説明

多機能の香辛料容器

香辛料容器は、ほぼ平らな底部と、ほぼ平行なフランジとを有し、前記ほぼ平行なフランジに隣接する放出する噴出口を画定する容器部を含む。前記香辛料容器は、さらに、前記容器部の物質よりより柔軟性な物質で形成され、接着剤により前記ほぼ平行なフランジに固定されているほぼ平らなカバー部を含む。前記香辛料容器は、好ましくは、前記噴出口に対して横方向に一列に並んでいるが、流体がそこと連通していない弱体化された領域を含む。さらに、前記香辛料容器は、好ましくは、容器部をカバー部から分離するために必要とされる剥がし力を低減するために、噴出口と一列に並んでいるが、噴出口から間隔を空けて配置されている剥がし開始構造を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に香辛料のパッケージ(packaging)に関する。特に、本発明は、少なくとも2つの異なる方法で開けることができる香辛料のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
香辛料のパッケージは、限定されないでケチャップ、マスタード、マヨネーズ、ソースなどを含む香辛料の陳列と販売のために、基本的なガラス瓶やガラスつぼから始まって発展した。基本的なパッケージは、後に大きい容量の瓶やつぼを含むようになり、次に、合成プラスチック物質から作られる容器を含むようになった。最終的に、パッケージの概念は、香辛料の個別の部分を適切にパッケージすることになった。
【0003】
香辛料の個別のパッケージは変化した。ひところ、個別のパッケージは、例えば、ポンプまたは他の適切な分配器を含む大容量の香辛料の分配容器から香辛料を満たせるただの空のカップであった。長い間、香辛料は、ほぼ平らな1組のシート物質の間で香辛料をシールする個別部分のパケットまたはソケット(パッケージ用容器)で利用可能であった。例えば、米国特許第3,315,801号が参照される。その中に含まれる香辛料にアクセス(接近)するために1つ又はそれ以上の弱体されたゾーンがパケットを開く動作を容易にするために提供されるかもしれない。
【0004】
実質的に平らなシートで覆われているほぼ長方形の貯蔵部を有する香辛料のパッケージもまた長い間知られてきた。例えば、米国特許第2,705,579号が参照される。そのような香辛料のパッケージは、後に離脱コーナーと被覆された物質が露出されるコーナーとを提供し、それにより、その中にパッケージされている香辛料への異なるアクセス手段を提供する。例えば、米国特許出願公開第2003/0183637号と米国特許出願公開第2002/0100760号が参照される。
【0005】
貯蔵部が、1つの側部に噴出口を有し、かつほぼ円錐形状を有する様々な製品のためのパッケージもまた知られている。例えば、米国特許第2,898,003号、米国特許第3,660,960号、および米国特許第4,863,036号が参照される。通常、この構成を有する貯蔵部は、ミルクやクリームなどの比較的低粘性製品に使用されてきた。
【0006】
パッケージが、1つの端部に噴出口を有し、かつパッケージを形成する物質が噴出口の近くで弱体化されてパッケージの含有物へのアクセスを可能にするような圧搾可能なパッケージ製品もまた知られている。例えば、米国特許第5529224号、米国特許第4,921,137号および国際特許出願公開第2007/126817号が参照される。
【0007】
2つのアクセス(接近)モードを可能にする液体容器もまた提案されてきた。例えば、1つのモードは、製品を圧搾して除去することを可能にし、他のモードは製品を浸漬して除去することを可能にする。例えば、米国特許出願公開第2006/0278562号が参照される(共通に所有され、その全体の内容が引用により本明細書に合体される)。製品が異なる調度を有する場合に、異なる開口方法を使用することが提案されてきた。例えば、仏国特許第2,801,570号が参照される。また、様々な種類のアクセスを可能にする様々な容器設計も開示されてきた。例えば、米国特許出願公開第2007/0164045号が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3,315,801号
【特許文献2】米国特許第2,705,579号
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0183637号
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/0100760号
【特許文献5】米国特許第2,898,003号
【特許文献6】米国特許第3,660,960号
【特許文献7】米国特許第4,863,036号
【特許文献8】米国特許第5529224号
【特許文献9】米国特許第4,921,137号
【特許文献10】国際特許出願公開第2007/126817号
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0278562号
【特許文献12】仏国特許第.2,801,570号
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0164045号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
香辛料容器は、発展してきたにもかかわらず、利用可能な容器に多くの問題が存在することが知られている。使用時に、特に、子供が使用するとき、および、ドライブスルーの店で提供され自動車で使用するときに、容器は、散らかって不完全なものとなる傾向がある。さらに、環境に関係する認識では、ある小売店は、販売するか、直売で提供する製品中で使用するかもしれない物質の種類を規制している。香辛料の個々の部分の大きさを論じるとき、その中の香辛料の長期間の保存安定性が香辛料の健全性を維持するために重要になる。その安定性は、例えば、容器物質の酸素浸透性を含むさまざまな要素から生じるかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、用語「香辛料」は、広く解釈されるべきであり、食物の一部をより高めるために使用される物質を含む。したがって、本出願で使用される「香辛料」は、ケチャップ、マスタード、マヨネーズ、タルタルソースなどの伝統的な香辛料を含み、かつ制限なしにソース、ゼリー、ジャム、はちみつなどの他の食料品を含むことを意図する。
【0011】
本発明の改良された香辛料容器は、カバー部(ふた部)と容器部(カップ部)とを含む。容器部は、好ましくは香辛料の予め決められた容積を収容する貯蔵部を含む。通常は、予め決められた容積を受け入れるような貯蔵部を含む。通常は、予め決められた容積は、消費者が食事の間に個人的に使用して消費する香辛料の量に対応する。
【0012】
好ましくは、容器部の貯蔵部は、公称長さと公称幅とを有するほぼ平らな底部表面を含む。底部表面は、消費者によって容器の使用のある態様の間に、香辛料容器を支えるのに安定した表面を提供する。貯蔵部は、また、低くて、広くて、かつ食品アイテムを貯蔵部に押しつけるか、または押し込むるときに横方向のチッピングに対して安定している貯蔵部を提供するように、公称幅と公称長さに対して選択される公称深さを有する。
【0013】
