多孔質担体を押出すためのシステム
押出工程を使用して非常に多孔性の担体を生産するための押出可能な混合物を提供する。さらに詳細には、本発明は、有機、無機、ガラス、セラミックまたは金属繊維のような繊維を、押出して硬化させるときに、非常に多孔性の担体を形成するマスに混合できる。特定の混合物によって、本発明は、約60%から約90%までの担体気孔率を可能にし、そして同様に、他の気孔率で加工利点を可能にする。押出可能な混合物は、広範多様な繊維および添加剤を使用でき、そして広範多様な稼働環境や用途に適合できる。担体要件によって、1より大きなアスペクト比を示す繊維を選択し、そしてバインダー、気孔形成成分、押出助剤、および流動体と混合して、均質で押出可能なマスを形成する。均質なマスを、生素地の担体に押出す。多くの揮発性の材料を、生素地の担体から優先的に除去し、そしてそれは、繊維に相互連結および接触をさせる。硬化工程が継続すると、繊維対繊維の結合を形成して、実質的に開気孔ネットワークを有する構造を生じる。得られた多孔質担体は、多くの用途で、例えば、濾材または触媒ホスト用の担体、または触媒コンバータとして有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年11月16日に出願され、そして「多孔質担体を押出すためのシステム」と題される米国特許仮出願番号第60/737,237号に;2005年12月30日に出願され、そして「多孔性ブロックを形成するための押出可能な混合物」と題される米国特許出願番号第11/323,430号に;2005年12月30日に出願され、そして「多孔質担体を押出す工程」と題される米国特許出願番号第11/322,777号に;および2005年12月30日に出願され、そして「押出多孔質担体およびそれを使用した製品」と題される米国特許出願番号第11/323,429号に対する優先権を主張し、そしてその全ては、全体にここに組込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、多孔質担体を押出すための押出工程、および1つの特定の手段では、多孔性セラミック担体を押出すための押出工程に関する。多くの工程は、種々の加工を促進および支持するための剛性担体を必要とする。例えば、担体は、粒子物を濾過し、様々の物質を分離するか、または空中から細菌または病原体を除去するための濾過用途で使用される。
【0003】
これらの担体を、空中で操作し、気体または液体を排出するように構築でき、そして実質的な環境または化学的ストレスに耐えるように製造できる。別の例では、化学反応を促進するために、触媒材料を担体に析出させる。例えば、貴金属を適切な担体に析出させ、そしてその後、その担体は、危険な排出ガスを有害性の低いガスに触媒で変換するように作用しうる。特に、これらの高気孔率を示す剛性担体は、いっそう有効に稼働する。
【0004】
気孔率は、一般に、開空間で占められるその材料の総体積の百分率を定義する固形材料の特性として定義される。例えば、50%気孔率を示す担体は、開空間で占められる担体の半分の体積を示す。この点で、高気孔率を示す担体は、低気孔率を示す担体より体積当たりの質量が少ない。ある種の用途は、低質量の担体から利益を得る。例えば、担体は、触媒工程を支持するために使用され、そして触媒工程は、高温で稼働する場合、低い熱量を示す担体は、その稼働温度までいっそう素早く加熱する。この点で、触媒が、稼働温度まで加熱される時間、すなわち、消灯時間は、さらに多孔性で、熱的に低い大きな担体を使用することによって減じられる。
【0005】
担体、特に濾過および触媒担体にとって、透過性も重要な特徴である。透過性は、透過性がどのように容易に液体または気体のような流動体が担体中を流れうるかの基準であるという点で気孔率に関連がある。ほとんどの用途は、高い透過性担体から利益を得る。例えば、内燃機関は、後処理フィルターが、そのエンジンに低い背圧を供するときにいっそう効果的に稼働する。低い背圧は、いっそう高い透過性担体を使用することによって作り出される。透過性は、気孔率より測定することがいっそう難しいので、気孔率は、しばしば、担体の透過性に対する代替的指針として使用される。しかし、その気孔が全般的に空いて相互に繋がっていない場合には、担体が非常に多孔性でありうるが、それでもなお透過性が限定されているので、これは、特に厳密な特徴ではない。例えば、スタイロフォームの飲料カップは、非常に多孔性の発泡体材料から形成されるが、しかし液体の流れには透過性がない。したがって、気孔率と透過性の重要性を考慮する上で、担体の気孔構造も調べるべきである。スタイロフォームのカップの例では、スタイロフォーム材料は、閉気孔ネットワークを有する。これは、その発泡体が多くの繋がりのないおよび/または閉鎖末端の気孔を含むことを意味する。
【0006】
この点で、その発泡体内に多くの空隙および開空間があるが、しかしその気孔は繋がってないので、流動体または気体は、発泡体の一方の側から他方に流れることができない。多くの径路(チャネル)が互いに繋がり始めると、それにより流動体路は、一方から他方まで形成し始める。このような場合には、その材料は、さらに多くの開気孔ネットワークを有するようである。その材料じゅうに形成される連結路が多いほど、その物質についての透過性も高くなる。各気孔が少なくとも1つの他の径路に繋がっており、そして全気孔は、流動体の流れが材料から形成された壁の全厚みを通過するのを許す場合、担体は、完全に開放された気孔ネットワークを有すると定義される。セルと気孔の間の差に注目することが重要である。セルは、ハニカム担体を貫通する(一般に互いに平行であるが、必然的ではない)径路と称される。しばしば、ハニカム担体は、その担体が平方インチ当たりにどれだけのセルを有するかの状況の下に当てはまる。例えば、平方インチ当たり200セルを有する担体は、その担体の主軸に沿って200径路を有する。他方では、気孔は、2つの平行な径路またはセルを隔てる壁を構築する材料中のような、材料それ自身の内側の間隙に該当する。完全に、またはほとんど開放された気孔ネットワーク担体は、濾過または触媒産業では知られていない。その代わりに、最も多孔性の利用可能な押出担体でさえ、開気孔と閉気孔の気孔率のハイブリッドである。
【0007】
したがって、担体が、高い気孔率で、そして同様に高い透過性を可能にする内部気孔構造で形成されることが多くの用途にとって非常に望ましい。さらに、特定の用途に関する構造および環境上の要件を支持するのに十分に剛性の構造を有する担体を形成すべきである。例えば、内燃機関に密着させる予定である濾材または触媒コンバータは、ありそうな環境的ショック、熱要件や製造および使用応力に耐えることができなければならない。最終的に、担体は、広範囲に及ぶ用途に対処するのに十分に低い費用で生産される必要がある。例えば、自動車からの世界中の汚染のレベルに影響を及ぼすために、濾過担体は、先進国並びに発展途上国で手ごろで、そして利用可能でなければならない。したがって、濾材や触媒コンバータ担体に対する総体的費用構造は、担体の設計や選択工程における実質的な配慮である。
【0008】
押出は、一定の断面の剛性担体を製造するのに有効でそして費用効率の高い方法であることを立証した。さらに詳細には、セラミック粉末材料の押出は、内燃機関用の濾材や触媒担体を製造する最も広範に使用された方法である。何年もかけて、粉末セラミックを押出す方法は、60%に近づく気孔率を示す担体を押出しうるように進展した。これらの押出多孔質担体は、優れた強度特徴を示し、柔軟に製造でき、拡張して製造でき、高品質水準を維持し、そして非常に費用効率が高い。しかし、粉末セラミック材料の押出は、特定の上限の気孔率を達成し、そして気孔率におけるさらなる増大は、受け入れ難く低い強度を生じそうである。例えば、気孔率が、60%を越えて増大された場合、押出セラミック粉末担体は、ディーゼルエンジン用微粒子群フィルターの過酷な環境で稼働させるほど十分に強力であることを立証していない。既知押出工程の別の制限では、より十分な触媒変換に対処する担体における表面積を増大させることが望まれてきた。表面積を増大させるために、押出セラミック粉末担体は、セル密度を増大させようとしたが、しかしセル密度における増大は、エンジンに対して受入れ難い背圧を生じた。したがって、押出セラミック粉末担体は、非常に高い気孔率で十分な強度を示さず、さらに、表面積が増大される必要があるときに、受け入れ難い背圧を生じる。したがって、セラミック粉末の押出は、それの特定の利用性限度に達したように見える。
【0009】
高い気孔率を得るための努力で、濾材供給者は、ひだ付セラミック紙に移行しようと試みてきた。このようなひだ付セラミック紙を使用して、非常に低い背圧を示す約80%の気孔率が可能である。このような低い背圧で、これらの濾材は、極度に低い背圧が必要である掘削のような用途で使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、ひだ付セラミック紙濾材の使用は、散発的であり、そして広く採用されはしなかった。例えば、ひだ付セラミック紙は、過酷な環境で有効には使用されなかった。ひだ付セラミック紙を製造すると、比較的弱いセラミック紙構造を造り出す製紙工程の使用を必要とし、そして押出濾材と比較して費用効率がよいように見えない。さらに、ひだ付セラミック紙の形成は、セル形状や密度においてほとんど柔軟性を許さない。例えば、大きな入口径路や小さな出口径路を有する紙製ひだ付濾材を造り出すことは困難であり、そしてそれは、ある種の濾過用途では望ましいかもしれない。したがって、ひだ付セラミック紙の使用は、高い気孔率濾材や触媒担体についての要件を満足させなかった。
【0011】
気孔率を増大させ、そしてひだ付紙の欠点を避ける努力の別の例では、セラミック前駆体を有するマスを形成し、そして多孔性パターンで単結晶ウィスカーを成長させるために、そのマスを注意深く加工することによって、担体を構築する者もいた。しかし、これらの結晶を現場で成長させることは、硬化工程の注意深くて正確な制御を必要として、その工程を計測するのが困難になり、比較的高価で、そして欠陥を生じる傾向にある。さらに、この困難な方法は、気孔率にさらに数パーセントを与えるのみである。最終的に、その工程は、ムライト型結晶ウィスカーを成長させるだけで、そしてそれは、その担体の利用性を限定する。例えば、ムライトは、大きな係数の熱膨張を示すことが知られ、そしてそれは、広範な稼働温度帯と鋭敏な温度移行を必要とする多くの用途で、結晶質ムライトウィスカーを望ましくなくする。
【0012】
したがって、当業界は、高い気孔率および関連した高透過性を示す剛性担体を必要とする。好ましくは、担体は、非常に望ましい開放セルネットワークとして形成され、製造するのに費用効率がよく、そして柔軟な物理的、化学的、そして反応特性で製造されうる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔には、本発明は、押出工程を使用して、非常に多孔性の担体を生産するための押出可能な混合物を提供する。さらに詳細には、本発明は、有機、無機、ガラス、セラミックまたは金属繊維のような繊維を、押出して硬化させるときに、非常に多孔性の担体を形成するマスに混合できる。特定の混合物によって、本発明は、約60%から約90%までの担体気孔率を可能にし、そして同様に、他の気孔率で加工利点を可能にする。押出可能な混合物は、広範多様な繊維および添加剤を使用でき、そして広範多様な稼働環境や用途に適合できる。担体要件によって、1より大きなアスペクト比を示す繊維を選択し、そしてバインダー、気孔形成成分、押出助剤、および流動体と混合して、均質で押出可能なマスを形成する。均質なマスを、生素地の担体に押出して、多くの揮発性の材料を、生素地の担体から優先的に除去し、そしてそれは、繊維に相互連結および接触をさせる。硬化工程が継続すると、繊維対繊維の結合を形成して、実質的に開気孔ネットワークを有する構造を生じる。得られた多孔質担体は、多くの用途で、例えば、濾材または触媒ホスト用の担体、または触媒コンバータとして有用である。
【0014】
さらに特定の例では、さらに典型的には、約3から約500までの範囲内にあるが、約3と約1000の間のアスペクト比分布を示すセラミック繊維を選択する。アスペクト比は、繊維の直径によって割られる繊維の長さの比である。セラミック繊維を、均質なマスに、バインダー、気孔形成成分、および流動体と混合する。せん断混合工程を使用して、マス中に繊維を均等に、さらに十分に分配させる。セラミック材料は、マスの約8重量%から約40重量%までであり得て、そしてそれは、約92%と約60%の間の気孔率を示す担体を生じる。均質なマスを、押出して、生素地の担体にする。バインダー材料を、その生素地の担体から除去し、そしてそれは、繊維を重複させ、そして接触させうる。硬化工程を継続すると、繊維対繊維の結合を形成して、剛性の開放セルネットワークを生じる。この説明で使用される場合、「硬化」は、2つの重要な工程段階を含むと定義される。1)バインダー除去、および2)結合形成。バインダー除去工程は、水を除去し、ほとんどの添加剤を除去し、そして繊維対繊維の接触を可能にする。得られた多孔質担体は、多くの用途に、例えば、濾材または触媒コンバータ用の担体として有用である。
【0015】
別の特定の例では、気孔形成成分の使用なしに、多孔質担体を生成しうる。この場合には、セラミック材料は、マスの約40体積%から約60体積%またはそれより多くであり得て、そしてそれは、約60%と約40%の間の気孔率を示す担体を生じる。気孔形成成分を使用しないので、押出工程を簡素化し、そしていっそう費用効率が上がる。さらに、得られた構造は、非常に望ましく、実質的に開放された気孔ネットワークである。
【0016】
有利には、開示された繊維押出システムは、高い気孔率を示し、そして関連した高透過性を可能にする開気孔ネットワークを有し、並びに用途の必要性によって十分な強度を示す担体を生産する。繊維押出システムは、得られた濾材および触媒コンバータの広範な使用を可能にする十分な費用効率の良さを示す担体も生産する。押出システムは、大量生産に容易に拡張でき、そして多数の用途を支持するために柔軟な化学および構造に対処する。本発明は、押出可能な混合物中に繊維材料の先駆的使用をなす。この繊維状押出可能な混合物は、拡張可能な生産で、そして費用効率の良い手段で、非常に高い気孔率を示す担体の押出しを可能にする。繊維を、反復可能で、そして確固とした押出工程で使用することを可能にすることによって、本発明は、世界中で、広い用途の濾材および触媒担体の大量生産を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明の解釈から明らかになり、そして付随の請求項で特に指摘されるその手段と組合せの手段により認識されうる。
【0018】
本発明の実施例の詳細な説明をここに提供する。しかし、本発明は、種々の形態で例示されうると解釈すべきである。したがって、ここに開示される特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、むしろ当業者に、実際上いずれの詳細なシステム、構造または手段で本発明をどのように使用するかを教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0019】
ここで図1に関して、多孔質担体を押出すためのシステムを例示する。一般に、システム10は、最終的に高い多孔質担体製品に硬化されうる生素地の担体を押出す押出工程を使用する。システム10は、高い気孔率を示し、関連した高透過性を可能にする実質的に開気孔のネットワークを有し、並びに用途必要性によって十分な強度を有する担体を有利に生産する。システム10は、得られる濾材や触媒コンバータの広範な使用を可能にするのに十分に費用効率の良い担体も生産する。システム10は、容易に大量生産に拡張可能であり、そして多数の用途を支持する柔軟な化学および構築に対処する。
【0020】
システム10は、非常に柔軟な押出工程を可能にし、そしてそのため、広範な特定の用途に適応できる。システム10を使用するときに、担体設計者は、最初に、担体に関する要件を確立する。これらの要件は、例えば、サイズ、流動体透過性、所望の気孔率、気孔サイズ、機械的強度や衝撃特性、熱安定性、および化学反応限度を含みうる。これらおよび他の要件によって、設計者は、押出可能な混合物を形成する際に使用する材料を選択する。重要なのは、システム10が、押出担体の形成の際に繊維12の使用を可能にする。これらの繊維は、例えば、セラミック繊維、有機繊維、無機繊維、重合体繊維、オキシド繊維、ガラス質繊維、ガラス繊維、非晶質繊維、結晶質繊維、非オシキド繊維、カーバイド繊維、金属繊維、他の無機繊維構造、またはこれらの組合せでありうる。しかし、分かりやすい説明のために、他の繊維を使用しうることが予測されるが、セラミック繊維の使用が説明されている。さらに、他の使用が考慮され、そして本教示の範囲内にあるが、担体は、しばしば、濾材担体または触媒担体とみなされる。設計者は、用途の特定の必要性に基づいて特定の型の繊維を選択する。例えば、ムライト繊維、アルミニウムシリケート繊維、または他の一般に利用可能なセラミック繊維材料として、セラミック繊維を選択しうる。繊維は、特に、繊維を利用可能な長さに切断するために加工14されることを必要とし、そしてそれは、繊維を添加剤と混合する前に、細断加工を含みうる。さらに、押出工程での種々の混合および成形段階は、さらに繊維を切断する。
【0021】
特定の要件によって、添加剤16を添加する。これらの添加剤16は、バインダー、分散剤、気孔形成成分、可塑剤、加工助剤、および強化材料を含みうる。さらに、一般には水である流動体18を、添加剤16および繊維12と合わせる。繊維、添加剤および流動体を、押出可能なレオロジーまで混合する21。この混合は、乾式混合、湿式混合、およびせん断混合を含みうる。均質なマスを生じるまで、繊維、添加剤、および流動体を混合し、そしてそれは、マス内に繊維を均等に分配および配列する。その後、繊維状および均質なマスを押出して、生素地の担体を形成する23。生素地の担体は、残りの加工の間じゅう互いに保持するのに十分な強度を有する。
【0022】
その後、生素地の担体を硬化させる25。本説明で使用される場合、「硬化」は、2つの重要な加工段階を含むと定義される。1)バインダー除去、および2)結合形成。バインダー除去工程は、水を除去し、ほとんどの添加剤を除去し、そして繊維対繊維接触を可能にする。しばしば、バインダーをバーンオフさせる加熱工程を使用して、バインダーを除去するが、使用された特定のバインダーによって、他の除去加工を使用しうることが分かる。例えば、蒸散または昇華工程を使用して、ある種のバインダーを除去しうる。ある種のバインダーおよび/または他の有機成分は、気相に分解する前に溶融する可能性がある。硬化工程が継続すると、繊維対繊維結合を形成する。これらの結合は、全体的構造上の剛性を促進し、並びに担体の望ましい気孔率や透過性を作り出す。したがって、硬化担体30は、開気孔ネットワーク30に結合されるおおむね繊維の非常に多孔質の担体である。その後、担体を、濾材用途や触媒コンバータ用途のための担体としてを含めた多くの用途のための担体として使用しうる。有利には、システム10は、約90%までの気孔率を有する担体を生産する望ましい押出工程を可能にした。
【0023】
ここで図2に関して、押出可能な材料50を例示する。押出可能な材料50は、ピストンまたは軸押出機のような押出機からすぐに押出すことができる。押出可能な混合物52は、特定の用途によって要求されるとおりの繊維、可塑剤、および他の添加剤を含む均質なマスである。図2は、均質なマスの拡大部分54を示す。拡大部分54を、拡張するために描いてはいけないかもしれないが、本説明に対する助けとしてもたらされることが認識される。押出可能な混合物52は、繊維56、57および58のような繊維を含有する。所望の熱的、化学的、機械的、および濾過特徴を示す非常に多孔質で、そして剛性の最終担体を生産するために、これらの繊維を選択した。認識されるとおり、実質的に繊維状の本体は、それら自身の可塑性を示さないので、押出可能であるとみなされなかった。しかし、可塑剤や工程制御の適切な選択を通して、繊維を含む押出可能な混合物52を押出しうることが分かった。この点で、押出の費用、規模、および柔軟性利点は、繊維状材料を使用することから利用可能な利益を含むことにまで及びうる。
【0024】
一般に、繊維は、1より大きなアスペクト比を示す比較的小さな直径を有する材料と見なされる。アスペクト比は、繊維の直径により割られる繊維の長さの比である。ここで使用される場合、繊維の「直径」は、簡潔には、繊維の断面形状が円形であると考えられる。この簡潔な前提は、それらの真の断面形状にかかわらず、繊維に適用される。例えば、10のアスペクト比を示す繊維は、その繊維の直径の10倍である長さを有する。約1ミクロンから約25ミクロンまでの範囲にある直径は十分に利用可能であるが、繊維の直径は、6ミクロンでありうる。多くの異なる直径およびアスペクト比の繊維を、システム10で首尾よく使用しうることが分かる。後の図に関してより詳細に示されるとおり、繊維についてのアスペクト比を選択するために、いくつかの代替物が存在する。繊維の形状は、各セラミック粒子のアスペクト比がおよそ1である典型的なセラミック粉末と対照的な形状にあることも分かる。
【0025】
