説明

多孔性触媒構造及びその製造方法

【課題】高い比表面積と良好な導熱性を同時に備え、安定した付着性を供給できる触媒担体を提供すること。
【解決手段】触媒層を表面に有する多孔性担体を含む、比表面積の高い多孔性触媒構造である。本発明の多孔性触媒構造は電気めっき法により多孔性金属担体の表面に金属層を蒸着させ、及び状況に応じて該金属層を金属酸化物層に酸化して作製される。あらゆる導電多孔性金属担体を本発明中に用いることができ、かつ前記金属層は所望する触媒機能を有するあらゆる好適な金属及び/又は金属酸化物を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性金属担体及び該担体表面に配置される金属触媒層を有する、比表面積の高い多孔性触媒構造に関する。本発明は特に、前記金属触媒層が銅−亜鉛酸化物(CuOZnO)を含み、必要に応じてAl23、ZrO2、及びその組合せを含んでいてもよく、かつ前記触媒担体が多孔性ステンレスの多孔性構造を含むことに関する。
【背景技術】
【0002】
触媒は反応に関与することで反応速度を向上させるが、それ自体は反応過程で消耗されない物質である。例えば触媒を用いて排ガスを処理する場合、排ガスを分解する反応に必要な活性化エネルギーを触媒反応によって低下させ、排ガス中の有害ガス分子を低温下で転化反応させる。具体的には触媒は一般に、実施しようとする反応の活性化エネルギーを低下させて、反応を低エネルギー需要下で行わせ、反応が起こる可能性を向上させる。
【0003】
現在、無機金属酸化物の触媒が数多く出現しているが、通常触媒は先ず活性成分金属酸化物の粉末を作製し、次いで接着工程を経て製造される。しかし、一般に固体触媒を使用する反応について言えば、触媒反応は通常触媒の表面で行われるため、反応物が触媒内部に進入できない場合、触媒の利用率は大きく低下し、体積空間や材料のロスが発生する。また、金属酸化物は一般に絶縁材料に属し導熱性が良くないため、加熱反応における触媒作用が制限されたり不利になったりし、触媒性能の衰退が加速することもあり得る。
【0004】
従来の固体触媒作用を改善するため、相対的に高い比表面積を有するハニカム構造担体を用いて触媒を担持し、触媒と反応物との接触面積を大きくすることが提案されている。例えば、特開平5−213681号公報で開示された触媒構造は、比表面積の高いセラミック材料、無機繊維及び無機結合剤を混合し、成形又は押出成形してから焼成する方法で、繊維強化ハニカム状セラミック担体を形成している。
【0005】
前記ハニカム触媒では、担体の比表面積を増加させ、触媒成分の粒径を減少させその分布性を向上させて、触媒性能を高めている。しかし、担体(通常はセラミック材料アルミナ)の使用量を増やして比表面積を増加させる場合、セラミック材料の厚みが増すだけでその接触面積が改善されず、圧力損失が発生する事態さえ起こりうる。これについては特開平10−263416号公報等が、ハニカム触媒担体構造(ハニカム形状、密度及び壁厚等)の改良案を提案している。
【0006】
特開2003−245547号公報はさらに、低濃度CO含有排ガスを処理するためのハニカム触媒構造を開示しており、このハニカム担体も比表面積の高い材料を押出成形してから焼成して製造する。ハニカム構造の各通孔間の隔壁の厚み、ガス流れ方向の長さ、及び開口率等は、いずれも所定の範囲内に制御される。この他、米国特許出願公開第2006/0292340号公報は別タイプのハニカム触媒構造を開示しており、複数の隔板により担体上に並設された複数の通孔を仕切って、担体の表面積を向上させている。
【0007】
ハニカム触媒構造の工業化製品には、PHITECS社製のディーゼル車用三元触媒コンバータ(Diesel Three Way Catalyst,DTWC)があり、これは1平方インチ当たり400セル(400 cells per square inch(CPSI))を使用したハニカム触媒担体である。
【0008】
上述の通り、ハニカム担体構造は主に、セラミック材料を使用し、成形又は押出成形等の方法でハニカム形状を作製して、担体表面に分布する活性触媒成分と反応物とが接触する表面積を大きくする。しかし、この種のハニカム触媒担体は、一般に大きな体積と重量を備えるため、例えば反応器への溶接が容易でない等、使用上制約が生じる。また、セラミック材料と金属触媒(パラジウム、白金等金属から選択される)の付着性が悪いことから生じる耐用性不足も大きな課題である。
【0009】
