説明

多孔質ガラス母材の製造方法

【課題】酸水素火炎バーナの火炎を乱さずに、割れることのない高品質な多孔質ガラス母材を製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス原料を酸水素火炎バーナ17から噴出させて容器15の内部15aで火炎加水分解し、生成される多孔質ガラス11を出発部材13に堆積させる多孔質ガラス母材11の製造方法において、酸水素火炎バーナ17に供給するガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガス、及びシールガスの総量が、多孔質ガラス堆積中に一定となるようにシールガスの流量を制御し、容器15の内部15aの圧力が一定の負圧となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス原料を酸水素火炎バーナから噴出させて反応容器内で火炎加水分解し、生成される多孔質ガラスを出発部材に堆積させる多孔質ガラス母材の製造方法に関し、特に反応容器内の圧力の変動を抑制し、かつ製品歩留まりの向上が図れる多孔質ガラス母材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
VAD法によるシリカ多孔質ガラス母材を製造する方法として、気体のガラス原料、水素ガス、酸素ガス及び不活性ガスをバーナに供給し、反応容器内で火炎加水分解反応させてシリカ微粒子を生成し、このシリカ微粒子を石英製等の出発部材に付着、堆積させるシリカ多孔質ガラス母材の製造方法が知られている。この製造方法では、気体のガラス原料の火炎加水分解反応において、水、塩化水素、未反応のガラス原料、その他窒素等からなる未付着シリカ微粒子を含んだ高温ガスが生じるため、シリカ多孔質ガラス母材が外部と隔離された反応容器の内部で製造される。反応容器の内部では火炎加水分解反応にて高温の排気ガスが生じるが、この排気ガスを排気する方法が、シリカ多孔質ガラス母材の物性及び生産性に大きな影響を与える。
【0003】
例えば特許文献1に開示されるシリカ多孔質母材の製造方法は、容器の内部に二次ガス(クリーンエア)を送入し、火炎加水分解の際に発生する排気ガスを排気する。この製造方法では、バーナに供給する総ガス流量の標準状態換算で7.5〜15倍の排気ガス流量を一定量排気することにより、排気ガス流量が小さい場合のシリカ微粒子の再付着による母材側面の亀裂や、排気ガス流量が大きい場合の火炎の乱れに起因する瞬間的な母材温度変化による亀裂・剥離を抑制し、シリカ多孔質母材の製造における合成の再現性や安定性及び合成収率の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−155630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、多孔質ガラス母材の製造中には割れの生じる問題が依然課題としてある。すなわち、上記製造方法のように、排気ガスを一定量で排気することはある程度の効果は期待できるものの、排気量の調整時に生じる流量変動や、その際の排気に伴うクリーンエア導入量の変動により、バーナ火炎が乱れるためである。
また、多孔質ガラス堆積時には、ガラス原料が外部に漏洩しないよう、容器の内部を負圧に保つことが必要であるが、一方でバーナに供給する原料・酸水素の流量は、ガラス母材の母材径の成長に応じて増量させる必要がある。このため、クリーンエア、排気圧の条件を堆積中一定とするならば、初期の圧力は負圧度の高い状態になってしましい、負圧が高すぎると装置内に外気が混入しやすくなり、ダストが付着し、不良部となる頻度が増大する。この場合の対策として、上記製造方法のように、装置の内部に入れるクリーンエアの流量を制御することで圧力を一定にすることも可能であるが、クリーンエアの流量を変えると、バーナ火炎の乱れが生じやすくなる。また、エア流量を多くすると多孔質ガラス母材が冷やされることになり、母材の割れが生じる虞もある。その一方で、排気量の調整に応じクリーンエアの流量制御を厳密に行うことは困難であり、設備コストも増大する。また、温度変化による母材の割れ対策としてクリーンエアの温度管理を行えば、更に設備コストが嵩むこととなる。