説明

多方向入力装置

【課題】装置全体の薄型化が可能な多方向入力装置を提供すること。
【解決手段】開口を有するハウジング3と、互いに直交した状態でハウジング3に回転可能に保持された第1の連動部材5および第2の連動部材6と、第1の連動部材5および第2の連動部材6を回転させるとともに開口から突出した傾倒可能な操作軸7と、操作軸7への傾倒操作を検出する検出手段と、操作軸7を操作前の初期状態に復帰させる復帰ばね4と、を備え、復帰ばね4は、中央部の基部41と基部41から外方に延出した複数の弾性腕部42を有する板ばねからなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に関し、特に、携帯電話装置やゲーム機用コントローラなどにおける方位入力操作に好適な多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、周囲の任意方向への操作が可能な操作軸を備え、この操作軸に対する操作方向および操作量に応じて信号出力を行う多方向入力装置が知られている。このような多方向入力装置として、例えば、傾倒動作可能な操作軸により回動される、互いに直交した状態の第1および第2の連動部材と、操作軸の軸方向に対して直交した状態で配設された底板と、操作軸の軸方向に移動可能な作動部材と、作動部材の底部を底板上に弾圧するコイルばねからなる付勢部材とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−305647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の多方向入力装置においては、操作軸を操作前の初期状態に復帰させる復帰ばねとしてコイルばねを用いているため、高さ方向の寸法が大きくなり、多方向入力装置全体の薄型化に対応することが困難であるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、装置全体の薄型化が可能な多方向入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の多方向入力装置は、開口を有するハウジングと、互いに直交した状態で前記ハウジングに回転可能に保持された第1の連動部材および第2の連動部材と、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材を回転させるとともに前記開口から突出した傾倒可能な操作軸と、前記操作軸への傾倒操作を検出する検出手段と、前記操作軸を操作前の初期状態に復帰させる復帰ばねと、を備え、前記復帰ばねは、中央部の基部と前記基部から外方に延出した複数の弾性腕部を有する板ばねからなることを特徴とする。
【0007】
この多方向入力装置によれば、操作軸を初期状態に復帰させる復帰ばねとして、中央部の基部と基部から外方に延出した複数の弾性腕部を有する板ばねを用いていることから、高さ方向の寸法を小さくできるので、装置全体の薄型化が可能となる。
【0008】
上記多方向入力装置において、前記弾性腕部は、前記ハウジング内で当該ハウジングの高さ方向に湾曲した形状を有することが好ましい。この場合には、弾性腕部の長さを長くすることができることから、復帰ばねに必要とされるばねスパンを長く確保できるので、復帰ばねの最大応力が減少することにより復帰ばねの疲労破壊を防止でき、板ばねである復帰ばねを長寿命とすることが可能となる。
【0009】
また、上記多方向入力装置において、前記弾性腕部は、前記基部から上方側へ延びて下方側へと曲げられる湾曲部を有し、下方側に延びた前記弾性腕部の先端側に支持部が設けられていることが好ましい。この場合には、復帰ばねに必要とされるばねスパンを長く確保できるとともに、弾性腕部の支持部の間隔を大きくとることができるので、復帰ばねを安定して支持することが可能となる。
【0010】
さらに、上記多方向入力装置において、前記弾性腕部の湾曲部は、非操作状態において、前記ハウジングの内壁面に受けられていることが好ましい。この場合には、非操作状態において、湾曲部がハウジングに当接するなどして受け止められるので、復帰ばねのガタつきを防止でき、安定して操作軸を初期状態に復帰させることが可能となる。
【0011】
さらに、上記多方向入力装置において、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の下面部には、平板状の前記基部で支持される平坦部がそれぞれ設けられていることが好ましい。この場合には、第1、第2の連動部材に対して板ばねの付勢力を付与することができるので、第1、第2の連動部材を介して操作軸を初期状態に復帰させることが可能となる。また、平板状の基部で第1、第2の連動部材の平坦部が支持されることから、第1、第2の連動部材を初期状態に精度よく復帰させることが可能となる。
【0012】
さらに、上記多方向入力装置において、前記弾性腕部は、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の延設方向の間の方向に延びていることが好ましい。この場合には、ハウジング内の空間を有効利用することができるため、装置全体を小型化することが可能となる。
【0013】
さらに、上記多方向入力装置において、前記ハウジングは、前記弾性腕部の移動を案内する案内部が設けられた上ケースおよび下ケースを備えていることが好ましい。この場合には、弾性腕部の動きを円滑にすることができるため、操作性が損なわれる事態を防止することが可能となる。