容器部は、好ましくは、貯蔵部の周りにほぼ連続して延びているフランジを含む。好ましくは、フランジは、ほぼ平らであり、ほぼ平らな底部表面から間隔をあけて配置され、かつほぼ平らな底部表面に平行である。貯蔵部の1つの側部で、かつフランジの位置に、噴出口が供給される。噴出口は、貯蔵部の上側端部の開口部の断面積より小さい断面積を有する。この様に、噴出口を通過する香辛料へのアクセス(接近)は、貯蔵部の上側端部を通過して香辛料へアクセスよりもかなり制限される。
【0014】
好ましくは、容器部は、カバー部がなくても貯蔵部がその形状を充分に保持できるように第1曲げ剛性を有する物質で作成されている。また、第1曲げ剛性は、カバー部がなくてもフランジが貯蔵部に対してその形状と配向を確実に保持するのに十分である。このため、容器部は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無定形ポリエチレンテレフタレート(APET)、配向されたポリエチレンテレフタレート(OPET)、金属化されたポリエチレンテレフタレート(MET-PET)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレン(mPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA),ポリプロピレン(PP)、金属化され配向されたポリプロピレン(mOPP)、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、箔、エチレンビニールアルコール(EVOH)、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、二軸延伸材料(biaxially oriented material)、米国連邦法コード21パート177(間接食品添加物ポリマー)の要件を満たす物質(material complying with 21 C.F.R. Part 177)、およびそれらの組合せからなるグループから選択される物質から製造されるかもしれない。容器部は、単層物質を含むかもしれないが、層の1つ又はそれ以上が上記説明された物質のグループから選択され、接着か、共押出成形か、または、他の方法で接着性の構造に形成される複層で形成されるかもしれない。ふた部(カバー部)に使用される特定の組成物とは関係なく、容器に面するふた部のすべての表面が食物に対して安全である必要がある。
【0015】
容器部の厚さは、好ましくは、約3ミル(約0.0076cm)〜約20ミル(約0.051cm)の範囲にあるかもしれない。1ミルは0.001インチ(0.00254cm)である。選択された特定の物質と厚さに依存するが、貯蔵部の底部表面をさらに強化することは好ましいかもしれない。そのような強化は、底部表面に三次元パターンを浮彫りにして、曲げ剛性を増加させて実現されるかもしれない。所望であれば、その3次元パターンを提供するためにロゴが使用されるかもしれない。
【0016】
カバー部は、ほぼ平らであり、容器部の周辺部とほぼ同じ周辺部を有するように構成されることが好ましい。また、カバー部はほぼ容器部のフランジを覆っている。しかしながら、カバー部は、好ましくは、曲げ剛性が容器部の曲げ剛性より低い第2曲げ剛性を有する物質から作られる。この剛性の差により、カバー部がより可撓性となってフランジに沿って容器部からより容易に分離できるようになる。
【0017】
カバー部が製造される物質は、容器部に使用される物質と同じか、又は、異なるかもしれない。従って、カバー部の物質は、PET、APET、OPET、MET-PET、PE、LDPE、LLDPE、mLLDPE、HDPE、mPE、EVA、PP、mOPP、PS、HIPS、箔、EVOH、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、二軸延伸材料、米国連邦法コード21パート177(間接食品添加物ポリマー)の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択されるかもしれない。通常は、カバー部の厚さは、好ましくは、約1ミル(約0.00254cm)〜約5ミル(約0.0127cm)の範囲にあるかもしれない。容器部は、単層物質を含むかもしれないが、層の1つ又はそれ以上が上記説明された物質のグループから選択され、接着か、共押出成形か、または、他の方法で接着性構造に形成された複層で形成されるかもしれない。ふた部に使用される特定の組成物に関係なく、容器に面するふた部のすべての表面が食物に対して安全である必要がある。
【0018】
香辛料のパッケージ中にカバー部と容器部とを一緒に保持するために、接着剤は、好ましくは、フランジ領域で容器の頂部端部を取り囲込んでいるカバー部と容器部との間に配置される。接着剤は、好ましくは、食品グレードの接着剤であり、汎用的な方法で硬化するかもしれない、例えば、熱的に、電磁気的に、または時間で硬化するかもしれない。好ましくは、接着剤は、カバー部、及び/又は、容器部と一体化される。接着剤をカバー部、及び/又は、容器部に接着させるために熱と圧力を使用することができる。あるいはまた、接着剤は、別々の工程で容器部の貯蔵部の周りに付けられるかもしれない。好ましくは、接着剤は、接着剤が噴出口と一列に並ぶように接着されていない領域を画定するように付けられるか、あるいは、そうでなければ、接着剤は、噴出口の周りを取り囲んでいる。所望であれば、圧力を印加して接着剤がカバー部と容器部とを確実に接着して、接着剤が貯蔵部とカバー部によって画定される密封された区画を画定するかもしれない。さらに、接着剤は、接着されていない領域がふた部と容器部のフランジとの間で、噴出口とほぼ一列に並んで存在するように付けられる。
【0019】
好ましくは、接着されていない領域は、噴出口の対向する位置で容器アセンブリの周囲部に配置される。接着されていない領域は、ふた部の端部に押し上げタブ(lift tab)を画定するように操作可能である。押し上げタブは、貯蔵部とその中身を露出するために、容器部のフランジから押し上げタブを遠くの方向に押し上げタブが引っ張られるように、つかむことができる。また、接着剤は、実質的に角張った領域などの剥がし開始領域が、接着されていない領域の端部を部分的に画定するように付けられる。剥がし開始領域は、ふた部が貯蔵部の端部から端部まで延びている接着剤の完全な直線範囲と係合し、かつふた部が組み立てられたパッケージのふた部と容器部との間で分離に対する低減された抵抗を提供する前に、ふた部が容器部から押し上げタブによって引きだされるときに、係合される。例えば、必要な開口力は1〜5ポンド(0.45〜2.3kg)の範囲にあるかもしれない。所望の開口スキームに依存するが、接着されていない領域と剥がし開始部は、噴出口かまたは貯蔵部の対向する位置に一列に並んで配置されるかもしれない。その位置にかかわらず、ふた部が容器部から剥き取られると、貯蔵部は、香辛料中に食品アイテムを浸すために利用可能となるように露出される。
【0020】
