりもサブピクセルの分割数(m)を少なくすることにより、データ数の増加及び開口率の減少を抑制することができることに着目した。そして、この場合にn色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる構成とすることにより、視覚上の弊害を軽減して表示品位に優れた表示装置を提供することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、n色(nは、4以上の整数を表す。)の原色を用いてサブピクセルを含む画素により画像が構成される表示装置であって、上記表示装置を構成する画素は、1画素あたりm色(mは、3以上の整数を表し、m<nである。)のサブピクセルを含んで構成され、n色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる表示装置である。なお、本願明細書における「以上」、「以下」は、当該数値を含むものである。
【0011】
このような本発明において、上記表示装置を構成する画素の好ましい形態としては、(1)n色のうちの輝度比及び/又は輝度の差が小さい(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる形態、(2)黄(Y)のサブピクセルを含む画素を主体として構成される形態、(3)赤(R)のサブピクセルを含む画素を主体として構成される形態、(4)n色のうちの画素の平均輝度に最も近い輝度を有する色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる形態、及び、これらの組み合わせの形態が挙げられる。これらの形態におけるサブピクセルの色の配置(配列)パターンは、いずれも画素間の視覚上の差異を軽減するのに有効なものである。
【0012】
上記(1)の形態は、各色のサブピクセルの輝度の大きさに着目したものであり、各画素の輝度の均一化を図ることができる。
上記(2)の形態は、黄(Y)のサブピクセルの輝度が他の色のサブピクセルよりも高いことに着目したものであり、黄(Y)のサブピクセルを画素から間引くことなく本発明の構成を実現することにより、白表示における輝度の低下を図ることができる。なお、上記(2)の形態において、白表示における輝度の低下を防止する効果をより充分に得るためには、上記表示装置を構成する画素は、黄(Y)のサブピクセルを含む画素のみで構成されることがより好ましい。
また、上記(2)の形態において、黄(Y)のサブピクセルは、画素の中央領域に配置されることが好ましい。例えば、各画素が4色のサブピクセルで構成され、R、Y、G、C及びBの5原色が用いられた5原色表示装置の場合、R、Y、G、C及びBの中で最も輝度値の高いYを画素の中央領域の2つのうちの1つに配置し、次いで輝度値の高いGを中央領域のもう1つに配置する構成が視覚上好ましい。
【0013】
上記(3)の形態は、赤(R)のサブピクセルの視覚特性に着目したものであり、赤(R)のサブピクセルを画素から間引くことなく本発明の構成を実現することにより、赤表示における画素間の視覚上の差異を軽減することができる。すなわち、赤(R)のサブピクセルを画素から間引くと、赤表示したときに輝度の低下が生じ、くすんだ赤色が表示されることになってしまう。一方、青(B)のサブピクセルを画素から間引いた場合には、青表示したときに輝度の低下が生じるものの、多少輝度が低下しても人間の目には色の変化として感じられにくい。同様に、緑(G)のサブピクセルを画素から間引いた場合にも、緑表示したときに輝度の低下が生じるものの、多少輝度が低下しても人間の目には鮮やかに見える。
【0014】
上記(4)の形態は、画素の平均輝度と各色のサブピクセルの輝度の大きさとの関係に着目したものであり、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するサブピクセルを画素から間引いて本発明の構成を実現することにより、各画素の輝度の均一化を図ることができる。なお、n色のサブピクセルが用いられる表示装置における画素の平均輝度は、下記式のように求めることができる。
画素の平均輝度=(n色のサブピクセルの輝度の合計値)/1画素に含まれるサブピクセルの数
【0015】
このような表示装置においてサブピクセルの配列方法には、ストライプ配列とマトリクス配列があるが、実際に液晶テレビ等に採用する場合には駆動周波数を低下させる意味からストライプ配列が好適である。すなわち上記画素を構成するサブピクセルは、ストライプ状に配置されたものであることが好ましい。
【0016】
上記表示装置としては、(n−m+1)種類以上の画素により構成されることとなるが、このような画素の配置状態は、格子状(市松状)とすることが好適である。すなわち、上記表示装置は、(n−m+1)種類以上のサブピクセルの配列を格子状に配置して構成されたものであることが好ましく、これにより、表示上(視覚上)のムラを更に抑制することが可能となり、視覚品位をより向上させることが可能となる。
【0017】
上記表示装置において原色数としては、4原色、5原色、6原色等が好ましいが、5原色においては、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)及びシアン(C)を用いて表示を行うことが好ましい。この場合、上記表示装置としては、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)及びシアン(C)の5原色を用いて画像が構成されるものであり、上記表示装置を構成する画素は、1画素あたり4色のサブピクセルを含んで構成され、シアン(C)及び緑(G)が2個の画素に1個の割合で含まれる表示装置とすることにより、1画素あたり4色のサブピクセルを含んで構成され、5色の原色のうちの輝度比及び輝度の差が小さいシアン(C)及び緑(G)の2色のサブピクセルが2個の画素に1個の割合で含まれることになる。このようにサブピクセルの配置パターンを構成することにより、色再現範囲を拡張させつつデータ数の増加及び開口率の減少を抑制し、かつ視覚上の弊害を軽減して高品位の表示を行うことが可能となる。
【0018】
上記表示装置は、シアン(C)を含む画素と、緑(G)を含む画素とを互いに隣り合って配置して構成されたものであることが好ましく、また、上記表示装置を構成する画素は、赤(R)、黄(Y)、シアン(C)、青(B)、又は、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)の順にサブピクセルがストライプ状に配置されたものであることが好ましい。これらの表示装置においては、表示品位を更に向上することができ、本発明の作用効果をより充分に発揮することが可能である。
【0019】
上記表示装置により構成されてなる液晶表示装置は、色再現範囲を拡張しつつ、輝度や表示品位において優れた基本性能を有することになり、液晶ディスプレイとして液晶テレビ等に好適に適用されるものである。