現在、さらに別タイプの金属材質を担体とするハニカム触媒が市販されている。例えばREEcat社(URL:www.reecat.com)製の金属ハニカム触媒がある。一般に、この種の金属ハニカム触媒の製法は、浪板状の金属薄片を加工し巻取ってハニカム状円筒担体にし、次いで先ず浸漬洗浄めっき法でセラミック材料(アルミナ、シリカ等)を該担体上に被覆してセラミック薄層を形成し、さらに触媒活性を有する金属又は金属酸化物を該セラミック薄層上に被覆し、最後に乾燥及び焼成工程を経て該ハニカム触媒を製造して、触媒の導熱性及び触媒の孔隙間における反応物の気流動力を改善し、圧力損失が発生しないようにする。
【0010】
しかし、前記金属ハニカム触媒構造は成形技術による制約があり、形成できる孔密度には上限(通常100CPSI以下)がある。そのため増加できる表面積の幅が限定される。また、浪板状の金属薄片を加工し巻取ってハニカム状円筒担体にするため、大部分の反応物(有害ガス等)が前記全通式円筒担体内に留まり、触媒分子と接触して反応する時間が十分ではなくなる。また、この種の触媒構造にはセラミック材料と金属触媒との付着性が悪いという課題も存在する。
【特許文献1】特開2003−245547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記課題に鑑み、本発明は高い比表面積と良好な導熱性を同時に備え、安定した付着性を供給できる触媒担体を提供する。前記触媒担体は大きな空間を占有する必要がなく、こうして優れた触媒作用を示しつつ高い応用性を備えた多孔性触媒構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の目的は、多孔性金属担体と、前記金属担体表面に配置される金属触媒層とを含む、比表面積の高い多孔性触媒構造を提供することである。
【0013】
本発明の第2の目的は、多孔性金属担体を提供する工程と、前記多孔性金属担体の表面に金属触媒層を電気めっきする工程とを含む、比表面積の高い多孔性触媒構造の製造方法を提供することである。
【0014】
図面と次に詳述する実施形態を参照すれば、本発明が属する技術分野で一般的な知識を持つ者は、本発明の基本主旨並びにその他発明の目的、及び本発明で使用する技術手段と好ましい実施形態を容易に理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の比表面積の高い多孔性触媒構造は、多孔性金属担体及び前記多孔性金属担体の表面に配置される金属触媒層を含む。多孔性金属担体の材料は、適切な導電多孔性金属材料であればいずれでもよいが、ステンレス等の鉄合金を使用することが好ましい。
【0016】
所望する機能を有する金属触媒成分はいずれも、本発明の多孔性触媒構造に使用できる。一般に、金属触媒層は触媒成分を含むが、多孔性触媒構造の用途又はニーズに応じて該触媒成分を決定する。前記触媒成分は、金属、金属合金、金属又は金属合金の酸化物、又は前記の組合せとすることができ、好ましくは、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、前記2以上の合金、前記金属又は金属合金の酸化物、及び前記の組合せからなる群より選択される。より好ましくは、金属合金、金属酸化物、金属合金の酸化物、又は前記の組合せである。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒成分は、銅合金、銅含有酸化物、及びその組合せから選択される。このうち、メタノール蒸気再結合反応に使用するときには、銅−亜鉛合金、銅−亜鉛酸化物(CuOZnO)、又は前記の組合せを金属触媒層の触媒成分とすることが好ましく、より好適には銅−亜鉛酸化物を触媒成分とする。別の一実施形態において、自動車・バイクが排出する排ガスの処理に用いるときには、パラジウム、ロジウム、白金、又はその組合せからなる触媒を金属触媒成分として使用する。ここで、バイクのエンジンは作動温度が低く(約摂氏500℃〜摂氏650℃)、加えて使用者が通常メンテナンスにさほど注意しないことから、エンジンの排ガス中には二酸化炭素及び水分のほか、一酸化炭素や未燃焼のオイルガスが含まれる。そのため、バイクの排気管内に白金及びパラジウムを含む触媒を用いて、一酸化炭素とオイルガスを酸化させて二酸化炭素及び水分にし、大気汚染を防止する。他方、自動車エンジンは作動温度が高く(摂氏600℃〜摂氏750℃)、日常のメンテナンスも比較的よく、排ガス中のオイルガスは少ないが、高い作動温度により酸化窒素(NOX)の排ガスが別に発生する。これらの排ガスを除去するために用いる触媒は、白金、パラジウム及びロジウムの合金が適している。このうち、ロジウム金属を使用すると、オイルガスにより酸化窒素が窒素ガスに還元される。ハニカム構造は主に、触媒の分散面積を拡大させ、排ガスと触媒を容易に接触させて、必要な反応を速く完成させるためのものである。