噴出口へのアクセス(接近)のために、弱体化されている領域(a weakened region)が、好ましくは、噴出口に対して横方向となるように配置される。弱体化されている領域は、噴出口の近くでパッケージ物質を機械的に切るか、または破砕することによって提供してもよい。弱体化されている領域は、1組の一列に並べられたスリットが噴出口をまたぐように、ふた部と容器部を切ることによって形成してもよい。あるいはまた、弱体化されている領域は、ふた部かまたは容器部かまたは両方をレーザによる刻み目を付けることによって提供してもよい。次に、組み立てられた容器の端部を弱体化されている領域に沿ってちぎり取り、噴出口を露出させてもよい。次に、組み立てられた容器を絞ることによって、香辛料は噴出口を通って制御された方法で放出されるだろう。
【0021】
組み立てられたパッケージでは、接着剤は、50ポンド(22.7kg)又はそれ以上の力に晒されたとき、好ましくは、70ポンド(31.7kg)又はそれ以上の力に晒されたときの破壊に耐える十分な力を好ましくは有する。
【0022】
所望であれば、容器アセンブリは、厚紙容器の側壁への取り付けに適合させてもよい。このために、1組のスリットが、容器中に提供され、ふた部と容器部の両方を通って延びていて、かつ対称的に配置され、1組の耳を協働して画定してもよい。耳は、角張っている(側部から見るとき)フックを画定するようにフランジの平面から曲げることができる。ふた部及び容器部を作るために使用される物質の弾力性により、ふた部及び容器部は、厚紙容器の端部を協働してはさむ。また、耳と関連する厚紙容器の間のグリップをさらに高めるために、各耳の表面は、適切に処理してもよい。そのような目的のために例えば、粘着性コーティングまたは粗面を提供してもよい。
【0023】
所望であれば、ふた部と容器部のどちらかかまたは両方は、酸素の侵入を抑制する層か、または酸素を除去する層を含んでもよい。そのような層は、容器アセンブリ中にパッケージされた香辛料の劣化を抑えるか、または低減するために役立つことができる。所望であれば、ふた部と容器部のどちらかかまたは両方が不透明であるかもしれない。不透明にすると、光に晒されて製品が経時劣化するパッケージ製品を改善するかもしれない。
【0024】
容器中にパッケージされた香辛料がケチャップの場合、ふた部及び容器部の物質は、好ましくは、パッケージされた香辛料が少なくとも約6カ月の貯蔵寿命があるように選択される。貯蔵寿命を評価するための1つの技術は、L色空間で作用する比色計の使用を含む。貯蔵寿命は、その色の空間での測定に基づいてパッケージされた製品の色成分の劣化をモニターすることによって評価されるかもしれない。例えば、貯蔵寿命は、L及び/又は、a/b比が、特定期間の間に特定量を超えて劣化しないことを要求する、例えば、半年間の間に10%を超えて劣化しないことを要求することによって決定されるかもしれない。
【0025】
本発明の多くの目的および利点は、同一参照番号が同様のエレメントに適用される付属の図面と関連して本明細書が読まれるとき、当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】香辛料容器の斜視図である。
【図2】底部表面が頂部に配置されている、香辛料容器の逆さの斜視図である。
【図3】香辛料容器の頂部からの平面図である。
【図4】香辛料容器の底部からの平面図である。
【図5】香辛料容器の側面図である。
【図6】香辛料容器の端面図である。
【図7】香辛料容器の第2実施例の平面図である。
【図8】香辛料容器の第3実施例の平面図である。
【図9】図3の線9-9に沿って得られる拡大断面図である。
【図10】図9で囲んだ噴出口端部の拡大詳細図である。
【図11】圧搾使用のために開けられた香辛料容器を示す図である。
【図12】浸せきのためのアクセスを示す図1の香辛料容器の断面図である。
【図13】頂部から見た香辛料容器の第4実施例の斜視図である。
【図14】図13の線14-14に沿って得られる香辛料容器の第4実施例の断面図である。
【図15】香辛料容器の第4実施例の斜視図である。
【図16】香辛料容器の第5実施例の頂部からの平面図である。
【図17】香辛料容器の第5実施例の側面図である。
【図18】食品容器に対して第5実施例の使用例を示す図である。
【図19】図18の側面図である。
【図20】香辛料容器の第6実施例の頂部からの斜視図である。
【図21】香辛料容器の第6実施例の逆さの斜視図である。
【図22】第6実施例の頂部からの平面図である。
【図23】第6実施例の底部からの平面図である。
【図24】第6実施例の側面図である。
【図25】第6実施例の端面図である。
【図26】圧搾使用するために噴出口を開いて接近することを示す第6実施例の断面図である。
【図27】浸せきするために開いて接近することを示す第6実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、図1を参照すると、本発明の香辛料容器20の第1実施例は、香辛料の個別部分として市場に出すために及び消費者に配送するために、適合されている。香辛料容器20は、容器部またはカップ部22(図2参照)と、ふた部またはカバー部24(図1参照)とによって形成されており、容器部とふた部はフランジ26に沿って接着剤によって一緒にシールされている。
【0028】
ふた部(カバー部)24は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無定形ポリエチレンテレフタレート(APE部T)、配向されたポリエチレンテレフタレート(OPET)、ポリエステル(PE)、低密度ポリエステル(LDPE)、直鎖状低密度ポリエステル(LLDPE)、メタロセン直鎖状低密度ポリエステル(mLLDPE)、高密度ポリエステル(HDPE)、メタロセンポリエステル(mPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリプロピレン(PP)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、箔、エチレンビニール・アルコール(EVOH)、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびそれらの組合せからなるグループから選択された物質から製造してもよい。箔が使用されている場合、箔は、アルミ箔、または他の金属箔であるかもしれない。通常は、ふた部24の厚さは約1ミル(約0.0025cm)〜約5ミル(約0.013cm)の範囲にあるだろう。より好ましくは、ふた部24は、約1ミル(約0.0025cm)〜約3ミル(約0.0076cm)の範囲の厚みを有するかもしれない。ふた部24の厚さは、カップ部より可撓性であるものか、ふた部24が接着剤の粘着性に打ち勝ってカップ部から剥がされるような引張力に対する十分な保持力を有するものか、または、つかみやすいが滑らない表面組織を有するものか、の中から選択される。ふた部24は、好ましくは、フランジ26の周辺部にほぼ対応する周囲部の輪郭を有する。
【0029】
ふた部24は、選択された物質の単層を含むかもしれないが、ふた部24は、また、複数の層のうちの1つ又はそれ以上が上記説明された物質のグループから選択され、複数の層が接着されるか、共押出成形されるか、または、他の方法により一緒に形成されて密着構造に形成されているかもしれない。ふた部24に使用される特別の組成物に関係なく、容器に面しているふた部のすべての表面が食物に対して安全である必要がある。時間がたつにつれてパッケージされる香辛料が酸素劣化する場合、ふた部24は、その構造中に酸素の侵入を抑制する層または酸素を除去する層を含むかもしれない。酸素の侵入を抑制する層の適切な物質は、エチレンビニール・アルコー(EVOH)であり、EVOHは、酸素の侵入を抑制する障壁として機能できるばかりでなく、防湿層として機能するかもしれない。香辛料に依存するが、ふた部24が作られる物質は、透明、半透明、または不透明であるかもしれない。また、所望であれば、その物質は着色されているかもしれない。