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、酸水素火炎バーナの火炎を乱さずに、割れることのない高品質な多孔質ガラス母材を製造し、低コストで製品歩留まりの良い多孔質ガラス母材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) ガラス原料を酸水素火炎バーナから噴出させて容器の内部で火炎加水分解し、生成される多孔質ガラスを出発部材に堆積させる多孔質ガラス母材の製造方法において、前記酸水素火炎バーナに供給するガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガス、及びシールガスの総量が、多孔質ガラス堆積中に一定となるように前記シールガスの流量を制御し、前記容器の内部の圧力が一定の負圧になるようにすることを特徴とする多孔質ガラス母材の製造方法。
【0008】
この多孔質ガラス母材の製造方法によれば、製造初期からの原料ガスの増加に伴い、バーナ内に流す不活性ガス、または窒素ガスであるシールガスを減少させることにより、容器の内部の圧力を一定に保つことができる。従来のように容器の内部に入れるクリーンエアの流量を制御するものではないので、火炎の乱れ(クリーンエアの流量変動に伴う条件の変化)を生じることも無い。また、従来のように、クリーンエアの給気や、排気に調整機能を付加する必要がないので、設備コストを下げることも可能となる。
【0009】
(2) (1)に記載の多孔質ガラス母材の製造方法において、
前記酸水素火炎バーナとして多重管バーナを用い、前記多重管バーナの複数の層から前記シールガスを流し、前記多孔質ガラス堆積中の、前記多重管バーナの外側の層における前記シールガスの流量の変化を、前記多重管バーナの内側の層の前記シールガスの流量の変化より大きくすることを特徴とする多孔質ガラス母材の製造方法。
【0010】
この多孔質ガラス母材の製造方法によれば、多孔質ガラス製造中の多重管バーナにおけるシールガス流量を、外側の層ほど変化させることにより、母材の割れをより防止できる。これは、内側のシールガスの流速を抑制することで、堆積に重要となる中心の火炎温度を低下させずに済み、品質に影響を及ぼすことなくシールガスを増量することができるためである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る多孔質ガラス母材の製造方法によれば、酸水素火炎バーナに供給するシールガス流量で反応容器の内部圧力を調整するので、クリーンエアの条件を変えずに、内圧を一定に保つことができ、酸水素火炎バーナの火炎を乱さず、低コストで、割れの生じない高品質な多孔質ガラス母材を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る製造方法を実施する多孔質ガラス母材の製造装置を概念的に表した側面図である。
【図2】本発明に係る製造方法を実施する酸水素火炎バーナの一例の正面図である。
【図3】比較例における原料ガス流量とシールガス流量と装置内外差圧との相関を表したグラフで、(A)は比較例1を、(B)は比較例2を示す。
【図4】実施例における原料ガス流量とシールガス流量と装置内外差圧との相関を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る製造方法を実施する多孔質ガラス母材の製造装置を概念的に表した側面図である。
多孔質ガラス母材11の製造装置100は、回転する出発部材13を収容する反応容器15と、ガラス原料ガスと、可燃性ガス及び助燃性ガスと、から火炎加水分解反応により生成するガラス微粒子を出発部材13に向けて噴き付ける酸水素火炎バーナ17と、出発部材13を昇降させる不図示の昇降手段と、反応容器15の中に清浄化ガスであるクリーンエア19を供給するためのクリーンエア供給装置(クリーンエアジェネレータ)21とを備えている。
【0014】