【0018】
さらに、触媒作用、用途及び反応面積等を増幅させるため、多孔性触媒構造に含まれる金属触媒層にはさらに添加物を含んでいてもよい。例を挙げれば、セラミック粉末(アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、及びその組合せ等)、石墨、ポリテトラフルオロエチレン、金剛石、繊維、及びその組合せからなる群より選択される添加物を使用できる。一般に、金属触媒層がこれらの添加物を含むとき、その含有量は金属触媒層の全体量に対して10〜40重量%とし、好ましくは15〜25重量%である。
【0019】
前記添加物を使用すると、金属触媒層の比表面積が増加し、反応物と触媒成分との接触確率が向上する。また、アルミナ、シリカ及びアルミニウム−珪素複合酸化物等の、酸性触媒機能を有する添加物を使用すると、400℃以上で示される酸度は濃硫酸と同等レベルに達し(但し腐食性を有さず、安全性や環境保護上の問題もない)、触媒の用途及び触媒機能をさらに増幅できる。
【0020】
金属触媒層は多孔性金属担体の表面に配置される。ここでいう「表面」とは多孔性金属担体の表面及びその表面開口の孔壁を含むことに注意すべきである。金属触媒層の厚みは多孔性金属担体の全開口を封鎖しないことを前提にする。また、触媒反応は触媒成分と反応物との接触により起こるため、金属触媒層が厚すぎると触媒層表面下の触媒成分が反応物と接触できず、材料のロスに繋がる。金属触媒層の厚みは通常0.5〜20μmとし、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmである。触媒層の厚みを適切にすることで触媒材料のロスを回避できるほか、多孔性金属担体の多孔性が維持され、好ましいガス流率が保たれる(後述の空気流率試験にて示す)。
【0021】
多孔性触媒構造は必要に応じて、多孔性金属担体と金属触媒層との間に配される被膜を含んでいてもよい。該被膜を用いると、金属触媒層と多孔金属担体との結合強度が増強し、剥離現象を防止でき、多孔性触媒構造の使用寿命を伸ばすことができる。通常、被膜は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、前記の合金、及びその組合せからなる群より選択される材料を含んでいてもよく、好ましくはニッケルを含む。また、金属触媒層の厚みに比べ被膜の厚みはより薄くして、多孔性金属担体の多孔特性に影響しないようにする。例えば0.2〜1μmの範囲に制御することが好ましい。
【0022】
本発明の多孔性触媒構造では、触媒成分を担持する担体として多孔性金属材料を用いており、その導熱速度は従来のセラミック材料よりも極めて速いため、反応熱の熱伝導効率に有利となり、反応速度が向上する。また、使用する多孔性金属担体が良好な導電性を有するため、電流を活性触媒部位へ誘導し、電気触媒反応の可行性が付与される。
【0023】
さらに、上述の通り、本発明の多孔性触媒構造の金属触媒層は、多孔性金属担体の表面を被覆するだけでなく、表面開口の壁面を被覆する。このため、その触媒成分と反応物との接触面積が増加するほか、材料を節約し構造の体積緻密度を向上させる。即ち、表面積を増加させるために金属担体の全体体積を増加させる必要がない。
【0024】
本発明の多孔性触媒構造は、簡易な電気めっき法により提供できる。具体的には、材質がステンレス等の多孔性金属担体を電気めっき処理し、該多孔性金属担体上に触媒層としての金属層をめっきして達成できる。ここで、電気めっきを施す前に、必要に応じて多孔性金属担体に対し脱脂や酸洗い等の前処理を施し、金属触媒層のめっきに有利となるようにしてもよい。例えば、市販される多孔性金属担体の表面には通常油汚れ等があり、電気めっき効果に影響する。そこで、油汚れによる不利な影響を取り除くため、通常有機溶剤(トルエンやアセトン等)で脱脂処理し、多孔性金属担体の内外表面の油汚れを洗浄する。また、例えば3N〜7Nの塩酸(HCl)溶液で多孔性金属担体を洗浄し、該金属担体の製造又は焼結時に発生する酸化層を除去し担体表面を活性化することもできる。
【0025】
前記脱脂及び酸洗い等必要に応じた処理の終了後、次いで電気めっき工程を行い、多孔性金属担体の表面に触媒層としての金属めっき層を形成する。あらゆる周知の適切な電気めっき法、例えばスピン、ロール又は引っかけ等方法で、該金属層をめっきできる。さらに、めっきする金属の種類(単一金属層又は合金金属層等)と化学種、及び金属担体のサイズ等要素に応じて、電気めっき液の成分、電流の大小及びめっき温度等操作条件を調整する。
