説明

多方向入力装置

【課題】磁気センサが破損し難い多方向入力装置を提供すること。
【解決手段】上ケース2及び下ケース3の間の空洞部内をスライド移動する移動部52を有し、磁石8を保持する操作体5と、上記移動部52と対向配置されると共に磁石8による磁界の変化を検出する磁気センサ113と、磁気センサ113が実装され、下ケース3の底壁の下面側に配置されたフレキシブル基板11と、下ケース3及びフレキシブル基板11の下方に配置され、上ケース2及び下ケース3を一体化する取付部材4とを備え、取付部材4は、下ケース3の底壁の下面と当接する基部41とこの基部41に連結された弾性腕部44a、44bとを有し、フレキシブル基板11における少なくとも磁気センサ113の実装部を弾性腕部44a、44bにより弾性的に支持したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に関し、特に、携帯電話装置やゲーム機用コントローラなどにおける方位入力操作に好適な多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置全体の薄型化を図るため、上ケースと下ケースとを組み合わせたハウジング内にスライド移動可能に収納された操作体の一部に磁石を固定する一方、下ケースの一部に磁石と対向状態で磁気センサを収納し、磁石の位置に応じて変化する磁気センサの検出値に応じて操作体に対する方位入力操作を受け付ける多方向入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この多方向入力装置においては、磁気センサを搭載したフレキシブル基板が板金製の取付部材(底部カバー)に載置され、磁気センサが下ケースの下面との間で挟持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−47389号公報、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の多方向入力装置においては、装置本体を落下させたり、踏み付けられたりすることで、操作体が磁気センサに当接するほど強い衝撃が加わると、磁気センサが破損する恐れがある。特に、磁気センサがフレキシブル基板に半田付けにより固定されている場合には、当該半田付け部分が剥離する恐れもある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、磁気センサが破損し難い多方向入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多方向入力装置は、開口が設けられた上ケースと、この上ケースの下方側に配置され底壁を有する下ケースと、前記上ケースと下ケースとの間に画成される空洞部内をスライド移動する移動部と前記開口に露出する操作部とを有し、磁石を保持した操作体と、前記移動部と対向配置されると共に前記磁石による磁界の変化を検出する磁気センサと、前記磁気センサが実装され前記下ケースの底壁の下面側に配置されたフレキシブル基板と、前記下ケース及びフレキシブル基板の下方に配置され、前記上ケース及び下ケースを一体化する金属板からなる取付部材とを備え、前記取付部材は、前記下ケースの底壁の下面と当接する基部とこの基部に連結された弾性腕部とを有し、前記フレキシブル基板における少なくとも前記磁気センサの実装部を前記弾性腕部により弾性的に支持したことを特徴とする。
【0007】
上記多方向入力装置によれば、フレキシブル基板における磁気センサの実装部が取付部材の弾性腕部により弾性的に支持されることから、操作体を介して磁気センサに強い衝撃が加わった場合においても、当該衝撃を弾性腕部により吸収することができるので、磁気センサを破損し難くすることが可能となる。
【0008】
上記多方向入力装置において、前記磁気センサは、樹脂により封止されることが好ましい。この場合には、磁気センサを樹脂により保護することができるので、当該磁気センサとフレキシブル基板との電気的な接続の信頼性を高めることが可能となる。
【0009】
上記多方向入力装置において、前記弾性腕部は、前記基部に連設され、前記フレキシブル基板の下面と対向配置される板状部の外側から中央部に延びるように互いに対向して一対設けられ、それぞれの先端に位置する自由端側が前記樹脂による封止部分に対応して配置されることが好ましい。この場合には、取付部材の板状部に一対の弾性腕部を設け、これらの自由端側でフレキシブル基板が支持されるので、フレキシブル基板の下面の広い面積を弾性的に支持することが可能となる。さらに、弾性腕部の自由端側でフレキシブル基板における磁気センサの実装部が支持されることから、樹脂(特に熱硬化性樹脂)の収縮によりフレキシブル基板に下方側に反りが発生した場合においても、この反りを規制することができ、磁気センサにおける検出精度を確保することが可能となる。
【0010】
上記多方向入力装置において、前記弾性腕部は、前記取付部材の板状部に離間して一対の第1のスリット及びこれらの第1のスリットの中央部を連結する第2のスリットを形成すると共に、当該第1、第2のスリットにより規定される一対の弾性片にそれぞれ長孔を形成することで形成されることが好ましい。この場合には、取付部材の板状部に複数のスリット及び長孔を形成するだけで簡単に取付部材に弾性腕部を形成することが可能となる。
