説明

多数の流れの充填システム

【課題】いくつかの容器を充填する充填ライン。
【解決手段】充填ラインは、連続コンベヤと、連続コンベヤの周囲に配置された1つ又は複数の微量成分投与装置と、連続コンベヤに沿って配置された1つ又は複数の大量成分ステーションとを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[101] 本出願は、概して、高速飲料容器充填システムに関し、特に、容器を充填する点において所望に応じて濃縮物、水、甘味料、及び他の成分の流れを組み合わせる充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[102] 飲料の瓶及び缶は、通常、バッチ処理で飲料を充填される。飲料成分(通常は濃縮物、甘味料、及び水)は、混合領域で混合され、次に、所望に応じて炭酸飽和される。次に完成した飲料製品を充填装置のボウルに圧送する。容器が充填ラインに沿って前進すると、容器は、充填装置の弁を介して、完成した飲料製品を充填される。次に、容器に蓋を被せ、ラベルを貼ってパッケージングし、消費者へと搬送する。
【0003】
[103] しかし、異なる飲料製品の数が増加し続けているので、瓶詰め業者は停止時間の増加に直面している。何故なら、充填ラインを1つの製品から次の製品に変更する必要があるからである。これは、次の製品を再充填する前に、タンク、パイプ、及び充填装置のボウルを水で濯がねばならないので、時間がかかるプロセスになり得る。それ故、瓶詰め業者は、生産工程の間に必要とされる停止時間のために、所与の製品を少量生産することを嫌がる。
【0004】
[104] 製品を変更する際に多大な停止時間があるばかりでなく、製品に種々のタイプの成分を添加する場合も、その結果として停止時間が生じる。例えば、ある量のカルシウムをオレンジジュース飲料に添加することが望ましいことがある。しかし、カルシウムを含むオレンジジュースの作業が終了すると、カルシウムの痕跡を全て除去するために、同じ濯ぎ手順を実行しなければならない。その結果、独特の添加物を含む飲料のカスタム化された運転は、必要な停止時間によって全く好まれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[105] それ故、様々なタイプの製品、さらに添加物が変化する製品に迅速に適合できる改善された高速充填システムが望まれている。システムは、停止時間又は費用がかかる切り替え手順がない状態でこれらの製品を生産できることが好ましい。システムはまた、大量の製品及びカスタム化した製品の両方を高速かつ効率的な方法で生産しなければならない。フレーバー又は飲料の混合物を同時に生産することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[106] それ故、本出願は、いくつかの容器を充填する充填ラインについて述べる。充填ラインは、連続コンベヤと、連続コンベヤの周囲に配置された1つ又は複数の微量成分投与装置と、連続コンベヤに沿って配置された1つ又は複数の大量成分ステーションとを含むことができる。
【0007】
[107] 微量成分投与装置は、1つ又は複数の微量成分供給源を含むことができる。微粒成分投与装置は、微量成分供給源と連通するポンプを含むことができる。ポンプは、容積式ポンプ又は弁なしポンプを含むことができる。微量成分投与装置は、ポンプと接続しているサーボモータと、ポンプと連通しているノズルとを含むことができる。微量成分投与装置は、微量成分供給源とポンプの間に配置された流量センサを含むことができる。充填ラインは、さらに、ノズルの下流に配置された投与センサを含むことができる。大量成分ステーションは、1つ又は複数の大量成分供給源及び1つ又は複数の希釈剤供給源を含むことができる。
【0008】
[108] 容器は、それぞれ自身上に識別子を含むことができ、充填ラインは、さらに、識別子を読み取るようにコンベヤの周囲に配置された1つ又は複数の位置決めセンサを含むことができる。識別子は、各容器内に充填される製品の性質を識別する。
【0009】
[109] ノズルは、回転ノズルを含むことができる。回転ノズルは、いくつかのピンホイール式ノズルを含むことができる。コンベヤは自身内に1つ又は複数の窪みを含むことができる。コンベヤは、いくつかの容器が窪みを通過する場合にそれを把持するように、窪みの周囲に配置されたいくつかの把持器を含むことができる。微量成分投与装置は、窪みの中央に配置されたノズルを含むことができる。
【0010】