【0026】
一般に、電気めっき液は通常、金属塩、錯化剤(酒石酸塩等)、緩衝剤(水酸化物等)等を含む。このうち単一金属をめっきする場合に比べ、2種以上の金属をめっきする場合は考慮すべき要素が多く、そのうちの一つが異なる化学種間の還元電位差である。銅−亜鉛合金触媒層を電気めっきする場合を例にとると、この2つの金属の還元電位差は1ボルト以上あり(Cu2+/Cu=0.336V;Zn2+/Zn=−0.768V)、一般のめっき浴中で共蒸着させることは困難である。従来技術の多くはシアン化物を含むめっき浴中で行っている(塩基性シアン化物めっき浴中では銅−亜鉛の還元電位が接近するためである。Cu2+/Cu=−1.165V;Zn2+/Zn=−1.227V)。しかしシアン化物は規制有毒物質に属し、環境及び人体に危害を及ぼす。よって好適には酒石酸系を用いて銅−亜鉛合金触媒層をめっきする。例えば硫酸銅、硫酸亜鉛、酒石酸カリウムナトリウム及び水酸化ナトリウムを含むめっき液で電気めっきを行う。
【0027】
電気めっき操作は一般に、10〜70mA/cm2、好ましくは15〜60mA/cm2の範囲の電流密度で行い、電気めっき浴の温度は通常25〜60℃、好ましくは30〜40℃に制御する。
【0028】
さらに、前記添加物を含む金属触媒層を製造する場合は、共めっき法で添加物を触媒成分と共に多孔性金属担体に共めっきする。例を挙げれば、前記電気めっき工程時に、めっき液中に該添加物(アルミナ等)の粉末を添加し、機械攪拌又は懸濁剤添加により、それをめっき液中に懸濁させ、かつ電気めっき過程でファン・デル・ワールス力により担体表面に付着させることにより、添加物粒子が金属触媒めっき層中に含まれる。懸濁効果を達成しかつ触媒成分のめっき効果に影響させないため、通常、粒子サイズが0.5μm〜10μmの、微粒子状の添加物(セラミック粉末、石墨、ポリテトラフルオロエチレン及び金剛石等)を添加する。
【0029】
製造する触媒構造の用途(特に蒸気再結合反応に使用する場合)に応じて、所望する触媒層が金属酸化物層であるとき、電気めっき工程の完了後に、多孔性金属担体の表面に金属めっき層を形成させてから、さらに酸化工程を行い、該金属めっき層を酸化して、触媒層としての金属酸化物層を提供することができる。例を挙げれば、表面に金属層(必要に応じて添加物を含む)をめっきした多孔性金属担体を加熱環境に置き、昇温下、一定時間保温して(例えば酸化銅−亜鉛合金層を酸化する場合、熱風を通入して300〜400℃に昇温しつつ2〜3時間保つ)、担体表面に触媒性金属酸化物層(及び状況に応じて使用する添加物)を形成させ、所望する多孔性触媒構造を提供する。
【0030】
必要に応じて金属触媒層をめっきする前に、先ず被膜(ニッケル層等)を形成し、担体と触媒層間の結合性を向上させ、その堅固性を高めてもよい。例えば多孔性ステンレスを多孔性金属担体として用いる場合、状況に応じて先ずニッケルを前めっきしてから、後続の金属層の電気めっきを行う。また、この前めっき工程では、めっき条件(電流の大小やめっき温度等)を調整することにより、前めっきするめっき層の厚みを適切な範囲(0.2〜1μm等)に維持し、被めっき体(即ち多孔性金属担体)の孔隙度を維持する。
【0031】
被膜めっき技術については、Journal of catalysis,170,1997,p.181,Renouprez,1に掲載されたJ.F.らの記載、Journal of Membrane Science,153,1999,p.163に掲載されたSeung−Eun Namらの記載、Journal of Membrane Science,170,2000,p.91に掲載されたSeung−Eun Namらの記載、及びJournal ofMembrane Science,192,2001,p.177に記載されたSeung−Eun Namらの記載を参照できる。ここでは、これらの記載を全てまとめて参考に供している。
【0032】
本発明は電気めっき法を使用し、多孔性金属担体の表面(内部の孔道表面を含む)に金属触媒層を形成し、触媒と反応物との接触面積を増加させる。また、金属触媒層の厚みを0.5〜20μmの間に制御して、材料のロスを回避しかつ良好なガス流通率を達成し、多孔性触媒構造の全体効果を向上させる。さらに、電気めっき法で形成された触媒めっき層は多孔性金属担体との間の結合力に優れ、剥離現象が防止でき、多孔性触媒構造の使用寿命が伸びる。
【0033】
本発明をさらに説明するために、次に実施例を挙げて詳述する。
【実施例1】
【0034】
銅−亜鉛合金層の電気めっき
(多孔性ステンレスの前処理)