本発明の表示装置及び液晶表示装置の構成としては、上述した特徴を必須として表示装置が通常有する構成要素を備えたものであればよく、その他の構成において特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の表示装置は、上述した構成からなるので、多原色を用いた画像表示により色再現範囲を拡大するうえで、高色再現範囲と高輝度とを実現しつつデータ数の増加及び開口率の減少を抑制し、しかも視覚上の弊害を軽減することができ、多原色表示装置として液晶テレビ等の各種のディスプレイに好適に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルの配列を示す概念図である。
【図2−1】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つ(構成5;G及びCの組み合わせ)であり、1つの画素を構成する4つのサブピクセル(RYGB又はRYCB)の配列を示す概念図である。
【図2−2】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つ(構成4;R及びBの組み合わせ)であり、1つの画素を構成する4つのサブピクセル(YGCR又はYGCB)の配列を示す概念図である。
【図2−3】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つ(構成6;Y及びCの組み合わせ)であり、1つの画素を構成する4つのサブピクセル(RGYB又はRGCB)の配列を示す概念図である。
【図2−4】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つ(構成7;R及びCの組み合わせ)であり、1つの画素を構成する4つのサブピクセル(RYGB又はCYGB)の配列を示す概念図である。
【図3】実施の形態における基板構成を示す概念図である。
【図4】本発明の4原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B及びYのうちの3色のサブピクセルで構成され、3つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。
【図5−1】本発明の4原色(RGBY)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYG又はBYGの順に配置した形態を示す概念図である。
【図5−2】本発明の4原色(RGBY)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYB又はGYBの順に配置した形態を示す概念図である。
【図5−3】本発明の4原色(RGBY)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYG又はRYBの順に配置した形態を示す概念図である。
【図6−1】本発明の5原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B、C及びYのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図6−2】本発明の5原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B、C及びYのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図7−1】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−2】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC又はRYBCで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−3】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC又はRGBYで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−4】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−5】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC又はRYBCで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−6】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図7−7】本発明の5原色(RGBYC)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBY又はRGBCで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図8】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの5色のサブピクセルで構成され、5つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。
【図9−1】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGCB又はMYGCBの順に配置した形態を示す概念図である。
【図9−2】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGBM又はRYCBMの順に配置した形態を示す概念図である。
【図9−3】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGCB又はRYGCMの順に配置した形態を示す概念図である。
【図10−1】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図10−2】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図10−3】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図11−1】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB、CYGB又はMYGBで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図11−2】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図11−3】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC、MYGC又はBYGCで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図11−4】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYBM、CYBM又はGYBMで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図11−5】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図12−1】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図12−2】本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成の一例を示す概念図である。