微量成分投与装置は、1つ又は複数の微量成分を含むことができる。微量成分は、少なくとも約10対1以上又は約100対1以上の再構成比率を含むことができる。微量成分は、甘味料なしの濃縮物、甘味料なし濃縮物の酸性及び非酸性成分、天然又は合成フレーバー、フレーバー添加剤、天然及び合成着色剤、合成甘味料、酸味を抑制する添加剤、機能性添加剤、nutricutical、又は薬品を含むことができる。微量成分は、通常、容器の約10%以内を構成することができる。大量成分ステーションは1つ又は複数の大量成分を含むことができる。大量成分は、約1対1より大きい範囲から約10対1未満までの再構成比率を含むことができる。大量成分は、糖シロップ、果糖が多いコーンシロップ、又はジュース濃縮物を含むことができる。
【0011】
[110] 本出願は、さらに、いくつかの製品を製造する方法について説明する。この方法は、コンベヤに沿って1つ又は複数の微量成分投与装置を配置することと、コンベヤに沿って1つ又は複数の大量成分ステーションを配置することと、1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第1の装置に対して第1の容器に第1の微量成分を投与するように命令することと、1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第2の装置に対して第2の容器に第2の微量成分を投与するように命令することと、第1の製品及び第2の製品を形成するように、大量成分ステーションにて第1の容器及び第2の容器を大量成分及び希釈剤で充填することとを含むことができる。
【0012】
[111] 第1の容器は第1の識別子を含むことができ、第2の容器は第2の識別子を含むことができる。微量成分投与装置のうちの第1の装置に対して第1の容器に第1の微量成分を投与するように命令するステップは、第1の識別子を読み取ることを含むことができ、微量成分投与装置のうちの第2の装置に対して第2の容器に第2の微量成分を投与するように命令するステップは、第2の識別子を読み取ることを含むことができる。
【0013】
[112] 本出願は、さらに、微量成分で使用する微量投与装置について説明する。微量投与装置は、容積式ポンプ、容積式ポンプを駆動するサーボモータ、及びポンプと連通しているノズルを含むことができる。
【0014】
[113] 微量投与装置は、さらに、ポンプと連通している1つ又は複数の微量成分供給源を含むことができる。ポンプは、弁なしポンプを含んでもよい。微量投与装置は、さらに、微量成分供給源とポンプの間に配置された流量センサを含むことができる。ノズルは、回転ノズルを含んでもよい。回転ノズルは、いくつかのピンホイール式ノズルを含んでもよい。
【0015】
[114] 本出願は、さらに、カスマイズした飲料を容器内で作成する方法について説明する。この方法は、所定の経路に沿っていくつかのステーションを、ステーションが1つ又は複数のカスタマイズした成分を有する状態で配置するステップと、カスタマイズした飲料を生成するためにカスタマイズした成分を選択するステップと、所定の経路に沿って容器を連続的に前進させるステップと、飲料が90%を超える基礎成分及び希釈剤並びに10%未満の選択されてカスタマイズされた成分を含むように容器を充填するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】[115]本明細書で説明するような高速充填ラインの略図である。
【図2】[116]高速充填ライン内で使用する充填ノズルの代替実施形態の側面図である。
【図2A】[117]図2の代替実施形態で使用する回転ノズルの断面図である。
【図3】[118]高速充填ライン内で使用するコンベヤの代替実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[119] 一般に、多くの飲料製品は2つの基本的成分、すなわち水と「シロップ」を含む。「シロップ」は甘味料とフレーバーの濃縮物に分けることもできる。例えば炭酸清涼飲料では、水が製品の80%を超え、甘味料(天然又は合成)は約15%であり、残りはフレーバー濃縮物である。フレーバー及び/又は着色剤濃縮物は、約150対1以上の再構成比率を有することができる。このような濃縮で、典型的な12オンスの飲料中に約2.5グラムの濃縮されたフレーバーがあることがある。
【0018】
[120] それ故、飲料は、大量成分、微量成分、及び水に分解することができる。大量成分は、約1対1より大きい値から約10対1未満までの範囲の再構成比率を有し、及び/又は再構成比率に関係なく希釈剤と組み合わせた場合は、少なくとも約90%の所与の飲料体積で構成することができる。大量成分は、通常、約100センチポアズ以上の粘度を有する。大量成分は糖シロップ、HFCS(果糖が多いコーンシロップ)、ジュース濃縮物、及び類似のタイプの流体を含むことができる。同様に、大量成分の基礎製品は、甘味料、酸及び他の一般的な成分を含むことができる。大量成分は、冷却する必要がある場合もあるし、冷却する必要がない場合もある。