図2は、セラミック繊維に関して検討されるが、押出可能な混合物52の繊維は、金属性でありうる(しばしば、薄い直径の金属性ワイヤとも称される)。セラミック繊維は、非晶質状態、ガラス質状態、結晶質状態、多結晶質状態、単結晶質状態、またはガラス−セラミック状態でありうる。押出可能な混合物52を製造する上で、比較的低い体積のセラミック繊維を、多孔質担体を作製するために使用する。例えば、押出可能な混合物52は、もっぱら約10体積%から40体積%までに限られたセラミック繊維材料を有しうる。この点で、硬化後に、生じる多孔質担体は、約90%から約60%までの気孔率を示す。他の気孔率価を生じるために、他の量のセラミック繊維材料を選択しうることが分かる。
【0026】
押出可能な混合物を生産するために、繊維を、特に可塑剤と組合わせる。この方法で、繊維を、他の選択された有機または無機添加剤と組合わせる。これらの添加剤は、押出物にとって3つの重要な特性を供する。第一に、添加剤は、押出可能な混合物に、押出にとって適切なレオロジーを示させる。第二に、これらの添加剤が硬化工程の間に除去されるまで、添加剤は、その形態を保持し、そして繊維の位置決めをするのに十分な強度である一般に生素地の担体と称される押出担体を供する。そして第三に、添加剤が、繊維を重複構造に配列させるのを促進する方法で、そして形成中の剛性構造を弱体化しない方法で、硬化工程でバーンオフするように、添加剤を選択する。一般に、添加剤は、バインダー61のようなバインダーを含む。バインダー61は、繊維を位置に保持し、そして生素地の担体に強度を供する媒体として作用する。繊維およびバインダー(類)を使用して、比較的高い気孔率を示す多孔質担体を生産しうる。しかし、気孔率をさらに増大させるために、気孔形成成分63のような別の気孔形成成分を添加しうる。最終的硬化担体での開空間を増大するために、気孔形成成分を添加する。気孔形成成分は、形状で、球形、長円形、繊維状または不規則でありうる。開空間を作り出すそれらの能力や、それらの熱分解作用に基づいた能力のみならず、繊維を配向させる上で助けにもなる気孔形成成分を選択する。この点で、気孔形成成分は、硬化の後期段階の間に、繊維の間の適切な結合を促進する重複パターンに繊維を並べる上で助けになる。さらに、気孔形成成分は、好ましい方向での繊維の配列にも役割を果たし、そしてそれは、様々の軸に沿って押出材料の熱膨張および強度に影響を及ぼす。
【0027】
上に簡潔に示されるとおり、押出可能な混合物52は、多くの型の利用可能な繊維から選択される1つまたはそれより多くの繊維を使用しうる。さらに、選択された繊維を、広範多様なバインダーから選択される1つまたはそれより多くのバインダーと合わせうる。さらに、広範多様な気孔形成成分から選択される1つまたはそれより多くの気孔形成成分を添加しうる。押出可能な混合物は、それの可塑剤として水または他の流動体を使用でき、そして添加される他の添加剤を有しうる。生成化学におけるこの柔軟性は、押出可能な混合物52を、多くの異なる型の用途で有利に使用することを可能にする。例えば、混合物組合せは、要求される環境、温度、化学、物理、または他の要件必要性によって選択しうる。さらに、押出可能な混合物52は、すぐに押出できるので、最終的な押出製品は、柔軟に、そして経済的に形成されうる。図2で示されないが、押出可能な混合物52は、軸またはピストン押出機を通して押出して、生素地担体を形成し、そしてそれをその後、最終的な多孔質担体製品に硬化させる。
【0028】
本発明は、押出のためのプラスチックバッチまたは混合物における繊維材料の先駆的使用を示す。この繊維状押出可能な混合物は、拡張可能な生産で、そして費用効率のよい手段で、非常に高い気孔率を示す担体の押出しを可能にする。繊維を、反復可能で、堅固な押出工程で使用することを可能にすることによって、本発明は、世界中で広範な用途のための濾材や触媒担体の大量生産を可能にする。
【0029】
図3Aに関して、多孔質担体の拡大された硬化領域を示す。担体部分100は、バインダー除去102の後、そして硬化工程110の後で示される。バインダー除去102の後、繊維103および104のような繊維は、最初、バインダー材料で位置に保持され、そしてバインダー材料がバーンオフ(焼き切れ)したとき、繊維は、重複しているが、解けている構造にあるようにさらされる。さらに、気孔形成成分105を位置決めして、別の開空間を生じ、並びに繊維を整列および配列しうる。繊維は、ただ比較的少量の押出可能な混合物を含むのみなので、多くの開空間107は、繊維間に存在する。バインダーや気孔形成成分がバーンオフされると、繊維を、互いにさらに接触するために僅かに調整しうる。バインダーや気孔形成成分を、繊維の配列を分断するか、またはバーンオフ中に担体を崩壊させないように制御手段でバーンオフするように選択する。特に、バインダーや気孔形成成分は、繊維間の結合を形成する前に、分解またはバーンオフするように選択される。硬化工程が継続すると、重複し、そして接触している繊維は、結合を始める。その結合は、いくつかの方法で形成されうることが分かる。例えば、繊維を加熱して、繊維の交点または節で液体支援焼結結合の形成をなすまで加熱しうる。この液相焼結は、選択された特定の繊維から生じうるか、または混合物に添加されるか、または繊維上に被覆される別の添加剤から生じうる。他の場合には、固相の焼結結合を形成することが望ましい可能性がある。この場合には、交点結合は、重複繊維を繋げる粒子構造を形成する。生素地の状態では、繊維は、互いに物理的結合をまだ形成していないが、しかし互いに繊維の絡まりにより、ある程度の原料強度をなお示しうる。選択された特定の型の結合は、基材材料、所望の強度、および稼働中の化学または環境の選択による。ある種の場合には、結合は、無機バインダーの存在によって引起され、そして繋がったネットワーク中で互いに繊維を保持し、そして硬化工程の間にバーンオフしない混合物を提供する。
【0030】
有利に、結合112のような結合の形成は、繊維で実質的に剛性の構造を形成することを促進する。結合は、非常に高い気孔率を示す開気孔ネットワークの形成も可能にする。例えば、開空間116は、繊維間の空間により自然に作り出される。開空間114は、気孔形成成分105が分解またはバーンオフするときに作り出される。この点で、繊維結合形成工程は、終結径路(チャネル)のないか、または実質上ない開気孔ネットワークを作り出す。この開気孔ネットワークは、高い透過性、高い濾過効率を発生し、そして例えば触媒の添加のための高い表面積を可能にする。結合の形成が、固相または液体支援/液相の焼結のような望まれる結合の型により、そして添加剤は、硬化工程の間存在する可能性があることが認識される。例えば、添加剤、特定の繊維選択、加熱の時間、加熱の程度、および反応環境は全て、特定の型の結合を作り出すように調整されうる。
【0031】
ここで図3Bに関して、多孔質担体の別の拡大された硬化領域を示す。担体部分120は、バインダー除去122の後、そして硬化工程124の後で示される。担体部分120は、図3Aに関して示される担体部分100に類似し、そのため詳細には示されない。担体120は、特定の気孔形成成分の使用なしに形成され、それにより全開気孔ネットワーク124は、バインダー材料を用いた繊維の位置決めから生じた。この点で、中程度に高い気孔率担体は、なんらの特定の気孔形成成分の使用なしに形成され、それによりこのような中程度の気孔率の担体を製造するための費用や複雑さを減じうる。約40%から約60%までの範囲にある気孔率を示す担体を、この方法で生産しうることが分かった。
【0032】
ここで図4に関して、電子顕微鏡写真の集合150を示す。写真の集合150は、第一に、繊維状押出可能な混合物を使用して所望により作り出された開気孔ネットワーク152を示す。見ることができるとおり、繊維は、交点の繊維節で結合を形成し、そして気孔形成成分およびバインダーをバーンオフさせ、そして多孔質の開気孔ネットワークを遊離する。強い明暗で、写真154は、既知工程を使用して作製される典型的な閉鎖セルネットワークを示す。部分的に閉鎖された気孔ネットワークは、比較的高い気孔率を示すが、しかし少なくともその気孔率のいくらかは、閉鎖径路から誘導される。これらの閉鎖径路は、透過性に寄与しない。この点で、開気孔ネットワークや、同じ気孔率を示す閉気孔ネットワーク、開気孔ネットワークは、さらに望ましい透過性特徴を示す。
【0033】
全般的に示された押出可能な混合物および工程は、非常に有利で、そして多孔質担体を生産するために使用される。1つの例では、図5で示されるとおり、多孔質担体を、濾材ブロック担体175に押出しうる。担体ブロック175を、ピストンまたは軸押出機を使用して押出した。押出機を、室温、僅かに高い温度で、または制御された温度窓中で稼働するように調整しうる。さらに、押出機のいくつかの部分を、押出混合物の遅延特徴、せん断歴、およびゲル化特徴に影響する様々の温度に加熱しうる。さらに、押出ダイのサイズは、加熱および焼結工程の間に担体における予想される収縮を調節することによってもサイズ分けされうる。都合よく、押出可能な混合物は、繊維状材料の押出をさせるのに十分な可塑剤および他の添加剤を有する繊維状の押出可能な混合物であった。押出された原料状態のブロックを硬化させて、遊離水を除去し、添加剤をバーンオフさせ、そして繊維間の構造上の結合を形成した。得られたブロック175は、非常に望ましい気孔率特徴、並びに素晴らしい透過性および利用性の高い表面積を有する。さらに、選択された特定の繊維や添加剤によって、有利な深度濾過のためのブロック175を構築しうる。ブロック176は、ブロックじゅうに縦軸で伸びる径路179を有する。ブロック178に対する入口は、フロー−スルー工程のために開放したままである可能性があるか、または他の各開口部に栓をして、壁流動効果を生じうる。六角形の径路を有するブロック175が示されるが、他のパターンやサイズを使用しうることが分かる。例えば、均等なサイズに作製された四角、長方形、または三角形の径路パターン;大きな入口径路を有する四角/長方形または八角形/四角形の径路パターン;または別の対称的または非対称的径路パターンを示す経路を形成しうる。ダイの設計を調節することによって、径路またはセルの厳密な形状およびサイズを調整しうる。例えば、四角形の径路は、ダイにおけるピンを形作るEDM(電子放電加工)を使用することによって、角を曲げさせうる。このような丸みのある角は、僅かに高い背圧にもかかわらず、最終製品の強度を増大すると予測される。さらに、その壁が、様々の厚みを示し、そしてその皮は、残りの壁と異なる厚みを有するハニカム担体を押出すように、ダイ設計を改修しうる。同様に、いくつかの用途では、外皮を、サイズ、形状、外形や強度の最終定義のための押出担体に適用しうる。
【0034】
フロー・スルー・デバイスとして使用される場合、高気孔率のブロック176は、触媒材料の用途のための大きな表面積を可能にする。この点で、非常に有効で、そして十分な触媒コンバータを作成でき、そしてそのコンバータは、低い熱マスを有する。このように低い熱マスで、得られた触媒コンバータは、優れた消光特徴を有し、そして触媒材料を有効に使用する。壁流動または壁濾過の例で使用される場合、担体壁の高い透過性は、深度濾過を促進しつつ、比較的低い背圧を可能にする。この深度濾過は、十分な粒子除去を可能にし、並びにさらに有効な再生を促進する。壁流動設計で、担体を通して流れる流動体を、担体の壁を通して移動させ、したがって、壁を作る繊維とのいっそう直接的な接触を可能にする。それらの繊維は、触媒が存在する場合のような、強力な反応が起こる高い表面積を示す。押出可能な混合物は、広範多様な繊維、添加剤、および流動体から形成されうるので、押出可能な混合物の化学を、特定の特徴を示すブロックを発生するように調節しうる。例えば、最終ブロックは、ディーゼル粒子濾材として望ましい場合、制御されない再生の極端な温度でさえ安全な稼働を確認する繊維を選択する。別の例では、ブロックは、特定の型の排気ガスを濾過するために使用される予定である場合、繊維および結合は、予測される稼働温度範囲に渡って排気ガスと反応しないように選択される。高い気孔率の担体の利点は、濾材や触媒コンバータに関して記述されたが、高い多孔質担体についての他の多くの用途が存在することが認識される。
【0035】
図2に関して記述されるとおり繊維状押出可能な混合物は、広範多様な基材材料から形成されうる。適切な材料の選択は、一般に、最終担体が稼働するに違いない化学、機械、および環境条件に基づく。したがって、多孔質担体を設計する上での第一段階は、担体についての最終用途を理解することである。これらの要件に基づいて、特定の繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体および他の材料を選択しうる。選択された材料に適用される工程が、最終担体製品に影響しうることも認識される。繊維は、最終担体製品で主要な構造材料であるので、繊維材料の選択は、最終担体に、それの意図した用途で稼働させうるために重要である。したがって、繊維は、要求される結合要件によって選択され、そして特定の型の結合工程を選択する。結合工程は、液相焼結、固相焼結、またはガラス形成成分、ガラス、粘土、セラミック、セラミック前駆体またはコロイド状ゾルのような結合剤を必要とする結合でありうる。結合剤は、繊維構築、繊維上の被覆剤の内の1つ、または添加剤の内の1つにおける成分の一部でありうる。1つより多くの型の繊維を選択しうることも認識される。硬化および結合工程の間に、ある程度の繊維を消費しうることも認識される。繊維組成物を選択する上で、最終稼働温度は、繊維の熱安定性を維持しうるために、重要な懸念である。別の例では、予想される気体、液体または固形粒子物の存在下で化学的に不活性または反応性がないままであるように繊維を選択する。それの費用によっても、繊維を選択でき、そしてある種の繊維は、それらの小型サイズにより健康懸念がある可能性があり、したがって、それらの使用を避ける可能性がある。機械的環境により、強い剛性構造を形成する、並びに要求される機械的無欠性を維持するそれらの能力により、繊維を選択する。適切な繊維または繊維の集合の選択は、性能と用途交換条件に関与する可能性があることが認識される。図6、表1は、繊維状押出可能な混合物を形成するために使用されるいくつかの型の繊維を示す。一般に、繊維は、オキシドまたは非オキシドセラミック、ガラス、有機、無機でありうるか、またはそれらは、金属性でありうる。セラミック材料については、繊維は、非晶質、ガラス質、多結晶質または単結晶質のような様々な状態にありうる。表1は、多くの利用可能な繊維を示すが、他の型の繊維を使用しうることが認識される。
【0036】
その後、選択される繊維の型、並びに他の所望の特徴によって、バインダーおよび気孔形成成分を選択しうる。1つの例では、選択された繊維の間の特定の型の液相結合を促進するバインダーを選択する。さらに詳細には、バインダーは、結合温度で反応して、交点繊維の節に繋がった液体の流れを促進する成分を有する。さらに、選択された繊維を可塑化する、並びにそれの原料状態の強度を維持するそれの能力についてバインダーを選択する。1つの例では、使用されるべき押出の型、および押出のために要求される温度によっても、バインダーを選択する。例えば、ある種のバインダーは、加熱し過ぎた場合、ゲル状マスを形成し、したがって低温押出工程で使用されうるのみである。別の例では、せん断混合特徴におけるそれの衝撃により、バインダーを選択しうる。この点で、バインダーは、混合工程の間に所望のアスペクト比に繊維を細断することを促進しうる。それの分解またはバーンオフ特徴によっても、バインダーを選択しうる。バインダーは、一般に本来の場所に繊維を保持でき、そしてバーンオフの間に形成中の繊維構造を分断しない必要がある。例えば、バインダーが、早くまたは激しくバーンオフしすぎる場合、逃げる気体は、形成中の構造を分断しうる。さらに、バーンアウト後、バインダーが後に残る残渣の量によって、バインダーを選択しうる。いくつかの用途は、このような残渣に非常に敏感でありうる。
【0037】
気孔形成成分は、比較的中程度の気孔率の形成に必要とされないかもしれない。例えば、バインダー内の繊維の自然の配列および充填は、約40%から約60%までの気孔率を可能にするために協力しうる。この点で、気孔形成成分の使用なしに押出工程を使用して、中程度の多孔質担体を発生しうる。いくつかの場合には、気孔形成成分の除去は、既知工程と比較した場合に、いっそう経済的な多孔質担体を製造することを可能にする。しかし、約60%より大きな気孔率が要求される場合、硬化後、担体内に別の空間を生じるために、気孔形成成分を使用しうる。気孔形成成分は、それらの分解またはバーンオフ特徴によっても選択でき、そしてそれらのサイズおよび形状によっても選択しうる。気孔サイズは、例えば、特定の型の粒子物を捕捉するために、または特に高い透過性を可能にするために重要である可能性がある。気孔の形状は、例えば、繊維の適切な配列で支援するためにも調節されうる。例えば、比較的細長い気孔形状は、繊維をいっそう配列されたパターンに整列させうる一方で、いっそう不規則または球状形状は、繊維をいっそう任意のパターンに配列させうる。
【0038】
繊維は、細断繊維として製造業者から供給され、そして工程で直接的に使用されるか、または繊維を、バルクフォーマットで提供でき、そしてそれは、一般に使用前に加工される。いずれの方法も、加工の配慮は、繊維を、どのようにそれの最終の所望されるアスペクト比分布に加工するかを考慮に入れるべきである。一般に、他の添加剤と混合する前に、繊維を、最初に細断し、そしてその後、さらに混合、せん断、および押出段階の間に細断する。しかし、押出は、合理的な押出圧力で押出可能な押出ミックスを作るレオロジーを設定することによって、未細断繊維を用いて、そして押出ダイ面で圧力下に置かれたときに、押出ミックス中で膨張流れを引起すことなく行うこともできる。適切なアスペクト比分布まで繊維を細断することは、全体の工程で様々の時点で行われうることが認識される。いったん繊維が選択され、そして利用可能な長さに細断されると、それを、バインダーおよび気孔形成成分と混合する。この混合は、最初、混合工程を開始するのに乾式形態で行われうるか、または湿式混合工程として行われうる。典型的には水である流動体を、その混合物に添加する。要求されるレベルの均一な分布を得るために、混合物を、1つまたはそれより多くの段階を通してせん断混合する。せん断混合または分散性混合は、混合物中に繊維を均等に分布させ、並びに所望のアスペクト比にさらに繊維を切断するための非常に望ましい均質な混合工程を提供する。
【0039】
図6表2は、選択に利用できるいくつかのバインダーを示す。単独のバインダーを使用してもよく、または複数のバインダーを使用してもよいことが認識される。バインダーは、一般に、有機および無機の分類に分けられる。有機バインダーは、一般に硬化の間に低温でバーンオフされる一方で、無機バインダーは、特に、高温で、最終構造の一部を形成する。いくつかのバインダー選択は、表2で列挙されるが、いくつかの他のバインダーを使用しうることが認識される。図6表3は、利用可能な気孔形成成分のリストを示す。気孔形成成分は、一般に、有機または無機として定義され、そして有機のものは、特に、無機のものより低温でバーンオフされる。いくつかの気孔形成成分は、表3で列挙されるが、他の気孔形成成分を使用しうることが認識される。図6表4は、使用しうる様々の流動体を示す。水は、最も経済的で頻繁に使用される流動体でありうることが認識されるが、ある種の用途は、他の流動体を必要とする可能性がある。表4は、使用されうるいくつかの流動体を示すが、特定の用途および工程要件によって、他の流動体を選択しうることが認識される。
【0040】
一般に、有利な押出のために適切なレオロジーを有するように混合物を調節しうる。特に、適切なレオロジーは、繊維、バインダー、分散剤、可塑剤、気孔形成成分および流動体の適切な選択および混合から生じる。繊維に可塑性を適度に供するために、高度の混合を必要とする。いったん適切な繊維、バインダーおよび気孔形成成分を選択すると、流動体の量は、特に、適切なレオロジーに適合するように最終的に調節される。2つの試験の内の一方によるような適切なレオロジーを示しうる。第一の試験は、混合物のビーズを取出し、そして熟練した押出操作者の指の間で形成される主観的で、非公式な試験である。操作者は、混合物が指の間で適切にずらした時に識別でき、そして混合物が、押出のための適切な条件下にあることを示す。第二のさらに客観的な試験は、混合物の物理的特徴を測定することによる。一般に、閉込め(すなわち、高圧)管状流量計を使用して、せん断強度対圧縮圧を測定できる。粘着強度対圧力の依存性の比較によって、測定を行い、そして記入する。流動体の種々の混合物および濃度で、混合物を測定することによって、レオロジー点を識別するレオロジー図を作成しうる。例えば、表5の図6は、繊維状セラミック混合物についてのレオロジー図を示す。軸232は、粘着強度を示し、そして軸234は、圧力依存性を示す。押出可能な領域236は、繊維状押出が非常に起こりやすい領域を示す。したがって、領域236内に入るあらゆる測定値によって特徴づけられる混合物は、首尾よく押出しそうである。もちろん、レオロジー図は、多くの変数にかかわり、そしてそれにより領域236の位置決めでいくつかの変数を予想するべきであることが分かる。さらに、レオロジーおよび可塑性を測定するためのいくつかの他の直接および間接的試験が存在し、そして混合物がそれについての正しいレオロジーを示すかどうかを調べるために、多くのそれらの試験の態勢を整えて、所望の製品の最終形状に押出させうることが認識される。
