説明

多層溶接方法および多層溶接装置

【課題】Laのような希土類元素を溶加材に添加して溶接割れを防止するようにした溶接方法において、多層溶接を行う場合下地となる材料と溶加材とが混合して各層毎にLa量が変化して、添加量の適正範囲から外れてしまい、延性低下割れや凝固割れなどの溶接割れを引き起し、これを防ぐことが望まれている。
【解決手段】希土類元素Laを添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、各層を16、17、18溶接施工する際に、各層毎に希土類元素添加量が異なる溶加材11、12を用いることにより各層16、17、18における溶加材の希土類元素添加量が適正範囲内に保つようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法および多層溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル基合金の一種であるインコネル(商標名)690合金は優れた耐食性を有しており、このため従来より原子力機器の、例えば原子炉蒸気発生器などの構造物の材料として使用されている。
これら構造物の組立、製造には一般的に接合手段として溶接手段が用いられるため、その溶加材(溶接棒、溶接ワイヤなど)が必要とされる。
【0003】
その溶加材に対しては米国機械学会(The American Society of Mechanical Engineers : ASME)のボイラ及び圧力容器規程(ASME Boiler and Pressure Vessel Code)が適用されており、その化学成分は表1に示すようになっている。
【0004】
【表1】

【0005】
しかし、この溶加材の溶接性は悪く、溶接完了後、溶接金属内に延性低下割れと言われる溶接割れが発生する恐れがある。
この溶接割れに対する対策の一つとして、溶接金属内に希土類元素であるランタン(La)を微量に含有させることで、延性低下割れを防止することが知られている。
【0006】
例えば、硫黄(S)やリン(P)等の不純物元素を70〜80ppm含んだ被溶接材料を溶接する際には、La量を0.015mass%以上含有させることで延性低下割れを防止する効果が認められている。
しかし、La量が0.025mass%以上になると逆に溶接金属に凝固割れが発生しやすくなる。
【0007】
つまり、延性低下割れ及び凝固割れ等の溶接割れを防止するためには、溶接金属内に含有されるLa量に下限値と上限値とが存在し、Laの含有量をその間の適正範囲内に保つことが必要とされる。
【0008】
実際に溶接施工を行う際には、予めLa等の希土類元素を添加した溶加材を用いて溶接対象物を溶接することにより溶接金属内にLaを含有させることになるが、溶接施工中に溶融した溶加材と母材とが混合するため、溶加材の成分は希釈されることになる。
【0009】
溶接時の希釈率は図8(a)に示すように、溶接部の断面積の比率から求めることができる。
即ち、
希釈率={(母材部分の溶融断面積1)/(母材部分の溶融断面積1+溶着金属部の断面積2)}×100 (%)
である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
溶接条件を一定とすれば希釈率はほぼ一定になるものの、図8(b)に示すように、溶接金属の上から更に別の多層盛溶接を行う多層溶接の場合には、1層目の溶接金属3は母材4の希釈を受けるが、2層目の溶接金属5は1層目の溶接金属3の希釈を受けることになり、1層目と2層目の希釈率が同じであっても各層の溶接金属の成分は異なってしまう。
よって、溶接金属内の化学成分は希釈率から以下のように推定される。
【0011】
C=Cb×(希釈率)/100+Cw×(1−(希釈率)/100)
C:溶接金属内の元素濃度(mass%)
Cb:基材内の元素濃度(mass%)
(ここで、基材とは溶接施工時の下地になる材料のことを示す。)
Cw:溶加材の元素濃度(mass%)
である。
【0012】
つまり、溶接金属内の溶接割れを防止するために一定量のLaを添加した溶加材を用いても、多層溶接を行った場合には各層の下地が異なるために基材内の元素濃度Cb(mass%)の値が変化しており、各層の基材が含有するLa量が変化するために、適正範囲外のLa量を含有した溶接金属層が形成される可能性がある。
このような溶接結果となるとLa量が変化した溶接金属層に溶接割れが発生する恐れがある。