【0019】
[121] 微量成分は、少なくとも約10対1以上の範囲の再構成比率を有し、及び/又は再構成比率に関係なく約10%以下の所与の飲料体積で構成することができる。特に、多くの微量成分は約50対1から約300対1以上の範囲とすることができる。微量成分の粘度は通常、約1から約215センチポアズ程度の範囲である。微量成分の例としては、天然及び合成フレーバー、フレーバー添加剤、天然及び合成着色剤、合成甘味料(高甘味度又はその他)、例えばクエン酸、クエン酸カリウムなどの酸味を抑制する添加剤、ビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物などの機能性添加物、ニュートリキュテカル(nutricutical)、及びアセトアミノフェンなどの一般用医薬品(又はその他)、並びに類似のタイプの材料が挙げられる。同様に、甘味料なし濃縮物の酸性及び非酸性成分も分離し、個別に保存することができる。微量成分は、液体、粉末(固体)、又は気体状の形態及び/又はその組合せとすることができる。微量成分は、冷却する必要がある場合もあるし、冷却する必要がない場合もある。塗料、染料、油、化粧品などの飲料以外の物質も使用することができる。種々のタイプのアルコールも微量又は大量成分として使用することができる。
【0020】
[122] これらの微量成分と大量成分を組み合わせる種々の方法が、共通所有の「Beverage Dispensing System」と題した米国特許出願第11/276,550号、「Juice Dispensing System」と題した米国特許出願第11/276,549号、及び「Methods and Apparatuses For Making Compositions Comprising An Acid and An Acid Degradable Component and/or Compositions Comprising A Plurality of Selectable Components」と題した米国特許出願第11/276,553号に開示されている。
【0021】
[123] 以下で説明する充填デバイス及び方法は、いくつかの容器10を高速で充填するように意図されている。容器10は従来の飲料瓶の態様で図示されている。しかし、容器10は、缶、カートン、パウチ、コップ、バケツ、ドラム、又は任意の他のタイプの液体搬送デバイスの形態とすることもできる。本明細書で説明するデバイス及び方法の性質は、容器10の性質によって制限されない。本明細書では、任意のサイズ又は形状の容器10を使用することができる。同様に、容器10は、任意のタイプの従来の材料で作成することができる。容器10は、飲料及び他のタイプの消耗品、さらに、任意の性質の非消耗品とともに使用することができる。各容器10は、任意の所望のサイズの1つ又は複数の開口20及びベース30を有することができる。
【0022】
[124] 各容器は、自身上に配置されたバーコード、Snowflakeコード、色コード、RFIDタグ、又は他のタイプの識別マークなどの識別子40を有することができる。識別子40は、充填前、充填中又は充填後に容器10に配置することができる。充填前に使用する場合、以下でさらに詳細に説明するように、充填される成分の性質に関して充填ライン100に知らせるために、識別子40を使用することができる。本明細書では、任意のタイプの識別子又は他のマークを使用することができる。
【0023】
[125] 次に図面を参照すると、類似の数字はいくつかの図を通して類似の要素を指し、図1は、本明細書で説明するような充填ライン100を示す。充填ライン100は、容器10を搬送するコンベヤ110を含むことができる。コンベヤ110は、従来の単レーン又は多レーンのコンベヤでよい。コンベヤ110は、連続的動作と断続的動作の両方が可能である。コンベヤ110の速度を変更することができる。コンベヤ110は、毎秒約0.42から約4.2フィート(毎秒約0.125から約1.25メートル)で動作することができる。コンベヤモータ120がコンベヤ110を駆動することができる。コンベヤモータ120は、標準的なACデバイスでよい。他のタイプのモータは、可変周波数ドライブ、サーボモータ、又は類似のタイプの装置を含む。適切なコンベヤ110の例としては、GeboのマークでフランスのSidel of Octeville sur Merが製造している装置、GripVeyorのマークでサウスカロライナ州グリーンビルのHartness Internationalが製造している装置などが挙げられる。別の方法としては、コンベヤ110はスターホイール又は一連のスターホイールの形態をとることができる。コンベヤ110は、任意の数の個々のレーンに分割することができる。次に、レーンを再び組み合わせるか、他の方法で延ばすことができる。