【0014】
さらに、上記多方向入力装置において、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の延設方向における両端部には、それぞれ軸部が設けられており、前記ハウジングは、前記軸部が回転可能に保持される軸受部が設けられた上ケースと、前記軸受部と対向する凹部が設けられた下ケースと、を備え、前記軸受部と前記凹部との間に、前記軸部が回転可能に保持されていることが好ましい。この場合には、連動部材の軸部を回転可能に保持する部分を上ケースの軸受部と下ケースの凹部とに分割して設けることができるので、ハウジング全体の薄型化を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、上記多方向入力装置において、前記基部には孔部が設けられており、前記操作軸で押圧駆動されるプッシュスイッチが前記孔部に対向して設けられていることが好ましい。この場合には、プッシュスイッチをハウジングの内側に配設することができるので、装置全体を小型化することが可能となる。
【0016】
さらに、上記多方向入力装置において、前記プッシュスイッチは、前記ハウジングの下方に配設された基板上に設けられており、前記検出手段は、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材にそれぞれ設けられた磁石および前記磁石に対応して設けられた磁気センサから構成され、前記磁気センサは、前記基板の裏面側に設けられていることが好ましい。この場合には、基板の表面側に磁気センサを設ける必要がないため、ハウジングの小型化を図るとともに基板上の領域を有効活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作軸を初期状態に復帰させる復帰ばねとして、中央部の基部と基部から外方に延出した複数の弾性腕部を有する板ばねを用いていることから、高さ方向の寸法を小さくできるので、装置全体の薄型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図2】上記実施の形態に係る多方向入力装置を後部斜め下方から見たときの分解斜視図である。
【図3】上記実施の形態に係る多方向入力装置を組み立てた状態の斜視図である。
【図4】上記実施の形態に係る多方向入力装置を組み立てた状態の断面図である。
【図5】図3に示す本多方向入力装置から上側ケースを取り外した場合の斜視図である。
【図6】図3に示す本多方向入力装置から上側ケースを取り外した場合の上面図である。
【図7】上記実施の形態に係る多方向入力装置の操作状態を説明するための斜視図である。
【図8】上記実施の形態に係る多方向入力装置の操作状態を説明するための断面図である。
【図9】上記実施の形態に係る多方向入力装置の操作状態を説明するための斜視図である。
【図10】上記実施の形態に係る多方向入力装置の操作状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る多方向入力装置1の分解斜視図である。図2は、本実施の形態に係る多方向入力装置1を後部斜め下方から見たときの分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る多方向入力装置1を組み立てた状態の斜視図である。図4は、本実施の形態に係る多方向入力装置1を組み立てた状態の断面図であり、図3のA−A線矢視断面図である。なお以下においては、説明の便宜上、図1ないし図4に示す上下方向を「多方向入力装置1の上下方向」と呼ぶものとする。
【0020】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る多方向入力装置1は、基板2上に設けられた概して箱状のハウジング3内に、復帰ばねを構成する板ばね4と、互いに直交した状態でハウジング3に回転可能に保持された第1の連動部材5および第2の連動部材6と、多方向入力装置1の上下方向に延在し、その傾倒動作に応じて第1の連動部材5および第2の連動部材6を回動させる操作軸7と、操作軸7への傾倒操作を検出する検出手段としての磁石8および磁気センサ9と、操作軸7に対する押圧操作に応じて駆動されるプッシュスイッチの一部を構成する可動接点10と、を含んで構成されている。
【0021】
基板2は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)であり、長方形状に設けられている。また、基板2の表面および裏面には、複数の回路および接点が設けられている。接点の1つとして、プッシュスイッチの一部を構成する固定接点21が設けられている。この固定接点21は、円形の中央接点211と、この中央接点211の周りを囲んで配置された円環形の外周接点212とを有している。また、基板2の裏面には、後述する磁気センサ9を構成する磁気検出素子からの信号を外部出力する出力端子に接続される接点群22a,22bが設けられている(図2参照)。上記構成により、多方向入力装置1は、操作軸7に対する傾倒操作および押圧操作に応じた信号出力を行うことが可能に構成されている。
【0022】