【0041】
いったん適切なレオロジーに達したら、押出機を通して混合物を押出す。押出機は、ピストン押出機、単軸押出機、または二軸押出機でありうる。押出工程を、高度に自動化させうるか、またはヒトの介入を必要としうる。混合物を、担体ブロックについての所望の断面形状を示すダイを通して押出す。生素地の担体を十分に形成するダイを選択した。この点で、それの形状および繊維配列を維持しつつ、硬化工程を通して取扱われうる安定な生素地の担体を作製する。
【0042】
その後、生素地の担体を乾燥および硬化させる。乾燥は、室内条件で、制御温度および湿度条件(制御されたオーブンでのような)で、電子レンジで、RFオーブン、および対流オーブンで行いうる。硬化は、一般に、生素地の担体を乾燥させるために遊離水の除去を必要とする。亀裂または他の構造上の欠陥を導入しないように制御手段で生素地の担体を乾燥させることが重要である。その後、温度を上昇させて、バインダーおよび気孔形成成分のような添加剤をバーンオフさせうる。添加剤を、制御手段でバーンオフさせることを確実にするために、その温度を制御する。添加剤バーンオフが、熱の種々の時限サイクルおよび種々のレベルを通して温度の周期を必要としうることが認識される。いったん添加剤がバーンオフされると、担体を要求温度に加熱して、繊維交点または節で構造上の結合を形成する。要求された結合の型や繊維の化学によって、要求された温度を選択する。例えば、液体支援焼結結合は、特に、固相結合より低い温度で形成される。結合温度での時間の量を、生成されるべき結合の特定の型によって調節しうることも認識される。同じ炉で、異なる炉で、バッチまたは連続工程で、そして空気または制御雰囲気条件下で、全熱サイクルを行うことができる。繊維結合を形成した後、担体を、室温までゆっくりと冷却する。硬化工程が、一つのオーブンまたは複数のオーブン/炉で達成されうること、そしてトンネル窯のような製造オーブン/炉で自動化しうることが認識される。
【0043】
ここで図7に関して、多孔質担体を押出すためのシステムを示す。システム250は、多孔質担体を生産するための非常に柔軟な工程である。担体を設計するために、担体要件は、ブロック252で示されるとおり定義される。例えば、担体の最終用途は、一般に担体用件を定義し、そしてそれは、サイズ拘束、温度拘束、強度拘束、および化学反応拘束を含みうる。さらに、担体の費用および大量生産性は、所定の選択を決定し稼働させうる。例えば、高い生産率は、押出ダイに比較的高温の発生を引起す可能性があり、したがって、硬化またはゲル化なしに、高温で稼働するバインダーを選択する。高温バインダーを使用した押出では、ダイおよびバレルは、60から180℃までのような比較的高温で維持されることを必要としうる。このような場合には、バインダーは、溶融して、別の流動体の必要性を減じるか、または除去しうる。別の例では、濾材は、粒子物を捕捉するように設計でき、そこで、高温でさえ、粒子物と反応性がないままでいる繊維を選択する。広い範囲の可能な混合物および工程で広範な範囲の用途を適応させうることが認識される。当業者は、繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体および加工段階の選択に関与した交換条件を認識する。実際に、システム250の明らかな利点の内の1つは、混合物組成物の選択およびその工程の調節に関するそれの柔軟性である。
【0044】
いったん担体用件が定義されると、繊維は、ブロック253で示されるとおり図6の表1から選択される。繊維は、単独の型のものでありうるか、または2つまたはそれより多くの型の組合せでありうる。硬化工程の間に消費されるいくつかの繊維を選択しうることも認識される。さらに、繊維に、繊維上の被覆剤のような、添加剤を添加して、混合物に他の材料を導入しうる。例えば、繊維に分散剤を塗布して、繊維の分離および配列を促進しうるか、または結合助剤を、繊維に被覆しうる。結合助剤の場合には、繊維が、硬化温度に達するときに、結合助剤は、液相の結合の形成および流れを支援する。
【表1】
【0045】
その後、ブロック255で示されるとおり、図6の表2からバインダーを選択する。生素地の状態の強度、並びに制御されたバーンオフを促進するバインダーを選択する。さらに、混合物中に十分な可塑性を生じるバインダーを選択する。必要とされる場合、ブロック256で示されるとおり、図6の表3から気孔形成成分を選択する。ある種の場合には、繊維およびバインダーのみの使用を通して、十分な気孔率を得ることができる。気孔率は、繊維の自然の充填特徴によってのみならず、脱バインダーおよび硬化段階の間に放出されるバインダー、溶媒および他の揮発性成分に占められた空間によって達成される。高い気孔率を達成するために、別の気孔形成成分を添加しうる。それらの制御されたバーンオフ容量によっても気孔形成成分を選択し、そして混合物を可塑化する上で支援もしうる。典型的には水である流動体は、ブロック257で示されるとおり図6表4から選択される。繊維の分離および配列で支援するための分散剤、および混合物の流動作用を改善するための可塑剤や押出助剤のような他の液体材料を添加しうる。繊維上の表面荷電を調節するために、この分散剤を使用しうる。この点で、繊維は、それらの荷電に、個々の繊維を互いに反発させるように制御させうる。これは、繊維のいっそう均質で任意の分布を促進する。>80%気孔率を示す担体を作製することが意図される混合物についての典型的な組成は、以下に示される。混合物は、標的気孔率、特定用途、および加工考慮によって調節されることが認識される。
【0046】
ブロック254で示されるとおり、ブロック252で選択される繊維は、適切なアスペクト比分布を示すように加工すべきである。このアスペクト比は、約3から約500までの範囲にあることが好ましく、そして1つまたはそれより多くの態様の分布を示しうる。例えば、1000のアスペクト比の周囲に他の範囲を選択しうることが認識される。1つの例では、アスペクト比の分布は、所望の範囲を通して任意に分布され得て、そして他の例では、アスペクト比は、さらに別個の態様値で選択されうる。アスペクト比は、繊維の充填特徴を定義する上で重要な因子であることが分かった。したがって、アスペクト比およびアスペクト比の分布は、特定の強度や気孔率要件を実行するために選択される。さらに、それらの好ましいアスペクト比分布に繊維を加工することは、その加工での種々の点で行われうることが認識される。例えば、繊維は、第三者の加工装置によって切断し、そして予め決められたアスペクト比分布で放出されうる。別の例では、繊維は、嵩高い形態で供給され、そして押出加工で一次段階として適切なアスペクト比に加工されうる。工程250の混合、せん断混合または分散混合、および押出態様は、繊維の切断および細断にも寄与しうることが認識される。したがって、混合物に最初に導入された繊維のアスペクト比は、最終硬化担体におけるアスペクト比と異なる。したがって、混合、せん断混合、および押出の細断および切断効果は、その工程に導入される適切なアスペクト比分布254を選択するときに考慮すべきである。
【0047】
適切なアスペクト比分布に加工された繊維で、繊維、バインダー、気孔形成成分および流動体を、ブロック262で示されるとおり均質なマスに混合する。この混合工程は、乾燥混合態様、湿潤混合態様、およびせん断混合態様を含みうる。せん断または分散混合は、そのマス内で繊維の非常に均質な分布を生じることが望ましいことが分かった。この分布は、混合物中のセラミック材料の比較的低濃度により特に重要である。均質な混合物を混合する予定であるときに、混合物のレオロジーは、ブロック264で示されるとおり調節されうる。混合物を混合するときに、そのレオロジーは、変化し続ける。そのレオロジーは、主観的に試験できるか、または図6の表5で示されるとおり望ましい領域に応じるように測定しうる。この所望の領域に入る混合物は、適切に押出す見込みが高い。その後、混合物を、ブロック268で示されるとおり生素地の担体に押出す。軸押出機の場合には、混合は、別個の混合機ではなく、押出機それ自身の内側でも起こりうる。このような場合には、混合物のせん断歴を注意深く管理および制御すべきである。生素地の担体は、硬化工程の間にそれの形状および繊維配列を保持するのに十分な生素地強度を示す。その後、生素地担体を、ブロック270で示されるとおり硬化させる。硬化工程としては、あらゆる残留水の除去、ほとんどの添加剤の制御されたバーンオフ、および繊維対繊維結合の形成が挙げられる。バーンオフ工程の間に、繊維は、それらの絡み合った、そして交差する関係を維持し、そして硬化工程が進むと、結合は、交差点または節で形成される。結合が、液相または固相の結合工程から生じうることが認識される。さらに、その結合のいくつかは、バインダー、気孔形成成分に、繊維上の被覆材として、またはそれら自身繊維中に供される添加剤との反応による可能性があることが分かる。結合か形成された後、担体を、室温にゆっくりと冷却する。
【0048】
ここで図8に関して、多孔質の繊維状担体を硬化させる方法を示す。方法275は、繊維状セラミック含有量を有する生素地担体を有する。硬化工程は、最初、ブロック277に示されるとおり残留水を、担体からゆっくりと除去する。特に、水の除去は、オーブン中で、比較的低温で行われうる。残留水を除去した後、有機添加剤を、ブロック279で示されるとおりバーンオフしうる。繊維の適切な配列を促進し、そして逃げるガスや残渣が繊維構造を干渉しないことを確保する制御された手段で、これらの添加剤をバーンオフする。添加剤がバーンオフされたとき、繊維は、それらの重複配列を維持し、そしてブロック281で示されるとおり交差点または節でさらに接触しうる。繊維は、バインダーを使用してこれらの重複配列に位置決めされ、そして気孔形成成分の使用を通して形成される特定のパターンを示しうる。いくつかの場合には、繊維と合わせうる無機添加剤を使用し得たか、結合形成工程の間に消費されるか、または最終担体構造の一部として残る。硬化工程は、ブロック285で示されるとおり、進行して、繊維対繊維結合を形成する。特定の時機や温度は、使用される繊維の型、使用される結合助剤または剤の型、および所望の結合の型によって結合を作ることを必要とする。1つの例では、結合は、ブロック286で示されるとおり繊維の間に生じた液相焼結結合でありうる。このような結合は、システムに存在するガラス形成成分、ガラス、セラミック前駆体または無機融剤によって支援される。別の例では、ブロック288に示されるとおり、焼結助剤または剤を使用して、液相の焼結結合を作り出しうる。繊維上の被覆材として、添加剤として、結合剤から、気孔形成成分から、または繊維それら自身の化学から焼結助剤を供しうる。さらに、繊維対繊維結合は、ブロック291で示されるとおり繊維の間の固相焼結によって形成されうる。この場合には、交差する繊維は、粒子成長および質量移行を示し、そして節での化学結合の形成や全体的剛性な構造に至る。液相焼結の場合には、結合材料の質量は、繊維の交差節で蓄積し、そして剛性構造を形成する。硬化工程は、1つまたはそれより多くのオーブンで行うことができ、そして工業用のトンネルまたは窯型の炉で自動化しうることが認識される。
【0049】
ここで図9に関して、繊維を製造する工程を示す。工程300は、バルク繊維をブロック305で示されるとおり受け取ることを示す。バルク繊維は、典型的に、塊状および相互織込配列で非常に長い繊維を有する。このようなバルク繊維は、混合工程で使用するための繊維を十分に分離および切断するように加工しなければならない。したがって、バルク繊維を、水307と、そしておそらく分散剤309と混合して、スラリー311を形成する。分散剤309は、例えば、お互いに反発する際に、繊維を支援するpH調節剤または荷電調節剤でありうる。いくつかの異なる型の分散剤を使用しうることが認識される。1つの例では、スラリーに導入する前に、バルク繊維を、分散剤で被覆する。別の例では、分散剤を、スラリー混合物311に単に添加する。ブロック314に示されるとおり、スラリー混合物を激しく混合する。この激しい混合は、バルク繊維を、利用可能なアスペクト比分布に細断および分離する作用がある。先に示したとおり、混合および押出工程が、繊維をさらに細断するので、繊維の当初の使用のためのアスペクト比は、最終担体での分布より異なる。
【0050】
繊維が、適切なアスペクト分布に細断された後、濾材プレス316を使用して、または別の装置では濾材に対して圧力を加えることによって、水をほとんど除去する。凍結乾燥のように、他の水除去工程を使用しうることも認識される。濾材プレスは、水を除去するために、圧力、真空または他の手段を使用しうる。1つの例では、ブロック318で示されるとおり、細断繊維を、完全な乾燥状態までさらに乾燥させる。その後、これらの乾燥繊維を、ブロック327で示されるとおり、それらを他のバインダーおよび乾燥気孔形成成分と混合する乾式混合工程323に使用しうる。この当初の乾燥混合は、均質なマスを生じる上で支援する。別の例では、ブロック321で示されるとおり、濾過した繊維の水分含量を、適切な湿気含有量のために調節する。さらに詳細には、ブロック325で示されるとおり、十分な水を、細断された繊維ケーク中に残して、湿式混合を促進する。繊維を用いてある程度のスラリー水を遊離することによって、繊維のさらなる分離および分布を得ることができることが分かった。バインダーおよび気孔形成成分は、湿式混合段階でも添加でき、そして水329を添加して正確なレオロジーを得ることができる。ブロック332で示されるとおり、そのマスも、せん断混合する。せん断混合は、軸押出機、二軸押出機、またはせん断混合機(シグマのブレード型混合機のような)を使用して、その混合物にスパゲティー型ダイを通過させることによって行われうる。シェア混合は、シグマ混合機、高せん断混合機で、および軸押出機の内側でも起こる可能性がある。せん断混合工程は、押出が働くための望ましい可塑性や押出可能なレオロジーを示すいっそう均質なマス335を作り出すために望ましい。均質なマス335は、繊維の均一な分布を示し、そして繊維は、重複マトリックスに位置決めされる。この点で、均質なマスを、担体ブロックに押出し、そして硬化するときに、繊維を、剛性構造に結合させる。さらに、この剛性構造は、高い気孔率、高い透過性、および高い表面積を示す開気孔ネットワークを形成する。
【0051】
ここで図10に関して、傾斜担体ブロックを生産する方法を示す。工程350は、傾斜特徴を示す担体ブロックの製造および押出を可能にするように設計される。例えば、ブロックの中心に向かって第一の材料、そしてブロックの外側に向かって異なる材料を有する担体を製造しうる。さらに特定の例では、低い係数の熱膨張を示す材料を、特に高熱が予想されるブロックの中心に向けて使用する一方で、比較的高い係数の熱膨張を示す材料を、熱が低いことが予想される外側領域で使用する。この点で、さらに均質化された膨張特性は、全体的ブロックについて維持されうる。別の例では、ブロックの選択領域は、増大した構造上の支持を供するために高い密度のセラミック材料を有しうる。これらの構造上の支持部材を、ブロックに同心で配列するか、または軸で配列しうる。したがって、用途要件による気孔率、気孔サイズ、または化学における所望の傾斜によって、特定の材料を選択しうる。さらに、傾斜は、2つより多くの材料の使用を引起しうる。
【0052】
1つの例では、傾斜構造は、第一の材料351のシリンダーを供することによって生産されうる。イラスト図355によって示されるとおり、シート状の第二の材料353で、シリンダー351の周りを包む。この点で、層B353は、内側シリンダー351の周りの同心管になる。その後、層状シリンダー355を、ピストン押出機に入れ、空気を排除し、そしてそのマスを、ダイを通して押出す。押出工程の間、材料は、材料Aと材料Bの間の界面で混合し、そして継ぎ目なしの界面を促進する。このような界面は、2つの異なる種類の材料の間で繊維の重複および結合を可能にし、それによって強力な全体的構造を促進する。いったん材料が押出され、硬化され、そして充填されると、それは、傾斜担体を有する濾材または触媒コンバータパッケージ357を生産する。さらに詳細には、A材料は、担体の中心で形成する一方で、B材料361は、外側部分で形成する。2つより多くの材料を使用しうること、そして気孔サイズ、気孔率、および化学的特徴を、徐々に調節しうることが認識される。
【0053】
ここで図11に関して、別の工程375は、傾斜担体を作製することについて示される。工程375では、第一のシリンダー379は、ピストン押出バレルのサイズ付近で提供される。1つの例では、外側シリンダー379は、ピストン押出機で使用される実際のバレルである。外側管379より小さな直径を示す内側管377を供する。その管は、内側管377を管379の内側に同心で位置決めさすために、同心で配列される。第一の押出可能な混合物材料383のペレットを、管377の内側に析出させる一方で、第二の押出可能な混合物材料381のペレットを、管377と管379の間の環に析出させる。内側管を注意深く取り除き、その結果材料Aは、材料381によって同心で囲まれる。その後、材料の配列を、押出ピストンに入れ、空気を真空除去し、そしてダイを通して押出す。いったん押出、硬化および充填されると、図10に関して示されるとおりの傾斜担体を生産する。2つより多くの同心環を作製しうること、そして種々の型の傾斜を生じうることが認識される。
【0054】
ここで図12に関して、傾斜担体を作製する別の方法を示す。方法400は、2つの押出可能な材料の代替ディスクを有する押出可能な混合物402のカラムを有する。押出可能な混合物402は、第二の材料404に隣接する第一の材料403を有する。1つの例では、材料Aは、比較的多孔質である一方で、材料Bは多孔性が低い。押出の間に、材料は、押出ダイを流れ、そしてA部分とB部分から得られる繊維を、重複配列で混ざらせる。この点で、各AおよびB部分を一緒に結合して、繊維状担体ブロックになる。硬化および充填により、濾材406を作製する。濾材406は、比較的高い気孔率を示す第一の部分407、および低い気孔率を示す第二の部分408を有する。この点で、濾材406を通る気体の流れを、最初に、大きな気孔サイズを示す高い気孔率領域を通して濾過し、そしてその後、小さな気孔サイズを示す低い多孔質領域を通して濾過する。この点で、大型粒子を、領域407で捕捉する一方で、小型粒子は、領域408で捕捉する。材料ディスクのザイズおよび数を、用途必要性によって調節しうることが認識される。
【0055】
繊維押出システムは、用具における優れた柔軟性を供する。例えば、広範な範囲の繊維および添加剤を選択して、混合物を形成しうる。いくつかの混合および押出選択肢が存在し、並びに選択肢は、硬化方法、時機および温度に関連する。開示された教示で、押出技術における当業者は、多くの変法を使用しうることが分かる。ハニカム担体は、本発明に記述される技術を使用して製造すべき共通の設計であるが、しかし他の形状、サイズ、外形、設計を、種々の用途のために押出すことができる。
【0056】
濾過デバイス(DPF、油/空気フィルター、ホット気体フィルター、空気フィルター、水フィルター等)または触媒デバイス(3ウエイ触媒コンバータ、SCR触媒、脱オゾン機、脱臭機、生物学的リアクター、化学的リアクター、酸化触媒など)での用途のような所定の用途のために、押出された担体における径路に栓をする必要あるかもしれない。押出担体に類似した組成の材料を、その担体に栓をするために使用する。栓で塞ぐのは、原料状態で、または焼結担体上で行うことができる。ほとんどの密栓組成物は、押出担体に硬化させ、そして結合させる加熱処理を必要とする。
【0057】
本発明の特に好ましく、そして代替的な実施態様を開示したとき、上に示される技術の多くの様々な改質および拡張が、ここに示される本発明の教示を使用して、実行されうることは当業者に明らかである。全てのこのような改質および拡張は、付随の請求項で検討されるとおり本発明の真の概念や範囲内にあることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図面は、本明細書の一部を成し、そして種々の形態で具備しうる本発明の典型的な実施態様を含む。ある種の例では、本発明の種々の態様は、本発明の理解を助けるために誇張および拡大して示されうることを理解すべきである。
【図1】本発明による多孔質担体を押出すためのシステムのブロック図である。
【図2】本発明による繊維状押出可能な混合物の例示である。
【図3A】本発明による開気孔ネットワークの例示である。
【図3B】本発明による開気孔ネットワークの例示である。
【図4】本発明による開気孔ネットワークおよび先行技術の閉気孔ネットワークの電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明による多孔質担体を使用した濾材ブロックの例示である。
【図6】本発明に有用な繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体、およびレオロジーの表である。
【図7】本発明による多孔質担体を押出すためのシステムのブロック図である。
【図8】本発明による多孔質担体を硬化させるためのシステムのブロック図である。
【図9】本発明による多孔質担体の繊維を加工するためのシステムのブロック図である。