【0013】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、La等の希土類元素を添加した溶加材を用いて溶接を行う多層溶接において、各層の溶接金属に溶接割れが発生せずに安定した溶接施工が行える、特にインコネル(商標名)690合金等の高耐食性材料による溶接に適する多層溶接方法および多層溶接装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上の目的を達成するために本発明の請求項1に記載の多層溶接方法の発明は、希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、各層を溶接施工する際に、各層毎に希土類元素添加量が異なる溶加材を用いることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項2に記載の多層溶接方法の発明は、希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、各層を溶接施工する際に、複数の溶加材を用い、複数の溶加材の供給比率を各層毎に制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項3に記載の多層溶接方法の発明は、希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、1種類の溶加材により各層を溶接し、各層の希釈率を制御するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の多層溶接方法の発明は、希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、1種類の溶加材を用い、一定の希釈率で各層を溶接し、溶加材に含有される希土類元素量と希釈率を制御するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に記載の多層溶接装置の発明は、多層溶接される溶接対象物の溶接しようとする部分に熱を加える溶接ヘッドと、前記溶接対象物の溶接しようとする部分に希土類元素の添加量が異なる複数の溶接ワイヤを供給する供給装置と、前記複数の溶接ワイヤの供給装置からの供給を切替える切替装置とからなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項8に記載の多層溶接装置の発明は、多層溶接される溶接対象物の溶接しようとする部分に熱を加える溶接ヘッドと、前記溶接対象物の溶接しようとする部分に希土類元素の添加量が異なる複数の合金粉末を供給する供給装置と、前記供給装置の複数の合金粉末の供給を切替える切替装置とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、La等の希土類元素を添加した溶加材を用いて溶接を行う多層溶接において、各層の溶接金属に溶接割れが発生せずに安定した溶接施工が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1、2を用いて本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0022】
図1(a)、(b)に示すように、本発明の多層溶接装置は、溶接熱源として図示しないレーザ発信器から光ファイバー6を介して送られ、光学系7を通して送られて来るレーザ光8を有し、このレーザ光8を溶接対象物9の溶接しようとする部分の表面に加熱照射する溶接ヘッド35を有している。
レーザ光8が照射された溶接対象物9の表面は加熱され、溶融池10が形成される。
【0023】
11および12はそれぞれLaの添加量が異なる2種類の溶接ワイヤAと溶接ワイヤBで、それぞれ、図示しないワイヤ供給装置によって、ワイヤ案内管A13とワイヤ案内管B14とを通って溶接部に供給される。
【0024】
上記ワイヤ案内管A13とワイヤ案内管B14とは光学系7に取り付けられたワイヤ切替機構15に支持されており、必要に応じて溶接ワイヤA11又は溶接ワイヤB12の一方を溶融池10に挿入できるようにワイヤ案内管A13とワイヤ案内管B14との位置決めができるようになっている。
【0025】
溶接ワイヤA11および溶接ワイヤB12はともにインコネル(商標名)690合金から成るが、そのLa含有量は異なるものとして設定される。即ち、溶接ワイヤA11のLa添加量は0.030mass%であり、これに対して溶接ワイヤB12のLa添加量は0.020mass%であり、溶接対象物9の1層目溶接金属16の溶接施工はワイヤ切替機構15により一方の溶接ワイヤA11を用いて実施し、2層目溶接金属17と3層目溶接金属18の溶接施工は図2(a)、(b)に示すようにワイヤ切替機構15の切替操作により他方の溶接ワイヤB12を用いて実施する。
【0026】
また、1、2、3層目の各溶接金属16、17、18の溶接条件は、いずれも希釈率が40%になるように設定されている。
このように構成された本実施の形態において、1層目溶接金属16のLa含有量は0.018mass%となる。2層目溶接金属17のLa含有量は0.019mass%、3層目溶接金属18のLa含有量は0.020mass%と推定され、各層の溶接金属のLa含有量は0.015mass%以上0.025mass%以下となり、SやP等の不純物元素を70〜80ppm含んだ材料を溶接する際のLa量を適正範囲内に保つことができる。
【0027】