【0011】
上記多方向入力装置においては、前記取付部材の板状部と前記下ケースの底壁との間の隙間を前記フレキシブル基板の板厚よりも大きく設定することが好ましい。この場合には、取付部材の板状部と下ケースの底壁との間の隙間でフレキシブル基板を撓み易くすることができるので、フレキシブル基板に加わった衝撃を吸収し易くすることができ、磁気センサをより破損し難くすることが可能となる。
【0012】
上記多方向入力装置において、前記フレキシブル基板は、前記下ケースの底壁の中央部を横切るような長尺形状を有すると共に、前記磁気センサを挟んで長手方向に一対の取付孔が形成されており、前記一対の取付孔に対応して前記下ケースに設けられた一対の突起が挿通されることで当該下ケースに取り付けられ、前記一対の取付孔の一方は前記長手方向に長い長孔となっていることが好ましい。この場合には、下ケースに設けられた一対の突起が挿通される一方の取付孔が長孔に形成されていることから、フレキシブル基板の長手方向に無理なく撓ませることができ、フレキシブル基板に加わった衝撃を吸収し易くすることが可能となる。
【0013】
上記多方向入力装置においては、前記基部よりも下方側に前記取付部材の板状部を突出させる一対の折曲部を前記取付部材に設けると共に、前記一対の折曲部間に位置する前記板状部と前記下ケースの底壁との間に前記フレキシブル基板を配設することが好ましい。この場合には、基部よりも下方側に取付部材の板状部を突出させる一対の折曲部が設けられ、一対の折曲部間に位置する当該板状部と下ケースの底壁との間にフレキシブル基板が配設されることから、取付部材の強度を高めることができ、この取付部材によってフレキシブル基板の収容領域を板状部と下ケースの底壁との間に確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フレキシブル基板における磁気センサの実装部が取付部材の弾性腕部により弾性的に支持されることから、操作体を介して磁気センサに強い衝撃が加わった場合においても、当該衝撃を弾性腕部により吸収することができるので、磁気センサを破損し難くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係る多方向入力装置の平面図である。
【図4】図3に示す一点鎖線Aにおける多方向入力装置の断面図である。
【図5】図3に示す一点鎖線Bにおける多方向入力装置の断面図である。
【図6】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有する操作体と規制部材との関係を示す斜視図である。
【図7】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有する操作体と、規制部材、スペーサ部材と、保持部材との関係を示す斜視図である。
【図8】図7に示す操作体及びその周辺部材の側面図である。
【図9】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有するフレキシブル基板に実装される磁気センサの平面図である。
【図10】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有するフレキシブル基板に実装される磁気センサと磁石との位置関係を示す図である。
【図11】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有する取付部材の平面図(a)及び側面図(b)である。
【図12】上記実施の形態に係る多方向入力装置が有する取付部材及びフレキシブル基板の位置関係を説明するための平面図(a)及び側面図(b)である。
【図13】上記実施の形態に係る多方向入力装置を下方側から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る多方向入力装置は、例えば、携帯電話装置やゲーム機用コントローラなどにおける方位入力操作に用いられるものである。なお、本実施の形態に係る多方向入力装置の用途については、これらに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0017】
図1及び図2は、それぞれ本発明の一実施の形態に係る多方向入力装置1の分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る多方向入力装置1の平面図である。図4は、図3に示す一点鎖線Aにおける断面図である。図5は、図3に示す一点鎖線Bにおける断面図である。なお、図1においては、多方向入力装置1を図4に示す下方側から見た分解斜視図を示し、図2においては、多方向入力装置1を図4に示す上方側から見た分解斜視図を示している。以下においては、説明の便宜上、図1及び図2の右方側を多方向入力装置1の上方側と呼び、同図の左方側を多方向入力装置1の下方側と呼ぶものとする。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る多方向入力装置1は、ハウジングを構成する上ケース2及び下ケース3を備え、これらを組み合わせて内部に形成される空洞部に各種の構成部材を収納して構成される。上ケース2及び下ケース3は、重ね合わせた状態において、多方向入力装置1の下方側に配置される取付部材4と上ケース2とがスナップ結合することにより一体化されている。