【0030】
ふたのために許容できる物質の組合せは多くあるが、以下の表は、ふた材料として有用ないくつかの組合せを特定する。
【0031】
【表1】

【0032】
カップ部(容器部)22(図2参照)は、フランジ26から離れて延びている貯蔵部30と、ほぼ長方形であり得るほぼ平らな底部表面32を含んでいる。さらに、貯蔵部30は、ほぼ平らな底部表面32とフランジ26との間に延びている側壁36を含む。フランジ26は、端部40(図2参照)からほぼ半径方向に延びていて、ふた部24が付けられるまで露出しているかなりの領域を画定する。さらに、貯蔵部の1つの側部は、ほぼ平らなフランジ26とほぼ平らな底部表面32に対して傾いているほぼ三角形表面、または、ほぼ台形表面34を含んでもよい。貯蔵部30の一方の側部に、噴出口38が提供される。好ましくは、カップ部22は、図3の平面に対して垂直方向に延びていて、かつ線9-9とほぼ同位置にある長手方向の面に対して対称となるように設計されている。
【0033】
ふた部24が適所に配置されるとき、傾いた表面(三角形表面)34と結合したカップ部22とふた部24の対称性は、漏斗状のもの、すなわち、漏斗状のものが噴出口38と連絡するように貯蔵部の側部で断面領域を覆っているものを形成する。したがって、噴出口38は、貯蔵部34(図4参照)の頂部端部で露出されている領域よりはるかに小さい断面積を示す。
【0034】
カップ部22(図2参照)は、好ましくは、ふた部が作られる物質より堅い物質で作られる。したがって、カップ部22の曲げ剛性は、ふた部24の曲げ剛性を超えている。その剛性の差は、組み立てられた容器を開いて取り外すために、ふた部を容易に変形させる。カップ部22は、ふた部24より硬いが、カップ部22は、好ましくは、十分に柔軟であり、カップ部22は、手の力で、すなわち、助けのない人の手の指によって印加される圧力で、圧搾することによってそらすことができる。それにもかかわらず、カップ部22は、力がかからない場合に、変形またはそらないように十分に硬い。これらの制限において、かつふた部24がないとき、カップ部22は、底部表面が支えることができ、香辛料をこぼさずに保持するために十分に堅い容器を提供する。これに関連して、貯蔵部の周辺40から外側に延びているほぼ平らなフランジ26は、カップ部22の貯蔵部の領域を強化するように機能する。
【0035】
いくつかの応用において、剛性が増した底部表面32を有することは、好ましいかもしれない(図4参照)。そのような剛性の増加は、底部表面32に浮彫りの特徴44を提供することによって達成してもよい。そのような浮彫りの特徴44は、所望であれば、傾いた表面34に延びていてもよい。いくつかの応用において、その浮彫りの特徴44は、メーカーのロゴを含んでもよい。剛性の増加は、底部表面32の平面に対して浮彫りの深さから得られる。
【0036】
一般に、カップ部22が作られる物質は、ふた部24に利用可能な物質と同じグループから選択してもよい、例えば、PET、APET、OPET、MET-PET、PE、低密度ポリエチレン、LLDPE、mLLDPE、HDPE、mPE、EVA、PP、mOPP、PS、HIPS、箔、EVOH、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、二軸延伸材料、米国連邦法コード21CFRパート177(間接食品添加物ポリマー)の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択してもよい。箔が使用される場合、箔は、アルミ箔、または他の金属箔であるかもしれない。通常は、カップ部22の厚さは、約3ミル(約0.0076cm)〜約20ミル(約0.051cm)の範囲にあるだろう。より好ましくは、カップ部22は、約8ミル(約0.020cm)〜約12ミル(約0.031cm)の範囲の厚みを有してもよい。カップ部22の厚さは、ふた部24が接着剤の粘着性に打ち勝って、カップ部22から剥がれるように、ふた部24ほど可撓性でないものから選択される。
【0037】
ふた部24の場合のように、以下の表で詳しく説明されるようなカップ部22の物質の組合せは、特に適切であることが見いだされた。
【0038】
【表2】

【0039】
香辛料容器20の貯蔵部は、好ましくは、香辛料の個々の適切な供給量、例えば、約1オンスの公称容積(nominal volume)を含む大きさに作られている。公称容積よりも大きいものや小さいものは本発明の範囲内であるが、公称容積は通常の個人によって所望される特定の香辛料の量に対応するだろう。図4で示されるように、パッケージの貯蔵部は、端部40位置で対向する側壁間の最大距離に対応し、対向する側壁間で対称な面に対して横方向に延びている公称幅(nominal width)を有し、公称長さ(nominal length)は、端部40位置で貯蔵部の側壁間の最大の長さであり、対称面に沿って測定され、公称深さ(nominal depth)(図5参照)は、底部32からフランジ26に延びていて、対称面に沿って測定される。これらの公称寸法(nominal dimension)は、貯蔵部の公称容積を画定する。
【0040】
別のカップ部22の重要な特徴は、チッピングに対する横方向の安定性である。また、これらの公称寸法は、十分なチッピングに対する安定性を提供するガイドラインを達成するために使用することができる。より詳しく述べると、公称高さの公称幅に対する比率は、好ましくは約0.5未満であり、より好ましくは、約0.45未満である。さらに、公称高さの公称長さに対する比率は、好ましくは約0.3未満、より好ましくは約0.26未満である。カップ部22の貯蔵部がこれらの範囲の公称寸法を持っている場合、貯蔵部は十分安定であり、食物がその中に収容されている香辛料に浸漬されるときにチッピングしない。
【0041】
ふた部24とカップ部22は、食物グレードの接着剤を使用して一緒にシールされ、周囲環境から孤立してカプセル封入されている容積を画定する。シールを実現する1つの技術は、ふた部24内側とカップ部22内側に熱でシール可能な層を含むことである。フランジ26に熱と圧力が加えられると、隣接する表面が一緒に接着されて、貯蔵部の端部40の周囲を取り囲む適切なシールを形成する。あるいはまた、容器物質と相溶性の適切な食品グレードの接着剤を使用してもよい。接着剤は、好ましくは、貯蔵部(図4参照)の端部40を取り囲むように付けられるが、端部40と全面的に接触しないように付けられる、すなわち、接着剤と端部40との間に空間が存在する。また、接着剤は、噴出口38を覆わないように付けられる。好ましくは、香辛料容器は、少なくとも約50ポンド(約22.7kg)の加圧力に対してシールが破壊されないか、またはシールが壊されないで耐えることができる。より好ましくは、約70ポンド(31.7kg)の加圧力でシールは破壊されないであろう。
【0042】