【図13−1】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図13−2】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBY、MGBY又はCGBYで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図13−3】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGCY、MGCY又はBGCYで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図13−4】本発明の6原色(RGBYCM)表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYMB、CYMB又はGYMBで構成した形態の一例を示す概念図である。
【図14】従来の3原色(RGB)表示装置を構成する画素形態であり、1つの画素を構成する3つのサブピクセルの配列を示す概念図である。
【図15】従来の4原色(RGBW)表示装置を構成する画素形態であり、1つの画素を構成する4つのサブピクセルの配列を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明を実施するための最良の形態として表示装置又は液晶表示装置に具現化させた例を掲げ、図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態においては、1画素あたり4色のサブピクセルが配置された5原色表示装置について説明する。
図1は、本発明の5原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B、Y及びCのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、第4又は5のサブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図1では、2×2画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがストライプ状に配置されている。
【0024】
本発明の実施形態における表示装置では、n色の原色を用いて表示を行うことになり、n色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルの組み合わせを選択し、(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれることになるようにサブピクセルの配置パターンを構成することになる。このとき、サブピクセルの配置パターンとしては、(1)n色のうちの輝度比及び/又は輝度の差が最も小さい(n−m+1)色のサブピクセルの組み合わせを選択し、(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれることになるようにした形態、(2)黄(Y)のサブピクセルを含む画素を主体として構成される形態、(3)赤(R)のサブピクセルを含む画素を主体として構成される形態、(4)n色のうちの画素の平均輝度に最も近い輝度を有する色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれる形態、及び、これらの組み合わせの形態が好適に用いられる。
上記(1)の構成の場合、輝度比と輝度の差との両方が小さいものを選択することが好ましく、例えば、輝度比が同程度の組み合わせが2つ以上ある場合には、その中でも輝度の差が小さいものを選択することが好適である。また、本発明においては、色相が近い組み合わせの(n−m+1)色のサブピクセルを(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれるようにすることが好ましい。
【0025】
上記(1)の構成の場合、図1においては、第4及び5のサブピクセルとしては、R、G、B、Y及びCの5原色のうちの輝度比及び/又は輝度の差が小さい2色を選択して2個の画素に1個の割合で配置パターンを構成することになる。なお、サブピクセルの配置パターンとしては、図1では第4又は5のサブピクセルを画素の末端に配置しているが、特に限定されるものではない。好適な形態としては、輝度値の最も高い色のサブピクセルを画素の中央領域に配置することであり、特に、輝度値の高いものから低い順に画素の中央領域から端の領域に向かってサブピクセルを配置することが好ましい。
【0026】
このように4色以上の多原色表示装置(例えば液晶表示装置)において、1つの画素は複数のサブピクセルから構成され、サブピクセル数よりも原色数が多いとき、色の配置(配列)パターンにより視覚上の差異が生じることになるが、例えば上記(1)の構成のように、輝度の大きさに注目した配置パターンにすることで、高色再現範囲、高輝度でかつ視覚上の弊害を軽減することが可能となる。一方、本実施形態のようにサブピクセルの配置パターンを構成しない場合には、例えば、白色表示をした際に斑点状の模様が現れるという視覚上の弊害が生じることになる。
【0027】
本実施形態においては、本実施形態におけるサブピクセルの色の配列パターンを満たす画素により表示装置の画像を構成するすべての画素が構成されることが好ましいが、本実施形態における画素を主体として画像を構成する画素が構成されればよく、例えば、本実施形態における画素が画像を構成する画素の実質的に全部又は大部分を構成することになればよい。この場合、n色の原色に対して表示装置を構成する画素が、1画素あたりm色のサブピクセルを含んで構成され、n色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれるように構成される本実施形態においては、n色のうちの残りの(m−1)色のサブピクセルは、実質的に全ての画素に共通して含まれるように構成されることが好適である。
【0028】
以下では、実際にカラーフィルターを形成した液晶パネルを作製して点灯目視評価を行った。
具体的には、図1に例示されるR、G、B、Y及びCの5原色表示装置を使用し、サブピクセルの輝度は、表1のとおりとした。なお、サブピクセルの輝度は、トプコン社製分光放射計SR−3を用いて、暗室下にて、基板法線方向より、2°視野、測定エリア30mmφ程度で測定することができる。
また本実施形態における基板は、図3に示されるように、4つのサブピクセルにより1つの画素を構成する場合、1つのサブピクセルの一辺が600μm、他の一辺が150μmであり、240×240画素により構成されるものを用いている。
【0029】
【表1】

【0030】