【0019】
上ケース2及び下ケース3は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成される。上ケース2は、下方側に開口した箱形状を有し、その上面部21の中央に円形状を有する開口部22が形成されている。また、上ケース2は、平坦な板状の壁部からなる上面部21の4辺から下方側に延伸する側壁部23を有している。これらの側壁部23のうち、対向する一対の側壁部23aの内壁は平面部を構成し、互いに平行に配置されている。
【0020】
下ケース3は、上方側に開口した箱形状を有し、その底壁としての底面部31の中央に円形状の突出部32が設けられている。この突出部32は、下ケース3の平坦な板状の壁部からなる底面部31を盛り上げて形成されており、この底面部31の背面(下面)側には概して長円形状の凹部33が設けられている。この突出部32の上面には、後述する保持部材9が載置される平面部32aが形成されている。底面部31の下面であって、凹部33の側方側には、後述するフレキシブル基板11を保持するための一対の突起34a、34bが設けられている。一方の突起34aには、その周面に複数のリブが設けられており、フレキシブル基板11に形成された孔114aに挿通(圧入)された状態でフレキシブル基板11を固定する。他方の突起34bには、その先端部にやや大径の係止部が設けられており、フレキシブル基板11に形成された長孔114bに挿通された状態でフレキシブル基板11の端部を僅かに移動可能に保持する。これらの上ケース2及び下ケース3が組み合わされて、概して偏平な方形状のハウジングが形成されるものとなっている。
【0021】
取付部材4は、例えば、ステンレス等の非磁性金属板材料で形成され、概して平板形状を有し、下ケース3の底壁の下面と当接する基部41と、この基部41の側縁部から上方側(すなわち、下ケース3側)に延出して設けられた複数の係合片42と、基部41よりも下方側の位置に配置され、図1及び図2に示す左右方向に延在する板状部43とを有している。この板状部43には、その中央部に図1及び図2に示す左右方向に延伸する一対の弾性腕部44a、44bが形成されている。これらの弾性腕部44a、44bは、フレキシブル基板11における磁気センサ113に対応する下面部分を下方側から支持する役割を果たすものとなっている。なお、取付部材4の構成については後述する。
【0022】
ハウジング内に画成される空洞部には、操作体5、規制部材6、スペーサ部材7、永久磁石(以下、単に「磁石」という)8、保持部材9及びコイルばね10が収納される。操作体5は、その一部を上ケース2の開口部22から上方側に突出した状態で収納されている。規制部材6は、後述する操作体5の凹部54及び凹部55に配置される。保持部材9は、内部に磁石8を保持した状態で操作体5の下面に取り付けられる。コイルばね10は、操作体5に取り付けられた保持部材9及び下ケース3の突出部32の外周側に配置される。スペーサ部材7は、操作体5及び規制部材6と、コイルばね10との間に介在して配置される。以下、各構成部材の構成について説明する。
【0023】
操作体5は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、上ケース2の開口部22から上方側に突出した状態で露出する操作部51と、ハウジング内の空洞部に配置される移動部52と、これらを連結するくびれ部53とを有している。操作部51及び移動部52は、共に円盤形状を有しており、くびれ部53は、これらより小径に設けられている。なお、これらの操作部51、移動部52及びくびれ部53は、操作体5を平面視した際に、同心円状となるように形成されている。操作部51は、上ケース2の開口部22を介して外部側に挿通可能な寸法、すなわち、開口部22よりも小径に設けられ、開口部22から露出した部分で操作者からのスライド操作を受け付けるものとなっている。移動部52は、この操作部51と共に移動する。移動部52の下面中央には、多方向入力装置1の図3における左右方向、すなわち、規制部材6の長手方向に沿って帯状に一対の凹部54が形成されている。この凹部54の中央には、移動部52と同心円をなす円形状の凹部55が形成されている。これらの凹部54及び凹部55には、規制部材6が配置される。また、凹部55には、磁石8を保持した状態の保持部材9が配置される。
【0024】
規制部材6は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成され、概して多方向入力装置1の図3における左右方向に延伸する長尺形状を有している。規制部材6は、操作体5の移動部52に形成された凹部54と略同一の幅を有する板状部61と、この板状部61の長手方向である左右方向の両端部から下方側に折り曲げ形成される一対の規制片62とを有している。これらの規制片62は、上ケース2の側壁部23aの内壁面に対向するように平行に配置される。これらの規制片62の外面間の長さは、上ケース2の側壁部23aの内壁面間の長さと略同一に設けられている。なお、規制部材6は、非磁性体で構成されていれば、必ずしも金属材料で構成される必要はなく、例えば、絶縁性の樹脂材料で形成しても良い。
【0025】