ハウジング3は、底面部を構成する下側ケース31および所定の構成部品が取り付けられた状態の下側ケース31に上側から被せられる上側ケース32から構成されている。このような下側ケース31および上側ケース32の内部には一定の空間が形成される。この空間内に、多方向入力装置1の各種の構成部材が収容される。
【0023】
下側ケース31は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成され、矩形状に設けられた底面部311と、この底面部311から上方側に突出して設けられた複数(本実施の形態では4つ)の突出部312a〜312dと、を有している。底面部311の中央部には、基板2の固定接点21に対応する位置に矩形状の開口部313が設けられている。突出部312a〜312dは、上面視にて概して台形形状を有し、その短辺が開口部313側に配置される一方、その長辺が底面部311の各辺側に配置されている。突出部312a〜312dの内周には、それぞれ凹部314a〜314dが設けられている。なお、凹部314a,314bと、凹部314c,314dとは、異なる形状を有している。これは、詳細について後述するように、凹部314c,314dにおいて、磁石8および磁石受け82を支持するためである。特に、凹部314aは、操作軸7に対する押圧操作を許容するため、下側ケース31の下端部まで達した形状を有している(図2参照)。また、突出部312c,312dおよびこれに対応する底面部311には、磁石8を収容するための切り欠き部315c,315dが設けられている。隣接する突出部312a〜312dの間には、溝部316が設けられている。これらの溝部316は、後述する板ばね4の弾性腕部42の移動を案内する案内部として機能する。突出部312a〜312dの上面には、上方側に向けて突出する複数の突起317が設けられている。これらの突起317は、下側ケース31を上側ケース32と一体化するために利用されるものであり、後述する上側ケース32の貫通孔327に挿通されると共に、この貫通孔327から突出する先端部がつぶされてカシメられる。なお、図1,図2において、突起317は、カシメ後の形状で示されている。
【0024】
上側ケース32は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成され、概して下方側に開口した箱状に設けられている。上側ケース32の中央部には、基板2の固定接点21に対応する位置に円形状の開口部321が設けられている。上側ケース32の下面には、下方側に突出して複数(本実施の形態では4つ)の突出部322a〜322dが設けられている。これらの突出部322a〜322dは、概して台形形状を有し、その短辺が開口部321側に配置される一方、その長辺が上側ケース32の側面側に配置されている。突出部322a〜322dの短辺には、それぞれ開口部321側に延出する延出部323a〜323dが設けられている。これらの延出部323a〜323dには、それぞれ下方側に開口した断面U字状(円弧状)の軸受部324a〜324dが設けられている。これらの軸受部324a〜324dは、下側ケース31の凹部314a〜314dに対応(対向)する位置に設けられている。また、突出部322c、322dには、それぞれ磁石8を収容するための凹部325c、325dが設けられている。これらの凹部325c、325dは、下側ケース31の切り欠き部315c、315dに対応する位置に設けられている。隣接する突出部322a〜322dの間には、溝部326が設けられている。これらの溝部326は、後述する板ばね4の弾性腕部42の移動を案内する案内部として機能するものであり、下側ケース31の溝部316と対向する位置に設けられている。また、突出部322a〜322dには、それぞれ複数の貫通孔327が形成されている。これらの貫通孔327は、下側ケース31の突起317に対応する位置に設けられ、これらの突起317が貫通される。さらに、上側ケース32の側面部のうちの隣接する2辺には、下側ケース31と組み立てる際の位置合わせに利用される位置決め片328が設けられている。この位置決め片328が設けられている2辺は、磁石8を収容する凹部325c,325dが設けられている2辺に一致する。
【0025】
板ばね4は、例えば、リン青銅などの弾性を有する金属材料で構成され、概して矩形状に設けられた基部41と、この基部41から外方に延出した4本の弾性腕部42と、を有している。基部41は、平板状に設けられ、その中央部には基板2の固定接点21に対応する位置に円形状の開口部43が設けられている。弾性腕部42は、略矩形状の基部41の四隅からそれぞれ外方に延出し、ハウジング3内で当該ハウジングの高さ方向、すなわち、操作軸7の突出方向に沿った上下方向(操作軸7の軸線方向)に湾曲した形状を有している。具体的には、弾性腕部42は、略矩形状の基部41の四隅からそれぞれ外方に延出し、基部41から上方側(操作軸7の突出方向側)へ延びて下方側へと曲げられた湾曲部42aと、その先端側に設けられた支持部42bとで構成されている。弾性腕部42は、下側ケース31の溝部316および上側ケース32の溝部326に収容される。このように弾性腕部42が溝部316,326に収容されることで、板ばね4はハウジング3に保持された状態となる。
【0026】