本実施の形態によれば、多層溶接における各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量を各層の溶接に適する適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、これにより溶接金属の延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0028】
次に本発明の第2の実施の形態について図3を参照して説明する。
図3において、Laの添加量が異なるインコネル690合金から成る溶接ワイヤC19と溶接ワイヤD20は図示しないワイヤ供給装置によって送り出されて、溶接対象物9表面の溶融池10へ同時に挿入される。
【0029】
上記溶接ワイヤC19、D20はそれぞれのワイヤ供給装置によって個別に任意の供給量で溶融池10に供給することが調節可能となっている。
溶接ワイヤC19のLa添加量は0.040mass%、溶接ワイヤD20のLa添加量は0.010mass%であり、溶接対象物9の1層目溶接金属16の溶接施工では溶接ワイヤC19と溶接ワイヤD20の供給比率を2:1とする。
【0030】
また、2層目、3層目の溶接金属17、18の溶接施工は溶接ワイヤC19と溶接ワイヤD20の供給比率を1:2とする。
また、1、2、3層目の各溶接金属16、17、18の溶接条件は、いずれも希釈率が40%になるように設定されている。
【0031】
このように構成された本実施の形態において、1層目溶接金属16のLa含有量は0.018mass%、2層目溶接金属17のLa含有量は0.019mass%、3層目溶接金属18のLa含有量は0.020mass%と推定され、各層の溶接金属のLa含有量は0.015mass%以上0.025mass%以下となり、SやP等の不純物元素を70〜80ppm含んだ材料を溶接する際のLa量適正範囲内に保つことができる。
【0032】
本実施の形態によれば、多層溶接における各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量を各層の溶接に適する適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、これにより溶接金属の延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0033】
次に本発明の第3の実施の形態について図4を参照して説明する。
図4において、La添加量が0.022mass%のインコネル690合金から成る溶接ワイヤ1種類を用いて多層溶接を実施する。
【0034】
その際、1層目溶接金属16の溶接施工時には図4(a)に示すように、希釈率が25%となる溶接条件で溶接を実施し、2層目、3層目の溶接金属17、18溶接施工時には図4(b)(c)に示すように、希釈率が40%となる溶接条件で溶接を実施する。
【0035】
このように構成された本実施の形態において、1層目溶接金属16のLa含有量は0.017mass%、2層目溶接金属17のLa含有量は0.020mass%、3層目溶接金属18のLa含有量は0.021mass%と推定され、各層の溶接金属のLa含有量は0.015mass%以上0.025mass%以下となり、SやP等の不純物元素を70〜80ppm含んだ材料を溶接する際のLa量適正範囲内に保つことができる。
【0036】
本実施の形態によれば、多層溶接における各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量を各層の溶接に適する適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、これにより溶接金属の延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0037】
次に本発明の第4の実施の形態について図5を参照して説明する。
図5において、La添加量が0.024mass%のインコネル690合金から成る溶接ワイヤを用いて、3層の溶接金属の溶接施工を実施する際に、希釈率が略35%となるような溶接条件で溶接施工を実施する。
【0038】
一般に、溶接金属に含有されるLa量は図5の特性図に示すように、溶加材に添加されたLa量と希釈率から推定することができる。
【0039】
図5において、実線は1層目溶接金属16の溶接施工部のLa含有量0.015mass%境界線、点線は1層目溶接金属16の溶接施工部のLa含有量0.025mass%境界線、二点鎖線は3層目溶接金属18の溶接施工部のLa含有量0.015mass%境界線、一点鎖線は3層目溶接金属18の溶接施工部のLa量0.025mass%境界線を示す。
【0040】
このような特性に従って、1層目の溶接金属16の施工部のLa含有量を適正に保つための希釈率と溶加材のLa添加量の条件範囲は図5の符号21で示す範囲となる。
同様にして、3層目の溶接金属18の施工部のLa含有量を適正に保つための希釈率と溶加材のLa添加量の条件範囲は図5の符号22に示す範囲となる。
【0041】