スペーサ部材7は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成され、円環形状を有する薄板部材で構成されている。スペーサ部材7の中央には、円形状を有する開口部71が形成されており、この開口部71の内径は、操作体5の移動部52に形成された凹部55の外径よりも僅かに大きい寸法に設けられている。なお、スペーサ部材7は、非磁性体で構成されていれば、必ずしも金属材料で構成される必要はなく、例えば、絶縁性の樹脂材料で形成することも可能である。
【0026】
保持部材9は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して上方側に開口した円形状を有している。この保持部材9は、移動部52の下方側における中央部に、当該移動部52と同心円状をなして一体化される小径部を構成するものである。また、保持部材9は、円盤形状を有する磁石8を収納する円形状の収納部91を有し、その内底面92には、矩形状の開口部92aが形成されている。この開口部92aは、操作体5のスライド移動に伴う保持部材9と突出部32の平面部32aとの摺接により発生する摩耗粉を溜めるために形成されている。このように開口部92aを形成することにより、上記摩耗粉に起因する不安定な操作体5のスライド移動を効果的に防止することが可能となる。また、収納部91の周囲に設けられる円弧状(円環状)の壁部からなる側壁部93には、規制部材6の板状部61の一部を収容した状態で挿通させる一対の切り欠き部93aが形成されている。この切り欠き部93aの幅寸法は、板状部61を挿通させるために、この板状部61よりも幅広に設定されている。また、切り欠き部93aの深さ寸法は、板状部61の板厚よりも僅かに大きなものとなっている。
【0027】
コイルばね10は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成されている。コイルばね10は、所定長さの柱状のコイルばねの両端に図示せぬフック部等を設けて、その両端(フック部)を連結することで環状に形成されている。このコイルばね10が伸長していない状態(無負荷状態)において、その内径は、下ケース3の突出部32及び保持部材9の外径より僅かに小さい寸法に設けられている。このコイルばね10は、操作体5がスライド移動した場合に操作体5を初期位置に復帰させる弾性力を、操作体5に固定されている保持部材9に付与するものである。
【0028】
下ケース3の下面には、操作体5のスライド移動を検出する後述の磁気センサ113が実装されるフレキシブル基板11が取り付けられる。このフレキシブル基板11は、例えば、ポリイミド樹脂フィルム等の絶縁性樹脂フィルムで構成され、その表面に金属配線等の導電パターンが形成されている。このフレキシブル基板11は、磁気センサ113が下ケース3の凹部33に対応する位置に配置されるように下ケース3に取り付けられる。なお、フレキシブル基板11において、磁気センサ113の図示せぬ電極部は、例えば、ボンディングワイヤや半田等によりフレキシブル基板11の金属配線にボンディングされた後、その構成部材の腐食や検出精度の劣化を防止するために、例えば、絶縁性の熱硬化性樹脂材料等による封止部111により封止されている。このように磁気センサ113を封止部111により封止することにより、磁気センサ113及びボンディング部を樹脂により保護することができるので、フレキシブル基板11に衝撃が加わった場合にも、磁気センサ113とフレキシブル基板11との電気的な接続部分の導通を確保できるものとなっている。
【0029】
下ケース3の凹部33は、この封止部111を収容するものとなっている。また、フレキシブル基板11上には、磁気センサ113を構成する磁気検出素子からの信号を外部出力する出力端子に接続される導電パターンからなる複数のリード線112が設けられている。さらに、フレキシブル基板11には、封止部111を挟んで一対の孔、すなわち、円形状の孔114a、長孔114bが設けられている。これらの丸孔114a、長孔114bには、下ケース3の下面に設けられた一対の突起34a、34bがそれぞれ挿通される。なお、このフレキシブル基板11に実装される磁気センサ113については後述する。
【0030】
このような構成を有する多方向入力装置1を組み立てると、図3に示すように、操作体5の操作部51が上ケース2の上方側に突出した状態とされる。多方向入力装置1の内部においては、図4及び図5に示すように、下ケース3の突出部32の平面部32aの上方に、磁石8を保持した状態の保持部材9が載置されている。すなわち、操作体5がスライド移動していない初期状態においては、突出部32と保持部材9とは、両者が図4等の上下方向に重ね合わされるように対向配置されたものとなっている。コイルばね10は、これらの突出部32及び保持部材9の周囲を囲むように、無負荷状態から僅かに伸びた状態で下ケース3の底面部31上に配置されている。また、操作体5の移動部52及び磁石8を保持した保持部材9は、図4、図5に示すように、下ケース3の底面部31、より具体的には、突出部32の平面部32aを介して磁気センサ113と図示上下方向に対向配置されている。
【0031】