【図10】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【図11】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【図12】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年11月16日に出願され、そして「多孔質担体を押出すためのシステム」と題される米国特許仮出願番号第60/737,237号に;2005年12月30日に出願され、そして「多孔性ブロックを形成するための押出可能な混合物」と題される米国特許出願番号第11/323,430号に;2005年12月30日に出願され、そして「多孔質担体を押出す工程」と題される米国特許出願番号第11/322,777号に;および2005年12月30日に出願され、そして「押出多孔質担体およびそれを使用した製品」と題される米国特許出願番号第11/323,429号に対する優先権を主張し、そしてその全ては、全体にここに組込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、多孔質担体を押出すための押出工程、および1つの特定の手段では、多孔性セラミック担体を押出すための押出工程に関する。多くの工程は、種々の加工を促進および支持するための剛性担体を必要とする。例えば、担体は、粒子物を濾過し、様々の物質を分離するか、または空中から細菌または病原体を除去するための濾過用途で使用される。
【0003】
これらの担体を、空中で操作し、気体または液体を排出するように構築でき、そして実質的な環境または化学的ストレスに耐えるように製造できる。別の例では、化学反応を促進するために、触媒材料を担体に析出させる。例えば、貴金属を適切な担体に析出させ、そしてその後、その担体は、危険な排出ガスを有害性の低いガスに触媒で変換するように作用しうる。特に、これらの高気孔率を示す剛性担体は、いっそう有効に稼働する。
【0004】
気孔率は、一般に、開空間で占められるその材料の総体積の百分率を定義する固形材料の特性として定義される。例えば、50%気孔率を示す担体は、開空間で占められる担体の半分の体積を示す。この点で、高気孔率を示す担体は、低気孔率を示す担体より体積当たりの質量が少ない。ある種の用途は、低質量の担体から利益を得る。例えば、担体は、触媒工程を支持するために使用され、そして触媒工程は、高温で稼働する場合、低い熱量を示す担体は、その稼働温度までいっそう素早く加熱する。この点で、触媒が、稼働温度まで加熱される時間、すなわち、消灯時間は、さらに多孔性で、熱的に低い大きな担体を使用することによって減じられる。
【0005】
担体、特に濾過および触媒担体にとって、透過性も重要な特徴である。透過性は、透過性がどのように容易に液体または気体のような流動体が担体中を流れうるかの基準であるという点で気孔率に関連がある。ほとんどの用途は、高い透過性担体から利益を得る。例えば、内燃機関は、後処理フィルターが、そのエンジンに低い背圧を供するときにいっそう効果的に稼働する。低い背圧は、いっそう高い透過性担体を使用することによって作り出される。透過性は、気孔率より測定することがいっそう難しいので、気孔率は、しばしば、担体の透過性に対する代替的指針として使用される。しかし、その気孔が全般的に空いて相互に繋がっていない場合には、担体が非常に多孔性でありうるが、それでもなお透過性が限定されているので、これは、特に厳密な特徴ではない。例えば、スタイロフォームの飲料カップは、非常に多孔性の発泡体材料から形成されるが、しかし液体の流れには透過性がない。したがって、気孔率と透過性の重要性を考慮する上で、担体の気孔構造も調べるべきである。スタイロフォームのカップの例では、スタイロフォーム材料は、閉気孔ネットワークを有する。これは、その発泡体が多くの繋がりのないおよび/または閉鎖末端の気孔を含むことを意味する。
【0006】
この点で、その発泡体内に多くの空隙および開空間があるが、しかしその気孔は繋がってないので、流動体または気体は、発泡体の一方の側から他方に流れることができない。多くの径路(チャネル)が互いに繋がり始めると、それにより流動体路は、一方から他方まで形成し始める。このような場合には、その材料は、さらに多くの開気孔ネットワークを有するようである。その材料じゅうに形成される連結路が多いほど、その物質についての透過性も高くなる。各気孔が少なくとも1つの他の径路に繋がっており、そして全気孔は、流動体の流れが材料から形成された壁の全厚みを通過するのを許す場合、担体は、完全に開放された気孔ネットワークを有すると定義される。セルと気孔の間の差に注目することが重要である。セルは、ハニカム担体を貫通する(一般に互いに平行であるが、必然的ではない)径路と称される。しばしば、ハニカム担体は、その担体が平方インチ当たりにどれだけのセルを有するかの状況の下に当てはまる。例えば、平方インチ当たり200セルを有する担体は、その担体の主軸に沿って200径路を有する。他方では、気孔は、2つの平行な径路またはセルを隔てる壁を構築する材料中のような、材料それ自身の内側の間隙に該当する。完全に、またはほとんど開放された気孔ネットワーク担体は、濾過または触媒産業では知られていない。その代わりに、最も多孔性の利用可能な押出担体でさえ、開気孔と閉気孔の気孔率のハイブリッドである。
【0007】
したがって、担体が、高い気孔率で、そして同様に高い透過性を可能にする内部気孔構造で形成されることが多くの用途にとって非常に望ましい。さらに、特定の用途に関する構造および環境上の要件を支持するのに十分に剛性の構造を有する担体を形成すべきである。例えば、内燃機関に密着させる予定である濾材または触媒コンバータは、ありそうな環境的ショック、熱要件や製造および使用応力に耐えることができなければならない。最終的に、担体は、広範囲に及ぶ用途に対処するのに十分に低い費用で生産される必要がある。例えば、自動車からの世界中の汚染のレベルに影響を及ぼすために、濾過担体は、先進国並びに発展途上国で手ごろで、そして利用可能でなければならない。したがって、濾材や触媒コンバータ担体に対する総体的費用構造は、担体の設計や選択工程における実質的な配慮である。
【0008】
押出は、一定の断面の剛性担体を製造するのに有効でそして費用効率の高い方法であることを立証した。さらに詳細には、セラミック粉末材料の押出は、内燃機関用の濾材や触媒担体を製造する最も広範に使用された方法である。何年もかけて、粉末セラミックを押出す方法は、60%に近づく気孔率を示す担体を押出しうるように進展した。これらの押出多孔質担体は、優れた強度特徴を示し、柔軟に製造でき、拡張して製造でき、高品質水準を維持し、そして非常に費用効率が高い。しかし、粉末セラミック材料の押出は、特定の上限の気孔率を達成し、そして気孔率におけるさらなる増大は、受け入れ難く低い強度を生じそうである。例えば、気孔率が、60%を越えて増大された場合、押出セラミック粉末担体は、ディーゼルエンジン用微粒子群フィルターの過酷な環境で稼働させるほど十分に強力であることを立証していない。既知押出工程の別の制限では、より十分な触媒変換に対処する担体における表面積を増大させることが望まれてきた。表面積を増大させるために、押出セラミック粉末担体は、セル密度を増大させようとしたが、しかしセル密度における増大は、エンジンに対して受入れ難い背圧を生じた。したがって、押出セラミック粉末担体は、非常に高い気孔率で十分な強度を示さず、さらに、表面積が増大される必要があるときに、受け入れ難い背圧を生じる。したがって、セラミック粉末の押出は、それの特定の利用性限度に達したように見える。
【0009】
高い気孔率を得るための努力で、濾材供給者は、ひだ付セラミック紙に移行しようと試みてきた。このようなひだ付セラミック紙を使用して、非常に低い背圧を示す約80%の気孔率が可能である。このような低い背圧で、これらの濾材は、極度に低い背圧が必要である掘削のような用途で使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、ひだ付セラミック紙濾材の使用は、散発的であり、そして広く採用されはしなかった。例えば、ひだ付セラミック紙は、過酷な環境で有効には使用されなかった。ひだ付セラミック紙を製造すると、比較的弱いセラミック紙構造を造り出す製紙工程の使用を必要とし、そして押出濾材と比較して費用効率がよいように見えない。さらに、ひだ付セラミック紙の形成は、セル形状や密度においてほとんど柔軟性を許さない。例えば、大きな入口径路や小さな出口径路を有する紙製ひだ付濾材を造り出すことは困難であり、そしてそれは、ある種の濾過用途では望ましいかもしれない。したがって、ひだ付セラミック紙の使用は、高い気孔率濾材や触媒担体についての要件を満足させなかった。
【0011】
気孔率を増大させ、そしてひだ付紙の欠点を避ける努力の別の例では、セラミック前駆体を有するマスを形成し、そして多孔性パターンで単結晶ウィスカーを成長させるために、そのマスを注意深く加工することによって、担体を構築する者もいた。しかし、これらの結晶を現場で成長させることは、硬化工程の注意深くて正確な制御を必要として、その工程を計測するのが困難になり、比較的高価で、そして欠陥を生じる傾向にある。さらに、この困難な方法は、気孔率にさらに数パーセントを与えるのみである。最終的に、その工程は、ムライト型結晶ウィスカーを成長させるだけで、そしてそれは、その担体の利用性を限定する。例えば、ムライトは、大きな係数の熱膨張を示すことが知られ、そしてそれは、広範な稼働温度帯と鋭敏な温度移行を必要とする多くの用途で、結晶質ムライトウィスカーを望ましくなくする。
【0012】
したがって、当業界は、高い気孔率および関連した高透過性を示す剛性担体を必要とする。好ましくは、担体は、非常に望ましい開放セルネットワークとして形成され、製造するのに費用効率がよく、そして柔軟な物理的、化学的、そして反応特性で製造されうる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔には、本発明は、押出工程を使用して、非常に多孔性の担体を生産するための押出可能な混合物を提供する。さらに詳細には、本発明は、有機、無機、ガラス、セラミックまたは金属繊維のような繊維を、押出して硬化させるときに、非常に多孔性の担体を形成するマスに混合できる。特定の混合物によって、本発明は、約60%から約90%までの担体気孔率を可能にし、そして同様に、他の気孔率で加工利点を可能にする。押出可能な混合物は、広範多様な繊維および添加剤を使用でき、そして広範多様な稼働環境や用途に適合できる。担体要件によって、1より大きなアスペクト比を示す繊維を選択し、そしてバインダー、気孔形成成分、押出助剤、および流動体と混合して、均質で押出可能なマスを形成する。均質なマスを、生素地の担体に押出して、多くの揮発性の材料を、生素地の担体から優先的に除去し、そしてそれは、繊維に相互連結および接触をさせる。硬化工程が継続すると、繊維対繊維の結合を形成して、実質的に開気孔ネットワークを有する構造を生じる。得られた多孔質担体は、多くの用途で、例えば、濾材または触媒ホスト用の担体、または触媒コンバータとして有用である。
【0014】
さらに特定の例では、さらに典型的には、約3から約500までの範囲内にあるが、約3と約1000の間のアスペクト比分布を示すセラミック繊維を選択する。アスペクト比は、繊維の直径によって割られる繊維の長さの比である。セラミック繊維を、均質なマスに、バインダー、気孔形成成分、および流動体と混合する。せん断混合工程を使用して、マス中に繊維を均等に、さらに十分に分配させる。セラミック材料は、マスの約8重量%から約40重量%までであり得て、そしてそれは、約92%と約60%の間の気孔率を示す担体を生じる。均質なマスを、押出して、生素地の担体にする。バインダー材料を、その生素地の担体から除去し、そしてそれは、繊維を重複させ、そして接触させうる。硬化工程を継続すると、繊維対繊維の結合を形成して、剛性の開放セルネットワークを生じる。この説明で使用される場合、「硬化」は、2つの重要な工程段階を含むと定義される。1)バインダー除去、および2)結合形成。バインダー除去工程は、水を除去し、ほとんどの添加剤を除去し、そして繊維対繊維の接触を可能にする。得られた多孔質担体は、多くの用途に、例えば、濾材または触媒コンバータ用の担体として有用である。
【0015】
別の特定の例では、気孔形成成分の使用なしに、多孔質担体を生成しうる。この場合には、セラミック材料は、マスの約40体積%から約60体積%またはそれより多くであり得て、そしてそれは、約60%と約40%の間の気孔率を示す担体を生じる。気孔形成成分を使用しないので、押出工程を簡素化し、そしていっそう費用効率が上がる。さらに、得られた構造は、非常に望ましく、実質的に開放された気孔ネットワークである。
【0016】
有利には、開示された繊維押出システムは、高い気孔率を示し、そして関連した高透過性を可能にする開気孔ネットワークを有し、並びに用途の必要性によって十分な強度を示す担体を生産する。繊維押出システムは、得られた濾材および触媒コンバータの広範な使用を可能にする十分な費用効率の良さを示す担体も生産する。押出システムは、大量生産に容易に拡張でき、そして多数の用途を支持するために柔軟な化学および構造に対処する。本発明は、押出可能な混合物中に繊維材料の先駆的使用をなす。この繊維状押出可能な混合物は、拡張可能な生産で、そして費用効率の良い手段で、非常に高い気孔率を示す担体の押出しを可能にする。繊維を、反復可能で、そして確固とした押出工程で使用することを可能にすることによって、本発明は、世界中で、広い用途の濾材および触媒担体の大量生産を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明の解釈から明らかになり、そして付随の請求項で特に指摘されるその手段と組合せの手段により認識されうる。
【0018】
本発明の実施例の詳細な説明をここに提供する。しかし、本発明は、種々の形態で例示されうると解釈すべきである。したがって、ここに開示される特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、むしろ当業者に、実際上いずれの詳細なシステム、構造または手段で本発明をどのように使用するかを教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。
【0019】
ここで図1に関して、多孔質担体を押出すためのシステムを例示する。一般に、システム10は、最終的に高い多孔質担体製品に硬化されうる生素地の担体を押出す押出工程を使用する。システム10は、高い気孔率を示し、関連した高透過性を可能にする実質的に開気孔のネットワークを有し、並びに用途必要性によって十分な強度を有する担体を有利に生産する。システム10は、得られる濾材や触媒コンバータの広範な使用を可能にするのに十分に費用効率の良い担体も生産する。システム10は、容易に大量生産に拡張可能であり、そして多数の用途を支持する柔軟な化学および構築に対処する。
【0020】
システム10は、非常に柔軟な押出工程を可能にし、そしてそのため、広範な特定の用途に適応できる。システム10を使用するときに、担体設計者は、最初に、担体に関する要件を確立する。これらの要件は、例えば、サイズ、流動体透過性、所望の気孔率、気孔サイズ、機械的強度や衝撃特性、熱安定性、および化学反応限度を含みうる。これらおよび他の要件によって、設計者は、押出可能な混合物を形成する際に使用する材料を選択する。重要なのは、システム10が、押出担体の形成の際に繊維12の使用を可能にする。これらの繊維は、例えば、セラミック繊維、有機繊維、無機繊維、重合体繊維、オキシド繊維、ガラス質繊維、ガラス繊維、非晶質繊維、結晶質繊維、非オシキド繊維、カーバイド繊維、金属繊維、他の無機繊維構造、またはこれらの組合せでありうる。しかし、分かりやすい説明のために、他の繊維を使用しうることが予測されるが、セラミック繊維の使用が説明されている。さらに、他の使用が考慮され、そして本教示の範囲内にあるが、担体は、しばしば、濾材担体または触媒担体とみなされる。設計者は、用途の特定の必要性に基づいて特定の型の繊維を選択する。例えば、ムライト繊維、アルミニウムシリケート繊維、または他の一般に利用可能なセラミック繊維材料として、セラミック繊維を選択しうる。繊維は、特に、繊維を利用可能な長さに切断するために加工14されることを必要とし、そしてそれは、繊維を添加剤と混合する前に、細断加工を含みうる。さらに、押出工程での種々の混合および成形段階は、さらに繊維を切断する。
【0021】
特定の要件によって、添加剤16を添加する。これらの添加剤16は、バインダー、分散剤、気孔形成成分、可塑剤、加工助剤、および強化材料を含みうる。さらに、一般には水である流動体18を、添加剤16および繊維12と合わせる。繊維、添加剤および流動体を、押出可能なレオロジーまで混合する21。この混合は、乾式混合、湿式混合、およびせん断混合を含みうる。均質なマスを生じるまで、繊維、添加剤、および流動体を混合し、そしてそれは、マス内に繊維を均等に分配および配列する。その後、繊維状および均質なマスを押出して、生素地の担体を形成する23。生素地の担体は、残りの加工の間じゅう互いに保持するのに十分な強度を有する。
【0022】
その後、生素地の担体を硬化させる25。本説明で使用される場合、「硬化」は、2つの重要な加工段階を含むと定義される。1)バインダー除去、および2)結合形成。バインダー除去工程は、水を除去し、ほとんどの添加剤を除去し、そして繊維対繊維接触を可能にする。しばしば、バインダーをバーンオフさせる加熱工程を使用して、バインダーを除去するが、使用された特定のバインダーによって、他の除去加工を使用しうることが分かる。例えば、蒸散または昇華工程を使用して、ある種のバインダーを除去しうる。ある種のバインダーおよび/または他の有機成分は、気相に分解する前に溶融する可能性がある。硬化工程が継続すると、繊維対繊維結合を形成する。これらの結合は、全体的構造上の剛性を促進し、並びに担体の望ましい気孔率や透過性を作り出す。したがって、硬化担体30は、開気孔ネットワーク30に結合されるおおむね繊維の非常に多孔質の担体である。その後、担体を、濾材用途や触媒コンバータ用途のための担体としてを含めた多くの用途のための担体として使用しうる。有利には、システム10は、約90%までの気孔率を有する担体を生産する望ましい押出工程を可能にした。
【0023】
ここで図2に関して、押出可能な材料50を例示する。押出可能な材料50は、ピストンまたは軸押出機のような押出機からすぐに押出すことができる。押出可能な混合物52は、特定の用途によって要求されるとおりの繊維、可塑剤、および他の添加剤を含む均質なマスである。図2は、均質なマスの拡大部分54を示す。拡大部分54を、拡張するために描いてはいけないかもしれないが、本説明に対する助けとしてもたらされることが認識される。押出可能な混合物52は、繊維56、57および58のような繊維を含有する。所望の熱的、化学的、機械的、および濾過特徴を示す非常に多孔質で、そして剛性の最終担体を生産するために、これらの繊維を選択した。認識されるとおり、実質的に繊維状の本体は、それら自身の可塑性を示さないので、押出可能であるとみなされなかった。しかし、可塑剤や工程制御の適切な選択を通して、繊維を含む押出可能な混合物52を押出しうることが分かった。この点で、押出の費用、規模、および柔軟性利点は、繊維状材料を使用することから利用可能な利益を含むことにまで及びうる。
【0024】
一般に、繊維は、1より大きなアスペクト比を示す比較的小さな直径を有する材料と見なされる。アスペクト比は、繊維の直径により割られる繊維の長さの比である。ここで使用される場合、繊維の「直径」は、簡潔には、繊維の断面形状が円形であると考えられる。この簡潔な前提は、それらの真の断面形状にかかわらず、繊維に適用される。例えば、10のアスペクト比を示す繊維は、その繊維の直径の10倍である長さを有する。約1ミクロンから約25ミクロンまでの範囲にある直径は十分に利用可能であるが、繊維の直径は、6ミクロンでありうる。多くの異なる直径およびアスペクト比の繊維を、システム10で首尾よく使用しうることが分かる。後の図に関してより詳細に示されるとおり、繊維についてのアスペクト比を選択するために、いくつかの代替物が存在する。繊維の形状は、各セラミック粒子のアスペクト比がおよそ1である典型的なセラミック粉末と対照的な形状にあることも分かる。
【0025】
図2は、セラミック繊維に関して検討されるが、押出可能な混合物52の繊維は、金属性でありうる(しばしば、薄い直径の金属性ワイヤとも称される)。セラミック繊維は、非晶質状態、ガラス質状態、結晶質状態、多結晶質状態、単結晶質状態、またはガラス−セラミック状態でありうる。押出可能な混合物52を製造する上で、比較的低い体積のセラミック繊維を、多孔質担体を作製するために使用する。例えば、押出可能な混合物52は、もっぱら約10体積%から40体積%までに限られたセラミック繊維材料を有しうる。この点で、硬化後に、生じる多孔質担体は、約90%から約60%までの気孔率を示す。他の気孔率価を生じるために、他の量のセラミック繊維材料を選択しうることが分かる。
【0026】
