説明

多機能付予防マスク

【課題】外気の侵入を遮断し新鮮な空気のみを吸込むと共に、体内から吐出される空気の排出口をマスク内に区別して設置し、体内から吐出された空気を2度3度と吸入しない。
【解決手段】鼻尖2の左右側周辺部の肌6に当接する上方空気侵入防止部7を形成し、鼻孔3と口部8間の当接する下方空気侵入防止部10を形成し、侵入防止部7と侵入防止部10の左右側方部12の間に空気取入口16aと吐出口16bとを有する濾過材16を挿入し侵入防止部10下方部を延設し、口部と下方あご部を被覆する空気吐出孔22bを有する下方被覆部22を延設し、鼻尖2と侵入防止部10間に薄い合成樹脂製の外側カバー部20の内側に薄い合成樹脂製の内側カバー部21を垂下し、カバー部20、21間に、空気の排出時には開放し吸込み時には閉じる開閉調節弁18を介在する内側被覆体aを形成し、空気取入口を内側被覆体より飛出し内側被覆体の外側面にマスク部cを取着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能付予防マスクの分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鼻保護体と鼻マスクとして特許第3110752号の登録実用新案公報が開示されている。
【0003】
前記開示の発明は、花粉などの粉塵が吸入されない鼻保護体であり、鼻孔から吐出した空気のみを吐出す機構を全く有していないものである。
【0004】
さらに従来吸・呼気・分別マスクとして特開2004−337563公開特許公報が開示されている。
【0005】
前記開示のマスクは、主に複式呼吸に対応した花粉・細菌・ウィルスによるアレルギー症状、感染症予防に必要なマスクに関するものであって、鼻孔より吐出した空気のみを吐出す機構を有したものではない。
【0006】
また従来鼻・口唇部に弁幕を付加した当てガーゼ及びマスクが特開2008−136826に公開特許公報が開示されている。この公開特許公報の発明のマスクは、弁幕4が縫合固定し、口辺を覆い、鼻・口唇部に弁幕を付加した構成であって、前記弁幕4が垂下して空気を吐出すときと、吸込むときに揺動し、空気の吐出口を閉止したり、あるいは開放したりしない機構である。
【0007】
さらにスギ花粉症の有害について詳述すると以下のとおりである。
第1に、スギ花粉の大きさ(粒子経)については以下のとおりである。
一般的には、「スギ花粉はおよそ25〜35μmというサイズで、風に乗って遠距離を飛散する。10km以上、ときには300kmも離れた場所から飛んでくる」(ウィキペディアフリー百科事典)とされているが、菅原文子等による研究「住居侵入スギ花粉エアロゾルに関する研究」日本建築学会計画系論文集 第515号75−81 1991年1月では、「屋外では25μm以上の大粒経と5μm付近にピークのある二山形を示し、室内では大粒子が少なく5μm以下の小粒子にピークが現れる。」としている。これは、スギ花粉粒子が会合したり、破壌したりするためである。
第2に、スギ花粉とアレルギーについて説明すると以下のとおるである。
国立相模原病院臨床研究センターの安技等によれば、スギ花粉症を引き起こす原因物質は、花粉の最表層を構成する花粉壁外層、およびその表面に付着している微粒子であるオービクル(orbicle)に存在する2種類の主要アレルゲンCryj1 Cryj2タンパク質。(安技浩 スギ花粉アレルゲン 医学の歩みよりVol.200No.5 2002.2.2)としている。
従って、前記第1で記述した5μm以下の破壊された小粒子であっても、アレルギー物質が付着していることになる。
【0008】
第3に、マスクの粒子捕捉について説明すると以下のとおりである。
ファンメディカルより「超防御ウィルス花粉マスクFSC・98S 20枚」(¥7,245)が発売されており、擬似ウィルス粒子76mm(0.076μm)による実験で捕集率99.77%とうたっているが、廉価で一般的な花粉対策マスクでは、スギ花粉の粒径が25〜35μmとして、これらを99%以上捕捉するものが主流である。
【0009】
第4に、シガレットフィルターの粒子捕捉について説明すると以下のとおりである。
こまかな粒子まで捕捉することは可能であっても、通気抵抗(圧力損失)が大きければ、実用的ではない。一般的なシガレットフィルター(ACFフィルター、日本フィルター工業(本社:東京都渋谷区)の粒子補足は0.3μm以上の粒子を捕捉できるように設計されている。