使用する市販の多孔性316ステンレス濾過管(米国Mott社製、URL//www.mottcorp.com)の外径及び内径は、それぞれ10.0mm及び6mmであり、ろ過等級0.2μm及び開口サイズ約0.2μmである(表面に一部サイズが50〜100μmの大開口が存在する可能性あり)。該ステンレス濾過管を75mm長さにカットし、溶接により一般のステンレス管(外径10.0mm、長さ40mm)に連結してから、一方の端を封止し、図1に示したようなステンレス濾過管を形成する。
【0035】
(ニッケルの前めっき)
次に、白金チタンメッシュ(Pt−coatated Ti mesh)を正極とし、硫酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル45g/L及び硼酸30g/Lを含む水性めっき液を使用し、めっき液温度40〜50℃、電流密度50mA/cm2の条件下で、10分間電気めっきし、前処理したステンレス濾過管の表面にニッケル層をめっきする。得られたニッケル層の厚みは約0.5〜1.0μmであった。
【0036】
(銅−亜鉛合金の電気めっき)
その後、図2に示したような回転柱状電極(EG&G636)システム21と電源供給器22を用いて、電気めっきを行う。ニッケルを前めっきしたステンレス担体24は電源供給器22の負極に接続された回転柱状電極23に連結され、ステンレス担体24の回転数を約10rpmに維持し、かつ銅−亜鉛合金を正極25としてめっき液26中で損耗した銅−亜鉛イオンを補充する。さらに、空気攪拌器28に接続された多孔性気泡石27をめっき液槽に同時に設置し、これにより空気を入れてガス攪拌を行い、めっき液を均一な状態に保つ。ここで、ニッケルの前めっきと同じめっき条件下で、硫酸銅30g/L、硫酸亜鉛12g/L、酒石酸ナトリウムカリウム(potassium sodium tartrate)100g/L、及び水酸化ナトリウム45g/Lを含むめっき液を用いて30分間電気めっきを行う。得られた銅−亜鉛触媒層の厚み約15μm、体積約3.8cm3(=7.5×3.1416(1.02−0.62)/4)であった。
【0037】
(めっき合金層構造態様と組成分析)
最後に、めっきが完了したステンレス濾過管をアセトンに浸漬し、かつ超音波発振器で5分間洗浄してから取り出して乾燥し、銅−亜鉛合金層が被覆されたステンレス濾過管を得る。得られたステンレス濾過管の外観を図3に示した。図4及び図5はそれぞれ、多孔性ステンレスをめっきしない場合及びめっきした場合の走査型電子顕微鏡図(Scanning Electron Microscope,SEM)を示している。
【0038】
その後、エネルギー分散型分析装置(Energy−dispersive Spectrometer,EDS)及びX線回析(X−ray Diffraction,XRD)により得られた銅−亜鉛合金めっき層の組成成分を分析し、結果をそれぞれ図6及び図7に示した。分析結果から、銅と亜鉛は確かに多孔性ステンレス担体上に蒸着され、形成された銅−亜鉛層が合金相(Cu6Zn4)であることがわかる。
【実施例2】
【0039】
銅−亜鉛合金層の電気めっき
実施例1と同様の方法と材料で、但しめっき液中の銅−亜鉛イオン濃度を変更して、Cu5Zn5相を有する銅−亜鉛合金層をステンレス担体上に電気めっきした。
【0040】
また、電気めっきしない多孔性ステンレス濾過管及び本実施例で得られるめっきした多孔性ステンレス濾過管を、それぞれ中心軸に垂直な方向に切開し、その金属環状部位の切断面をSEM図に撮り、図8(めっき処理しない場合)及び図9(めっき処理した場合)に示した。図8は電気めっき前の多孔性ステンレス濾過管の多孔性構造が示されている。図9の観察からわかるように、銅−亜鉛合金層は多孔性ステンレスの開口孔壁上にめっきされ、かつ開口を封止することはないため、得られた触媒構造の比表面積が増加し、ガス流通率が維持される(実施例3に示す)。
【実施例3】
【0041】
ガス流率試験
図10に示した裝置で、実施例1と実施例2で得られた銅−亜鉛合金層が被覆されたステンレス濾過管82にガス流率試験を行った。図10は裝置の中心軸方向における断面図である。実施例1と実施例2の銅−亜鉛合金層をめっき処理しないステンレス濾過管を中空管体81に配置した。中空管体81は入口84及び状況に応じて開放される出口(未表示)を有しており、本試験では、中空管体81の底部入口84から2gf/cm2のヘリウムガスを引き入れ、濾過管82の出口83でガス流率を試験した(中空管体81が未開放の状態で試験する)。さらに、実施例1と実施例2で得られたステンレス濾過管82(中段が多孔性部分823、両端が一般(相対的に緻密な)部分821)をさらに試験し、結果を表1に示した。