接着剤は、好ましくは、フランジ26の周囲端部50まで延びているが、貯蔵部の一方の側部に接着されていない領域52を提供する。接着されていない領域52は、フランジ26に接着して接続されていないふた部24のプルタブ部54(図3参照)が、指の間でつかむことができるくらい十分に大きいような距離だけ、フランジの周囲端部50からフランジ26に沿って内側に延びている。約0.5インチ(1.3cm)以上の距離があると、プルタブ部54をつかむことができる。フランジ26(図3参照)からふた部24を剥がすことがシール幅により難しいことは当業者にとって明白である。しかしながら、対称面と一列に並んでいるほぼ角張った特徴56を含むものと、接着されていない領域52の1つの端部の部分を画定することが、フランジ26から離れる方向にふた部を剥がすために必要な力を減少する剥がし開始部を提供することがわかった。接着されていない領域の端部に剥がし開始部を含むことは、ふた部を容器からかなり容易に除去しやすくする。
【0043】
以上の議論から、当業者にとって貯蔵部とその含有物を露出させるために、カップ部22のフランジ26からふた部24を剥がすようにプルタブ部54をつかむことができることは、明らかである。そのような工程は、食物を香辛料に浸す容器を準備するだろう。しかしながら、また、異なる開口スキームもまた本発明の容器で利用可能である。特に、容器は、ふた部24の取り外しに代わる手段として、噴出口38を開くために噴出口38の近くに弱体化されている領域を提供してもよい。例えば、弱体化されている領域は、噴出口38の近くに1組の一列に並べられたスリット60、62を含んでもよい。スリット60、62は、噴出口38をまたいで互いに一列に並べられている。スリット60、62は、ふた部24とカップ部22の両方の厚さを貫通して延びていてもよい。この構成で、容器20の遠位端部を曲げて容器物質を破砕し、噴出口38を通って貯蔵部に入る通路を露出させることができる。その時、貯蔵部を加圧すると、香辛料は、制御された方向に定義された方法で噴出口38を通って放出されるであろう。
【0044】
一列に並べられたスリット60、62は、香辛料容器20の組立の前か、組立中か、または組立後に容器に付けることができる。しかしながら、一列に並べるスリット60、62を形成する効率的で機械的な方法は、ふた部24をカップ部22に付け、カップ部22に接着剤で接着すると同時に形成することである。その代わりに、噴出口通路の端部を露出するために容器端部を折るまたは曲げられるように、容器の噴出口38の周囲をレーザによる刻み目プロセスを使用して壊れやすくするために使用してもよい。
【0045】
ふた部(カバー部)24、カップ部(容器部)22、および接着剤に選択された物質は、好ましくは、香辛料が所望の貯蔵安定性を有するように選択される。ケチャップなどの香辛料の場合、少なくとも6カ月の貯蔵寿命は好ましい。ケチャップのような香辛料では、貯蔵寿命は、香辛料の色特性の変化によって評価することができる。したがって、比色分析を使用して貯蔵寿命の試験を行うことができる。ハンターラブ(Hunter Lab)色空間とL色空間は、特定の色を画定するために3つの座標を使用する。例えば、L色空間では、座標L、a、bは三次元色空間を定義する。L成分は、明るさの尺度となり、人間の目の知覚と特に良く相関する。L値は、純粋な黒に対応する0と純粋な白に対応する100との範囲にある。a座標は、負値が緑色を示し、正値がマゼンタを示し、赤/マゼンタと緑色との間の色の位置の尺度となる。b成分は、負値が青を示し、正値が黄色を示し、黄色と青の間の色の位置の尺度となる。従って、ケチャップ色の経時変化は、L、a、bの値及び変化によって、またはL、a、bの値及び変化によって評価することができる。貯蔵寿命分析に対して、明るさ成分LまたはLは、貯蔵寿命と相関する信頼できるパラメータを提供することが見いだされた。特に、L成分値が貯蔵寿命の間に初期値の約10%以内で残っている限り、貯蔵寿命の要件が満たされる。さらに、a/bまたはa/bもまた、製品劣化を示す。したがって、例えば、満足できる貯蔵寿命は、L(またはL)成分と、a/b(またはa/b)比率が、それぞれ初期値の約10%以内に残っている場合に、決定されるかもしれない。色が経時変化する他の香辛料もまた、L色空間成分の1つ又はそれ以上の成分を使用して貯蔵寿命を比色的に評価することができる。
【0046】
本発明の別の実施例を図7に示す。この構成では、剥がし開始部56'と隣接するシール部は、第1実施例の階段状に増加する抵抗と対照的に、剥がし開始部56'が徐々に増加する抵抗を示すシールに混合するように構成されている。この構成は、剥がし開始部56'で終結する角張って一点に集中する部分によって特徴付けられる。
【0047】
本発明のさらに別の実施例は、ふた部24とカップ部の間を接着する接着剤中に1組の剥がし開始部含む(図8参照)。この構成では、剥がし開始部64、66は、接着シールの対応する角部(corner)に提供される。この構成で、ふた部24は、剥がし開始するために必要とされる力に対して対応する力を低減した状態で、どちらの角部からも剥がされてもよい。
【0048】
香辛料容器20を組み立てるために、カップ部22は、貯蔵部に計量される容積の香辛料70(図9参照)を堆積させる分配機構に露出されてもよい。計量されて供給される容積は、貯蔵部の実際の容積より少ないので、頂部空間が香辛料の上方にいくらか存在する。接着剤をフランジ26に付けた後で、ふた部24は、カップ部22と重なるように配置され、カップ部22をシールする。得られる構造は、ふた部24とカップ部22を接着する接着剤72を含んでいる(図10参照)。
【0049】
香辛料容器20(図7参照)の別の実施例では、接着されていない領域54は、幅に関する限り対称面の向きに拡大してもよい。剥がし開始部56'及び関連する構造を除いて、この実施例の香辛料容器20は、図1〜6に関して上記説明した実施例と同様の特徴と特性を有する。従って、その共通する特徴をここで繰り返し説明しない。この第2実施例の剥がし開始部56'は、第1実施例より接着されていない領域54中に深く延びているが、接着シール70は、貯蔵部の端部の周りでほぼ一定の幅に持つ。ここで、剥がし開始部56'は、ほぼ山形袖章(chevron)、脱字記号(caret)、または巻き毛ブラケット(curly bracket)のような形状に形成される。また、剥がし開始部56'は、長手方向に噴出口38とほぼ一列に並んで配置されるが、噴出口38から貯蔵部の対向する位置に配置される。そのような配置では、パッケージを開けるための別の構造は互いに分離されており、ユーザまたは消費者は、圧搾して使用するために、噴出口38を裂いてまたは破いて香辛料容器を開けるか、または、容器20を浸せきして使用するために、ふた部24を折り返すか、を意識的に決断する。
【0050】
更なる実施例(図8参照)では、香辛料容器20は、剥がし開始部の位置と配置が異なるが、その他の点では、図1〜6に対しての上記説明によって完全に説明されているので、ここで繰り返しその説明をしない。更なる実施例では、1組の剥がし開始部64、66が提供され、それぞれの剥がし開始部64、66は、容器の角部とほぼ一列に並べられ、接着シール70の対応する角部に配置される。消費者が、角部からふた部24を折り返し始めることが容易である、あるいは、使いやすいことを理解できるので、剥がし開始部64、66の角部の位置は、剥がして開くことを容易にする。図示されているように、剥がし開始部64、66は、香辛料容器の対称面に対して左右対称に配置され、剥がして開く口プロセスを始めるために、いずれかの角部も消費者またはユーザによって無作為に選ばれる。