【0010】
また、空気中及び呼気中の成分割合は以下のとおりである。
大気 呼気
酸素 20% 16%
二酸化炭素 0.04% 4%
窒素 79%程度 79%程度
この他に水蒸気を含んでおり、水蒸気の量は温度に大きく左右される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】登録第3110752号登録実用新案公報
【特許文献2】特開2004−337563公開特許公報
【特許文献3】特開2008−136826公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、外気の侵入を遮断しながら常時新鮮な空気のみを吸込むと共に、体内から吐出される空気の排出口をマスク内に区別して設置し、体内から吐出された空気を2度3度と吸入しないような機構のマスクを創作したものである。
【0013】
人体の構造は、進化の過程で身体に毒となるものを全て体外に排出するようにできでいる。例えば汗・咳・唾・痰・大小便、中でも、呼吸は酸素入りの空気を吸い老廃物と二酸化炭素の混じった空気を吐き出している。
【0014】
そして密閉された狭い空間では、呼吸ができなくなり、やがて死に至る。
昔の潜水艦は、決った時間に浮上して、空気の入れ替えをしなければならなかった。
【0015】
現在のマスクは、吐き出された老廃物入りの空気を、二度・三度と身体に取り込んでいることが問題である。
【0016】
まして花粉症やアレルギーで悩む方にとっては深刻である。
【0017】
人の鼻の中は、微少の塵煙、各種のウィルスを肺の中に取り込むのを防ぐため、無数の鼻毛が生えている。
【0018】
そして適度の湿り気を帯びているのは、鼻毛に前記微少の塵煙、各種のウィルスを付着させるためのものである。
【0019】
さらに従来開示の特許第3300893号特許公報の悪臭防止用鼻栓付きマスクは、鼻の中に直接輪3を差し込み悪臭等を防止するが、かかるマスクは鼻の粘膜を痛める恐れがある。
【0020】
しかるに本発明は、前記した従来タイプのマスクを下記のように改良したものである。
【0021】
第1に本発明は、前記した微少の塵煙、各種のウィルス等が肺の中に取り込むのを防止するため、空気取入口には、人体の鼻と同じ構造を持たせるべく、マスクの左右両側方部に空気浄化用の濾過材を設置し、設置した濾過材は、煙草に使用されているアセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材の濾過材を挿入する。従って前記濾過材の無数の小孔内に前記外部から取り入れられた空気内に含まれている前記した微小の塵煙、各種のウィルス等が吸着し、新鮮な空気だけが鼻孔より肺に入って行くようにした。
【0022】
さらに、前記濾過材は一日で使い捨ててもよく限定はしない。そして前記濾過材の無数の小孔は、人間の鼻の延長と考え最も効果的と考える。
【0023】
第2に本発明は、体内の老廃物を吐出すときは、鼻先に設けた開閉弁が若干開いて吐出口から外側へと排出され、反対に新鮮な空気を取り入れるときは、前記開閉弁が吐出口を閉じて、残留する体内の老廃物を二度、三度と吸入することを防止した。
【0024】
したがって新鮮な空気の取入れは、吸入した外気を前記した左右両側方部に設置した濾過材に挿入する前記煙草に使用されているアセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材の濾過材内を通過せしめ、且前記した微小な塵煙、各種のウィルス等を付着せしめると共に、前記左右両側方部に設置の濾過材によって新鮮な空気の外部漏れを防止した。
【0025】
前記のようにして前記濾過材から取入れられた空気は、ストレートに鼻孔から肺に吸入される。
【0026】
第3に本発明は、肺に疾患のある方、腎盂炎の方、花粉症の方、アレルギーの方にとって有益であると共に、外科医の先生方の長時間に及ぶ手術の際のマスクでも汗による眼鏡の曇りを防止できる。
【0027】