【0024】
[126] 充填ライン100は、コンベヤ110に沿って配置されたいくつかの充填ステーションを有することができる。特にいくつかの微量成分投与装置130を使用することができる。各微量成分投与装置130は、容器10について上述したように微量成分135を1回又は複数回分供給する。容器10の速度及び容器10の開口20のサイズに応じて、複数回分を容器10に添加することができる。
【0025】
[127] 各微量成分投与装置130は、1つ又は複数の微量成分供給源140を含む。微量成分供給源140は、自身内に特定の微量成分135を有する任意のタイプの容器でよい。微量成分供給源140は、温度を制御できる場合もあるし、制御できない場合もある。微量成分供給源140は、再充填可能又は交換可能とすることができる。
【0026】
[128] 各微量成分投与装置130は、微量成分供給源140と流体的に連通するポンプ150も含むことができる。この例では、ポンプ150は容積式ポンプでよい。特に、ポンプ150は弁有り又は弁なしポンプでよい。例えば、ニューヨーク州SyossetのFluid Metering,Inc.が販売するCeramPumpなどの弁なしポンプ、又はバーモント州North SpringfieldのIVEKが販売する衛生用スプリットケースポンプを含む。弁なしポンプは、回転する度に特定の量が圧送されるように、室内のピストンの同期的回転及び往復により動作する。揚程の位置を変化させることにより、所望に応じて流量を調節することができる。本明細書では、圧電ポンプ、圧力/時間装置、回転ローブポンプ、及び類似のタイプの装置のような他のタイプの圧送装置も使用することができる。
【0027】
[129] モータ160がポンプ150を駆動することができる。この例では、モータ160はサーボモータでよい。サーボモータ160は、プログラム可能とすることができる。サーボモータ160の例としては、ウィスコンシン州ミルウォーキーのRockwell Automationが販売しているサーボモータのAllen Bradleyラインが挙げられる。サーボモータ160は、変速で、約5000rpmまで加速可能とすることができる。本明細書では、ステップモータ、可変周波数ドライブモータ、ACモータ、及び類似のタイプの装置のような他のタイプのモータ160も使用することができる。
【0028】
[130] 各微量成分投与装置130は、ノズル170も含むことができる。ノズル170はポンプ150の下流に配置される。ノズル170は、1回分の微量成分135を容器10に計量分配するように、コンベヤ110の周囲に配置することができる。ノズル170は、種々の断面で、コンベヤ110上の容器10に隣接する出口がある1つ又は複数の細長い管の形態でよい。本明細書では、オリフィス板、開口管、弁付き先端、及び類似のタイプの装置などの他のタイプのノズル170を使用することができる。チェック弁175をポンプ150とノズル170の間で配置することができる。チェック弁175は、余分な微量成分135があれば全てノズル170を通過するのを防止する。微量成分135は順番に又は同時に投与することができる。複数回分を各容器10に提供してもよい。
【0029】
[131] 各微量成分投与装置130は、微量成分供給源140とポンプ150の間で配置された流量センサ180も含むことができる。流量センサ180は、コリオリメータ、導電率計、ローブメータ、タービンメータ又は電磁流量計のように、任意のタイプの従来の質量流量メータ又は類似のタイプの計量装置でよい。流量計180は、微量成分供給源140から適正な量の微量成分135がポンプ150に確実に渡されるようにするために、フィードバックを提供する。流量センサ180は、範囲外になった場合にポンプ130の動作を補正できるように、ポンプ130のドリフトも検出する。
【0030】