【0042】
【表1】

【0043】
表1の結果からわかるように、銅−亜鉛合金層蒸着後の多孔性ステンレス濾過管のガス流率は、めっきしない場合に比べて明らかな相違はなかった。このことから、本発明の方法は電気めっき法で蒸着した金属合金層を用いても、多孔性金属担体の孔道を閉塞することなく、そのガス流通率が維持され、所望する接触面積を維持できることがわかる。
【実施例4】
【0044】
金属酸化物層
実施例1で得られた銅−亜鉛合金層が被覆された多孔性ステンレス濾過管を、25mm内径の管型反応器内に配置し、空気を濾過管と反応器の管との間の領域に導入し、350℃の温度下で2.5時間保持し、銅−亜鉛合金を銅−亜鉛酸化層(CuOZnO)に酸化した。最後に得られた金属酸化物層をCuB−1と称する。
【0045】
実施例2で得られた銅−亜鉛合金層が被覆された多孔性ステンレス濾過管で前記工程を繰り返し、得られた金属酸化物層をCuB−2と称した。
【実施例5】
【0046】
多成分触媒層
実施例1に記載した前処理とニッケル前めっき工程を行い、次いで銅−亜鉛合金を電気めっきするとき、アルミナ10g/Lを実施例1で用いためっき液中に添加して、銅−亜鉛合金とアルミナ層(Cu6Zn4/Al23)を多孔性ステンレス濾過管上に20分間共めっきした。得られためっき層の厚みは約10μmであった。形成された銅−亜鉛合金アルミナ層のSEM図とEDX分析結果を、それぞれ図11及び図12に示した。図よりアルミナ粒子が銅−亜鉛合金層中に均一に分布していることがわかる。
【0047】
前記工程を繰り返すが、但し銅−亜鉛合金をめっきするときに、アルミナ20g/Lを実施例1で用いためっき液中に添加する。最後に得られた銅−亜鉛合金アルミナ層のSEMを図13に示した。表2にアルミナ10g/L及びアルミナ20g/Lで形成された銅−亜鉛合金アルミナ層の元素分析結果を示す。
【0048】
【表2】

【0049】
表2の結果からわかるように、めっき浴中のアルミナ含量が増加するとき、めっき層中のアルミナ含量もこれに伴って増加する。
【0050】
次いで、アルミナ20g/Lを用いて得られた銅−亜鉛合金アルミナが被覆されたステンレス濾過管を25mm内径の管型反応器内に配置し、空気を濾過管と反応器の管との間の領域に導入して、350℃温度下で2.5時間保持し、銅−亜鉛合金を銅−亜鉛酸化層(CuOZnO)に酸化する。最後に得られた金属触媒層をCu20A−1と称する。
【0051】
前記工程を繰り返すが、但し銅−亜鉛合金をめっきするときに、アルミナ20g/Lを実施例2で用いためっき液中に添加し、最後に得られた金属触媒層をCu20A−2と称する。
【実施例6】
【0052】
多成分触媒層
実施例5の工程を繰り返すが、但し銅−亜鉛合金をめっきするときに、アルミナ40g/Lを実施例1で用いためっき液中に添加し、最後に得られた金属触媒層をCu40A−1と称する。
【0053】
別に、実施例5の工程を繰り返すが、銅−亜鉛合金をめっきするときに、アルミナ40g/Lを実施例2で用いためっき液中に添加し、最後に得られた金属触媒層をCu40A−2と称する。
【実施例7】
【0054】
多成分触媒層
実施例5の工程を繰り返すが、但し銅−亜鉛合金をめっきするときに、酸化ジルコニウム20g/Lを実施例1で用いためっき液中に添加し、最後に得られた金属触媒層をCu20Z−1と称する。
【0055】
別に、実施例5の工程を繰り返すが、銅−亜鉛合金をめっきするときに、酸化ジルコニウム20g/Lを実施例2で用いためっき液中に添加し、最後得られた金属触媒層をCu20Z−2と称する。
【実施例8】
【0056】
多成分触媒層
実施例5の工程を繰り返すが、但し銅−亜鉛合金をめっきするときに、酸化ニオブ20g/Lを実施例1で用いためっき液中に添加し、最後に得られた金属触媒層をCu20N−1と称する。
【実施例9】
【0057】
蒸気再結合反応
実施例4〜8で得られた各種触媒層が被覆されたステンレス濾過管を図10(断面図)に示した中空管体81内に配置し、管型反応器を組み立て、材料をメタノールと水の混和物(メタノール/水=1.1)に換え、0.35cc/min、0.7cc/min又は1.7cc/minの速度で、即ち単位時間単位体積の空間流速(Volumetric Hourly Space Velocity,VHSV)4350hr-1、8700hr-1又は10600hr-1で、入口84から濾過管82と中空管体81との間の領域に通入して再結合反応を行い、反応温度を350℃に設定し、メタノール蒸気再結合を行った。出口83から得られた生成物は水素ガス(H2)、一酸化炭素(CO)、及び二酸化炭素(CO2)を含んでおり、表3に再結合反応の結果を示した。