上記表1の結果に基づき、画素ごとに互い違いに入れる色を2色選択し(図1の4及び5に対応)、残りの色(図1の1、2及び3に対応)を全ての画素に配置するパターンを検討した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
以上より、色の組み合わせとLa/Lb(輝度比)及びLa−Lb(輝度の差)を計算した結果、輝度比及び輝度差と視覚品位との間に相関があることが分かった。例えば、上記表2における構成5の組み合わせ(G及びCの組み合わせ)では、輝度比及び輝度差が最も小さくなり、また、斑点状の模様はほとんど無く、視覚的に最も良好であった。一方、輝度比又は輝度の差が大きい構成として、例えば、YとBとを選択した場合には、斑点状に見え、他の構成と比較して視覚上好ましくなかった。Yは、表1に示すように他の色に比べて際立って高い輝度を有することから、通常、Yと他の色との輝度比及び輝度差が最小になることはない。また、構成8と構成9とを比較すると、輝度比が同程度であっても、輝度差の小さい構成9の方が視覚上良好であることが分かった。
【0033】
また、黄(Y)のサブピクセルを間引いていない構成1、2、4、5、7及び9においては、他の構成と比較して白表示における輝度を高くすることができた。赤(R)のサブピクセルを間引いていない構成1〜3、5、6及び8においては、他の構成と比較して赤表示における赤色をより鮮明にすることができた。
【0034】
本実施形態の表示装置における画素の平均輝度は、上記表1に示す輝度の値に基づき計算すると、68cd/mであることが分かる。この値に最も近い色及び2番目に近い色は、G及びCである。これに対し、G及びCを間引いた構成5は、視覚的に最も良好であった。
【0035】
上記表2における視覚上良いパターン例を、図2−1〜2−4に示す。
図2−1は、構成5(G及びCの組み合わせ)の表示装置において、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素とRYCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、R、Y、G、C及びBの中で最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域の2つのうちの1つに配置し、次いで輝度値の高いGを中央領域のもう1つに配置している。この構成5においては、黄(Y)及び赤(R)のサブピクセルは間引かれていない。また、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するG及びCが間引かれている。
【0036】
図2−2は、構成4(R及びBの組み合わせ)の表示装置において、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC又はBYGCの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGCの配列画素とBYGCの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、R、Y、G、C及びBの中で最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域の2つのうちの1つに配置し、次いで輝度値の高いGを中央領域のもう1つに配置している。この構成4においては、黄(Y)のサブピクセルは間引かれていない。
【0037】
図2−3は、構成6(Y及びCの組み合わせ)の表示装置において、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGYB又はRGCBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RGYBの配列画素とRGCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、R、G、Y、C及びBの中で最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域の2つのうちの1つに配置し、次いで輝度値の高いGを中央領域のもう1つに配置している。図2−3では、RGBが各画素に含まれるため、特異パターン(ある原色の線等)に対しても従来例(図4)の表示と同等に表示を行うことができた。この構成6においては、赤(R)のサブピクセルは間引かれていない。
【0038】
図2−4は、構成7(R及びCの組み合わせ)の表示装置において、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はCYGBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素とCYGBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、R、G、Y、C及びBの中で最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域の2つのうちの1つに配置し、次いで輝度値の高いGを中央領域のもう1つに配置している。この構成7においては、黄(Y)のサブピクセルは間引かれていない。
【0039】
これらのパターン例において示されるように、第4及び第5のサブピクセルとして(1)輝度比及び輝度差が小さくなるような色の組み合わせ、(2)黄(Y)を含まない色の組み合わせ、(3)赤(R)を含まない色の組み合わせ、(4)画素の平均輝度に最も近い輝度を有する組み合わせを選択することにより、視覚上良好なものとすることができる。また、2種類以上の画素を格子状に配置し、縦横隣り合わせに配置される画素が同じサブピクセルの配列とはならないように配置したり、また、1画素中のサブピクセルの配列に関し、輝度値の高いサブピクセルを画素の中央領域に配置することにより、表示品位を更に向上することが可能となる。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態においては、1画素あたり3色のサブピクセルが配置された4原色表示装置について説明する。
図4は、本発明の4原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B及びYのうちの3色のサブピクセルで構成され、3つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図4では、2×2画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがストライプ状に配置されている。各色のサブピクセルの輝度(cd/m)は、Rが30、Gが70、Bが20、Yが160である。また、画素の平均輝度(cd/m)は、70であり、この値に最も近い色と2番目に近い色は、GとRである。なお、サブピクセルの配置パターンとしては、図4では第3又は4のサブピクセルを画素の末端に配置しているが、特に限定されるものではない。
【0041】
本実施形態において、画素ごとに互い違いに入れる色を2色選択し(図4の3及び4に対応)、残りの色(図4の1及び2に対応)を全ての画素に配置するパターンのうち、視覚上良いパターン例を、図5−1〜5−3に示す。