[132] コンベヤ100は、コンベヤ110に沿って各微量成分投与装置130に隣接して配置されたいくつかの投与センサ190も含むことができる。投与センサ190は、重量検査天秤、ロードセル、又は類似のタイプの装置でよい。投与センサ190は、各微量成分135の適正な量が実際に微量成分投与装置130を介して各容器10に確実に計量分配されるようにする。本明細書では、類似のタイプの感知装置を使用することができる。代替的又は追加的に、コンベヤ100は微量成分135がノズル170から適切な時に投与されたことを確認するために、フォトアイ、高速カメラ、ビジョンシステム、又はレーザ検査システムも含むことができる。さらに、投与物の着色も監視することができる。
【0031】
[133] 充填ライン100は、大量成分ステーション200も含むことができる。大量成分ステーション200は、微量成分投与装置130の上流あるいは下流、又はコンベヤ110に沿って他の位置にすることができる。大量成分ステーション200は、ウィスコンシン州フランクリンのKrones Inc.がSensometicという名称で販売するか、又はウィスコンシン州ウォーキショーのKHSがInnofill NVという名称で販売しているような従来の非接触又は接触式充填装置でよい。本明細書では、他のタイプの充填装置を使用してもよい。大量成分ステーション200は、甘味料(天然又は合成)などの大量成分215を含む大量成分源210、及び水225又は他のタイプの希釈剤を含む水源220を有することができる。大量成分ステーション200は、大量成分215を水225と組み合わせ、それを容器10に計量分配する。
【0032】
[134] 本明細書では、1つ又は複数の大量成分ステーション200を使用することができる。例えば1つの大量成分ステーション200を天然甘味料で使用し、1つの大量成分ステーション200を合成甘味料で使用することができる。同様に、1つの大量成分ステーション200を炭酸飲料に使用し、1つの大量成分ステーション200を泡立たない飲料又は軽炭酸飲料に使用することができる。本明細書では、他の構成を使用することができる。
【0033】
[135] 充填ラインは、コンベヤ110の周囲に配置されたいくつかの位置決めセンサ230も含むことができる。位置決めセンサ230は、従来の光電デバイス、高速カメラ、機械的接触装置、又は類似のタイプの装置でよい。位置決めセンサ230は、各容器10の識別子40を読み取り、及び/又は各容器10がコンベヤ110に沿って前進する場合に、その位置を追跡することができる。
【0034】
[136] 充填ライン100は、制御装置240も含むことができる。制御装置240は、従来のマイクロプロセッサなどでよい。制御装置240は、上述したように、充填ライン100の各成分を制御し、操作する。制御装置240はプログラム可能である。
【0035】
[137] コンベヤ100は、コンベヤ110の周囲に配置されたいくつかの他のステーションも含むことができる。これらの他のステーションは、瓶入口ステーションと、瓶濯ぎステーションと、蓋締めステーションと、攪拌ステーションと、製品出口ステーションとを含むことができる。本明細書では、所望に応じて他のステーション及び機能を使用することができる。
【0036】
[138] 使用時には、容器10は充填ライン100内で配置され、コンベヤ110に従来の方法で装填される。次に、容器10は、コンベヤ110を介して搬送され、1つ又は複数の微量成分投与装置130を通過する。所望の最終製品に応じて、微量成分投与装置130は甘味料なし濃縮物、着色剤、強化剤(保健及び健康成分)、及び他のタイプの微量成分135などの微量成分135を添加することができる。充填ライン100は、任意の数の微量成分投与装置130を有することができる。例えば、1つの微量成分投与装置130は、コカコーラ(登録商標)ブランドの炭酸清涼飲料の甘味料なし濃縮物の供給源を有することができる。別の微量成分投与装置130は、スプライト(登録商標)ブランドの炭酸清涼飲料の甘味料なし濃縮物の供給源を有することができる。同様に、1つの微量成分投与装置130は、ライムのPowerade(登録商標)ブランドのスポーツ飲料に緑の着色剤を添加することができ、別の微量成分投与装置130が液果飲料に紫の着色剤を添加することができる。同様に、本明細書では種々の添加剤も添加することができる。本明細書で添加できる微量成分135のタイプ及び組合せの性質には制限がない。コンベヤ110は、いくつかの容器10を同時に共同で投与できるように、任意の数のレーンに分割することができる。次に、レーンを再結合することができる。
【0037】