【0058】
【表3】

【0059】
表3の結果からわかるように、本発明の触媒構造は確かに所望する反応を促進しており、構造上に備わった金属触媒層は確かに所望する効果を示した。また、金属触媒層中に好適な添加物を添加することにより、メタノール蒸気再結合反応に用いる金属触媒の機能を効果的に引き上げ、有毒物質COの選択率を低減させた。
【0060】
多孔触媒構造の多孔性によって本発明の触媒は高い比表面積を備えるため、さらに小さな体積下でも大きな反応面積を提供でき、触媒の小型化という効果が得られる。これは従来のハニカム触媒構造では達成できなかったことである。このように、本発明はその機能、大きさ及び伝導性等いずれにおいても顕著に改良され、業界での使用が可能である。
【0061】
前記実施例は例示的に本発明の原理及び効果を示したのみであり、本発明の技術特徴を説明したものではなく、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。本技術を熟知するものが、本発明の技術原理及び主旨を逸脱しない状況で、容易に完成し得る変更又は調節は、いずれも本発明が主張する範囲に属するものである。よって本発明の権利保護範囲は特許請求の範囲で示される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】多孔性ステンレス(PSS)濾過管の溶接工程後の表面の写真図である。
【図2】本発明の明細書の実施例で使用する電気めっき設備の概略図である。
【図3】銅−亜鉛合金めっき後のPSS濾過管の外観図である。
【図4】電気めっき処理しないPSS濾過管の表面のSEM(500倍拡大)図である。
【図5】銅−亜鉛合金電気めっき後のPSS濾過管表面のSEM(500倍拡大)図である。
【図6】図5のPSS濾過管の銅−亜鉛合金層のEDS分析結果を示しており、X軸はエネルギー準位(kev)、Y軸はエネルギー強度を示す。
【図7】XRDで得られた図5のPPS濾過管の銅−亜鉛合金層の元素分析結果を示しており、X軸は2倍入射角、Y軸は回析波強度を示す。
【図8】電気めっき処理しないPSS濾過管の金属環状部分の断面のSEM(500倍拡大)図である。
【図9】銅−亜鉛合金(Cu5Zn5相)をめっきしたPSS濾過管の金属環状部分の断面のSEM(500倍拡大)図である。
【図10】ガス流率測定装置の断面図である。
【図11】銅−亜鉛合金アルミナ(CuZnAl23)を複合めっきしたPSS濾過管表面のSEM(3500倍拡大、アルミナ濃度10g/L)図である。
【図12】図11のPPS濾過管の銅−亜鉛合金アルミナ層のEDS分析結果である。
【図13】銅−亜鉛合金アルミナ(CuZnAl23)を複合めっきしたPSS濾過管のSEM(1000倍拡大、アルミナ濃度20g/L)図である。
【符号の説明】
【0063】
21 回転柱状電極システム
22 電源供給器
23 回転柱状電極
24 ステンレス担体
25 正極(銅−亜鉛合金)
26 めっき液
27 多孔性気泡石
28 空気攪拌器
81 中空管体
82 ステンレス濾過管
821 ステンレス濾過管緻密部分
823 ステンレス濾過管多孔性部分
83 出口
84 入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性金属担体と、前記多孔性金属担体表面に配置される金属触媒層とを含む、比表面積の高い多孔性触媒構造。
【請求項2】
前記多孔性金属担体がステンレスである請求項1に記載の触媒構造。
【請求項3】
前記金属触媒層が、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、前記2以上の合金、前記金属又は合金の酸化物、及び前記の組合せからなる群より選択される触媒成分を含む請求項1又は2に記載の触媒構造。
【請求項4】
前記触媒成分が、金属合金、金属又は金属合金の酸化物、又は前記の組合せである請求項3に記載の触媒構造。
【請求項5】
前記触媒成分が、銅合金、銅含有酸化物、及び前記の組合せからなる群より選択される請求項3に記載の触媒構造。
【請求項6】
前記触媒成分が、銅−亜鉛合金、銅−亜鉛酸化物(CuOZnO)、及び前記の組合せからなる群より選択される請求項3に記載の触媒構造。
【請求項7】
前記触媒成分が金属又はその合金であるとき、前記金属触媒層が電気めっきにより前記多孔性金属担体の表面に形成される請求項3に記載の触媒構造。
【請求項8】