板ばね4の弾性腕部42が湾曲部42aおよび支持部42bを有する構成とすることで、スペースを犠牲にすることなく板ばね4のばねスパンを長くすることができる。したがって、板ばね4の最大応力が減少することにより板ばね4の疲労破壊が防止され、板ばね4の長寿命化が可能となる。また、弾性腕部42は基部41から外方へ遠ざかるほど、隣接する弾性腕部42間の距離が広くなる。このような弾性腕部42の先端側に支持部42bを設けることにより、隣接する支持部42bの間隔が大きくなるため、板ばね4全体を安定して支持することが可能となる。
【0027】
このように本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作軸7を操作前の初期状態に復帰させる復帰ばねとして、中央部の基部41と基部41から外方に延出した複数の弾性腕部42とを有する板ばね4を用いていることから、高さ方向の寸法を小さくすることができるので、この板ばね4が収容されるハウジング3を薄型化することができ、ひいては多方向入力装置1全体の薄型化が可能となる。
【0028】
操作軸7は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成され、角棒状の軸部71と、この軸部71の下端部に設けられた連結部72と、を有している。軸部71は、長方形状の断面を有する角棒状に構成されている。連結部72の中央部には、円形状の貫通孔72aが設けられている。この貫通孔72aには、その内部を貫通するように連結部材11が配置される。連結部材11は、後述する第2の連動部材6の挿通孔61aに挿通された状態で貫通孔72aに貫通している。これにより、操作軸7が押圧操作を受け付けると、第2の連動部材6は操作軸7とともに下方側に移動し、押圧操作が解除されると操作軸7とともに上方側に移動する。
【0029】
第1の連動部材5は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成される。第1の連動部材5は、図1に示す上方側に向かってアーチ状に湾曲形成されるとともに、そのアーチ状部分の長手方向に沿ってスリット孔51が形成されている。このスリット孔51は、操作軸7の軸部71の長辺の寸法と略同一の幅に設定されている。また、第1の連動部材5の長手方向の両端には、側面部52が設けられている。これらの側面部52には、それぞれ装置本体の側方部に突出して設けられる概して円柱状の軸部52aが設けられている。これらの軸部52aのうち、磁石8aと対向して配置される軸部52aには、断面が長方形状の連結部としての連結片52bが設けられている。この連結片52bは、操作軸7の傾倒動作に伴う第1の連動部材5の回動を後述する磁石8aに伝達する。なお、これらの側面部52の下面には、平坦部53が設けられている。
【0030】
第2の連動部材6は、第1の連動部材5の下方側に、第1の連動部材5に対して直交するように配設されている。第2の連動部材6は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して構成され、対向して配置される長尺の一対の側面部61と、これらの側面部61の両端部同士を連結する連結部62と、を有している。これらの側面部61および連結部62の内側には、上面視にて概して長方形状の開口部63が設けられている。側面部61の中央には上述した連結部材11が挿通される挿通孔61aが設けられている。開口部63に操作軸7の連結部72を収容した状態において、挿通孔61aに挿通された連結部材11を連結部72の貫通孔72aに貫通させることで、操作軸7と第2の連動部材6とが連結される。この場合において、連結部材11の径は、第2の連動部材6の挿通孔61aに圧入可能な寸法に設定される一方、操作軸7の貫通孔72aの径は、上記挿通孔61aよりも小径に設計されている。このため、第2の連動部材6に連結された状態において、操作軸7は、第2の連動部材6に回転可能に保持されている。連結部62には、それぞれ装置本体の側方部に突出して設けられる概して円柱状の軸部62aが設けられている。これらの軸部62aのうち、磁石8bと対向して配置される軸部62aには、断面が長方形状の連結部としての連結片62bが設けられている。この連結片62bは、操作軸7の傾倒動作に伴う第2の連動部材6の回動を後述する磁石8bに伝達する。なお、これらの側面部61および連結部62の下面には、平坦部64が設けられている。
【0031】
磁石8は、第1の連動部材5に固定される磁石8aおよび第2の連動部材6に固定される磁石8bから構成される。磁石8a、8bは、概して円筒形状を有し、下側ケース31の切り欠き部315c、315d内に収容可能な寸法に設けられている。磁石8aは、第1の連動部材5と対向する一端の開口部81に挿通される磁石受け82を介して第1の連動部材5の連結片52bと連結される。同様に、磁石8bは、第2の連動部材6と対向する一端の開口部81に挿通される磁石受け82を介して第2の連動部材6の連結片62bと連結される。
【0032】
磁石受け82は、概して円形状を有する基部821と、基部821から外側に突出して設けられる軸部822と、この軸部822から外側に突出して設けられる突出部823と、を有している。基部821および軸部822の一部には、第1の連動部材5の連結片52bあるいは第2の連動部材6の連結片62bとそれぞれ連結するためのスリット部824が設けられている。突出部823は、概して円柱形状を有しており、磁石8a,8bの開口部81に挿通される直径に設定されている。なお、突出部823の一部には、磁石8の開口部81の内周に形成された凹部と係合するリブが設けられ、磁石8を一体的に回動可能に構成されている。
【0033】