[139] 充填ライン100のセンサ230は、最終製品の性質を割り出すように、容器10上の識別子40を読み取ることができる。制御装置240は、コンベヤ110の速度を知り、従って、コンベヤ110上の容器10の位置を常に知っている。制御装置240は、容器10がノズル170の下を通過すると、微量成分投与装置130をトリガして、微量成分135の投与物を容器10に送出する。具体的には、制御装置240はサーボモータ160を起動し、次に、これがポンプ150を起動して、適切な投与量の微量成分135をノズル170及び容器10に計量分配するようにする。ポンプ150及びモータ160は、コンベヤ10が、微量成分投与装置130の周囲で休止する必要がない状態で連続的に動作できるように、微量成分135の連続的な個別投与を迅速に始動することができる。流量センサ180は、適正な投与量の微量成分135が、ポンプ150に確実に送出されるようにする。同様に、ノズル170の下流の投与センサ190は、適正な投与量が実際に容器10に確実に送出されるようにする。
【0038】
[140] 次に、容器110は、大量成分215及び水225又は他のタイプの希釈剤を添加するために、大量成分ステーション200へと渡される。別の方法としては、大量成分ステーション200は、微量成分投与装置130の上流にあってもよい。同様に、いくつかの微量成分投与装置130が大量成分ステーション200の上流にあり、いくつかの微量成分投与装置130が下流にあってもよい。容器10は、共同で投与することもできる。次に、容器10に蓋をし、所望に応じて他の処理を実行することができる。このように、充填ライン100は、毎分約600から約800本の瓶を充填することができる。
【0039】
[141] 制御装置240は、様々なタイプの微量成分135を補償することができる。例えば、各微量成分135は、独特の粘度、揮発性、及び他の流れ特性を有することができる。それ故、制御装置240は、圧力、ポンプ速度、トリガ時間(すなわちノズル170から容器10までの距離)、及び加速度に対応するように、ポンプ150及びモータ160を補償することができる。投与量のサイズも変更することができる。典型的な投与量は、12オンス(355.2ml)の容器10に対して約1/4グラムから約2.5グラムの微量成分135とすることができるが、本明細書では他のサイズも使用することができる。投与量は、他のサイズに合わせて比例して異なってよい。
【0040】
[142] それ故、充填ライン100は、既知の充填システムで必要な通常の停止時間がない状態で、任意の数の異なる製品を生産することができる。その結果、所望に応じて様々な製品を入れたマルチパックを生成することができる。それ故、充填ライン100は、有意の停止時間がない状態で、現在市場にあるのと同じぐらい多くの異なる飲料を生産することができる。
【0041】
[143] 図2及び図2Aは、上述した微量成分投与装置130のノズル170の代替実施形態を示す。この実施形態は回転ノズル250を示す。回転ノズル250は、中心ドラム260及びいくつかのピンホイール式ノズル270を含む。図2Aに示すように、中心ドラム260は中心ハブ275を有する。ピンホイール式ノズル270が中心ドラム260の周囲で回転すると、各ノズル270が中心ハブ275と約48°程度連通する。中心ハブ275のサイズは、所望の滞留時間に応じて変更することができる。本明細書では、任意のサイズを使用することができる。
【0042】
[144] モータ280が回転ノズル250を駆動する。モータ280は、従来のACモータ又は類似のタイプの駆動装置でよい。モータ280は、制御装置240と連通することができる。モータ280は回転ノズル250を駆動し、従ってピンホイール式ノズル270は、それぞれ、所与の容器10の開口20上で十分な滞留時間を有する。特に、各ピンホイール式ノズル270は、約4時の位置で容器10の1つとインタフェースをとり、約8時の位置まで接触を維持することができる。ピンホイール式ノズル270及びコンベヤ110の回転の時間を合わせることにより、各ピンホイール式ノズル270は、静止ノズル170より12倍程度の滞留時間を有する。例えば、毎分50回転の速度及び48°の中心ハブ275で、各ピンホイール式ノズル270は、容器10上で約0.016秒の滞留時間を有することができるが、これに対して静止ノズル170では約0.05秒である。このように滞留時間が増加すると、投与の精度が向上する。コンベヤ110に沿ったレーンの数に応じて、いくつかの回転ノズル250を一緒に使用することができる。
【0043】
[145] 図3は、充填ライン300のさらなる実施形態を示す。充填ライン300は、自身に沿って配置された1つ又は複数のU字形又は半円形の窪み320があるコンベヤ310を有する。コンベヤ310は、また、いくつかの把持器330を含む。把持器330は、各容器110が窪み320の1つに近づくと、それを把持する。把持器330は、首部グリップ、ベースグリップ、又は類似のタイプの装置でよい。把持器330は、ばね装填、カム、又は類似のタイプの装置で操作することができる。