操作体5は、操作部51を装置外部に突出させると共に、移動部52でコイルばね10の上方側(操作体5側)への移動を規制するように配置されている。すなわち、移動部52は、下ケース3の底面部31と離間した状態で、略平行に対向配置されており、コイルばね10の上部がスペーサ部材7を介して移動部52に、下部が底面部31に規制されている。そして、操作体5のスライド移動に伴って、コイルばね10は、下ケース3の底面部31と移動部52(スペーサ部材7)との間に形成される空間部内を伸長して変形するものとなっている。規制部材6は、移動部52の下面の一部に収容した状態で配置され、その規制片62が上ケース2の側壁部23aの内壁面に僅かなクリアランスをもって案内されるように対向配置されている(図4参照)。なお、この際、規制片62の先端は、下ケース3の底面部31に接触しないように、両者は離間した状態となっている。
【0032】
スペーサ部材7は、操作体5の移動部52及び規制部材6の板状部61と、コイルばね10との間に配置されている。このように移動部52及び板状部61と、コイルばね10との間にスペーサ部材7を配置することにより、移動部52の凹部54と、規制部材6との間に隙間が形成される場合においても、その隙間にコイルばね10が引っ掛かったり、挟まったりする事態をスペーサ部材7で防止できるので、比較的安価なコイルばね10を弾性部材として備える場合においても、装置における操作性を損なうことはない。
【0033】
ここで、ハウジング内の空洞部に配置される操作体5と、規制部材6、スペーサ部材7と、保持部材9との関係について説明する。図6は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する操作体5と規制部材6との関係を示す斜視図である。図7は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する操作体5と、規制部材6、スペーサ部材7と、保持部材9との関係を示す斜視図である。図8は、図7に示す操作体5及びその周辺部材の側面図である。
【0034】
図6に示すように、規制部材6は、操作体5の移動部52の下面に形成された凹部54に凹部55を跨るようにして配置される。上述したように、規制部材6の板状部61の短手方向(Y方向)における幅は、凹部54の幅と略同一(厳密には凹部54よりも僅かに幅狭)に設けられていることから、板状部61は、凹部54に入り込んだ状態とされる。一方、規制部材6の規制片62は、上ケース2の側壁部23aの内壁面に規制されるように対向配置されている。このため、操作体5に回転力が与えられた場合、凹部54の側壁部54aと板状部61の端面61aとが係合すると共に、規制片62が側壁部23aの内壁面に接触することで、操作体5の回転を規制するものとなっている。
【0035】
また、規制部材6は、板状部61が凹部54に収容されると共に、その規制片62が上ケース2の側壁部23aの内壁面に対向配置されることから、側壁部23aによって、図6に示すX方向へのスライド移動が規制される一方、同図に示すY方向への移動が許容されるものとなっている。凹部54の側壁部54aは、移動部52の中央部を挟んで同図に示すX方向に対向する位置にX方向に延びた状態で形成されている。なお、操作体5の図6に示すY方向へのスライド移動の際には、凹部54の側壁部54aが、板状部61の端面61aと係合し、操作体5と規制部材6とが一体的にスライド移動することとなる。
【0036】
保持部材9は、収納部91に磁石8を収納した状態において、接着剤等の固定手段により凹部55に固定される(図7参照)。この場合、保持部材9は、図7に示すように、規制部材6を操作体5の移動部52との間で挟むように凹部55に固定されている。このとき、規制部材6は、移動部52と保持部材9との間に挿通するように配置されることとなる。スペーサ部材7は、開口部71から保持部材9を下方側に突出させた状態において、操作体5の移動部52及び規制部材6の板状部61に対向して配置されている。
【0037】
このように固定された状態において、保持部材9は、図8に示すように、操作体5と一体化された状態となる。コイルばね10は、このように配置された保持部材9及び下ケース3の突出部32の外周側に配置される。保持部材9の内部には、磁石8が収納されており、操作体5のスライド移動に応じて磁石8も同様にスライド移動することとなる。よって、保持部材9も、上ケース2と下ケース3との間の空洞部内をスライド移動する、操作体5に設けられた移動部を構成するものである。上述したフレキシブル基板11に実装される磁気センサ113は、このようにスライド移動する磁石8から発生する磁界の変化、具体的には、磁束の向きの変化を検出することで操作体5のスライド移動先の位置(スライド位置)を検出するものとなっている。
【0038】
ここで、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有するフレキシブル基板11に実装される磁気センサ113の概略構成について説明する。図9は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有するフレキシブル基板11に実装される磁気センサ113の平面図である。図10は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有するフレキシブル基板11に実装される磁気センサ113と磁石8との位置関係を示す図である。なお、図9及び図10において、フレキシブル基板11上に設けられた封止部111及びリード線112や金属配線等の導電パターンは省略している。また、また、図10においては、図9に示す左方側からフレキシブル基板11及び磁石8を示している。