【0051】
1つの剥がし開始部だけが使用され、剥がし開始部が対称面の位置から外れて香辛料容器の角部に配置されることもまた本開示の範囲内である。そのような容器は、図8の実施例に似ているかもしれないが、剥がし開始部64、66の1つだけが存在する。そのような実施例では、消費者の注意が剥がし開始の適切な角部に集中する方向が、ふた部24の外面上に提供されるかもしれない。その代わりに、剥がし開始部が中心に配置されていようが、容器の他の角部に配置されていようが、剥がして開くことが必ず剥がし開始部で起こるように、カップ部22とふた部24は、1つの角部で接着ラインにより近くに調整され、他の角部から突き出ているプルタブと剥がし開始部とを残すことができる。そのような香辛料容器の特徴は、図1〜6と関連して上記で十分に説明されたので、その説明はここで繰り返えさない。
【0052】
香辛料容器20(図11参照)を使用するために、消費者は、最初に、香辛料を制御して分配するか、または、貯蔵部に完全に接近するかを決める。制御された分配を所望する場合には、容器端部は、弱体化されている領域の位置で折られるか、またはねじり取られて、噴出口38の端部を露出させる。食品に対して選択的な方向に制御された方法で指の圧力がかかるように、貯蔵部の領域に指の圧力をかけることによって、香辛料は、噴出口から圧搾される。香辛料への完全な接近を望む場合には(図12参照)、プルタブ部54は、フランジから剥がされ、剥がし開始部を通過し、貯蔵部の上部端部から離れる方向に引っ張られて貯蔵部の多く(または全て)を露出してもよい。
【0053】
香辛料容器20(図13参照)のさらに別の実施例では、剥がし開始部84は、異なる位置にある。この香辛料容器の特徴は、図1〜6に関連して十分に記載されているので、ここでは、その説明を特に記載せず繰り返さない。この構成では、剥がし開始部84は、噴出口38と一列に配置され、噴出口38が剥がし開始部84とカップ部22の貯蔵部との間にある(図14参照)。ここで、カップ部22のフランジ26は、舌部80を含む。舌部80は、噴出口を超えて延びており、噴出口38に対してほぼ長方形で対称的であってもよい。剥がし開始部84は、ほぼ角張っているか、または、ほぼとがった特徴を有し、噴出口38及び貯蔵部から外側に離れる方向に向けられているが、それらとほぼ一列に並んで配置されている。好ましくは、舌部80は、0.5インチ(1.3cm)またはそれ以上の距離だけ剥がし開始部84を超えて延びている。また、ふた部24(図13参照)は、カップ部の舌部80の上に横たわり、かつ一致する大きさに作られて配置されている。
【0054】
香辛料容器20を開けるために、ふた部22(図14参照)の舌部86が握られ、カップ部22の舌部80から離れる方向に、例えば、矢印86の方向に剥がされる。分離が剥がし開始部84で始まった後に、ふた部22の舌部82は、噴出口38の端部を露出させる。この時点で、香辛料容器20は、ユーザによって圧搾され、香辛料が噴出口38を通って、制御されかつ容易に方向付けられた方法で送られるかもしれない。噴出口が露出されると、止まるよりむしろふた部24は、カップ部22の舌部80からさらに遠くまで剥がされて貯蔵部とその中の香辛料70の一部または全てを露出する。したがって、容器20は、食物アイテムのために浸せき容器を提供する。当業者にとって、ふた部の噴出口を開くか、または貯蔵部を開くかは重要でないことは明らかであろう。所望であれば、消費者は、最初に、噴出口を開いて、そこを通るいくらかの香辛料を分配し、後で、いくらかの香辛料を浸せきで使用するために、ふた部を開いて貯蔵部を露出させるかもしれない。また、所望であれば、ふた部は、部分的に開かれるか、または完全に除去されるかもしれない。
【0055】
香辛料容器20(図16参照)の別の実施例は、つかめる舌部が噴出口38を超えてほぼ三角形の構成で延びている状態で、1つの端部に配置されている噴出口38を有してもよい。特に記載されていないこの香辛料容器の特徴は、図1〜6に関連して十分に記載しているので、ここではその説明を繰り返さない。この実施例は、側部が鈍角で交わる状態でまた、ほぼ五角形の貯蔵部90を含む。容器の一端部は、容器20に対して対称面に垂直方向に延びていて、容器20の最大幅に対応する長さを有するほぼまっすぐな端部91を有する。また、容器は、真っ直ぐな端部91の対応する2つの端部から容器の対応する角部まで延びている2つの側部端部93、95を含む。対称的に配置された1組のスリット92、94は、対応する2つの側部端部93、95から真っ直ぐな端部91に向かって延びているが、真っ直ぐな端部91に交差していない。スリット92、94は、所望に応じて、まっすぐであるか、またはアーチ形であってもよいが、それぞれのスリット92、94の行き止まり端部は、真っ直ぐな端部91と側部端部93、95との両方から間隔をあけて配置されている。その構成で、スリット92、94、および側部端部93、95は、協働して1組の対称的に配置された耳部96、98を画定する。製造の時点で、耳部96、98は、フランジ26の平面中にある(図17参照)。
【0056】
使用中に、この実施例の香辛料容器20は、追加の便利な機能を提供する(図18参照)。耳部96、98は、フランジ26の平面から押しだされて、パッケージ100の上側端部が耳部96、98とフランジ26との間に収容してもよい。このやり方で、香辛料のパッケージ20は、パッケージ100に適切に分配される。他の実施例のいずれかで上記記載された開口のために、香辛料容器20を構成することができる。また、浸せきでの使用(図19参照)のために開かれるとき、耳部96、98とパッケージ100の側部とは、それらの間での協働作業により片持ち張りの位置で香辛料容器20を支持するので、香辛料に容易にアクセス(接近)できるだろう。
【0057】
所望であれば、それぞれの耳部96、98の表面は、パッケージ100との摩擦係合を高めるように処理してもよい。例えば、耳部96、98の表面は、容器20の他の表面に対して粗くすることができるか、または、少なくともその一部に付けられた低粘着性接着剤を有してもよい。
【0058】
カップ部の貯蔵部の形状は、上記説明された実施例で記載されたように、ほぼ五角形であってもよいし、また、他の所望の形状であってもよい。例えば、ほぼ長方形、ほぼ正方形、ほぼ三角形、ほぼ多角形、ほぼ楕円、及び他の形状の貯蔵部は、本開示の範囲内である。例えば、香辛料容器20の別の実施例は、ほぼ筒状貯蔵部110を含んでもよい(図4A参照)。明確に説明されなかった本香辛料容器の特徴は、図1〜6に関連して十分に説明されているので、ここではその説明を繰り返さない。本開示で示されかつ記載された様々な実施例から理解されるように、貯蔵部を取り囲むフランジ26は、貯蔵部の上側端部の形状に従うか、または、より大きな領域を有してもよい。図21では、例えば、フランジ26は、ほぼ長方形であり、それにより、ふた部が折り返される複数の位置を提供し、そのいくつかは、噴出口にアクセスし、そのいくつかは貯蔵部にアクセスする。
【0059】