【0044】
[146] コンベヤ310に沿った窪み320を把持器330と組み合わせることにより、各容器10がノズル170の周囲で旋回する。ノズル170は、窪み320のほぼ中心に配置することができる。このように旋回することにより、容器10の開口20が、なおコンベヤ310の速度で移動している容器10のベース30に対して加速する。コンベヤ310が上方向に湾曲する場合に、ベース30がコンベヤ310の速度で移動し続ける一方、開口20は有意に減速する。何故なら、開口20が移動する円弧の長さは、ベース30が移動する円弧の長さより有意に短いからである。ノズル170は、容器10がほぼ垂直になる時に、円弧の底部で起動することができる。それ故、窪み320を使用すると、ノズル170の固定を維持できる一方、開口20の線速度が低下する。特に、線速度は、1分当たりのパッケージ数に仕上がり直径を掛けた値に基づいた計算から1分当たりのパッケージ数に大径を掛けた値へと低下する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
いくつかの容器を充填する充填ラインであって、
連続コンベヤと、
前記連続コンベヤの周囲に配置された1つ又は複数の微量成分投与装置と、
前記連続コンベヤに沿って配置された1つ又は複数の大量成分ステーションと、
を備える充填ライン。
【請求項2】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、1つ又は複数の微量成分供給源を備える、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項3】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、前記1つ又は複数の微量成分供給源に連通するポンプを備える、請求項2に記載の充填ライン。
【請求項4】
前記ポンプが、容積式ポンプを備える、請求項3に記載の充填ライン。
【請求項5】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、前記ポンプに接続されたサーボモータを備える、請求項3に記載の充填ライン。
【請求項6】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、前記ポンプに連通するノズルを備える、請求項3に記載の充填ライン。
【請求項7】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、前記1つ又は複数の微量成分供給源と前記ポンプの間に配置された流量センサを備える、請求項3に記載の充填ライン。
【請求項8】
前記ノズルの下流に配置された投与センサをさらに備える、請求項6に記載の充填ライン。
【請求項9】
前記1つ又は複数の大量成分ステーションが、1つ又は複数の大量成分供給源及び1つ又は複数の希釈剤源を備える、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項10】
前記いくつかの容器が、それぞれ、自身上に識別子を備え、前記充填ラインが、前記識別子を読み取るように前記コンベヤの周囲に配置された1つ又は複数の位置決めセンサをさらに備える、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項11】
前記識別子が、前記いくつかの容器のそれぞれに充填される製品の性質を識別する、請求項10に記載の充填ライン。
【請求項12】
前記ノズルが、回転ノズルを備える、請求項6に記載の充填ライン。
【請求項13】
前記回転ノズルが、複数のピンホイール式ノズルを備える、請求項12に記載の充填ライン。
【請求項14】
前記コンベヤが、自身内に1つ又は複数の窪みを備える、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項15】
前記いくつかの容器が、前記1つ又は複数の窪みを通過する場合に、これを把持するように、前記コンベヤが前記1つ又は複数の窪みの周囲に配置されたいくつかの把持器を備える、請求項14に記載の充填ライン。
【請求項16】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、前記1つ又は複数の窪みの中央に配置されたノズルを備える、請求項14に記載の充填ライン。
【請求項17】