【0039】
磁気センサ113は、図9に示すように、巨大磁気抵抗効果を利用した複数(本実施の形態では4つ)のGMR(Giant Magneto Resistance)素子113aと、これらのGMR素子113aからの出力信号を増幅すると共に、増幅後の出力信号に基づいて磁石8(操作体5)のスライド位置を算出する制御回路113bとを有している。ここで、GMR素子113aは、基本的な構成として、反強磁性層、ピン層、中間層及びフリー層をフレキシブル基板11上に積層して形成されている。
【0040】
磁気センサ113においては、保持部材9に保持される磁石8からの磁束をGMR素子113aに作用させて、その電気抵抗値の変化を磁束の向きにより生じさせる。例えば、磁石8が磁気センサ113側にN極、操作体5側にS極が着磁されている場合、磁石8からの磁束は、概して図10に示す矢印のように発生する(なお、図10に示す紙面手前側及び奥側にも同様に発生する)。磁気センサ113においては、4つのGMR素子113aでブリッジ回路を構成し、一対のGMR素子113aにおける電気抵抗値の変化に応じた出力信号と、他の一対のGMR素子113aにおける電気抵抗値の変化に応じた出力信号との差異に基づいて、磁石8(操作体5)のスライド位置を算出するものとなっている。
【0041】
なお、この磁気センサ113が備えるGMR素子113aが巨大磁気抵抗効果を発揮するためには、例えば、反強磁性層がα−Fe層、ピン層がNiFe層、中間層がCu層、フリー層がNiFe層から形成されることが好ましいが、これらのものに限定されるものではなく、磁気抵抗効果を発揮するものであれば、いずれのものであってもよい。また、磁気センサ113が備えるGMR素子113aは、磁気抵抗効果を発揮するものであれば、上記の積層構造のものに限定されるものではない。
【0042】
次に、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する取付部材4の構成、並びに、取付部材4とフレキシブル基板11との位置関係について説明する。図11は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する取付部材4の平面図(同図(a))及び側面図(同図(b))である。図12は、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する取付部材4及びフレキシブル基板11の位置関係を説明するための平面図(同図(a))及び側面図(同図(b))である。図13は、本実施の形態に係る多方向入力装置1を下方側から示す斜視図である。
【0043】
取付部材4は、図11(a)に示す上端部及び下端部に平面形状の基部41を有し、これらの基部41の上方側、下方側の側縁部にそれぞれ4つずつ略L字状をなした弾性片からなる係合片42を有している。これらの係合片42には、基部41との連結部近傍に下方側(図11(b)の右方側)にわずかに折り曲げ加工が施されていると共に、各係合片42の先端側には、図11(b)に示すように、開口部42aが設けられている。図13に示すように、これらの開口部42aを上ケース2の側壁部23に設けられた突状の係合部24にスナップ係合することで、その内部に操作体5等を収容した状態で上ケース2と下ケース3とが一体化される。
【0044】
取付部材4の中央には、図11(a)に示す左右方向に長尺形状に延在する板状部43が設けられている。この板状部43は、図11(b)に示すように、基部41よりも下方側(すなわち、図11(b)に示す右方側)に低い位置に設けられている。基部41と板状部43との間には、板状部43を下方側に突出させる折曲部41a、41bが設けられている。本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、このように基部41と板状部43との間に折曲部41a、41bを設けることにより、取付部材4の強度を確保している。
【0045】
板状部43の中央には、一対の弾性腕部44a、44bが形成されている。これらの弾性腕部44a、44bは、それぞれ板状部43の外側(図11(a)に示す左方側、右方側)から中央側に向かって延出するように構成されている。弾性腕部44a、44bは、板状部43の長手方向(すなわち、図11(a)に示す左右方向)に延出する、同一長さの一対の第1のスリットとしてのスリット45a、45bを図11(a)に示す上下方向にずらして形成すると共に、両者の中央部を繋ぐ第2のスリットとしてのスリット45cを形成することにより形成されている。また、弾性腕部44a、44bの中央には、それぞれ図11(a)に示す左右方向に長い長孔46a、46bが形成されている。このようにスリット45a〜45c及び長孔46a、46bを形成することで、弾性腕部44a、44bは、概してU字形状を有すると共に、その両端部が板状部43の側方側端部近傍で連結される一方、その自由端が互いに近接する位置に配置されるように構成されている。なお、図面には明確に示していないが、弾性腕部44a、44bの板状部43との連結部分近傍の両端部には、折り曲げ加工が施されており、弾性腕部44a、44bの自由端が板状部43の板面よりも上方側(図11(b)の左方側)にわずかに高い位置となるように構成されている。本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、取付部材4の板状部43に複数のスリット45a〜45c及び長孔46a、46bを形成するだけで簡単に取付部材4に弾性腕部44a、44bを形成可能となっている。