第4に本発明は、医療以外の看護の方、寝たきり患者の排泄物処理の際の悩みを軽減することができると共に、煙草を止めたい方、吸いたい方のストレスを解消(両頬の空気取入口は濾過材にして空気の浄化を図ることになっているので、濾過材の一部に香り煙草を設置することにより、強い煙草の香りや弱い香りを嗅ぐことができ、人ごみの中や子供の居る部屋でも事由に煙草を吸う感じを味わうことができる。また、煙草好きの方でも、体内に煙草の煙が入らないため健康によい。)することができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、鼻尖2より上方の外鼻1の左側周辺部4と右側周辺部5の肌6に当接する上方空気侵入防止部7を形成し、前記上方空気侵入防止部7の下方部の鼻孔3と口部8との間の肌6に当接する下方空気侵入防止部10を形成し、前記上方空気侵入防止部7と下方空気侵入防止部10の左側方部12と右側方部13との間に空気取入口16aと空気吐出口16bとを有する濾過材16を出入自在に挿入し、且前記下方空気侵入防止部10の下方部を延設して、前記口部8と前記口部8の下方のあご部9を被覆する空気吐出孔22bを有する下方被覆部22を延設し、前記鼻尖2及び外鼻1と前記下方空気侵入防止部10との間に、薄い合成樹脂製の外側カバー部20の内側に前記外側カバー部20より短く且薄い合成樹脂製の内側カバー部21を垂下し、前記外側カバー部20と内側カバー部21との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁18を介在せしめる内側被覆体aを形成し、前記濾過材16の空気取入口16aを前記内側被覆体aより飛出し、前記内側被覆体aの外側面にマスク部cを取着せしめることを特徴とする多機能付予防マスクである。
【0029】
上記課題を解決するための手段として、請求項2記載の発明は、前記濾過材16は、アセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材を使用することを特徴とする請求項1に記載の多機能付予防マスクである。
【0030】
上記課題を解決するための手段として、請求項3記載の発明は、前記の開閉調節弁18は、薄い板状合成樹脂製とし上方部23を基点に垂下状に取着されていることを特徴とする請求項1又は同2に記載の多機能付予防マスクである。
【0031】
上記課題を解決するための手段として、請求項4記載の発明は、前記内側被覆体aは、可塑性を有する合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1、2又は3又に記載の多機能付予防マスクである。
【0032】
上記課題を解決するための手段として、請求項5記載の発明は、前記内側被覆体aに形成の薄い合成樹脂製の外側カバー部20の内側に前記外側カバー部20より短く且薄い合成樹脂製内部カバー部21を垂下し、前記外側カバー部20と内側カバー部21との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁18は別設して前記内側被覆体aに嵌脱自在とすることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の多機能付予防マスクである。
【0033】
上記課題を解決するための手段として、請求項6記載の発明は、前記内側被覆体aは、前記内側被覆体aの端部に形成する引掛け部23にバンドcを引掛け固定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の多機能付予防マスクである。
【0034】
上記課題を解決するための手段として、請求項7記載の発明は、前記上方空気侵入防止部7と前記下方空気侵入防止部10は、肌6に当接する肌触りが良好にして、且違和感がない素材の合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の多機能付予防マスクである。
【発明の効果】
【0035】