前記1つ又は複数の微量成分投与装置が、1つ又は複数の微量成分を含む、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項18】
前記1つ又は複数の微量成分が、少なくとも10対1以上の再構成比率を有する、請求項17に記載の充填ライン。
【請求項19】
前記1つ又は複数の微量成分が、約100対1以上の再構成比率を有する、請求項17に記載の充填ライン。
【請求項20】
前記微量成分が、甘味料なし濃縮物、甘味料なし濃縮物の酸性及び非酸性成分、天然及び合成フレーバー、フレーバー添加剤、天然及び合成着色剤、合成甘味料、酸味を抑制する添加剤、機能性添加剤、nutricutical、又は薬品を含む、請求項17に記載の充填ライン。
【請求項21】
前記微量成分が、前記容器の約10%以内を構成する、請求項17に記載の充填ライン。
【請求項22】
前記1つ又は複数の大量成分ステーションが、1つ又は複数の大量成分を含む、請求項1に記載の充填ライン。
【請求項23】
前記1つ又は複数の大量成分が、約1対1より大きい値から約10対1未満までの再構成比率を有する、請求項22に記載の充填ライン。
【請求項24】
前記1つ又は複数の大量成分が、糖シロップ、果糖が多いコーンシロップ、又はジュース濃縮物を含む、請求項22に記載の充填ライン。
【請求項25】
複数の製品を製造する方法であって、
コンベヤに沿って1つ又は複数の微量成分投与装置を配置することと、
前記コンベヤに沿って1つ又は複数の大量成分ステーションを配置することと、
前記1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第1の装置に対して第1の容器に第1の微量成分を投与するように命令することと、
前記1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第2の装置に対して第2の容器に第2の微量成分を投与するように命令することと、
第1の製品及び第2の製品を形成するように、前記大量成分ステーションにて前記第1の容器及び前記第2の容器を大量成分及び希釈剤で充填することと、
を含む方法。
【請求項26】
前記第1の容器が第1の識別子を備え、
前記第2の容器が第2の識別子を備え、
前記1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第1の装置に対して第1の容器に第1の微量成分を投与するように命令することが、前記第1の識別子を読み取ることを含み、
前記1つ又は複数の微量成分投与装置のうちの第2の装置に対して第2の容器に第2の微量成分を投与するように命令することが、前記第2の識別子を読み取ることを含む、請求項25に記載の複数の製品を製造する方法。
【請求項27】
容積式ポンプと、
前記容積式ポンプを駆動するサーボモータと、
前記ポンプと連通するノズルと、
を備える、微量成分で使用する微量投与装置。
【請求項28】
前記ポンプと連通している1つ又は複数の微量成分供給源をさらに備える、請求項27に記載の微量投与装置。
【請求項29】
前記1つ又は複数の微量成分供給源と前記ポンプの間に配置された流量センサをさらに備える、請求項28に記載の微量投与装置。
【請求項30】
前記ノズルが、回転ノズルを備える、請求項27に記載の微量投与装置。
【請求項31】
前記回転ノズルが、複数のピンホイール式ノズルを備える、請求項30に記載の微量投与装置。
【請求項32】
カスタマイズした飲料を容器内で作成する方法であって、
所定の経路に沿って複数のステーションを配置するステップであって、前記複数のステーションが1つ又は複数のカスタマイズした成分を含むステップと、
前記カスタマイズした飲料を作成するために前記1つ又は複数のカスタマイズした成分のうちの1つ又は複数を選択するステップと、
前記所定の経路に沿って前記容器を連続的に前進させるステップと、
前記飲料が90%を超える1つ又は複数の基礎成分及び希釈剤と、10%未満の前記選択されてカスタマイズされた成分とを含むように、前記容器を充填するステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−521380(P2010−521380A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553674(P2009−553674)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/054862
【国際公開番号】WO2008/112414
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】