【0046】
下ケース3に取り付けられたフレキシブル基板11は、図12(a)、(b)に示すように、一対の折曲部41a、41b間に位置する板状部43の上側に配置された状態で下ケース3の突起34a,34bによって位置決めされる。なお、フレキシブル基板11を保持する下ケース3の突起34a、34bは、図13に示すように、弾性腕部44a、44bの長孔46a、46bを介して下方側に突出した状態となっている。すなわち、フレキシブル基板11は、取付部材4の板状部43と下ケース3の底壁との間に収容した状態で配設される。このように本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、フレキシブル基板11が、上述した折曲部41a、41bを介して基部41に連設された板状部43の上側に配設されることから、取付部材4の強度を高めることができると共に、この取付部材4によってフレキシブル基板11の収容領域を板状部43と下ケース3の底壁との間に確保することができるように構成されている。
【0047】
この場合において、フレキシブル基板11上に実装された磁気センサ113(磁気センサ113を封止した封止部111は、弾性腕部44a、44bの自由端に対応する位置に配置され、磁気センサ113の実装部の裏面を弾性腕部44a、44bの自由端に当接させることにより、実装部を弾性的に支持することができるものとなっている。そして、フレキシブル基板11の磁気センサ113の近傍部分が下方側(すなわち、図12(a)に示す紙面奥側又は図12(b)に示す右方側)に移動すると、これに伴って弾性腕部44a、44bが下方側に変形可能に構成されている。これにより、フレキシブル基板11の磁気センサ113の近傍部分を下方側(すなわち、図12(a)に示す紙面奥側又は図12(b)に示す右方側)に移動する衝撃が加わった場合には、弾性腕部44a、44bが撓んでその衝撃を吸収することができるものとなっている。
【0048】
また、取付部材4の板状部43と、下ケース3の底面部31の下面との間には、図12(b)に示すように、フレキシブル基板11の板厚よりも大きく設定された隙間が設けられている。仮に、フレキシブル基板11の磁気センサ113の近傍部分を下方側(すなわち、図12(a)に示す紙面奥側又は図12(b)に示す右方側)に移動する衝撃が加わると、フレキシブル基板11は、この隙間内で適宜に撓むことができるものとなっている。このため、このような隙間が設けられていない場合に比べて、フレキシブル基板11を撓み易くすることができるので、フレキシブル基板11に加わった衝撃を吸収し易くすることができる。
【0049】
このように本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、フレキシブル基板11における磁気センサ113の実装部を、取付部材4の弾性腕部44a、44bにより弾性的に支持していることから、操作体5を介して下ケース3の底壁、具体的には、凹部33の天井面が磁気センサ(封止部111)に当接して強い衝撃が磁気センサ113等に加わった場合においても、当該衝撃を弾性腕部44a、44bにより吸収することができるので、封止部111や磁気センサ113を破損し難くすることが可能となる。
【0050】
特に、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、取付部材4の板状部43に一対の弾性腕部44a、44bを設け、これらの自由端側でフレキシブル基板11を支持するようにしているので、フレキシブル基板11の下面の広い面積を弾性的に支持することが可能となる。さらに、弾性腕部44a、44bの自由端側でフレキシブル基板11における磁気センサ113の実装部を支持するようにしていることから、封止部111を形成する樹脂(特に熱硬化性樹脂)の収縮によりフレキシブル基板11の中央部(実装部)に下方側に反りが発生した場合においても、この反りを規制することができ、磁気センサ113における検出精度を確保することが可能となる。
【0051】
さらに、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、取付部材4の板状部43と下ケース3の底壁である底面部31の下面との間に、フレキシブル基板11の板厚よりも厚い隙間を設けていることから、この隙間内でフレキシブル基板11を撓み易くすることができるので、フレキシブル基板11に加わった衝撃を吸収し易くすることができ、磁気センサ113をより破損し難くすることが可能となる。
【0052】
しかも、本実施の形態に係る多方向入力装置1において、フレキシブル基板11には、磁気センサ113を挟んで長手方向に孔114a、114bが形成されており、これらのうち、孔114bは、フレキシブル基板11の長手方向に長い長孔に設定されている。これにより、フレキシブル基板11を長手方向に無理なく撓ませることができ、フレキシブル基板11に加わった衝撃を吸収し易くすることが可能となる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0054】