請求項1記載の発明は、鼻尖より上方の外鼻の左側周辺部と右側周辺部の肌に当接する上方空気侵入防止部を形成し、前記上方空気侵入防止部の下方部の鼻孔と口部との間の肌に当接する下方空気侵入防止部を形成し、前記上方空気侵入防止部と下方空気侵入防止部の左側方部と右側方部との間に空気取入口と空気吐出口とを有する濾過材を出入自在に挿入し、且前記下方空気侵入防止部の下方部を延設して、前記口部と前記口部の下方のあご部を被覆する空気吐出孔を有する下方被覆部を延設し、前記鼻尖及び外鼻と前記下方空気侵入防止部との間に、薄い合成樹脂製の外側カバー部の内側に前記外側カバー部より短く且薄い合成樹脂製の内側カバー部を垂下し、前記外側カバー部と内側カバー部との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁を介在せしめる内側被覆体を形成し、前記濾過材の空気取入口を前記内側被覆体より飛出し、前記内側被覆体の外側面にマスク部を取着せしめる多機能付予防マスクなので、開閉弁によって人体から出された空気のみを確実に吐き出し、二度、三度と吸入することがない。
【0036】
さらに本発明は、前記の開閉弁によって人体から吐出された空気が排出された後、新鮮な空気を吸入するときは、左右両側方部の出入自在の濾過材内を通過する際に、外気に含まれていた微小な塵煙、各種ウィルス等が前記濾過材内に確実に付着せしめ新鮮な空気のみを鼻孔から肺に吸入される利点がある。
【0037】
そのため、健康な方は勿論前記した健康を害している方や、前記した疾病患者らにとって、本発明のマスクを着用することによって前記したメリットがある。
【0038】
さらに本発明は介護に従事する方や、医師らが着用することによって、前記したメリットがあり極めて実用性に優れた利点がある。
【0039】
さらに本発明は、前記した両空気侵入防止部によって、外部から空気が侵入しないと共に、前記濾過材内を通過して発生した新鮮な空気が、外部に漏れたりしない利点を有している。
【0040】
また本発明は、上下両空気侵入防止部が合成樹脂製(イラストマー)なので、肌に当接しても肌を保護し損傷したりしない。
【0041】
請求項2記載の発明は、前記濾過材は、アセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材を使用する多機能付予防マスクなので、前記請求項1に記載の発明と同じ効果を有している。
【0042】
請求項3記載の発明は、前記の開閉調節弁は、薄い板状合成樹脂製とし上方部を基点に垂下状に取着されている多機能付予防マスクなので、前記請求項1又は同2に記載の発明と同じ効果を有している。
【0043】
請求項4記載の発明は、前記内側被覆体は、可塑性を有する合成樹脂製とする多機能付予防マスクなので、人体から吐出された空気のみを排出し、残留する吐出し空気を2度3度と吸入したりしない。
【0044】
さらに本発明は前記請求項1、2又は同3に記載の発明と同じ効果を併有している。
【0045】
請求項5記載の発明は、前記内側被覆体に形成の薄い合成樹脂製の外側カバー部の内側に前記外側カバー部より短く且薄い合成樹脂製の内部カバー部を垂下し、前記外側カバー部と内側カバー部との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁は、別設して前記内側被覆体に嵌脱自在とする多機能付予防マスクなので、前記請求項1、2、3又は同4に記載の発明と同じ効果を併有している。
【0046】
請求項6記載の発明は、前記内側被覆体は、前記内側被覆体の端部に形成する引掛け部にバンドを引掛け固定する多機能付予防マスクなので、前記請求項1、2、3、4又は同5に記載の発明と同じ効果を併有している。
【0047】
請求項7記載の発明は、前記上方空気侵入防止部7と前記下方空気侵入防止部10は、肌6に当接する肌触りが良好にして、且違和感がない素材の合成樹脂製とする多機能付予防マスクなので、前記請求項1、2、3、4、5又は同6に記載の発明と同じ効果を併有している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明多機能付予防マスクの使用状態を示す正面図である。
【0049】
【図2】同マスクの右側面図である。
【0050】
【図3】同マスクの左側面図である。
【0051】
【図4】同マスクの要部の右側面図である。
【0052】
【図5】バンドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の多機能付予防マスクの好適な実施形態を、以下図面に従って説明する。なお本請求項1〜7に記載の発明に関する実施の形態は共通しているので、以下のとおり一括して説明する。
【0054】
図において、a本発明の多機能付予防マスクを構成する可塑性を有する薄い(0.5mm)合成樹脂製の内側被覆体であり以下の構成からなっている。