【0042】
図5−1は、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYG又はBYGの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGの配列画素とBYGの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域に配置している。
この構成においては、Yは間引かれず、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するRとGが間引かれている。
【0043】
図5−2は、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYB又はGYBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYBの配列画素とGYBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域に配置している。
この構成においては、Yは間引かれず、輝度比及び輝度差が最も小さいRとBが間引かれている。
【0044】
図5−3は、1つの画素を構成する3つのサブピクセルをRYG又はRYBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGの配列画素とRYBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。また、最も輝度値(Y値)の高いYを画素の中央領域に配置している。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、BとGが間引かれている。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態においては、1画素あたり4色のサブピクセルが配置された5原色表示装置について説明する。
図6−1及び6−2は、本発明の5原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、G、B、C及びYのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図6−1及び6−2では、2×2画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置されている。各色のサブピクセルの輝度(cd/m)は、Rが30、Gが70、Bが20、Cが60、Yが160である。また、画素の平均輝度(cd/m)は、68であり、この値に最も近い色と2番目に近い色は、GとCである。
【0046】
本実施形態において、画素ごとに互い違いに入れる色を2色選択し(図6−1又は図6−2の4及び5に対応)、残りの色(図6−1又は図6−2の1〜3に対応)を全ての画素に配置するパターンのうち、視覚上良いパターン例を、図7−1〜7−7に示す。
【0047】
図7−1は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素とRYCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、輝度比及び輝度差が最も小さく、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するGとCが間引かれている。
【0048】
図7−2は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC又はRYBCで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGCの配列画素とRYBCの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、GとBが間引かれている。
【0049】
図7−3は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC又はRGBYで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBCの配列画素とRGBYの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Rは間引かれず、CとYが間引かれている。
【0050】
図7−4は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素とRYCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、輝度比及び輝度差が最も小さく、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するCとGが間引かれている。
【0051】
図7−5は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC又はRYBCで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGCの配列画素とRYBCの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、BとGが間引かれている。
【0052】
図7−6は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB又はRYCBで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素とRYCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、CとGが間引かれている。
【0053】
図7−7は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBY又はRGBCで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBYの配列画素とRGBCの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Rは間引かれず、CとYが間引かれている。
【0054】
(実施形態4)
本実施形態においては、1画素あたり5色のサブピクセルが配置された6原色表示装置について説明する。
図8は、本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの5色のサブピクセルで構成され、5つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図8では、2×2画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがストライプ状に配置されている。各色のサブピクセルの輝度(cd/m)は、Rが30、Gが70、Bが20、Cが60、Mが15、Yが160である。また、画素の平均輝度(cd/m)は、59であり、この値に最も近い色と2番目に近い色は、CとGである。なお、サブピクセルの配置パターンとしては、図8では第5又は6のサブピクセルを画素の末端に配置しているが、特に限定されるものではない。