本開示の容器を作るために、カップ部の物質は、通常は、ロールで提供される。ロール物質は、ほどかれて、複数の貯蔵部が形成されるほぼ連続したシートのような形成デバイスとなる。通常は、貯蔵部は、2〜約12またはそれ以上の貯蔵部を有する列で形成され、それにより貯蔵部がまっすぐな横方向列と、ロールからほどかれたシートの長さ方向に延びているまっすぐに長手方向に延びている列との間にある状態でシートを形成する。
【0060】
形成された貯蔵部を有するシートは、次に、充填装置に進む。充填装置では、所望の香辛料は、各貯蔵部の香辛料の量と容積を制御する汎用の計量装置を通って貯蔵部に堆積される。通常は、シート中の長手方向の貯蔵部の列に対してそれぞれ充填ヘッドがある。または、これらの充填ヘッドは、長手方向のそれぞれの列に対して同じ香辛料を供給してもよい。しかしながら、所望であれば、隣接する充填ヘッドに異なる香辛料を配送し、異なる香辛料がシートの隣接する長手方向の列の貯蔵部を充填するようにすることは、本願の開示範囲である。
【0061】
次に、充填された貯蔵部を有するシートは、製品との相溶性があり、製品劣化を遅らせるのに有効なガスで洗浄される。この時点で、ふた部の第2シート物質は、ロールをほどかれ、前進し、貯蔵部シートが各貯蔵部に対する位置でシールされるところで、貯蔵部シートを薄く覆う。
【0062】
次に、実質的に連続するシート中で、充填され、被覆された貯蔵部は、ダイス切断機まで前進し、個々の容器が連続シートから切り出される。次に、個々の容器に対する汎用の蓄積、パッケージ、パレット積載、貯蔵、および出荷を行う。
【0063】
用語「約(about)」は、本明細書中で様々な場所で数値に対して数学な正確さを避けるために使用される。従って、用語「約」は、数値または数値範囲で使用されるとき、述べられた数値の±10%の許容範囲を含むものとして解釈されることが意図される。同様の効果のために、用語「ほぼ、だいたい(generally)」及び「ほぼ、実質的に(substantially)」が、本明細書中で様々な幾何学的用語、用語、及び/又は、フレーズ対して使用される。そのような文脈における用語「ほぼ、だいたい(generally)」及び「ほぼ、実質的に(substantially)」の意図は、厳格な幾何学的な定義を避けて、幾何学的な定義に近似する構造を含み、かつ、関連する用語、及び/又は、フレーズによって正確に満たされない特徴を含むことを意味する。
【0064】
さらに、本発明は、本明細書のすべての部分が矛盾しないように解釈されることを明白に意図する。したがって、要約、概要、図面の記載などは、限定することを意図せず、全てでないいくつかの特徴を要約すること、あるいは、明細書全体の概要または図面の概要を提供することを意図する。
【0065】
当業者にとって、本明細書が、新しく役に立つ、自明でない香辛料容器を提供することは明白であろう。また、当業者にとって、多くの変形、変更、置換、および同等物が付属の特許請求の範囲に記載された発明の様々な特徴に対して存在することは明らかである。従って、本発明の趣旨と範囲の中にあるすべての修正、変化、代替、および同等物が、付属の特許請求の範囲で定義されるように、包含されることが明白に意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器であって、
前記容器は、第1曲げ剛性を有する容器物質によって形成されている容器部を有し、
前記容器部は、公称容積と噴出口とを有する貯蔵部を画定し、
前記容器部は、公称幅を有するほぼ平らな底部を有し、
前記容器部は、前記ほぼ平らな底部にほぼ平行であり、かつ前記ほぼ平らな底部から間隔を空けて配置されており、かつ前記貯蔵部を取り囲んでいる、ほぼ平らなフランジを有し、
前記容器は、前記第1曲げ剛性より小さい第2曲げ剛性を有するカバー物質で形成されている取り外し可能なカバー部を有し、前記カバー部は、前記ほぼ平らなフランジを実質的に覆っており、
前記容器は、
接着されていない領域が前記噴出口と整列して存在するように、前記容器部と前記ほぼ平らなフランジの領域中にある前記カバー部との間にある接着剤と、
前記噴出部をほぼ横切るように整列している弱体化されている領域と、
前記接着されていない領域にある剥がし開始部と、
を有することを特徴とする容器。
【請求項2】
前記ほぼ平らな底部中にあり、前記ほぼ平らな底部の前記第1曲げ剛性を増加するように作用する浮彫部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ほぼ平らな底部中にある浮彫部を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記容器部及び前記カバー部は、1組の耳部を画定するように、前記容器の側部から容器端部に向かって延びているほぼ対称形の1組の切れ目を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記1組の耳部は、表面に接着処理剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記容器部は、酸素の侵入を抑制する障壁となる物質から作られていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記カバー部は、酸素の侵入を抑制する障壁となる物質から作られていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記剥がし開始部は、前記噴出口の部分と長手方向に一列に並ぶ位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記剥がし開始部は、前記噴出口の部分と対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記弱体化されている領域は、前記噴出口の対応する側部に配置された、一列に並んでいる1組の切れ目を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記弱体化されている領域は、機械的に処理されていることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記弱体化されている領域は、レーザによる刻み目を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項13】
前記接着剤は、約2〜約10ポンド(約0.9〜約4.53kg)の範囲の力で剥がれる抵抗力を提供することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項14】
前記貯蔵部は、深さが幅の約50%未満であり、前記深さが長さの約35%未満であるような前記幅と前記深さと前記長さとを有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項15】
前記容器は、印加される約50ポンド(約22.7kg)の重さを支えることができることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項16】
前記貯蔵部は、香辛料を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項17】
前記貯蔵部は、ケチャップ、マヨネーズ、およびソースからなるグループから選択される香辛料を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項18】