【0055】
この内側被覆体aは、鼻尖2より上方の外鼻1の左側周辺部4と右側周辺部5の肌6に密着もしくは当接する折曲形状の上方空気侵入防止部7が形成される。
【0056】
さらに、前記上方空気侵入防止部7の下方部に、鼻孔3と口部8との間の肌6に密着もしくは当接する下方空気浄化部10を形成する。前記下方空気侵入防止部10も、前記鼻孔3と口部8の肌に密着もしくは当接する。
【0057】
また、前記上方空気侵入防止部7と下方空気侵入防止部10は、前記内側被覆体aの内側面に細長形状にして、且膨出状にて形成される。
【0058】
さらに、前記上方空気侵入防止部7と下方空気侵入防止部10の夫々の左側方部12と右側方部13との間の前記内側被覆体aの内側面に空気取入口16aと空気吐出口16bとを有する濾過材16を別設し、前記濾過材16を出入自在に挿入する。そして前記濾過材16の大きさは、前記上方空気侵入防止部7等の厚さと同程度として、肌6に密着したとき空気が侵入しないような形状とする。
【0059】
またこの濾過材16は、アセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材のものを使用する。
【0060】
さらに前記濾過材16の空気取入口16aは、前記内側被覆体aに形成の切欠部16cより飛出し組立てる。その結果外部の吸入空気をスムーズに取入れることができる。
【0061】
そして前記濾過材16の空気吐出口16bは、前記内側被覆体aの内側面に位置し、且濾過材16の外側面は前記内側被覆体aの内側面に密着している。
【0062】
さらに本発明は、前記内側被覆体aを構成する前記下方空気侵入防止部10の下方部を延設して、前記口部8と前記口部8の下方のあご部9の全部もしくは一部を被覆する下方被覆部22を延設する。
【0063】
また本発明は、鼻孔3より吐出す空気の吐出し機構bを説明すると以下のとおりである。
【0064】
前記空気吐出し機構bは、図3、4に示されているように、鼻尖2より下方空気侵入防止部10の間に設けられるものであり、前記内側被覆体aと一体に形成してもよいし、あるいは別設しておき嵌脱式にしてもよい。
【0065】
以下その構成を説明すると以下のとおりである。
【0066】
すなわち、薄い合成樹脂製の外側カバー部20の内側に前記外側カバー部20より短く且薄い合成樹脂製の内側カバー部21を垂下し、前記外側カバー部20と内側カバー部21との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸込み時には閉じる開閉調節弁18を介在せしめる。
【0067】
さらに、前記開閉調節弁18は薄い樹脂製のため空気を吸ったり、吐いたりするときは、前記外側カバー部20と、前記内側カバー部21の間の5mm〜6mmの間を、前記外側カバー部20と内側カバー部21にくっついたり、離れたりして空気の吐出し、吸込み機能をスムーズに発揮するものである。前記開閉調節弁18の下方部が図示の状態から鼻孔3の方向に引き寄せられる。
【0068】
そして前記外側カバー部20と前記内側カバー部21は、固くて厚い合成樹脂製にして、固定状態で形成されている。前記開閉調節弁18だけが上方部23を取着して垂下状に吊下げられ、前記内外側カバー部20、21の間に介在されている。
【0069】
さらに、前記内側被覆体aの外側面には別設のマスク部cを被覆せしめ組立てる。
【0070】
dは前記内側被覆体aの端部2個所に形成の引掛け部24に端部を引掛けたバンドである。
【0071】
本発明のマスクの作用につき説明すると以下のとおりである。
【0072】
前記内側被覆体aを従来のマスクと同様に、鼻、口に当て、2つのバンドdの夫々の端部を頭部の後方部に接続し、その後マスク部cの紐を耳に引掛ける。
【0073】
本発明のマスクを着用して空気を鼻孔3より吐出すときは、前記開閉調節弁18が、外側カバー部20の方向に押され若干揺動して、前記吐出孔22aからマスク部cへと流通し外部に排出する。
【0074】
他方浄化された新鮮な空気を鼻孔3から吸込むときは、前記開閉調節弁18が前記内側カバー部21に密着し、該内側カバー部21の下方部の吐出孔22aを瞬時に遮蔽する。
【0075】