磁気センサ9は、基板2に実装され、操作軸7の傾倒操作を検出する検出手段の一部を構成する。磁気センサ9は、磁石8aに対応する磁気センサ9aおよび磁石8bに対応する磁気センサ9bから構成される。磁気センサ9aは、基板2の裏面に設けられた接点群22aに半田付けにより接続される。磁気センサ9bは、基板2の裏面に設けられた接点群22bに半田付けにより接続される。半田ランドを構成するこれらの接点群22a,22bは、磁気センサ9が、下側ケース31の切り欠き部315c,315dに対応する位置に配置されるように設けられている。磁気センサ9を基板2の裏面に設けることで、磁気センサ9をハウジング3内に収容する必要がなくなり、ハウジング3の小型化を図ることができる。また、磁気センサ9を基板2の表面上に実装する場合に比べて基板2上の領域を有効利用することが可能となる。
【0034】
プッシュスイッチを構成する可動接点10は、導電性の金属板で構成され、概してドーム形状を有する。可動接点10は、基板2の表面に設けられた固定接点21上に配置されている。この場合、可動接点10の外周縁部が固定接点21の外周接点212上に接続され、ドーム形状の頂点部が中央接点211と対向した状態で配置されている。これらの固定接点21と可動接点10とでプッシュスイッチが構成される。このプッシュスイッチは、操作軸7に対する押圧操作に応じた信号を外部出力可能に構成されている。なお、可動接点10はこの可動接点10上に設けられる図示しない粘着シートを基板2に貼りつけることによって、基板2の表面上に保持されている。
【0035】
図3に示すように、このような構成を有する多方向入力装置1を組み立てると、上側ケース32の位置決め片328が、下側ケース31の切り欠き部315c,315dに係合した状態で一体化され、ハウジング3が構成されている。操作軸7の軸部71の上端部ならびに第1の連動部材5の上方側の一部を上側ケース32の開口部321から露出した状態で、各構成部品がハウジング3内の空間に収容される。
【0036】
ハウジング3内の空間においては、図4に示すように、第1の連動部材5、第2の連動部材6が重ねられると共に、スリット孔51、開口部63に操作軸7が挿通された状態で配設されている。第1の連動部材5および第2の連動部材6は、それぞれ下面に設けられた平坦部53、64で板ばね4の基部41に支持されている。そして、第1の連動部材5および第2の連動部材6は、板ばね4の復帰力によって上方側に付勢されている。非操作状態(初期状態)において、第1の連動部材5、第2の連動部材6は、平坦部53、64が基部41の上面に載置された状態で保持されている。このような構成とすることにより、第1の連動部材5および第2の連動部材6を初期状態に精度よく復帰させることができ、これらの第1の連動部材5および第2の連動部材6を介して操作軸7を初期状態に復帰させることが可能となる。
【0037】
板ばね4の湾曲部42aは、上側ケース32の溝部326の内壁面(上側ケース32の内壁面)に当接した状態で配設されている。一方、板ばね4の支持部42bは、下側ケース31の溝部316の内壁面(下側ケース31の内壁面)に当接した状態で配設されている。なお、ここでは、湾曲部42a、支持部42bが、ハウジング3(上側ケース32、下側ケース31)の内壁面に直接当接した状態について説明しているが、湾曲部42a、支持部42bと、ハウジング3の内壁面との間にスペーサ等の部材を介在させ、これらが直接当接しない構成としてもよい。非操作状態において、このように板ばね4の湾曲部42aおよび支持部42bをハウジング3の内壁面で支持する構成とすることにより、板ばね4のガタつきを防止でき、安定して操作軸7を初期状態に復帰させることが可能となる。また、弾性腕部42は弾性変形した状態でハウジング3の対向する内壁面間に挟持されるように収容されていることから、第1の連動部材5および第2の連動部材6への付勢力を高めることができるため、第1の連動部材5および第2の連動部材6を初期状態に確実に保持することが可能となる。
【0038】
プッシュスイッチを構成する可動接点10は、下側ケース31の開口部313および板ばね4の開口部43に対応する位置に配設され、第1の連動部材5、第2の連動部材6に挿通された操作軸7の下端部と図示しない粘着シートを介して対向して配置されている。可動接点10は、操作軸7の下方側への移動により、基板2上に設けられた固定接点21側に反転可能に構成されている。このようにプッシュスイッチを構成する可動接点10を基板2上に設けられた固定接点21と対向配置したことから、プッシュスイッチをハウジング3の内側に配設することができるため、装置全体を小型化することが可能となる。
【0039】
図5は、図3に示す多方向入力装置1から上側ケース32を取り外した場合の斜視図である。図6は、図3に示す多方向入力装置1から上側ケース32を取り外した場合の上面図である。上側ケース32の内部においては、第1の連動部材5の下方に第2の連動部材6が直交して配設されている。第1の連動部材5および第2の連動部材6の下方に板ばね4の基部41が配設されている。板ばね4の弾性腕部42は、下側ケース31の溝部316に収容されている。板ばね4の弾性腕部42の上方側部分(湾曲部42aを含む部分)は下側ケース31の溝部316に対応する溝部326に収容される。このようにハウジング3(下側ケース31、上側ケース32)に設けた溝部316、326に板ばね4の弾性腕部42を収容することにより、弾性腕部42の変形に伴う動きを円滑にすることができるため、操作性が損なわれる事態を防止することが可能となる。