前記貯蔵部は、ケチャップを含むことを特徴とする請求項17に記載の容器。
【請求項19】
前記第1曲げ剛性を有する容器物質及び前記第2曲げ剛性を有する容器物質は、前記香辛料が少なくとも約6カ月の貯蔵寿命があるように選択されることを特徴とする請求項18に記載の容器。
【請求項20】
前記貯蔵寿命は、Lの色空間で作動する比色計を用いて決定され、前記L値は6ヶ月の間で約10%を超えて低下しないことを特徴とする請求項19に記載の容器。
【請求項21】
前記カバー部は、箔層を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項22】
前記カバー部及び前記容器部は、不透明であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項23】
前記カバー部の前記カバー物質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、APET(無定形ポリエチレンテレフタレート)、OPET(配向されたポリエチレンテレフタレート)、MET-PET(金属化されたポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、mLLDPE(メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、mPE(メタロセンポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル),PP(ポリプロピレン)、mOPP(金属化され配向されたポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、箔、EVOH(エチレンビニールアルコール)、ポリアミド、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)、二軸延伸材料(biaxially oriented material)、米国連邦法コード21パート177の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項24】
前記カバー部は、少なくとも2つの層を含み、少なくとも1つの層は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、APET(無定形ポリエチレンテレフタレート)、OPET(配向されたポリエチレンテレフタレート)、MET-PET(金属化されたポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、mLLDPE(メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、mPE(メタロセンポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル),PP(ポリプロピレン)、mOPP(金属化され配向されたポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、箔、EVOH(エチレンビニールアルコール)、ポリアミド、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)、二軸延伸材料(biaxially oriented material)、米国連邦法コード21パート177の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択されることを特徴とする請求項22に記載の容器。
【請求項25】
前記カバー部の厚さは、約1ミル(約0.0025cm)〜約5ミル(約0.0127cm)の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項26】
前記容器部の前記容器物質は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、APET(無定形ポリエチレンテレフタレート)、OPET(配向されたポリエチレンテレフタレート)、MET-PET(金属化されたポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、mLLDPE(メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、mPE(メタロセンポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル),PP(ポリプロピレン)、mOPP(金属化され配向されたポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、箔、EVOH(エチレンビニールアルコール)、ポリアミド、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)、二軸延伸材料(biaxially oriented material)、米国連邦法コード21パート177の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項27】
前記容器部は、少なくとも2つの層を含み、少なくとも1つの層は、少なくとも1つの層が、PET(ポリエチレンテレフタレート)、APET(無定形ポリエチレンテレフタレート)、OPET(配向されたポリエチレンテレフタレート)、MET-PET(金属化されたポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、mLLDPE(メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、mPE(メタロセンポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル),PP(ポリプロピレン)、mOPP(金属化され配向されたポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、箔、EVOH(エチレンビニールアルコール)、ポリアミド、ナイロン、PVC(ポリ塩化ビニル)、二軸延伸材料(biaxially oriented material)、米国連邦法コード21パート177の要件を満たす物質、およびそれらの組合せからなるグループから選択されることを特徴とする請求項25に記載の容器。
【請求項28】
前記容器部の厚さは、約3ミル(約0.0076cm)〜約20ミル(約0.051cm)の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2012−524702(P2012−524702A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507222(P2012−507222)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/001221
【国際公開番号】WO2010/123582
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(509038924)エイチ.ジェイ.ハインツ カンパニー (6)
【Fターム(参考)】