反応容器15の上壁には不図示の貫通穴が設けられており、出発部材13がこの貫通穴を上下方向に挿通するように配置される。出発部材13は、上端が回転チャック23に把持されて回転されるとともに、昇降手段により上下に昇降するようになっている。出発部材13を回転させながらその軸方向に沿って引き上げることにより、出発部材13にガラス微粒子を軸方向に堆積させて多孔質ガラス母材11を製造するようにしている。すなわち、多孔質ガラス母材11の製造装置100は、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法により多孔質ガラス母材11を製造する装置構成となっている。
【0015】
反応容器15には出発部材13を挟んで、クリーンエア19の給気口25と反対側に、排気口27が設けられている。排気口27には不図示の排気ラインが接続され、排気ラインは容器内壁へのスス付着を防ぐために、給気口25よりエアを効率よく排気するよう構成されている。本実施の形態では、クリーンエア供給装置21から供給されるクリーンエア19の供給量は一定である。また、排気口27を介して排気ラインから排気される排気量も一定である。
【0016】
酸水素火炎バーナ17は、多孔質ガラス母材の製造に使用するもので、H2ガスを可燃性ガスとし、O2ガスを助燃性ガスとし、N2ガス、又はArガスなどの不活性ガスをキャリアガス又はシールガスとして、SiCl4、ドープ剤としてのGeCl4などの各種の原料ガスによる火炎の加水分解反応により生じたガラス微粒子を、堆積基準点に設置した出発部材13に向けて噴出・堆積させる。
【0017】
図2は本発明に係る製造方法を実施する酸水素火炎バーナの一例(8重管)の正面図である。
この酸水素火炎バーナ17は、各種の原料ガス用に複数のガス導入路17a〜71hを備えたバーナ本体と、バーナ本体の各ガス導入路17a〜17hに接続される不図示の複数個のガス供給用枝管とを備えている。バーナ本体は、径の異なる複数本の石英管29,31,33,35,37,39,41,43の相互を同心状に嵌合配置すると共に、隣接する石英管同士は内側石英管の外周に外側石英管の基端部を溶接することで、同心状多重管構造に形成されている。
【0018】
多重管バーナは、同心状多重管構造を成したバーナ本体の先端に、複数種の原料ガスによる火炎を形成する。図2の例では、第1の火炎を形成する内側3本の石英管29,31,33が、第2の火炎を形成する外側5本の石英管35,37,39,41,43の先端より後退した8重管2重火炎バーナを構成している。
なお、多重管バーナは、上記の8重管2重火炎バーナに限らず、3重火炎となる12重管バーナや4重火炎となる16重管バーナなど、他の多重管バーナとすることもできる。
【0019】
各ガス導入路17a〜17hに接続される不図示のガス供給用枝管には、不図示のガス供給装置が接続され、ガス供給装置は各ガス導入路17a〜17hに供給するガスの供給量を高精度に調整可能としている。本実施の形態の一例としては、ガス導入路17aにはSiCl4及びH2が供給され、17bにはH2が供給され、17cにはN2(又はAr)が供給され、17dにはO2が供給され、17eにはN2(又はAr)が供給され、17fにはH2が供給され、17gにはN2(又はAr)が供給され、17hにはO2が供給される。本製造装置100の構成では、ガス導入路17c,17e,17gに供給されるシールガスであるN2(又はAr)の供給量も高精度に調整できるようになされている。
【0020】
製造装置100では、酸水素火炎バーナ17に供給する原料・酸水素の流量が、多孔質ガラス母材11の母材径が初期に比べ増大するため増量される。一方、シールガスの流量は、この原料・酸水素の増量分だけ、減量制御されるようになされている。
【0021】
また、酸水素火炎バーナ17の複数の層(ガス導入路17c,17e,17g)から流されるシールガスは、多孔質ガラス母材11の母材径の成長に応じて、外側の層17gにおけるシールガスの流量の変化を、内側の層17c,17eのシールガスの流量の変化より大きくすることが望ましい。
【0022】
次に、上記構成の製造装置100による多孔質ガラス母材の製造方法について説明する。