【0040】
第1の連動部材5の軸部52aおよび軸部52aに連結された磁石受け82は、下側ケース31の凹部314dにその一部が収容されている。この磁石受け82に連結される磁石8aは、下側ケース31の切り欠き部315dに収容されている。一方、磁石受け82が連結されていない第1の連動部材5の軸部52aは、下側ケース31の凹部314bにその一部が収容されている。第1の連動部材5の軸部52aに設けられた連結片52bは、操作軸7の軸線方向に沿って長辺を配置した状態となっている。この連結片52bは、磁石受け82のスリット部824に収容されている。このとき、スリット部824の上方側からは、連結片52bの短辺を含む面が露出している。そして、磁石受け82の突出部823は、磁石8aの開口部81に収容されている。第1の連動部材5の回動は、磁石受け82を介した連結片52bと磁石8aとの連結により、磁石8aに伝達される。
【0041】
同様に、第2の連動部材6の軸部62aおよび軸部62aに連結された磁石受け82は、下側ケース31の凹部314cにその一部が収容されている。この磁石受け82に連結される磁石8bは、下側ケース31の切り欠き部315cに収容されている。一方、磁石受け82が連結されていない第2の連動部材6の軸部62aは、下側ケース31の凹部314aにその一部が収容されている。第2の連動部材6の軸部62aに設けられた連結片62bは、操作軸7の軸線方向に沿って長辺を配置した状態となっている。この連結片62bは、磁石受け82のスリット部824に収容されている。このとき、スリット部824の上方側からは、連結片62bの短辺を含む面が露出している。そして、磁石受け82の突出部823は、磁石8bの開口部81に収容されている。第2の連動部材6の回動は、磁石受け82を介した連結片62bと磁石8bとの連結により、磁石8bに伝達される。
【0042】
また、第1の連動部材5の軸部52aは、上側ケース32の軸受部324b、324dに収容される。一方、第2の連動部材6の軸部62aは、上側ケース32の軸受部324a,324cに収容される。第1の連動部材の軸部52a、第2の連動部材6の軸部62aは、上側ケース32の軸受部324a〜324dと、下側ケース31の凹部314a〜314dとの間に、回転可能に保持される。このように第1の連動部材5の軸部52a、第2の連動部材6の軸部62aを回転可能に保持する部分を、上側ケース32と下側ケース31とに分割して設けることにより、ハウジング3の薄型化を図ることが可能となる。
【0043】
操作軸7は、ハウジング3内において直交して配設される第1の連動部材5のスリット孔51および第2の連動部材6の開口部63に挿通されている。そして、操作軸7は、第2の連動部材6の挿通孔61aに挿通された連結部材11が連結部72の貫通孔72aを貫通することで、第1の連動部材5および第2の連動部材6に連結されている(図4参照)。本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、このように第1の連動部材5および第2の連動部材6に連結される操作軸7により、操作者からの傾倒操作および押圧操作を受け付け可能に構成されている。
【0044】
図6に示すように、板ばね4の弾性腕部42は、ハウジング3内において直交して配設される第1の連動部材5および第2の連動部材6の延設方向の間の方向に延びている。すなわち、図6おいて、第2の連動部材6の右方側の軸部62aの位置を0°、第1の連動部材5の上方側の軸部52aの位置を90°、磁石8bの位置を180°、磁石8aの位置を270°と表すと、弾性腕部42の位置は、それぞれ45°,135°,225°,315°と表すことができる。このような構成とすることで、デッドスペースとなり易いハウジング3内の四隅部近傍のスペースを有効に利用することができるため、ハウジング3の小型化が可能となる。
【0045】
以下、本実施の形態に係る多方向入力装置1において、操作軸7に対して押圧操作を受け付けた場合の動作の一例について説明する。図7は、本実施の形態に係る多方向入力装置1で押圧操作を受け付けた場合の操作状態を説明するための斜視図である。図8は、本実施の形態に係る多方向入力装置1で押圧操作を受け付けた場合の操作状態を説明するための断面図であり、図7のB−B線矢視断面図である。なお、図7及び図8においては、説明の便宜上、上側ケース32を取り外した状態について示している。
【0046】
操作軸7に対して押圧操作(すなわち、下方側へのプッシュ操作)を受け付けた場合には、連結部材11を介して操作軸7に連結された第2の連動部材6のみが下方側に押圧される。第2の連動部材6が押圧されると、第2の連動部材6は、磁石受け82側の軸部62aが凹部314cの内底部まで略水平に下方移動する。そして、この軸部62aの下端部が凹部314cの内底部に到達すると、第2の連動部材6は、その当接部を回転支点として、磁石8bと連結されていない側の部分(図8に示す右方側部分)が押し下げられる。この場合、磁石受け82に連結されている連結片62bはわずかに上方側に移動するが、磁石受け82にはスリット部824が設けられているため、このような第2の連動部材6の動作を制限することはない。
【0047】