押出可能な混合物を生産するために、繊維を、特に可塑剤と組合わせる。この方法で、繊維を、他の選択された有機または無機添加剤と組合わせる。これらの添加剤は、押出物にとって3つの重要な特性を供する。第一に、添加剤は、押出可能な混合物に、押出にとって適切なレオロジーを示させる。第二に、これらの添加剤が硬化工程の間に除去されるまで、添加剤は、その形態を保持し、そして繊維の位置決めをするのに十分な強度である一般に生素地の担体と称される押出担体を供する。そして第三に、添加剤が、繊維を重複構造に配列させるのを促進する方法で、そして形成中の剛性構造を弱体化しない方法で、硬化工程でバーンオフするように、添加剤を選択する。一般に、添加剤は、バインダー61のようなバインダーを含む。バインダー61は、繊維を位置に保持し、そして生素地の担体に強度を供する媒体として作用する。繊維およびバインダー(類)を使用して、比較的高い気孔率を示す多孔質担体を生産しうる。しかし、気孔率をさらに増大させるために、気孔形成成分63のような別の気孔形成成分を添加しうる。最終的硬化担体での開空間を増大するために、気孔形成成分を添加する。気孔形成成分は、形状で、球形、長円形、繊維状または不規則でありうる。開空間を作り出すそれらの能力や、それらの熱分解作用に基づいた能力のみならず、繊維を配向させる上で助けにもなる気孔形成成分を選択する。この点で、気孔形成成分は、硬化の後期段階の間に、繊維の間の適切な結合を促進する重複パターンに繊維を並べる上で助けになる。さらに、気孔形成成分は、好ましい方向での繊維の配列にも役割を果たし、そしてそれは、様々の軸に沿って押出材料の熱膨張および強度に影響を及ぼす。
【0027】
上に簡潔に示されるとおり、押出可能な混合物52は、多くの型の利用可能な繊維から選択される1つまたはそれより多くの繊維を使用しうる。さらに、選択された繊維を、広範多様なバインダーから選択される1つまたはそれより多くのバインダーと合わせうる。さらに、広範多様な気孔形成成分から選択される1つまたはそれより多くの気孔形成成分を添加しうる。押出可能な混合物は、それの可塑剤として水または他の流動体を使用でき、そして添加される他の添加剤を有しうる。生成化学におけるこの柔軟性は、押出可能な混合物52を、多くの異なる型の用途で有利に使用することを可能にする。例えば、混合物組合せは、要求される環境、温度、化学、物理、または他の要件必要性によって選択しうる。さらに、押出可能な混合物52は、すぐに押出できるので、最終的な押出製品は、柔軟に、そして経済的に形成されうる。図2で示されないが、押出可能な混合物52は、軸またはピストン押出機を通して押出して、生素地担体を形成し、そしてそれをその後、最終的な多孔質担体製品に硬化させる。
【0028】
本発明は、押出のためのプラスチックバッチまたは混合物における繊維材料の先駆的使用を示す。この繊維状押出可能な混合物は、拡張可能な生産で、そして費用効率のよい手段で、非常に高い気孔率を示す担体の押出しを可能にする。繊維を、反復可能で、堅固な押出工程で使用することを可能にすることによって、本発明は、世界中で広範な用途のための濾材や触媒担体の大量生産を可能にする。
【0029】
図3Aに関して、多孔質担体の拡大された硬化領域を示す。担体部分100は、バインダー除去102の後、そして硬化工程110の後で示される。バインダー除去102の後、繊維103および104のような繊維は、最初、バインダー材料で位置に保持され、そしてバインダー材料がバーンオフ(焼き切れ)したとき、繊維は、重複しているが、解けている構造にあるようにさらされる。さらに、気孔形成成分105を位置決めして、別の開空間を生じ、並びに繊維を整列および配列しうる。繊維は、ただ比較的少量の押出可能な混合物を含むのみなので、多くの開空間107は、繊維間に存在する。バインダーや気孔形成成分がバーンオフされると、繊維を、互いにさらに接触するために僅かに調整しうる。バインダーや気孔形成成分を、繊維の配列を分断するか、またはバーンオフ中に担体を崩壊させないように制御手段でバーンオフするように選択する。特に、バインダーや気孔形成成分は、繊維間の結合を形成する前に、分解またはバーンオフするように選択される。硬化工程が継続すると、重複し、そして接触している繊維は、結合を始める。その結合は、いくつかの方法で形成されうることが分かる。例えば、繊維を加熱して、繊維の交点または節で液体支援焼結結合の形成をなすまで加熱しうる。この液相焼結は、選択された特定の繊維から生じうるか、または混合物に添加されるか、または繊維上に被覆される別の添加剤から生じうる。他の場合には、固相の焼結結合を形成することが望ましい可能性がある。この場合には、交点結合は、重複繊維を繋げる粒子構造を形成する。生素地の状態では、繊維は、互いに物理的結合をまだ形成していないが、しかし互いに繊維の絡まりにより、ある程度の原料強度をなお示しうる。選択された特定の型の結合は、基材材料、所望の強度、および稼働中の化学または環境の選択による。ある種の場合には、結合は、無機バインダーの存在によって引起され、そして繋がったネットワーク中で互いに繊維を保持し、そして硬化工程の間にバーンオフしない混合物を提供する。
【0030】
有利に、結合112のような結合の形成は、繊維で実質的に剛性の構造を形成することを促進する。結合は、非常に高い気孔率を示す開気孔ネットワークの形成も可能にする。例えば、開空間116は、繊維間の空間により自然に作り出される。開空間114は、気孔形成成分105が分解またはバーンオフするときに作り出される。この点で、繊維結合形成工程は、終結径路(チャネル)のないか、または実質上ない開気孔ネットワークを作り出す。この開気孔ネットワークは、高い透過性、高い濾過効率を発生し、そして例えば触媒の添加のための高い表面積を可能にする。結合の形成が、固相または液体支援/液相の焼結のような望まれる結合の型により、そして添加剤は、硬化工程の間存在する可能性があることが認識される。例えば、添加剤、特定の繊維選択、加熱の時間、加熱の程度、および反応環境は全て、特定の型の結合を作り出すように調整されうる。
【0031】
ここで図3Bに関して、多孔質担体の別の拡大された硬化領域を示す。担体部分120は、バインダー除去122の後、そして硬化工程124の後で示される。担体部分120は、図3Aに関して示される担体部分100に類似し、そのため詳細には示されない。担体120は、特定の気孔形成成分の使用なしに形成され、それにより全開気孔ネットワーク124は、バインダー材料を用いた繊維の位置決めから生じた。この点で、中程度に高い気孔率担体は、なんらの特定の気孔形成成分の使用なしに形成され、それによりこのような中程度の気孔率の担体を製造するための費用や複雑さを減じうる。約40%から約60%までの範囲にある気孔率を示す担体を、この方法で生産しうることが分かった。
【0032】
ここで図4に関して、電子顕微鏡写真の集合150を示す。写真の集合150は、第一に、繊維状押出可能な混合物を使用して所望により作り出された開気孔ネットワーク152を示す。見ることができるとおり、繊維は、交点の繊維節で結合を形成し、そして気孔形成成分およびバインダーをバーンオフさせ、そして多孔質の開気孔ネットワークを遊離する。強い明暗で、写真154は、既知工程を使用して作製される典型的な閉鎖セルネットワークを示す。部分的に閉鎖された気孔ネットワークは、比較的高い気孔率を示すが、しかし少なくともその気孔率のいくらかは、閉鎖径路から誘導される。これらの閉鎖径路は、透過性に寄与しない。この点で、開気孔ネットワークや、同じ気孔率を示す閉気孔ネットワーク、開気孔ネットワークは、さらに望ましい透過性特徴を示す。
【0033】
全般的に示された押出可能な混合物および工程は、非常に有利で、そして多孔質担体を生産するために使用される。1つの例では、図5で示されるとおり、多孔質担体を、濾材ブロック担体175に押出しうる。担体ブロック175を、ピストンまたは軸押出機を使用して押出した。押出機を、室温、僅かに高い温度で、または制御された温度窓中で稼働するように調整しうる。さらに、押出機のいくつかの部分を、押出混合物の遅延特徴、せん断歴、およびゲル化特徴に影響する様々の温度に加熱しうる。さらに、押出ダイのサイズは、加熱および焼結工程の間に担体における予想される収縮を調節することによってもサイズ分けされうる。都合よく、押出可能な混合物は、繊維状材料の押出をさせるのに十分な可塑剤および他の添加剤を有する繊維状の押出可能な混合物であった。押出された原料状態のブロックを硬化させて、遊離水を除去し、添加剤をバーンオフさせ、そして繊維間の構造上の結合を形成した。得られたブロック175は、非常に望ましい気孔率特徴、並びに素晴らしい透過性および利用性の高い表面積を有する。さらに、選択された特定の繊維や添加剤によって、有利な深度濾過のためのブロック175を構築しうる。ブロック176は、ブロックじゅうに縦軸で伸びる径路179を有する。ブロック178に対する入口は、フロー−スルー工程のために開放したままである可能性があるか、または他の各開口部に栓をして、壁流動効果を生じうる。六角形の径路を有するブロック175が示されるが、他のパターンやサイズを使用しうることが分かる。例えば、均等なサイズに作製された四角、長方形、または三角形の径路パターン;大きな入口径路を有する四角/長方形または八角形/四角形の径路パターン;または別の対称的または非対称的径路パターンを示す経路を形成しうる。ダイの設計を調節することによって、径路またはセルの厳密な形状およびサイズを調整しうる。例えば、四角形の径路は、ダイにおけるピンを形作るEDM(電子放電加工)を使用することによって、角を曲げさせうる。このような丸みのある角は、僅かに高い背圧にもかかわらず、最終製品の強度を増大すると予測される。さらに、その壁が、様々の厚みを示し、そしてその皮は、残りの壁と異なる厚みを有するハニカム担体を押出すように、ダイ設計を改修しうる。同様に、いくつかの用途では、外皮を、サイズ、形状、外形や強度の最終定義のための押出担体に適用しうる。
【0034】
フロー・スルー・デバイスとして使用される場合、高気孔率のブロック176は、触媒材料の用途のための大きな表面積を可能にする。この点で、非常に有効で、そして十分な触媒コンバータを作成でき、そしてそのコンバータは、低い熱マスを有する。このように低い熱マスで、得られた触媒コンバータは、優れた消光特徴を有し、そして触媒材料を有効に使用する。壁流動または壁濾過の例で使用される場合、担体壁の高い透過性は、深度濾過を促進しつつ、比較的低い背圧を可能にする。この深度濾過は、十分な粒子除去を可能にし、並びにさらに有効な再生を促進する。壁流動設計で、担体を通して流れる流動体を、担体の壁を通して移動させ、したがって、壁を作る繊維とのいっそう直接的な接触を可能にする。それらの繊維は、触媒が存在する場合のような、強力な反応が起こる高い表面積を示す。押出可能な混合物は、広範多様な繊維、添加剤、および流動体から形成されうるので、押出可能な混合物の化学を、特定の特徴を示すブロックを発生するように調節しうる。例えば、最終ブロックは、ディーゼル粒子濾材として望ましい場合、制御されない再生の極端な温度でさえ安全な稼働を確認する繊維を選択する。別の例では、ブロックは、特定の型の排気ガスを濾過するために使用される予定である場合、繊維および結合は、予測される稼働温度範囲に渡って排気ガスと反応しないように選択される。高い気孔率の担体の利点は、濾材や触媒コンバータに関して記述されたが、高い多孔質担体についての他の多くの用途が存在することが認識される。
【0035】
図2に関して記述されるとおり繊維状押出可能な混合物は、広範多様な基材材料から形成されうる。適切な材料の選択は、一般に、最終担体が稼働するに違いない化学、機械、および環境条件に基づく。したがって、多孔質担体を設計する上での第一段階は、担体についての最終用途を理解することである。これらの要件に基づいて、特定の繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体および他の材料を選択しうる。選択された材料に適用される工程が、最終担体製品に影響しうることも認識される。繊維は、最終担体製品で主要な構造材料であるので、繊維材料の選択は、最終担体に、それの意図した用途で稼働させうるために重要である。したがって、繊維は、要求される結合要件によって選択され、そして特定の型の結合工程を選択する。結合工程は、液相焼結、固相焼結、またはガラス形成成分、ガラス、粘土、セラミック、セラミック前駆体またはコロイド状ゾルのような結合剤を必要とする結合でありうる。結合剤は、繊維構築、繊維上の被覆剤の内の1つ、または添加剤の内の1つにおける成分の一部でありうる。1つより多くの型の繊維を選択しうることも認識される。硬化および結合工程の間に、ある程度の繊維を消費しうることも認識される。繊維組成物を選択する上で、最終稼働温度は、繊維の熱安定性を維持しうるために、重要な懸念である。別の例では、予想される気体、液体または固形粒子物の存在下で化学的に不活性または反応性がないままであるように繊維を選択する。それの費用によっても、繊維を選択でき、そしてある種の繊維は、それらの小型サイズにより健康懸念がある可能性があり、したがって、それらの使用を避ける可能性がある。機械的環境により、強い剛性構造を形成する、並びに要求される機械的無欠性を維持するそれらの能力により、繊維を選択する。適切な繊維または繊維の集合の選択は、性能と用途交換条件に関与する可能性があることが認識される。図6、表1は、繊維状押出可能な混合物を形成するために使用されるいくつかの型の繊維を示す。一般に、繊維は、オキシドまたは非オキシドセラミック、ガラス、有機、無機でありうるか、またはそれらは、金属性でありうる。セラミック材料については、繊維は、非晶質、ガラス質、多結晶質または単結晶質のような様々な状態にありうる。表1は、多くの利用可能な繊維を示すが、他の型の繊維を使用しうることが認識される。
【0036】
その後、選択される繊維の型、並びに他の所望の特徴によって、バインダーおよび気孔形成成分を選択しうる。1つの例では、選択された繊維の間の特定の型の液相結合を促進するバインダーを選択する。さらに詳細には、バインダーは、結合温度で反応して、交点繊維の節に繋がった液体の流れを促進する成分を有する。さらに、選択された繊維を可塑化する、並びにそれの原料状態の強度を維持するそれの能力についてバインダーを選択する。1つの例では、使用されるべき押出の型、および押出のために要求される温度によっても、バインダーを選択する。例えば、ある種のバインダーは、加熱し過ぎた場合、ゲル状マスを形成し、したがって低温押出工程で使用されうるのみである。別の例では、せん断混合特徴におけるそれの衝撃により、バインダーを選択しうる。この点で、バインダーは、混合工程の間に所望のアスペクト比に繊維を細断することを促進しうる。それの分解またはバーンオフ特徴によっても、バインダーを選択しうる。バインダーは、一般に本来の場所に繊維を保持でき、そしてバーンオフの間に形成中の繊維構造を分断しない必要がある。例えば、バインダーが、早くまたは激しくバーンオフしすぎる場合、逃げる気体は、形成中の構造を分断しうる。さらに、バーンアウト後、バインダーが後に残る残渣の量によって、バインダーを選択しうる。いくつかの用途は、このような残渣に非常に敏感でありうる。
【0037】
気孔形成成分は、比較的中程度の気孔率の形成に必要とされないかもしれない。例えば、バインダー内の繊維の自然の配列および充填は、約40%から約60%までの気孔率を可能にするために協力しうる。この点で、気孔形成成分の使用なしに押出工程を使用して、中程度の多孔質担体を発生しうる。いくつかの場合には、気孔形成成分の除去は、既知工程と比較した場合に、いっそう経済的な多孔質担体を製造することを可能にする。しかし、約60%より大きな気孔率が要求される場合、硬化後、担体内に別の空間を生じるために、気孔形成成分を使用しうる。気孔形成成分は、それらの分解またはバーンオフ特徴によっても選択でき、そしてそれらのサイズおよび形状によっても選択しうる。気孔サイズは、例えば、特定の型の粒子物を捕捉するために、または特に高い透過性を可能にするために重要である可能性がある。気孔の形状は、例えば、繊維の適切な配列で支援するためにも調節されうる。例えば、比較的細長い気孔形状は、繊維をいっそう配列されたパターンに整列させうる一方で、いっそう不規則または球状形状は、繊維をいっそう任意のパターンに配列させうる。
【0038】
繊維は、細断繊維として製造業者から供給され、そして工程で直接的に使用されるか、または繊維を、バルクフォーマットで提供でき、そしてそれは、一般に使用前に加工される。いずれの方法も、加工の配慮は、繊維を、どのようにそれの最終の所望されるアスペクト比分布に加工するかを考慮に入れるべきである。一般に、他の添加剤と混合する前に、繊維を、最初に細断し、そしてその後、さらに混合、せん断、および押出段階の間に細断する。しかし、押出は、合理的な押出圧力で押出可能な押出ミックスを作るレオロジーを設定することによって、未細断繊維を用いて、そして押出ダイ面で圧力下に置かれたときに、押出ミックス中で膨張流れを引起すことなく行うこともできる。適切なアスペクト比分布まで繊維を細断することは、全体の工程で様々の時点で行われうることが認識される。いったん繊維が選択され、そして利用可能な長さに細断されると、それを、バインダーおよび気孔形成成分と混合する。この混合は、最初、混合工程を開始するのに乾式形態で行われうるか、または湿式混合工程として行われうる。典型的には水である流動体を、その混合物に添加する。要求されるレベルの均一な分布を得るために、混合物を、1つまたはそれより多くの段階を通してせん断混合する。せん断混合または分散性混合は、混合物中に繊維を均等に分布させ、並びに所望のアスペクト比にさらに繊維を切断するための非常に望ましい均質な混合工程を提供する。
【0039】
図6表2は、選択に利用できるいくつかのバインダーを示す。単独のバインダーを使用してもよく、または複数のバインダーを使用してもよいことが認識される。バインダーは、一般に、有機および無機の分類に分けられる。有機バインダーは、一般に硬化の間に低温でバーンオフされる一方で、無機バインダーは、特に、高温で、最終構造の一部を形成する。いくつかのバインダー選択は、表2で列挙されるが、いくつかの他のバインダーを使用しうることが認識される。図6表3は、利用可能な気孔形成成分のリストを示す。気孔形成成分は、一般に、有機または無機として定義され、そして有機のものは、特に、無機のものより低温でバーンオフされる。いくつかの気孔形成成分は、表3で列挙されるが、他の気孔形成成分を使用しうることが認識される。図6表4は、使用しうる様々の流動体を示す。水は、最も経済的で頻繁に使用される流動体でありうることが認識されるが、ある種の用途は、他の流動体を必要とする可能性がある。表4は、使用されうるいくつかの流動体を示すが、特定の用途および工程要件によって、他の流動体を選択しうることが認識される。
【0040】
一般に、有利な押出のために適切なレオロジーを有するように混合物を調節しうる。特に、適切なレオロジーは、繊維、バインダー、分散剤、可塑剤、気孔形成成分および流動体の適切な選択および混合から生じる。繊維に可塑性を適度に供するために、高度の混合を必要とする。いったん適切な繊維、バインダーおよび気孔形成成分を選択すると、流動体の量は、特に、適切なレオロジーに適合するように最終的に調節される。2つの試験の内の一方によるような適切なレオロジーを示しうる。第一の試験は、混合物のビーズを取出し、そして熟練した押出操作者の指の間で形成される主観的で、非公式な試験である。操作者は、混合物が指の間で適切にずらした時に識別でき、そして混合物が、押出のための適切な条件下にあることを示す。第二のさらに客観的な試験は、混合物の物理的特徴を測定することによる。一般に、閉込め(すなわち、高圧)管状流量計を使用して、せん断強度対圧縮圧を測定できる。粘着強度対圧力の依存性の比較によって、測定を行い、そして記入する。流動体の種々の混合物および濃度で、混合物を測定することによって、レオロジー点を識別するレオロジー図を作成しうる。例えば、表5の図6は、繊維状セラミック混合物についてのレオロジー図を示す。軸232は、粘着強度を示し、そして軸234は、圧力依存性を示す。押出可能な領域236は、繊維状押出が非常に起こりやすい領域を示す。したがって、領域236内に入るあらゆる測定値によって特徴づけられる混合物は、首尾よく押出しそうである。もちろん、レオロジー図は、多くの変数にかかわり、そしてそれにより領域236の位置決めでいくつかの変数を予想するべきであることが分かる。さらに、レオロジーおよび可塑性を測定するためのいくつかの他の直接および間接的試験が存在し、そして混合物がそれについての正しいレオロジーを示すかどうかを調べるために、多くのそれらの試験の態勢を整えて、所望の製品の最終形状に押出させうることが認識される。
【0041】
いったん適切なレオロジーに達したら、押出機を通して混合物を押出す。押出機は、ピストン押出機、単軸押出機、または二軸押出機でありうる。押出工程を、高度に自動化させうるか、またはヒトの介入を必要としうる。混合物を、担体ブロックについての所望の断面形状を示すダイを通して押出す。生素地の担体を十分に形成するダイを選択した。この点で、それの形状および繊維配列を維持しつつ、硬化工程を通して取扱われうる安定な生素地の担体を作製する。
【0042】