多孔質ガラス母材11の製造では、ガラス原料を酸水素火炎バーナ17から噴出させ、反応容器15の内部で火炎加水分解し、生成される多孔質ガラスを出発部材13に堆積させて多孔質ガラス母材11を製造する。本発明は、この製造時に、酸水素火炎バーナ17に供給するガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガス、及びシールガスの総量が、多孔質ガラス堆積中に一定となるように、シールガスの流量を制御し、反応容器15の内部の圧力が一定の負圧となる構成を有している。
【0023】
本実施の形態では、クリーンエア19の供給量は上述したように一定である。一方、酸水素火炎バーナ17に供給する原料・酸水素の流量は、多孔質ガラス母材11の母材径の成長に応じて増量される。すなわち、製造装置100では、原料・酸水素の流量が増量されるに伴って、シールガスの流量が徐々に減量制御されるようになされている。したがって、クリーンエア、排気圧の条件を堆積中一定とし、原料・酸水素の増量によって生じようとする圧力の変動分は、シールガスの流量制御(減量)によってキャンセルされることになる。その結果、堆積開始から堆積中、堆積終了までの製造工程の間、反応容器15の内部15aと外部の差圧が一定に維持されるように運転がなされる。
【0024】
また、酸水素火炎バーナ17の複数の層から流されるシールガスは、外側の層17gの流量の変化が、内側の層17c,17eの流量の変化より大きくなるように流量制御される。これにより、内側のシールガスの流速を抑制でき、堆積に重要となる中心の火炎温度を低下させずに済み、品質に影響を及ぼすことなくシールガスを増量することができるようになされている。
【0025】
このように、本製造方法では、製造初期からの原料ガスの増加に伴い、シールガスを減少させることにより、反応容器15の内部15aの圧力を一定に保つことができる。従来のように反応容器15の内部に入れるクリーンエアの流量を制御するものではないので、火炎の乱れ(クリーンエアの流量変動に伴う条件の変化)を生じることも無い。また、従来のように、クリーンエアの給気や、排気に調整機能を付加する必要がないので、設備コストを下げることも可能となる。また、多孔質ガラス製造中の多重管バーナにおけるシールガス流量を、外側の層ほど変化させることにより、より火炎を安定にでき、母材の割れをより防止できる。
【0026】
したがって、本実施の形態による多孔質ガラス母材11の製造方法によれば、酸水素火炎バーナ17に供給するシールガス流量で反応容器15の内部15aの圧力を調整するので、クリーンエアの条件を変えずに、内圧を一定に保つことができ、酸水素火炎バーナ17の火炎を乱さず、割れの生じない高品質な多孔質ガラス母材11を製造できる。
【0027】
また、シールガスを製造初期で増量するので、従来方法に比べ、製造初期に必要以上の負圧となることを回避でき、外気流入の虞を低減させ、これによっても、割れの生じない高品質な多孔質ガラス母材11が製造できるようになる。
【実施例】
【0028】
次に、上記した実施の形態と同様の構成にて実際に多孔質ガラス母材を製造した実施例と、従前どおりシールガスの供給量を一定として実際に多孔質ガラス母材を製造した比較例と、を評価した結果を説明する。
図3(A)は比較例1における原料ガス流量とシールガス流量と装置内外差圧との相関を表したグラフ、図3(B)は比較例2における原料ガス流量とシールガス流量と装置内外差圧との相関を表したグラフ、図4は実施例1,実施例2における原料ガス流量とシールガス流量と装置内外差圧との相関を表したグラフである。
図3(A),3(B)に示すように、比較例1,比較例2は、シールガスであるArガスの供給量を一定とした。原料・酸水素の流量は、開始から時間tまで徐々に増量し、その後一定とした。図3(A)の比較例1では、徐々に原料・酸水素の流量を増量しているので、装置内外圧力差は開始から時間tまで徐々に小さくなり、その後一定となった。図3(B)の比較例2では、原料・酸水素の流量が増量するのに対してクリーンエアの量を調節しているので、開始から終了まで装置内外圧力差が一定となった。
【0029】
図4に示すように、実施例1,実施例2は、シールガスであるArガスの供給量を、原料・酸水素の流量増加分をキャンセルするように開始時から時間tまで徐々に減量し、その後一定とした。原料・酸水素の流量は、開始から時間tまで徐々に増量し、その後一定とした。装置内外圧力差は、開始から終了まで一定となった。