したがって、両方の条件範囲が重なる図5の符号23に示す範囲が、1〜3層目の溶接金属の施工部のLa含有量を適正に保つための希釈率と溶加材のLa含有量の条件範囲であり、この範囲に、La添加量0.024mass%、希釈率35%の条件は含まれていることがわかる。
【0042】
このように構成された本実施の形態において、1層目の溶接金属16のLa含有量は0.016mass%、2層目の溶接金属17のLa含有量は0.021mass%、3層目の溶接金属18のLa含有量は0.023mass%と推定され、各層の溶接金属のLa含有量は0.015mass%以上0.025mass%以下となり、SやP等の不純物元素を70〜80ppm含んだ材料を溶接する際のLa量を適正範囲内に保つことができる。
【0043】
本実施の形態によれば、多層溶接における各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量を各層の溶接に適する適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0044】
次に本発明の第5の実施の形態について図6を参照して説明する。
図6において、溶加材として、La添加量が異なる2種類のインコネル690合金の合金粉末A24と合金粉末B25を用いて3層の溶接施工を実施する場合、図6(a)に示すように、1層目の溶接金属の溶接施工時には合金粉末A24が溶融池10に供給されるように、粉末供給管A26を位置決めして溶接施工を実施し、2層目、3層目の溶接金属の溶接施工時には合金粉末B25が溶融池10に供給されるように図示しない切替装置により切替えて、粉末供給管B27を位置決めして溶接施工を行う。
【0045】
また、2種類の合金粉末24、25を同時に溶融池10に供給する場合には、図6(b)に示すように、2本の粉末供給管26、27を並べて置き、合金粉末A24と合金粉末B25とをその供給量を調節しながら溶融池10に同時に供給する。
【0046】
また別の手段としては、図6(c)に示すように、2本の粉末供給管26、27を1本にまとめて、合金粉末A24と合金粉末B25とを予め混合した状態で、混合合金粉末28を1本の混合粉末供給管29から溶融池10に供給する。
【0047】
このように構成された本実施の形態において、溶加材として溶接ワイヤを用いた場合と同様に合金粉末を用いた場合でもLa量を制御した多層溶接施工が可能となり、各層の溶接金属のLa含有量を適正範囲内に保つことができる。
【0048】
本実施の形態によれば、多層溶接における各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量を各層の溶接に適する適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0049】
次に本発明の第6の実施の形態について図7を参照して説明する。
図7において、30は低合金鋼からなる原子力プラントの圧力容器で、31は前記圧力容器30に接続されるステンレス配管で、この原子力プラントの圧力容器30とそれに接続するステンレス配管31との溶接部は低合金鋼とステンレス配管との異材溶接となっており、溶接部近傍の低合金鋼30の表面にはステンレスクラッド32が施され、溶接開先面にはニッケル基合金のバタリング33が施されている。継手溶接部34はニッケル基合金で溶接されている。
【0050】
この異材溶接部表面の耐食性を改善するために、インコネル690合金の溶接ワイヤ10を用いて図7に示すようにレーザ光8により溶接を行う。
【0051】
溶接ワイヤ10のLa添加量は0.024mass%とする。溶接条件はレーザ出力1000W、溶接速度50cm/min、ワイヤ供給速度は90cm/minで照射ビーム径はφ33mmである。このときの希釈率は約35%である。この溶接条件で3層の溶接施工を実施する。
【0052】
このように構成された本実施の形態において、1層目の溶接金属16のLa含有量は0.016mass%、2層目の溶接金属のLa含有量は0.021mass%、3層目の溶接金属のLa含有量は0.023mass%となり、各層の溶接金属のLa量が適正範囲内にある多層溶接層を異材溶接部表面に形成できる。
【0053】
本実施の形態によれば、原子力プラントの圧力容器の溶接部表面を高耐食性のインコネル690合金の多層溶接層で覆うことができ、応力腐食割れに対する予防保全ができ、なおかつ、各層の溶接金属に含有されるLa等の希土類元素量が適正範囲内に保たれた多層溶接部を形成することができ、延性低下割れや凝固割れ等の溶接割れを防止することができる。
【0054】
なお、以上の実施の形態の説明において、溶接装置の熱源としてレーザ光を用いた場合を説明しているが、通常用いられるTIG等のアークや電子ビームを熱源として用いても同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、前記第1と第2の実施の形態において、溶接ワイヤを2本使用した場合を説明したが、本発明においては溶接ワイヤは2本に限定されるものではなく、3本以上複数本用いることもできる。