その後、生素地の担体を乾燥および硬化させる。乾燥は、室内条件で、制御温度および湿度条件(制御されたオーブンでのような)で、電子レンジで、RFオーブン、および対流オーブンで行いうる。硬化は、一般に、生素地の担体を乾燥させるために遊離水の除去を必要とする。亀裂または他の構造上の欠陥を導入しないように制御手段で生素地の担体を乾燥させることが重要である。その後、温度を上昇させて、バインダーおよび気孔形成成分のような添加剤をバーンオフさせうる。添加剤を、制御手段でバーンオフさせることを確実にするために、その温度を制御する。添加剤バーンオフが、熱の種々の時限サイクルおよび種々のレベルを通して温度の周期を必要としうることが認識される。いったん添加剤がバーンオフされると、担体を要求温度に加熱して、繊維交点または節で構造上の結合を形成する。要求された結合の型や繊維の化学によって、要求された温度を選択する。例えば、液体支援焼結結合は、特に、固相結合より低い温度で形成される。結合温度での時間の量を、生成されるべき結合の特定の型によって調節しうることも認識される。同じ炉で、異なる炉で、バッチまたは連続工程で、そして空気または制御雰囲気条件下で、全熱サイクルを行うことができる。繊維結合を形成した後、担体を、室温までゆっくりと冷却する。硬化工程が、一つのオーブンまたは複数のオーブン/炉で達成されうること、そしてトンネル窯のような製造オーブン/炉で自動化しうることが認識される。
【0043】
ここで図7に関して、多孔質担体を押出すためのシステムを示す。システム250は、多孔質担体を生産するための非常に柔軟な工程である。担体を設計するために、担体要件は、ブロック252で示されるとおり定義される。例えば、担体の最終用途は、一般に担体用件を定義し、そしてそれは、サイズ拘束、温度拘束、強度拘束、および化学反応拘束を含みうる。さらに、担体の費用および大量生産性は、所定の選択を決定し稼働させうる。例えば、高い生産率は、押出ダイに比較的高温の発生を引起す可能性があり、したがって、硬化またはゲル化なしに、高温で稼働するバインダーを選択する。高温バインダーを使用した押出では、ダイおよびバレルは、60から180℃までのような比較的高温で維持されることを必要としうる。このような場合には、バインダーは、溶融して、別の流動体の必要性を減じるか、または除去しうる。別の例では、濾材は、粒子物を捕捉するように設計でき、そこで、高温でさえ、粒子物と反応性がないままでいる繊維を選択する。広い範囲の可能な混合物および工程で広範な範囲の用途を適応させうることが認識される。当業者は、繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体および加工段階の選択に関与した交換条件を認識する。実際に、システム250の明らかな利点の内の1つは、混合物組成物の選択およびその工程の調節に関するそれの柔軟性である。
【0044】
いったん担体用件が定義されると、繊維は、ブロック253で示されるとおり図6の表1から選択される。繊維は、単独の型のものでありうるか、または2つまたはそれより多くの型の組合せでありうる。硬化工程の間に消費されるいくつかの繊維を選択しうることも認識される。さらに、繊維に、繊維上の被覆剤のような、添加剤を添加して、混合物に他の材料を導入しうる。例えば、繊維に分散剤を塗布して、繊維の分離および配列を促進しうるか、または結合助剤を、繊維に被覆しうる。結合助剤の場合には、繊維が、硬化温度に達するときに、結合助剤は、液相の結合の形成および流れを支援する。
【表1】
【0045】
その後、ブロック255で示されるとおり、図6の表2からバインダーを選択する。生素地の状態の強度、並びに制御されたバーンオフを促進するバインダーを選択する。さらに、混合物中に十分な可塑性を生じるバインダーを選択する。必要とされる場合、ブロック256で示されるとおり、図6の表3から気孔形成成分を選択する。ある種の場合には、繊維およびバインダーのみの使用を通して、十分な気孔率を得ることができる。気孔率は、繊維の自然の充填特徴によってのみならず、脱バインダーおよび硬化段階の間に放出されるバインダー、溶媒および他の揮発性成分に占められた空間によって達成される。高い気孔率を達成するために、別の気孔形成成分を添加しうる。それらの制御されたバーンオフ容量によっても気孔形成成分を選択し、そして混合物を可塑化する上で支援もしうる。典型的には水である流動体は、ブロック257で示されるとおり図6表4から選択される。繊維の分離および配列で支援するための分散剤、および混合物の流動作用を改善するための可塑剤や押出助剤のような他の液体材料を添加しうる。繊維上の表面荷電を調節するために、この分散剤を使用しうる。この点で、繊維は、それらの荷電に、個々の繊維を互いに反発させるように制御させうる。これは、繊維のいっそう均質で任意の分布を促進する。>80%気孔率を示す担体を作製することが意図される混合物についての典型的な組成は、以下に示される。混合物は、標的気孔率、特定用途、および加工考慮によって調節されることが認識される。
【0046】
ブロック254で示されるとおり、ブロック252で選択される繊維は、適切なアスペクト比分布を示すように加工すべきである。このアスペクト比は、約3から約500までの範囲にあることが好ましく、そして1つまたはそれより多くの態様の分布を示しうる。例えば、1000のアスペクト比の周囲に他の範囲を選択しうることが認識される。1つの例では、アスペクト比の分布は、所望の範囲を通して任意に分布され得て、そして他の例では、アスペクト比は、さらに別個の態様値で選択されうる。アスペクト比は、繊維の充填特徴を定義する上で重要な因子であることが分かった。したがって、アスペクト比およびアスペクト比の分布は、特定の強度や気孔率要件を実行するために選択される。さらに、それらの好ましいアスペクト比分布に繊維を加工することは、その加工での種々の点で行われうることが認識される。例えば、繊維は、第三者の加工装置によって切断し、そして予め決められたアスペクト比分布で放出されうる。別の例では、繊維は、嵩高い形態で供給され、そして押出加工で一次段階として適切なアスペクト比に加工されうる。工程250の混合、せん断混合または分散混合、および押出態様は、繊維の切断および細断にも寄与しうることが認識される。したがって、混合物に最初に導入された繊維のアスペクト比は、最終硬化担体におけるアスペクト比と異なる。したがって、混合、せん断混合、および押出の細断および切断効果は、その工程に導入される適切なアスペクト比分布254を選択するときに考慮すべきである。
【0047】
適切なアスペクト比分布に加工された繊維で、繊維、バインダー、気孔形成成分および流動体を、ブロック262で示されるとおり均質なマスに混合する。この混合工程は、乾燥混合態様、湿潤混合態様、およびせん断混合態様を含みうる。せん断または分散混合は、そのマス内で繊維の非常に均質な分布を生じることが望ましいことが分かった。この分布は、混合物中のセラミック材料の比較的低濃度により特に重要である。均質な混合物を混合する予定であるときに、混合物のレオロジーは、ブロック264で示されるとおり調節されうる。混合物を混合するときに、そのレオロジーは、変化し続ける。そのレオロジーは、主観的に試験できるか、または図6の表5で示されるとおり望ましい領域に応じるように測定しうる。この所望の領域に入る混合物は、適切に押出す見込みが高い。その後、混合物を、ブロック268で示されるとおり生素地の担体に押出す。軸押出機の場合には、混合は、別個の混合機ではなく、押出機それ自身の内側でも起こりうる。このような場合には、混合物のせん断歴を注意深く管理および制御すべきである。生素地の担体は、硬化工程の間にそれの形状および繊維配列を保持するのに十分な生素地強度を示す。その後、生素地担体を、ブロック270で示されるとおり硬化させる。硬化工程としては、あらゆる残留水の除去、ほとんどの添加剤の制御されたバーンオフ、および繊維対繊維結合の形成が挙げられる。バーンオフ工程の間に、繊維は、それらの絡み合った、そして交差する関係を維持し、そして硬化工程が進むと、結合は、交差点または節で形成される。結合が、液相または固相の結合工程から生じうることが認識される。さらに、その結合のいくつかは、バインダー、気孔形成成分に、繊維上の被覆材として、またはそれら自身繊維中に供される添加剤との反応による可能性があることが分かる。結合か形成された後、担体を、室温にゆっくりと冷却する。
【0048】
ここで図8に関して、多孔質の繊維状担体を硬化させる方法を示す。方法275は、繊維状セラミック含有量を有する生素地担体を有する。硬化工程は、最初、ブロック277に示されるとおり残留水を、担体からゆっくりと除去する。特に、水の除去は、オーブン中で、比較的低温で行われうる。残留水を除去した後、有機添加剤を、ブロック279で示されるとおりバーンオフしうる。繊維の適切な配列を促進し、そして逃げるガスや残渣が繊維構造を干渉しないことを確保する制御された手段で、これらの添加剤をバーンオフする。添加剤がバーンオフされたとき、繊維は、それらの重複配列を維持し、そしてブロック281で示されるとおり交差点または節でさらに接触しうる。繊維は、バインダーを使用してこれらの重複配列に位置決めされ、そして気孔形成成分の使用を通して形成される特定のパターンを示しうる。いくつかの場合には、繊維と合わせうる無機添加剤を使用し得たか、結合形成工程の間に消費されるか、または最終担体構造の一部として残る。硬化工程は、ブロック285で示されるとおり、進行して、繊維対繊維結合を形成する。特定の時機や温度は、使用される繊維の型、使用される結合助剤または剤の型、および所望の結合の型によって結合を作ることを必要とする。1つの例では、結合は、ブロック286で示されるとおり繊維の間に生じた液相焼結結合でありうる。このような結合は、システムに存在するガラス形成成分、ガラス、セラミック前駆体または無機融剤によって支援される。別の例では、ブロック288に示されるとおり、焼結助剤または剤を使用して、液相の焼結結合を作り出しうる。繊維上の被覆材として、添加剤として、結合剤から、気孔形成成分から、または繊維それら自身の化学から焼結助剤を供しうる。さらに、繊維対繊維結合は、ブロック291で示されるとおり繊維の間の固相焼結によって形成されうる。この場合には、交差する繊維は、粒子成長および質量移行を示し、そして節での化学結合の形成や全体的剛性な構造に至る。液相焼結の場合には、結合材料の質量は、繊維の交差節で蓄積し、そして剛性構造を形成する。硬化工程は、1つまたはそれより多くのオーブンで行うことができ、そして工業用のトンネルまたは窯型の炉で自動化しうることが認識される。
【0049】
ここで図9に関して、繊維を製造する工程を示す。工程300は、バルク繊維をブロック305で示されるとおり受け取ることを示す。バルク繊維は、典型的に、塊状および相互織込配列で非常に長い繊維を有する。このようなバルク繊維は、混合工程で使用するための繊維を十分に分離および切断するように加工しなければならない。したがって、バルク繊維を、水307と、そしておそらく分散剤309と混合して、スラリー311を形成する。分散剤309は、例えば、お互いに反発する際に、繊維を支援するpH調節剤または荷電調節剤でありうる。いくつかの異なる型の分散剤を使用しうることが認識される。1つの例では、スラリーに導入する前に、バルク繊維を、分散剤で被覆する。別の例では、分散剤を、スラリー混合物311に単に添加する。ブロック314に示されるとおり、スラリー混合物を激しく混合する。この激しい混合は、バルク繊維を、利用可能なアスペクト比分布に細断および分離する作用がある。先に示したとおり、混合および押出工程が、繊維をさらに細断するので、繊維の当初の使用のためのアスペクト比は、最終担体での分布より異なる。
【0050】
繊維が、適切なアスペクト分布に細断された後、濾材プレス316を使用して、または別の装置では濾材に対して圧力を加えることによって、水をほとんど除去する。凍結乾燥のように、他の水除去工程を使用しうることも認識される。濾材プレスは、水を除去するために、圧力、真空または他の手段を使用しうる。1つの例では、ブロック318で示されるとおり、細断繊維を、完全な乾燥状態までさらに乾燥させる。その後、これらの乾燥繊維を、ブロック327で示されるとおり、それらを他のバインダーおよび乾燥気孔形成成分と混合する乾式混合工程323に使用しうる。この当初の乾燥混合は、均質なマスを生じる上で支援する。別の例では、ブロック321で示されるとおり、濾過した繊維の水分含量を、適切な湿気含有量のために調節する。さらに詳細には、ブロック325で示されるとおり、十分な水を、細断された繊維ケーク中に残して、湿式混合を促進する。繊維を用いてある程度のスラリー水を遊離することによって、繊維のさらなる分離および分布を得ることができることが分かった。バインダーおよび気孔形成成分は、湿式混合段階でも添加でき、そして水329を添加して正確なレオロジーを得ることができる。ブロック332で示されるとおり、そのマスも、せん断混合する。せん断混合は、軸押出機、二軸押出機、またはせん断混合機(シグマのブレード型混合機のような)を使用して、その混合物にスパゲティー型ダイを通過させることによって行われうる。シェア混合は、シグマ混合機、高せん断混合機で、および軸押出機の内側でも起こる可能性がある。せん断混合工程は、押出が働くための望ましい可塑性や押出可能なレオロジーを示すいっそう均質なマス335を作り出すために望ましい。均質なマス335は、繊維の均一な分布を示し、そして繊維は、重複マトリックスに位置決めされる。この点で、均質なマスを、担体ブロックに押出し、そして硬化するときに、繊維を、剛性構造に結合させる。さらに、この剛性構造は、高い気孔率、高い透過性、および高い表面積を示す開気孔ネットワークを形成する。
【0051】
ここで図10に関して、傾斜担体ブロックを生産する方法を示す。工程350は、傾斜特徴を示す担体ブロックの製造および押出を可能にするように設計される。例えば、ブロックの中心に向かって第一の材料、そしてブロックの外側に向かって異なる材料を有する担体を製造しうる。さらに特定の例では、低い係数の熱膨張を示す材料を、特に高熱が予想されるブロックの中心に向けて使用する一方で、比較的高い係数の熱膨張を示す材料を、熱が低いことが予想される外側領域で使用する。この点で、さらに均質化された膨張特性は、全体的ブロックについて維持されうる。別の例では、ブロックの選択領域は、増大した構造上の支持を供するために高い密度のセラミック材料を有しうる。これらの構造上の支持部材を、ブロックに同心で配列するか、または軸で配列しうる。したがって、用途要件による気孔率、気孔サイズ、または化学における所望の傾斜によって、特定の材料を選択しうる。さらに、傾斜は、2つより多くの材料の使用を引起しうる。
【0052】
1つの例では、傾斜構造は、第一の材料351のシリンダーを供することによって生産されうる。イラスト図355によって示されるとおり、シート状の第二の材料353で、シリンダー351の周りを包む。この点で、層B353は、内側シリンダー351の周りの同心管になる。その後、層状シリンダー355を、ピストン押出機に入れ、空気を排除し、そしてそのマスを、ダイを通して押出す。押出工程の間、材料は、材料Aと材料Bの間の界面で混合し、そして継ぎ目なしの界面を促進する。このような界面は、2つの異なる種類の材料の間で繊維の重複および結合を可能にし、それによって強力な全体的構造を促進する。いったん材料が押出され、硬化され、そして充填されると、それは、傾斜担体を有する濾材または触媒コンバータパッケージ357を生産する。さらに詳細には、A材料は、担体の中心で形成する一方で、B材料361は、外側部分で形成する。2つより多くの材料を使用しうること、そして気孔サイズ、気孔率、および化学的特徴を、徐々に調節しうることが認識される。
【0053】
ここで図11に関して、別の工程375は、傾斜担体を作製することについて示される。工程375では、第一のシリンダー379は、ピストン押出バレルのサイズ付近で提供される。1つの例では、外側シリンダー379は、ピストン押出機で使用される実際のバレルである。外側管379より小さな直径を示す内側管377を供する。その管は、内側管377を管379の内側に同心で位置決めさすために、同心で配列される。第一の押出可能な混合物材料383のペレットを、管377の内側に析出させる一方で、第二の押出可能な混合物材料381のペレットを、管377と管379の間の環に析出させる。内側管を注意深く取り除き、その結果材料Aは、材料381によって同心で囲まれる。その後、材料の配列を、押出ピストンに入れ、空気を真空除去し、そしてダイを通して押出す。いったん押出、硬化および充填されると、図10に関して示されるとおりの傾斜担体を生産する。2つより多くの同心環を作製しうること、そして種々の型の傾斜を生じうることが認識される。
【0054】
ここで図12に関して、傾斜担体を作製する別の方法を示す。方法400は、2つの押出可能な材料の代替ディスクを有する押出可能な混合物402のカラムを有する。押出可能な混合物402は、第二の材料404に隣接する第一の材料403を有する。1つの例では、材料Aは、比較的多孔質である一方で、材料Bは多孔性が低い。押出の間に、材料は、押出ダイを流れ、そしてA部分とB部分から得られる繊維を、重複配列で混ざらせる。この点で、各AおよびB部分を一緒に結合して、繊維状担体ブロックになる。硬化および充填により、濾材406を作製する。濾材406は、比較的高い気孔率を示す第一の部分407、および低い気孔率を示す第二の部分408を有する。この点で、濾材406を通る気体の流れを、最初に、大きな気孔サイズを示す高い気孔率領域を通して濾過し、そしてその後、小さな気孔サイズを示す低い多孔質領域を通して濾過する。この点で、大型粒子を、領域407で捕捉する一方で、小型粒子は、領域408で捕捉する。材料ディスクのザイズおよび数を、用途必要性によって調節しうることが認識される。
【0055】
繊維押出システムは、用具における優れた柔軟性を供する。例えば、広範な範囲の繊維および添加剤を選択して、混合物を形成しうる。いくつかの混合および押出選択肢が存在し、並びに選択肢は、硬化方法、時機および温度に関連する。開示された教示で、押出技術における当業者は、多くの変法を使用しうることが分かる。ハニカム担体は、本発明に記述される技術を使用して製造すべき共通の設計であるが、しかし他の形状、サイズ、外形、設計を、種々の用途のために押出すことができる。
【0056】
濾過デバイス(DPF、油/空気フィルター、ホット気体フィルター、空気フィルター、水フィルター等)または触媒デバイス(3ウエイ触媒コンバータ、SCR触媒、脱オゾン機、脱臭機、生物学的リアクター、化学的リアクター、酸化触媒など)での用途のような所定の用途のために、押出された担体における径路に栓をする必要あるかもしれない。押出担体に類似した組成の材料を、その担体に栓をするために使用する。栓で塞ぐのは、原料状態で、または焼結担体上で行うことができる。ほとんどの密栓組成物は、押出担体に硬化させ、そして結合させる加熱処理を必要とする。
【0057】
本発明の特に好ましく、そして代替的な実施態様を開示したとき、上に示される技術の多くの様々な改質および拡張が、ここに示される本発明の教示を使用して、実行されうることは当業者に明らかである。全てのこのような改質および拡張は、付随の請求項で検討されるとおり本発明の真の概念や範囲内にあることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図面は、本明細書の一部を成し、そして種々の形態で具備しうる本発明の典型的な実施態様を含む。ある種の例では、本発明の種々の態様は、本発明の理解を助けるために誇張および拡大して示されうることを理解すべきである。
【図1】本発明による多孔質担体を押出すためのシステムのブロック図である。
【図2】本発明による繊維状押出可能な混合物の例示である。
【図3A】本発明による開気孔ネットワークの例示である。
【図3B】本発明による開気孔ネットワークの例示である。
【図4】本発明による開気孔ネットワークおよび先行技術の閉気孔ネットワークの電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明による多孔質担体を使用した濾材ブロックの例示である。
【図6】本発明に有用な繊維、バインダー、気孔形成成分、流動体、およびレオロジーの表である。
【図7】本発明による多孔質担体を押出すためのシステムのブロック図である。
【図8】本発明による多孔質担体を硬化させるためのシステムのブロック図である。
【図9】本発明による多孔質担体の繊維を加工するためのシステムのブロック図である。
【図10】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【図11】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【図12】本発明による傾斜多孔質担体を押出すことに関する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本的に細長い繊維より構成されるセラミック材料、
バインダー材料、
流動体を包含し、そして
細長い繊維、バインダー材料および流動体が均質なマスである
押出可能な混合物。
【請求項2】
セラミック材料が、均質なマスの体積の約20%未満である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項3】
押出可能な混合物が、さらに、無機粘土、ナノ粘土、コロイド、ガラスまたは非繊維セラミック前駆体を含む請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項4】