【0055】
本実施形態において、画素ごとに互い違いに入れる色を2色選択し(図8の5及び6に対応)、残りの色(図8の1〜4に対応)を全ての画素に配置するパターンのうち、視覚上良いパターン例を、図9−1〜9−3に示す。
【0056】
図9−1は、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGCB又はMYGCBの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGCBの配列画素とMYGCBの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、輝度差が最も小さいRとMが間引かれている。
【0057】
図9−2は、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGBM又はRYCBMの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGBMの配列画素とRYCBMの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、R及びYは間引かれず、輝度比が最も小さく、画素の平均輝度に最も近い輝度を有するGとCが間引かれている。
【0058】
図9−3は、1つの画素を構成する5つのサブピクセルをRYGCB又はRYGCMの順に配置した形態を示す概念図である。この表示装置では、RYGCBの配列画素とRYGCMの配列画素とが格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Y及びRは間引かれず、BとMが間引かれている。
【0059】
(実施形態5)
本実施形態においては、1画素あたり4色のサブピクセルが配置された6原色表示装置について説明する。
図10−1〜10−3は、本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがストライプ状に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図10−1〜10−3では、3×3画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがストライプ状に配置されている。各色のサブピクセルの輝度(cd/m)は、Rが30、Gが70、Bが20、Cが60、Mが15、Yが160である。また、画素の平均輝度(cd/m)は、59であり、この値に最も近い色と2番目に近い色は、CとGである。なお、サブピクセルの配置パターンとしては、図10−1〜10−3では第4〜6のサブピクセルを画素の末端に配置しているが、特に限定されるものではない。
【0060】
本実施形態において、画素ごとに互い違いに入れる色を3色選択し(図10−1〜図10−3の4〜6に対応)、残りの色(図10−1〜図10−3の1〜3に対応)を全ての画素に配置するパターンのパターン例を、図11−1〜11−5に示す。
【0061】
図11−1は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGB、CYGB又はMYGBで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGBの配列画素、CYGBの配列画素及びMYGBの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、C及びMが間引かれている。このうち、RとMは、輝度差が最も小さい組み合わせである。
【0062】
図11−2は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBCの配列画素、RGBYの配列画素及びRGBMの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Rは間引かれず、C、Y及びMが間引かれている。
【0063】
図11−3は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYGC、MYGC又はBYGCで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYGCの配列画素、MYGCの配列画素及びBYGCの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、M及びBが間引かれている。このうち、RとMは、輝度差が最も小さい組み合わせである。
【0064】
図11−4は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYBM、CYBM又はGYBMで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYBMの配列画素、CYBMの配列画素及びGYBMの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、C及びGが間引かれている。このうち、CとGは、輝度比が最も小さく、画素の平均輝度に最も近い輝度を有する組み合わせである。
【0065】
図11−5は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBCの配列画素、RGBYの配列画素及びRGBMの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Rは間引かれず、C、Y及びMが間引かれている。
【0066】
(実施形態6)
本実施形態においては、1画素あたり4色のサブピクセルが配置された6原色表示装置について説明する。
図12−1及び12−2は、本発明の6原色表示装置を構成する画素の実施形態の一つであり、1ピクセルがR、Y、G、C、B及びMのうちの4色のサブピクセルで構成され、4つのサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置される表示装置において、サブピクセルの配置構成を示す概念図である。なお、図12−1及び12−2では、3×3画素の繰り返し単位が示され、1つの画素においてサブピクセルがスクエア状(田の字状)に配置されている。各色のサブピクセルの輝度(cd/m)は、Rが30、Gが70、Bが20、Cが60、Mが15、Yが160である。また、画素の平均輝度(cd/m)は、59であり、この値に最も近い色と2番目に近い色は、GとCである。
【0067】
本実施形態において、画素ごとに互い違いに入れる色を3色選択し(図12−1又は図12−2の4〜6に対応)、残りの色(図12−1又は図12−2の1〜3に対応)を全ての画素に配置するパターンのパターン例を、図13−1〜13−4に示す。
【0068】