前記の作動時に、前記濾過材16の空気取入口16aから空気吐出口16bへと通過し空気は濾過される。そのとき前記濾過材16の空隙部内に外部から入ってきた空気中に含まれている塵煙や各種のウィルス等が付着し、新鮮な空気のみが、前記内側被覆体a内に入り、鼻孔3から肺に吸込まれる。
【0076】
さらに前記濾過材16は、一定期間使用後は、交換する。
【0077】
また本発明は、口部8から吐出された空気は、空気吐出孔22bから吐出される。
【0078】
本発明のマスクは、従来予防されているタイプのマスクとは著しく構成が異なり有益な利点を多数有している。
【符号の説明】
【0079】
a 内側被覆体
b 空気吐出し機構
c マスク部
d バンド
1 外鼻
2 鼻尖
3 鼻孔
4 左側周辺部
5 右側周辺部
6 肌
7 上方空気侵入防止部
8 口部
9 あご部
10 下方空気侵入防止部
12 左側方部
13 右側方部
16 濾過材
16a 空気取入口
16b 空気吐出口
18 開閉調節弁
20 外側カバー部
21 内側カバー部
22 前方下側部
22a 吐出孔
22b 空気吐出孔
23 上方部
24 引掛け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻尖より上方の外鼻の左側周辺部と右側周辺部の肌に当接する上方空気侵入防止部を形成し、前記上方空気侵入防止部の下方部の鼻孔と口部との間の肌に当接する下方空気侵入防止部を形成し、前記上方空気侵入防止部と下方空気侵入防止部の左側方部と右側方部との間に空気取入口と空気吐出口とを有する濾過材を出入自在に挿入し、且前記下方空気侵入防止部の下方部を延設して、前記口部と前記口部の下方のあご部を被覆する空気吐出孔を有する下方被覆部を延設し、前記鼻尖及び外鼻と前記下方空気侵入防止部との間に、薄い合成樹脂製の外側カバー部の内側に前記外側カバー部より短く且薄い合成樹脂製の内側カバー部を垂下し、前記外側カバー部と内側カバー部との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁を介在せしめる内側被覆体を形成し、前記濾過材の空気取入口を前記内側被覆体より飛出し、前記内側被覆体の外側面にマスク部を取着せしめることを特徴とする多機能付予防マスク。
【請求項2】
前記濾過材は、アセテートフィルターもしくはアセテートフィルターと同素材を使用することを特徴とする請求項1に記載の多機能付予防マスク。
【請求項3】
前記の開閉調節弁は、薄い板状合成樹脂製とし上方部を基点に垂下状に取着されていることを特徴とする請求項1又は同2に記載の多機能付予防マスク。
【請求項4】
前記内側被覆体は、可塑性を有する合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1、2又は3又に記載の多機能付予防マスク。
【請求項5】
前記内側被覆体に形成の薄い合成樹脂製の外側カバー部の内側に前記外側カバー部より短く且薄い合成樹脂製の内部カバー部を垂下し、前記外側カバー部と内側カバー部との間に、空気の排出時には開放し、空気の吸い込み時には閉じる開閉調節弁は、別設して前記内側被覆体aに嵌脱自在とすることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の多機能付予防マスク。
【請求項6】
前記内側被覆体は、前記内側被覆体の端部に形成する引掛け部にバンドを引掛け固定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の多機能付予防マスク。
【請求項7】
前記上方空気侵入防止部と前記下方空気侵入防止部は、肌に当接する肌触りが良好にして、且違和感がない素材の合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の多機能付予防マスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−264183(P2010−264183A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120092(P2009−120092)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(594035460)有限会社竹内快速鋸 (6)
【Fターム(参考)】