前記触媒成分が酸化物であるとき、前記金属触媒層が電気めっき及び後続の酸化工程により前記多孔性金属担体の表面に形成される請求項3に記載の触媒構造。
【請求項9】
前記金属触媒層がさらに、セラミック粉末、石墨、ポリテトラフルオロエチレン、金剛石、繊維、及び前記の組合せからなる群より選択される添加物を含む請求項1に記載の触媒構造。
【請求項10】
前記セラミック粉末が、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、及び前記の組合せからなる群より選択される請求項9に記載の触媒構造。
【請求項11】
前記添加物が、前記金属触媒層の全体量に対して10〜40重量%含有される請求項9に記載の触媒構造。
【請求項12】
前記添加物が、前記金属触媒層の全体量に対して15〜25重量%含有される請求項11に記載の触媒構造。
【請求項13】
前記多孔性金属担体と前記金属触媒層との間に配置される被膜をさらに含む請求項1に記載の触媒構造。
【請求項14】
前記被膜が、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、前記の合金、及び前記の組合せからなる群より選択される材料を含む請求項13に記載の触媒構造。
【請求項15】
前記被膜の厚みが0.2〜1μmである請求項13に記載の触媒構造。
【請求項16】
前記金属触媒層の厚みが0.5〜20μmである請求項1に記載の触媒構造。
【請求項17】
前記金属触媒層の厚みが0.5〜5μmである請求項16に記載の触媒構造。
【請求項18】
多孔性金属担体を提供する工程と、前記多孔性金属担体の表面に金属触媒層を電気めっきする工程とを含む、比表面積の高い多孔性触媒構造の製造方法。
【請求項19】
前記多孔性金属担体がステンレス担体であり、かつ前記電気めっき工程が前記ステンレス担体の表面に金属触媒層を電気めっきすることを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電気めっき工程が、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、及びパラジウム(Pd)からなる群より選択される1以上の金属を含む電気めっき液を使用する請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記電気めっき工程が、2以上の金属を含む電気めっき液を使用する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電気めっき工程が、銅及び亜鉛を含む電気めっき液を使用する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記電気めっき工程が、酒石酸塩を含む電気めっき液を使用する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記電気めっき工程が、セラミック粉末、石墨、ポリテトラフルオロエチレン、金剛石、繊維、及び前記の組合せからなる群より選択される添加物を含む電気めっき液を使用する請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記セラミック粉末が、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化チタン、及び前記の組合せからなる群より選択される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記電気めっき工程の後に、前記金属触媒層を酸化させるための酸化工程をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記電気めっき工程の前に、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、前記の合金、及び前記の組合せからなる群より選択される材料からなる被膜を、前記多孔性金属担体上に先に形成する請求項18に記載の方法。

【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−296212(P2008−296212A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139310(P2008−139310)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(507321266)碧▲気▼科技開發股▲分▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】