図13−1は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBC、RGBY又はRGBMで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBCの配列画素、RGBYの配列画素及びRGBMの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Rは間引かれず、C、Y及びMが間引かれている。
【0069】
図13−2は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGBY、MGBY又はCGBYで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGBYの配列画素、MGBYの配列画素及びCGBYの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、M及びCが間引かれている。このうち、RとMは、輝度差が最も小さい組み合わせである。
【0070】
図13−3は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRGCY、MGCY又はBGCYで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RGCYの配列画素、MGCYの配列画素及びBGCYの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、M及びBが間引かれている。このうち、RとMは、輝度差が最も小さい組み合わせである。
【0071】
図13−4は、1つの画素を構成する4つのサブピクセルをRYMB、CYMB又はGYMBで構成した形態の一例を示す概念図である。この表示装置では、RYMBの配列画素、CYMBの配列画素及びGYMBの配列画素が格子状(市松状)に縦横交互に配置されている。
この構成においては、Yは間引かれず、R、C及びGが間引かれている。このうち、CとGは、輝度比が最も小さく、画素の平均輝度に最も近い輝度を有する組み合わせである。
【0072】
実施形態1〜6の表示装置は、複数の画素により画像が構成され、多原色を用いて表示を行う表示装置であって、1つの画素が複数のサブピクセル(絵素)により構成されることになる多原色表示装置におけるカラー表示技術に広く適用することが可能であり、例えば、液晶テレビ等の液晶表示装置、PDP、有機EL、FED等の各種のディスプレイに好適に適用できるものである。なかでも、実施形態1〜4の構成は、特に優れた表示品位を得ることが可能である。
【0073】
なお、本願は、2004年8月19日に出願された日本国特許出願第2004−240021号を基礎として、優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
n色(nは、4以上の整数を表す。)の原色を用いてサブピクセルを含む画素により画像が構成される表示装置であって、
該表示装置を構成する画素は、1画素あたりm色(mは、3以上の整数を表し、m<nである。)のサブピクセルを含んで構成され、n色のうちの(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれ、n色のうちの画素の平均輝度に最も近い輝度を有する色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示装置を構成する画素は、n色のうちの輝度比及び/又は輝度の差が小さい(n−m+1)色のサブピクセルが(n−m+1)個の画素に1個の割合で含まれることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示装置を構成する画素は、黄(Y)のサブピクセルを含む画素を主体として構成されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記黄(Y)のサブピクセルは、画素の中央領域に配置されることを特徴とする請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置を構成する画素は、赤(R)のサブピクセルを含む画素を主体として構成されることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記画素を構成するサブピクセルは、ストライプ状に配置されたものであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示装置は、(n−m+1)種類以上のサブピクセルの配列を格子状に配置して構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示装置は、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)及びシアン(C)の5原色を用いて画像が構成されるものであり、
該表示装置を構成する画素は、1画素あたり4色のサブピクセルを含んで構成され、シアン(C)及び緑(G)が2個の画素に1個の割合で含まれることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示装置は、シアン(C)を含む画素と、緑(G)を含む画素とを互いに隣り合って配置して構成されたものであることを特徴とする請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示装置を構成する画素は、赤(R)、黄(Y)、シアン(C)、青(B)、又は、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)の順にサブピクセルがストライプ状に配置されたものであることを特徴とする請求項8記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1記載の表示装置により構成されることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図7−7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図10−3】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図11−4】
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【図11−5】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図13−4】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−277095(P2010−277095A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154346(P2010−154346)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【分割の表示】特願2006−531690(P2006−531690)の分割
【原出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】