セラミック材料が、均質なマスの体積の約40%未満である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項5】
セラミック材料が、均質なマスの約15体積%から約30体積%までの範囲にある請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項6】
実質的に全ての細長い繊維が、約5より大きく、そして約200より小さなアスペクト比を示す請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項7】
実質的に全ての細長い繊維が、約10から約1000までの範囲にあるアスペクト比を示す請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項8】
セラミック材料が、セラミック前駆体を含む請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項9】
細長い繊維が、図6の表1で識別される群から選択されるセラミック繊維である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項10】
1より大きなアスペクト比を示す繊維、
バインダー材料、
流動体を包含し、そして
繊維、バインダー材料および流動体が均質なマスである
押出可能な混合物。
【請求項11】
繊維が、約3から約1000までの範囲内にある態様で、アスペクト比の分布を示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項12】
繊維が、約3から約1000までの範囲内にある両方の態様で、アスペクト比の複数の形態の分布を示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項13】
繊維が、セラミック繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項14】
繊維が、有機繊維、重合体繊維、無機繊維、金属繊維、ガラス繊維、ガラス−セラミック繊維、酸化物セラミック、非酸化物セラミック、非晶質、多結晶質、金属性アロイより構成される群から選択される実質的に1つの繊維型である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項15】
繊維が、有機繊維、重合体繊維、無機繊維、金属繊維、ガラス繊維、ガラス−セラミック繊維、酸化物セラミック、非酸化物セラミック、非晶質、多結晶質、金属性アロイより構成される群から選択される複数の繊維型の混合物である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項16】
繊維を被覆する請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項17】
繊維が、押出可能な混合物の体積の約15%から約30%までである請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項18】
繊維が、押出可能な混合物の体積の約8%から約40%までである請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項19】
均質なマスが、図6の表5の点a、b、cおよびdで結合した領域で設定されるレオロジーを示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項20】
繊維が金属繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項21】
繊維が、図6の表1で識別される群から選択されるセラミック繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項22】
さらに、気孔形成成分を含み、そして無機繊維、バインダー材料、気孔形成成分および流動体が、均質なマス中にある請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項23】
気孔形成成分が、図6の表3で識別される群から選択される請求項22に記載の押出可能な混合物。
【請求項24】
セラミック材料、有機バインダー、および流動体を含む均質で、そして押出可能なマスを含み、
セラミック材料が、マスの体積の約40%未満である押出可能な混合物。
【請求項25】
セラミック材料が、マスの体積の約20%未満である請求項24に記載の押出可能な混合物。
【請求項26】
セラミック材料が、多結晶質繊維、単結晶質ウィスカー、または非晶質繊維である請求項24に記載の押出可能な混合物。
【請求項27】
細長いセラミック材料繊維、バインダー材料、および流動体を、均質なマスに混合させること、
その均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
その生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む、多孔質担体を製造する方法。
【請求項28】
混合段階が、約40体積%より少ないセラミック−材料繊維を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
混合段階が、約20体積%より少ないセラミック−材料繊維を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
混合段階が、せん断混合機を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項31】
混合段階が、気孔形成成分中で混合して、均質なマスを形成することをを含む請求項27に記載の方法。
【請求項32】
さらに、複数のバインダーを選択する段階を含み、そして他のバインダー(類)に比較したときに熱で分解する様々の温度を示す各バインダーを選択する請求項27に記載の方法。
【請求項33】
さらに、硬化の前に生素地担体の変形を防ぐために十分な原料強度を提供するバインダーを選択する段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
さらに、実質的に全ての繊維が、体積で、5を越えるアスペクト比を示すように繊維を選択する段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
セラミック−材料が、微細または短い材料を含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
セラミック−材料が、微細または短い材料を実質的に含まない請求項34に記載の方法。
【請求項37】
硬化段階が、交差する繊維の間の結合を形成して、多孔質担体の構造を形成することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項38】
実質的に全ての交差する繊維を結合させる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
交差する繊維のいくつかが、結合されない請求項37に記載の方法。
【請求項40】
無機繊維、バインダー材料、および流動体を均質なマスに形成すること、
均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む多孔質担体を製造する方法。
【請求項41】
硬化段階が、重複している無機繊維の間に結合を形成して、多孔質担体の剛性構造を形成することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項40に記載の方法。
【請求項43】
硬化段階が、実質的に全ての流動体および有機材料をバーンオフすることを含む請求項40に記載の方法。
【請求項44】
無機繊維が、開気孔ネットワークを作る結合を形成した請求項40に記載の方法。
【請求項45】
押出段階が、さらに、ダイを通して押出可能な混合物を押し出すことを含む請求項40に記載の方法。
【請求項46】
押出段階が、さらに、ピストンまたは軸押出機を使用して、ダイを通して押出可能な混合物を押し出すことを含む請求項40に記載の方法。
【請求項47】
押出段階が、室温または高温で稼働される請求項40に記載の方法。
【請求項48】
図6の表1から繊維材料を選択すること、
図6の表2からバインダーを選択すること、
図6の表4から流動体を選択すること、
繊維材料を加工すること、
繊維材料、バインダー、および流動体を、均質なマスに混合させること、
均質なマスのレオロジーを、押出可能に調節すること、
均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質ブロックに硬化させることを含む、多孔質担体を製造する方法。
【請求項49】
加工段階が、混合段階で少なくとも部分的に行われ、その結果混合段階は、長い繊維を短い繊維に切断する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
加工段階が、さらに、押出で支援する有機材料で、繊維を被覆する段階を含む請求項48に記載の方法。
【請求項51】
加工段階が、繊維材料と流動体のスラリーを製造すること、そして繊維材料を激しく曝気して、長い繊維を短い繊維に切断することを含む請求項48に記載の方法。
【請求項52】
スラリーが、さらに、分散助剤、押出助剤、または強化助剤を含む請求項51に記載の方法。
【請求項53】
さらに、
気孔形成成分、強化剤、不透明化剤、押出助剤、分散剤、pH改質剤、無機バインダー、粘土、浸食材料、および触媒より構成される群から選択される添加剤を選択すること、
および添加剤を均質なマスに混合する段階を含む請求項48に記載の方法。
【請求項54】
生素地担体から流動体を取り除くこと、
有機材料をバーンオフすること、
繊維の間に結合を形成すること、および
担体に繊維状開気孔ネットワークを形成することを含む、
生素地担体を多孔質ブロックに硬化させる工程。
【請求項55】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項54に記載の硬化工程。
【請求項56】
有機材料がバーンオフされるとき、繊維は、交差するネットワークに再配列する請求項54に記載の硬化工程。
【請求項57】
さらに、無機添加材料を使用して、繊維状開気孔ネットワークの一部を形成することを含む請求項54に記載の硬化工程。
【請求項58】
繊維、添加剤、および流動体の第一の混合物を有する第一の押出可能な混合物を形成すること、
繊維、添加剤、および流動体の第二の混合物を有する第二の押出可能な混合物を形成すること、
押出機中で第二の押出可能な混合物に隣接する第一の押出可能な混合物を配列させること、
第一および第二の押出可能な混合物を、生素地担体に押し出すこと、そして
生素地担体を硬化させることを含む、傾斜多孔質担体を製造する方法。
【請求項59】
硬化段階が、交差する繊維の間で結合を形成して、多孔質担体の構造を形成することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
結合の少なくともいくつかが、他の押出可能な混合物中で、1つまたはそれより多くの繊維を交差させる1つの押出可能な混合物から得られる1つまたはそれより多くの繊維から形成される請求項59に記載の方法。
【請求項61】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項59に記載の方法。
【請求項62】
形成および配列段階が、さらに、第一の押出可能な混合物を、シリンダー形状に形成すること、そして第二の押出可能な混合物を、シリンダーの周囲の同心層として配列することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項63】
形成および配列段階が、さらに、
第一の押出可能な混合物を、第一のペレットに形成すること、
第二の押出可能な混合物を、第二のペレットに形成すること、
管に、第一のペレットを充填すること、
管を、第二のペレットで囲むこと、そして
管を取出すことを含む請求項58に記載の方法。
【請求項64】
さらに、押出前にペレットから空気を排除する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
さらに、
第一の押出物を、第一のディスクの集合に形成すること、
第二の押出物を、第二のディスクの集合に形成すること、そして
ディスクを配列して、代替の第一および第二のディスクのシリンダーを形成する段階を含む請求項58に記載の方法。
【請求項66】
バルク繊維を液体に入れること、
繊維および液体を激しく混合して、繊維を細断すること、そして
混合物から水のほとんどを抽出することを含む、押出機で使用するための繊維を製造する工程。
【請求項67】
繊維が、図6の表1に列挙される群から選択されるセラミック繊維である請求項66に記載の工程。
【請求項68】
さらに、その液体に分散剤または結合剤を添加する段階を含む請求項66に記載の工程。
【請求項69】
抽出段階が、さらに、濾材に対して繊維および液体を加圧することを含む請求項66に記載の工程。
【請求項70】
抽出段階が、さらに、繊維を乾燥させて、ほとんどの遊離液体を除去することを含む請求項66に記載の工程。
【請求項71】
約60%から約85%までの範囲内にある気孔率を示し、
結合したセラミック繊維から形成される構造を有し、そして
セラミック−材料繊維を、添加剤および流動体と混合して、押出可能な混合物を形成すること、
押出可能な混合物を生素地担体に押出し、そして
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む押出工程によって生産される多孔質セラミック担体。
【請求項72】
さらに、繊維の間に焼結、結晶またはガラス結合を含む請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項73】
硬化した多孔質セラミック担体が、基本的に、セラミック繊維から構成される請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項74】
硬化した多孔質セラミック担体が、基本的に、セラミック繊維の開気孔ネットワークから構成される請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項75】
硬化した多孔質セラミック担体が、実質的に全ての気孔が相互に連結されるような気孔ネットワークを有する請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項76】
約60%から約90%までの範囲内にある気孔率を示し、そして結合した無機繊維から形成される構造を有し、担体が、
無機繊維を、添加剤および流動体と混合して、押出可能な混合物を形成すること、
押出可能な混合物を、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む押出工程によって生産されるものである多孔質担体。
【請求項77】
硬化段階が、構造を形成する繊維対繊維結合を生じる請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項78】
結合が、焼結によって、またはガラス、ガラス−セラミックまたはセラミック結合の形成によって形成される請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項79】
硬化段階が、開気孔ネットワークを形成する繊維対繊維結合を生じる請求項6に記載の多孔質担体。
【請求項80】
無機繊維が、3から1000までの範囲にある態様で、分配されたアスペクト比を示す請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項81】
無機繊維が、図6の表1から選択される請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項82】
硬化した担体が、添加剤をバーンオフすることから検出可能な残渣を有する請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項83】
少なくともいくつかの繊維対繊維接触が、結合を形成しない請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項84】
実質的に全ての繊維対繊維接触が、結合を形成する請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項85】
さらに、第一の気孔率を示す第一の担体区分、および第二の気孔率を示す第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項86】
さらに、第一の密度を示す第一の担体区分、および第二の密度を示す第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項87】
さらに、第一の型の繊維対繊維結合を使用して結合する第一の担体区分、および第二の型の繊維対繊維結合を使用する第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項88】
無機繊維が、結晶、非晶質、ガラスまたはセラミック材料を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項89】
無機繊維が、金属繊維、金属−アロイまたはセラミック繊維である請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項90】
押出可能な混合物が、さらに、有機繊維を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項91】
なんら機能的に有効な気孔形成成分を含まない押出可能な混合物から押出された約40%から約75%までの気孔率を示す多孔質担体。
【請求項92】
基本的に、結合繊維から構成される押出多孔質担体。
【請求項93】
繊維が、基本的に、セラミック繊維から構成される請求項92に記載の担体。
【請求項94】
さらに、セラミック繊維の間に固相、結晶、またはガラス結合を含む請求項93に記載の担体。
【請求項95】
結合したセラミック繊維が、開気孔ネットワークを形成する請求項94に記載の担体。
【請求項96】
セラミック繊維が、3から1000までの範囲内にある態様で、分配されたアスペクト比を示す請求項93に記載の多孔質担体。
【請求項97】
セラミック繊維が、図6の表1から選択される請求項93に記載の多孔質担体。
【請求項98】
さらに、ハニカムパターンで平行な入口および出口径路を含む請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項99】
さらに、平行な入口および出口径路を含み、そして入口径路が、出口径路より大きい請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項100】
多孔質担体が、任意の径路を有するブロックである請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項101】
結合繊維によって形成される開気孔ネットワークを有する押出担体、
担体を保持するための筐体、
流動体を受け取るための入口、および濾過された流動体を供給するための出口を含む濾材製品。
【請求項102】
流動体が、排気ガスまたは液体である請求項101に記載の濾材製品。
【請求項103】
濾材製品が、自動車用エアーフィルター、自動車用排気フィルター、または自動車用キャビンフィルターである請求項101に記載の濾材製品。
【請求項104】
さらに、押出担体に析出された触媒を含む請求項101に記載の濾材製品。
【請求項105】
結合繊維によって形成された開気孔ネットワークを有する押出担体、
押出担体に析出された触媒、
担体を保持するための筐体、
流動体を受け取るための入口、および濾過流動体を供給するための出口
を含む触媒コンバータ製品。
【請求項106】
流動体が、排気ガスまたは液体である請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【請求項107】
濾材製品が、自動車用エアーフィルター、自動車用排気フィルター、または自動車用キャビンフィルターである請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【請求項108】
さらに、押出担体に析出された触媒を含む請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【請求項1】
基本的に細長い繊維より構成されるセラミック材料、
バインダー材料、
流動体を包含し、そして
細長い繊維、バインダー材料および流動体が均質なマスである
押出可能な混合物。
【請求項2】
セラミック材料が、均質なマスの体積の約20%未満である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項3】
押出可能な混合物が、さらに、無機粘土、ナノ粘土、コロイド、ガラスまたは非繊維セラミック前駆体を含む請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項4】