この場合において、磁石受け82には、第1の連動部材5または第2の連動部材6の連結片52b,62bに対応する位置に操作軸7の軸線方向に沿ってスリット部824が形成され、操作軸7に対する押圧操作に伴う連結片52b,62bとの係合を回避可能に構成されている。これにより、プッシュスイッチ(可動接点10)を駆動するための押圧操作に伴って第1の連動部材5または第2の連動部材6が回動するのを防止でき、信号の誤出力を防止することができるものとなっている。
【0048】
このように下方側への移動を許容する第2の連動部材6とともに操作軸7が下方側に移動すると、その下端部が図示しない粘着シートを介して可動接点10を押圧する。そして、一定位置以上に操作軸7が押し下げられると、可動接点10が反転され、その裏面中央が基板2の表面に設けられた固定接点21と接触する。これにより、可動接点10を介して固定接点21を構成する中央接点211と外周接点212とが導通状態となり、プッシュスイッチがオン状態に切り替えられる。
【0049】
一方、上述したような押圧操作が解除された場合には、可動接点10および板ばね4の付勢力により第2の連動部材6が押し上げられ、操作軸7が初期位置に復帰される。これに伴って可動接点10が復帰することで、中央接点211と外周接点212とが非導通状態となり、プッシュスイッチがオフ状態に切り替えられる。
【0050】
続いて、本実施の形態に係る多方向入力装置1において、操作軸7に対して傾倒操作を受け付けた場合の動作の一例について説明する。図9は、本実施の形態に係る多方向入力装置1で傾倒操作を受け付けた場合の操作状態を説明するための斜視図である。図10は、本実施の形態に係る多方向入力装置1で傾倒操作を受け付けた場合の操作状態を説明するための断面図であり、図9のC−C線矢視断面図である。ここでは、操作軸7に対して第1の連動部材5の長手方向に傾倒操作を受け付けた場合について説明する。なお、図9においては、説明の便宜上、上側ケース32を取り外した状態について示している。
【0051】
図9に示すように、操作軸7に対して第1の連動部材5の長手方向への傾倒操作を受け付けた場合、操作軸7は、第2の連動部材6の両端部に設けられた軸部62aを回転支点として同図に示すP方向に回動する。この場合、操作軸7に対する傾倒操作は、第2の連動部材6におけるX方向の回動運動に変換される。第2の連動部材6のX方向の回動に伴って、連結片62bが回動すると、磁石受け82を介してその回転力が伝達され、磁石8bも同一方向に回転する。そして、この磁石8bの回転に応じた信号が、磁気センサ9bにおいて検出される。具体的には、磁石8bの回転に伴う磁場の変化が磁気センサ9bによって検出され、その変化に応じた信号が接点群22bを介して外部出力される。
【0052】
このように操作軸7に対する傾倒操作が行われると、図10に示すように、第2の連動部材6の回動に伴ってその下面に設けられた平坦部64の一部が基部41に当接し、板ばね4を下方側に押し下げた状態となっている。これにより、板ばね4の湾曲部42aは、上側ケース32の溝部326の内壁面から下方側に離間した状態となる。
【0053】
一方、上述したような傾倒操作が解除された場合には、板ばね4の付勢力により第2の連動部材6が押し上げられ、操作軸7が初期位置に復帰される。これに伴って第2の連動部材6に連結された磁石8bが操作前の初期位置に復帰することで、初期位置に応じた信号が接点群22bを介して外部出力される。
【0054】
なお、ここでは、操作軸7に対して第1の連動部材5の長手方向に傾倒操作を受け付けた場合について説明しているが、第2の連動部材6の長手方向に傾倒操作を受け付けた場合や、磁石8aと磁石8bとの間の方向に傾倒操作を受け付けた場合にも、同様の要領で磁石8(8a、8b)の回転に伴って操作軸7で受け付けた傾倒方向が検出される。磁石8aと磁石8bとの間の方向に傾倒操作を受け付けた場合には、第1の連動部材5および第2の連動部材6が同時に回動され、磁気センサ9a、9bにおける検出結果に基づいて傾倒方向が算出されることとなる。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作軸7を初期状態に復帰させる復帰ばねとして、中央部の基部41と、この基部41から外方に延出した複数の弾性腕部42とを有する板ばね4を用いていることから、高さ方向の寸法を小さくできるので、多方向入力装置1の全体の薄型化を実現することが可能となる。
【0056】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態の板ばね4においては、弾性腕部42は、基部41から上方側へ延びて下方側へと曲げられた湾曲部42aおよび先端側の支持部42bで構成される場合について説明しているが、弾性腕部42の構成についてはこれに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、弾性腕部42は、基部41から下方側へ延びて上方側へと曲げられた湾曲部および先端側の支持部で構成される場合が考えられる。このように変更した場合においても、上記実施の形態と同様に、高さ方向の寸法を小さくできるので、多方向入力装置1の全体の薄型化を実現することが可能である。また、弾性腕部42は、例えば、基部41から下方側へ延びて上方側へと曲げられ、さらにその先端側が再び下方側に曲げられる形態のように湾曲部を複数有するものであってもよい。
【0058】