【0056】
さらに、以上の実施の形態の説明において、溶接ワイヤまたは合金粉末にインコネル(商標名)690合金を用いた場合を説明しているが、これと一部の組成が異なるニッケル基合金、あるいはより総括的にいえば希土類元素を含有する高耐食性材料から成る溶加材を用いた多層溶接方法においても、上述した各実施の形態における方法を援用することができる。
【0057】
また、各実施の形態の援用として、Laに代えて他の希土類元素の添加量を変化させて多層溶接を行うことも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部拡大図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の別の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は要部拡大図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す要部拡大図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す図で、(a)〜(c)はいずれも各層の溶接金属の溶接方法を示す正面図。
【図5】本発明の第4の実施の形態による多層溶接方法を説明するための特性図。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す図で、(a)〜(c)はいずれも各層の溶接金属の溶接方法を示す要部拡大図。
【図7】本発明の第6の実施の形態による多層溶接方法を説明するための斜視図。
【図8】従来の多層溶接における添加剤の希釈率を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0059】
1…母材部分の溶融断面積、2…溶着金属部の断面積、3…1層目の溶接金属、4…母材、5…2層目の溶接金属、6…光ファイバー、7…光学系、8…レーザ光、9…溶接対象物、10…溶融池、11…溶接ワイヤA、12…溶接ワイヤB、13…ワイヤ案内管A、14…ワイヤ案内管B、15…ワイヤ切替機構、16…1層目溶接金属、17…2層目溶接金属、18…3層目溶接金属、19…溶接ワイヤC、20…溶接ワイヤD、24…合金粉末A、25…合金粉末B、26…粉末供給管A、27…粉末供給管B、28…混合合金粉末、29…混合粉末供給管、30…圧力容器、31…ステンレス配管、32…ステンレスクラッド、33…バタリング、34…継手溶接部、35…溶接ヘッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、各層を溶接施工する際に、各層毎に希土類元素添加量が異なる溶加材を用いることを特徴とする多層溶接方法。
【請求項2】
希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、各層を溶接施工する際に、複数の溶加材を用い、複数の溶加材の供給比率を各層毎に制御するようにしたことを特徴とする多層溶接方法。
【請求項3】
希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、1種類の溶加材により各層を溶接し、各層の希釈率を制御するようにしたことを特徴とする多層溶接方法。
【請求項4】
希土類元素を添加した溶加材を用いて多層溶接を行う多層溶接方法において、1種類の溶加材を用い、一定の希釈率で各層を溶接し、溶加材に含有される希土類元素量と希釈率を制御するようにしたことを特徴とする多層溶接方法。
【請求項5】
溶加材として溶接ワイヤを用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の多層溶接方法。
【請求項6】
溶加材として合金粉末を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の多層溶接方法。
【請求項7】
多層溶接される溶接対象物の溶接しようとする部分に熱を加える溶接ヘッドと、前記溶接対象物の溶接しようとする部分に希土類元素の添加量が異なる複数の溶接ワイヤを供給する供給装置と、前記複数の溶接ワイヤの供給装置からの供給を切替える切替装置とからなる多層溶接装置。
【請求項8】
多層溶接される溶接対象物の溶接しようとする部分に熱を加える溶接ヘッドと、前記溶接対象物の溶接しようとする部分に希土類元素の添加量が異なる複数の合金粉末を供給する供給装置と、前記供給装置の複数の合金粉末の供給を切替える切替装置とからなる多層溶接装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−50446(P2007−50446A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238839(P2005−238839)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】