セラミック材料が、均質なマスの体積の約40%未満である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項5】
セラミック材料が、均質なマスの約15体積%から約30体積%までの範囲にある請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項6】
実質的に全ての細長い繊維が、約5より大きく、そして約200より小さなアスペクト比を示す請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項7】
実質的に全ての細長い繊維が、約10から約1000までの範囲にあるアスペクト比を示す請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項8】
セラミック材料が、セラミック前駆体を含む請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項9】
細長い繊維が、図6の表1で識別される群から選択されるセラミック繊維である請求項1に記載の押出可能な混合物。
【請求項10】
1より大きなアスペクト比を示す繊維、
バインダー材料、
流動体を包含し、そして
繊維、バインダー材料および流動体が均質なマスである
押出可能な混合物。
【請求項11】
繊維が、約3から約1000までの範囲内にある態様で、アスペクト比の分布を示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項12】
繊維が、約3から約1000までの範囲内にある両方の態様で、アスペクト比の複数の形態の分布を示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項13】
繊維が、セラミック繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項14】
繊維が、有機繊維、重合体繊維、無機繊維、金属繊維、ガラス繊維、ガラス−セラミック繊維、酸化物セラミック、非酸化物セラミック、非晶質、多結晶質、金属性アロイより構成される群から選択される実質的に1つの繊維型である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項15】
繊維が、有機繊維、重合体繊維、無機繊維、金属繊維、ガラス繊維、ガラス−セラミック繊維、酸化物セラミック、非酸化物セラミック、非晶質、多結晶質、金属性アロイより構成される群から選択される複数の繊維型の混合物である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項16】
繊維を被覆する請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項17】
繊維が、押出可能な混合物の体積の約15%から約30%までである請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項18】
繊維が、押出可能な混合物の体積の約8%から約40%までである請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項19】
均質なマスが、図6の表5の点a、b、cおよびdで結合した領域で設定されるレオロジーを示す請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項20】
繊維が金属繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項21】
繊維が、図6の表1で識別される群から選択されるセラミック繊維である請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項22】
さらに、気孔形成成分を含み、そして無機繊維、バインダー材料、気孔形成成分および流動体が、均質なマス中にある請求項10に記載の押出可能な混合物。
【請求項23】
気孔形成成分が、図6の表3で識別される群から選択される請求項22に記載の押出可能な混合物。
【請求項24】
セラミック材料、有機バインダー、および流動体を含む均質で、そして押出可能なマスを含み、
セラミック材料が、マスの体積の約40%未満である押出可能な混合物。
【請求項25】
セラミック材料が、マスの体積の約20%未満である請求項24に記載の押出可能な混合物。
【請求項26】
セラミック材料が、多結晶質繊維、単結晶質ウィスカー、または非晶質繊維である請求項24に記載の押出可能な混合物。
【請求項27】
細長いセラミック材料繊維、バインダー材料、および流動体を、均質なマスに混合させること、
その均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
その生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む、多孔質担体を製造する方法。
【請求項28】
混合段階が、約40体積%より少ないセラミック−材料繊維を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
混合段階が、約20体積%より少ないセラミック−材料繊維を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
混合段階が、せん断混合機を使用することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項31】
混合段階が、気孔形成成分中で混合して、均質なマスを形成することをを含む請求項27に記載の方法。
【請求項32】
さらに、複数のバインダーを選択する段階を含み、そして他のバインダー(類)に比較したときに熱で分解する様々の温度を示す各バインダーを選択する請求項27に記載の方法。
【請求項33】
さらに、硬化の前に生素地担体の変形を防ぐために十分な原料強度を提供するバインダーを選択する段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
さらに、実質的に全ての繊維が、体積で、5を越えるアスペクト比を示すように繊維を選択する段階を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
セラミック−材料が、微細または短い材料を含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
セラミック−材料が、微細または短い材料を実質的に含まない請求項34に記載の方法。
【請求項37】
硬化段階が、交差する繊維の間の結合を形成して、多孔質担体の構造を形成することを含む請求項27に記載の方法。
【請求項38】
実質的に全ての交差する繊維を結合させる請求項37に記載の方法。
【請求項39】
交差する繊維のいくつかが、結合されない請求項37に記載の方法。
【請求項40】
無機繊維、バインダー材料、および流動体を均質なマスに形成すること、
均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む多孔質担体を製造する方法。
【請求項41】
硬化段階が、重複している無機繊維の間に結合を形成して、多孔質担体の剛性構造を形成することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項40に記載の方法。
【請求項43】
硬化段階が、実質的に全ての流動体および有機材料をバーンオフすることを含む請求項40に記載の方法。
【請求項44】
無機繊維が、開気孔ネットワークを作る結合を形成した請求項40に記載の方法。
【請求項45】
押出段階が、さらに、ダイを通して押出可能な混合物を押し出すことを含む請求項40に記載の方法。
【請求項46】
押出段階が、さらに、ピストンまたは軸押出機を使用して、ダイを通して押出可能な混合物を押し出すことを含む請求項40に記載の方法。
【請求項47】
押出段階が、室温または高温で稼働される請求項40に記載の方法。
【請求項48】
図6の表1から繊維材料を選択すること、
図6の表2からバインダーを選択すること、
図6の表4から流動体を選択すること、
繊維材料を加工すること、
繊維材料、バインダー、および流動体を、均質なマスに混合させること、
均質なマスのレオロジーを、押出可能に調節すること、
均質なマスを、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質ブロックに硬化させることを含む、多孔質担体を製造する方法。
【請求項49】
加工段階が、混合段階で少なくとも部分的に行われ、その結果混合段階は、長い繊維を短い繊維に切断する請求項48に記載の方法。
【請求項50】
加工段階が、さらに、押出で支援する有機材料で、繊維を被覆する段階を含む請求項48に記載の方法。
【請求項51】
加工段階が、繊維材料と流動体のスラリーを製造すること、そして繊維材料を激しく曝気して、長い繊維を短い繊維に切断することを含む請求項48に記載の方法。
【請求項52】
スラリーが、さらに、分散助剤、押出助剤、または強化助剤を含む請求項51に記載の方法。
【請求項53】
さらに、
気孔形成成分、強化剤、不透明化剤、押出助剤、分散剤、pH改質剤、無機バインダー、粘土、浸食材料、および触媒より構成される群から選択される添加剤を選択すること、
および添加剤を均質なマスに混合する段階を含む請求項48に記載の方法。
【請求項54】
生素地担体から流動体を取り除くこと、
有機材料をバーンオフすること、
繊維の間に結合を形成すること、および
担体に繊維状開気孔ネットワークを形成することを含む、
生素地担体を多孔質ブロックに硬化させる工程。
【請求項55】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項54に記載の硬化工程。
【請求項56】
有機材料がバーンオフされるとき、繊維は、交差するネットワークに再配列する請求項54に記載の硬化工程。
【請求項57】
さらに、無機添加材料を使用して、繊維状開気孔ネットワークの一部を形成することを含む請求項54に記載の硬化工程。
【請求項58】
繊維、添加剤、および流動体の第一の混合物を有する第一の押出可能な混合物を形成すること、
繊維、添加剤、および流動体の第二の混合物を有する第二の押出可能な混合物を形成すること、
押出機中で第二の押出可能な混合物に隣接する第一の押出可能な混合物を配列させること、
第一および第二の押出可能な混合物を、生素地担体に押し出すこと、そして
生素地担体を硬化させることを含む、傾斜多孔質担体を製造する方法。
【請求項59】
硬化段階が、交差する繊維の間で結合を形成して、多孔質担体の構造を形成することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項60】
結合の少なくともいくつかが、他の押出可能な混合物中で、1つまたはそれより多くの繊維を交差させる1つの押出可能な混合物から得られる1つまたはそれより多くの繊維から形成される請求項59に記載の方法。
【請求項61】
結合が、固相焼結結合、液体支援焼結結合、またはガラス、ガラス−セラミックあるいはセラミック結合である請求項59に記載の方法。
【請求項62】
形成および配列段階が、さらに、第一の押出可能な混合物を、シリンダー形状に形成すること、そして第二の押出可能な混合物を、シリンダーの周囲の同心層として配列することを含む請求項58に記載の方法。
【請求項63】
形成および配列段階が、さらに、
第一の押出可能な混合物を、第一のペレットに形成すること、
第二の押出可能な混合物を、第二のペレットに形成すること、
管に、第一のペレットを充填すること、
管を、第二のペレットで囲むこと、そして
管を取出すことを含む請求項58に記載の方法。
【請求項64】
さらに、押出前にペレットから空気を排除する段階を含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
さらに、
第一の押出物を、第一のディスクの集合に形成すること、
第二の押出物を、第二のディスクの集合に形成すること、そして
ディスクを配列して、代替の第一および第二のディスクのシリンダーを形成する段階を含む請求項58に記載の方法。
【請求項66】
バルク繊維を液体に入れること、
繊維および液体を激しく混合して、繊維を細断すること、そして
混合物から水のほとんどを抽出することを含む、押出機で使用するための繊維を製造する工程。
【請求項67】
繊維が、図6の表1に列挙される群から選択されるセラミック繊維である請求項66に記載の工程。
【請求項68】
さらに、その液体に分散剤または結合剤を添加する段階を含む請求項66に記載の工程。
【請求項69】
抽出段階が、さらに、濾材に対して繊維および液体を加圧することを含む請求項66に記載の工程。
【請求項70】
抽出段階が、さらに、繊維を乾燥させて、ほとんどの遊離液体を除去することを含む請求項66に記載の工程。
【請求項71】
約60%から約85%までの範囲内にある気孔率を示し、
結合したセラミック繊維から形成される構造を有し、そして
セラミック−材料繊維を、添加剤および流動体と混合して、押出可能な混合物を形成すること、
押出可能な混合物を生素地担体に押出し、そして
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む押出工程によって生産される多孔質セラミック担体。
【請求項72】
さらに、繊維の間に焼結、結晶またはガラス結合を含む請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項73】
硬化した多孔質セラミック担体が、基本的に、セラミック繊維から構成される請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項74】
硬化した多孔質セラミック担体が、基本的に、セラミック繊維の開気孔ネットワークから構成される請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項75】
硬化した多孔質セラミック担体が、実質的に全ての気孔が相互に連結されるような気孔ネットワークを有する請求項71に記載の多孔質セラミック担体。
【請求項76】
約60%から約90%までの範囲内にある気孔率を示し、そして結合した無機繊維から形成される構造を有し、担体が、
無機繊維を、添加剤および流動体と混合して、押出可能な混合物を形成すること、
押出可能な混合物を、生素地担体に押出すこと、および
生素地担体を、多孔質担体に硬化させることを含む押出工程によって生産されるものである多孔質担体。
【請求項77】
硬化段階が、構造を形成する繊維対繊維結合を生じる請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項78】
結合が、焼結によって、またはガラス、ガラス−セラミックまたはセラミック結合の形成によって形成される請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項79】
硬化段階が、開気孔ネットワークを形成する繊維対繊維結合を生じる請求項6に記載の多孔質担体。
【請求項80】
無機繊維が、3から1000までの範囲にある態様で、分配されたアスペクト比を示す請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項81】
無機繊維が、図6の表1から選択される請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項82】
硬化した担体が、添加剤をバーンオフすることから検出可能な残渣を有する請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項83】
少なくともいくつかの繊維対繊維接触が、結合を形成しない請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項84】
実質的に全ての繊維対繊維接触が、結合を形成する請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項85】
さらに、第一の気孔率を示す第一の担体区分、および第二の気孔率を示す第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項86】
さらに、第一の密度を示す第一の担体区分、および第二の密度を示す第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項87】
さらに、第一の型の繊維対繊維結合を使用して結合する第一の担体区分、および第二の型の繊維対繊維結合を使用する第二の担体区分を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項88】
無機繊維が、結晶、非晶質、ガラスまたはセラミック材料を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項89】
無機繊維が、金属繊維、金属−アロイまたはセラミック繊維である請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項90】
押出可能な混合物が、さらに、有機繊維を含む請求項76に記載の多孔質担体。
【請求項91】
なんら機能的に有効な気孔形成成分を含まない押出可能な混合物から押出された約40%から約75%までの気孔率を示す多孔質担体。
【請求項92】
基本的に、結合繊維から構成される押出多孔質担体。
【請求項93】
繊維が、基本的に、セラミック繊維から構成される請求項92に記載の担体。
【請求項94】
さらに、セラミック繊維の間に固相、結晶、またはガラス結合を含む請求項93に記載の担体。
【請求項95】
結合したセラミック繊維が、開気孔ネットワークを形成する請求項94に記載の担体。
【請求項96】
セラミック繊維が、3から1000までの範囲内にある態様で、分配されたアスペクト比を示す請求項93に記載の多孔質担体。
【請求項97】
セラミック繊維が、図6の表1から選択される請求項93に記載の多孔質担体。
【請求項98】
さらに、ハニカムパターンで平行な入口および出口径路を含む請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項99】
さらに、平行な入口および出口径路を含み、そして入口径路が、出口径路より大きい請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項100】
多孔質担体が、任意の径路を有するブロックである請求項92に記載の多孔質担体。
【請求項101】
結合繊維によって形成される開気孔ネットワークを有する押出担体、
担体を保持するための筐体、
流動体を受け取るための入口、および濾過された流動体を供給するための出口を含む濾材製品。
【請求項102】
流動体が、排気ガスまたは液体である請求項101に記載の濾材製品。
【請求項103】
濾材製品が、自動車用エアーフィルター、自動車用排気フィルター、または自動車用キャビンフィルターである請求項101に記載の濾材製品。
【請求項104】
さらに、押出担体に析出された触媒を含む請求項101に記載の濾材製品。
【請求項105】
結合繊維によって形成された開気孔ネットワークを有する押出担体、
押出担体に析出された触媒、
担体を保持するための筐体、
流動体を受け取るための入口、および濾過流動体を供給するための出口
を含む触媒コンバータ製品。
【請求項106】
流動体が、排気ガスまたは液体である請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【請求項107】
濾材製品が、自動車用エアーフィルター、自動車用排気フィルター、または自動車用キャビンフィルターである請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【請求項108】
さらに、押出担体に析出された触媒を含む請求項105に記載の触媒コンバータ製品。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−515808(P2009−515808A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541148(P2008−541148)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/028530
【国際公開番号】WO2007/061457
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(507280435)ジーイーオー2 テクノロジーズ,インク. (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/028530
【国際公開番号】WO2007/061457
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(507280435)ジーイーオー2 テクノロジーズ,インク. (12)
【Fターム(参考)】
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