また、上記実施の形態においては、操作軸7の傾倒動作を検出する検出手段として、磁石と磁気センサとを用いた構成を説明したが、検出手段の構成はこれに限られるものではない。例えば、連動部材5,6とともに回動する摺動子とこの摺動子が摺動する抵抗体パターンとを用いて構成される可変抵抗器式の検出手段とすることも可能である。さらに、操作軸7によって駆動されるプッシュスイッチを備えていない多方向入力装置であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 多方向入力装置
2 基板
21 固定接点
211 中央接点
212 外周接点
22a,22b 接点群
3 ハウジング
31 下側ケース
311 底面部
312a〜312d 突出部
313 開口部
314a〜314d 凹部
315c,315d 切り欠き部
316 溝部
317 突起
32 上側ケース
321 開口部
322a〜322d 突出部
323a〜323d 延出部
324a〜324d 軸受部
325c,325d 凹部
326 溝部
327 貫通孔
328 位置決め片
4 板ばね
41 基部
42 弾性腕部
42a 湾曲部
42b 支持部
43 開口部
5 第1の連動部材
51 スリット孔
52 側面部
52a 軸部
52b 連結片
53 平坦部
6 第2の連動部材
61 側面部
61a 挿通孔
62 連結部
62a 軸部
62b 連結片
63 開口部
64 平坦部
7 操作軸
71 軸部
72 連結部
72a 貫通孔
8(8a,8b) 磁石
81 開口部
82 磁石受け
821 基部
822 軸部
823 突出部
824 スリット部
9(9a,9b) 磁気センサ
10 可動接点
11 連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するハウジングと、互いに直交した状態で前記ハウジングに回転可能に保持された第1の連動部材および第2の連動部材と、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材を回転させるとともに前記開口から突出した傾倒可能な操作軸と、前記操作軸への傾倒操作を検出する検出手段と、前記操作軸を操作前の初期状態に復帰させる復帰ばねと、を備え、前記復帰ばねは、中央部の基部と前記基部から外方に延出した複数の弾性腕部を有する板ばねからなることを特徴とする多方向入力装置。
【請求項2】
前記弾性腕部は、前記ハウジング内で当該ハウジングの高さ方向に湾曲した形状を有することを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記弾性腕部は、前記基部から上方側へ延びて下方側へと曲げられる湾曲部を有し、下方側に延びた前記弾性腕部の先端側に支持部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記弾性腕部の湾曲部は、非操作状態において、前記ハウジングの内壁面に受けられていることを特徴とする請求項3記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の下面部には、平板状の前記基部で支持される平坦部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記弾性腕部は、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の延設方向の間の方向に延びていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記弾性腕部の移動を案内する案内部が設けられた上ケースおよび下ケースを備えていることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか記載の多方向入力装置。
【請求項8】
前記第1の連動部材および前記第2の連動部材の延設方向における両端部には、それぞれ軸部が設けられており、前記ハウジングは、前記軸部が回転可能に保持される軸受部が設けられた上ケースと、前記軸受部と対向する凹部が設けられた下ケースと、を備え、前記軸受部と前記凹部との間に、前記軸部が回転可能に保持されていることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか記載の多方向入力装置。
【請求項9】
前記基部には孔部が設けられており、前記操作軸で押圧駆動されるプッシュスイッチが前記孔部に対向して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか記載の多方向入力装置。
【請求項10】
前記プッシュスイッチは、前記ハウジングの下方に配設された基板上に設けられており、前記検出手段は、前記第1の連動部材および前記第2の連動部材にそれぞれ設けられた磁石および前記磁石に対応して設けられた磁気センサから構成され、前記磁気センサは、前記基板の裏面側に設けられていることを特徴とする請求項9記載の多方向入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−64514(P2012−64514A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209462(P2010−209462)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】