【0030】
比較例1,比較例2,実施例1,実施例2において、製造開始から製造終了までの原料・酸水素ガスの各流量、3,5層目のArガスの流量、7層目のArガスの流量、全ガスの合計流量、原料・酸水素ガスの合計流量、Arガスの合計流量、装置内外圧力差を表1,表2,表3,表4に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
上記表1〜4の条件により製造した比較例と実施例による各々N=100本の多孔質ガラス母材において、内部異常点の個数と、多孔質ガラス母材の割れ発生率とを調べた。その結果を表5に示す。
【0036】
【表5】

【0037】
比較例1
酸水素火炎バーナに供給するシールガスを一定流量とした場合、製造初期に相当する多孔質ガラス母材の内部に異常点が多く発生した。
比較例2
多孔質ガラス母材の製造初期に製造装置内に供給するクリーンエアの量を増やしたところ、製造装置内の圧力の変動を抑制することはできたが、多孔質ガラス母材が冷やされることによると思われる多孔質ガラス母材の割れる頻度が1.5%に増加した。
【0038】
実施例1
酸水素火炎バーナに供給する原料、水素、シールガスの総量が製造中に一定となるように、シールガスの流量を制御して製造装置内の圧力を維持したところ、製造初期で異常点が多い問題が解消した。
実施例2
酸水素火炎バーナに供給する原料、水素、シールガスの総量が製造中に一定となるようにシールガスの流量を制御して製造装置内の圧力を維持する際、バーナの外側ほどシールガスの流量の変化が大きくなるようにしたところ、製造初期で異常点が多い問題が解消し、製造中に多孔質ガラス母材が割れる頻度が0.5%に改善した。
【0039】
なお、上記の実施の形態では、VAD法により多孔質ガラス母材を製造する方法を対象として説明したが、本発明に係る製造方法は、ガラス微粒子合成用バーナと、軸回りに回転する棒状の出発材とを相対的に往復移動させて出発材にガラス微粒子を堆積させるOVD法や、複数本のガラス微粒子合成用バーナで構成されたバーナ列と、軸回りに回転する棒状の出発材とを相対的に往復移動させ、各バーナで合成されたガラス微粒子をそれぞれ出発部材の長さ方向の一部を覆うように堆積させ、かつ隣合うバーナにてガラス微粒子を堆積させた範囲が連続して一つのガラス微粒子堆積体を形成する多孔質ガラス母材の製造方法(MMD法;多バーナ多層付け法)においても同様に採用することができるものである。
【符号の説明】
【0040】
11 多孔質ガラス母材
13 出発部材
15 反応容器
15a 内部
17 酸水素火炎バーナ
29,31,33,35,37,39,41,43 管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス原料を酸水素火炎バーナから噴出させて容器の内部で火炎加水分解し、生成される多孔質ガラスを出発部材に堆積させる多孔質ガラス母材の製造方法において、
前記酸水素火炎バーナに供給するガラス原料ガス、可燃性ガス、助燃性ガス、及びシールガスの総量が、多孔質ガラス堆積中に一定となるように前記シールガスの流量を制御し、前記容器の内部の圧力が一定の負圧になるようにすることを特徴とする多孔質ガラス母材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多孔質ガラス母材の製造方法において、
前記酸水素火炎バーナとして多重管バーナを用い、前記多重管バーナの複数の層から前記シールガスを流し、前記多孔質ガラス堆積中の、前記多重管バーナの外側の層における前記シールガスの流量の変化を、前記多重管バーナの内側の層の前記シールガスの流量の変化より大きくすることを特徴とする多孔質ガラス母材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−41227(P2012−41227A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183091(P2010−183091)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】