例えば、上記実施の形態においては、操作部51と移動部52を有する操作体5を一部材で構成しているが、操作体5を複数の部材で構成しても良い。また、磁石8を保持する保持部材9を操作体5に一体化する形態で説明しているが、磁石8の操作体5への保持構成はこれに限定されず、保持部材9を介することなく接着剤等で直接操作体5に磁石8を保持させるようにしても良い。さらに、上記実施の形態においては、磁石8を操作体5の下部に保持しているが、磁石8の保持位置はこれに限定されず、くびれ部53や操作部51等の操作体5の中央部あるいは上部における位置に配設することも可能である。
【0055】
また、上記実施の形態においては、取付部材5の弾性腕部は、対向するように一対設けたもので説明しているが、1つの弾性腕部でフレキシブル基板11における磁気センサ113の実装部を支持することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 多方向入力装置
2 上ケース
21 上面部
22 開口部
23、23a 側壁部
3 下ケース
31 底面部(底壁)
32 突出部
32a 平面部
33 凹部
34a、34b 突起
4 取付部材
41 基部
41a、41b 折曲部
42 係合片
43 板状部
44a、44b 弾性腕部
45a、45b、45c スリット
46a、46b 長孔
5 操作体
51 操作部
52 移動部
53 くびれ部
54 凹部
55 凹部
6 規制部材
61 板状部
62 規制片
7 スペーサ部材
71 開口部
8 永久磁石(磁石)
9 保持部材(移動部)
91 収納部
92 内底面
93 側壁部
93a 切り欠き部
10 コイルばね
11 フレキシブル基板
111 封止部(樹脂)
112 リード線
113 磁気センサ
113a GMR素子
113b 制御回路
114a、114b 孔、長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられた上ケースと、この上ケースの下方側に配置され底壁を有する下ケースと、前記上ケースと下ケースとの間に画成される空洞部内をスライド移動する移動部と前記開口に露出する操作部とを有し、磁石を保持した操作体と、前記移動部と対向配置されると共に前記磁石による磁界の変化を検出する磁気センサと、前記磁気センサが実装され前記下ケースの底壁の下面側に配置されたフレキシブル基板と、前記下ケース及びフレキシブル基板の下方に配置され、前記上ケース及び下ケースを一体化する金属板からなる取付部材とを備え、
前記取付部材は、前記下ケースの底壁の下面と当接する基部とこの基部に連結された弾性腕部とを有し、前記フレキシブル基板における少なくとも前記磁気センサの実装部を前記弾性腕部により弾性的に支持したことを特徴とする多方向入力装置。
【請求項2】
前記磁気センサは、樹脂により封止されることを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記弾性腕部は、前記基部に連設され、前記フレキシブル基板の下面と対向配置される板状部の外側から中央部に延びるように互いに対向して一対設けられ、それぞれの先端に位置する自由端側が前記樹脂による封止部分に対応して配置されることを特徴とする請求項2記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記弾性腕部は、前記取付部材の板状部に離間して一対の第1のスリット及びこれらの第1のスリットの中央部を連結する第2のスリットを形成すると共に、当該第1、第2のスリットにより規定される一対の弾性片にそれぞれ長孔を形成することで形成されることを特徴とする請求項3記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記取付部材の板状部と前記下ケースの底壁との間の隙間を前記フレキシブル基板の板厚よりも大きく設定したことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記フレキシブル基板は、前記下ケースの底壁の中央部を横切るような長尺形状を有すると共に、前記磁気センサを挟んで長手方向に一対の取付孔が形成されており、前記一対の取付孔に対応して前記下ケースに設けられた一対の突起が挿通されることで当該下ケースに取り付けられ、前記一対の取付孔の一方は前記長手方向に長い長孔となっていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記基部よりも下方側に前記取付部材の板状部を突出させる一対の折曲部を前記取付部材に設けると共に、前記一対の折曲部間に位置する前記板状部と前記下ケースの底壁との間に前記フレキシブル基板を配設したことを特徴とする請求項6記載の多方向入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−60633(P2011−60633A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210086(P2009−210086)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】